JP5496215B2 - ビニルアルコール系重合体を含有する増粘剤 - Google Patents
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Description
本発明はポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系重合体を含有する増粘剤に関する。より詳細には、ポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系重合体を含有することにより、水または水含有溶媒への高い溶解性を有し、高粘性で、かつ温度上昇による粘度の低下が少ない増粘剤に関する。
ビニルアルコール系重合体(以下、PVAと略記することがある)は数少ない結晶性の水溶性高分子として優れた界面特性および強度特性を有することから、各種バインダー、紙加工、繊維加工およびエマルジョン用等の安定剤に利用されているほか、PVA系フィルムおよびPVA系繊維等の原料として重要な地位を占めている。一方で結晶性を制御したり、官能基を導入したりして特定の性能を向上させた高機能化の追及も行われており、いわゆる変性PVAも種々開発されている。
長鎖アルキル基を導入した疎水基変性PVAは、水系溶媒中で疎水基相互作用による疎水基同士の会合により著しく増粘作用を示し、高粘度溶液を与えることが知られている。例えば、特許文献1には、疎水基である長鎖アルキル基を変性したPVAの高粘度溶液を利用した増粘剤が開示されており、酢酸ビニルのエマルジョン用増粘剤等に利用されている。アルキル変性PVAは、PVA中のアルキル基含有量が多いほど、得られる溶液粘度が高くなるが、ある一定の含有量を超えるとPVAの水溶性が低下する。そのため、アルキル変性PVAを用いて高粘度溶液を得ることは困難であった。
また、アルキル変性PVA溶液は、室温未満の温度領域において高粘度溶液を与えるが、溶液温度の上昇と共に粘度が低下し、夏場等気温が上昇する場合は、増粘剤としての性能が発現しない場合があった。そのため、周りの温度変化に影響を受けないPVA系の増粘剤が望まれていた。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、水または水含有溶媒への高い溶解性を有し、高粘性かつ溶液温度の変化による粘度の低下が少ないPVAを含有した増粘剤を提供する。
上記課題は、ポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系重合体(以下、POA変性PVAと略することがある)を含有する増粘剤であって、該変性PVAは、下記一般式(I)で示されるポリオキシアルキレン基(以下、POA基と略することがある)を側鎖に含有し、粘度平均重合度Pが200〜5000であり、けん化度が20〜99.99モル%であり、ポリオキシアルキレン基変性量Sが0.1〜10モル%であることを特徴とする増粘剤を提供することにより解決される。
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。mとnはそれぞれのオキシアルキレンユニットの繰り返し単位数を表し、1≦m≦10、3≦n≦20である。)
上記の場合において、上記の増粘剤はさらに、水または水含有溶媒を含有することが好ましい。
本発明はさらに、上記の増粘剤と、水および油分を含有し、油分100重量部に対して前記POA変性PVAを0.1〜50重量部含有する増粘剤含有組成物をも包含する。
本発明のPOA変性PVAを含有する増粘剤は、少量の使用で大きな増粘効果が得られ、さらに温度上昇による粘度低下もほとんどない。
本発明の増粘剤に含有されるPOA変性PVAは、下記一般式(I)で示されるPOA基を側鎖に有する。
式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。mとnはそれぞれのオキシアルキレンユニットの繰り返し単位数を表し、1≦m≦10、3≦n≦20である。ここで、繰り返し単位数がmであるユニットをユニット1と呼び、繰り返し単位数がnであるユニットをユニット2と呼ぶことにする。ユニット1とユニット2の配置は、ランダム状、ブロック状のどちらの形態になっても良い。
一般式(I)で示されるPOA基のユニット1の繰り返し単位数mは1≦m≦10である必要があり、1≦m≦5がより好ましく、1≦m≦2が特に好ましい。mが0の場合、POA基の疎水性が高くなり、POA変性PVAの水溶性が低下する。また、ユニット2の繰り返し単位数nは3≦n≦20である必要があり、5≦n≦18が好ましく、8≦n≦15が特に好ましい。nが3未満の場合、POA基同士の相互作用が発現せず、POA変性PVA水溶液の粘度が低い。一方、nが20を超える場合、POA基の疎水性が高くなり、POA変性PVAの水溶性が低下する。
本発明の増粘剤に含有されるPOA変性PVAは、上記一般式(I)で示されるPOA基を側鎖に含有していればよく、前記POA変性PVAを製造する方法は特に制限されないが、一般式(I)で示されるPOA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行い、得られたPOA変性ビニルエステル系共重合体をけん化する方法が好ましい。ここで、上記の共重合はアルコール系溶媒中または無溶媒で行うことが好適である。
一般式(I)で示されるPOA基を有する不飽和単量体としては、下記一般式(II)で示される不飽和単量体であることが好ましい。
式中、R1、R2、m、nは上記一般式(I)と同様である。R3は水素原子または−COOM基を表し、ここでMは水素原子、アルカリ金属またはアンモニウム基を表す。R4は水素原子、メチル基または−CH2−COOM基を表し、ここでMは前記定義のとおりである。Xは−O−、−CH2−O−、−CO−、−(CH2)k−、−CO−O−または−CO−NR5−を表す。ここでR5は水素原子または炭素数1〜4の飽和アルキル基を意味し、kはメチレンユニットの繰り返し単位数を表し、1≦k≦15である。
