本発明の燃料電池システムについて、以下に実施例を挙げて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態の燃料電池システムについて、図1、2を用いて説明する。図1は、燃料電池システム10の模式図である。図2は、燃料電池システム10に用いる水素生成装置の一例を示す断面図である。
図1に示すとおり、燃料電池システム10は、複合予熱器20と触媒燃焼装置80と第一の水素生成装置100と第二の水素生成装置120と水蒸気発生装置150と燃料電池300とを有している。
原料供給源12は、配管14により複合予熱器20と接続されている。配管14には配管16が接続され、配管16は触媒燃焼装置80と接続されている。触媒燃焼装置80には配管82が接続され、配管82は複合予熱器20と接続されている。
空気供給源30には配管32が接続され、配管32は第二空気ブロワ42を介して、分岐45で配管44と配管46とに接続されている。配管44は触媒燃焼装置80に接続され、配管46は燃料電池300のカソード320と接続されている。配管32には配管34が接続され、配管34は第一空気ブロワ36を介して複合予熱器20と接続されている。
複合予熱器20は、配管152により水蒸気発生装置150と接続されている。複合予熱器20には、配管23と、配管210と、配管220と、配管240とが接続されている。配管210は、複合予熱器20で加熱した空気を流通させる流路である。配管210は、分岐211で配管212と配管214に分岐し、配管212は第一の水素生成装置100の触媒反応室116と接続され、配管214は配管117と接続されている。配管220は、複合予熱器20で加熱された軽質炭化水素を流通させる流路である。配管220は、配管212と接続されている。配管23は、複合予熱器20で加熱された水蒸気を流通させる流路である。配管23は、分岐25で配管230と配管250とに接続されている。配管230は分岐233で配管232と配管234とに接続され、配管232は第一の水素生成装置100の透過水素受容室114と接続され、配管234は配管212と接続されている。配管250は配管252により第二の水素生成装置120の透過水素受容室124と接続されている。配管240は、水蒸気発生装置150と接続されている。
透過水素受容室114には配管115が接続され、配管115は配管118と接続されている。配管118は水蒸気発生装置150と接続されている。触媒反応室116には、配管117が接続され、配管117は第二の水素生成装置120の触媒反応室126と接続されている。透過水素受容室124には配管128が接続され、配管128は配管130と接続されている。配管130は、配管118と接続されている。触媒反応室126には配管132が接続され、配管132は水蒸気発生装置150と接続されている。配管132には、ガスタービン134が設けられ、該ガスタービン134は図示されない発電機と接続されている。
水蒸気発生装置150には、配管152と配管154と配管156と配管158とが接続されている。配管152は分岐153で配管140に接続され、配管140は軟水化装置60と接続されている。配管140にはスチームタービン142が設けられ、該スチームタービン142は図示されない発電機と接続されている。
配管154は熱交換装置155を介して気液分離装置190と接続されている。気液分離装置190には配管192と配管194が接続されている。配管192は配管16と接続され、配管194は軟水化装置60と接続されている。配管158は熱交換装置160と接続されている。熱交換装置160には、配管162と配管166と配管68とが接続されている。配管162は温水貯槽164と接続されている。配管162には配管161が接続され、配管161は水蒸気発生装置150と接続されている。配管166は、気液分離装置170と接続されている。配管68は、分岐67で配管62と配管66に接続されている。気液分離装置170には、配管172と配管174とが接続されている。配管172は燃料電池300のアノード330と接続され、配管174は軟水化装置60と接続されている。配管156は熱交換装置180と接続されている。熱交換装置180には、配管182と配管184と配管66とが接続されている。配管182は配管162と接続され、配管184は図示されない排気口と接続されている。配管66は、分岐67で配管62と配管68とに接続されている。軟水化装置60には配管52と配管62とが接続されている。配管52は、水源50と接続され、配管62は分岐63で配管64と接続されている。
配管64は燃料電池300の冷却部302と接続されている。冷却部302は配管322と接続され、配管322は配管162と接続されている。カソード320には未反応の空気を排出するカソードオフガスライン324が接続されている。アノード330には、未反応の水素を再度アノード330に供給するためのアノードオフガスリサイクルライン334が接続され、アノードオフガスリサイクルライン334は配管172と接続されている。アノードオフガスリサイクルライン334には、アノードオフガスリサイクルブロワ336が設けられている。
「前記原料予熱装置で加熱した軽質炭化水素を任意の前記触媒反応室に供給する手段」は、配管220、212で構成されている。「前記酸素予熱装置で加熱した酸素を含む流体を任意の前記触媒反応室に供給する手段」は、配管210、212で構成されている。「前記水蒸気予熱装置で加熱した水蒸気を任意の前記触媒反応室に供給する手段」は、配管23、230、234、212で構成されている。「水蒸気供給手段」の一つは、配管152、23、230、232と、水蒸気発生装置150と、複合予熱器20とで構成されている。「水蒸気供給手段」の一つは、配管152、23、250、252と、水蒸気発生装置150と、複合予熱器20とで構成されている。「水素供給手段」は、配管115、118、128、130、158、166、172と、水蒸気発生装置150と、熱交換装置160と、気液分離装置170とで構成されている。「残存ガスを前記触媒燃焼装置に供給する手段」は、配管16、132、154、192、ガスタービン134と、水蒸気発生装置150と、熱交換装置155と、気液分離装置190とで構成されている。
第一の水素生成装置100は、酸素及び水蒸気の存在下で、軽質炭化水素をリフォーミング触媒に接触させて水素を生成し、生成した水素と未反応の軽質炭化水素及び他の成分を含む残存ガスとを水素透過膜で分離するものである。第一の水素生成装置100は、プレート型、固定床型、流動床型等が挙げられ、プレート型としては、例えば、図2に示すものが挙げられる。図2に示すように水素生成装置100は、水素透過膜112により仕切られ、触媒反応室116と、触媒反応室116を挟持する透過水素受容室114とが形成された本体110を有する。触媒反応室116には配管212と配管117とが接続され、透過水素受容室114にはそれぞれ配管232と配管115とが接続されている。触媒反応室116には、リフォーミング触媒が充填されている。透過水素受容室114には、不活性粒子(イナート粒子)が充填されている。
水素透過膜112は公知の水素透過膜を用いることができ、例えば、パラジウム(Pd)合金膜等が挙げられる。市販の水素透過膜としては、田中貴金属工業株式会社製のPd−Ag膜、Pd−Cu(銅)膜等が挙げられる。
透過水素受容室114に充填する不活性粒子とは、水素に対して不活性な物質であれば特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ等を挙げることができる。透過水素受容室114に不活性粒子を充填することで、触媒反応室116で生成し水素透過膜112を透過して透過水素受容室120に移動してきた水素は、透過水素受容室114に供給された水蒸気と十分に混合され、効率的に透過水素受容室116から流出できるためである。
