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JP5493499B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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JP5493499B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、熱可塑性樹脂に多量の植物繊維を含有させることができ、且つ混練、混合時の発熱に基づく蓄熱による植物繊維の熱劣化が防止され、射出成形等により製造した熱可塑性樹脂成形体の物性の低下が抑えられる熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
近年、地球環境の観点から、熱可塑性樹脂と植物材料とを混合した複合材料が各種の用途で検討されている。例えば、ポリオレフィン系樹脂と所定長の木粉とを含有する混合材料を、溶融混練し、押出成形してなる溶融樹脂混練物を冷却し、粉砕してポリオレフィン系樹脂組成物を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1には、この方法により製造された樹脂組成物を用いて、押し込み成形により擬木などの木質感のある成形体を製造することができると説明されている。更に、材木、パルプ等の切削屑、及びケナフ等の植物繊維の粉砕物などの植物系充填材と、熱可塑性樹脂とを溶融混練し、押出成形した後、冷却し、ペレット化して複合材料ペレットを製造する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−269709号公報 特開2002−210736号公報
特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して200質量部までの木粉を含有させた樹脂組成物を用いて、押し込み成形により擬木などの成形体を製造することが記載されているが、樹脂組成物は押出成形により製造されており、また、木粉の熱劣化防止及び樹脂組成物の流動性については特に言及されていない。更に、特許文献2には、多量の植物系充填材を含有する複合材料ペレットを製造することが記載されているが、用いる装置は複雑な構造であり、操作も煩雑である。
本発明は、上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、熱可塑性樹脂に多量の植物繊維を含有させることができ、且つ混練、混合時の発熱に基づく蓄熱による植物繊維の熱劣化が防止され、射出成形等により製造した熱可塑性樹脂成形体の物性の低下が抑えられる熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.熱可塑性樹脂及び植物繊維を含有し、該熱可塑性樹脂と該植物繊維との合計を100質量%とした場合に、該植物繊維は50〜95質量%である熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、熱可塑性樹脂と植物繊維とを混練し、混合して樹脂繊維混合物とする混合工程と、該樹脂繊維混合物を圧延して平板状の圧延物とする圧延工程と、を備え
前記圧延工程において用いる圧延装置は、前記樹脂繊維混合物を呼び込むための呼び込みロールと、該呼び込みロールから送出される該樹脂繊維混合物を平板状に圧延するための圧延ロールとを備え、
該呼び込みロールは周面に突起が立設されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
2.該呼び込みロールの下方に該圧延ロールが配置されており、
該呼び込みロールから送出される該樹脂繊維混合物は、下方に落下しつつ圧延ロールに供給される前記1.に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
3.前記混練、混合に用いる混合装置は、前記混合がなされる混合室及び該混合室内に配設された混合羽根を備え、前記混合室内で、前記混合羽根の回転により昇温して溶融した前記熱可塑性樹脂と、前記植物繊維とが混練され、混合される前記1.又は2.に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
4.前記圧延ロールは冷却機能を有する前記.に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
5.前記混合工程において得られた樹脂繊維混合物を粉砕して粉砕混合物とする粉砕工程を備える前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
6.前記粉砕混合物を押し固めてペレット化するペレット化工程を備える前記5.に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
7.前記植物繊維は、ケナフ繊維である前記1.乃至6.のうちのいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
8.前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂及び酸変性ポリプロピレン系樹脂である前記1.乃至7.のうちのいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