一般式(II)で示される不飽和単量体のR2としては水素原子、メチル基またはブチル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましい。さらに、一般式(II)で示される不飽和単量体のR1が水素原子またはメチル基であり、R2が水素原子またはメチル基であり、R3が水素原子であることが特に好ましい。
例えば、一般式(II)のR1が水素原子またはメチル基、R2が水素原子、R3が水素原子の場合、一般式(II)で示される不飽和単量体として具体的には、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノアクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノアクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノビニルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシブチレンモノアクリレート、ポリオキシプロピレンポリオキシブチレンモノメタクリレート、ポリオキシプロピレンポリオキシブチレンモノアクリル酸アミド、ポリオキシプロピレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミド、ポリオキシプロピレンポリオキシブチレンモノアリルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシブチレンモノメタアリルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシブチレンモノビニルエーテル等が挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノアクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノビニルエーテルが好適に用いられ、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノビニルエーテルが特に好適に用いられる。
一般式(II)のR2が炭素数1〜8のアルキル基の場合、一般式(II)で示される不飽和単量体として具体的には、上記の一般式(II)のR2が水素原子の場合に例示した不飽和単量体の末端のOH基が炭素数1〜8のアルコキシ基に置換されたものが挙げられる。なかでも、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノビニルエーテルの末端のOH基がメトキシ基に置換された不飽和単量体が好適に用いられ、ポリオキシエチレンポリオキシブチレンモノメタクリル酸アミドの末端のOH基がメトキシ基に置換された不飽和単量体が特に好適に用いられる。
一般式(I)で示されるPOA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行う際に採用される温度は0〜200℃が好ましく、30〜140℃がより好ましい。共重合を行う温度が0℃より低い場合は、十分な重合速度が得られにくい。また、重合を行う温度が200℃より高い場合、本発明で規定するPOA基変性量を有するPOA変性PVAを得られにくい。共重合を行う際に採用される温度を0〜200℃に制御する方法としては、例えば、重合速度を制御することで、重合により生成する発熱と反応器の表面からの放熱とのバランスをとる方法や、適当な熱媒を用いた外部ジャケットにより制御する方法等があげられるが、安全性の面からは後者の方法が好ましい。
一般式(I)で示されるPOA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行うのに用いられる重合方式としては、回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合のいずれでもよい。重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等公知の任意の方法を用いることができる。その中でも、無溶媒またはアルコール系溶媒中で重合を行う塊状重合法や溶液重合法が好適に採用され、高重合度の共重合物の製造を目的とする場合は乳化重合法が採用される。アルコール系溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。またこれらの溶媒は2種類またはそれ以上の種類を混合して用いることができる。
共重合に使用される開始剤としては、重合方法に応じて従来公知のアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等が適宜選ばれる。アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、過酸化物系開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシデカネート等のパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等が挙げられる。さらには、上記開始剤に過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を組み合わせて開始剤とすることもできる。また、レドックス系開始剤としては、上記の過酸化物と亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤とを組み合わせたものが挙げられる。