触媒反応室116に充填するリフォーミング触媒は、酸素及び水蒸気の存在下で、軽質炭化水素から水素を生成するものである。このようなリフォーミング触媒は、公知の触媒を使用することができ、例えば、下記(1)〜(6)式の反応が生起されるNi/SiO2、Ni−Rh/SiO2、Ni−Pt/SiO2、Ni−Fe/SiO2等のニッケル系触媒等が好適に用いられる。このようなリフォーミング触媒を用いることで、500〜700℃という比較的低い温度条件で、軽質炭化水素から水素を生成することができるためである。
CH4⇒C+2H2 ・・・(1)
CnH2n+2⇒nC+(n+1)H2 ・・・(2)
C+(1/2)O2⇒CO ・・・(3)
C+H2O⇒H2+CO ・・・(4)
CH4+H2O⇔3H2+CO ・・・(5)
CO+H2O⇔H2+CO2 ・・・(6)
[上記(2)式中、nは2以上の整数である。]
第二の水素生成装置120は、第一の水素生成装置100と同様に、プレート型、固定床型、流動床型等が挙げられる。例えば、プレート型の第二の水素生成装置120は、水素透過膜112により仕切られ、触媒反応室126と、触媒反応室126を挟持する透過水素受容室124とが形成されている。触媒反応室126には配管117と配管132とが接続され、透過水素受容室124にはそれぞれ配管252と配管128とが接続されている。触媒反応室126には、リフォーミング触媒が充填されている。透過水素受容室124には、不活性粒子が充填されている。透過水素受容室124に充填されている不活性粒子は、透過水素受容室114に充填されている不活性粒子と同じである。触媒反応室126に充填されているリフォーミング触媒は、触媒反応室116に充填されているリフォーミング触媒と同じである。
複合予熱器20は、空気加熱部22と水蒸気加熱部24と原料加熱部26とを有する。複合予熱器20は、触媒燃焼装置80で発生した燃焼熱を取り込んで、軽質炭化水素、水蒸気、酸素を含む流体(空気)をそれぞれ加熱する装置である。本発明における酸素予熱装置は空気加熱部22が相当し、水蒸気予熱装置は水蒸気加熱部24が相当し、原料予熱装置は原料加熱部26が相当する。
触媒燃焼装置80は、酸化触媒を充填した触媒層に可燃ガスを供給して燃焼させる装置である。可燃ガスは、燃料電池システム10の定常運転時には触媒反応室126の残存ガスと補助燃料として用いる軽質炭化水素である。酸化触媒としては公知の酸化触媒を使用でき、例えば、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等の貴金属、又はこれらの貴金属をアルミナ多孔体等の単体に担持したものが挙げられる。
水蒸気発生装置150は、複合予熱器20で熱媒体として利用した触媒燃焼装置80の燃焼ガスと、水素生成装置100で分離された水素及び残存ガスを熱媒体とし、水蒸気を発生する装置である。このような水蒸気発生装置150としては、いわゆる複合ボイラ、煙道ボイラ、貫流ボイラ等が挙げられる。
燃料電池300は、水素を燃料ガスとして発電するものであり、固体高分子形燃料電池(PEFC)、アルカリ電解質形燃料電池(AFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)、固体酸化物形燃料電池(SOFC)のいずれを用いてもよい。燃料電池300は、電解質310を挟持するようにカソード320とアノード330とが設けられている。燃料電池300には、一対のカソード320とアノード330とを有するものの他、電解質310をカソード320とアノード330とで挟持し、さらにその外側をセパレータで挟持してセルを形成し、該セルを複数積層した燃料電池スタックをも含むものである。電解質310は、燃料電池300の種類に応じて決定することができる。
燃料電池300には、発電に伴い発生する熱を除去するための冷却部302が設けられている。冷却部302は、冷却水を熱媒体とする冷却板や冷却管等が挙げられる。また、燃料電池300が燃料電池スタックである場合には、燃料電池スタックの発熱量に応じて、冷却部302を複数設けてもよい。
気液分離装置170は特に限定されず、例えば、デミスター付き気液分離装置等が挙げられる。気液分離装置190は、気液分離装置170と同様である。
軟水化装置60は、水源50から供給される水に含まれるMg2+、Ca2+等のカチオン成分や、Cl−等のアニオン成分を除去する装置である。例えば、カチオン交換樹脂等のカチオン交換体と、アニオン交換樹脂等のアニオン交換体とを充填したイオン交換装置等が挙げられる。
空気供給源30は酸素を含む流体を供給するものであり、例えば、空気を取り込む吸気口等が挙げられる。
燃料電池システム10の運転動作について説明する。
水源50の水は、配管52を経由して軟水化装置60に供給され、軟水化装置60では硬度成分を除去する軟化処理がされる。軟化処理された水の一部は、配管62、68、熱交換装置160、配管162、配管161を順に経由して、水蒸気発生装置150に供給される。また、軟化処理された水の他の一部は、配管62、66を順に経由して、熱交換装置180に供給される。また、軟化処理された水の他の一部は、配管62、64を順に経由して燃料電池300の冷却部302に供給される。冷却部302に供給された水は、燃料電池300を冷却しながら流通し、温水となって配管322に流出する。配管322に流出した温水は、配管162を経由して、温水貯槽164に貯水される。
第一空気ブロワ36、第二空気ブロワ42が起動される。空気は、空気供給源30から配管32、46を順に経由して、カソード320に供給される。また、空気は、空気供給源30から配管32、44を順に経由して、触媒燃焼装置80に供給される。さらに、空気は、空気供給源30から配管32、34を順に経由して、複合予熱器20の空気加熱部22に供給される。空気加熱部22に供給された空気は、空気加熱部22で加熱され予熱済空気となった後、配管210に流される。配管210に流された予熱済空気の一部は、分岐211から配管212を経由して、触媒反応室116に供給される。また、配管210に流された予熱済空気の他の一部は、分岐211から配管214に流される。
軽質炭化水素は、原料供給源12から配管14を経由して、複合予熱器20の原料加熱部26に供給される。原料加熱部26に供給された軽質炭化水素は、原料加熱部26で加熱され予熱済軽質炭化水素となった後、配管220を経由して配管212を流通する予熱済空気に混合される。また、補助燃料としての軽質炭化水素は、原料供給源12から配管14、16を経由し、残存ガスと共に触媒燃焼装置80に可燃ガスとして供給される。触媒燃焼装置80に供給された可燃ガスは、触媒燃焼装置80に充填されている酸化触媒と接触して燃焼する。この燃焼により発生した燃焼ガスは、配管82を経由して複合予熱器20に供給される。複合予熱器20に供給された燃焼ガスは、空気加熱部22、水蒸気加熱部24、原料加熱部26の熱源として利用された後、配管240を経由して水蒸気発生装置150に供給される。
水蒸気発生装置150で発生した水蒸気は、配管152を経由して水蒸気加熱部24に供給される。水蒸気加熱部24に供給された水蒸気は、水蒸気加熱部24で加熱され、予熱済水蒸気となって配管23に流される。配管23に流された予熱済水蒸気の一部は、分岐25から配管230に流され、配管230に流された予熱済水蒸気は分岐233から配管234に流され、配管212を流通する予熱済空気と混合される。また、配管230に流された予熱済水蒸気の一部は、分岐233から配管232に流され、透過水素受容室114にスイープスチームとして供給される。配管23に流された予熱済水蒸気の他の一部は、分岐25から配管250に流され、配管252を経由して透過水素受容室124に、スイープスチームとして供給される。
配管212では、予熱済軽質炭化水素、予熱済空気及び予熱済水蒸気が混合され、混合原料となる。該混合原料は、触媒反応室116に供給される。供給された混合原料は、リフォーミング触媒と接触しながら、所定の温度に調節された触媒反応室116内を流通する。この間、予熱済軽質炭化水素は、酸素及び水蒸気の存在下で、例えば、下記(1)〜(6)式の反応により水素を生成する。
CH4⇒C+2H2 ・・・(1)
CnH2n+2⇒nC+(n+1)H2 ・・・(2)
C+(1/2)O2⇒CO ・・・(3)
C+H2O⇒H2+CO ・・・(4)
CH4+H2O⇔3H2+CO ・・・(5)
CO+H2O⇔H2+CO2 ・・・(6)
