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JP5496364B2 - 粒子線照射装置、粒子線治療装置及びデータ表示プログラム - Google Patents
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粒子線照射装置、粒子線治療装置及びデータ表示プログラム Download PDF

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Description

本発明は、粒子線を用いて癌等を治療する粒子線照射装置及び粒子線治療装置に関する。
粒子線治療装置は、荷電粒子ビームを癌等の患部に照射して治療を行う医療機器である。粒子線治療装置に求められる機能は、癌等の患部へは治療に必要な量の線量を与え、その他の正常組織にはできるだけ線量を付与しないよう、照射野を成形することである。照射野の成形は、ブロードビーム照射法とスキャニング照射法の大きく2つの方法がある。
ブロードビーム照射法は、散乱体等によってまず照射野を拡大し、コリメータ及びボーラス等によって患部に合わせて照射野を成形する方法である。ブロードビーム照射法は、治験により安全性が確認されていることから、従来の粒子線治療装置に最も広く採用されてきた。しかし、患者毎に患部形状は異なり、又は同じ患者でも治療の経過とともに患部が縮小するため、その都度ボーラスを作成しなければならないという事情から、より自由度の高い照射野成形方法が望まれていた。そこで、近年、スキャニング照射法を粒子線治療装置に採用する研究開発が盛んに行われるようになってきた。
スキャニング照射法とは、ペンシル状の細い荷電粒子ビームを患部の形状に合わせて3次元的に走査して照射する方法をいう。このペンシル状の細い荷電粒子ビームを照射と停止を繰り返してスポット状に点描画的に照射するものは、特にスポットスキャニング法という。また、ペンシル状の細い荷電粒子ビームを照射したまま走査して一筆書き的に照射するものは、特にラスタースキャニング法という。いずれの場合においても、ペンシル状の細い荷電粒子ビームの走査は、スキャニング電磁石若しくは走査電磁石(以下、「走査電磁石」という)とよばれる高速で磁場を変化させるものが用いられる。
走査電磁石の走査精度、すなわち粒子線治療装置の照射精度は、無論、走査電磁石を適切に制御することが必要である。しかし、粒子線治療装置の照射精度は、初期に調整したとしても、時間経過にともない誤差が生じてくる。したがって、粒子線治療装置の照射精度を適切に維持し、メンテナンスすることができように照射位置精度をひとめでその傾向がわかるように表示することが望ましい。特許文献1には、位置モニタからの検出信号に基づきビームの照射位置のずれ(目標値との差分)を演算し、この演算した照射位置のずれが許容値を超えたかどうかを判定し、例えば照射位置のずれが許容値を超えたと判定した場合にインターロック信号及び表示信号を出力部に出力し、ビーム照射を中止する荷電粒子ビーム照射システムが記載されている。
特開2009−39219号公報(0043段乃至0050段)
特許文献1の荷電粒子ビーム照射システムは、位置モニタからの検出信号に基づきビームの照射位置のずれ(目標値との差分)を演算し、この演算した照射位置のずれが許容値を超えたかどうかを判定して、照射位置のずれが許容値を超えたと判定した場合にビーム照射を中止することはできるが、荷電粒子ビーム照射システムの照射位置精度をひとめでその傾向がわかるように表示する方法がなく、その機能が備わっていない。特に、ビームを走査して照射するタイプの装置においては、照射位置と照射位置誤差とを対応付けて表示できることや、照射位置に関連付けされた照射位置関連値と照射位置関連値誤差とを対応付けて表示できることが、照射精度を維持し、メンテナンスしていく上でとても重要である。
「照射位置に関連付けされた照射位置関連値」とは、必ずしも照射位置そのものではないが、照射位置と1対1との関係にあり、その値から照射位置を導ける値のことをいう。例えば、位置モニタの出力値や、走査電磁石に取り付けた磁場センサの値等が該当する。また、照射位置関連値誤差とは、照射位置関連値の目標照射位置関連値に対する誤差をいう。ここで、目標照射位置関連値とは、必ずしも目標照射位置そのものではないが、前記照射位置と照射位置関連値と同様の関連付けにより、目標照射位置と1対1との関係にあり、その値から目標照射位置を導ける値のことをいう。
本発明は、上記課題を解決することに鑑み、その目的は、照射位置と照射位置誤差とを対応付けて表示できること、または荷電粒子ビームの照射位置に関連付けされた照射位置関連値と照射位置関連値誤差とを対応付けて表示できる粒子線照射装置を提供することである。
荷電粒子ビームの照射位置に関連付けされた実照射位置関連値を検出する検出器と、実照射位置関連値における荷電粒子ビームの目標照射位置に関連付けされた目標照射位置関連値からの誤差である照射位置関連値誤差と、実照射位置関連値とを対応付けて表示部に表示するデータ処理装置とを備え、データ処理装置は、実照射位置関連値及び目標照射位置関連値を入力する入力部と、荷電粒子ビームの照射領域に関連付けされた照射領域関連領域を再現した表示領域上に、実照射位置関連値を示す測定値表示図形及び目標照射位置関連値を示す目標値表示図形を表示する際に、目標値表示図形及び測定値表示図形を、それぞれ目標照射位置関連値の座標及び照射位置関連値誤差をデフォルメ係数で演算した座標に、目標照射位置関連値を加えた座標である表示座標に表示するともに、測定値表示図形と目標値表示図形とを結ぶ線分を表示する演算部とを有する。
また、荷電粒子ビームの照射位置に関連付けされた実照射位置関連値を検出する検出器と、実照射位置関連値に基づいて荷電粒子ビームの実照射位置を演算し、実照射位置における荷電粒子ビームの目標照射位置からの誤差である照射位置誤差と、実照射位置とを対応付けて表示部に表示するデータ処理装置とを備え、データ処理装置は、実照射位置関連値及び目標照射位置を入力する入力部と、荷電粒子ビームの照射領域を再現した表示領域上に、目標照射位置を示す目標値表示図形及び実照射位置を示す測定値表示図形を表示する際に、目標値表示図形及び測定値表示図形を、それぞれ目標照射位置の座標及び照射位置誤差をデフォルメ係数で演算した座標に、目標照射位置を加えた座標である表示座標に表示するとともに、測定値表示図形と目標値表示図形とを結ぶ線分を表示する演算部とを有する。
本発明に係る粒子線照射装置は、荷電粒子ビームの照射位置精度を照射位置に関連付けされた照射位置関連値と照射位置関連値誤差とを対応付けて表示できる。また、荷電粒子ビームの照射位置精度を照射位置と照射位置誤差とを対応付けて表示できる。そのため、直感的にわかりやすく、荷電粒子ビームの照射位置に関連付けされた照射位置関連値と照射位置関連値誤差とを対応付けた照射位置精度や、荷電粒子ビームの実照射位置と照射位置誤差とを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。
本発明の実施の形態1における粒子線照射装置の概略構成図である。 図1のデータ処理装置により表示されたピンクッション表示を示した図である。 図2のピンクッション表示と比較するための照射位置を表した図である。 図1のデータ処理装置により表示されたX方向誤差の時系列表示を示した図である。 図1のデータ処理装置により表示されたY方向誤差の時系列表示を示した図である。 図1のデータ処理装置により表示された誤差ベクトル表示を示した図である。 本発明の実施の形態2における第1のピンクッション表示を示した図である。 本発明の実施の形態2における第2のピンクッション表示を示した図である。 本発明の実施の形態3における粒子線照射装置の概略構成図である。 図9のデータ処理装置により表示されたピンクッション表示を示した図である。 図9のデータ処理装置により表示されたX方向誤差の時系列表示を示した図である。 図9のデータ処理装置により表示されたY方向誤差の時系列表示を示した図である。 図9のデータ処理装置により表示された誤差ベクトル表示を示した図である。 本発明の実施の形態4における第1のピンクッション表示を示した図である。 本発明の実施の形態4における第2のピンクッション表示を示した図である。 本発明の実施の形態5におけるデータ表示プログラムのフローチャートである。 本発明の実施の形態6における粒子線治療装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態6における粒子線治療装置の制御ブロック図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における粒子線照射装置の概略構成図である。粒子線照射装置58は、照射機器部2と、照射機器部2を制御及び管理を行う制御管理部3を有する。照射機器部2は、荷電粒子ビーム1に垂直な方向であるX方向及びY方向に荷電粒子ビーム1を走査するX方向走査電磁石10及びY方向走査電磁石11と、上流側の位置モニタ12aと、線量モニタ13と、下流側の位置モニタ12bと、走査電磁石電源14とを備える。制御管理部3は、照射機器部2を制御する照射制御装置15と、データ処理装置19とを備える。なお、荷電粒子ビーム1の進行方向はZ方向である。
X方向走査電磁石10は荷電粒子ビーム1をX方向に走査する走査電磁石であり、Y方向走査電磁石11は荷電粒子ビーム1をY方向に走査する走査電磁石である。上流側の位置モニタ12a及び下流側の位置モニタ12bはX方向走査電磁石10及びY方向走査電磁石11で走査された荷電粒子ビーム1が通過するビームにおけるビームピーク位置(通過位置)を検出する。線量モニタ13は荷電粒子ビーム1の線量を検出する。照射制御装置15は、図示しない治療計画装置で作成された治療計画データに基づいて、照射対象18における荷電粒子ビーム1の照射位置を制御し、線量モニタ13で測定され、デジタルデータに変換された線量が目標線量に達すると荷電粒子ビーム1を停止する。走査電磁石電源14は照射制御装置15から出力されたX方向走査電磁石10及びY方向走査電磁石11への制御入力(指令電流)に基づいてX方向走査電磁石10及びY方向走査電磁石11の設定電流を変化させる。