また、一般式(I)で示されるPOA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を高い温度で行った場合、ビニルエステル系単量体の分解に起因するPVAの着色等が見られることがあるため、その場合には着色防止の目的で重合系に酒石酸のような酸化防止剤を1〜100ppm(ビニルエステル系単量体に対して)程度添加することはなんら差し支えない。
ビニルエステル系単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられるが、中でも酢酸ビニルが最も好ましい。
一般式(I)で示されるPOA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合に際して、本発明の主旨を損なわない範囲で他の単量体を共重合しても差し支えない。使用しうる単量体として、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等のα−オレフィン;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミド;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド;N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパン等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等が挙げられる。
また、一般式(I)で示されるPOA基を有する不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合に際し、得られる共重合体の重合度を調節すること等を目的として、本発明の主旨を損なわない範囲で連鎖移動剤の存在下で共重合を行っても差し支えない。連鎖移動剤としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;2−ヒドロキシエタンチオール等のメルカプタン類;トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;ホスフィン酸ナトリウム1水和物等のホスフィン酸塩類が挙げられ、中でもアルデヒド類およびケトン類が好適に用いられる。連鎖移動剤の添加量は、添加する連鎖移動剤の連鎖移動定数および目的とするビニルエステル系重合体の重合度に応じて決定されるが、一般にビニルエステル系単量体に対して0.1〜10重量%が望ましい。
POA変性ビニルエステル系共重合体のけん化反応には、従来公知の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド等の塩基性触媒またはP−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用いた加アルコール分解反応ないし加水分解反応を適用することができる。この反応に使用しうる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でもメタノールまたはメタノール/酢酸メチル混合溶液を溶媒とし、水酸化ナトリウムを触媒に用いてけん化反応を行うのが簡便であり好ましい。
本発明の増粘剤に含有されるPOA変性PVAはPOA基変性量Sが0.1〜10モル%である必要がある。POA基変性量Sが10モル%を超えると、POA変性PVA一分子あたりに含まれる疎水基の割合が高くなり、該PVAの水含有溶媒への溶解性が低下する場合がある。一方、POA基変性量Sが0.1モル%未満の場合、POA変性PVAの水溶性は優れているものの、該PVA中に含まれるPOAユニットの数が少なく、POA変性に基づく物性が発現しない場合がある。
POA基変性量Sとは、PVAの主鎖メチレン基に対するPOA基のモル分率で表される。POA基変性量Sの下限は0.2モル%以上が好ましい。POA基変性量Sの上限は2モル%未満が好ましく、1.5モル%以下がより好ましい。
POA変性PVAのPOA基変性量Sは、該POA変性PVAの前駆体であるPOA変性ビニルエステル系共重合体のプロトンNMRから求めることができる。具体的には、n−ヘキサン/アセトンでPOA変性ビニルエステル系共重合体の再沈精製を3回以上十分に行った後、50℃の減圧下で乾燥を2日間行い、分析用のPOA変性ビニルエステル系共重合体のサンプルを作成する。該サンプルをCDCl3に溶解させ、500MHzのプロトンNMR(JEOL GX−500)を用いて室温で測定する。ビニルエステル系共重合体の主鎖メチンに由来するピークα(4.7〜5.2ppm)とユニット2の末端メチル基に由来するピークβ(0.8〜1.0ppm)から下記式を用いてPOA基変性量Sを算出する。なお、式中のnはユニット2の繰り返し単位数を表す。
S(モル%)={(βのプロトン数/3n)/(αのプロトン数+(βのプロトン数/3n))}×100
S(モル%)={(βのプロトン数/3n)/(αのプロトン数+(βのプロトン数/3n))}×100
POA変性PVAの粘度平均重合度Pは、JIS−K6726に準じて測定される。すなわち、該PVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η]から次式により求められる。なお、粘度平均重合度を単に重合度と呼ぶことがある。
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
本発明の増粘剤に含有されるPOA変性PVAの重合度は200〜5000である。重合度が5000を超えると、該POA変性PVAの生産性が低下して実用的でない。また、重合度が200未満の場合、該POA変性PVA含有増粘剤の増粘効果が低下し実用に耐えない場合がある。