[上記(2)式中、nは2以上の整数である。]
触媒反応室116で生成した水素は、第一の水素生成装置100の水素透過膜112を透過して透過水素受容室114に移動する。透過水素受容室114に移動した水素は、配管232を経由して透過水素受容室114に供給された予熱済水蒸気と混合され、配管115から含水素流体として流出する。そして、含水素流体は配管115、118を経由して水蒸気発生装置150に供給される。一方、水素透過膜112を透過できない未反応の軽質炭化水素、二酸化炭素、水等、及び、水素透過膜112を透過しなかった水素を含む残存ガスは、配管117から流出する。
流出した残存ガスは、配管214を流通してきた予熱済空気と混合されて混合流体となり、触媒反応室126に供給される。そして、混合流体に含まれる軽質炭化水素は、触媒反応室126で酸素及び水蒸気の存在下で、例えば上記(1)〜(6)式の反応により水素を生成する。そして、触媒反応室126で生成した水素は、第二の水素生成装置120の水素透過膜112を透過して透過水素受容室124に移動する。透過水素受容室124に移動した水素は、配管252を経由して透過水素受容室114に供給された予熱済水蒸気に取り込まれ、配管128から含水素流体として流出する。そして、含水素流体は配管128、130、118を順に経由して水蒸気発生装置150に供給される。一方、第二の水素生成装置120の水素透過膜112を透過できない未反応の軽質炭化水素、二酸化炭素、水等、及び、水素透過膜112を透過しなかった水素を含む残存ガスは、配管132から流出する。触媒反応室126から流出した残存ガスは、配管132を経由して水蒸気発生装置150に供給される。この間、残存ガスは、配管132に設けられたガスタービン134を駆動して発電する。
水蒸気発生装置150に供給された残存ガスは、水蒸気発生装置150内で水と熱交換した後、配管154から流出する。水蒸気発生装置150に供給された含水素流体は、水蒸気発生装置150内で水と熱交換した後、配管158から流出する。配管240を経由して水蒸気発生装置150に供給された燃焼ガスは、水蒸気発生装置150内で水と熱交換した後、配管156から流出する。この間、水蒸気発生装置150内の水は水蒸気となって、配管152から流出する。水蒸気発生装置150で発生した水蒸気の内、余剰の水蒸気は配管152、140を経由してスチームタービン142を駆動して発電する。
配管154から流出した残存ガスは、熱交換装置155で例えば常温まで冷却された後、気液分離装置190で軽質炭化水素を含むガス成分と水とに分離される。分離された残存ガスのガス成分は配管192を経由して配管16に至り、触媒燃焼装置80に供給される。一方、分離された水は、配管194を経由して軟水化装置60に供給され軟化処理される。ここで、残存ガスから分離したガス成分で、触媒燃焼装置80に必要な熱量が賄える場合には、原料供給源12からの補助燃料用の軽質炭化水素の供給を停止できる。
配管156から流出した燃焼ガスは、熱交換装置180を経由して配管184により図示されない排気口へ送られる。この間、熱交換装置180では、配管66から供給された水と熱交換がなされる。そして、水は任意の温度(例えば、60〜70℃)の温水となって、配管182、162を順に経由して温水貯槽164に貯水される。配管158から流出した含水素流体は、熱交換装置160で配管68から供給された水と熱交換がなされ、所定の温度に冷却された後、配管166により気液分離装置170に供給される。熱交換された水は、任意の温度(例えば、60〜70℃)の温水となって、配管162を経由して温水貯槽164に至る。気液分離装置170に供給された含水素流体は、水とガス成分である水素とに分離される。分離された水素は、配管172によりアノード330に供給される。一方、分離された水は、配管174により軟水化装置60に供給され軟化処理される。
カソード320に空気が供給され、アノード330に水素が供給されると、カソード320では下記(7)式のような化学反応が生じ、アノード330では下記(8)式のような化学反応が生じて発電が行われる。
(1/2)O2+2H++2e−⇒H2O ・・・(7)
H2⇒2H++2e− ・・・(8)
そして、アノードオフガスリサイクルブロワ336が起動され、アノード330内の未反応の水素は、アノードオフガスリサイクルライン334、配管172を順に経由してアノード330に供給される。カソード320で生成した水は、カソード320内の未反応の空気と共にカソードオフガスライン324から排出される。
軽質炭化水素とは、天然ガス、油田随伴ガス、LPG等を指し、炭素数1〜5の炭化水素を示す。
複合予熱器20の出口における予熱済軽質炭化水素の温度は、水素生成装置100及び水素生成装置120に用いるリフォーミング触媒の種類や、水素透過膜112の種類に応じて決定することができ、300〜500℃とすることが好ましく、350〜450℃とすることがより好ましい。
複合予熱器20の出口における予熱済水蒸気の温度は、水素生成装置100及び水素生成装置120に用いるリフォーミング触媒の種類や、水素透過膜112の種類に応じて決定することができ、300〜500℃とすることが好ましく、350〜450℃とすることがより好ましい。
複合予熱器20の出口における予熱済空気の温度は、水素生成装置100及び水素生成装置120に用いるリフォーミング触媒の種類や、水素透過膜112の種類に応じて決定することができ、300〜500℃とすることが好ましく、350〜450℃とすることがより好ましい。
触媒反応室116に供給する混合原料における軽質炭化水素、水蒸気、空気の混合比は触媒反応室116に充填したリフォーミング触媒の種類に応じて決定することができる。例えば、混合原料中の水蒸気の混合比は、水蒸気のモル数/軽質炭化水素の炭素のモル数で表されるS/C比を1.0〜2.0とすることが好ましい。また、混合原料中の空気の混合比は、軽質炭化水素の炭素数を勘案して決定することができ、混合原料中の酸素のモル比/軽質炭化水素の炭素のモル比で表されるO/C比を0.2〜0.5とすることが好ましい。
配管214から配管117に供給する空気の量は、触媒反応室116で生成される残存ガス中の軽質炭化水素、水蒸気の量を勘案して決定することができる。
触媒反応室116に供給する混合原料の圧力は、水素透過膜112の種類、リフォーミング触媒の種類等を勘案して決定することが好ましい。例えば、触媒反応室116の出口における残存ガスの圧力が744.3〜844.3kPaとなるように、触媒反応室116に供給する混合原料の圧力を調節することが好ましい。触媒反応室126に供給する混合流体の圧力は、例えば、触媒反応室126の出口における残存ガスの圧力が744.3〜844.3kPaとなるように、触媒反応室126に供給する混合流体の圧力を調節することが好ましい。
透過水素受容室114に供給する予熱済水蒸気の供給量は、触媒反応室116に供給される混合原料の供給量を勘案して決定することができる。例えば、(触媒反応室の出口の残存ガスの水素分圧)/(透過水素受容室の出口の含水素流体の水素分圧)とで表される水素分圧比が、1.0〜1.1になるように調節することが好ましい。上記範囲内であれば、触媒反応室116で生成した水素が水素透過膜112を円滑に透過することができ、水素の生成効率が向上する。透過水素受容室124に供給する予熱済水蒸気の供給量は、透過水素受容室114に供給する予熱済水蒸気の供給量と同様である。
透過水素受容室114に供給する予熱済水蒸気の圧力は、水素透過膜112の種類や触媒反応室130内の圧力、前記水素分圧比を勘案して決定することができ、例えば、110〜200kPaの範囲で決定することが好ましい。上記範囲内であれば、透過水素受容室114の水素を透過水素受容室114から効率的に押し出して、透過水素受容室114内の水素分圧を適切に保つことができる。そして、触媒反応室116で生成した水素は水素透過膜112を円滑に透過することができ、水素の生成効率が向上する。透過水素受容室124に供給する予熱済水蒸気の圧力は、透過水素受容室114に供給する予熱済水蒸気の圧力と同様である。