データ処理装置19は、荷電粒子ビーム1の照射位置(X、Y)と照射位置(X、Y)における誤差とを対応付けて、照射領域に関連付けされた表示領域上に表示するものか、または、荷電粒子ビーム1の照射位置(X、Y)に関連付けされた照射位置関連値(A、A)と照射位置関連値における誤差(照射位置関連値誤差(E、E))とを対応付けて、照射領域に関連付けされた照射領域関連領域を再現した表示領域上に表示するものである。照射位置関連値(A、A)は、荷電粒子ビーム1の目標照射位置(X0、Y0)に関連付けされた目標照射位置関連値(A0、A0)と、位置モニタ12a、12bで測定され計算された荷電粒子ビーム1の実照射位置(X1、Y1)に関連付けされた実照射位置関連値(A1、A1)を含んでいる。照射位置関連値誤差(E、E)は、実照射位置関連値(A1、A1)から目標照射位置関連値(A0、A0)を引いた差である。照射領域に関連付けされた照射領域関連領域は、位置モニタ12a、12bの出力値を2次元的に表現した位置モニタ値領域である。ここでは、荷電粒子ビーム1の位置モニタ値領域から照射対象における照射位置(X、Y)に変換された照射領域を用いて説明する。なお、照射位置、目標照射位置、実照射位置、位置誤差を逆説的に表現すると、以下のように表現できる。照射位置は、照射位置関連値を変換した情報に相当する。目標照射位置は、目標照射位置関連値を変換した情報に相当する。実照射位置は、実照射位置関連値を変換した情報に相当する。位置誤差は、照射位置関連値誤差を変換した情報に相当する。また、照射領域関連領域、照射位置関連値、目標照射位置関連値、実照射位置関連値、照射位置関連値誤差については、該当部分に適宜かっこを付けて表示する。
データ処理装置19は、そのハードウェアとしては専用のものを用いてもよいが、汎用のパソコンやワークステーションを用いることもできる。ここでは、理解し易いように、汎用のパソコンやワークステーションを用いる場合を説明する。データ処理装置19は、照射領域(照射領域関連領域)上での目標照射位置(目標照射位置関連値)と実照射位置(実照射位置関連値)を入力するための入力部41と、照射領域を画面上に再現して表示するための表示部43と、表示部43に表示するための処理を行う演算部42を有する。データ処理装置19は、第1乃至第4の機能を有し、これらの機能により実現した結果を図2に示す。図2は本発明の実施の形態1におけるデータ処理装置により表示されたピンクッション表示を示した図である。なお、ピンクッション表示の定義等については後述する。
データ処理装置19の第1の機能は、荷電粒子ビーム1の照射領域(照射領域関連領域)をデータ処理装置19の表示部画面に再現して表示するものである。第1の機能は、演算部42における領域表示演算部により処理される。図2において、横軸21をX方向、縦軸22をY方向として、目盛をつけ、格子状に点線で描かれた部分が第1の機能により実現された表示に相当する。表示部画面に再現して表示されたピンクッション表示20(20a)の原点は、照射基準であるアイソセンタに対応させるとよい。また、このX方向及びY方向は、粒子線治療装置においてどのように決めてもよいが、一般に定義したX方向及びY方向にビームの走査方向が合うようにX方向走査電磁石及びY方向走査電磁石が設置されている。
データ処理装置19の第2の機能は、第1の機能で画面上に再現した照射領域(照射領域関連領域)上に、目標照射位置(目標照射位置関連値)を重ねて表示するものである。第2の機能は、演算部42における目標値演算部により処理される。図2において、塗りつぶしていない円のプロット、すなわち外周を実線で描いた円23が第2の機能により実現された表示に該当する。また、図2において、円23の配置位置は、後述する「ピン」の「目標位置(ピンを刺す位置、目標値)」に相当する。適宜、円23を目標照射位置図形(目標値表示図形)23と称する。
データ処理装置19の第3の機能は、第1の機能で画面上に再現した照射領域(照射領域関連領域)、第2の機能で重ねて表示した目標照射位置(目標照射位置関連値)に、さらに実照射位置(実照射位置関連値)を重ねて表示するものである。第3の機能は、演算部42における測定値演算部により処理される。図2において、塗りつぶしている円24のプロットが第3の機能により実現された表示に該当する。また、図2において、円24の配置位置は、後述する「ピン」の「実照射位置(ピンヘッド、測定値)」に相当する。適宜、円24を実照射位置図形(測定値表示図形)24と称する。なお、本発明においては、この実照射位置(実照射位置関連値)の表示にさらに工夫を凝らしている。それは、実照射位置の表示を、その実照射位置における位置誤差(照射位置関連値誤差)をデフォルメ(特徴を誇張または強調するように変更)して表示している点である。このことは、数式で表せば以下のとおりである。
目標照射位置をPdesiredで表わし、実照射位置をPmeasuredで表わす。位置誤差Perrorは数式(1)のように表わすことができ、位置誤差をデフォルメした実照射位置Pdefは数式(2)のように表わすことができる。
error=Pmeasured−Pdesired ・・・(1)
def=Pdesired+k(Perror) ・・・(2)
ただし、kはデフォルメ係数である。また、目標照射位置Pdesired、実照射位置Pmeasured、位置誤差をデフォルメした実照射位置Pdef及び位置誤差Perrorは、すべてベクトル表示であり、照射領域上の座標を表わしている。数式(2)で演算された実照射位置Pdefの座標は、照射領域を再現した表示領域上に表示する際の表示座標である。なお、目標照射位置関連値、実照射位置関連値、照射位置関連値誤差、デフォルメした実照射位置関連値については、それぞれPRdesired、PRmeasured、PRerror、PRdefで表わし、上記(1)式、(2)式において、Pdesired、Pmeasured、Perror、PdefをそれぞれPRdesired、PRmeasured、PRerror、PRdef、すなわちR付きの符号に置き換えればよい。以降、R付きの符号は照射位置関連値に関係することを表わすことにする。
デフォルメ係数kを1とすれば、実照射位置Pdefはデフォルメされず、実照射位置図形24の配置位置は、デフォルメされない現実の実照射位置に表示される。デフォルメ係数kを0とすれば、実照射位置Pdefは目標照射位置Pdesiredに相当する位置が与えられる。図2において、複数ある実照射位置図形24のそれぞれは、デフォルメ係数kを30とした場合の実照射位置Pdefを例として示している。なお、デフォルメ係数kを用いずに単に実照射位置Pdefをプロットすると、図3のようになる。図3は図2のピンクッション表示20と比較するための照射位置を表した図である。照射位置表示35における破線円Aで示した部分は拡大対象部分であり、破線円Bで示した部分は拡大対象部分が拡大された部分である。破線円33は目標照射位置図形であり、図2の目標照射位置図形23に相当する。実照射位置図形24の外周との差が分かるように破線で示した。照射位置表示35における照射領域を再現した表示領域の広さに対して、照射位置誤差が小さいため、デフォルメされないと図3のようにその傾向を判断することが一般的に困難である。
データ処理装置19の第4の機能は、前記第2の機能で表示した目標照射位置Pdesired(目標照射位置関連値PRdesired)と、前記第3の機能で表示した位置誤差Perror(照射位置関連値誤差PRerror)をデフォルメした実照射位置Pdef(実照射位置関連値PRdef)とを、線分で結び表示するものである。第4の機能は、演算部42における線分表示演算部により処理される。図2において、線分25が第4の機能により実現された表示に該当する。また、線分25は、後述する「ピン」の「ピン胴体」の部分に相当する。前記第3の機能において、デフォルメ係数kを大きくしていけば、位置誤差Perrorがある場合に、位置誤差Perrorをデフォルメした実照射位置Pdefは、目標照射位置Pdesiredからどんどん離れていってしまう。そこで、第4の機能により目標照射位置を示す目標照射位置図形23と実照射位置を示す実照射位置図形24を線分25で結んで表示して、対応関係をわかりやすくすることができる。第3の機能と第4の機能は、本発明における特別な技術的特徴であるといえる。
ここで、ピン及びピンクッション表示について説明する。図2において、塗りつぶしている円24及び線分25は、ピン(まち針)のように見える。図2で示したデータ処理装置19の表示部画面上の表示は、あたかもピンクッションにピンが刺されている様子に似ているため、ここではこの表示を「ピンクッション表示」とよぶ。また、ピンクッションにピンが刺されている様子に対応付けると、ピンクッション表示20における目標照射位置図形23、実照射位置図形24(デフォルメしていな場合及びデフォルメした場合を含む)及びこれらを結ぶ線分25は、それぞれ「ピンを刺す位置」、「ピンヘッド」及び「ピン胴体」に相当する。
実施の形態1の粒子線照射装置58は、前記4つの機能を有するデータ処理装置19を備えているため、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けて表示できる。また、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置に関連付けされた照射位置関連値PRと照射位置関連値誤差PRerrorとを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けた照射位置精度や、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた照射位置関連値PRと照射位置関連値誤差PRerrorとを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。
