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JP5492289B2 - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents
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JP5492289B2 - 成膜装置および成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成膜装置および成膜方法に関し、特に、基板に溶液をインクジェット方式によって塗布する成膜装置および成膜方法に関する。さらには、本発明は、液晶パネルの配向膜などをインクジェット方式によって形成する成膜装置および成膜方法に関する。
なお、本出願は2010年3月26日に出願された日本国特許出願2010−73423号に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
液晶表示装置の構成部品である液晶パネルは、一対の基板を所定のギャップを確保した状態で対向させた構造を有している。この基板間のギャップには、液晶分子を含む液晶層が封入されている。また、両基板の液晶層側の表面には、液晶分子を配向させる配向膜が形成されている。
この配向膜は、ポリイミドを含んだ溶液を基板の表面に塗布することによって形成される。ポリイミド溶液を基板に塗布する方法としては、スピンコート法およびスプレー法の他に、インクジェット法が提案されている(例えば、特許文献1など)。
図1(a)及び(b)は、インクジェット法によって配向膜を形成する場合に使用されるインクジェット塗布装置(成膜装置)1000を示している。図1(a)及び(b)に示した成膜装置1000は、特許文献1に開示されたものである。ここで、図1(a)は、成膜装置1000の側面を示しており、一方、図1(b)は、成膜装置1000の正面を示している。
図1(a)及び(b)に示した成膜装置1000は、脚102を有するベース101と、ベース101の上面に設けられた取り付け板103とから構成されている。取り付け板103には、ガイド部材104が設けられており、そして、ガイド部材104の上面には、ほぼ矩形板状の搬送テーブル105が、逆U字状のスライド部材106を介してスライド可能に保持されている。搬送テーブル105は、図示しない駆動装置に接続されている。この駆動装置を作動することによって、搬送テーブル105をガイド部材104に沿って駆動することができる。
搬送テーブル105の上面には、ガラス基板などの基板Wが脱着可能に保持される。そして、基板Wは、搬送テーブル105の上面に保持されて、ベース101の長手方向に沿って搬送される。ベース101の長手方向の中途部には、一対のガイド部材104を跨ぐように門型の支持体107が立設されている。この支持体107の両側上部には、取付け部材108が水平に架設されている。取付け部材108には、搬送テーブル105と直交する方向に沿って駆動させるヘッドテーブル131が設けられている。なお、ヘッドテーブル131は、駆動源132によって駆動されるようになっている。
ヘッドテーブル131の一側面には、インクジェット方式の複数のヘッド109が、基板Wの搬送方向に対して一列に配置されている。なお、ヘッド109は、図2(a)及び(b)に示すような構造を有している。図2(a)は、ヘッド109の断面図であり、図2(b)は、ヘッド109の底面図である。
各ヘッド109は、ヘッド本体111を備えている。ヘッド本体111は、上面側から下面側に連通する開口部112を有しており、その下面開口は可撓板113によって閉塞されている。なお、可撓板113は、ノズルプレート114によって覆われており、それによって、ヘッド本体111の下面側には、可撓板113とノズルプレート114との間に液室115が形成されている。
ヘッド本体111の長手方向の一端部には、液室115に連通する供給孔117が形成されている。この供給孔117からは、液室115に、例えば、配向膜またはレジストなどの機能性薄膜を形成する溶液が供給管117aを通じて供給される。それによって、液室115内は溶液で満たされるようになっている。ノズルプレート114には、図2(b)に示すように、ヘッド本体111の長手方向と直交する幅方向のほぼ中心部に沿って複数のノズル116が所定間隔で配列されている。また、可撓板113の上面には、ノズル116に対向して圧電素子118が設けられている。