触媒反応室116の温度はリフォーミング触媒の種類に応じて決定することができ、例えば、500〜700℃とすることが好ましく、500〜650℃とすることがより好ましい。上記範囲内であれば、軽質炭化水素から水素を効率的に生成することができるためである。触媒反応室126の温度は、触媒反応室116の温度と同様である。
触媒燃焼装置80で発生した燃焼ガスの出口温度は、複合予熱器20の熱負荷や、軽質炭化水素、水蒸気、空気の供給量等を勘案して決定することができ、例えば、700〜1000℃とすることが好ましい。
水蒸気発生装置150で発生させる水蒸気の温度は特に限定されないが、例えば、140〜200℃の範囲で調節することが好ましい。
熱交換装置160における冷却後の含水素流体の温度は、燃料電池300の種類に応じて決定することができる。例えば、燃料電池300としてPEFCを用いる場合には、含水素流体を70〜80℃に冷却することが好ましい。また、例えば、燃料電池300としてPAFCを用いる場合には、含水素流体を180〜210℃に冷却することが好ましい。
上述のとおり、触媒反応と水素透過膜とを組み合わせた水素生成装置を用いるため、シフト反応、脱炭酸処理等の新たな工程を設けることなく、高純度の水素を得ることができる。そして、第一の水素生成装置で生成した残存ガスを第二の水素生成装置の触媒反応室に供給することで、軽質炭化水素から効率的に水素を生成させ、燃料電池への水素の供給量を上げることができる。
本実施形態の燃料電池システムは、水蒸気供給手段を設け透過水素受容室にスイープスチームを供給し、透過水素受容室に透過した水素を強制的に押し出すことで、触媒反応室から透過水素受容室への水素の透過速度の向上が図れる。加えて、透過水素受容室に供給するスイープスチームとして予熱済水蒸気を用いることで、水素生成装置の温度を安定させ、効率的に水素を発生させることができる。この結果、水素の生成効率を向上できる。
本実施形態の燃料電池システムは、水素生成装置で分離された残存ガスを用いて、触媒燃焼装置を運転できるため、燃料電池システム全体のエネルギー効率の向上を図れる。加えて、残存ガスと含水素流体とを用いて水蒸気を発生させるため熱エネルギーの有効利用ができ、燃料電池システム全体のエネルギー効率の向上が図れる。さらに、透過水素受容室に不活性粒子を充填することで、水素透過膜を透過してくる水素と透過水素受容室を流通する水蒸気とを整流し、触媒反応室内の水素分圧/透過水素受容室内の水素分圧で表される水素分圧比を適正に保つことができる。この結果、水素の生成効率を向上できる。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態の燃料電池システムについて、図3を用いて説明する。図3は、燃料電池システム500の模式図である。なお、第一の実施形態の燃料電池システム10と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、燃料電池システム500において、燃料電池システム10と異なる点は、複合予熱器20に供給する空気を酸素供給源510から供給する高純度の酸素(以下、純酸素ということがある)とした点である。
燃料電池システム500は酸素供給源510を有し、酸素供給源510は配管512により複合予熱器20と接続されている。酸素供給源510は、純酸素を供給するものであり、例えば、空気分離装置等が挙げられる。また、例えば、隣接装置の余剰酸素を利用するために、酸素供給源510は余剰酸素の貯留タンク等であってもよい。供給される純酸素の酸素濃度は、90質量%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。
燃料電池システム500では、純酸素が酸素供給源510から配管512を経由して、複合予熱器20の空気加熱部22に供給される。供給された純酸素は、空気加熱部22で加熱され予熱済酸素となり、配管210に流される。配管210に流された予熱済酸素の一部は、分岐211から配管212に流され、配管220から供給される予熱済軽質炭化水素及び配管234から供給される予熱済水蒸気と混合されて混合原料となる。そして、混合原料は、触媒反応室116に供給されて、水素生成が行われる。また、配管210に流された予熱済酸素の他の一部は、分岐211から配管214に流される。
複合予熱器20の出口における予熱済酸素の温度は、第一の水素生成装置100の触媒反応室116に充填したリフォーミング触媒の種類や、水素透過膜112の種類に応じて決定することができ、300〜500℃とすることが好ましく、350〜450℃とすることがより好ましい。
本実施形態の燃料電池システムによれば、触媒反応室では純酸素の存在下で触媒反応を行うため、水素生成の効率向上を図ることができる。
(第三の実施形態)
本発明の第三の実施形態の燃料電池システムについて、図4を用いて説明する。図4は、燃料電池システム600の模式図である。
図4に示すとおり、燃料電池システム600は、複合予熱器20と触媒燃焼装置80と第一の水素生成装置620と第二の水素生成装置630と水蒸気発生装置150と燃料電池300と減圧部642とを有している。
原料供給源12は、配管14により複合予熱器20と接続されている。配管14には配管16が接続され、配管16は触媒燃焼装置80と接続されている。触媒燃焼装置80には配管82が接続され、配管82は複合予熱器20と接続されている。
空気供給源30には配管32が接続され、配管32は第二空気ブロワ42を介して、分岐45で配管44と配管46とに接続されている。配管44は触媒燃焼装置80に接続され、配管46は燃料電池300のカソード320と接続されている。配管32には配管34が接続され、配管34は第一空気ブロワ36を介して複合予熱器20と接続されている。
複合予熱器20は、配管152により水蒸気発生装置150と接続されている。複合予熱器20には、配管610と、配管210と、配管220と、配管240とが接続されている。配管210は、分岐211で配管212と配管214に分岐し、配管212は第一の水素生成装置620の触媒反応室626と接続され、配管214は配管117と接続されている。配管220は、配管212と接続されている。配管610は、配管212と接続されている。配管240は、水蒸気発生装置150と接続されている。
透過水素受容室624には配管115が接続され、配管115は配管118と接続されている。配管118は水蒸気発生装置150と接続されている。触媒反応室626には、配管117が接続され、配管117は第二の水素生成装置630の触媒反応室636と接続されている。透過水素受容室634には配管128が接続され、配管128は配管130と接続されている。配管130は、配管118と接続されている。触媒反応室636には配管132が接続され、配管132は水蒸気発生装置150と接続されている。配管132にはガスタービン134が設けられ、該ガスタービン134は図示されない発電機と接続されている。
水蒸気発生装置150には、配管152と配管154と配管156と配管640とが接続されている。配管152は分岐153で配管140に接続され、配管140は軟水化装置60と接続されている。配管140にはスチームタービン142が設けられ、該スチームタービン142は図示されない発電機と接続されている。
配管154は、熱交換装置155を介して気液分離装置190と接続されている。気液分離装置190には配管192と配管194が接続されている。配管192は配管16と接続され、配管194は軟水化装置60と接続されている。配管640は、熱交換装置641及び減圧部642を介して気液分離装置170と接続されている。気液分離装置170には、配管172と配管174とが接続されている。配管172は燃料電池300のアノード330と接続され、配管174は軟水化装置60と接続されている。配管156は熱交換装置180と接続されている。熱交換装置180には、配管182と配管184と配管662とが接続されている。配管182は、分岐682で配管684と配管686とに接続されている。配管684は温水貯槽164と接続され、配管686は水蒸気発生装置150と接続されている。配管184は図示されない排気口と接続されている。配管662は、軟水化装置60と接続されている。また、配管662は、分岐663で配管64と接続されている。軟水化装置60は、配管52により、水源50と接続されている。