POA変性PVAのけん化度は、20〜99.99モル%である必要があり、40〜99.9モル%が好ましい。けん化度が20モル%未満の場合には、該POA変性PVAの疎水基相互作用により発現する増粘効果が低下し、けん化度が99.99モル%を超えると、POA変性PVAの生産が困難になるので実用的でない。なお、上記POA変性PVAのけん化度は、JIS−K6726に準じて測定し得られる値である。
一般式(I)で示すPOA基の含有量は、50重量部以下であることが好ましく、30重量部以下がより好ましく、15重量部以下が特に好ましい。POA基の含有量が50重量部を超えると該PVAの疎水性が高くなり、水含有溶媒への溶解性が低下する場合がある。含有量の下限は2.5重量部以上が好ましい。
ここで、一般式(I)で示すPOA基の含有量とは、PVAの主鎖100重量部に対する一般式(I)で示すPOA基の重量部(重量分率)で表され、上記POA基変性量S、ユニット1の繰り返し単位数m、ユニット2の繰り返し単位数n、POA変性PVAのけん化度を用いて計算される値である。前述のPOA基変性量Sが同等であっても、けん化度が高くなるにつれ、あるいはm又はnが大きくなるにつれ、POA変性PVA中のPOA基の含有量は大きくなる。
本発明の増粘剤に含有されるPOA変性PVAの4重量%水溶液粘度を、ロータ回転数が6rpmの条件でBL型粘度計により測定したとき、20℃における粘度η1と40℃における粘度η2との比η2/η1が0.8以上であることが好ましい。粘度比η2/η1は1.0以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましく、2.0以上が特に好ましい。粘度比η2/η1が0.8未満の場合、POA基同士の相互作用が小さく、POA変性に伴う物性が発現しない場合がある。
また本発明の増粘剤に含有されるPOA変性PVAは、20℃、ロータ回転数6rpmの条件で測定した類似の重合度を有する無変性PVAの4重量%水溶液粘度をη3とするとき、粘度比η1/η3は1.2より大きいことが好ましく、1.5より大きいことがより好ましく、2.0より大きいことがさらに好ましく、5.0より大きいことが特に好ましい。ここで類似の重合度を有する無変性PVAとは、POA変性PVAの重合度の0.95倍〜1.05倍の範囲の重合度を有する無変性PVAを指す。
本発明の増粘剤は、上記のPOA変性PVAを含有する。本発明の増粘剤は、樹脂粉末の状態でそのまま使用することもできるし、水または水含有溶媒と混合して、液状の増粘剤として使用することもできる。ここで、水含有溶媒は、水と、水以外の溶媒からなるものである。塗料、接着剤などの水性エマルジョンに使用するには液状の増粘剤が適している。
液状の増粘剤として使用する場合、水含有溶媒に含まれる水以外の溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒;ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)、ブチルカルビトール等のエーテル系溶媒;アセトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のグリコールエーテル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系溶媒等が挙げられるが、これに限られるものではない。
液状の増粘剤として使用する場合、上記のPOA変性PVAの配合量は溶媒100重量部に対して、10〜70重量部であることが好ましく、10〜40重量部がより好ましい。液状の増粘剤は、水または水含有溶媒に上記POA変性PVAを添加し、加熱混合することにより製造される。
液状の増粘剤を作製するに際しては、各種可塑剤、各種界面活性剤、各種消泡剤、紫外線吸収剤等を本発明の効果が損なわれない範囲で配合しても良い。
また、同様に本発明の効果を損なわない範囲で公知の各種PVA、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の他の水溶性高分子を配合しても良い。このような他の水溶性高分子の配合量は、上記のPOA変性PVA100重量部に対して、50重量部以下であることが好ましい。
本発明の別の態様である増粘剤含有組成物は、上記の本発明の増粘剤、水および油分を従来の方法で混合することにより得られる。上記増粘剤含有組成物の例としては、水性ポリアクリレート系分散液、オレフィン性不飽和モノマーの単独もしくは共重合体の水性分散液、水性ポリ酢酸ビニル系分散液、水性ポリウレタン系分散液、水性ポリエステル系分散液等の水性分散液が挙げられる。該組成物中のPOA変性PVAの含有量は、油分100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましく、0.3〜5.0重量部がより好ましい。
上記POA変性PVAを含有する増粘剤は、低使用量で大きな増粘効果が得られる上、温度上昇に伴う粘度低下が小さいため、夏場等の気温が上昇する場合においても安定した増粘性能を発揮する。そのため、塗料、ペンキ、セメント、コンクリート、紙被覆、結合材、接着剤、化粧品等の水性溶液、水性エマルジョンに用いる増粘剤として好適に使用できる。
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明する。以下の実施例および比較例において「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準を意味する。
下記の製造例により得られたPVAについて、以下の方法にしたがって評価を行った。
[PVAのけん化度]
PVAのけん化度は、JIS−K6726に記載の方法により求めた。