9.前記ポリプロピレン系樹脂と前記酸変性ポリプロピレン系樹脂との合計を100質量%とした場合に、該酸変性ポリプロピレン系樹脂は1〜30質量%である前記8.に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法によれば、熱可塑性樹脂と植物繊維とが混合されてなる樹脂繊維混合物が平板状に圧延されており、混合時に発生した熱が樹脂繊維混合物から放散され、蓄熱されない。そのため、水噴霧装置及び乾燥装置、或いは冷却ブース等の設備及びそれらを用いた工程を必要としない。従って、装置が複雑化、操作が煩雑化することなく、樹脂繊維混合物が十分に降温して植物繊維の熱劣化が防止され、物性の低下が抑えられ、実用性の観点で好ましい熱可塑性樹脂成形体(以下、「成形体」と略記する。)を製造することができる。また、50〜95質量%と多量の植物繊維を含有させることができ、且つ射出成形等の方法により成形するときに、十分な流動性を有する熱可塑性樹脂組成物とすることができ、優れた曲げ弾性率等を有する成形体を製造することができる。
更に、圧延工程において用いる圧延装置が、樹脂繊維混合物を呼び込むための呼び込みロールと、呼び込みロールから送出される樹脂繊維混合物を平板状に圧延するための圧延ロールとを備えるので、混合装置から排出される樹脂繊維混合物が滞留することなく圧延ロールに送出され、樹脂繊維混合物を効率よく平板状の圧延物とすることができる。
また、混練、混合に用いる混合装置が、混合がなされる混合室及び混合室内に配設された混合羽根を備え、混合室内で、混合羽根の回転により昇温して溶融した熱可塑性樹脂と、植物繊維とが混練され、混合される場合は、外部からの加熱を必要とすることなく短時間で効率よく混合することができ、コストを低減させることができる。
また、圧延ロールが冷却機能を有する場合は、放冷による放熱のみのときと比べて、樹脂繊維混合物の蓄熱をより確実に防止することができ、植物繊維の熱劣化をより効率よく防止することができる。
更に、混合工程において得られた樹脂繊維混合物を粉砕して粉砕混合物とする粉砕工程を備える場合は、射出成形等の原料として粉砕混合物をそのまま、又はペレット化して用いることができ、いずれにしても塊状の樹脂繊維混合物と比べて取り扱い易く、成形体を容易に製造することができる。
また、粉砕混合物を押し固めてペレット化するペレット化工程を備える場合は、加熱せずにペレット化することができるため、熱可塑性樹脂の熱劣化が抑えられ、ペレットであるため取り扱い易く、射出成形機等に、より容易に、且つより均一に供給することができ、成形体の機械的特性をより向上させることができる。
更に、植物繊維が、ケナフ繊維である場合は、成長速度が極めて大きい一年草であり、優れた二酸化炭素吸収性を有するケナフを用いることにより、大気中の二酸化炭素量の削減、及び植物資源の有効利用等に貢献することができる。
また、熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂及び酸変性ポリプロピレン系樹脂である場合は、より高い流動性を有する熱可塑性樹脂組成物とすることができ、且つ優れた機械的特性を有する成形体とすることができる。
更に、ポリプロピレン系樹脂と酸変性ポリプロピレン系樹脂との合計を100質量%とした場合に、酸変性ポリプロピレン系樹脂が1〜30質量%である場合は、酸変性樹脂を併用することによる作用効果が十分に奏され、特に高い流動性を有する熱可塑性樹脂組成物とすることができ、且つ優れた機械的特性を有する成形体とすることができる。
熱可塑性樹脂組成物の製造に用いるシステムの一部であって、混合装置、圧延装置、粉砕装置及びペレット化装置が並列に配置された場合の模式的な説明図である。 混合装置の一例の模式的な断面図である。 混合装置に配設された混合羽根の一例の模式的な側面図である。 ローラーディスクダイ式ペレタイザの一例の要部の模式的な斜視図である。
以下、本発明を図を参照しながら詳しく説明する。
[1]熱可塑性樹脂組成物の製造方法
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び植物繊維を含有し、熱可塑性樹脂と植物繊維との合計を100質量%とした場合に、植物繊維は50〜95質量%であり、熱可塑性樹脂と植物繊維とを混練し、混合して樹脂繊維混合物とする混合工程と、樹脂繊維混合物を圧延して平板状の圧延物とする圧延工程と、を備える方法により製造することができる。
更に、この製造方法では、圧延工程において用いる圧延装置は、樹脂繊維混合物を呼び込むための呼び込みロールと、呼び込みロールから送出される樹脂繊維混合物を平板状に圧延するための圧延ロールとを備え、呼び込みロールは周面に突起が立設されている。
[1]材料
(1)熱可塑性樹脂
上記「熱可塑性樹脂」は、混合工程で植物繊維と混合される樹脂である。この熱可塑性樹脂は特に限定されず、各種の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール及びABS樹脂等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン及びポリブチレンサクシネート等を用いることもできる。これらのうちでは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンが好ましく、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、特にエチレン−プロピレンブロック共重合体がより好ましい。熱可塑性樹脂は2種以上を併用してもよいが、1種のみ用いられることが多い。
