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JP5497312B2 - フレキシブルプリント配線基板 - Google Patents
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Description

本発明はフレキシブルプリント配線基板に関する。
フォトレジスト材料は、電子材料の小型化、薄型化を成し得る上で必要不可欠な材料として、半導体製造工程や液晶などの回路基板製造などの分野で幅広く用いられている。このフォトレジスト材料は感光システムの違いから、活性光線を照射した部分が像として残るネガ型と活性光線を照射していない部分を像として残すポジ型とに分けられる。このうちポジ型のフォトレジスト材料は、一般的に解像度やパターン転写性に優れているという利点がある。これらのフォトレジスト材料は、ベースとなる樹脂、主に活性光線により酸を発生する化合物(以下感光剤と表記する)及び種々の添加剤から構成される。
感光剤として、キノンジアジド化合物を用いたポジ型感光性樹脂組成物が種々報告されている。例えば、ベース樹脂にノボラック樹脂を用いたポジ型感光性樹脂組成物は、高い溶解コントラストを示し、主に半導体製造工程のエッチング用マスクとして用いられている(例えば、特許文献1、非特許文献1、2参照)。
またベース樹脂にポリイミド樹脂やポリイミド前駆体樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を用いたポジ型感光性樹脂組成物は、ポリイミド樹脂やポリベンゾオキサゾール樹脂由来の高い耐熱性や電気的信頼性から、主に半導体チップのコーティング用樹脂や基板材料の保護材として用いられている(例えば、特許文献2、3、4、非特許文献1参照)。
これらのポジ型感光性樹脂組成物を用いた樹脂パターンは、例えば以下の工程により形成される。1)ポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布する、2)脱溶剤を行う、3)パターンを付したマスクを介して活性光線を照射する、4)現像液により現像する、5)リンス液により洗浄する、6)機能を発現させる為にベイクを行う。
上記の工程により所定の樹脂パターンを得ることができるが、ベイクを施すことで、感光剤の化学変化に伴い内部応力が高くなり、基板が反る、樹脂パターンが脆くなるなどの問題が発生する。特にポジ型感光性樹脂組成物をフレキシブル基板の被覆材に用いる場合、反りにより電子部品との接合に不良が発生する、折り曲げたときに被覆材が割れてしまうなどの問題を生じる為、ベイクにより得られる樹脂パターンの性質を制御する必要が生じる。一方、環状オレフィン樹脂、キノンジアジド化合物及び架橋剤からなる感光性組成物が開示されている(例えば、特許文献5、6参照)。当該特許文献では、現像工程及びリンス工程で樹脂パターンを得た後に、得られたパターンの全面に活性光線を照射し、280℃以下で熱硬化を施す。つまりパターン全面への活性光線照射によって、残存しているキノンジアジドをインデンカルボン酸に転移させ、次いで280℃以下での加熱により、環状オレフィン樹脂由来のカルボン酸及びインデンカルボン酸と架橋剤を反応させ、三次元架橋構造を形成させる。当該技術により光透過性や耐薬品性は向上するものの、架橋構造を形成することから機械物性や、フレキシブルプリント配線板(以下、FPCとする)に樹脂層を形成した時に反りが大きくなるなどの懸念が生じた。
特開平8−272091号公報 特開昭52−13315号公報 特開平3−209478号公報 特開昭56−27140号公報 特開2006−98984号公報 特開2006−106530号公報
「電子部品用感光性材料の最新動向」 住ベテクノリサーチ社 Diazonaphthoquinone−Based ResistsSPIE‘s1991Symposium on Microlithography
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ポジ型感光性樹脂組成物における現像及びリンス工程の後に、得られた線像の全面に活性光線を照射し、感光剤の分解を短時間で行うことにより、ベイク工程にかかる時間を短縮化することで、反低減し、機械物性向上、溶剤耐性改善されたフレキシブルプリント配線基板を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討を進めた結果、現像及びリンス工程の後に、得られた線像の全面に活性光線を照射することにより、前記課題を解決するに至った。
すなわち、本発明の目的は次の構成により達成できる。
