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JP5492811B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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本発明は、旋回スクロールの自転防止機構としてオルダム継手を採用した構造のスクロール圧縮機に関する。
まず、スクロール圧縮機について図6を参照して説明する。図6はスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図である。
図6において、11は固定スクロール、11aはラップ、11bは吐出口、12は旋回スクロール、12aはラップ、12bはベアリング部、12cはキー溝、13はフレーム、13aはベアリング部、13bはキー溝、1はオルダムリング、4はキー、15はクランクシャフト、15aは偏心部、16はボルト、17は密閉ケース、18は吸入パイプである。
図6のスクロール圧縮機では、フレーム13のベアリング部13aにクランクシャフト15が挿入されており、クランクシャフト15の偏心部15aは旋回スクロール12に設けられたベアリング部12bに挿入されている。フレーム13に設けられたキー溝13bと旋回スクロール12に設けられたキー溝12cにはオルダム継ぎ手を形成するオルダムリング1のキー4が挿入されており、固定スクロール11は旋回スクロール12と組合わされた状態で、フレーム13にボルト16によって締結されている。
上記の構成で、クランクシャフト15に締結されたモータ14によってクランクシャフト15に与えられる回転運動により、クランクシャフトの偏心部15aを介して旋回スクロール12は固定スクロールに対して旋回運動する。この旋回運動によって固定スクロール11の渦形状のラップ11aと旋回スクロールの渦形状のラップ12aは相対運動を行い、固定スクロール11に設けられた吸入口パイプ18を経由してガスが吸入され、中心部に進むにしたがってガスは圧縮されていく。圧縮が完了したガスは固定スクロールの吐出口11bから吐出される。以上の構成で図6に示したスクロール圧縮機は圧縮機としての機能を果たす。
オルダムリング1は、表裏両面に設けたキー4を旋回スクロール12のキー溝12cとフレーム13のキー溝13bに挿入してオルダム継ぎ手構造を形成している。このオルダム継ぎ手構造によって、旋回スクロール12は自転することなく固定スクロール11に対して旋回運動を行うことが可能となっている。
オルダムリングの一例を図7,図8により説明する。
図7はオルダムリングの斜視図で、図8は、図6のD−D断面である。(D′−D′断面も同様)1はオルダムリング、2は円環、3は端面、4はキー、4aはキー側面、3は端面、4eはキー側面4aと端面3の交線、12dは旋回スクロールのキー溝部面取りである。
図7に示すオルダムリング1の端面3は、組合わされる旋回スクロール12(フレーム13)との接触面であるが、キー側面4aとの交線4eも端面3の同一平面上にある。ここで、キー4は旋回スクロール12のキー溝12c(フレーム13のキー溝13b)に組合わされるため、キー側面4aは、端面3との交線4e近傍まで平坦にする必要があった。また、キー幅Wをより高精度にするためには、キー側面4aと端面3を同時に加工することは困難で、キー側面4aと端面3を分けて加工していた。すなわち、交線4eは極力シャープな隅形状に加工をする必要があった。
この交線を加工する例としては、特許文献1,2が知られている。
特許文献1は、旋回スクロールの自転防止機構として焼結金属のオルダムリングを採用したスクロール圧縮機であって、焼結金属の成形によって後工程の切削加工,研削加工に適した形状にすることで生産性を向上させ、耐摩耗性に優れるが被削性に劣る焼結金属を採用しながらも安価で信頼性の高いスクロール圧縮機を提供するものである。
また、特許文献2は、オルダム継手の軽量アルミ化に対し、耐久性にすぐれたオルダムリングの構造を提供するものである。ここには、オルダム継手をアルミ化するには、リング部とキー上突起部の付根をアール形状とすることが開示されている。
特開平11−236885号公報 特開平2−61381号公報
上記従来技術においては、交線部の加工残りの精度管理をする必要があった。また、交線部の加工残りと旋回スクロールのキー溝の干渉を防止するため、旋回スクロールのキー溝部に面取りを施し、この精度管理も必要としていた。
したがって、この精度管理を不要とし、信頼性が高い構造とすることが望まれた。