また、特に熱可塑性樹脂としてポリオレフィンを用いる場合、酸変性ポリオレフィンを併用することが好ましい。酸変性ポリオレフィンを用いることにより、熱可塑性樹脂組成物を用いて成形した成形体の機械的特性をより向上させることができる。酸変性ポリオレフィンのベース樹脂としては、前記の各種のポリオレフィンを用いることができる。更に、熱可塑性樹脂組成物に含有される非変性ポリオレフィンと、酸変性に用いるベース樹脂とは同種の樹脂であることが好ましい。また、同種の樹脂である場合、各々の樹脂の平均分子量、密度等の差が小さいことがより好ましく、共重合体であるときは、各々の単量体単位の割合の差が小さいことがより好ましい。
酸変性ポリオレフィンに酸基を導入する方法も特に限定されないが、通常、ポリオレフィンに酸基を有する化合物を反応させて導入する、所謂、グラフト重合により導入することができる。酸基を有する化合物も特に限定されず、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アクリル酸及びメタクリル酸等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、酸無水物が用いられることが多く、特に無水マレイン酸及び無水イタコン酸が多用される。
酸変性ポリオレフィンにおける酸基の導入量は特に限定されないが、酸価が5以上となる導入量であることが好ましい。酸変性ポリオレフィンの酸価が5以上となる導入量であれば、酸変性ポリオレフィンを多量に配合することなく、成形体の機械的特性を十分に向上させることができる。この酸価は、10〜80、特に15〜70、更に20〜60であることがより好ましい。
尚、酸価はJIS K0070により測定することができる。
更に、酸変性ポリオレフィンの平均分子量も特に限定されないが、重量平均分子量が10000〜200000であることが好ましい。即ち、比較的低分子量の酸変性ポリオレフィンであることが好ましい。このような酸変性ポリオレフィンを用いることにより、熱可塑性樹脂組成物の流動性を十分に向上させることができ、且つ優れた機械的特性を有する成形体とすることができる。この重量平均分子量は、15000〜150000、特に25000〜120000、更に35000〜100000であることがより好ましい。
尚、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定することができる。
また、酸変性ポリオレフィンを併用する場合、熱可塑性樹脂全体を100質量%としたときに、酸変性ポリオレフィンは1〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%、特に1〜20質量%、更に1.5〜10質量%であることがより好ましい。酸変性ポリオレフィンの配合量が1〜30質量%であれば、射出成形等の成形時の熱可塑性樹脂組成物の流動性を飛躍的に向上させることができるとともに、成形体の機械的特性を向上させることができる。更に、熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、例えば、ポリプロピレン及び/又はエチレン−プロピレン共重合体、特にエチレン−プロピレンブロック共重合体と、これらを酸変性した樹脂とを併用することがより好ましい。これによって、射出成形等の成形時の熱可塑性樹脂組成物の流動性、及び成形体の機械的特性を十分に向上させることができる。
(2)植物繊維
前記「植物繊維」は、植物に由来する繊維である。この植物繊維としては、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、針葉樹(杉、檜等)、広葉樹及び綿花などの各種の植物が有する繊維が挙げられる。この植物繊維は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、成長が極めて早い一年草であり、優れた二酸化炭素吸収性を有し、大気中の二酸化炭素量の削減、森林資源の有効利用等に貢献することができるケナフが有する繊維が好ましい。また、植物のうちの用いる部位は特に限定されず、非木質部、木質部、葉部、茎部及び根部等の植物を構成するいずれの部位であってもよい。更に、特定部位のみを用いてもよいし、2箇所以上の異なる部位を併用してもよい。
ケナフは木質茎を有する早育性の一年草であり、アオイ科に分類される植物である。このケナフとしては、学名におけるhibiscus cannabinus及びhibiscus sabdariffa等、並びに通称名における紅麻、キューバケナフ、洋麻、タイケナフ、メスタ、ビムリ、アンバリ麻及びボンベイ麻等が挙げられる。植物繊維としてケナフが有する繊維を用いる場合、強靱な繊維を有する靭皮と称される外層部分を用いることができる。
植物繊維の繊維長及び繊維径は特に限定されないが、繊維長(L)と繊維径(t)との比(L/t)が5〜20000であることが好ましい。また、植物繊維の繊維長は、通常、10〜300mmであり、繊維径は、通常、10〜150μmである。この繊維長は、JIS L1015における直接法と同様にして1本の植物繊維を伸張させずに真っ直ぐに延ばし、置尺上で測定した値である。一方、繊維径は、繊維長を測定した植物繊維について、繊維の長さ方向の中央部における繊維径を光学顕微鏡を用いて測定した値である。
更に、植物繊維の平均繊維長及び平均繊維径も特に限定されないが、平均繊維長は100mm以下(通常、10mm以上)であることが好ましい。平均繊維長が100mm以下の植物繊維を用いることにより、容易に熱可塑性樹脂と混合することができる。この平均繊維長は、JIS L1015に準拠する直接法により、単繊維を無作為に1本ずつ取り出し、伸張させずに真っ直ぐに延ばし、置尺上で繊維長を測定し、合計200本について測定した平均値である。また、平均繊維径は100μm以下(通常、15μm以上)であることが好ましい。この平均繊維径は、無作為に単繊維を1本ずつ取り出し、繊維の長さ方向の中央部における繊維径を光学顕微鏡を用いて実測し、合計200本について測定した平均値である。
