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JP5493086B2 - 小動物防除性樹脂組成物及び小動物防除性樹脂成形体 - Google Patents
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JP5493086B2 - 小動物防除性樹脂組成物及び小動物防除性樹脂成形体 - Google Patents

小動物防除性樹脂組成物及び小動物防除性樹脂成形体 Download PDF

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Description

本発明は、小動物防除性樹脂組成物及び小動物防除性樹脂成形体に関し、より詳しくは、光、熱、水などに対する耐候性に優れた小動物防除性樹脂組成物及び小動物防除性樹脂成形体に関する。
従来、電気・通信機器や輸送機器等に害虫が侵入し、故障や障害の原因となることが指摘されており、該機器への害虫の侵入を防止したいという要望がある。特に、これらの機器は製品寿命の比較的長いものも多いため、できるだけ長期に亘って害虫の侵入を防止することが望まれている。
従来の防虫忌避対策は、進入口・経路、営巣箇所に単純に薬剤散布するといった手法が主流であった。しかし、薬剤の残効性や周辺環境汚染への配慮から、単純に薬剤散布するといった手法の適用を極力減らし、進入・営巣し難い構造などの環境改善、天敵配置などと組み合わせるという総合防除(IPM : Integrated Pest Management)という考え方が昨今の潮流となってきている。つまり、薬剤、環境改善、天敵など複数の技術の防除を併用させることで薬剤量を減少させ環境負荷を抑えた防除を選択する時代に入ってきたと考えられる。
このような要望に対し、下記特許文献1には、成形可能な樹脂中に防虫忌避剤を混合し、さらに所定の繊維状無機充填材を添加して樹脂成形体とする方法が開示されており、このような方法によれば、樹脂組成物の成形体内部に含まれる防虫忌避薬剤が該繊維状無機充填材を介して徐々に成形体表面へと移行するという薬剤の徐放効果が得られ、害虫に対して長期に亘って忌避作用を持続させ得るという効果が得られる。
さらに、樹脂成形体であることから形状が自由に設計することができ、進入・営巣し難い形状を具備させ、防虫忌避成分による効果と組み合わせることにより、害虫が営巣しやすい設備の中の進入・営巣を防ぎ、装置トラブルを防止することができる。そのため、進入等し難い形状による物理的な防虫忌避効果が得られる分、防虫忌避成分の薬剤量を極力低減することができ、IPMを実現した防虫忌避部材の提供が可能となる。
また、該引用文献1記載の発明によれば、従来の防虫忌避対策プラスチック製品に比べて、防虫忌避成分による化学的な防虫忌避効果の持続性が10倍以上長くすることも可能となり、さらに形状による物理的効果は半永久的であるため、該成形体を適用した製品を備えることにより、ほぼメンテナンスフリーで防虫忌避効果が得られる製品を実現することも可能となる。
日本国特開2000−212005号公報
しかしながら、本発明者らの研究によれば、該特許文献1記載の樹脂成形体では、該樹脂成形体が使用される環境次第では、防虫忌避薬剤の除放作用が悪化してしまい、害虫の忌避効果が十分に長期に亘って持続されない場合がある、という問題点が見出された。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、樹脂成形体の使用環境に影響されることなく害虫の忌避作用を長期に亘って持続させうる、樹脂組成物及び樹脂成形体を提供することを一の目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者らが鋭意研究したところ、樹脂成形体を屋外や高温環境下、又は水に晒される等の状況で使用し続けた場合に、該樹脂成形体の表面に防虫忌避薬剤を透過させない皮膜が形成され、この皮膜が成形体内部に残存する防虫忌避薬剤の表面への移行を阻害し、成形体内部の薬剤が十分に活用されなくなるため、本来害虫忌避作用を発揮しうる期間を短縮させているという知見を得、本発明を想到するに至った。
即ち、本発明は、ベース樹脂(以下、単に「A成分」ということもある)、可塑剤(以下、単に「B成分」ということもある)、小動物防除性を有する薬剤(以下、単に「C成分」ということもある)、及び無機充填材(以下、単に「D成分」ということもある)を含有してなる小動物防除性樹脂組成物であって、樹脂表面における皮膜形成を抑制しうる添加剤(以下、単に「E成分」ということもある)を含有し、前記樹脂表面における皮膜形成を抑制しうる添加剤が、
N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]、
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、及び、
1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)であることを特徴とする小動物防除性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、前記小動物防除性樹脂組成物が成形されてなることを特徴とする小動物防除性樹脂成形体を提供する。
本発明に係る小動物防除性樹脂組成物には、E成分として樹脂表面における皮膜形成を抑制しうる添加剤が添加されているため、該小動物防除性樹脂組成物が成形されてなる小動物防除性樹脂成形体が、屋外環境や高温環境下、又は水等に晒される状況で使用され続けた場合にも、該樹脂成形体の表面に皮膜が形成されにくくなる。従って、成形体内部に含まれる小動物防除性薬剤の成形体表面への移行が阻害され難くなるため、前記B成分たる化合物と前記D成分たる無機充填材との相乗効果による除放作用が長期間に亘って発揮され、小動物防除性効果がより一層持続されやすくなるという効果がある。
(a)及び(b)は比較例1で使用したテスト用成形品の暴露前の断面写真であり、(c)及び(d)は同じく暴露時間200時間後の断面写真である。 (a)及び(b)は実施例3で使用したテスト用成形品の暴露前の断面写真であり、(c)及び(d)は同じく暴露時間200時間後の断面写真である。 比較例1で使用したテスト用成形品について、暴露前と暴露時間200時間後の成形品表面近傍におけるX線電子分光法(XPS)による分析結果を示したグラフ。 実施例3で使用したテスト用成形品について、暴露前と暴露時間200時間後の成形品表面近傍におけるX線電子分光法(XPS)による分析結果を示したグラフ。
本発明において使用されるベース樹脂(A成分)は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、液晶性ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
ポリアミド樹脂の具体例としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12樹脂等のポリアミド樹脂、ポリアミドMXD、ポリアミド6T樹脂等の芳香族ポリアミド樹脂を例示できる。