そして、複数のヘッド109は、ノズル116が基板Wの搬送方向と直交する幅方向に沿って一定間隔となるように配置されている。これによって、基板Wの搬送方向と直交する幅方向全長において隣り合うヘッド119のノズルプレート114に形成されたノズル116の間隔が一定に設定される。ヘッド109に形成されたノズル116の径rよりも、隣り合うノズル116の間隔Dの方が大きいため(ここでは、D=4r)、基板Wの全面に溶液を塗布するには、ノズル116からの噴射位置を幅方向に変更しながら複数回(ここでは、4回)溶液の噴射を実行する。
特開2009−148765号公報
特許文献1に開示された成膜装置1000では、基板Wを複数回(例えば、4回、または2往復)移動させながらノズル116からの溶液の噴射塗布によって、基板Wの表面に薄膜を形成することができる。しかしながら、成膜装置1000における全てのノズル116が毎回確実に溶液を噴射しない場合もある。具体的には、図3に示すように、成膜装置1000によって薄膜(例えば、配向膜)210を形成する場合に、基板200の表面に、良好に塗布されていない領域220が生じる場合がある。これは、ノズル116からの噴射に不具合があり、薄膜210が良好に形成されない領域220が生じることによるものである。
このような不具合が生じないように、ヘッド109のノズル116の全てが毎回確実に溶液を噴射することが理想的である。その一方で、液晶パネルの大型化・量産化に伴って、液晶パネル用のガラス基板(マザーガラス)は年々大型化しており、1辺が1mを越えるようになっている(例えば、1100mm×1300mm(第5世代基板)から、2880mm×3130mm(第10世代基板))。そして、そのような大型の基板全面にわたって、一つも、ノズル116の噴射ミスがないようにすることは技術的に極めて困難である。したがって、インクジェット法によって配向膜を形成する液晶パネルの製造工程においては、図3に示すような、基板200の表面に塗布されていない領域220が生じてしまうのが実情である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、インクジェット方式によって塗布する手法において、塗布されない領域の発生を緩和または抑制することができる成膜装置または成膜方法を提供することにある。
本発明に係る成膜装置は、基板に溶液をインクジェット方式によって塗布する成膜装置であり、前記基板に前記溶液を吐出するノズルを含むヘッド部と、前記基板を保持するステージと、前記ヘッド部と前記ステージとを相対的に移動させる移動装置と、前記移動装置の移動を制御する制御装置とを備え、前記ヘッド部は、前記ステージの上に載置される前記基板を横切るような長さを有しており、前記制御装置は、前記ヘッド部を前記基板の中央領域の上方に配置する第1ステップ(a)と、前記移動装置によって前記ヘッド部を、前記基板の上方において第1方向にて前記基板の第1端部まで移動させる第2ステップ(b)と、前記第2ステップ(b)の後、前記第1方向と逆の第2方向にて、前記基板の第1端部から、当該第1端部の反対側の第2端部まで前記ヘッド部を移動させる第3ステップ(c)と、前記第3ステップ(c)の後、前記第1方向にて、前記第2端部から前記基板の前記中央領域まで前記ヘッド部を移動させる第4ステップ(d)とを実行させるように構成されていることを特徴とする。
ある好適な実施形態において、前記基板は、液晶パネル用のマザーガラス基板であり、前記溶液は、配向膜を構成する材料を含む。
ある好適な実施形態において、前記基板の形状は、長辺および短辺を有する長方形であり、前記第1の方向は、前記長辺が延びる方向に沿った方向である。
ある好適な実施形態では、前記第2ステップ(b)と前記第3ステップ(c)において、前記基板のうち前記ヘッド部の移動が重なる領域では、前記第2ステップ(b)で吐出された前記溶液の少なくとも一部に重なるように、前記第3ステップ(c)で前記溶液を吐出させながら前記ヘッド部を移動させる。
ある好適な実施形態では、前記第3ステップ(c)と前記第4ステップ(d)において、前記基板のうち前記ヘッド部の移動が重なる領域では、前記第3ステップ(c)で吐出された前記溶液の少なくとも一部に重なるように、前記第4ステップ(d)で前記溶液を吐出させながら前記ヘッド部を移動させる。
本発明に係る成膜方法は、基板に溶液をインクジェット方式によって塗布する成膜方法であり、前記基板に前記溶液を吐出するノズルを含むヘッド部を、基板の中央領域の上方に配置する第1工程(a)と、前記ヘッド部を、前記基板の上方において第1方向にて前記基板の第1端部まで移動させる第2工程(b)と、前記第2工程(b)の後、前記第1方向と逆の第2方向にて、前記基板の第1端部から、当該第1端部の反対側の第2端部まで前記ヘッド部を移動させる第3工程(c)と、前記第3工程(c)の後、前記第1方向にて、前記第2端部から前記基板の前記中央領域まで前記ヘッド部を移動させる第4工程(d)とを含む。