尚、この原料繊維として用いられる植物繊維は、通常、裁断して用いられる。
また、植物繊維は、何ら加工することなく熱可塑性樹脂と混合してもよく、裁断し、又は粉砕して所定長の植物繊維として熱可塑性樹脂と混合してもよい。更に、植物繊維は、ペレット化装置(例えば、熱可塑性樹脂組成物のペレット化に用いる装置の要部を記載した図4参照)により所定の形状及び寸法を有する繊維ペレットとし、この繊維ペレットを熱可塑性樹脂と混合してもよい。
熱可塑性樹脂組成物には、熱可塑性樹脂及び植物繊維を除く他の成分を含有させることができる。この他の成分は特に限定されないが、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤等の各種の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は各々1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの他の成分を配合する工程は特に限定されないが、通常、混合工程において配合し、含有させる。
[2]工程
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、混合装置1(詳しくは図2、3参照)により熱可塑性樹脂と植物繊維とを混練し、混合する混合工程と、圧延装置30(説明図である図1を参照)により樹脂繊維混合物を平板状に圧延する圧延工程と、を備える。
(1)混合工程
前記「混合工程」は、熱可塑性樹脂と植物繊維とを混練し、混合する工程である。
この混合工程では、押出タイプの混練、混合機を除いた混合装置が用いられる。この混合装置は特に限定されないが、熱可塑性樹脂に多量の植物繊維を混合させることができればよく、例えば、図2、3に記載された混合装置を用いることができる。この特定の混合装置を用いた場合、より高い流動性を有する熱可塑性樹脂組成物をより容易に製造することができる。
この混合装置[以下、図2(図2は、特許庁の特許電子図書館から取得した国際公開04/076044号パンフレットの図1を引用)及び図3(図3は、特許庁の特許電子図書館から取得した国際公開04/076044号パンフレットの図2を引用)参照]としては、国際公開04/076044号パンフレットに記載の混合装置1が好ましい。即ち、混合装置1は、材料供給室13と、材料供給室13に連設された混合室3と、材料供給室13と混合室3とを貫通して回転自在に設けられた回転軸5と、材料供給室13内の回転軸5に配設され、且つ材料供給室13に供給された熱可塑性樹脂と植物繊維との混合材料を混合室3へ搬送するためのスクリュー羽根12と、混合室3内の回転軸5に配設され、且つ混合材料を混合する混合羽根10a〜10fと、を備えることが好ましい。
混合装置1を使用し、熱可塑性樹脂と植物繊維とを材料供給室13に投入し、スクリュー羽根12により混合室3へ搬送し、混合羽根10a〜10fを回転させることで、熱可塑性樹脂及び植物繊維がともに、混合室3の内壁へ向かって押し付けられ、内壁を打撃し、且つ混合羽根10a〜10fの回転方向に押し進められ、材料同士の衝突により発生する熱により短時間で熱可塑性樹脂が軟化し、溶融して、植物繊維と混練され、混合される。このようにして製造される混合物(熱可塑性樹脂組成物)には、例えば、射出成形が可能な優れた流動性が付与される。
混合羽根10a〜10fは、回転軸5の周方向に一定の角度で間隔をおいた位置において軸方向に対向するとともに、回転方向において互いの対向間隔が狭くなるような取付角で回転軸5に配設され、少なくとも2枚の混合羽根(10a〜10f)によって構成される。混合羽根10a〜10fの回転軸5に対する取付角は、回転軸5に取り付けられる混合羽根10a〜10fの根元部から径方向外方の先端部まで同一であることが好ましい。また、混合羽根10a〜10fの平面形状は矩形であることが好ましい。更に、混合室3は、その構成壁に冷却媒体を循環させることができる混合室冷却手段を備えることがより好ましい。このような構成とすることにより、混合室内が過度に昇温することを抑えることができ、熱可塑性樹脂の熱劣化を防止、又は少なくとも抑えることができる。
混合工程における各種条件は特に限定されないが、例えば、混合時の温度は、混合室の外壁面の温度を200℃以下、特に150℃以下、更に120℃以下に制御することが好ましく、且つ50℃以上、特に60℃以上、更に80℃以上に制御することがより好ましい。また、この温度に到達させる時間は、10分以内、特に5分以内であることが好ましい。短時間で所定温度に到達させることで、急激に水分を蒸散させるとともに、混合することができ、熱可塑性樹脂の劣化をより効果的に抑えることができる。更に、前記の温度範囲を維持する時間も、15分以内、特に10分以内とすることが好ましい。また、この温度は、混合装置の混合羽根の回転速度により制御することが好ましい。より具体的には、混合羽根の先端の周速度を5〜50m/秒となるように制御することが好ましい。この範囲の周速度に制御することにより、効率よく熱可塑性樹脂を軟化させ、溶融させつつ、植物繊維とより均一に混合することができる。