PVAのけん化度は、JIS−K6726に記載の方法により求めた。
[PVAの溶解性]
蒸留水96gに対してPOA変性PVA4gを室温で加え、30分間攪拌した。得られたPOA変性PVAの水溶液を90℃まで昇温し、そのまま1時間攪拌した後、室温まで冷却し、105mmφの金網を用いて濾過した。濾過後、金網を105℃で3時間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した後に重量を測定して、濾過の前後で増加した金網の重量を求めた。濾過後に増加した金網の重量をa(g)とし、下記式にしたがって不溶解分を算出した。なお、不溶解分を算出するのに用いた式において、純分(%)とは下記式を用いて求めた値である。
純分(%)=[105℃で3時間乾燥させたPOA変性PVAの重量(g)/乾燥前のPOA変性PVAの重量(g)]×100
不溶解分(%)=a(g)/4(g)×100/純分(%)×100
上記式にしたがって算出した不溶解分を以下の基準にしたがって判定した。
A:不溶解分0.01%未満
B:不溶解分0.01%以上0.1%未満
C:不溶解分0.1%以上0.5%未満
D:不溶解分0.5%以上1.0%未満
E:不溶解分1.0%以上
蒸留水96gに対してPOA変性PVA4gを室温で加え、30分間攪拌した。得られたPOA変性PVAの水溶液を90℃まで昇温し、そのまま1時間攪拌した後、室温まで冷却し、105mmφの金網を用いて濾過した。濾過後、金網を105℃で3時間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した後に重量を測定して、濾過の前後で増加した金網の重量を求めた。濾過後に増加した金網の重量をa(g)とし、下記式にしたがって不溶解分を算出した。なお、不溶解分を算出するのに用いた式において、純分(%)とは下記式を用いて求めた値である。
純分(%)=[105℃で3時間乾燥させたPOA変性PVAの重量(g)/乾燥前のPOA変性PVAの重量(g)]×100
不溶解分(%)=a(g)/4(g)×100/純分(%)×100
上記式にしたがって算出した不溶解分を以下の基準にしたがって判定した。
A:不溶解分0.01%未満
B:不溶解分0.01%以上0.1%未満
C:不溶解分0.1%以上0.5%未満
D:不溶解分0.5%以上1.0%未満
E:不溶解分1.0%以上
[PVA水溶液の粘度]
濃度4%のPVA水溶液を調製し、BL型粘度計を用いてロータ回転数6rpmで温度が20℃または40℃における粘度を測定した。
濃度4%のPVA水溶液を調製し、BL型粘度計を用いてロータ回転数6rpmで温度が20℃または40℃における粘度を測定した。
[エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンの増粘試験]
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(株式会社クラレ製OM−4200NT、濃度55%)100部に濃度4%のPVA水溶液20.6部(PVAの固形分はエマルジョン固形分100部に対して1.5部)および水2.4部を添加し、濃度45%のPVAとエマルジョンの混合溶液を作製し、BL型粘度計を用いてロータ回転数6rpmで温度が20℃における粘度を測定した。
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(株式会社クラレ製OM−4200NT、濃度55%)100部に濃度4%のPVA水溶液20.6部(PVAの固形分はエマルジョン固形分100部に対して1.5部)および水2.4部を添加し、濃度45%のPVAとエマルジョンの混合溶液を作製し、BL型粘度計を用いてロータ回転数6rpmで温度が20℃における粘度を測定した。
[エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンの保存安定性試験]
増粘試験に使用した溶液を50℃の乾燥機中に保管し、エマルジョン層と水層が分離した日数を観察し、以下の基準で判定した。
A:30日間以上
B:15日間〜30日間
C:7日間〜15日間
D:3日間〜7日間
E:〜3日間
増粘試験に使用した溶液を50℃の乾燥機中に保管し、エマルジョン層と水層が分離した日数を観察し、以下の基準で判定した。
A:30日間以上
B:15日間〜30日間
C:7日間〜15日間
D:3日間〜7日間
E:〜3日間
<PVAの製造方法>
製造例1(PVA1の製造)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、コモノマー滴下口および開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250g、POA基を有する不飽和単量体(単量体A)3.3gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。また、ディレー溶液としてPOA基を有する不飽和単量体(単量体A)をメタノールに溶解して濃度20%としたコモノマー溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始した。ディレー溶液を滴下して重合溶液中のモノマー組成(酢酸ビニルと単量体Aの比率)が一定となるようにしながら、60℃で3時間重合した後冷却して重合を停止した。重合を停止するまで加えたコモノマー溶液の総量は75mlであった。また重合停止時の固形分濃度は24.4%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、POA変性ポリ酢酸ビニル(POA変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したPOA変性PVAcのメタノール溶液453.4g(溶液中のPOA変性PVAc100.0g)に、55.6gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った(けん化溶液のPOA変性PVAc濃度20%、POA変性PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.1モル%)。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してPOA変性PVA(PVA1)を得た。PVA1の重合度は1760、けん化度は98.7モル%、POA基変性量は0.4モル%であった。