ポリアセタール樹脂の具体例としては、オキシメチレン単位のみからなる単独重合体の他、オキシメチレン単位を主成分とし、これに副成分としてオキシエチレン単位等の他の共重合単位を含む共重合体、これらを架橋させてなる架橋重合体、またはグラフト共重合させてなるグラフト共重合体を例示できる。
ポリエチレン樹脂の具体例としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンを例示できる。
ポリプロピレン樹脂の具体例としては、ポリプロピレンのホモポリマー、及びエチレンとプロピレンのランダム共重合体やブロック共重合体を例示できる。
ポリスチレン系樹脂の具体例としては、例えばスチレン単独重合体やスチレンを主成分とするスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−メチルスチレン共重合体、スチレン−ジメチルスチレン共重合体、スチレン−エチルスチレン共重合体、スチレン−ジエチルスチレン共重合体等を例示できる。
上記スチレン系共重合体におけるスチレン成分含有量は50モル%以上が好ましく、特に好ましくは80モル%以上である。
ポリエチレンテレフタレート樹脂としては、テレフタル酸を酸成分に、エチレングリコールをグリコール成分に用いて重縮合した重合体を使用することができ、この他に酸成分として、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、シュウ酸などを、グリコール成分として、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、あるいは分子量400〜6000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを20モル%以下共重合したものを使用することもできる。
ポリブチレンテレフタレート樹脂としては、テレフタル酸単位および1,4−ブタンジオール単位がエステル結合した構造を有し、ジカルボン酸単位の50モル%以上がテレフタル酸単位から成り、ジオール成分の50モル%以上が1,4−ブタンジオール単位から成る高分子を好適に使用することができる。
テレフタル酸単位または1,4−ブタンジオール単位が少なすぎると、例えば50モル%より少ないと、PBT樹脂の結晶化速度が低下し、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂の成形性が低下する場合がある。よって全ジカルボン酸単位中のテレフタル酸単位の割合は、通常70モル%以上、中でも80モル%以上、更には95モル%以上、特に98モル%以上であることが好ましく、また全ジオール単位中の1,4ブタンジオール単位の割合は、通常70モル%以上、中でも80モル%以上、更には95モル%以上、特に98モル%以上であることが好ましい。
該ポリブチレンテレフタレート樹脂の原料である、ジカルボン酸成分に於いては、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては特に制限はない。具体的には例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸類;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸類;等が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、ジカルボン酸として、または、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸ハライド等のジカルボン酸誘導体を原料として、ポリマー骨格に導入できる。
また、該ポリブチレンテレフタレート樹脂の原料である、ジオール成分に於いては、1,4−ブタンジオール以外のジオール成分としては特に制限はない。具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール類;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール類;キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール類;等が挙げられる。
更に、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂としては、従来公知の任意のモノマー単位を共重合させたものでもよい。このモノマー成分としては、具体的には例えば、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸類;アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸等の単官能成分;トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分;等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体を例示することができ、代表的なものとしては、2,2−ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
前記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、前記ジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。
3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4‘−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
該ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は特に制限はないが、成形加工性、強度の面より通常10000〜100000、より好ましくは15000〜30000、さらに好ましくは17000〜26000である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
ポリアリレート樹脂としては、芳香族ジカルボン酸残基とビスフェノール残基を繰り返し単位とする樹脂を使用することができる。
ビスフェノール残基を導入するためのポリアリレート原料はビスフェノール類であり、その具体例として、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよいし、あるいは、2種類以上を混合して使用してもよい。とりわけ、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが経済的に好ましく、当該化合物を単独で使用することが最適である。
一方、ポリアリレート樹脂に、芳香族ジカルボン酸残基を導入するための原料としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、4,4´−ジカルボキシジフェニルエーテル、ビス(p−カルボキシフェニル)アルカン、4,4´−ジカルボキシジフェニルスルホン等が挙げられ、なかでもテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。本発明においては両者を混合使用して得られるポリアリレート樹脂組成物が、溶融加工性、および機械的特性の面で特に好ましい。その混合比率(テレフタル酸/イソフタル酸)は任意に選択することができるが、モル分率で90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、より好ましくは70/30〜30/70、最適には50/50である。テレフタル酸の混合モル分率が10モル%未満であっても、90モル%を超えていても界面重合法では十分な重合度を得にくくなる場合がある。