更に、この混合の終点は特に限定されないが、回転軸に負荷されるトルクの変化により決定することができる。即ち、回転軸に負荷されるトルクを測定し、そのトルクが最大値となった後に混合を停止することが好ましい。これにより、熱可塑性樹脂と植物繊維とを相互に十分に分散させることができる。また、トルクが最大値となった後、低下し始めてから混合を停止させることがより好ましい。更に、最大トルクに対して40%以上、特に50〜80%のトルク範囲となった時点で混合を停止することが特に好ましい。これにより、熱可塑性樹脂と植物繊維とを相互により十分に分散させることができるとともに、混合室内から混合物(熱可塑性樹脂組成物)を160℃以上の温度で取り出すことができ、混合室内に熱可塑性樹脂組成物が付着して残存されることをより確実に防止することができる。
また、熱可塑性樹脂組成物に含有される前記「植物繊維」(熱可塑性樹脂と混練、混合される原料繊維として用いられる植物繊維とは異なった形態の繊維になる。また、粉砕工程及びペレット化工程を備える場合は、これらの工程において更に異なった形態の繊維になる。)の含有量は、熱可塑性樹脂と植物繊維との合計を100質量%とした場合に、50〜95質量%である。この含有量は、通常、熱可塑性樹脂組成物の製造時に熱可塑性樹脂に配合する植物繊維の配合量と同量である。即ち、熱可塑性樹脂及び植物繊維の各々の配合量の合計を100質量%としたときに、植物繊維の配合量は50〜95質量%である。この植物繊維の含有量(配合量)は55〜65質量%であることが好ましい。植物繊維の含有量(配合量)が50〜95質量%であれば、優れた曲げ弾性率等を有し、実用性の観点で好ましい成形体とすることができる。
(2)圧延工程
前記「圧延工程」は、混合装置から排出された樹脂繊維混合物を圧延する工程である。
圧延は、一対の圧延ロールを用いる方法でもよいし、プレス機を用いる方法でもよいが、混合装置から連続的に排出される樹脂繊維混合物を連続的に圧延することができる圧延ロールを用いる方法が効率がよく好ましい。また、圧延工程で用いる圧延装置は、樹脂繊維混合物を呼び込むための呼び込みロールと、呼び込みロールから送出される樹脂繊維混合物を平板状に圧延するための圧延ロールとを備え、呼び込みロールは周面に突起が立設されている。例えば、図1のように、混合装置1から排出される樹脂繊維混合物Cを呼び込み、呼び込まれた樹脂繊維混合物Cを送出するための呼び込みロール301、及び呼び込みロール301の下方に配置され、呼び込みロール301に呼び込まれ、送出された樹脂繊維混合物Cを圧延するための圧延ロール302を備える圧延装置30を用いることができる。
呼び込みロール301は、樹脂繊維混合物Cを滞留させることなく確実に呼び込み、圧延ロール302に向けて送出させるため、周面に突起が立設されている。この突起は、点状の突起でもよく、線状の突起でもよい。点状の突起である場合、横断面の形状は特に限定されず、円形、楕円形、三角形及び四角形等の多角形などのいずれであってもよい。また、この点状の突起は先端側が突状になっていることが好ましい。更に、線状の突起である場合、突起はロールの幅方向に設けられていてもよく、斜め方向に設けられていてもよいが、径方向であると、樹脂繊維混合物Cを効率よく呼び込むことができないため好ましくない。また、各々の突起がロールの全幅に渡って設けられていてもよく、幅方向の所定寸法に渡って設けられていてもよい。更に、この線状の突起も先端側が突状(周面側に比べて寸法が小さい。)になっていることが好ましい。
ロール間のクリアランスは特に限定されず、樹脂繊維混合物の寸法にもよるが、突起間の最少寸法で5〜100mm、特に10〜50mm、周面間の寸法で10〜150mm、特に20〜100mmとすることができる。また、このようなクリアランスとした場合、突起の高さは2.5〜25mm、特に5〜25mmになる。
一方、圧延ロール302は平滑な周面を有する通常のロールであり、樹脂繊維混合物Cが対をなすロール間を通過することにより圧延される。ロール間のクリアランスは、圧延された樹脂繊維混合物(圧延物C1)の所望の厚さにより設定することが好ましく、このクリアランスは、圧延物C1の厚さと、熱可塑性樹脂の種類及び樹脂繊維混合物Cの温度等とを勘案し、設定することが好ましい。また、圧延物C1の冷却を促進し、より確実に蓄熱を防止するため、圧延ロール302は冷却機能を有していることが好ましい。このような冷却機能は、通常、ロール内に設けられた冷媒の流路に、例えば、空気を流通させる空冷、及び水を流通させる水冷等により付与することができる。冷媒の温度は特に限定されないが、過度に低温にする必要はなく、0〜50℃、特に10〜30℃とすることができる。
圧延物C1の厚さは特に限定されず、混合装置から排出される、通常、220〜240℃と高温の樹脂繊維混合物Cが圧延されてなる圧延物C1の放熱、冷却が十分になされればよい。また、一般的な粉砕装置により効率よく粉砕することができる厚さであればよい。この厚さは、例えば、1〜10mm、特に2〜8mmとすることができる。この場合、圧延ロール302間のクリアランスは1〜10mm、特に2〜8mmとすることができ、通常、圧延物C1の厚さは、圧延ロール302間のクリアランスと略同じになる。
また、圧延工程で樹脂繊維混合物Cが平板状に圧延されてなる圧延物C1は、通常、粉砕され、又は粉砕され、且つペレット化されて成形体の原料等として用いられる。
尚、呼び込みロール301及び圧延ロール302の各々の径及び回転速度は特に限定されず、圧延ロール302からの圧延物C1の送出速度が0.2〜5m/分、特に0.5〜3m/分、更に0.7〜2m/分になるような径及び回転速度であることが好ましい。例えば、呼び込みロール301の径は20〜300mm、特に30〜200mm、回転速度(突起の先端の周速度)は0.2〜5m/分、特に0.5〜3m/分とすることができる。また、圧延ロール302の径は50〜500mm、特に100〜350mm、回転速度(周速度)は0.2〜5m/分、特に0.5〜3m/分とすることができる。