ある好適な実施形態において、前記基板は、液晶パネル用のマザーガラス基板であり、前記溶液は、配向膜を構成する材料を含み、前記基板の形状は、長辺および短辺を有する長方形であり、前記第1の方向は、前記長辺が延びる方向に沿った方向である。
ある好適な実施形態において、前記第2工程(b)で吐出された前記溶液の少なくとも一部に重なるように、前記第3工程(c)では、前記溶液を吐出させながら前記ヘッド部を移動させ、かつ、前記第3工程(c)で吐出された前記溶液の少なくとも一部に重なるように、前記第4工程(d)では、前記溶液を吐出させながら前記ヘッド部を移動させる。
本発明によれば、ヘッド部を基板の中央領域の上方に配置した後、第1方向にて基板の第1端部まで移動させ、次いで、第2方向にて基板の第2端部までヘッド部を移動させ、その後、第1方向にて基板の前記中央領域までヘッド部を移動させる。したがって、ヘッド部を基板の端から移動させる場合において溶液の平滑化(レベリング)が生じやすい第1端部付近または第2端部付近でも、一回目に吐出された溶液の平滑化(レベリング)が進行する前に、二回目の吐出を実行することができる。その結果、二回目の吐出が実行されない箇所があったとしても、薄膜の形成ムラ領域の発生を抑制または緩和することが可能となる。
(a)および(b)は、それぞれ、インクジェット塗布装置1000の側面図および正面図である。 (a)および(b)は、それぞれ、ヘッド109の構成を示す断面図および底面図である。 塗布されていない領域220が発生した基板200を示す図である。 2スキャン塗布方法を説明するための図である。 (a)から(c)は、2スキャン塗布方法によって吐出された液滴を示す図である。 (a)から(d)は、本発明の実施形態に係る成膜方法を説明するための工程上面図である。 本発明の実施形態に係る成膜方法を説明するための上面図である。 (a)および(b)は、液滴の状態を示す図である。 (a)から(d)は、本発明の実施形態に係る成膜方法を説明するための工程断面図である。 (a)から(d)は、比較例となる成膜方法を説明するための工程断面図である。 本発明の実施形態に係るヘッド部50の底面を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る基板20の移動の一例を説明するための上面図である。 本発明の実施形態に係る成膜装置100を模式的に示す図である。
本願発明者は、図3に示した基板200の薄膜210のうち、薄膜210が形成されていない領域220が生じる理由について検討した。これについて、図4および図5を参照しながら説明する。図4は、溶液(液滴)を吐出するノズルを含むヘッド部250を移動させて、基板200の表面に薄膜を形成する工程を示している。また、図5(a)から(c)は、ヘッド部250におけるノズルから吐出された液滴が基板200の上に塗布された状態を示している。
図4に示すように、ノズルを含むヘッド部250は、ノズルから液滴を吐出しながら、基板200の一端(不図示)から、基板200の他端205bまで移動する(1スキャン201)。次いで、ヘッド部250は、折り返して、基板200の他端205bから一端(不図示)の方へノズルから液滴を吐出しながら移動する(2スキャン202)。
まず、1スキャン201において、図5(a)に示すように、基板200の表面に、ノズルから吐出された液滴211が配列される。次に、2スキャン202において、図5(b)に示すように、液滴211の間に位置する領域に液滴212が吐出される。ここで、所定の原因(例えば、圧力不良や異物の存在などのノズルの不具合)によって、液滴212が吐出されない箇所(215)があると、その箇所(215)の表面には溶液は塗布されないことになる。
その後、図5(c)に示すように、基板200の表面において、液滴211の間に液滴212が位置し、基板200の表面のほぼ全体が塗布されることになる。ただし、2スキャン202において液滴212が吐出されなかった箇所(215)については、適切に塗布されなかった領域(薄膜の形成ムラ)221となり、これが結果として、図3における薄膜210の形成ムラになった領域(または、薄膜210が形成されてない領域)220になる。なお、1スキャン201、2スキャン202の2回移動について説明したが、3回以上の移動(例えば、特許文献1では4回の移動)についても同様である。
本願発明者は、上述したような薄膜210の形成ムラ領域220が発生しないように、ノズルからの液滴が吐出しない原因(例えば、ノズル周辺の異物の存在など)を検討しており且つその対策を日々おこなっている。しかしながら、液晶パネル用のマザーガラスの寸法は1辺が1メートル以上もあり、特に、第10世代のマザーガラスでは、その寸法は1辺が約3メートル(例えば、2880mm×3130mm)にもなるため、ノズルの吐出孔(オリフィス)の数は膨大であり(例えば、数千個)、その全ての孔が毎回液滴を吐出させること(すなわち、一回の不吐出も発生しないこと)は技術的に極めて困難である。