ポリアリレート樹脂は機械的特性と流動性の観点から、極限粘度が0.4〜1.0、好ましくは0.4〜0.8、より好ましくは0.5〜0.7であることが望ましい。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、下記式(1)の繰り返し単位構造からなり、還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)が、0.15〜1.0dl/gの範囲にあるホモ重合体及び/又は共重合体を使用できる。さらに好ましい還元粘度は、0.20〜0.70dl/gの範囲、最も好ましくは0.40〜0.60の範囲である。
Figure 0005493086

(R1、R4は、それぞれ独立して、水素、第一級若しくは第二級の低級アルキル、フェニル、アミノアルキル、炭化水素オキシを表わす。R2、R3は、それぞれ独立して、水素、第一級若しくは第二級の低級アルキル、フェニルを表わす。)
該ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
該ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法の例としては、米国特許第3306874号明細書記載の第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、2,6−キシレノールを酸化重合する方法がある。
米国特許第3306875号、同第3257357号及び同第3257358号の各明細書、日本国特公昭52−17880号及び日本国特開昭50−51197号及び日本国特開昭63−152628号の各公報等に記載された方法も、ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法として好ましい。
該ポリフェニレンエーテル樹脂は、重合工程後のパウダーのまま用いてもよいし、押出機などを用いて、窒素ガス雰囲気下あるいは非窒素ガス雰囲気下、脱揮下あるいは非脱揮下にて溶融混練することでペレット化して用いてもよい。
該ポリフェニレンエーテル樹脂には、種々のジエノフィル化合物により官能化されたポリフェニレンエーテルも含まれる。種々のジエノフィル化合物としては、例えば無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、フェニルマレイミド、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアリレート、メチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ステアリルアクリレート及びスチレンが挙げられる。これらジエノフィル化合物によりポリフェニレンエーテルを官能化するには、ラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で押出機などを用い、脱揮下あるいは非脱揮下において溶融状態で官能化してもよいし、ラジカル発生剤存在下あるいは非存在下で、非溶融状態、すなわち室温以上かつ融点以下の温度範囲で官能化してもよい。官能化されたポリフェニレンエーテルの融点は、示差熱走査型熱量計(DSC)の測定において、20℃/分で昇温するときに得られる温度−熱流量グラフで観測されるピークのピークトップ温度で定義され、ピークトップ温度が複数ある場合にはその内の最高の温度で定義される。
該ポリフェニレンエーテル樹脂は、芳香族ビニル系重合体等、ポリフェニレンエーテル以外の樹脂成分を含有しても良い。芳香族ビニル系重合体の例としてはアタクティックポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン及びアクリロニトリル−スチレン共重合体が挙げられる。ポリフェニレンエーテル系樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂及び芳香族ビニル系重合体を含有する場合、ポリフェニレンエーテル樹脂と芳香族ビニル系重合体との合計量に対して、ポリフェニレンエーテル樹脂を70wt%以上とし、好ましくは80wt%以上とする。
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート及びポリオールを出発原料として含む熱可塑性ポリウレタン樹脂を使用することができ、中でも、該熱可塑性ポリウレタン樹脂におけるオキシエチレン基の含有量が40質量%以上65質量%以下であり、厚み20μmのフィルムとした場合の熱機械分析(TMA)による軟化温度が160℃以上であるものが好適である。
液晶性ポリエステル樹脂としては、当業者にサーモトロピック液晶ポリエステルと呼ばれる異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル樹脂を使用しうる。
該液晶ポリエステル樹脂の異方性溶融相の性質は直交偏向子を利用した通常の偏向検査法、すなわち、ホットステージにのせた試料を窒素雰囲気下で観察することにより確認できる。
本発明に用いる液晶ポリエステル樹脂としては、式(2)で表される繰り返し単位、および/または、式(3)で表される繰り返し単位を含み、かつ、式(2)で表される繰り返し単位の量が全繰り返し単位中40モル%未満である液晶ポリエステル樹脂を、二種以上ブレンドしたものも用いることができる。
Figure 0005493086

Figure 0005493086

前記液晶ポリエステル樹脂は、分子鎖中に脂肪族基を有する半芳香族液晶ポリエステル樹脂、または分子鎖が全て芳香族基より構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂の何れを用いてもよい。これらの液晶ポリエステル樹脂の中では、難燃性や機械的物性が良好であることから全芳香族液晶ポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。
前記液晶ポリエステル樹脂を構成する繰返し単位としては、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、および脂肪族ジオキシ繰返し単位などが挙げられる。
前記液晶ポリエステル樹脂は、これらの各繰返し単位の中でも、芳香族オキシカルボニル繰り返し単位として、式(2)で表される6−オキシ−2−ナフトイル繰り返し単位、および/または、式(3)で表されるパラオキシベンゾイル繰り返し単位を必須に含むものである。
前記液晶ポリエステル樹脂において、全繰り返し単位中での式(2)で表される繰り返し単位の量は、得られる液晶ポリエステル樹脂組成物が高い靭性(衝撃強度)を示すために、40モル%未満であり、35モル%以下であるのが好ましく、30モル%以下であるのが特に好ましい。