(3)粉砕工程
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、混合工程及び圧延工程を除く他の工程を備えていてもよい。この他の工程としては、圧延物C1を粉砕して粉砕混合物とする粉砕工程が挙げられる。この粉砕工程を備える場合、粉砕装置は特に限定されず、圧延物C1を効率よく粉砕することができればよい。このような装置としては、樹脂組成物の粉砕に一般に用いられる粉砕装置を使用することができる。例えば、株式会社ホーライ製の粉砕効率が高いZシリーズの粉砕機等を用いることができる。また、粉砕混合物の粒子の形状及び粒径も特に限定されず、整粒等の操作は特に必要とすることなく、成形体の原料として用いることができる。粒径(最大寸法)は1〜10mm、特に3〜8mmであることが好ましく、粒径が1〜10mmであれば、取り扱い易く、射出成形機等の成形機への供給も容易である。
(4)ペレット化工程
(a)熱可塑性樹脂組成物のペレット化
粉砕工程により得られた粉砕混合物は、そのまま成形体の原料として使用することができるが、ペレット化して用いることが好ましく、粉砕混合物がペレット化されることにより射出形成等の成形がより容易になる。このペレット化の方法は特に限定されないが、例えば、粉砕装置とペレット化装置とを並列に配置し、粉砕と連続してペレット化することができる。また、ペレット化は粉砕混合物を再加熱せずに実施することもでき、粉砕装置から排出される粉砕混合物を押出機等により溶融混練し、押し出してペレット化することもできる。
粉砕混合物は、加熱せず、押し固めてペレット化することが好ましい。このように、加熱せず、押し固めてペレット化することにより、粉砕混合物を押出機等を用いてペレット化するときに比べて、熱可塑性樹脂組成物への熱履歴を低減することができ、この熱可塑性樹脂組成物を用いて成形される成形体の機械的特性をより向上させることができる。
この加熱せず押し固めてペレット化する工程では、どのような装置及び手段を用いてもよいが、各種圧縮成形法によるペレット化であることが特に好ましい。この圧縮成形法としては、例えば、ローラー式成形法及びエクストルーダ式成形法等が挙げられる。これらのうち、ローラー式成形法は、ローラー式成形機を用いる方法であり、ダイに接して回転するローラーにより粉砕混合物がダイ内に圧入され、その後、ダイから押し出されてペレット化される。ローラー式成形機とてしは、ディスクダイ式(ローラーディスクダイ式成形機)とリングダイ式(ローラーリングダイ式成形機)が挙げられ、これらはダイの形状が異なる。一方、エクストルーダ式成形法は、エクストルーダ式成形機を用いる方法であり、スクリューオーガの回転により粉砕混合物がダイ内に圧入され、その後、ダイから押し出されてペレット化される。これらの圧縮成形法のうちでは、圧縮効率が高いローラーディスクダイ式成形機を用いた方法がより好ましい。
更に、本方法では下記の特定のローラーディスクダイ式成形機90(要部を記載した図4参照)を用いてペレット化することが特に好ましい。即ち、複数の貫通孔911が穿設されたディスクダイ91と、ディスクダイ91上で転動し、貫通孔911内に非圧縮物(粉砕混合物)を押し込むプレスローラ92と、プレスローラ92を駆動する主回転軸93とを備えるローラーディスクダイ式成形機を用いることが特に好ましい。この成形機では、ディスクダイ91は、貫通孔911と同方向に貫通する主回転軸挿通孔912を有し、主回転軸93は、主回転軸挿通孔912に挿通され、且つ主回転軸93に垂直に設けられたプレスローラ固定軸94を有する。また、プレスローラ92は、プレスローラ固定軸94に回転可能に軸支され、主回転軸93の回転に伴ってディスクダイ91上を転動する。
このローラーディスクダイ式成形機90では、上記の構成に加え、プレスローラ92の表面に凹凸921が設けられていることがより好ましい。また、主回転軸93の回転に伴って回転される切断用ブレード95を備えていることがより好ましい。
ローラーディスクダイ式成形機90では、例えば、図4において、主回転軸93の上方から投入された粉砕混合物をプレスローラ92が備える凹凸921が捉えて貫通孔911内に押し込み、ディスクダイ91の裏面側から紐状になって押し出される。この紐状となった粉砕混合物は、回転する切断用ブレード95により適宜の長さに切断されてペレット化され、下方に落下して回収される。また、ペレット化された熱可塑性樹脂組成物の形状及び寸法は特に限定されないが、円柱状等の柱状形状であることが好ましい。更に、その最大寸法は1mm以上(通常、20mm以下)であることが好ましく、1〜10mm、特に2〜7mmであることがより好ましい。
(b)植物繊維のペレット化
植物繊維をペレット化する場合、ペレット化装置は特に限定されないが、前記(a)の熱可塑性樹脂組成物のペレット化と同様に前記のローラーディスクダイ式成形機を用いることができる。このように植物繊維をペレット化することで、植物繊維と熱可塑性樹脂との嵩密度の差を小さくすることができ、作業性が向上し、混合の際の各々の材料の偏在を抑えることもできる。また、植物繊維と熱可塑性樹脂とが相互により均一に分散した熱可塑性樹脂組成物とすることができ、この組成物を用いてなる成形体の機械的強度をより向上させることができる。
(5)混合工程からペレット化工程までの連続工程