そのような中、本願発明者は、仮に液滴の不吐出が発生したとしても、基板200の表面において液滴が良好に広がって、薄膜の形成ムラの発生を抑制または緩和できる手法を鋭意検討し、本発明に至った。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
図6(a)から(d)は、本実施形態の成膜装置100の構成およびその動作を模式的に示している。本実施形態の成膜装置100は、基板に溶液をインクジェット方式によって塗布する装置(インクジェット塗布装置)である。
図6(a)に示すように、本実施形態の成膜装置100は、基板20に溶液を吐出するノズル(不図示)を含むヘッド部50と、基板20を保持するステージ10とを備えている。
本実施形態の構成では、ヘッド部50には、複数のインクジェットヘッドがヘッドカバーに収納されて配列されている。また、一つのインクジェットヘッドには、複数のノズルが形成されている。また、ノズルから溶液が吐出される面(吐出面)は、基板20の表面に対向して配置されている。また、本実施形態では、ヘッド部50からの溶液(塗布液)の吐出によって基板20の表面に配向膜を形成する。
本実施形態の成膜装置100には、ヘッド部50とステージ10とを相対的に移動させる移動装置30が設けられている。本実施形態の構成では、ヘッド部50が固定式で、ステージ10が可動式の構成を採用しているが、ステージ10を固定式にして、ヘッド部50を可動式にすることも可能である。ただし、ヘッド部50にはインクジェット塗布用の溶液を供給する配管(不図示)が連結されているので、ヘッド部50を固定式の構成にしておくことについて技術的な利点がある。加えて、塗布前の基板20は、前工程からの基板20を搬送する搬送装置(不図示)からステージ10の上に載置されるとともに、塗布後の基板20は後工程に移動させるものであるから、ステージ10を可動式の構成にしておくことについて技術的な利点もある。
また、本実施形態の移動装置30には、その移動装置30の移動を制御する制御装置35が接続されている。制御装置35は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)であり、例えば、移動装置30の移動を制御できるプログラム(ステージ制御プログラム)が格納された記憶装置(例えば、ハードディスク、半導体メモリ、光ディスクなど)、中央演算回路(CPU)、入出力装置(ディスプレイ、キーボード、マウスなど)から構成されている。本実施形態の構成では、制御装置35の制御によって、基板20を保持したステージ10をX−Y方向に移動させることができる。また、本実施形態の制御装置35は、ヘッド部50からの溶液の吐出を制御することも可能である。加えて、ヘッド部50の高さ制御(Z方向の制御)も行うことができる。
本実施形態の基板20は、例えば、ガラス基板であり、本実施形態における基板20は、液晶パネル用のガラス基板である。図示した例では、基板20は、液晶パネルの寸法に切り出す前のマザーガラスである。基板20としてのマザーガラスの寸法は1辺が1メートル以上あり、具体的には、基板20が第10世代のマザーガラスの場合、その寸法は2880mm(W)×3130mm(L)である。なお、基板20は、液晶パネルの寸法に切り出す前のマザーガラスに限らず、切り出した後の液晶パネルのサイズのガラスであってもよい。さらに、基板20は、薄膜トランジスタ(TFT)が作製されるアレイ基板(またはその作製途中のもの)であってもよいし、カラーフィルタ(CF)が形成されるCF基板(またはその作製途中のもの)であってもよい。なお、基板20は、ガラス基板の他、樹脂基板や、ウェハのような他の薄板であっても構わない。加えて、液晶パネル用の基板20に限らず、PDP、有機ELパネル、その他フラットパネルディスプレイを製作する上での薄型の基板であってもよい。
本実施形態のヘッド部50は、ステージ10の上に載置される基板20を横切るような長さを有している。この例では、ヘッド部50の長手方向はY方向に延びている。なお、本実施形態の基板20が第10世代のマザーガラスである場合には、ヘッド部50の長手方向長さ(Y方向に延びる長さ)は、約3メートルまたはそれ以上になる。
ここで、本実施形態の成膜装置100は、次のように動作する。まず、図6(a)に示すように、ヘッド部50を、基板20の中央領域21の上方に配置する。具体的には、制御装置35によって制御された移動装置30がステージ10を移動して、ヘッド部50の下方に、基板20の中央領域21を位置付ける。