配管64は燃料電池300の冷却部302と接続されている。冷却部302は配管322と接続され、配管322は配管684と接続されている。カソード320には未反応の空気を排出するカソードオフガスライン324が接続されている。アノード330には、未反応の水素を再度アノード330に供給するためのアノードオフガスリサイクルライン334が接続され、アノードオフガスリサイクルライン334は配管172と接続されている。アノードオフガスリサイクルライン334には、アノードオフガスリサイクルブロワ336が設けられている。
「前記原料予熱装置で加熱した軽質炭化水素を任意の前記触媒反応室に供給する手段」は、配管220、212で構成されている。「前記酸素予熱装置で加熱した酸素を含む流体を任意の前記触媒反応室に供給する手段」は、配管210、212で構成されている。「前記水蒸気予熱装置で加熱した水蒸気を任意の前記触媒反応室に供給する手段」は、配管212、610で構成されている。「水素供給手段」は、配管115、118、128、130、172、640と、水蒸気発生装置150と、気液分離装置170と、熱交換装置641と、減圧部642とで構成されている。「残存ガスを前記触媒燃焼装置に供給する手段」は、配管16、132、154、192、ガスタービン134と、水蒸気発生装置150と、熱交換装置155と、気液分離装置190とで構成されている。
第一の水素生成装置620は、第一の実施形態における第一の水素生成装置100と同様に、プレート型、固定床型、流動床型等が挙げられる。例えば、第一の水素生成装置620は、水素透過膜112により仕切られ、触媒反応室626と、触媒反応室626を挟持する透過水素受容室624とが形成されている。触媒反応室626には、リフォーミング触媒が充填されている。透過水素受容室624には、不活性粒子が充填されている。透過水素受容室624に充填されている不活性粒子は、第一の実施形態における透過水素受容室114に充填されている不活性粒子と同じである。
触媒反応室626に充填されているリフォーミング触媒は、酸素及び水蒸気の存在下で、軽質炭化水素から水素を生成するものである。このようなリフォーミング触媒は、公知の触媒を使用することができ、例えば、下記(1)〜(6)式の反応が生起されるNi/SiO2、Ni−Rh/SiO2、Ni−Pt/SiO2、Ni−Fe/SiO2等のニッケル系触媒等が好適に用いられる。このようなリフォーミング触媒を用いることで、500〜700℃という比較的低い温度条件で、軽質炭化水素から水素を生成することができるためである。
CH4⇒C+2H2 ・・・(1)
CnH2n+2⇒nC+(n+1)H2 ・・・(2)
C+(1/2)O2⇒CO ・・・(3)
C+H2O⇒H2+CO ・・・(4)
CH4+H2O⇔3H2+CO ・・・(5)
CO+H2O⇔H2+CO2 ・・・(6)
[上記(2)式中、nは2以上の整数である。]
第二の水素生成装置630は、第一の水素生成装置620と同様である。触媒反応室636に充填されているリフォーミング触媒は、触媒反応室626に充填されているリフォーミング触媒と同じである。透過水素受容室634に充填されている不活性粒子は、第一の実施形態における透過水素受容室114に充填されている不活性粒子と同じである。
減圧部642は、透過水素受容室624及び透過水素受容室634内を減圧し、水素を吸引できるものであれば特に限定されず、例えばIDF(Induced Draft Fan:吸引ファン)等を挙げることができる。加えて、減圧部642は、1台のIDF等で構成してもよいし、2台以上のIDF等を直列に配置して構成してもよい。
燃料電池システム600の運転動作について説明する。
水源50の水は、配管52を経由して軟水化装置60に供給され軟化処理される。軟化処理された水の一部は、配管662を経由して、熱交換装置180に供給される。また、軟化処理された水の他の一部は、配管662、64を順に経由して燃料電池300の冷却部302に供給される。冷却部302に供給された水は、燃料電池300を冷却しながら流通し、温水となって配管322から流出する。配管322に流出した温水は、配管684を経由して温水貯槽164に貯水される。
第一空気ブロワ36、第二空気ブロワ42、減圧部642を起動する。空気加熱部22で加熱された予熱済空気は、配管210に流される。配管210に流された予熱済空気の一部は、分岐211から配管212に流され、他の一部は配管214に流される。水蒸気加熱部24で加熱された予熱済水蒸気は配管610を経由して、配管212で予熱済空気と混合される。原料加熱部26で加熱された予熱済軽質炭化水素は、配管220を経由して、配管212で予熱済空気と混合される。こうして、予熱済空気と予熱済水蒸気と予熱済軽質炭化水素とは、配管212で混合され混合原料となって配管212から触媒反応室626に供給される。触媒反応室626に供給された混合原料は、リフォーミング触媒と接触しながら、所定の温度に調節された触媒反応室626内を流通する。この間、予熱済軽質炭化水素から、例えば上記(1)〜(6)式の反応により水素が生成される。
触媒反応室626で生成した水素は、第一の水素生成装置620の水素透過膜112を透過して透過水素受容室624に移動する。透過水素受容室624に移動した水素は、減圧部642により吸引され、配管115、118を経由して水蒸気発生装置150に供給される。一方、水素透過膜112を透過できない未反応の軽質炭化水素、二酸化炭素、水等、及び、水素透過膜112を透過しなかった水素を含む残存ガスは、配管117から流出する。
流出した残存ガスは、配管214を流通してきた予熱済空気と混合されて混合流体となり、触媒反応室636に供給される。そして、混合流体に含まれる軽質炭化水素は、触媒反応室636で酸素及び水蒸気の存在下でリフォーミング触媒と接触して水素を生成する。そして、触媒反応室636で生成した水素は、第二の水素生成装置630の水素透過膜112を透過して透過水素受容室634に移動する。透過水素受容室634に移動した水素は、減圧部642により吸引され、配管128、130、118を順に経由して水蒸気発生装置150に供給される。一方、第二の水素生成装置630の水素透過膜112を透過できない未反応の軽質炭化水素、二酸化炭素、水等、及び、水素透過膜112を透過しなかった水素を含む残存ガスは、配管132から流出し、配管132を経由して水蒸気発生装置150に供給される。この間、残存ガスは、配管132に設けられたガスタービン134を駆動して発電する。
水蒸気発生装置150に供給された水素は、水蒸気発生装置150内の水と熱交換した後、配管640に流出する。配管640から流出した水素は、熱交換装置641で所定の温度まで冷却された後、減圧部642を経由して気液分離装置170に供給される。気液分離装置170に供給された水素は、除湿されてアノード330に供給される。そして、配管46からカソード320に供給された空気と、配管172からアノード330に供給された水素を利用して、燃料電池300で発電が行われる。
触媒反応室626に供給する混合原料における軽質炭化水素、水蒸気、空気の混合比は触媒反応室626に充填したリフォーミング触媒の種類に応じて決定することができる。例えば、混合原料中の水蒸気の混合比は、水蒸気のモル数/軽質炭化水素の炭素のモル数で表されるS/C比を1.0〜2.0とすることが好ましい。また、混合原料中の空気の混合比は、軽質炭化水素の炭素数を勘案して決定することができ、混合原料中の酸素のモル比/軽質炭化水素の炭素のモル比で表されるO/C比を0.2〜0.5とすることが好ましい。
配管214から配管117に供給する空気の量は、触媒反応室116で生成される残存ガス中の軽質炭化水素、水蒸気の量を勘案して決定することができる。
触媒反応室626に供給する混合原料の圧力は、水素透過膜112の種類、リフォーミング触媒の種類等を勘案して決定することが好ましい。例えば、触媒反応室626の出口における残存ガスの圧力が247.3〜520.3kPaとすることが好ましい。本実施形態においては、減圧部642により透過水素受容室624内を減圧しているため、触媒反応室626内の圧力を低くしても、触媒反応室626で生成した水素が水素透過膜112を円滑に透過できるためである。触媒反応室636に供給する混合流体の圧力は、触媒反応室626に供給する混合原料の圧力範囲と同様である。
