JP5489640B2 - 複合フィルム及び電子部品の製造方法 - Google Patents
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ガラス/ポリマー複合フィルムの利点として、ロール状やスタック状にすることできることが挙げられるが、ロール状やスタック状にすると、互いのフィルムの表面が密着するため、キズや汚染が生じ易い。
<1> 厚みが50〜200μmであるガラスフィルムと、
前記ガラスフィルムの一方の面に設けられ、該ガラスフィルムを保護し、ポリビニルアルコールから構成されているアルカリイオン含有量が150ppm以下である水溶性ポリマー層と、
前記ガラスフィルムの他方の面に設けられ、該ガラスフィルムを支持し、非水溶性ポリマーがポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート及びポリエチレンナフタレートから選択される少なくとも1種により形成された非水溶性ポリマー層と、
を有する複合フィルム。
<2> 前記非水溶性ポリマー層の水接触角が70度以上である<1>に記載の複合フィルム。
<3> 厚みが50〜200μmである連続した帯状のガラスフィルムを準備する工程と、
前記ガラスフィルムの一方の面に、該ガラスフィルムを保護し、ポリビニルアルコールから構成されているアルカリイオン含有量が150ppm以下である水溶性ポリマー層を形成する工程と、
前記ガラスフィルムの他方の面に、該ガラスフィルムを支持し、非水溶性ポリマーがポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート及びポリエチレンナフタレートから選択される少なくとも1種により形成された非水溶性ポリマー層を形成する工程と、
前記水溶性ポリマー層及び前記非水溶性ポリマー層が形成された前記帯状のガラスフィルムを切断して複合フィルムを作製する工程と、
前記水溶性ポリマー層を水又は水溶液で溶かして前記複合フィルムから除去する工程と、
前記複合フィルムから前記水溶性ポリマー層を除去して露出した前記ガラスフィルムの表面上に電子部品を形成する工程と、
を有する電子部品の製造方法。
<4> 前記複合フィルムを作製する工程と、前記電子部品を形成する工程との間に、
前記水溶性ポリマー層及び前記非水溶性ポリマー層が形成された前記帯状のガラスフィルムを切断して作製した複数の複合フィルムを、前記水溶性ポリマー層と前記非水溶性ポリマー層とが対面するように順次重ねる工程と、
前記重ねた複数の複合フィルムをそれぞれ分離する工程と、
を有する<3>に記載の電子部品の製造方法。
図1は本発明に係る実施形態の一例を概略的に示している。本実施形態に係る複合フィルム100は、ガラスフィルム10と、ガラスフィルム10の一方の面に設けられ、該ガラスフィルム10を保護し、ポリビニルアルコールから構成されているアルカリイオン含有量が150ppm以下である水溶性ポリマー層20と、ガラスフィルム10の他方の面に設けられ、該ガラスフィルム10を支持する非水溶性ポリマー層30と、を有する。このような構成であれば、ガラスフィルム10の両面がポリマー層20,30によってそれぞれ保護されるため、ロール状又はスタック状にして互いに密着してもガラスフィルム10の表面にキズが付いたり、汚染されたりすることを効果的に防ぐことができる。
以下、各構成について具体的に説明する。
複合フィルム100を構成するガラスフィルム10は、非水溶性ポリマー層30によって支持されるため、ガラス単体を支持基板とする場合に比べ、厚みが薄いガラスフィルムを採用することができる。
ガラスフィルム10の種類は特に限定されず、石英ガラス、無アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダライムガラス等を使用することができる。なお、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。
なお、ガラスフィルム10を製造する方法は特に限定されないが、厚みの薄いガラスフィルムを製造する方法として、例えば、フュージョン法、ダウンロード法等が挙げられ、これらの方法により製造されたガラスフィルムを好適に用いることができる。
水溶性ポリマー層20はガラスフィルム10の電子部品を形成する側の面に設けれ、輸送、保管中にガラス面(電子部品を形成する側の面)を保護する。
水溶性ポリマー層20は、好ましくは常温(15℃)から45℃の水によって容易に溶解する樹脂により形成される。水溶性ポリマー層20を構成する材料は、水等の溶媒に溶かした溶液をガラスフィルム10の表面に付与して乾燥させることで固化し、水又はアルカリ性水溶液などの洗浄液に溶解して除去することができる樹脂であれば特に限定されない。
なお、本発明で用いる水溶性ポリマーは、JIS K5400−1990 8.4に規定される鉛筆引っかき値測定法(手かき法)に従って試験を行い、塗膜表面に鉛筆で引っかいて、5回の試験で塗膜のすり傷が2回以上になる鉛筆の芯濃度から、本発明の塗膜(水溶性ポリマー層)の強度はB以上が好ましい。
成膜性、溶解性などの観点から、特にポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、または、これらのいずれかとシリカとの複合膜などが好ましい。
非水溶性ポリマー層30はガラスフィルム10の電子部品を形成する反対側の面に設けられ、ガラスフィルム10を支持する。
非水溶性ポリマー層30は、水溶性ポリマー層20を溶解するために使用する水等の洗浄液によって溶解せず、水溶性ポリマー層20を溶解して除去した後、さらに、露出したガラス面に電子部品を形成した後もガラスフィルム10を支持することができる樹脂により形成される。
本発明における非水溶性ポリマーは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート及びポリエチレンナフタレートから選択される少なくとも1種である。
なお、非水溶性ポリマー層30は、ガラスフィルム10の片面に直接形成してもよいし、接着層(図示せず)を介してPET、PENなどの非水溶性の樹脂フィルムを貼り合わせてもよい。
次に、本発明に係る複合フィルム100の製造方法について説明する。
図2は本発明に係る複合フィルムの製造方法の一例を概略的に示している。まず、連続した帯状のガラスフィルム10が巻かれたガラスフィルムロール10Aを準備する。
このロール10Aからガラスフィルム10を巻き出し、ガラスフィルム10の一方の面(電子部品を製造する側の面)に、ガラスフィルム10を保護する水溶性ポリマー層20を形成する。水溶性ポリマー層20を形成する方法は特に限定されず、スプレーコート法、キャステング法、ダイコート法、グラビアコート法、ロールコート法、カーテンコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、インクジェット法、ブレードコート法、スクリーンコート法、印刷法、転写法等を用いることができる。
例えば、図2に示すように、矢印Aの方向に一定の速度で移動するガラスフィルム10の片面全体にインクジェットノズル22によりPVA溶液を付与してPVA塗膜20Aを形成する。続いてヒーターなどの乾燥手段24によって、例えば80〜150℃程度で加熱乾燥させて溶媒を蒸発させることで固化したPVA層20を形成することができる。
PVA層20を形成した後、ガラスフィルム10の反対側の面に非水溶性ポリマー層30を形成する。非水溶性ポリマー層30を形成する方法も特に限定されず、水溶性ポリマー層20の形成方法で挙げた各種方法のほか、接着剤を付与して非水溶性ポリマー層30となるフィルムを連続的に貼り合わせてもよい。
なお、上記の方法では水溶性ポリマー層20を形成した後、非水溶性ポリマー層30を形成したが、これらのポリマー層を形成する順序はこれに限定されず、非水溶性ポリマー層30を形成した後、水溶性ポリマー層20を形成してもよい。
連続した帯状の複合フィルム(ロール50)は、電子部品を製造する前に、カッターなどの切断手段により目的に応じて所定のサイズに切断する。
切断して作製した複合フィルムは順次重ねていけばよいが、この場合も図3に示すように下側となる複合フィルム100Bの水溶性ポリマー層20と、上側となる複合フィルム100Cの非水溶性ポリマー層30とが対面するように順次重ねることで、保管時等に複合フィルム同士が接着することを抑制することができる。
複合フィルム100を支持基板として電子部品を製造する場合、積層されている複合フィルムから1枚ずつ分離し、各複合フィルム100から水溶性ポリマー層20を常温から45℃の水又は水溶液で溶かして除去する。図5に示すように、水(好ましくは純水)等の流水で洗浄することで表面に付着している汚れごと水溶性ポリマー層20を容易に除去することができる。
洗浄により水溶性ポリマー層20が除去して露出したガラス面に、製造すべき最終製品に応じて電子部品を形成する。例えば、以下のような工程により薄膜トランジスタ及び蓄積容量を形成してTFT基板を製造することができるが、これに限定されるものではない。