混合工程と圧延工程とは、図1のように、混合装置1と圧延装置30とを並列に配置し、連続的に混合し、圧延する工程とすることが好ましい。即ち、混合装置1から排出される樹脂繊維混合物Cを、圧延装置30が備える呼び込みロール301に向けて落下させてロール間に呼び込ませ、呼び込まれた樹脂繊維混合物Cを、呼び込みロール301の下方に配置された圧延ロール302に向けて送出し、ロール間で圧延して所定厚さの平板状の圧延物C1とすることが好ましい。
圧延工程で得られた平板状の圧延物C1は、通常、粉砕され、又は粉砕され、且つペレット化されて成形体の原料等として用いられる。このように粉砕する場合、又は粉砕し、且つペレット化する場合、粉砕工程及びペレット化工程も、圧延工程と連続していることが好ましい。例えば、圧延装置30から排出された圧延物C1は、粉砕可能である程度[例えば、100℃以下、室温(20〜30℃)にまで降温していても特に問題はない。]に降温しておれば、そのまま直接粉砕装置50に投入してもよい。また、圧延物C1がより高温(例えば、110〜150℃、特に120〜130℃)である場合は、図1のように、圧延物C1をベルトコンベア40により搬送しながら放熱させた後、粉砕装置50に投入してもよい。
ベルトコンベア40の材質は特に限定されず、ゴム製、金属製等のいずれでもよい。また、金属製であり、且つメッシュ状のベルトコンベア40であれば、圧延物C1の冷却がより促進されるため、圧延ロール302が冷却機能を有していなくても、圧延物C1を粉砕可能な程度に降温させることができる。更に、ベルトコンベア40の長さも特に限定されず、1〜5m、特に2〜4mとすることができる。また、ベルトコンベア40の移動速度も特に限定されず、このベルトコンベア40の移動速度は、圧延物C1がベルトコンベア40上を移動しながら放熱される時間が10〜60秒、特に20〜40秒程度となるように、ベルトコンベア40の長さを考え併せて設定することが好ましい。
更に、粉砕混合物をペレット化する場合、粉砕装置50とペレット化装置90とを並列に配置させ、粉砕装置50により粉砕されてなる粉砕混合物を、搬送用ダクトホース60内を搬送させてサイクロン70内に投入して粉塵を集塵し、その後、ロータリーバルブ80でエアーカットしてペレット化装置90に投入し、ペレット化することが好ましい。
[3]成形体の製造方法
本発明の方法により製造された熱可塑性樹脂組成物(好ましくは圧延後、粉砕された粉砕混合物、又は粉砕混合物がペレット化されてなるペレット)は、射出成形、押出成形、圧縮成形等の各種の成形方法により、成形体とすることができる。この熱可塑性樹脂組成物は、多量の植物繊維を含有しているにもかかわらず、優れた流動性を有するため、特に十分な流動性を必要とする射出成形に用いることもできる。この射出成形時、熱可塑性樹脂組成物がペレット化されておれば、計量時間及び射出時間等を短縮することができ、その結果、成形サイクルが短縮されて成形効率を向上させることができる。また、射出成形等の各種の成形に用いる装置及び成形条件等は特に限定されず、熱可塑性樹脂の種類、及び成形体の形状、用途等により適宜選択し、設定すればよい。
成形体の形状及び寸法等は特に限定されず、その用途も特に限定されない。この成形体としては、例えば、自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の内装材、外装材及び構造材等が挙げられる。これらのうち、自動車用途としては、内装材、インストルメントパネル、外装材等が挙げられ、具体的には、ドア基材、パッケージトレー、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クオーターパネル、アームレストの芯材、ドアトリム、シート構造材、シートバックボード、天井材、コンソールボックス、ダッシュボード、インストルメントパネル、デッキトリム、バンパ、スポイラ及びカウリング等が挙げられる。更に、前記の自動車等を除く他の用途としては、例えば、建築物及び家具等の内装材、外装材及び構造材等が挙げられる。例えば、建築物のドア表装材、ドア構造材、机、椅子、棚、箪笥等の各種家具の表装材、構造材等が挙げられる。更に他の例として、包装体、トレイ等の収容体、保護用部材及びパーティション部材等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]熱可塑性樹脂組成物の製造
実施例1
(1)熱可塑性樹脂組成物の製造(図1参照)
ケナフ繊維[繊維長;5〜7mm(原料繊維が裁断された繊維である。)]360gと、ポリプロピレン(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックNBC03HR」、メルトフローレート;30g/10分)240gと(質量割合でケナフ繊維が60質量%である。)、を図2の混合装置1(WO2004−076044号に記載された装置)の材料供給室13に投入し、その後、容量5リットルの混合室3に移送し、混合羽根(図3の10a〜10f)を回転数1750rpmで回転させ、混練し、混合した。そして、混合羽根にかかる負荷(トルク)が上昇し、最大値に達してから4秒経過後を終点として混合を停止し、樹脂繊維混合物Cを混合装置1から排出させた。排出された最大寸法10〜20cmの塊状の樹脂繊維混合物Cは220〜240℃と高温であった。
(3)圧延、粉砕及びペレット化