前記液晶ポリエステル樹脂において、全繰り返し単位中での式(3)で表される繰り返し単位の量は、本発明の目的が達成され、式(2)で表される繰り返し単位の全繰り返し単位中の量が40モル%未満である限り、特に制限されないが、80モル%以下であるのが好ましく、75モル%以下であるのが特に好ましい。
式(2)の繰り返し単位を与える単量体としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が挙げられ、式(3)の繰り返し単位を与える単量体としては、パラヒドロキシ安息香酸が挙げられる。これらの単量体はアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体として用いてもよい。
前記液晶ポリエステル樹脂が、式(2)および式(3)で表される繰り返し単位のみから構成される場合には、液晶ポリエステル樹脂の全繰り返し単位中での式(2)で表される繰り返し単位の含有量は、15〜30モル%であるのが好ましく、20〜30モル%であるのが特に好ましい。
前記液晶ポリエステル樹脂は、式(2)および式(3)以外の芳香族オキシカルボニル繰り返し単位を含んでいても良い。
式(2)および式(3)以外の芳香族オキシカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、たとえばメタヒドロキシ安息香酸、オルトヒドロキシ安息香酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびに6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびパラヒドロキシ安息香酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が挙げられる。これらの単量体はアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体として用いてもよい。
本発明において、好ましい全芳香族液晶ポリエステル樹脂は、式(2)で表される繰り返し単位、および/または、式(3)で表される繰り返し単位、並びに芳香族ジカルボニル繰り返し単位および芳香族ジオキシ繰り返し単位からなるものである。
さらに好ましい全芳香族液晶ポリエステル樹脂は、式(2)で表される繰り返し単位と式(3)で表される繰り返し単位の合計量が、全繰り返し単位中50〜90モル%であり、かつ、芳香族ジオキシ繰り返し単位および芳香族ジカルボニル繰り返し単位の含有量が実質的に等モルであるものである。
上記のように液晶ポリエステル樹脂が、芳香族ジカルボニル繰り返し単位および芳香族ジオキシ繰り返し単位を含むものである場合には、両繰り返し単位の、液晶ポリエステル樹脂の全繰り返し単位中での含有量は実質的に等モルであるのが好ましい。
ここで、芳香族ジカルボニル繰り返し単位と芳香族ジオキシ繰り返し単位の含有量が実質的に等モルであるとは、液晶ポリエステル樹脂中での両繰り返し単位の含有量(モル%)の比が95/100〜100/95であることを意味する。
前記液晶ポリエステル樹脂において、芳香族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、たとえばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル等の芳香族ジカルボン酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではテレフタル酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られる液晶ポリエステルの機械物性、耐熱性、融点温度、成形性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。
前記液晶ポリエステル樹脂において、芳香族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、たとえばハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエ−テル等の芳香族ジオール、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではハイドロキノン、レゾルシン、および4,4’−ジヒドロキシビフェニルが重合時の反応性、得られる液晶ポリエステル樹脂の特性などの点から好ましい。
前記液晶ポリエステル樹脂において、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、たとえば3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、および5−ヒドロキシイソフタル酸等のヒドロキシ芳香族ジカルボン酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
本発明に用いる液晶ポリエステル樹脂において、脂肪族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、たとえばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、ならびにそれらのアシル化物が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートや、ポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオキシ繰返し単位を含有するポリエステルを、前記の芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させることによっても、脂肪族ジオキシ繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂を得ることができる。
前記液晶ポリエステル樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で、アミド結合やチオエステル結合を含むものであってもよい。このような結合を与える単量体としては、ヒドロキシ芳香族アミン、芳香族ジアミン、芳香族アミノカルボン酸、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの単量体の使用量は、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、および脂肪族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の合計量に対して10モル%以下であるのが好ましい。
これらの繰り返し単位を組み合わせた液晶ポリエステル樹脂は、 モノマーの構成や組成比、ポリマー中での各繰り返し単位のシークエンス分布によっては、異方性溶融相を形成するものとしないものが存在するが、本発明に用いる液晶ポリエステル樹脂は異方性溶融相を形成するものに限られる。
好ましい液晶ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば下記のモノマー構成単位からなるものが挙げられる。
1)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸共重合体