熱交換装置641における冷却後の含水素流体の温度は、燃料電池300の種類に応じて決定することができる。例えば、燃料電池300としてPEFCを用いる場合には、含水素流体を70〜80℃に冷却することが好ましい。また、例えば、燃料電池300としてPAFCを用いる場合には、含水素流体を180〜210℃に冷却することが好ましい。
減圧部642による透過水素受容室624の減圧の程度は、(触媒反応室の出口の残存ガスの水素分圧)/(透過水素受容室の出口の含水素流体の水素分圧)とで表される水素分圧比が、1.0〜1.1となるように調節することが好ましい。上記範囲内であれば、触媒反応室626で生成した水素が水素透過膜112を円滑に透過することができ、水素の生成効率が向上する。減圧部642による透過水素受容室634の減圧の程度は、透過水素受容室624の減圧の程度と同様に、水素生成装置630における前記水素分圧比が1.0〜1.1となるように調節することが好ましい。
また、減圧部642の二次側の吐出圧力は、燃料電池300の運転条件に応じて決定することが好ましい。
触媒反応室626の温度は、500〜700℃が好ましく、550〜600℃がより好ましい。触媒反応室636の温度は、触媒反応室626と温度範囲と同様である。
上述のように、本実施形態は減圧部により透過水素受容室の水素を吸引することで、(触媒反応室の出口の残存ガスの水素分圧)/(透過水素受容室の出口の含水素流体の水素分圧)とで表される水素分圧比を適正に保つことができる。加えて、スイープスチームを発生するための熱エネルギーが不要となり、燃料電池システムの発電効率の向上が図れる。さらに、スイープスチームが不要なため、水蒸気発生装置の小型化でき、燃料電池システムの小型化を図ることができる。
(第四の実施形態)
本発明の第四の実施形態の燃料電池システムについて、図5を用いて説明する。図5は、燃料電池システム700の模式図である。なお、第三の実施形態の燃料電池システム600と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、燃料電池システム700において、燃料電池システム600と異なる点は、複合予熱器20に供給する空気を酸素供給源510から供給する高純度の酸素(以下、純酸素ということがある)とした点である。即ち、燃料電池システム700は酸素供給源510を有し、酸素供給源510は配管512により複合予熱器20と接続されている。
燃料電池システム700では、純酸素が酸素供給源510から配管512を経由して、複合予熱器20の空気加熱部22に供給される。供給された純酸素は、空気加熱部22で加熱され予熱済酸素となり、配管210に流される。配管210に流された予熱済酸素の一部は、分岐211から配管212に流され、配管220から供給される予熱済軽質炭化水素及び配管610から供給される予熱済水蒸気と混合されて混合原料となる。そして、混合原料は、触媒反応室626に供給されて、水素生成が行われる。また、配管210に流された予熱済酸素の他の一部は、分岐211から配管214に流される。
本実施形態の燃料電池システムによれば、触媒反応室では純酸素の存在下で触媒反応を行うため、水素生成の効率向上を図ることができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
第一〜第四の実施形態では、透過水素受容室には不活性粒子が充填されているが、該不活性粒子は充填されていなくてもよい。ただし、透過水素受容室内での水素及び水蒸気を整流し、水素の生成効率の向上を図る観点からは、不活性粒子を透過水素受容室に充填することが好ましい。
第一〜第四の実施形態では、第二の水素生成装置の二次側にガスタービンが設けられているが、該ガスタービンが設けられていなくてもよい。
第一〜第四の実施形態では、配管140にスチームタービンが設けられているが、該スチームタービンが設けられていなくてもよい。
第一〜第四の実施形態は、水素生成装置で生成した含水素流体、残存ガス及び触媒燃焼装置で発生し複合予熱器を経由した燃焼ガスを熱源として水蒸気を発生しているが、水蒸気発生装置に用いる熱源は前述の含水素流体、残存ガス、燃焼ガスのいずれかのみであってもよい。
第一〜第四の実施形態では、原料予熱装置と酸素予熱装置と水蒸気予熱装置とが一体化した複合予熱器を有しているが、原料予熱装置と酸素予熱装置と水蒸気予熱装置とは個別に設けられていてもよい。
第一〜第四の実施形態では、2つの水素生成装置が直列に接続されているが、3つ以上の水素生成装置が直列に接続されていてもよい。
第一〜第四の実施形態では、水蒸気供給手段として複合予熱器で加熱した予熱済水蒸気をスイープスチームとして透過水素受容室に供給する手段が設けられている。しかし、本発明はこれに限られず、水蒸気供給手段は水蒸気発生装置で発生した水蒸気を加熱せずに透過水素受容室に供給する構成としてもよい。水素生成装置の触媒反応室の温度を安定させ、効率的に水素を発生させる観点から、水蒸気供給手段は水蒸気加熱部で加熱した予熱済水蒸気をスイープスチームとして透過水素受容室に供給する手段であることが好ましい。
第一、第二の実施形態では、減圧部が設けられていないが、第一、第二の実施形態にさらに減圧部が設けられていてもよい。またあるいは、第三、第四の実施形態において、透過水素受容室にスイープスチームとして水蒸気を供給してもよい。
第三、第四の実施形態では、一箇所に減圧部が設けられているが、二箇所以上に減圧部が設けられていてもよい。加えて、減圧部は、水素供給手段のいずれの位置に設けられていてもよい。例えば、気液分離装置170の出口ラインである配管172(図3、4)に設けられていてもよい。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(製造例1)リフォーミング触媒1の製造
前述の非特許文献1の記載に従い、リフォーミング触媒1の全体質量の10質量%となるように、NiをSiO2に担持したNi/SiO2を製造した。Niの供給源には硝酸ニッケルを用い、単体にはアエロジル社のSiO2(表面積:380m2/g)を用い、公知の含浸法により調製した。SiO2に硝酸ニッケル水溶液を含浸させ乾燥させた後、300℃で4時間焼結し、さらに400℃で5時間加熱して、リフォーミング触媒1を得た。
(実施例1)
図1に示す燃料電池システム10と同一の構成からなる、燃料電池システムAを製作し発電試験を行った。
燃料電池としてPEFCの燃料電池スタックを採用し、試験設備の容量は、発電端出力(直流)で1.223kW、送電端出力(交流)として1kW級とした。第一の水素生成装置及び第二の水素生成装置は図2に示す水素生成装置100と同様の構造を有するプレートタイプとした。第一の水素生成装置の水素透過膜は、市販のPd−Ag膜(田中貴金属工業株式会社製)を用い、その透過面積は0.120m2とした。第二の水素生成装置の水素透過膜は、市販のPd−Ag膜(田中貴金属工業株式会社製)を用い、その透過面積は0.056m2とした。第一の水素生成装置の触媒反応室には、リフォーミング触媒1を2.34L充填した。第二の水素生成装置の触媒反応室には、リフォーミング触媒1を1.18L充填した。第一の水素生成装置の透過水素受容室には、不活性粒子(アルミナ、質量平均粒子径:5mmφ、株式会社チップトン製)を3.60L充填した。第二の水素生成装置の透過水素受容室には、不活性粒子を1.68L充填した。触媒燃焼装置は固定床式とし、酸化触媒としてパラジウム触媒(炭化水素酸化触媒、ズードケミー触媒株式会社製)を5.4L充填した。水蒸気発生装置には、複合ボイラを用いた。
原料の軽質炭化水素として、天然ガスを用いた。原料天然ガスを複合予熱器で400℃に加熱後、0.276Nm3/hで第一の水素生成装置の触媒反応室に供給した。空気を複合予熱器で400℃に加熱後、0.406Nm3/hで予熱済空気を第一の水素生成装置の触媒反応室に供給し、0.187Nm3/hで予熱済空気を第二の水素生成装置の触媒反応室に供給した。水蒸気発生装置で発生した水蒸気(温度170.6℃、圧力803.3kPa)を複合予熱器で400℃に加熱後、0.415Nm3/hで予熱済水蒸気をプロセススチームとして第一の水素生成装置の触媒反応室に供給し、0.828Nm3/hで予熱済水蒸気をスイープスチームとして第一の水素生成装置の透過水素受容室に供給し、0.583Nm3/hで予熱済水蒸気を第二の水素生成装置の透過水素受容室に供給した。
また、触媒燃焼装置に供給された補助燃料としての天然ガス流量は0.042Nm3/hであり、酸化触媒の燃焼ガス基準SVは、1848(m3/h)/m3−Catであり、複合予熱器への伝熱量は1143kJ/h(273kcal/h)であった。
その他のプロセス条件は表1に示す値とした。なお、「Nm3」とは、「m3(標準状態)」を表す(以降において同じ)。「燃焼ガス基準SV」とは、酸化触媒の単位体積(m3−Cat)当たりにおける、1時間当たりの燃焼ガス発生量(m3/h)であり、単位(m3/h)/m3−Catで表される値である(以降において同じ)。
第一の水素生成装置の触媒反応室で生成した水素は0.514Nm3/h、生成した水素の内、水素透過受容室に透過した水素は0.465Nm3/hであり、水素透過フラックスは0.173kg−mol/h−H2/m2であった。第二の水素生成装置で生成した水素は0.258Nm3/h、生成した水素の内、水素透過受容室に透過した水素は0.217Nm3/hであり、水素透過フラックスは0.173kg−mol/h−H2/m2であった。第一の水素生成装置及び第二の水素生成装置で得られた水素は、合計0.682Nm3/hであった。また、第一の水素生成装置におけるリフォーミング触媒1の生成水素基準W/Fの値は、26.2kg−Cat/kg−mol/h−H2であった。第二の水素生成装置におけるリフォーミング触媒1のW/Fの値は、24.2kg−Cat/kg−mol/h−H2であった。なお、「水素透過フラックス」とは、透過膜単位面積(m2)における1時間当たりの透過水素流量(kg−mol/h)である(以降において同じ)。「W/F」とは、1時間当たりの水素生成量(kg−mol/h−H2)当たりの触媒量(kg−Cat)であり、kg−Cat/kg−mol/h−H2で表される(以降において同じ)。
上記生成水素の値は、原料天然ガス転換率として、第一の水素生成装置では54.5%、第二の水素生成装置では21.2%、合計75.7%に相当するものであった。また、下記(9)式で定義される冷ガス効率の第一の水素生成装置と第二の水素生成装置との合計は71.2%であった。なお、下記(9)式においてLHV(kJ/Nm3)は低位発熱量を示す。
冷ガス効率=(生成H2+CO(Nm3/h)のLHV)/(供給天然ガス(Nm3/h)のLHV)×100 ・・・(9)
こうして、燃料電池システムAの運転を行い、燃料電池システムAの発電効率を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例2)
図3に示す燃料電池システム500と同一の構成からなる、燃料電池システムBを製作し発電試験を行った。燃料電池、第一の水素生成装置、第二の水素生成装置、触媒燃焼装置、水蒸気発生装置はいずれも実施例1と同じ仕様とした。
原料の軽質炭化水素として、天然ガスを用いた。原料天然ガス0.272Nm3/hを複合予熱器で400℃に加熱後、第一の水素生成装置の触媒反応室に供給した。純酸素(純度:99.9%以上)を複合予熱器で450℃に加熱後、0.084Nm3/hで予熱済酸素を第一の水素生成装置の触媒反応室に供給し、0.037Nm3/hで予熱済酸素を第二の水素生成装置の触媒反応室に供給した。水蒸気発生装置で発生した水蒸気(温度170.6℃、圧力803.3kPa)を複合予熱器で450℃に加熱後、0.409Nm3/hで予熱済水蒸気をプロセススチームとして第一の水素生成装置の触媒反応室に供給し、0.323Nm3/hで予熱済水蒸気をスイープスチームとして第一の水素生成装置の透過水素受容室に供給し、0.156Nm3/hで予熱済水蒸気をスイープスチームとして第二の水素生成装置の透過水素受容室に供給した。また、補助燃料としての触媒燃焼装置への天然ガスの供給は行わなかった。触媒燃焼装置における燃焼ガス基準SVは、1034(m3/h)/m3−Catであり、複合予熱器への伝熱量は741kJ/h(177kcal/h)であった。その他のプロセス条件は表1に示す値とした。
第一の水素生成装置の触媒反応室で生成した水素は0.531Nm3/h、生成した水素の内、水素透過受容室に透過した水素は0.479Nm3/hであり、水素透過フラックスは0.178kg−mol/h−H2/m2であった。第二の水素生成装置で生成した水素は0.247Nm3/h、生成した水素の内、水素透過受容室に透過した水素は0.203Nm3/hであり、水素透過フラックスは0.161kg−mol/h−H2/m2であった。第一の水素生成装置及び第二の水素生成装置で得られた水素は、合計0.682Nm3/hであった。また、第一の水素生成装置におけるリフォーミング触媒1のW/Fの値は、25.4kg−Cat/kg−mol/h−H2であった。第二の水素生成装置におけるリフォーミング触媒1のW/Fの値は、25.4kg−Cat/kg−mol/h−H2であった。
上記生成水素の値は、原料天然ガス転換率として、第一の水素生成装置では56.8%、第二の水素生成装置では20.4%、合計77.2%に相当するものであった。また、前記(9)式で定義される冷ガス効率の第一の水素生成装置と第二の水素生成装置との合計は73.6%であった。こうして、燃料電池システムBの運転を行い、燃料電池システムBの発電効率を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例3)
図4に示す燃料電池システム600と同一の構成からなる、燃料電池システムCを製作し発電試験を行った。減圧部には、2台のターボIDF(以下、単にIDFという)を直列に設置した。2台のIDFの内、上流側を第一のIDF、下流側を第二のIDFとした。燃料電池、第一の水素生成装置、第二の水素生成装置、触媒燃焼装置、水蒸気発生装置はいずれも実施例1と同じ仕様とした。
原料の軽質炭化水素として、天然ガスを用いた。原料天然ガス0.274Nm3/hを複合予熱器で400℃に加熱後、第一の水素生成装置の触媒反応室に供給した。空気を複合予熱器で400℃に加熱後、0.402Nm3/hで予熱済酸素を第一の水素生成装置の触媒反応室に供給し、0.181Nm3/hで予熱済酸素を第二の水素生成装置の触媒反応室に供給した。水蒸気発生装置で発生した水蒸気(温度170.6℃、圧力803.3kPa)を複合予熱器で400℃に加熱後、0.411Nm3/hで予熱済水蒸気をプロセススチームとして第一の水素生成装置の触媒反応室に供給した。また、補助燃料としての触媒燃焼装置への天然ガスの供給は行わなかった。触媒燃焼装置における燃焼ガス基準SVは、1208(m3/h)/m3−Catであり、複合予熱器への伝熱量は599kJ/h(143kcal/h)であった。その他のプロセス条件は表2に示す値とし、第一のIDF及び第二のIDFを起動し、第一の水素生成装置の透過水素受容室及び第二の水素生成装置の透過水素受容室を減圧しながら燃料電池システムCの運転を行った。
第一の水素生成装置の触媒反応室で生成した水素は0.523Nm3/h、生成した水素の内、水素透過受容室に透過した水素は0.472Nm3/hであり、水素透過フラックスは0.175kg−mol/h−H2/m2であった。第二の水素生成装置で生成した水素は0.252Nm3/h、生成した水素の内、水素透過受容室に透過した水素は0.210Nm3/hであり、水素透過フラックスは0.167kg−mol/h−H2/m2であった。第一の水素生成装置及び第二の水素生成装置で得られた水素は、合計0.682Nm3/hであった。また、第一の水素生成装置におけるリフォーミング触媒1のW/Fの値は、25.8kg−Cat/kg−mol/h−H2であった。第二の水素生成装置におけるリフォーミング触媒1のW/Fの値は、24.9kg−Cat/kg−mol/h−H2であった。