製造例1(PVA1の製造)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、コモノマー滴下口および開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250g、POA基を有する不飽和単量体(単量体A)3.3gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。また、ディレー溶液としてPOA基を有する不飽和単量体(単量体A)をメタノールに溶解して濃度20%としたコモノマー溶液を調製し、窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始した。ディレー溶液を滴下して重合溶液中のモノマー組成(酢酸ビニルと単量体Aの比率)が一定となるようにしながら、60℃で3時間重合した後冷却して重合を停止した。重合を停止するまで加えたコモノマー溶液の総量は75mlであった。また重合停止時の固形分濃度は24.4%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、POA変性ポリ酢酸ビニル(POA変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したPOA変性PVAcのメタノール溶液453.4g(溶液中のPOA変性PVAc100.0g)に、55.6gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った(けん化溶液のPOA変性PVAc濃度20%、POA変性PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.1モル%)。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してPOA変性PVA(PVA1)を得た。PVA1の重合度は1760、けん化度は98.7モル%、POA基変性量は0.4モル%であった。
製造例2〜28(PVA2〜28の製造)
酢酸ビニルおよびメタノールの仕込み量、重合時に使用するPOA基を有する不飽和単量体の種類(表2)や添加量等の重合条件、けん化時におけるPOA変性PVAcの濃度、酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1および表2に示すように変更した以外は、製造例1と同様の方法により各種のPOA変性PVA(PVA2〜28)を製造した。
酢酸ビニルおよびメタノールの仕込み量、重合時に使用するPOA基を有する不飽和単量体の種類(表2)や添加量等の重合条件、けん化時におけるPOA変性PVAcの濃度、酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1および表2に示すように変更した以外は、製造例1と同様の方法により各種のPOA変性PVA(PVA2〜28)を製造した。
製造例29(PVA29の製造)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル700g、メタノール300gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始し、60℃で3時間重合した後冷却して重合を停止した。重合停止時の固形分濃度は17.0%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液544.1g(溶液中のPVAc120.0g)に、55.8gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った(けん化溶液のPVAc濃度20%、PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.1モル%)。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置して無変性PVA(PVA29)を得た。PVA29の重合度は1700、けん化度は98.5モル%であった。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル700g、メタノール300gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始し、60℃で3時間重合した後冷却して重合を停止した。重合停止時の固形分濃度は17.0%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液544.1g(溶液中のPVAc120.0g)に、55.8gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った(けん化溶液のPVAc濃度20%、PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.1モル%)。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置して無変性PVA(PVA29)を得た。PVA29の重合度は1700、けん化度は98.5モル%であった。