なお、基板20の中央領域21は、基板20の一端(左端)25aと他端(右端)25bとの間に位置する箇所である。具体的には、基板20の一端25aと他端25bとの間に位置する中心線25c(L/2の位置の仮想線)を中心として、一端25a側と他端25b側にそれぞれL/4ずつ広げた領域である。具体的な動作においては、基板20の中央領域21は中心線25cとし、すなわち、ヘッド部50は、基板20の中心線25cの上方に配置すればよい。
続いて、ヘッド部50を、第1方向にて基板20の第1端部(左端)25aまで移動させる。具体的には、移動装置30によってステージ10を、矢印11の方向(右方向)に移動させる。すなわち、基板20を右側に移動させる。あるいは、相対的な関係でいうと、基板20を基準にして、ヘッド部50を左方向(−X方向)に移動させる。
すると、図6(b)に示すように、移動中にヘッド部50の下方に位置していた基板20の表面に、一回目の液滴が付与された領域22(この例では、左半分の領域)が生じる。
次に、ヘッド部50を、第2方向にて基板20の第2端部(右端)25bまで移動させる。具体的には、移動装置30によってステージ10を、矢印12の方向(左方向)に移動させる。すなわち、基板20を左側に移動させる。あるいは、相対的な関係でいうと、基板20を基準にして、ヘッド部50を右側(+X方向)に移動させる。
すると、図6(c)に示すように、移動中にヘッド部50の下方に位置していた基板20の表面において、領域22(左半分の領域)は、二回目の液滴が付与された領域(24A)となり、それに加えて、一回目の液滴が付与された領域23(この例では、右半分の領域)が生じる。
その後、ヘッド部50を、再び第1方向にて基板20の中央領域21(ここでは、中心線25c)まで移動させる。具体的には、移動装置30によってステージ10を、矢印13の方向(右方向)に移動させる。すなわち、基板20を右側に移動させる。あるいは、相対的な関係でいうと、基板20を基準にして、ヘッド部50を左側(−X方向)に移動させる。
このような動作を実行すると、図6(d)に示すように、基板20の表面において、領域22(左半分の領域)および領域23(右半分の領域)は共に、二回目の液滴が付与された領域(24A、24B)となる。この塗布工程(矢印11、12、13)によって、すなわち、本実施形態の成膜装置100を用いた一連の塗布工程(成膜工程)によって、溶液の吐出による薄膜の形成が実行される。
次に、本実施形態の成膜装置100を用いた塗布工程(成膜工程)によると、薄膜の形成ムラ領域(または、薄膜が形成されない領域)の発生を抑制できる点について説明する。
図7は、溶液を吐出するノズルを有するヘッド部50を移動させて、基板20の表面に薄膜を形成する工程を説明するための図である。上述したように、ヘッド部50は、矢印11のように基板20に対して相対的に移動して(1スキャン)、基板20の一端25aに達し、その後、折り返して矢印12のように移動していく(2スキャン)。
ここで、本実施形態の塗布工程と異なり、すなわち、最初に基板20の中央領域21からヘッド部50を移動させるのではなく、最初に基板20の一方の端からヘッド部50を移動させて他方の端まで到達する場合(比較例)について検討する。
比較例の場合において、図7に示した領域160が、最初に塗布が開始される基板20の端の周囲にあるとき、そのときの基板20の表面の状態は図8(a)に示すようになる。すなわち、1回目に吐出した液滴211の形状は、ヘッド部50が戻ってくる間にかなり時間が経つため(ヘッド部50がマザーガラス20を一往復するため)、吐出直後の時に比べると変形している。さらに説明すると、液滴211は時間とともに濡れ広がって、言い換えると、液滴211の表面張力によるレベリング(平滑化)によって、略球形の形状から、略円錐形(山形)の形状に変化している。そして、比較例では、この略円錐形状の液滴211の上に、2回目に吐出した液滴212が向っていく。さらに、ここでは、吐出されない液滴215の箇所があり、この箇所では2回目の液滴は基板20に到達しない。
一方、本実施形態の塗布工程の場合、最初に基板20の中央領域21からヘッド部50を移動させるので、基板20の一端25aの周囲60における基板20の表面の状態は図8(b)に示すようになる。すなわち、1回目に吐出した液滴51は、ヘッド部50が戻ってくる間にほとんど時間が経過していないので、吐出直後の時の形状とあまり変化していない。これは、マザーガラス20の寸法が大きくても(例えば、3メートル)、ヘッド部50は一端25aの周囲を往復しているだけだからである。さらに説明すると、液滴51の表面張力によるレベリング(平滑化)は、図8(a)の液滴211と比較すると、さほど起こっていない。したがって、1回目に吐出した液滴51は、略球形の形状となっている。そして、本実施形態の場合では、この略球形状の液滴51の上に、2回目に吐出した液滴52が向っていく。さらに、ここでは吐出されない液滴55の箇所があり、この箇所では2回目の液滴は基板20に到達しない。なお、ヘッド部50の移動は中央領域21からスタートするので、図8(b)に示した状態は、基板20の反対側の端25bでも同様である。