データ処理装置19の表示部画面において、ピンクッション表示20を補足するための別の表示もあわせておこなってもよい。図4及び図5は、位置誤差をX方向成分とY方向成分とにわけて、時系列に表示した図(以下、「時系列表示」とよぶ)である。図4はX方向誤差の時系列表示30(30a)を示した図であり、図5はY方向誤差の時系列表示30(30b)を示した図である。横軸は荷電粒子ビーム1が照射された順番を示す照射番号であり、縦軸は位置(照射位置関連値)の誤差である。照射番号が大きいデータは、照射番号が小さいデータよりも時間が経過したものである。このため、時系列表示30(30a、30b)は、位置誤差(照射位置関連値誤差)を、時間と関連づけて分析を行う場合に有効な情報を与える。例えば、照射番号n(時刻tn)以降に誤差が大きくなった等の情報を容易に把握することができる。
また、データ処理装置19の表示部画面において、ピンクッション表示20を補足するための他の表示があってもよい。図6は、位置(照射位置関連値)の誤差をベクトル表示した図である。以下、誤差をベクトル表示した図を「誤差ベクトル表示」とよび、位置の誤差をベクトル表示した図を「位置誤差(照射位置関連値誤差)ベクトル表示」とよぶ。横軸はX方向誤差であり、縦軸はY方向誤差である。誤差ベクトル表示31には、荷電粒子ビーム1の照射スポットに対応して、誤差点32が表示される。図6のような誤差平面上の表示である誤差ベクトル表示31のうち、位置誤差における誤差ベクトル表示31を位置誤差ベクトル表示31aとして区別することにする。誤差ベクトル表示31は、粒子線照射装置58の許容誤差範囲内で実際の照射が行われているかを判断する場合に最も有効な表示方法である。誤差ベクトル表示31において、許容誤差範囲の境界を示す境界線をさらに表示することで、許容誤差範囲内で実際の照射が行われているかを容易に判断することができる。
ピンクッション表示20、時系列表示30や誤差ベクトル表示31を作成するためのデータである実照射位置関連データは、荷電粒子ビーム1の照射中に取得され、粒子線治療の際にも取得される。実照射位置関連データは、荷電粒子ビーム1の実照射位置に関連付けされたデータである。実施の形態1では、実照射位置関連データは、位置モニタ12a、12bにより検出され計算された荷電粒子ビーム1の位置データである。実照射位置関連データは、後述する磁場センサ8、9(図9参照)により検出された荷電粒子ビーム1の磁場データであってもよい。
なお、実照射位置関連データは、位置モニタ12aまたは12bを通過した位置データ以外にも、ある基準面上における荷電粒子ビーム1の位置データでもよい。例えば、基準面を、照射対象18をスライスした場合におけるスライス面とし、実照射位置関連データを、スライス面上における荷電粒子ビーム1の位置データとしてもよい。
ピンクッション表示20、時系列表示30や誤差ベクトル表示31は、照射中に表示(オンライン表示)を行ことも、照射終了後の任意のときに表示(オフライン表示)を行こともともできる。実照射位置関連データを記憶するメモリ容量に制限がある場合は、例えば、粒子線照射装置58の稼働日における朝一番のキャリブレーション時や、その日の一番目の治療時などの限定したイベント時にデータを取得すればよい。測定データに誤差が生じていたとしても、誤差には許容範囲があるので、限定したイベント時にデータを取得する場合であっても、メンテナンスを行う時期を判断することができる。
ピンクッション表示20、時系列表示30や誤差ベクトル表示31は、粒子線照射装置58のセッティングやキャリブレーションにおいても使用することができる。特にオンライン表示が有効である。この場合にも荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けて表示できる。また、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置に関連付けされた照射位置関連値PRと照射位置関連値誤差PRerrorとを対応付けて表示できる。したがって、セッティングの際の調整の方針、すなわちどの方向(X方向、Y方向)に、どれだけの量で修正するかを容易に検討することができる。
オフライン表示では、例えば3日分を重ねて表示し、誤差の変化を見ることができる。また、基準日のデータを重ねて表示することで、基準日との差を見ることができる。誤差の変化や基準日との差を見ながらメンテナンスの時期を判断することができる。
デフォルメ数kの入力値は、装置毎に選択する。一般的に、走査電磁石が大きいと誤差が大きくなる。また、走査電磁石と照射対象との距離が長いと誤差が大きくなる。誤差が大きくて、実照射位置Pmeasured(実照射位置関連値PRmeasured)と目標照射位置Pdesired(目標照射位置関連値PRdesired)との差がよく分かる場合は、デフォルメを行わなくても構わない、すなわちデフォルメ数kを1としてもよい。誤差が非常に小さい場合は、大きなデフォルメ数kにすることで、照射位置精度を容易に把握することができる。なお、デフォルメ係数は、1、若しくは、前回使用した値をデフォルト値として設定してもよい。デフォルト値を利用することで、毎回、デフォルメ係数を外部から入力せずに、ピンクッション表示を行うことができる。
以上のように実施の形態1の粒子線照射装置58によれば、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた実照射位置関連値PRmeasuredを検出する検出器12a、12bと、実照射位置関連値PRmeasuredにおける荷電粒子ビーム1の目標照射位置に関連付けされた目標照射位置関連値PRdesiredからの誤差である照射位置関連値誤差PRerrorと、実照射位置関連値PRmeasuredとを対応付けて表示部43に表示するデータ処理装置19とを備え、データ処理装置19は、実照射位置関連値PRmeasured及び目標照射位置関連値PRdesiredを入力する入力部41と、荷電粒子ビーム1の照射領域に関連付けされた照射領域関連領域を再現した表示領域上に、目標照射位置関連値PRdesiredを示す目標値表示図形23及び実照射位置関連値PRmeasuredを示す測定値表示図形24を表示する際に、目標値表示図形23及び測定値表示図形24を、それぞれ目標照射位置関連値PRdesiredの座標及び照射位置関連値誤差PRerrorをデフォルメ係数kで演算した座標に、目標照射位置関連値PRdesiredを加えた座標である表示座標PRdefに表示するともに、測定値表示図形24と目標値表示図形23とを結ぶ線分25を表示する演算部42とを有するので、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置に関連付けされた照射位置関連値PRと照射位置関連値誤差PRerrorとを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた照射位置関連値PRと照射位置関連値誤差PRerrorとを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。
また、実施の形態1の粒子線照射装置58によれば、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた実照射位置関連値PRmeasuredを検出する検出器12a、12bと、実照射位置関連値PRmeasuredに基づいて荷電粒子ビーム1の実照射位置Pmeasuredを演算し、実照射位置Pmeasuredにおける荷電粒子ビーム1の目標照射位置からの誤差である照射位置誤差Perrorと、実照射位置Pmeasuredとを対応付けて表示部43に表示するデータ処理装置19とを備え、データ処理装置19は、実照射位置関連値PRmeasured及び目標照射位置Pdesiredを入力する入力部41と、荷電粒子ビーム1の照射領域を再現した表示領域上に、目標照射位置Pdesiredを示す目標値表示図形23及び実照射位置Pmeasuredを示す測定値表示図形24を表示する際に、目標値表示図形23及び測定値表示図形24を、それぞれ目標照射位置Pdesiredの座標及び照射位置誤差Perrorをデフォルメ係数kで演算した座標に、目標照射位置Pdesiredを加えた座標である表示座標Pdefに表示するともに、測定値表示図形24と目標値表示図形23とを結ぶ線分25を表示する演算部42とを有するので、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1において、ピンクッション表示の基礎となる数式(2)を提案し、デフォルメ係数という概念を導入した。実施の形態2においては、このデフォルメ係数を、X方向成分用とY方向成分用とにわけて別々に保有する方法を示す。図7は本発明の実施の形態2における第1のピンクッション表示を示した図であり、図8は本発明の実施の形態2における第2のピンクッション表示を示した図である。図7は、X方向のデフォルメを30倍及びY方向のデフォルメを1倍にした場合のピンクッション表示20(20b)を示した例である。また、図8はX方向のデフォルメを1倍及びY方向のデフォルメを30倍にした場合のピンクッション表示20(20c)を示した例である。
X方向とY方向とで別々にデフォルメ係数を持つ場合、位置誤差Perrorは数式(5)によってあらわすことができ、位置誤差をデフォルメした実照射位置Pdefは、数式(6)によってあらわすことができる。実施の形態1で説明したように、目標照射位置Pdesired、実照射位置Pmeasured、位置誤差をデフォルメした実照射位置Pdef及び位置誤差Perrorは、すべてベクトル表示である。なお、目標照射位置関連値、実照射位置関連値、照射位置関連値誤差、デフォルメした実照射位置関連値については、R付きの符号に置き換えればよい。
Figure 0005496364
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ただし、Kはデフォルメ係数行列であり、k−x及びk−yはX方向デフォルメ係数及びY方向デフォルメ係数である。