本発明のフレキシブルプリント配線基板は、(1)ポジ型感光性樹脂組成物をフィルム基材に塗布し、次いで脱溶剤し感光性ドライフィルムを作る工程と、(2)前記感光性ドライフィルムを、パターンを配した基板上に圧着し感光層を形成する工程と、(3)前記感光層に、マスクを通して活性光線を照射する工程と、(4)前記感光層をアルカリ水溶液により現像する工程と、(5)前記感光層を水及び酸性水溶液からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒によりリンスする工程と、(6)前記感光層の全体に活性光線を照射する工程と、(7)100℃〜400℃でキュアする工程とを具備する樹脂パターンの製造方法により得られたカバーレイと、回路基板とを具備することを特徴とする。
本発明のフレキシブルプリント配線基板は、前記カバーレイの膜厚が30μm以下であり、波長500nmにおける光線吸収が0.7以下であり、ガラス転移点が110℃以下であることが好ましい。
本発明によれば、ポジ型感光性樹脂組成物におけるベイク工程にかかる時間を短縮化することにより、反低減され、機械物性向上、溶剤耐性改善されたフレキシブルプリント配線基板を提供することができる。
(樹脂パターンの製造)
本発明では、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて感光性ドライフィルムを作製し、樹脂パターンを形成させることができる。当該樹脂パターンは以下の工程で形成することができる。
(1)ポジ型感光性樹脂組成物をフィルム基材に塗布し、次いで脱溶剤し感光性ドライフィルムを作る工程
感光性ドライフィルムは、支持フィルム(フィルム基材)にポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、溶媒を乾燥させ感光層を形成することにより得られる。支持フィルムとしては低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、エチレン/シクロデセン共重合体(三井化学社製、商品名:APEL)等を用いることができる。これらの支持フィルムには、ポジ型感光性樹脂組成物の濡れ性や、該ポジ型感光性樹脂組成物から得られる感光層の剥離性を制御する目的で、表面処理を行うことが可能である。表面処理方法としては、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、シリコーンやアルキッド樹脂などを用いた表面改質などが挙げられる。またキャリアフィルムの厚みは、塗工性、付着性、ロール性、強靱性、コスト等を考慮し、通常15μm〜100μm、好ましくは15μm〜75μmである。
ポジ型感光性樹脂組成物の塗布は、上記の支持フィルムにリバースロールコーターやグラビアロールコーター、コンマコーター、リップコーター、スロットダイコーターなど公知の方法を用いて行うことが出来る。
脱溶剤は、溶剤の乾燥(熱風乾燥や遠赤外線、近赤外線を用いた乾燥機)により、行うことができる。乾燥温度は分子量低下の抑止の観点より、温度50℃〜120℃が好ましく、感光剤の安定性の観点より、50℃から110℃がさらに好ましい。脱溶剤により得られた感光層の膜厚は、5μm〜100μmが好ましく、より好ましくは5μm〜50μmである。膜厚は、絶縁信頼性の観点から5μm以上が好ましく、良好な線像を得るという観点から100μm以下が好ましい。
また、感光性ドライフィルムにカバーフィルムを積層させ、感光性積層フィルムとすることができる。カバーフィルムを積層させることで、感光層の支持フィルムへの接着を防止することができる。カバーフィルムとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、エチレン/シクロデセン共重合体(三井化学社製、商品名:APEL)を用いることができる。
(2)感光性ドライフィルムを、パターンを配した基板上に圧着し感光層を形成する工程
感光性ドライフィルムをFPC等の回路形成された面(パターンを配した基板上)に重ね合わせ、平面ラミネートやロールラミネート、真空プレス等の公知の方法により、40℃〜130℃、好ましくは60℃〜120℃に加熱しながら、0.2MPa〜5MPaの圧力でラミネート(圧着)することで感光層を積層することができる。
このとき感光性ドライフィルムがカバーフィルムを積層した感光性積層フィルムの場合、ラミネート前にカバーフィルムを剥す。ラミネート可能温度を40℃以上とする事でラミネート前の位置合わせ時にタックにより手間取る事が無くなり、130℃以下とすることにより感光剤の分解が進行せずにラミネートすることが可能となる。なお、ラミネート可能温度とは、気泡残り等の問題がなく、パターンへの埋め込みが充分にできると同時に、ポジ型感光性樹脂組成物が流れすぎてパターンの外に流れ出さない粘度に感光層を制御することが可能な温度を意味する。