図8(b)に示した塗布工程について、さらに図9(a)から(d)を参照しながら説明する。図9(a)から(d)は、本実施形態の塗布工程を説明するための工程断面図である。
まず、図9(a)に示すように、1回目の吐出にて、基板20の表面に液滴51(51aなど)を形成する。次に、図9(b)に示すように、液滴51が略球形のうちに、2回目の吐出を行って、液滴51の上に液滴52(52aなど)を落とす。ここで、液滴51bの上方に位置する箇所55には、液滴52bが吐出されるはずであったが、実際には吐出されなかったものとする。
次に、図9(c)に示すように、液滴51に液滴52が当たって、液滴52は矢印53のように液滴51の周囲に弾け広がる。液滴51bの上方から液滴52bは来なかったものの、ここでは、液滴52aの弾けた部位53a、および、液滴52cの弾けた部位53cが、液滴51bの周囲に導入される。
その結果、図9(d)に示すように、液滴52が弾けた部位53が、液滴51の間の領域を埋める部位54となる。特に、液滴51bの周囲に部位54a及び54cが位置することで、液滴52bが吐出されなかった影響(薄膜の形成ムラ)を抑制または緩和することができる。この後、液滴51が時間とともに、液滴52から生じた部位54と馴染んでいくことによって、液滴51と部位54とが一体となっていく。したがって、薄膜の形成ムラの不具合は、より一層緩和されることになる。
次に、図8(a)に示した比較例の塗布工程について、図10(a)から(d)を参照しながら説明する。図10(a)から(d)は、比較例の塗布工程を説明するための工程断面図である。
まず、図10(a)に示すように、1回目の吐出にて、基板20の表面に液滴211(211aなど)を形成する。液滴211は、時間の経過に伴うレベリングによって略円錐形(山状)になっている。次に、図10(b)に示すように、2回目の吐出を行って、山状の液滴211の上に液滴212(212aなど)を落とす。ここで、液滴211bの上方に位置する箇所215には、液滴212bが吐出されるはずであったが、実際には吐出されなかったものとする。
次に、図10(c)に示すように、液滴211に液滴212が当たって、液滴212は矢印213のように液滴211の周囲に弾け広がる。ここで、液滴211の形状は、略球形でなく、レベリングした形状(山状)であるので、液滴211が弾け広がる勢い(矢印213)は、図9(c)に示した勢い(矢印53)よりも弱いものとなる。それゆえに、液滴212aの弾けた部位213a、および、液滴212cの弾けた部位213cが、液滴211bの周囲に導入される量は多くはならない。
その結果、図10(d)に示すように、液滴212が弾けた部位213が、液滴211の間の領域を埋める部位214になるものの、液滴211bの周囲には、薄膜の形成ムラ領域225が生じることとなる。この後、液滴211が時間とともに、液滴212から生じた部位214と馴染んでいったとしても、液滴211bの周囲に薄膜の形成ムラ領域225が残り続けることがある。そして、それは図3に示した薄膜210の形成ムラになった領域220になる。
このように、本実施形態の成膜装置100によれば、基板20の中央領域21(例えば、中心線25c)の上方にヘッド部50を配置した後(図6(a)参照)、ヘッド部50を第1端部25aまで移動させ(図6(b)参照)、次に、ヘッド部50を第2端部25bまで移動させ(図6(c))、次いで、中央領域21までヘッド部50を移動させる(図6(d)参照)。したがって、ヘッド部50から一回目に吐出された液滴51のレベリングが進行する前に、二回目の液滴52を液滴51に当てることができる(図9参照)。その結果、液滴52の不吐出(52b)が生じたとしても、薄膜の形成ムラ領域の発生を抑制または緩和することが可能となる。
すなわち、本実施形態の手法によれば、基板20の一端25aから吐出を開始する一往復の塗布方法(2スキャン法)に比べて、約半分の時間で2回目の吐出を行うことができる。換言すると、基板20の中央領域21(または中心線25c)から吐出を開始して、半面ずつ(22、23)2回目の吐出を行うので、一往復の塗布方法(2スキャン法)と比較して、1回目の吐出と2回目の吐出との時間差を短くすることができる。これにより、吐出抜けの箇所における薄膜の形成ムラの影響を少なくすることができる。