2)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
3)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
4)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン共重合体
5)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
6)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
7)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
8)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
9)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
10)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
11)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
12)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
13)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
14)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
15)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
16)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
17)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
18)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
19)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4−ジヒドロキシビフェニル共重合体。
これらの中では、耐熱性および機械的性質に優れることなどから、上記1)、13)、または19)から選択される共重合体を、液晶ポリエステル樹脂として用いるのが好ましい。
前記液晶ポリエステル樹脂の、示差操作熱量計により測定される結晶融解温度(Tm)は特に限定されないが、耐熱性の点から、320〜380℃であるのが好ましく、325〜380℃であるのがより好ましく、330〜380℃であるのが最も好ましい。なお、結晶融解温度(Tm)は以下に記載する方法により測定されるものである。
〈結晶融解温度測定方法〉
示差走査熱量計としてセイコーインスツルメンツ株式会社製Exstar6000を用いる。液晶ポリエステル樹脂の試料を、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の測定後、Tm1より20〜50℃高い温度で10分間保持する。ついで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却し、さらに、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を液晶ポリエステル樹脂の結晶融解温度(Tm)とする。
また、本発明に用いる液晶ポリエステル樹脂の、ASTM D648に準拠し測定される荷重撓み温度は、270〜340℃であるのが好ましく、280〜340℃であるのがより好ましく、290〜340℃であるのが最も好ましい。
なお、荷重撓み温度は以下に記載する方法により測定されるものである。
〈荷重撓み温度測定方法〉
射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH1000−110)を用いて長さ127mm、幅12.7mm、厚さ3.2mmの短冊状試験片を成形し、これを用いてASTM D648に準拠し、荷重1.82MPa、昇温速度2℃/分で測定する。
さらに、本発明に用いる液晶ポリエステル樹脂のキャピラリーレオメーターにより測定される溶融粘度は、10〜100Pa・sであるのが好ましく、10〜80Pa・sであるのがより好ましく、10〜60Pa・sであるのが最も好ましい。
なお、溶融粘度は以下に記載する方法により測定されるものである。
〈溶融粘度測定方法〉
溶融粘度測定装置(東洋精機(株)製キャピログラフ1D)を用い、0.7mmφ×10mmのキャピラリーで、結晶融解温度(Tm)+30℃の温度条件にて剪断速度10−1での粘度を測定し、溶融粘度とする。
前記A成分は、上述のような樹脂の何れか1種を単独で、又はこれらから選ばれた2種以上の混合物を用いることができる。
また、本発明で用いられる可塑剤(B成分)は、前記ベース樹脂に対して可塑性能を付与しうるものであれば特に限定されるものではないが、特に、スルホンアミド誘導体、スルホン酸エステル誘導体、カルボン酸アミド誘導体、カルボン酸エステル誘導体より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、これらはC成分を溶解保持し、徐放性を付与する作用を有するものと考えられる。
斯かるB成分のうち、カルボン酸エステル誘導体としては、水酸基、ニトロ基、アミノ基、エポキシ基、ハロゲン等で置換されてもよい各種カルボン酸のアルキルエステル、芳香族エステル等を例示でき、水酸基やエポキシ基を有するものはポリアミドとの相溶性が良好であるため好ましい。
カルボン酸エステル誘導体の具体例としては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジフェニルフタレート、ベンジルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、4,5−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、4,5−エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ(7,8−エポキシ−2−オクテニル)、4,5−エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ(9,10−エポキシオクタデシル)、4,5−エポキシシクロヘキサヒドロフタル酸ジ(10,11−エポキシウンデシル)、フタル酸ジ(テトラヒドロフルフリロキシエチル)、各種フタル酸混合エステル及びフタル酸混合エステルのエチレンオキシド付加物等のフタル酸エステル誘導体、イソフタル酸エステル誘導体、テトラヒドロフタル酸エステル誘導体、パラヒドロキシ安息香酸ブトキシエチル、パラヒドロキシ安息香酸シクロヘキシロキシエトキシエトキシエチル、パラヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシル、ω−アルキルオリゴエチレンオキシドのヒドロキシ安息香酸エステル、ウンデシルグリシジルエーテルのパラヒドロキシ安息香酸付加物等の安息香酸エステル誘導体、チオジプロピオン酸ジ(テトラヒドロフルフリロキシエチル)等のプロピオン酸エステル誘導体、アジピン酸エステル誘導体、アゼライン酸エステル誘導体、セバシン酸エステル誘導体、ドデカン−2−酸エステル誘導体、マレイン酸エステル誘導体、フマル酸エステル誘導体、トリメット酸エステル誘導体、クエン酸トリ(ブトキシエトキシエチル)、クエン酸ジn−オクチル−モノ(ノニルフェノキシエチル)、クエン酸トリn−オクチル、クエン酸ジオクチル(テトラヒドロフルフリロキシエチル)、クエン酸トリミリスチル、トリエチルシトレート等のクエン酸エステル誘導体、イタコン酸エステル誘導体、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等のオレイン酸エステル誘導体、リシノール酸エステル誘導体、乳酸(n−ブチル)、乳酸(2−エチルヘキシル)、乳酸(n−ブトキシエトキシエチル)、乳酸(n−オクトキシエトキシエチル)、乳酸(n−デシルオキシエトキシエチル)等の乳酸エステル誘導体、酒石酸ジ(オクトキシエトキシエチル)、酒石酸(n−オクチル)(ノニルフェノキシエチル)、酒石酸ジ(オクトキシエトキシエチル)等の酒石酸エステル誘導体、リンゴ酸ジブトキシエチル、リンゴ酸ジ(n−ブトキシエトキシエチル)、リンゴ酸ジステアリル、リンゴ酸オクタデセニルイソノニル等のリンゴ酸エステル誘導体、ベンジルグリシジルエーテルのサリチル酸付加物等のサリチル酸エステル誘導体等を例示できる。また、リン酸エステル誘導体としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、2−エチルヘキシル・ジフェニル・ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、イソデシル・ジフェニル・ホスフェート、トリクレジル・ホスフェート、トリキシレニル・ホスフェート、トリ(クロロエチル)ホスフェート、キシレニル・ジフェニルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレンジホスフォネート等を例示できる。
また、ホスファゼン誘導体の具体例としては、下記一般式(4)
Figure 0005493086
〔式中、mは3〜25の整数を示す。R、Rは同一又は異なって炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基及び/又はアリル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。〕で表わされる環状ホスファゼン化合物、下記一般式(5)
Figure 0005493086
〔式中、nは3〜1000の整数を示す。R、Rは同一又は異なって炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基及び/又はアリル基で置換されていてもよいフェニル基を示す。Xは基−N=P(OR、基−N=P(OR、基−N=P(O)(OR)又は基−N=P(O)(OR)を示す。Yは基−P(OR、基−P(OR、基−P(O)(OR又は基−P(O)(ORを示す。〕で表わされる直鎖状ホスファゼン化合物、及び、これらのホスファゼン化合物より選ばれた少なくとも1種のホスファゼン化合物が、o−、m−又はp−フェニレン基、ビフェニレン基並びに下記一般式(6)
Figure 0005493086
〔式中、rは0又は1を、Aは基 −SO−、−S−、−O−又は−C(CH−を示す。〕で表わされる基よりなる群より選ばれた少なくとも1種の架橋基により、置換基R1、R2、R3、R4からアルキル基等が脱離した2個の酸素原子間が架橋されたホスファゼン化合物が挙げられる。
一般式(4)で表わされる環状ホスファゼン化合物の具体例としては、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン、ヘキサプロポキシシクロトリホスファゼン、オクタプロポキシキシシクロテトラホスファゼン、デカプロポキシシクロペンタホスファゼン等の環状ホスファゼン化合物が挙げられる。
また、一般式(5)で表わされる直鎖状ホスファゼン化合物の具体例としては、鎖状ジクロルホスファゼンにプロポキシ基及び/又はフェノキシ基を置換した鎖状ホスファゼン化合物が挙げられる。
一般式(6)で表される架橋構造の具体例としては、例えば4,4′−スルホニルジフェニレン(ビスフェノール−S残基)、4,4′−オキシジフェニレン基、4,4′−チオジフェニレン基、4,4′−ジフェニレン基等を挙げることができる。
これらのホスファゼン誘導体は、任意の位置にアミノ基及び/又はフェニルアミノ基が置換したものであってもよい。これらのホスファゼン誘導体は、前記1種類を単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。また環状ホスファゼンと直鎖状ホスファゼンの混合物であってもよい。
また、カルボン酸アミド誘導体としては、N−シクロヘキシル安息香酸アミド等を例示できる。
また、スルホンアミド誘導体としては、N−メチル−ベンゼンスルホアミド、N−エチル−ベンゼンスルホアミド、N−ブチル−ベンゼンスルホアミド、N−シクロヘキシル−ベンゼンスルホアミド、N−エチル−P−トルエンスルホアミド、N−ブチル−トルエンスルホアミド、N−シクロヘキシル−トルエンスルホアミド等を例示できる。
また、スルホン酸エステル誘導体としては、ベンゼンスルホン酸エチル等を例示できる。
B成分は、スルホンアミド誘導体、スルホン酸エステル誘導体、カルボン酸アミド誘導体、カルボン酸エステル誘導体から選ばれた1種を単独で、又はこれらから選ばれた2種以上の混合物を用いることができる。
C成分である小動物防除性を有する薬剤としては、各種の農業害虫、衛生害虫その他の昆虫類、蜘蛛類、ダニ類、鼠等の小動物の防除活性を有する薬剤であり、小動物忌避活性を有する化合物、殺虫活性、殺ダニ活性、殺蜘蛛活性若くは殺鼠活性等の殺小動物活性を有する化合物、小動物の摂食阻害活性を有する化合物、小動物の成長コントロール活性を有する化合物等を例示できる。
斯かる小動物防除性を有する薬剤の具体例としては、イミダクロプリドの様なクロロニコチニル系殺虫剤、シラフルオフェンの様なケイ素原子を有するネオフィルラジカルからなる化合物、ベンフラカルブ、アラニカルブ、メトキシジアゾン、カルボスファン、フェノブカルブ、カルバリル、メソミル、プロポクサー、フェノキシカルブ等のカーバメート系化合物、ピレトリン、アレスリン、dl,d-T80−アレスリン、d-T80-レスメトリン、バイオアレスリン、d-T80-フタルスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、プロパスリン、ペルメトリン、アクリナトリン、エトフェンプロックス、トラロメトリン、フェノトリン、d-フェノトリン、フェンバレレート、エンペントリン、プラレトリン、テフルスリン、ベンフルスリン等のピレスロイド系化合物、ジクロロボス、フェニトロチオン、ダイアジノン、マラソン、プロモフォス、フェンチオン、トリクロルホン、ナレド、テメホス、フェンクロホス、クロルピリホスメチル、シアホス、カルクロホス、アザメチホス、ピリダフェンチオン、プロペタンホス、クロルピリホス等の有機リン系化合物及びこれらの異性体、誘導体、類縁体等を例示できる。また、メトプレン、ピリプロキシフェン、キノプレン、ハイドロプレン、デオヘノラン、NC-170、フルフェノロクスロン、ジフルベンズロン、ルフェヌロン、クロルアズロン等の小動物の成長をコントロールする活性を有する化合物が挙げられる。また、殺ダニ剤としてケルセン、クロルフェナビル、デブフェンピラドピリダベン、ミルベメクチン、フェンピロキシメート、殺鼠剤としてはシリロシド、ノルボマイド、隣化亜鉛、硫酸タリウム、貴隣、アンツー、ワルファリン、エンドサイド、クマリン、クマテトラリン、プロマジオロン、ディフェチアロン等が挙げられる。