また、感光層のガラス転移点(以下Tg)をラミネート温度より低くすることにより、感光性ドライフィルムのラミネートを好適に行うことが出来る。感光層のラミネート後、支持フィルムは、剥しても剥さなくても良い。ラミネート後に支持フィルムを剥さない場合は、露光工程後に剥す。
(3)感光層に活性光線を照射する工程
感光層は、微細孔や微細幅ラインを形成するため、任意のパターンが描かれたフォトマスクを通して露光される。露光量は、ポジ型感光性樹脂組成物の組成により異なるが、通常100mJ/cm2〜3,000mJ/cm2である。この時使用される活性光線としては、例えばX線、電子線、紫外線、可視光線等が挙げられる。活性光線の光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ等を使用することができる。本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。活性光線を照射する方法としては、密着露光、投影露光のいずれの方法でもよい。
(4)アルカリ水溶液により現像する工程
露光後、現像液を用い、浸漬法、スプレー法などの公知の方法にて現像を行い、線像を得ることができる。現像液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液等のアルカリ水溶液が使用できる。また本工程では、現像液を加熱しながら現像を行うことが好ましい。現像温度を管理することで、現像時間をコントロールでき、得られる線像の形状を保持できる。これらの観点より現像液の温度は、20℃〜60℃が好ましく、25℃〜50℃がさらに好ましい。
(5)水及び酸性水溶液からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒によりリンスする工程
現像後は、浸漬法、スプレー法などの公知の方法にて洗浄を行う。リンス液としては、水や水に有機溶剤を添加したものを用いることができる。本工程では、リンス液を適切な温度に保持することが好ましい。これにより現像後に基板や樹脂上の残渣を取り除くことが可能である。リンス液の温度としては残渣除去の観点から20℃〜60℃が好ましく、25℃〜50℃がさらに好ましい。リンス液での洗浄後、無機酸水溶液または有機酸水溶液により洗浄を行っても良い。無機酸水溶液としては、具体的には塩酸水溶液、硫酸水溶液、リン酸水溶液、ホウ酸水溶液が挙げられる。有機酸水溶液としては、具体的にはギ酸水溶液、酢酸水溶液、クエン酸水溶液、乳酸水溶液などが挙げられる。無機酸水溶液または有機酸水溶液での洗浄時間は、洗浄効率の観点から、5秒〜120秒が好ましく、10秒〜60秒がさらに好ましい。酸性水溶液でリンスを行う場合、その後、水により酸性水溶液を洗い流すことが好ましい。
(6)感光層の全体に活性光線を照射する工程
リンス工程後、得られた線像の全面に活性光線を照射し線像を得る。本工程により感光剤を分解させることで、その後のキュア工程にかかる時間を短縮化することができる。さらにキュア工程後に得られる樹脂パターンの光線透過率を高めることが可能となる。
また、本工程により、感光剤由来の基板と感光層間にかかる残留応力を低減でき、樹脂パターン製造工程で得られるFPCや多層プリント配線板の反りを低減し、耐折性を高めることが可能となる。本工程で照射する露光量は、用いる感光剤の種類や感光層の膜厚により異なるが、通常100mJ/cm2〜3,000mJ/cm2である。感光剤にナフトキノンジアジド化合物を用い、感光層の膜厚が25μmの場合、感光剤の光分解の観点から500mJ/cm以上が好ましい。この時使用される活性光線としては、例えばX線、電子線、紫外線、可視光線等が挙げられる。活性光線の光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどを使用することができる。これらの中でも水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。また、必要に応じて、加熱をしながら活性光線を照射することが可能である。作業性の観点から加熱温度は30℃〜130℃が好ましく、40℃〜100℃がさらに好ましい。
(7)100〜400℃でキュアする工程
前記工程によって得られた線像に、キュア(ベイク)を行うことにより樹脂パターンが形成される。ベイクは、100℃〜400℃の温度で5分〜5時間、連続的又は段階的に行われる。そして、加工品が出来上がる。FPCの場合、配線の酸化防止の観点より100℃〜200℃、0.5時間〜2時間の温度範囲でキュアすることが好ましい。
このようにして得られる加工品としては、FPC、多層プリント配線板などが挙げられる。