前記(1)で製造され、排出された塊状の樹脂繊維混合物Cを、排出口の下方に配置された圧延装置30の呼び込みロール301[ロール径は50mmであり、クリアランス(突起間)は20mmである。]に向けて落下させ、その後、内部に20℃の冷却水が流通している圧延ロール302(ロール径は150mmであり、クリアランスは5mmである。)に向けて送出し、厚さ5mm程度の平板状に圧延し(圧延物C1の送出速度は1.5m/分である。)、次いで、圧延物C1を搬送用コンベア40の一端部に落下させ、放熱させながら搬送した。その後、降温した(温度は100℃程度である。)圧延物C1(1個の重量は数十gから100g程度である。)を搬送用コンベア40の他端部から粉砕装置50(ホーライ社製、形式「Z10−420」)に投入し、粉砕し、目開き5mmのスクリーンを通過させた。次いで、得られた粉砕混合物を、搬送用ダクトホース60内を搬送させてサイクロン70内に投入して集塵し、その後、ロータリーバルブ80でエアーカットしてローラーディスクダイ式ペレット化装置90(菊川鉄工所製、形式「KP280」、貫通孔径4.2mm、厚さ25mmのダイを使用)に投入し、直径約4mm、且つ長さ約5mmの円柱状のペレットとし、次いで、このペレットをオーブンにて100℃で24時間乾燥させ、熱可塑性樹脂組成物のペレットを作製した。
[2]熱可塑性樹脂組成物の特性評価
前記[1]で得られた実施例1の熱可塑性樹脂組成物のペレットを、オーブンにて100℃で5時間乾燥させ、その後、射出成形機(住友重機械工業社製、形式「SE100DU」)により、シリンダー温度190℃、型温度40℃の条件で射出成形し、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片を作製し、次いで、JIS K7171に準拠して曲げ試験を実施し、曲げ強さ及び曲げ弾性率を算出した。また、バーフロー金型を用いて同様にして射出成形し、流動長を評価した。その結果、曲げ弾性率は5700MPa、バーフロー長は200mmであった。このように、実施例1の熱可塑性樹脂組成物は、十分な曲げ特性を有し、且つバーフロー長を指標とする流動性も優れていることが分かる。
本発明の熱可塑性組成物の製造方法は、自動車関連分野及び建築関連分野等の広範な用途おいて利用することができ、自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の内装材、外装材及び構造材等の技術分野でより有用であり、特に、自動車用内装材、自動車用インストルメントパネル、自動車用外装材等の自動車関連の製品分野で好適に利用することができる。
1;混合装置、3;混合室、5;回転軸、10及び10a〜10f;混合羽根、12;らせん状羽根、13;材料供給室、30;圧延装置、301;呼び込みロール、302;圧延ロール、40;搬送用コンベア、50;粉砕装置、60;搬送用ダクトホース、70;サイクロン、80;ロータリーバルブ、90;ローラーディスクダイ式成形機、91;ディスクダイ、911;貫通孔、912;主回転軸挿通孔、92;プレスローラ、921;凹凸部、93;主回転軸、94;プレスローラ固定軸、95;切断用ブレード。

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂及び植物繊維を含有し、該熱可塑性樹脂と該植物繊維との合計を100質量%とした場合に、該植物繊維は50〜95質量%である熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
    熱可塑性樹脂と植物繊維とを混練し、混合して樹脂繊維混合物とする混合工程と、該樹脂繊維混合物を圧延して平板状の圧延物とする圧延工程と、を備え
    前記圧延工程において用いる圧延装置は、前記樹脂繊維混合物を呼び込むための呼び込みロールと、該呼び込みロールから送出される該樹脂繊維混合物を平板状に圧延するための圧延ロールとを備え、
    該呼び込みロールは周面に突起が立設されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 該呼び込みロールの下方に該圧延ロールが配置されており、
    該呼び込みロールから送出される該樹脂繊維混合物は、下方に落下しつつ圧延ロールに供給される請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記混練、混合に用いる混合装置は、前記混合がなされる混合室及び該混合室内に配設された混合羽根を備え、
    前記混合室内で、前記混合羽根の回転により昇温して溶融した前記熱可塑性樹脂と、前記植物繊維とが混練され、混合される請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記圧延ロールは冷却機能を有する請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記混合工程において得られた樹脂繊維混合物を粉砕して粉砕混合物とする粉砕工程を備える請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記粉砕混合物を押し固めてペレット化するペレット化工程を備える請求項5に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記植物繊維は、ケナフ繊維である請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂及び酸変性ポリプロピレン系樹脂である請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記ポリプロピレン系樹脂と前記酸変性ポリプロピレン系樹脂との合計を100質量%とした場合に、該酸変性ポリプロピレン系樹脂は1〜30質量%である請求項8に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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