デフォルメ係数をX方向とY方向とに分けて持つ効果は、荷電粒子ビーム1を走査する走査電磁石10、11がX方向用とY方向用とに分かれていることに対応し、X方向とY方向との位置誤差Perror(照射位置関連値誤差PRerror)の傾向を別々にみることができることにある。
実施の形態2の粒子線照射装置58は、実施の形態1と同様に、前記4つの機能を有するデータ処理装置19を備えているため、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けて表示できる。また、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置に関連付けされた照射位置関連値PRと照射位置関連値誤差PRerrorとを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けた照射位置精度や、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた照射位置関連値PRと照射位置関連値誤差PRerrorとを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。また、X方向とY方向との位置誤差Perror(照射位置関連値誤差PRerror)の傾向を別々にみることができるので、X方向またはY方向に、どれだけの量で修正するかを容易に検討することができる。
なお、データ処理装置19の表示部画面において、ピンクッション表示20を補足するための別の表示、すなわち実施の形態1と同様のX方向誤差の時系列表示30(30a)、Y方向誤差の時系列表示30(30b)、誤差ベクトル表示31もあわせておこなってもよい。
実施の形態3.
実施の形態1では、照射位置関連値(A、A)、PR及び照射位置関連値誤差(E、E)、PRerrorの例として、位置モニタ12a、12bの出力値を利用する場合で説明した。実施の形態3では、照射位置関連値(A、A)、PR及び照射位置関連値誤差(E、E)、PRerrorの例として、磁場センサの出力値を利用する場合を説明する。荷電粒子ビーム1はX方向走査電磁石10及びY方向走査電磁石11の磁場により偏向され、照射対象18に対して走査される。すなわち、荷電粒子ビーム1の照射位置(X、Y)、Pは、X方向走査電磁石10及びY方向走査電磁石11が発生させる磁場によって制御されている。したがって、X方向走査電磁石10及びY方向走査電磁石11が発生させた磁場は、照射位置(X、Y)、Pに関連している。照射領域に関連付けされた照射領域関連領域は磁場領域である。
図9は本発明の実施の形態3における粒子線照射装置の概略構成図である。実施の形態3の粒子線照射装置61は、磁場センサ8、9を有する照射機器部4と、磁場センサ8、9により検出された荷電粒子ビーム1の磁場データを処理するとともに照射機器部4を制御する制御管理部5を備えた点で、実施の形態1の粒子線照射装置58とは異なる。
磁場センサ8はX方向走査電磁石10の磁場を検出し、磁場センサ9はY方向走査電磁石11の磁場を検出する。制御管理部5は、照射機器部4を制御する照射制御装置16と、データ処理装置28とを備える。データ処理装置28は、入力部41、演算部44、表示部43を有する。実施の形態3では、照射領域関連領域を磁場空間で表わしている。入力部41は、照射領域関連領域上での目標磁場Bdesiredと、実際に測定された磁場である実磁場Bmeasuredを入力する。表示部43は照射領域関連領域を画面上に再現して表示する。演算部44は、表示部43に表示するための処理を行う。データ処理装置28は、実施の形態1と同様の第1乃至第4の機能を有し、これらの機能により実現した結果を図10に示す。図10は本発明の実施の形態3におけるデータ処理装置により表示されたピンクッション表示20(20d)を示した図である。
図10において、横軸21はX方向の磁場Bであり、縦軸22はY方向の磁場Bである。実施の形態1と同様に、目標値表示図形である円27及び測定値表示図形である円26が線分25で結んで表示される。磁場空間を再現した表示領域では、目標値表示図形である円27及び測定値表示図形である円26を、それぞれ目標磁場表示図形及び実磁場図形と呼ぶこともできる。適宜、円27及び円26を、それぞれ目標磁場表示図形及び実磁場図形と称する。
データ処理装置28の第1の機能は、荷電粒子ビーム1の磁場領域をデータ処理装置28の表示部画面に再現して表示するものである。第1の機能は、演算部44における領域表示演算部により処理される。
データ処理装置28の第2の機能は、第1の機能で画面上に再現した磁場領域上に、目標磁場Bdesired(目標照射位置関連値)を重ねて表示するものである。第2の機能は、演算部44における目標値演算部により処理される。
データ処理装置28の第3の機能は、第1の機能で画面上に再現した磁場領域、第2の機能で重ねて表示した目標磁場Bdesiredに、さらに実磁場Bmeasured(実照射位置関連値)を重ねて表示するものである。第3の機能は、演算部44における測定値演算部により処理される。実磁場Bmeasuredの表示を、その実磁場Bmeasuredにおける磁場誤差Berror(照射位置関連値誤差)をデフォルメして表示している。このことは、数式で表せば以下のとおりである。
磁場誤差Berrorは数式(7)のように表わすことができ、磁場誤差をデフォルメした実磁場Bdefは数式(8)のように表わすことができる。
error=Bmeasured−Bdesired ・・・(7)
def=Bdesired+k(Berror) ・・・(8)
ただし、kはデフォルメ係数である。また、目標磁場Bdesired、実磁場Bmeasured、磁場誤差をデフォルメした実磁場Bdef及び磁場誤差Berrorは、すべてベクトル表示であり、照射領域関連領域上の座標を表わしている。数式(8)で演算された実磁場Bdefの座標は、照射領域関連領域を再現した表示領域上に表示する際の表示座標である。
データ処理装置28の第4の機能は、前記第2の機能で表示した目標磁場Bdesiredと、前記第3の機能で表示した磁場誤差Berrorをデフォルメした実磁場Bdefとを、線分で結び表示するものである。第4の機能は、演算部44における線分表示演算部により処理される。
実施の形態3の粒子線照射装置61は、前記4つの機能を有するデータ処理装置28を備えているため、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置Pに関連付けされた照射位置関連値PRである磁場(B、B)と、照射位置関連値誤差PRerrorである磁場誤差Berrorとを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置Pに関連付けされた照射位置関連値PRと照射位置関連値誤差PRerrorとを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。
また、磁場によって照射位置精度を把握するので、荷電粒子ビーム1を実際に照射しなくても、X方向走査電磁石10及びY方向走査電磁石11を駆動することで、磁場を測定することができる。荷電粒子ビーム1を実際に照射しない場合は、加速器等を動作させなくてもよいので、加速器等の準備をせずにメンテナンスを行うことができ、短時間で粒子線照射装置のメンテナンスを行うことができる。また、加速器等のメンテナンス中であっても、粒子線照射装置のメンテナンスを行うことができる。
データ処理装置28の表示部画面において、ピンクッション表示20を補足するための別の表示もあわせておこなってもよい。図11及び図12は、磁場誤差をX方向成分とY方向成分とにわけて時系列に表示した時系列表示である。図11はX方向誤差の時系列表示30(30c)を示した図であり、図12はY方向誤差の時系列表示30(30d)を示した図である。横軸は荷電粒子ビーム1が照射された順番、または照射予定の順番を示す照射番号であり、縦軸は磁場の誤差である。照射番号が大きいデータは、照射番号が小さいデータよりも時間が後のものである。このため、時系列表示30(30c、30d)は、磁場誤差を、時間と関連づけて分析を行う場合に有効な情報を与える。例えば、照射番号n(時刻tn)以降に誤差が大きくなった等の情報を容易に把握することができる。
また、データ処理装置28の表示部画面において、ピンクッション表示20を補足するための他の表示があってもよい。図13は、磁場の誤差をベクトル表示した誤差ベクトル表示である。磁場の誤差をベクトル表示した図を「磁場誤差ベクトル表示」とよぶ。横軸はX方向誤差であり、縦軸はY方向誤差である。誤差ベクトル表示31(磁場誤差ベクトル表示31b)には、荷電粒子ビーム1の照射スポットに対応して、誤差点36が表示される。誤差ベクトル表示31(磁場誤差ベクトル表示31b)は、粒子線照射装置61の許容誤差範囲内で実際の照射が行われているか、または照射が行われ得るかを判断する場合に最も有効な表示方法である。誤差ベクトル表示31(磁場誤差ベクトル表示31b)において、許容誤差範囲の境界を示す境界線をさらに表示することで、許容誤差範囲内で実際の照射が行われているかを容易に判断することができる。
ピンクッション表示20、時系列表示30や誤差ベクトル表示31は、実施の形態1と同様に、照射中に表示(オンライン表示)を行ことも、照射終了後の任意のときに表示(オフライン表示)を行こともともできる。
なお、データ処理装置28は、実施の形態1及び2で示したピンクッション表示20(20a、20b、20c)、時系列表示30(30a、30b)や誤差ベクトル表示31(31a)をも表示するものであってもよい。この場合は、治療中は実照射位置関連データとして、位置モニタ12aまたは12bを通過した位置データを適用し、稼働日における朝一番のキャリブレーションの際や、メンテナンス作業の際には、実照射位置関連データとして、磁場センサ8、9により検出された荷電粒子ビーム1の磁場データを適用することができる。照射位置精度を容易に把握する表示を多く扱えるので、利便性が増し、状況に応じたデータ収集、および照射位置精度の判断ができる。