上記生成水素の値は、原料天然ガス転換率として、第一の水素生成装置では55.6%、第二の水素生成装置では20.6%、合計76.2%に相当するものであった。また、前記(9)式で定義される冷ガス効率の第一の水素生成装置と第二の水素生成装置との合計は74.4%であった。こうして、燃料電池システムCの運転を行い、燃料電池システムCの発電効率を測定し、その結果を表2に示す。なお、表2中、「付属機器消費動力」の内、第一空気ブロワ及び第二空気ブロワの消費動力は、合計値を「空気ブロア」として記載した。また、第一のIDF及び第二のIDFの消費動力は、合計値を「IDF」として記載した(実施例4において同じ)。
(実施例4)
図5に示す燃料電池システム700と同一の構成からなる、燃料電池システムDを製作し発電試験を行った。減圧部には、2台のIDFを直列に設置した。2台のIDFの内、上流側を第一のIDF、下流側を第二のIDFとした。燃料電池、第一の水素生成装置、第二の水素生成装置、触媒燃焼装置、水蒸気発生装置はいずれも実施例1と同じ仕様とした。
原料の軽質炭化水素として、天然ガスを用いた。原料天然ガス0.266Nm3/hを複合予熱器で400℃に加熱後、第一の水素生成装置の触媒反応室に供給した。純酸素を複合予熱器で450℃に加熱後、0.082Nm3/hで予熱済酸素を第一の水素生成装置の触媒反応室に供給し、0.034Nm3/hで予熱済酸素を第二の水素生成装置の触媒反応室に供給した。水蒸気発生装置で発生した水蒸気(温度170.6℃、圧力803.3kPa)を複合予熱器で450℃に加熱後、0.400Nm3/hで予熱済水蒸気をプロセススチームとして第一の水素生成装置の触媒反応室に供給した。また、補助燃料としての触媒燃焼装置への天然ガスの供給は行わなかった。触媒燃焼装置における燃焼ガス基準SVは、1053(m3/h)/m3−Catであり、複合予熱器への伝熱量は507kJ/h(121kcal/h)であった。その他のプロセス条件は表2に示す値とし、第一のIDF及び第二のIDFを起動し、第一の水素生成装置の透過水素受容室及び第二の水素生成装置の透過水素受容室を減圧しながら燃料電池システムDの運転を行った。
第一の水素生成装置の触媒反応室で生成した水素は0.552Nm3/h、生成した水素の内、水素透過受容室に透過した水素は0.497Nm3/hであり、水素透過フラックスは0.185kg−mol/h−H2/m2であった。第二の水素生成装置で生成した水素は0.232Nm3/h、生成した水素の内、水素透過受容室に透過した水素は0.185Nm3/hであり、水素透過フラックスは0.148kg−mol/h−H2/m2であった。第一の水素生成装置及び第二の水素生成装置で得られた水素は、合計0.682Nm3/hであった。また、第一の水素生成装置におけるリフォーミング触媒1のW/Fの値は、24.4kg−Cat/kg−mol/h−H2であった。第二の水素生成装置におけるリフォーミング触媒1のW/Fの値は、27.1kg−Cat/kg−mol/h−H2であった。
上記生成水素の値は、原料天然ガス転換率として、第一の水素生成装置では59.3%、第二の水素生成装置では18.5%、合計77.8%に相当するものであった。また、前記(9)式で定義される冷ガス効率の第一の水素生成装置と第二の水素生成装置との合計は75.2%であった。こうして、燃料電池システムDの運転を行い、燃料電池システムDの発電効率を測定し、その結果を表2に示す。
表1の実施例1の結果に示すように、燃料電池システムAに投入されたエネルギーは、原料天然ガス+補助燃料天然ガスであり、その熱量は3.627kWであった。燃料電池システムAのPEFC燃料電池スタックからの発電端出力(直流)は1.223kWであり、インバーター(直流→交流変換器)ロスは0.122kWであった。また、燃料電池システムAを構成する空気ブロワ等の付属機器の消費動力は0.093kW、回収動力(ガスタービン)は0.102kWであった。以上のバランスにより、燃料電池システムAの送電端出力(交流)として1.109kWが得られ、燃料電池システムAの送電端効率は30.6%であった。PEFC燃料電池スタック、含水素流体及び残存ガスを冷却することにより生産された温水(65℃)は32.28kg/hであり、この値は熱量換算で1.572kWに相当し、温水生産効率として43.3%であった。従って、総合熱効率(送電端効率+温水生産率)の値として73.9%が得られた。
表1の実施例2の結果に示すように、燃料電池システムBに投入されたエネルギーは、原料天然ガスであり、その熱量は3.100kWであった。燃料電池システムBのPEFC燃料電池スタックからの発電端出力(直流)は1.223kWであり、インバーター(直流→交流変換器)ロスは0.122kWであった。また、燃料電池システムBを構成する空気ブロワ等の付属機器の消費動力は0.026kW、回収動力(ガスタービン及びスチームタービン)は0.079kWであった。以上のバランスにより、燃料電池システムBの送電端出力(交流)として1.153kWが得られ、燃料電池システムBの送電端効率は37.2%であった。PEFC燃料電池スタック、含水素流体及び残存ガスを冷却することにより生産された温水(65℃)は20.38kg/hであり、この値は熱量換算で0.991kWに相当し、温水生産効率として32.0%であった。従って、総合熱効率(送電端効率+温水生産率)の値として69.2%が得られた。
表2の実施例3の結果に示すように、燃料電池システムCに投入されたエネルギーは、原料天然ガスであり、その熱量は3.117kWであった。燃料電池システムCのPEFC燃料電池スタックからの発電端出力(直流)は1.223kWであり、インバーター(直流→交流変換器)ロスは0.122kWであった。また、燃料電池システムCを構成する空気ブロワ、IDF等の付属機器の消費動力は0.142kW、回収動力(ガスタービン及びスチームタービン)は0.138kWであった。以上のバランスにより、燃料電池システムCの送電端出力(交流)として1.097kWが得られ、燃料電池システムCの送電端効率は35.2%であった。PEFC燃料電池スタック、水素及び残存ガスを冷却することにより生産された温水(65℃)は17.47kg/hであり、この値は熱量換算で0.855kWに相当し、温水生産効率として27.4%であった。従って、総合熱効率(送電端効率+温水生産率)の値として62.6%が得られた。
表2の実施例4の結果に示すように、燃料電池システムDに投入されたエネルギーは、原料天然ガスであり、その熱量は3.031kWであった。燃料電池システムDのPEFC燃料電池スタックからの発電端出力(直流)は1.223kWであり、インバーター(直流→交流変換器)ロスは0.122kWであった。また、燃料電池システムDを構成する空気ブロワ、IDF等の付属機器の消費動力は0.092kW、回収動力(ガスタービン及びスチームタービン)は0.077kWであった。以上のバランスにより、燃料電池システムDの送電端出力(交流)として1.085kWが得られ、燃料電池システムDの送電端効率は35.8%であった。PEFC燃料電池スタック、水素及び残存ガスを冷却することにより生産された温水(65℃)は16.67kg/hであり、この値は熱量換算で0.821kWに相当し、温水生産効率として27.1%であった。従って、総合熱効率(送電端効率+温水生産率)の値として62.9%が得られた。
上述のとおり、実施例1〜4はいずれも送電端効率が30%を超えており、燃料電池システムA〜Dはエネルギー効率の高いシステムであるといえる。加えて、実施例1に比べ実施例2の方が送電端効率が高く、実施例3に比べて実施例4の方が送電端効率が高いことから、触媒反応室に送る空気を純酸素に換えることで、燃料電池システムのエネルギー効率の向上が図れることが判った。さらに、実施例1に比べて実施例3は65℃温水生産効率が低く、実施例2に比べて実施例4は65℃温水生産効率が低いことから、減圧部により透過水素受容室を減圧することで、温水製造に利用されるエネルギーを低減できることが判った。即ち、燃料電池システムのエネルギーの需要パターン(送電端効率又は温水生産効率)に応じて、実施例1〜4の内、最適なシステムを適用できることが判った。