なお、上述した実施形態(例えば、図9)では、1回目の吐出と二回目の吐出の位置をほぼ同じにした場合について説明した。しかし、1回目に吐出した液滴51と、二回目に吐出する液滴52とが少なくとも一部(例えば、半分)で重なるようにすれば、液滴52の弾けた部位53が生じて、吐出抜けの箇所における薄膜の形成ムラを抑制することが可能となる。
加えて、本実施形態における基板20の中央領域21から吐出を開始する手法は、基板20の一端25aから吐出を開始する一往復の塗布方法(2スキャン法)に比べて、塗布時間は少し長くなる。しかし、二往復(又はそれ以上)の吐出を実行して塗布する方法と比較すれば、塗布時間は短い。塗布時間が短いことは、液晶パネルの製造ラインにおいてスループットを向上させることができるので好ましい。勿論、本実施形態の手法によって、薄膜の形成ムラ領域の発生を抑制または緩和できることは、不良の液晶パネルの発生を抑制することができ(すなわち、歩留まりの向上)、あるいは、薄膜の修正工程に伴う製造工程のロス(時間的ロス、コスト的ロス)を低減させることができる。
また、本実施形態では、ヘッド部50からの溶液(塗布液)の吐出によって基板20の表面に配向膜を形成するが、その場合の溶液(塗布液)は、例えば、ポリイミド液、または、ポリアミック酸もしくはその誘導体を含む溶液である。ただし、基板20の上に形成する膜(機能膜)によって、ヘッド部50に供給される溶液を変更することができる。基板20上に形成される膜(機能膜)としては、例えば、レジスト膜、導電膜、絶縁膜などが挙げられ、その膜に対して必要な溶液が使用されることになる。ヘッド部50から吐出される溶液の吐出量は、各種製造条件などにあわせて好適なものを選択すればよい。また、吐出量の調整は、例えば、ピエゾ素子の電圧を変化することによって行うことができる。
図11は、本実施形態の成膜装置100におけるヘッド部50の底面の構成を示している。ヘッド部50には、複数のインクジェットヘッド70が配列されている。インクジェットヘッド70は、ヘッド部50に例えば数十個収納されている。また、各インクジェットヘッド70には、溶液が吐出される複数のノズル72が形成されている。一つのインクジェットヘッド70に、ノズル72は例えば数百個形成されている。なお、図11に示したノズル72の配列は、千鳥形状になっているが、ノズル72を一列に配列させてもよい。あるいは、ノズル72の配列を二段の千鳥形状でなく、他の配列(例えば、三段の斜め配列)にすることも可能である。
また、上述の実施形態では、長方形の基板20の長辺(L)または短辺(W)が延びる方向に沿って、基板20を移動させたが、図12に示すように、長方形の基板20を斜めにして、基板20を移動させることも可能である(矢印11、12、13)。基板20を斜めにして移動させることによって、基板20(例えば、アレイ基板)のパターンに依存して、ヘッド部50からの溶液(塗布液)が所定の濡れ広がりを示す結果、基板20の特定部位が濡れ難いという現象を緩和できる場合があるからである。なお、基板20を斜めにして移動させる場合には、基板20の中心から一番離れた頂点27a、27bを基準にして、中央領域21または中心線25cを規定すればよい。
図13は、本実施形態の成膜装置100の構成の一例を示している。図13では、ヘッド部50の底面に位置するインクジェットヘッド70およびノズル72が表されるようにしている。なお、図13に示した例では、インクジェットヘッド70は、一列に配列されずに、一つおきに斜めに位置するように配列されているが、それに限らず他の配列を採用してもよい。
ヘッド部50のインクジェットヘッド70は、溶液供給部(例えば、ポリイミド供給タンク)80、及び、廃液部(例えば、廃液タンク)82に接続されている。具体的には、各インクジェットヘッド70は、分岐配管87を介して供給配管85、および、分岐配管89を介して廃液配管86に接続されている。供給配管85は溶液供給部80に接続されており、一方、廃液配管86は、廃液部82に接続されている。
そして、溶液供給部80中の溶液は、矢印81に示すように供給配管85を進み、分岐配管87を通ってインクジェットヘッド70に供給される。そして、インクジェットヘッド70内の廃液は、分岐配管89を通って、矢印83に示すように廃液配管86を進んで廃液部82に移動する。ここで、バルブ88(88a、88b)を調整することによって、配管85およびインクジェットヘッド70の溶液の圧力を一定にする処理を行うことも可能である。そのような処理は、図6に示した制御装置35の制御に基づいて実行するようにしてもよい。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
本発明によれば、インクジェット方式によって塗布する手法において、塗布されない領域の発生を緩和または抑制することができる成膜装置または成膜方法を提供することができる。