実施の形態4.
実施の形態3では、照射領域関連領域を磁場空間で表わしたピンクッション表示の例を示した。実施の形態4においては、デフォルメ係数を、X方向成分用とY方向成分用とにわけて別々に保有する方法を示す。図14は本発明の実施の形態4における第1のピンクッション表示を示した図であり、図15は本発明の実施の形態4における第2のピンクッション表示を示した図である。図14は、X方向のデフォルメを30倍及びY方向のデフォルメを1倍にした場合のピンクッション表示20(20e)を示した例である。また、図15はX方向のデフォルメを1倍及びY方向のデフォルメを30倍にした場合のピンクッション表示20(20f)を示した例である。
X方向とY方向とで別々にデフォルメ係数を持つ場合、磁場誤差Berrorは数式(11)によってあらわすことができ、磁場誤差をデフォルメした実磁場Bdefは、数式(12)によってあらわすことができる。実施の形態3で説明したように、目標磁場Bdesired、実磁場Bmeasured、磁場誤差をデフォルメした実磁場Bdef及び磁場誤差Berrorは、すべてベクトル表示である。
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ただし、Kはデフォルメ係数行列であり、k−x及びk−yはX方向デフォルメ係数及びY方向デフォルメ係数である。
デフォルメ係数をX方向とY方向とに分けて持つ効果は、荷電粒子ビーム1を走査する走査電磁石10、11がX方向用とY方向用とに分かれていることに対応し、X方向とY方向との磁場誤差Berrorの傾向を別々にみることができることにある。
実施の形態4の粒子線照射装置61は、実施の形態3と同様に、前記4つの機能を有するデータ処理装置28を備えているため、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置Pに関連付けされた照射位置関連値PRである磁場(B、B)と、照射位置関連値誤差PRerrorである磁場誤差Berrorとを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置Pに関連付けされた照射位置関連値PRと照射位置関連値誤差PRerrorとを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。また、X方向とY方向との磁場誤差Berrorの傾向を別々にみることができるので、X方向またはY方向に、どれだけの量で修正するかを容易に検討することができる。
なお、データ処理装置28の表示部画面において、ピンクッション表示20を補足するための別の表示、すなわち実施の形態3と同様のX方向誤差の時系列表示30(30c)、Y方向誤差の時系列表示30(30d)、誤差ベクトル表示31(磁場誤差ベクトル表示31b)もあわせておこなってもよい。
実施の形態5.
実施の形態1乃至4では、データ処理装置19、28の機能として説明をしてきた。しかし、実施の形態1で述べたように、データ処理装置として専用のハードウェアを用いてもよいし、汎用のパソコンやワークステーションを用いてもよい。すなわち、本発明のコアは、ピンクッション表示20を実現する方法である。ピンクッション表示20を実現する方法は、ソフトウェアであるプログラムを実行することで達成することができる。そこで、実施の形態5では、プログラムを説明していく。
図16は、本発明の実施の形態5におけるデータ表示プログラムのフローチャートである。図16に基づいて、本発明のフローについて説明する。まず、プログラムをスタートさせると、各種データを読み込むステップを実行する(ステップS1)。読み込む各種データとは、初期パラメータ、目標照射データ及び実照射データである。目標照射データは、目標照射位置に関連付けされた目標照射位置関連値のデータ、または目標照射位置のデータである。実照射データは、照射位置に関連付けされた実照射位置関連値のデータである。具体的には、実施の形態1及び2の例では、目標照射データは、目標照射位置関連値のデータ、または目標照射位置のデータであり、実照射データは実照射位置関連値のデータである。また、目標照射データ及び実照射データは、実施の形態3及び4の例では目標磁場のデータ及び実磁場のデータである。ここで、初期パラメータとは、照射領域(照射領域関連領域)の範囲、デフォルメ係数のデフォルト値や画面表示するピンクッションの色等を示すパラメータである。
次に、数式(2)、(8)で示したデフォルメ係数k又数式(6)、(12)で示したデフォルメ係数k−x及びk−yを入力するステップを実行する(ステップS2)。ここで、本プログラムを実行するオペレータは、必要に応じたデフォルメ係数を、キーボード等を介して入力する。なお、数式(2)、(8)で示したデフォルメ係数kを指定して入力することは、数式(6)、(12)のデフォルメ係数k−x及びk−yに同じ値kを入力することと実質的に同じである。
次に、数式(6)、(12)を用いて、誤差をデフォルメした実照射位置Pdef、デフォルメした実照射位置関連値PRdefや実磁場Bdefを演算するステップを実行する(ステップS3)。次に、実施の形態1及び3で説明した第1乃至第4の機能を用いて、ピンクッション表示20をディスプレイ(表示部)に表示するステップを実行する(ステップS4)。ステップS1乃至S4までが基本的な機能のフローである。
本プログラムはさらに、デフォルメ係数k(k−x、k−y)を変えて再表示したい場合にこれが行えるよう、デフォルメ係数を入力し直すモジュールと再表示のためのモジュールを設ける。ステップS5では、再表示の処理を行う指令が入力されたか判定し、再表示を行う場合は、ステップS2に戻る。再表示を行わない場合は、終了する。本プログラムを実行するオペレータは、必要に応じてこれらのモジュールを呼び出し、具体的には例えば画面上の指定されたボタンをクリックすることによって、ピンクッションを再表示させることができる。
以上により、実施の形態5によるデータ表示プログラムは、荷電粒子ビーム1の目標照射位置に関連付けされた目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)のデータである目標照射データと、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)のデータである実照射データを入力する手順と、デフォルメ係数kを入力する手順と、荷電粒子ビーム1の照射領域に関連付けされた照射領域関連領域を再現した表示領域上において、実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)における目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)からの誤差である照射位置関連値誤差PRerror(Berror)をデフォルメ係数kで演算した座標に、目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)を加えた座標である表示座標PRdef(Bdef)を演算する手順と、照射領域関連領域を再現した表示領域上に、実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)を示す測定値表示図形24(26)及び目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)を示す目標値表示図形23(27)を、それぞれ表示座標PRdef(Bdef)及び目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)の座標に表示するとともに、測定値表示図形24(26)と目標値表示図形23(27)とを結ぶ線分25を表示する手順とを実行させるので、汎用のパソコンやワークステーションをハードウェアとして実施の形態1乃至4で示したデータ処理装置を実現することができる。その結果、照射位置精度を照射位置に関連付けされた照射位置関連値PR(B)と照射位置関連値誤差PRerror(Berror)とを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた照射位置関連値PR(B)と照射位置関連値誤差PRerror(Berror)とを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。
また、実施の形態5によるデータ表示プログラムは、荷電粒子ビーム1の目標照射位置Pdesiredのデータである目標照射データと、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)のデータである実照射データを入力する手順と、デフォルメ係数kを入力する手順と、荷電粒子ビーム1の照射領域を再現した表示領域上において、実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)に基づいて荷電粒子ビーム1の実照射位置Pmeasuredを演算し、実照射位置Pmeasuredにおける目標照射位置Pdesiredからの誤差である照射位置誤差Perrorをデフォルメ係数kで演算した座標に、目標照射位置Pdesiredを加えた座標である表示座標Pdefを演算する手順と、照射領域を再現した表示領域上に、実照射位置Pmeasuredを示す測定値表示図形24(26)及び目標照射位置Pdesiredを示す目標値表示図形23(27)を、それぞれ表示座標Pdef及び目標照射位置Pdesiredの座標に表示するとともに、測定値表示図形24(26)と目標値表示図形23(27)とを結ぶ線分25を表示する手順とを実行させるので、汎用のパソコンやワークステーションをハードウェアとして実施の形態1乃至4で示したデータ処理装置を実現することができる。その結果、照射位置精度を照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。
実施の形態6.