さらに、タイワンヒノキ、アスナロ、ヒノキアスナロ(青森ヒバ)等に含まれるヒノキチオールや、ハーブや、ヒノキに含まれるカジノール誘導体(α−カジノール,T−カジノール)や、クローブ、ナツメグ、コリアンダー、クミン等の香油植物に多く含まれるゲラニオール、ピネン、カリオフィレン、ボルネオール、オイゲノール等、さらに、オギスギなど小動物防除性を有する公知の香油等の天然由来の薬剤も、本発明における小動物防除性を有する薬剤として使用することができる。
D成分である無機充填材としては、粒子状無機充填材、繊維状無機充填材、或いは鱗片状無機充填材を使用することができる。
粒子状無機充填材としては、チタン酸カリウム粒子、チタニア粒子、単斜晶系チタニア粒子、シリカ粒子、リン酸カルシウム等を例示でき、これらを単独で又は混合して用いることができる。該粒子状無機充填材の中では、チタン酸カリウム粒子が特に好ましい。
また、繊維状無機充填材としては、例えば、平均繊維径0.05〜10μm、平均繊維長3〜150μm、好ましくは、平均繊維径0.1〜7μm、平均繊維長5〜50μmの形状を有する繊維状無機充填材を好適に使用することができ、該繊維状無機充填材としては、例えば、4チタン酸カリウム繊維、6チタン酸カリウム繊維、8チタン酸カリウム繊維、チタニア繊維、単斜晶系チタニア繊維、シリカ繊維、ワラストナイト、ゾノトライト等を例示でき、これらを単独で又は混合して用いることができる。これらの繊維状無機充填剤の中では、8チタン酸カリウム繊維が特に好ましい。
また、鱗片状無機充填材としては、チタン酸カリウム、チタン酸カリウムリチウム、チタン酸カリウムマグネシウム、タルク、合成マイカ、天然マイカ、セリサイト、板状アルミナ、窒化ホウ素等を例示でき、これらを単独で又は混合して用いることができる。該鱗片状無機充填材の中では、チタン酸カリウムが特に好ましい。
これらの無機充填材を配合すると、徐放性を長期間に亘って持続させることができる。また、無機充填材の配合は機械的物性の向上にも寄与しうるものとなる。
無機充填材はそのままでも使用し得るが、樹脂との界面接着性を向上させ機械的物性を一層向上させるために、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン等のシランカップリング剤又はチタネートカップリング剤等の表面処理剤で表面処理して用いてもよい。
E成分である樹脂表面における皮膜形成を抑制しうる添加剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸収性光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、及びカーボンからなる群より選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオンアミト゛)]、ビス-[3,3-ビス-(4’-ハイドロキシ-3’-tert-ブチルフェニル)-ブタノイックアシッド]-グリコールエステル、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のヒンダードフェノール系酸化防止剤を挙げることができる。
リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2-[[2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジイルビスホスフォナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-フェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリストールジフォスファイト等のリン系酸化防止剤を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール、プロパンジオックアシッド,[(4-メトキシフェニル)-メチレン]-ジメチルエステル等の紫外線吸収剤を挙げることができる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、N,N’,N’’,N’’’-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(Nメチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、ポリ[(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ))、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、2,2,4,4-テトラメチル-7-オキサ-3,20-ジアザ-ジスピロ-[5.1.11.2]-ヘンエイコサン-21-オン、プロパン二酸,[(4-メトキシフェニル)-メチレン]-,ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)エステル、1,3-ベンゼンジカルボキシアミド、N,N-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)、2-エチル,2’-エトキシ-オキサラニリド等のヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
該E成分は、これらを単独で又は混合して用いることができる。
中でも、ベースレジンとの相溶性と皮膜形成の阻害性に優れるという観点から、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオンアミト゛)]、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジイルビスホスフォナイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-エチル,2’-エトキシ-オキサラニリド、N,N’,N’’,N’’’-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル-(Nメチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、ポリ[(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ))、1,3-ベンゼンジカルボキシアミド、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)を好適に使用できる。
本発明の樹脂組成物においては、本発明の目的を損なわない範囲で、ゼオライト等の無機充填材を併用することもできる。