本発明はオルダムリングキー側面と環状部材端面の交差部の信頼性が高いスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は渦巻状のラップを備え固定スクロールと旋回スクロールを噛み合わせて圧縮室を形成し、旋回スクロールの自転を防止する機構としてオルダムリングを有したスクロール圧縮機において、環状部材と環状部材の端面に設けられるとともに潤滑油が供給されて前記旋回スクロールと摺動する摺動面を側面に有するキーより成り、キーの側面と環状部材端面の交差部に、前記環状部材端面から前記キーの根元に向かって斜め方向に形成される第一の平面と、前記キーの側面から前記第一の平面と平行に形成される第二の平面と、前記第一の平面と前記第二の平面とを繋ぐ1曲面とで構成したR溝を備えることを特徴とする。
また、本発明は、渦巻状のラップを備え固定スクロールと旋回スクロールを噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロール自転を防止する機構としてオルダムリングを有したスクロール圧縮機において、前記オルダムリングは、環状部材と前記環状部材の端面に設けられるとともに潤滑油が供給されて前記旋回スクロールと摺動する摺動面を側面に有するキーより成り、前記キーの側面と前記環状部材端面との交差部に、前記環状部材端面から前記キーの根元に向かって斜め方向に形成される1平面と、前記キーの側面から前記1平面に繋がる1曲面とで構成したR溝を備えることを特徴とする。
本発明によれば、キー側面と環状部材端面の交差部の信頼性が高いスクロール圧縮機が得られる。
実施例1のオルダムリング斜視図。 実施例1のオルダムリングのキーとキー溝の断面図。 B−B断面の加工例。 キー溝の加工例。 応力低減効果を示すグラフ。 スクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図。 従来オルダムリング斜視図。 従来オルダムリングのキーとキー溝の断面図。 実施例2のオルダムリングのキーとキー溝の断面図。 実施例3のオルダムリングのキーとキー溝の断面図。 実施例4のオルダムリング斜視図。 実施例5のオルダムリング斜視図。 実施例5のオルダムリングのキーとキー溝の断面図。 C−C断面の加工例。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1,図2は本発明の実施例1を示す。図1はオルダムリングの形状の一例を示す斜視図で、図2は、本実施例のオルダムリングを図6のスクロール圧縮機に組込んだ場合のD−D断面である(D′−D′断面も同様)。図1,図2において、1はオルダムリング、2は円環、3は端面、4はキー、4aはキー側面、4bは斜め方向のR溝、L1はR溝部の平面、r2はR溝部の曲面、L2はR溝部の平面である。
図1,図2に示すようにオルダムリング1は、円環2にキー4が形成されており、キー側面4aと端面3の交差部には、端面から斜め方向にR溝4bを形成しており(図3で後述する)、斜め方向のR溝4bは平面L1、平面L1と平行な平面L2、その間を繋ぐ曲面r2で構成している。この斜め方向のR溝4bは、組合わされる旋回スクロール12と干渉しないように設けている。すなわち、斜め方向のR溝4bの曲面r2はキー側面4aと端面3の交線より内側へ設けている。
ここで斜め方向のR溝4bの加工例を図3にて説明する。図3は図1のB−B断面の加工例で、Aはエンドミルである。加工の順序はキー側面4aと端面3加工後、R溝4bの加工でも良いし、順序を変えても良い。
本実施例によれば、旋回スクロール12のキー溝部面取り12dを廃止することができる。または従来技術で必要としていた高精度な面取り管理を緩和することができる。
また、キー溝部の面取りを廃止した場合、従来技術においては、図4(a)に示すキー溝と面取りを加工する専用の高価なエンドミルを必要としたが、本実施例によれば、図4(b)に示す安価なエンドミルとすることができる。
一方、キー溝部の面取りを廃止しない場合でも、従来技術においては、図4(a)に示すキー溝と面取りを加工する専用の高価なエンドミルで高精度な面取り管理を必要としたが、本実施例によれば、高精度な面取り加工は必要としないため、工具寿命を伸ばすことができる。
また、図5は有限要素解析による応力低減効果の一例を示すグラフである。
図2に示すオルダム円環の厚さH1,キー高さH2,キー幅W,キー側面に掛かる荷重Fは従来オルダムリングと同一の値に固定し、斜め方向のR溝4bの半径rと深さhは組合わされる旋回スクロール12と干渉しない寸法とした場合、斜め方向のR溝4bに発生する応力は、およそ25%低減することができる。
また、従来技術においてはR溝のみとしていたが、平面L1,L2を設けることで、R溝部面積が増加する。これにより、オルダムリングキー4へ供給する潤滑油の保有能力がより良くなるため、摺動特性が向上できる。すなわち、コールドスタート時の油切れによるかじり、焼付け防止の効果がある。また運転時には潤滑油の通路となり摺動部への潤滑が容易となるため、摺動寿命を伸ばすことができる。