実施の形態1乃至4においては、実施の態様を粒子線照射装置として説明を行った。また、実施の形態5においては、実施の態様をデータ表示プログラムとして説明を行った。実施の形態6では、粒子線照射装置を粒子線治療装置に組み込んだ態様について説明する。
図17は本発明の実施の形態6における粒子線治療装置を示す構成図である。粒子線治療装置51は、ビーム発生装置52と、ビーム輸送系59と、粒子線照射装置58a、58b(又は61a、61b)とを備える。ビーム発生装置52は、イオン源(図示せず)と、前段加速器53と、シンクロトロン54とを有する。粒子線照射装置58b(61b)は回転ガントリ(図示せず)に設置される。粒子線照射装置58a(61a)は回転ガントリを有しない治療室に設置される。ビーム輸送系59の役割はシンクロトロン54と粒子線照射装置58a、58b(61a、61b)の連絡にある。ビーム輸送系59の一部は回転ガントリ(図示せず)に設置され、その部分には複数の偏向電磁石55a、55b、55cを有する。
イオン源で発生した陽子線、炭素線(重粒子線)等の粒子線である荷電粒子ビーム1は、前段加速器53で加速され、シンクロトロン54に入射される。荷電粒子ビーム1は、所定のエネルギーまで加速される。シンクロトロン54で高周波数の電界で加速し磁石で曲げながら、光速の約70〜80%まで加速される。シンクロトロン54から出射された荷電粒子ビーム1は、ビーム輸送系59を経て粒子線照射装置58a(61a)、58b(61b)に輸送される。ビーム輸送系59では、十分にエネルギーが与えられた荷電粒子ビーム1を、真空ダクトにより作られた通路を、電磁石で必要に応じて軌道を変え、指定された治療室の粒子線照射装置58a(61a)、58b(61b)へと導く。粒子線照射装置58a(61a)、58b(61b)は、照射対象18である患者の患部の大きさや深さに応じて照射野を成形し、荷電粒子ビーム1を照射対象18(図1、図9参照)に照射する。
さて「指定された治療室」と記載したが、粒子線治療装置は治療効率の観点から、一般的に複数の治療室を備える。すなわち、粒子線照射装置58(61)は、治療室の数だけ備える必要がある。このように複数のサブシステムからなる大型で複雑なシステムは、一般的に、各サブシステムを専ら制御するサブ制御器と全体を指揮し制御するメイン制御器からなることが多い。本発明の実施の形態6に示す粒子線治療装置51についても、このメイン制御器とサブ制御器の構成を採用している場合で説明をする。簡単のため、ビーム発生装置52及びビーム輸送系59が有するサブシステムの全てを、ここでは加速器系60とよぶことにする。粒子線照射装置58(61)、回転ガントリを「照射系」とよぶことにする。図17においては、水平照射室とガントリ照射室の2つの治療室がある場合を示した。ところで、粒子線治療装置51において制御器は、ワークステーションやコンピュータを用いることが一般的である。そのため、制御器を「計算機」という呼び方をする場合も多い。
図18は、本発明の実施の形態6における粒子線治療装置の制御ブロック図である。図18に基づいて、粒子線治療装置51がどのような系統で制御されているかを説明する。メイン制御器70は、照射系共通計算機に相当する。サブ制御器71a、71bは、機器制御計算機に相当する。このように、粒子線治療装置(システム)51では、メイン制御器70とサブ制御器71a、71bとを備える。照射系80は、メイン制御器70と、照射操作室81に配置される機器と、治療室82aに配置される機器と、治療室82bに配置される機器とにより構成される。治療室82aには、粒子線照射装置58の照射機器部2aや粒子線照射装置61の照射機器部4aが配置される。治療室82bには、粒子線照射装置58の照射機器部2bや粒子線照射装置61の照射機器部4bが配置される。
サブ制御器71a、71bに繋がれた操作卓72a、72b、73a、73b、74a、74bとは、いわゆるキーボードやディスプレイ等、若しくはコントローラボックス等の端末であり、マンマシンインターフェース部である。操作卓72a、72bは照射操作室81設置され、操作卓73a、74aは治療室A(82a)に設置され、操作卓73b、74bは治療室B(82b)に設置される。サブ制御器71a、71bの下位部には、制御盤75a、75bが繋がれる。制御盤75a、75bは、具体的には、制御対象である各種機器76a、76b、77a、77bのドライバ、アンプ及びシーケンサ等である。また、制御盤75a、75bは、メイン制御器70と呼吸ナビゲーション装置78a、78b、照射機器部2a(4a)、2b(4b)との信号を通過させる。制御盤75a、75bを経由して、さらに下位部には、機器76a、76b、77a、77b、呼吸ナビゲーション装置78a、78b及び照射機器部2a(4a)、2b(4b)が繋がれる。機器76a、76b、77a、77b、とは、具体的には治療台の各軸を動かすためのモータや、照射装置内のX線撮像装置を駆動するモータ等である。
さて、前記治療台用のモータやX線撮像装置用のモータは、ビーム照射中には動かさない。すなわち、加速器系60で制御する加速器等の電磁石と同期して制御する必要はない。メイン制御器70とサブ制御器71a、71bとのやり取りは、どの治療室の照射機器部2a(4a)、2b(4b)が位置決め完了して照射してよい状態かを示すReady信号や、どの治療室の照射機器部2a(4a)、2b(4b)にビームを照射し、照射が終了したことを知らせる信号等、互いに状態を知らせる目的のものである。簡単に言えば、シーケンシャルなイベントを行っていくイメージである。
メイン制御器70の役割は、「どの治療室の照射機器部が加速器を取り合うか」といった照射を管理することが挙げられる。ところが、より高度な照射を行おうとする場合、どうしても加速器系60と同期して他の機器を制御しなければならない状況が生じる。例えば、呼吸同期照射や呼吸ナビゲーションによる照射が、この場合に相当する。加速器系60と同期して制御する機器(呼吸ナビゲーション装置78a、78b)がある場合は、図18のような構成をとる。
図18において、呼吸ナビゲーション装置78a、78bへの指令値は、サブ制御器71a、71bからではなく、メイン制御器70から直接送られる。これは、メイン制御器70とサブ制御器71a、71bを同期させて実行する方法も考えられるが、経由する機器をより少なくすることにより、無駄時間(遅れ)により生じる問題を回避するためである。照射機器部2a(4a)、2b(4b)も加速器系60と同期して制御が必要なので、同様の理由でメイン制御器70により制御される。メイン制御器70の他の役割は、このように粒子線治療装置の全体を指揮することであり、加速器系60と同期して制御が必要な機器の制御が挙げられる。
以上のことより、粒子線治療装置51のメイン制御器70及びサブ制御器71a、71bは、いずれもワークステーションやコンピュータを用いることが一般的であることを述べた。また、実施の形態5において、本発明によるデータ表示プログラムは、汎用のワークステーション又はコンピュータで実行することができるプログラムであることを説明した。したがって、粒子線治療装置51のメイン制御器(照射系共通計算機)70又はサブ制御器(機器制御計算機)71a、71b上で実施の形態5に示したデータ表示プログラムを実行すれば、ハードウェアを共通化できる利点がある。
さらに、粒子線治療装置のメイン制御器(照射系共通計算機)70又はサブ制御器(機器制御計算機)71a、71b上でデータ表示プログラムを実行することによって、ピンクッション表示20をリアルタイムで行う利点がある。図18ではデータ表示プログラムは、サブ制御器71a、71bに実装される例を示している。サブ制御器71a、71bのデータ処理部40a、40bにて、データ表示プログラムの手順に従った処理が実行される。リアルタイムでピンクッション表示20を行えば、粒子線治療装置51を使用する者は、照射の進行を確認することのみならず、リアルタイムで荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けて表示できる。また、荷電粒子ビーム1の照射位置Pに関連付けされた照射位置関連値PR(磁場)と照射位置関連値誤差PRerror(磁場誤差)とを対応付けて確認することができる。