図6に示すように、複合フィルム100から水溶性ポリマー層20を除去して露出したガラス面に、Mo等からなる導電層をスパッタリング法によって形成した後、フォトリソグラフィ法及びエッチングによってTFTのゲート電極60及び蓄積容量(キャパシタ)の下部電極70をそれぞれパターニングする。
これらの電極60,70を構成する材料としては、Moのほか、例えば、Al、Cr、Ta、Ti、Au、Ag等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
次いで、TFTのゲート絶縁膜とキャパシタの誘電体層を兼ねた絶縁層62を形成する。
絶縁層62は例えばSiO2、SiNx、SiON、Al2O3、Y2O3、Ta2O5、HfO2等の絶縁体から構成され、それらの化合物を2種以上含む絶縁層としてもよい。また、ポリイミドのような高分子絶縁体を用いてもよい。
次に、活性層(チャネル層)64を形成する。活性層64は、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、酸化物半導体等から選択された材料により構成される。本実施形態に係る支持基板は、ガラスフィルム10と非水溶性ポリマー層30から構成されているため、樹脂フィルムのみからなる支持基板よりも耐熱性に優れるが、アモルファスシリコン、多結晶シリコンの成膜には高温過程を要し、高温に加熱されると非水溶性ポリマー層30が変形するおそれがある。そのため、スパッタリングによって低温成膜が可能な非晶質酸化物半導体により活性層64を形成することが好ましい。
また、活性層64の電気伝導度は、チャネル層として機能させるため、10−4Scm−1以上102Scm−1未満であることが好ましく、10−1Scm−1以上102Scm−1未満であることがより好ましい。
成膜後、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によってパターニングを行う。あるいは、リフトオフ法、シャドウマスクを用いた方法等により活性層64を形成してもよい。
ソース電極66A及びドレイン電極66Bはそれぞれ活性層64と接触するとともに、ソース・ドレイン電極同士は離間するように形成する。ゲート電極60への電圧の印加により活性層64を介してソース・ドレイン電極66A,66B間に流れる電流が制御される。また、ソース・ドレイン電極66A,66Bとともに、ドレイン電極66Bと接続するキャパシタの上部電極72を形成する。
ソース・ドレイン電極66A,66B及び上部電極72を形成することによりTFT及びキャパシタが作製される。
また、一般的に、TFTの作製前には基板の洗浄が行われるが、本発明に係る複合フィルムを用いる場合、水溶性ポリマー層は水等による洗浄によって容易に除去することができるため、剥離工程などの新たな工程を必要とせず、生産性の低下や製造コストの上昇も抑制することができる。
また、TFTは、一般的に、活性層とソース・ドレイン電極との形成順序でボトムコンタクト型とトップコンタクト型とに分けられるが、いずれの構成としてもよい。すなわち、ソース・ドレイン電極を活性層よりも先に形成して活性層の下面がソース・ドレイン電極に接触する形態(ボトムコンタクト型)としてもよいし、活性層をソース・ドレイン電極よりも先に形成して活性層の上面がソース・ドレイン電極に接触する形態(トップコンタクト型)としてもよい。
<実施例1>
‐複合フィルムの作製工程‐
厚み50μm、幅200mmの薄ガラスフィルム(日本電気ガラス社製)のロールを用意した。
上記ガラスロールからガラスフィルムを引き出し、PVA205C(クラレ社製)100質量部を溶媒(H2O/エタノール=1:1)15質量部に溶解させた溶液を、インクジェット法によってガラスフィルムの片面(TFTを形成する側の面)全体に塗布した。次いで、120℃で30分間乾燥した。これによりガラスフィルムの片面に水溶性ポリマー層を形成した。
上記のようにして得た複合フィルムをロール状態に巻き取った。この時、水溶性であるPVA膜と非水溶性であるPEN表面とが直接接触した。
得られた複合フィルムを純水(流水)で洗浄し、PVA膜を除去した。
PVA膜を除去して露出させたガラス面にMo(厚さ40nm)をスパッタ成膜した後、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングでパターニングして、ゲート電極及び蓄積容量の下部電極を形成した。