製造例30〜34(PVA30〜34の製造)
酢酸ビニルおよびメタノールの仕込み量、けん化時におけるPVAcの濃度、酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更した以外は、製造例29と同様の方法により各種の無変性PVA(PVA30〜34)を製造した。
酢酸ビニルおよびメタノールの仕込み量、けん化時におけるPVAcの濃度、酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更した以外は、製造例29と同様の方法により各種の無変性PVA(PVA30〜34)を製造した。
製造例35(PVA35の製造)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、コモノマー滴下口および開始剤の添加口を備えた6Lの反応器に、酢酸ビニル2400g、メタノール600g、1−ヘキサデセン16.6gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.8gを添加し重合を開始した。60℃で2時間重合した後冷却して重合を停止した。重合停止時の固形分濃度は32.5%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、アルキル変性ポリ酢酸ビニル(アルキル変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したアルキル変性PVAcのメタノール溶液453.4g(溶液中のアルキル変性PVAc100.0g)に、55.6gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った(けん化溶液のアルキル変性PVAc濃度20%、アルキル変性PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.1モル%)。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してアルキル変性PVA(PVA35)を得た。PVA35の重合度は1720、けん化度は98.6モル%、アルキル変性量は0.3モル%であった。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、コモノマー滴下口および開始剤の添加口を備えた6Lの反応器に、酢酸ビニル2400g、メタノール600g、1−ヘキサデセン16.6gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.8gを添加し重合を開始した。60℃で2時間重合した後冷却して重合を停止した。重合停止時の固形分濃度は32.5%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、アルキル変性ポリ酢酸ビニル(アルキル変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したアルキル変性PVAcのメタノール溶液453.4g(溶液中のアルキル変性PVAc100.0g)に、55.6gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った(けん化溶液のアルキル変性PVAc濃度20%、アルキル変性PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.1モル%)。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成したので、これを粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してアルキル変性PVA(PVA35)を得た。PVA35の重合度は1720、けん化度は98.6モル%、アルキル変性量は0.3モル%であった。
PVA1〜35の製造条件を表1および表2に示す。
実施例1〜19および比較例1〜16
PVA1〜35について、上記の評価を実施した結果を表3および表4に示す。
PVA1〜35について、上記の評価を実施した結果を表3および表4に示す。
本発明の増粘剤に含有されるPOA変性PVAは溶解性に優れており、さらに同等の重合度を有する無変性PVAと比較して高粘性を有する。また、20℃での水溶液粘度と比較して、40℃での水溶液粘度が高いという特長を有する。そのため、エマルジョンの増粘効果および保存安定性において非常に優れた性能を有する。さらに、ポリエチレンオキサイド変性PVA(比較例7)、ポリプロピレンオキサイド変性PVA(比較例8)に比べても、著しく高い増粘効果を有している。しかしながら、m=0の場合、nの値が3≦n≦20の範囲内であっても、得られるPOA変性PVAの水溶性が低く、水溶液中に不溶解分が確認された(比較例9)。また、1−ヘキサデセンを用いて製造したアルキル変性PVAは、ある程度の増粘効果を有するものの、保存安定性が低く、水溶液の分離が確認された(比較例16)。
実施例において示されるように、本発明の増粘剤は、POA変性PVAを用いることにより、高粘性および高保存安定性を付与することが可能である。そのため各種エマルジョン、塗料等の増粘剤として好適に使用される。
Claims (3)
- さらに、水または水含有溶媒を含有する、請求項1に記載の増粘剤。
- 請求項1に記載の増粘剤、水および油分を含有し、油分100重量部に対して前記ポリオキシアルキレン変性ビニルアルコール系重合体を0.1〜50重量部含有する増粘剤含有組成物。
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