以上のように実施の形態6の粒子線治療装置51によれば、荷電粒子ビーム1を発生させ、この荷電粒子ビーム1を加速器54で加速させるビーム発生装置52と、加速器54により加速された荷電粒子ビーム1を輸送するビーム輸送系59と、ビーム輸送系59で輸送された荷電粒子ビーム1を照射対象18に照射する粒子線照射装置58(61)とを備え、粒子線照射装置58(61)は、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)を検出する検出器12a、12b(8、9)と、実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)における荷電粒子ビーム1の目標照射位置に関連付けされた目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)からの誤差である照射位置関連値誤差PRerror(Berror)と、実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)とを対応付けて表示部43に表示するデータ処理装置19(28)とを備え、データ処理装置19(28)は、実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)及び目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)を入力する入力部41と、荷電粒子ビーム1の照射領域に関連付けされた照射領域関連領域を再現した表示領域上に、目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)を示す目標値表示図形23(27)及び実照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)を示す測定値表示図形24(26)を表示する際に、目標値表示図形23(27)及び測定値表示図形24(26)を、それぞれ目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)の座標及び照射位置関連値誤差PRerror(Berror)をデフォルメ係数kで演算した座標に、目標照射位置関連値PRdesired(Bdesired)を加えた座標である表示座標PRdef(Bdef)に表示するともに、測定値表示図形24(26)と目標値表示図形23(27)とを結ぶ線分25を表示する演算部42(44)とを有するので、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置に関連付けされた照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)と照射位置関連値誤差PRerror(Berror)とを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた照射位置関連値PRmeasured(Bmeasured)と照射位置関連値誤差PRerror(Berror)とを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。
また、実施の形態6の粒子線治療装置51によれば、荷電粒子ビーム1を発生させ、この荷電粒子ビーム1を加速器54で加速させるビーム発生装置52と、加速器54により加速された荷電粒子ビーム1を輸送するビーム輸送系59と、ビーム輸送系59で輸送された荷電粒子ビーム1を照射対象18に照射する粒子線照射装置58(61)とを備え、粒子線照射装置58(61)は、荷電粒子ビーム1の照射位置に関連付けされた実照射位置関連値PRmeasuredを検出する検出器12a、12bと、実照射位置関連値PRmeasuredに基づいて荷電粒子ビーム1の実照射位置Pmeasuredを演算し、実照射位置Pmeasuredにおける荷電粒子ビーム1の目標照射位置からの誤差である照射位置誤差Perrorと、実照射位置Pmeasuredとを対応付けて表示部43に表示するデータ処理装置19とを備え、データ処理装置19は、実照射位置関連値PRmeasured及び目標照射位置Pdesiredを入力する入力部41と、荷電粒子ビーム1の照射領域を再現した表示領域上に、目標照射位置Pdesiredを示す目標値表示図形23及び実照射位置Pmeasuredを示す測定値表示図形24を表示する際に、目標値表示図形23及び測定値表示図形24を、それぞれ目標照射位置Pdesiredの座標及び照射位置誤差Perrorをデフォルメ係数kで演算した座標に、目標照射位置Pdesiredを加えた座標である表示座標Pdefに表示するともに、測定値表示図形24と目標値表示図形23とを結ぶ線分25を表示する演算部42とを有するので、荷電粒子ビーム1の照射位置精度を照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けて表示できる。そのため、使用する者にとって直感的にわかりやすく、荷電粒子ビーム1の照射位置Pと照射位置誤差Perrorとを対応付けた照射位置精度を容易に把握することができ、照射位置精度を適切に維持し、メンテナンスすることが可能となる。
なお、スポットスキャニング照射法を用いた粒子線照射装置を例に説明したが、ラスタースキャニング照射法を用いた粒子線照射装置にも適用できる。ラスタースキャニング法を用いた粒子線照射装置の場合は、所定のサンプリング時間毎に取得した位置データや磁場データを実照射位置関連データとすることができる。また、荷電粒子ビームの折り返し点のデータや、所定の位置に対応する時間にサンプリングして実照射位置関連データを取得することもできる。
なお、ピンクッション表示、時系列表示、誤差ベクトル表示において縦軸及び横軸の座標軸を外側に配置した例で説明したが、外縁側に限らず内側に配置してもよい。
1…荷電粒子ビーム、8…磁場センサ、9…磁場センサ、10…X方向走査電磁石、11…Y方向走査電磁石、12a、12b…位置モニタ、18…照射対象、19…データ処理装置、23…目標照射位置図形(目標値表示図形)、24…実照射位置図形(測定値表示図形)、25…線分、27…目標磁場表示図形(目標値表示図形)、26…実磁場図形(測定値表示図形)、28…データ処理装置、30…時系列表示、31…誤差ベクトル表示、41…入力部、42…演算部、43…表示部、44…演算部、51…粒子線治療装置、52…ビーム発生装置、54…シンクロトロン、58、58a、58b…粒子線照射装置、59…ビーム輸送系、61、61a、61b…粒子線照射装置、k、k−x、k−y…デフォルメ係数、P…照射位置、Pdesired…目標照射位置、Pmeasured…実照射位置、Perror…位置誤差、Pdef…位置誤差をデフォルメした実照射位置、PR…照射位置関連値、PRdesired…目標照射位置関連値、PRmeasured…実照射位置関連値、PRerror…照射位置関連値誤差、PRdef…照射位置関連値誤差をデフォルメした実照射位置関連値、Bdesired…目標磁場、Bmeasured…実磁場、Berror…磁場誤差、Bdef…磁場誤差をデフォルメした実磁場。

Claims (16)

  1. 加速器により加速された荷電粒子ビームを走査電磁石で走査し、照射対象に向けて照射する粒子線照射装置であって、
    前記荷電粒子ビームの照射位置に関連付けされた実照射位置関連値を検出する検出器と、前記実照射位置関連値における前記荷電粒子ビームの目標照射位置に関連付けされた目標照射位置関連値からの誤差である照射位置関連値誤差と、前記実照射位置関連値とを対応付けて表示部に表示するデータ処理装置とを備え、
    前記データ処理装置は、
    前記実照射位置関連値及び前記目標照射位置関連値を入力する入力部と、
    前記荷電粒子ビームの照射領域に関連付けされた照射領域関連領域を再現した表示領域上に、前記目標照射位置関連値を示す目標値表示図形及び前記実照射位置関連値を示す測定値表示図形を表示する際に、
    前記目標値表示図形及び前記測定値表示図形を、それぞれ前記目標照射位置関連値の座標及び前記照射位置関連値誤差をデフォルメ係数で演算した座標に、前記目標照射位置関連値を加えた座標である表示座標に表示するとともに、前記測定値表示図形と前記目標値表示図形とを結ぶ線分を表示する演算部と、を有する粒子線照射装置。
  2. 前記演算部は、
    前記表示座標を演算し、前記測定値表示図形を前記表示座標に表示する測定値演算部と、前記目標値表示図形を前記目標照射位置関連値の座標に表示する目標値演算部と、