SiO2(厚さ200nm)をスパッタ成膜し、ゲート絶縁層および蓄積容量の誘電層とした。
アモルファスGa2O3(厚さ10nm)をスパッタ成膜し、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングにより活性層を覆う領域のみ残して活性層の保護層とした。
IZO(厚さ200nm)を成膜した後、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングによりパターンニングして電荷収集電極(画素電極)を形成した。これによりTFT基板を得た。
電荷発生層用塗布液としてジブロモアントアントロン顔料とポリビニルブチラール樹脂をシクロヘキサノンに添加して分散させたものを用い、スピンコーティングにより塗布及び乾燥して、厚みが0.1μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送材料として下記構造式(I)で表されるN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンを用い、該電荷輸送材料5gとポリカーボネート(分子量:約35000〜40000)5gをメチレンクロリド35gに溶解して、電荷発生層の上にディップコートによって塗布及び乾燥して、電荷輸送層を形成した。100℃で1時間乾燥後、電荷輸送層の厚さを測定すると2μmであった。
これにより放射線撮像装置(カセッテDR)の内蔵線量モニターを作製した。この放射線撮像装置は、ピンホールによる暗電流が少なく、良好な光電変換特性を示した。
また、放射線撮像装置を製造する場合でも、蛍光体層と有機光電変換層を備えた間接型に限らず、蛍光体層を備えた直接変換型の製造に適用してもよい。
10A ガラスフィルムロール
20 水溶性ポリマー層
24 乾燥手段
30 非水溶性ポリマー層
34 乾燥手段
40A,40B 搬送ローラー
50 複合フィルムロール
60 ゲート電極
62 絶縁層
64 活性層
66A ソース電極
66B ドレイン電極
68 層間絶縁膜
70 下部電極
72 上部電極
100 複合フィルム
100A,100B,100C 複合フィルム
Claims (4)
- 厚みが50〜200μmであるガラスフィルムと、
前記ガラスフィルムの一方の面に設けられ、該ガラスフィルムを保護し、ポリビニルアルコールから構成されているアルカリイオン含有量が150ppm以下である水溶性ポリマー層と、
前記ガラスフィルムの他方の面に設けられ、該ガラスフィルムを支持し、非水溶性ポリマーがポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート及びポリエチレンナフタレートから選択される少なくとも1種により形成された非水溶性ポリマー層と、
を有する複合フィルム。 - 前記非水溶性ポリマー層の水接触角が70度以上である請求項1に記載の複合フィルム。
- 厚みが50〜200μmである連続した帯状のガラスフィルムを準備する工程と、
前記ガラスフィルムの一方の面に、該ガラスフィルムを保護し、ポリビニルアルコールから構成されているアルカリイオン含有量が150ppm以下である水溶性ポリマー層を形成する工程と、
前記ガラスフィルムの他方の面に、該ガラスフィルムを支持し、非水溶性ポリマーがポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート及びポリエチレンナフタレートから選択される少なくとも1種により形成された非水溶性ポリマー層を形成する工程と、
前記水溶性ポリマー層及び前記非水溶性ポリマー層が形成された前記帯状のガラスフィルムを切断して複合フィルムを作製する工程と、
前記水溶性ポリマー層を水又は水溶液で溶かして前記複合フィルムから除去する工程と、
前記複合フィルムから前記水溶性ポリマー層を除去して露出した前記ガラスフィルムの表面上に電子部品を形成する工程と、
を有する電子部品の製造方法。 - 前記複合フィルムを作製する工程と、前記電子部品を形成する工程との間に、
前記水溶性ポリマー層及び前記非水溶性ポリマー層が形成された前記帯状のガラスフィルムを切断して作製した複数の複合フィルムを、前記水溶性ポリマー層と前記非水溶性ポリマー層とが対面するように順次重ねる工程と、
前記重ねた複数の複合フィルムをそれぞれ分離する工程と、
を有する請求項3に記載の電子部品の製造方法。
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