10 ステージ
20 基板
21 中央領域
25a 基板の一端
25b 基板の他端
25c 中心線
27a、27b 基板の頂点
30 移動装置
35 制御装置
50 ヘッド部
51 液滴
52 液滴
70 インクジェットヘッド
72 ノズル
80 溶液供給部
81 矢印
82 廃液部
85 供給配管
86 廃液配管
87 分岐配管
88 バルブ
89 分岐配管
100 成膜装置(インクジェット塗布装置)
200 基板
1000 成膜装置(インクジェット塗布装置)

Claims (8)

  1. 基板に溶液をインクジェット方式によって塗布する成膜装置であって、
    前記基板に前記溶液を吐出するノズルを含むヘッド部と、
    前記基板を保持するステージと、
    前記ヘッド部と前記ステージとを相対的に移動させる移動装置と、
    前記移動装置の移動を制御する制御装置と
    を備え、
    前記ヘッド部は、前記ステージの上に載置される前記基板を横切るような長さを有しており、
    前記制御装置は、
    前記ヘッド部を前記基板の中央領域の上方に配置する第1ステップ(a)と、
    前記溶液を吐出させながら、前記移動装置によって前記ヘッド部を、前記基板の上方において第1方向にて前記基板の第1端部まで移動させる第2ステップ(b)と、
    前記第2ステップ(b)の後、前記溶液を吐出させながら、前記第1方向と逆の第2方向にて、前記基板の第1端部から、当該第1端部の反対側の第2端部まで前記ヘッド部を移動させる第3ステップ(c)と、
    前記第3ステップ(c)の後、前記溶液を吐出させながら、前記第1方向にて、前記第2端部から前記基板の前記中央領域まで前記ヘッド部を移動させる第4ステップ(d)と
    を実行させるように構成されていることを特徴とする、成膜装置。

  2. 前記基板は、液晶パネル用のマザーガラス基板であり、
    前記溶液は、配向膜を構成する材料を含む、請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記基板の形状は、長辺および短辺を有する長方形であり、
    前記第1の方向は、前記長辺が延びる方向に沿った方向である、請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 前記第2ステップ(b)と前記第3ステップ(c)において、前記基板のうち前記ヘッド部の移動が重なる領域では、
    前記第2ステップ(b)で吐出された前記溶液の少なくとも一部に重なるように、前記第3ステップ(c)で前記溶液を吐出させながら前記ヘッド部を移動させることを特徴とする、請求項1から3の何れか一つに記載の成膜装置。
  5. 前記第3ステップ(c)と前記第4ステップ(d)において、前記基板のうち前記ヘッド部の移動が重なる領域では、
    前記第3ステップ(c)で吐出された前記溶液の少なくとも一部に重なるように、前記第4ステップ(d)で前記溶液を吐出させながら前記ヘッド部を移動させることを特徴とする、請求項4に記載の成膜装置。
  6. 基板に溶液をインクジェット方式によって塗布する成膜方法であって、
    前記基板に前記溶液を吐出するノズルを含むヘッド部を、基板の中央領域の上方に配置する第1工程(a)と、
    前記溶液を吐出させながら、前記ヘッド部を、前記基板の上方において第1方向にて前記基板の第1端部まで移動させる第2工程(b)と、
    前記第2工程(b)の後、前記溶液を吐出させながら、前記第1方向と逆の第2方向にて、前記基板の第1端部から、当該第1端部の反対側の第2端部まで前記ヘッド部を移動させる第3工程(c)と、
    前記第3工程(c)の後、前記溶液を吐出させながら、前記第1方向にて、前記第2端部から前記基板の前記中央領域まで前記ヘッド部を移動させる第4工程(d)と
    を含む、成膜方法。
  7. 前記基板は、液晶パネル用のマザーガラス基板であり、
    前記溶液は、配向膜を構成する材料を含み、
    前記基板の形状は、長辺および短辺を有する長方形であり、
    前記第1の方向は、前記長辺が延びる方向に沿った方向である、請求項6に記載の成膜方法。
  8. 前記第2工程(b)で吐出された前記溶液の少なくとも一部に重なるように、前記第3工程(c)では、前記溶液を吐出させながら前記ヘッド部を移動させ、かつ、
    前記第3工程(c)で吐出された前記溶液の少なくとも一部に重なるように、前記第4工程(d)では、前記溶液を吐出させながら前記ヘッド部を移動させることを特徴とする、請求項6または7に記載の成膜方法。
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