また、本実施例はキー側面4aと斜め方向のR溝4bを分けて加工するため、後述する実施例4のキー側面4aと軸方向のR溝4cの同時加工に対し、キー幅Wをより高精度に短時間で加工ができる。
以上より、加工コストが少ないオルダムリングを入手でき、製造コストが低く、信頼の高いスクロール圧縮機を得ることができる。
図9は本発明の実施例2を示す。本実施例は、実施例1に対し、斜め方向のR溝4bは平面L1を形成せず、曲面r2と平面L2で構成している点が異なっている。
このように構成しても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施例は平面L1を形成せず、曲面r2と平面L2のみで構成しているため、キー側面4aの面積は実施例1に対し、広く構成することができる。これにより、キー側面4aに掛かる面圧を低減することができるため、より摺動特性の向上ができる。
図10は本発明の実施例3を示す。本実施例は、実施例1に対し、斜め方向のR溝4bは平面L2を形成せず、平面L1と曲面r2で構成している点が異なっている。
このように構成しても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
図12,図13は本発明の実施例4を示す。図12はオルダムリングの形状の一例を示す斜視図で、図13は、本実施例のオルダムリングを図6のスクロール圧縮機に組込んだ場合のD−D断面である。(D′−D′断面も同様)図12において、1はオルダムリング、2は円環、3は端面、4はキー、4aはキー側面、4cは軸方向のR溝である。
本実施例は、上記実施例1に対し、図12,図13に示すようにキー側面4aと端面3の交差部に端面から軸方向にR溝4cを形成している点が異なっている。
ここで軸方向のR溝4cの加工例を図14にて説明する。図14は図12のC−C断面の加工例で、Aはエンドミルである。加工の順序は端面3加工後、キー側面4aとR溝4cの加工でも良いし、その逆でも良い。
このように構成しても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
図11は本発明の実施例5を示す。オルダムリングキー4形状は図11に示すとおり円環2の外側に突起していても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
1 オルダムリング
2 円環
3 端面
4 キー
4a キー側面
4b 斜め方向のR溝
4c 軸方向のR溝
4e キー側面と端面の交線
11 固定スクロール
11a 固定スクロールのラップ
11b 固定スクロールの吐出口
12 旋回スクロール
12a 旋回スクロールのラップ
12b 旋回スクロールのベアリング
12c 旋回スクロールのキー溝
12d 旋回スクロールのキー溝部面取り
13 フレーム
13a フレームのベアリング部
13b フレームのキー溝
14 モータ
15 クランクシャフト
15a クランクシャフトの偏心部
16 ボルト
17 密閉ケース
18 吸入パイプ
A エンドミル
L1 R溝部の平面1
L2 R溝部の平面2
r2 R溝部の曲面

Claims (2)

  1. 渦巻状のラップを備え固定スクロールと旋回スクロールを噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロール自転を防止する機構としてオルダムリングを有したスクロール圧縮機において、
    前記オルダムリングは、環状部材と前記環状部材の端面に設けられるとともに潤滑油が供給されて前記旋回スクロールと摺動する摺動面を側面に有するキーより成り
    記キーの側面と前記環状部材端面の交差部に、前記環状部材端面から前記キーの根元に向かって斜め方向に形成される第一の平面と、前記キーの側面から前記第一の平面と平行に形成される第二の平面と、前記第一の平面と前記第二の平面とを繋ぐ1曲面で構成したR溝を備えることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 渦巻状のラップを備え固定スクロールと旋回スクロールを噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロール自転を防止する機構としてオルダムリングを有したスクロール圧縮機において、
    前記オルダムリングは、環状部材と前記環状部材の端面に設けられるとともに潤滑油が供給されて前記旋回スクロールと摺動する摺動面を側面に有するキーより成り
    記キーの側面と前記環状部材端面の交差部に、前記環状部材端面から前記キーの根元に向かって斜め方向に形成される1平面と、前記キーの側面から前記1平面に繋がる1曲面で構成したR溝を備えることを特徴とするスクロール圧縮機。
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