    前記測定値表示図形と前記目標値表示図形とを結ぶ前記線分を表示する線分表示演算部と、を有することを特徴とする請求項1記載の粒子線照射装置。
  3. 前記検出器は、前記荷電粒子ビームの通過位置を検出する位置モニタであり、
    前記実照射位置関連値は前記荷電粒子ビームが前記位置モニタを通過した位置に応じて前記位置モニタが出力する値であり、前記目標照射位置関連値は前記荷電粒子ビームが前記目標照射位置に照射を実現するために前記位置モニタを通過すべき位置に対応して前記位置モニタが出力する形式の値であり、前記照射位置関連値誤差は前記照射位置と前記目標照射位置との差である位置誤差であり、前記照射領域関連領域は前記位置モニタ上で前記荷電粒子ビームが通過可能な領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の粒子
    線照射装置。
  4. 前記検出器は、前記走査電磁石の磁場を検出する磁場センサであり、
    前記実照射位置関連値は前記磁場センサにより検出した磁場である実磁場であり、前記目標照射位置関連値は前記走査電磁石の目標磁場であり、前記照射位置関連値誤差は前記実磁場と前記目標磁場との差である磁場誤差であり、前記照射領域関連領域は前記走査電磁石の磁場領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の粒子線照射装置。
  5. 加速器により加速された荷電粒子ビームを走査電磁石で走査し、照射対象に向けて照射する粒子線照射装置であって、
    前記荷電粒子ビームの照射位置に関連付けされた実照射位置関連値を検出する検出器と、前記実照射位置関連値に基づいて前記荷電粒子ビームの実照射位置を演算し、前記実照射位置における前記荷電粒子ビームの目標照射位置からの誤差である照射位置誤差と、前記実照射位置とを対応付けて表示部に表示するデータ処理装置とを備え、
    前記データ処理装置は、
    前記実照射位置関連値及び前記目標照射位置を入力する入力部と、
    前記荷電粒子ビームの照射領域を再現した表示領域上に、前記目標照射位置を示す目標値表示図形及び前記実照射位置を示す測定値表示図形を表示する際に、
    前記目標値表示図形及び前記測定値表示図形を、それぞれ前記目標照射位置の座標及び前記照射位置誤差をデフォルメ係数で演算した座標に、前記目標照射位置を加えた座標である表示座標に表示するとともに、前記測定値表示図形と前記目標値表示図形とを結ぶ線分を表示する演算部と、を有する粒子線照射装置。
  6. 前記演算部は、
    前記表示座標を演算し、前記測定値表示図形を前記表示座標に表示する測定値演算部と、前記目標値表示図形を前記目標照射位置の座標に表示する目標値演算部と、
    前記測定値表示図形と前記目標値表示図形とを結ぶ前記線分を表示する線分表示演算部と、を有することを特徴とする請求項5記載の粒子線照射装置。
  7. 前記検出器は、前記荷電粒子ビームの通過位置を検出する位置モニタであり、
    前記実照射位置関連値は前記荷電粒子ビームが前記位置モニタを通過した位置に応じて前記位置モニタが出力する値であることを特徴とする請求項5または6に記載の粒子線照射装置。
  8. 前記検出器は、前記走査電磁石の磁場を検出する磁場センサであり、
    前記実照射位置関連値は前記磁場センサにより検出した磁場である実磁場であることを特徴とする請求項5または6に記載の粒子線照射装置。
  9. 前記デフォルメ係数は、前記照射領域のX方向に対応したX方向デフォルメ係数と、前記照射領域のY方向に対応したY方向デフォルメ係数を含み、
    前記演算部は、前記X方向デフォルメ係数及び前記Y方向デフォルメ係数を用いて、前記表示座標を演算することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の粒子線照射装置。
  10. 前記デフォルメ係数は、1、若しくは、前回使用した値であるデフォルト値が設定されるか、または入力された値が設定されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の粒子線照射装置。
  11. 前記X方向デフォルメ係数及び前記Y方向デフォルメ係数は、それぞれ1、若しくは、前回使用した値であるデフォルト値が設定されるか、または入力された値が設定されることを特徴とする請求項9記載の粒子線照射装置。
  12. 前記データ処理装置は、利用可能な前記照射位置関連値誤差又は前記照射位置誤差を前記表示部に表示する際に、
    該当する前記照射位置関連値誤差又は前記照射位置誤差を時系列に表示する時系列表示を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の粒子線照射装置。
  13. 前記データ処理装置は、第1の場合の第1の誤差ベクトル表示又は第2の場合の第2の誤差ベクトル表示を前記表示部に表示し、
    前記第1の誤差ベクトル表示は、前記照射領域関連領域のX方向に対応した前記照射位置関連値誤差のX方向誤差と前記照射領域関連領域のY方向に対応した前記照射位置関連値誤差のY方向誤差をベクトル表示するものであり、
    前記第2の誤差ベクトル表示は、前記照射領域のX方向に対応した前記照射位置誤差のX方向誤差と前記照射領域のY方向に対応した前記照射位置誤差のY方向誤差をベクトル表示するものであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の粒子線照射装置。
  14. 荷電粒子ビームを発生させ、この荷電粒子ビームを加速器で加速させるビーム発生装置と、前記加速器により加速された荷電粒子ビームを輸送するビーム輸送系と、前記ビーム輸送系で輸送された荷電粒子ビームを照射対象に照射する粒子線照射装置とを備え、
    前記粒子線照射装置は、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の粒子線照射装置であることを特徴とする粒子線治療装置。
  15. 加速器により加速された荷電粒子ビームを走査電磁石で走査し、照射対象に向けて照射する粒子線照射装置のデータを表示部に表示するデータ表示プログラムであって、
    前記荷電粒子ビームの目標照射位置に関連付けされた目標照射位置関連値のデータである目標照射データと、前記荷電粒子ビームの照射位置に関連付けされた実照射位置関連値のデータである実照射データを入力する手順と、
    デフォルメ係数を入力する手順と、
    前記荷電粒子ビームの照射領域に関連付けされた照射領域関連領域を再現した表示領域上において、
    前記実照射位置関連値における前記目標照射位置関連値からの誤差である照射位置関連値誤差を前記デフォルメ係数で演算した座標に、前記目標照射位置関連値を加えた座標である表示座標を演算する手順と、
    前記照射領域関連領域を再現した表示領域上に、前記実照射位置関連値を示す測定値表示図形及び前記目標照射位置関連値を示す目標値表示図形を、それぞれ前記表示座標及び前記目標照射位置関連値の座標に表示するとともに、前記測定値表示図形と前記目標値表示図形とを結ぶ線分を表示する手順と、を実行させるためのデータ表示プログラム。
  16. 加速器により加速された荷電粒子ビームを走査電磁石で走査し、照射対象に向けて照射する粒子線照射装置のデータを表示部に表示するデータ表示プログラムであって、
    前記荷電粒子ビームの目標照射位置のデータである目標照射データと、前記荷電粒子ビームの照射位置に関連付けされた実照射位置関連値のデータである実照射データを入力する手順と、
    デフォルメ係数を入力する手順と、
    前記荷電粒子ビームの照射領域を再現した表示領域上において、
    前記実照射位置関連値に基づいて前記荷電粒子ビームの実照射位置を演算し、前記実照射位置における前記荷電粒子ビームの目標照射位置からの誤差である照射位置誤差を前記デフォルメ係数で演算した座標に、前記目標照射位置を加えた座標である表示座標を演算する手順と、
    前記照射領域を再現した表示領域上に、前記実照射位置を示す測定値表示図形及び前記目標照射位置を示す目標値表示図形を、それぞれ前記表示座標及び前記目標照射位置の座標に表示するとともに、前記測定値表示図形と前記目標値表示図形とを結ぶ線分を表示する手順と、を実行させるためのデータ表示プログラム。
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