本発明の樹脂組成物における各成分の配合割合としては、具体的に選択する成分により適宜設定できるが、通常、A成分100重量部に対して、B成分0.05〜100重量部、好ましくは2〜50重量部、C成分0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量部、D成分2〜60重量部、好ましくは2〜20重量部、E成分0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で配合するのがよい。
D成分の配合量が60重量部を上回ると、成形が困難となるため好ましくなく、2重量部を下回ると繊維状無機充填材を配合する効果が十分得られにくい。
また、E成分の配合量が20重量部を上回ると、成形が困難となるため好ましくなく、0.01重量部を下回ると皮膜形成抑制という効果が十分得られにくい。
本発明の小動物防除性樹脂組成物は、例えば各成分を配合し、溶融混練することにより製造できる。各成分の配合は、予めタンブラー、ブレンダー、ミキサー等を用いて乾式混合することにより行うことができ、また、各成分を混練機の同一又は異なったホッパーから供給することにより行うこともできる。得られた本発明の小動物防除性樹脂組成物は直接所望の形状に成形し小動物防除性部材としてもよいし、一旦、押出後、ペレタイザーによりペレット化する等して、保管、流通させてもよい。ペレット等としたものは、公知の方法により、成形することができる。
本発明の小動物防除性樹脂組成物の成形に際しては、公知の各種の成形方法により成形することができ、例えば、斯かる成形方法としては射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、マシニング成形等を例示できる。本発明の小動物防除性部材の形状としては、特に制限はなく、平板状、棒状、円筒状、櫛形、球形等あらゆる形状とすることができる。また、本発明の小動物防除性樹脂組成物は、通常の樹脂組成物や金属等とともに二色乃至多色成形して所望部分が小動物防除性を有する構造部材等とすることもできる。
45mmφの二軸押出機を使用し、下記表1に示す材料配合による樹脂組成物を作製した。具体的には、該二軸押出機において、樹脂温度190℃に設定し、メインホッパーよりA成分を投入し、溶融させるとともに、該二軸押出機のサイドホッパーより、プランジヤーポンプにて下記表1に示す割合のB成分、C成分、及びE成分の混合物を混練し、更にD成分をサイドフィードし、ペレット化された実施例および比較例の樹脂組成物をそれぞれ作製した。尚、A〜E成分としては、それぞれ下記表2に示す材料を使用した。
Figure 0005493086
Figure 0005493086
そして、得られた各ペレットを用いて平板状のテスト用成形品(50mm×50mm、厚み1.2mm)を射出成形機にて作成した。
暴露
得られた実施例及び比較例のテスト用成形品を用い、サンシャインウェザー試験機(スガ試験機社製、型式 WEL-SUN-D)にて200時間、400時間、600時間の暴露試験(200時間の試験が屋外における紫外線、雨による1年間の暴露に相当)を実施した。
害虫忌避性の評価
害虫忌避性の評価にはシェルター試験を用いた。具体的には、上部が開放された有底のアクリル容器(300mm×230mm×250mm)内に、エサ、水を設置するとともに、害虫が隠れることのできるシェルター(60mm×60mm、高さ10mm)を2つ設置した。一方のシェルターA内には、上記テスト用成形品を載置し、他方のシェルターB内には、何も設置しないものとした。次に、チャバネゴキブリ10匹を投入して放置し、10時間後、2つのシェルターを同時に取外し、各々のシェルター内にいたチャバネゴキブリの数を数え、次式により忌避率を算出した。
忌避率[%]={(シェルターBの虫の数−シェルターA内の虫の数)/シェルターB内の虫の数}×100
結果を下記表3に示す。
Figure 0005493086
表3に示したように、E成分を添加しない比較例の樹脂組成物では、時間の経過とともに忌避率が大幅に低下していることが認められる。一方、E成分を添加してなる実施例の樹脂組成物は、暴露時間を600時間とした場合であっても良好な忌避率を維持しており、極めて長期間に亘って小動物防除作用を発揮しうることが認められる。
ここで、実施例3と比較例1で使用したテスト用成形品について、暴露前と暴露時間200時間後の成形品の断面写真を撮影するとともに、暴露前と暴露時間200時間後の成形品表面近傍におけるX線電子分光法(XPS)による分析を行った。具体的には、XPS分析は、X線電子分光装置(S−probe ESCA、SSI社製)を用い、該分析機器に各試料を投入し、励起電子のエネルギースペクトルを測定し、そのスペクトルのピークのエネルギ値から表面近傍(約10nm)に存在する元素を、またピークの高さから元素の含有量を見出した。試料のペルメトリン特有の元素としてCl元素が挙げられるため、ペルメトリンの表面濃度の指標として、Cl元素を用いて分析を行った。
断面写真を図1、図2にそれぞれ示し、XPSによる分析結果を図3、図4にそれぞれ示す。
図1に示した比較例1の断面写真では、暴露後に、成形体の表面近傍には内側と色あいの異なる皮膜が形成されている様子が認められたのに対し、図2に示した実施例3の断面写真では、そのような皮膜が形成されていることは認められなかった。
また、図3、4に示したXPS分析結果によれば、比較例1では薬剤由来のCl元素量が、暴露前においては大きなピークを有しているのに対し、暴露後にはその約1/3程度にまで低下していることが認められる。これに対し、実施例3では、薬剤由来のCl元素量が、暴露前後において殆ど変化していないことが認められる。
これらの断面写真及びXPS分析結果によれば、比較例1の成形体では暴露によって表面近傍に薬剤の放出を阻害する皮膜が形成され、該皮膜が薬剤の放出を阻害して忌避率を低下させていたことが裏付けられる。一方、実施例3の成形体では、暴露によってもそのような皮膜が形成されず、安定して薬剤を放出させ得る特性を有していたことが裏付けられる。

Claims (3)

  1. ベース樹脂、可塑剤、小動物防除性を有する薬剤、及び無機充填材を含有してなる小動物防除性樹脂組成物であって、
    さらに、樹脂表面における皮膜形成を抑制しうる添加剤を含有し、
    前記樹脂表面の皮膜形成を抑制しうる添加剤が、
    トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、
    N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]、及び、
    1,3−ベンゼンジカルボキシアミド,N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)であることを特徴とする小動物防除性樹脂組成物。
  2. 前記樹脂表面の皮膜形成を抑制しうる添加剤の配合量が、前記ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜5.0重量部であることを特徴とする請求項に記載の小動物防除性樹脂組成物。
  3. 前記請求項1又は2に記載の小動物防除性樹脂組成物が成形されてなることを特徴とする小動物防除性樹脂成形体。
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