上記樹脂パターンの製造方法で得られたカバーレイは、膜厚が30μm以下で500nmにおける光線吸収が0.7以下となる。上記樹脂パターンの製造方法では、キュアの前に感光剤を化学変化させることから、キュア工程で感光剤の重合反応や感光剤とアルカリ溶解性樹脂との架橋反応を抑制できる。結果として、キュア工程により得られるカバーレイの光線吸収を低下させ、アルカリ溶解性樹脂本来の色に近付けることができる。さらに、カバーレイのガラス転移点を110℃以下に低下させ、FPCの反りを低減させることが可能となる。
一方、アルカリ現像工程により得られた線像にそのままキュアを施すと、感光剤の加熱による重合反応や感光剤とアルカリ溶解性樹脂との架橋反応を起こし、得られるカバーレイが重合物の影響で赤褐色に着色する。また、重合反応及び架橋反応により、カバーレイのガラス転移点が高くなり、FPCの反りが大きくなる。
(ポジ型感光性樹脂組成物)
本発明に関わるポジ型感光性樹脂組成物は、ベース樹脂としてアルカリ可溶性樹脂を用いる。
A)アルカリ可溶性樹脂
アルカリ可溶性樹脂とは、水酸化ナトリウム水溶液や炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液に溶解する樹脂のことである。アルカリ可溶性樹脂としては、例えばカルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有したポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。これらの中でもベイク後の機械物性や耐熱性、耐薬品性の観点から、カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有したポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が好ましい。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂として、具体的には、下記一般式(1)で示される構造を有する有機溶剤に溶解するポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
Figure 0005497312
(式中、R、R、Rは4価の有機基を表し、同じであっても異なっていても良い。Rは炭素数1以上20以下の炭化水素基を表す。Rはアルカリ溶解性官能基を少なくとも一つ以上有する2価の有機基を表す。aは3以上20以下の整数を表す。bは1以上10以下の整数を表す。cは1以上20以下の整数を表す。x+y+z=100かつ0.001≦x/(x+y+z)≦0.9、0<y<99.999、0<z<99.999である。)
また、本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂は、下記一般式(2)で示されるポリイミド部位及び下記一般式(3)で示されるポリイミド前駆体部位を有する構造であることが好ましい。
Figure 0005497312
(式中、Rは炭素数1〜炭素数50の4価の有機基を表す。Rは炭素数1〜炭素数30の2価の有機基を表す。Rは炭素数1〜炭素数30の1価の有機基を表す。dは1以上30以下の整数を表す。)
Figure 0005497312
(式中、Rは炭素数1〜炭素数50の4価の有機基を表す。R10は炭素数1〜炭素数80の2価の有機基を表す。)
また、本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂は、下記一般式(4)で示されるポリイミド前駆体部位を有することが好ましい。
Figure 0005497312
(R11は4価の有機基を表す。R12は2価の有機基を表す。R13、R14は炭素数1〜炭素数20の有機基または水素を表す。R13、R14の一方が炭素数1〜炭素数20の有機基の場合、他方は水素を表す。)
カルボキシル基やフェノール性水酸基を有したポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂は公知の方法を用いて合成することができる(例えば最新ポリイミド〜基礎と応用〜第一章 ポリイミドの合成方法)。
1)ポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体樹脂
本発明に用いられるポリイミド樹脂及びポリイミド前駆体樹脂は、酸二無水物とジアミンから合成される。
カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有したポリイミド樹脂酸無水物を合成する場合、酸二無水物としては、具体的にはピロメリット酸二無水物、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、メタ−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−カルボキシメチル−2,3,5−シクロペンタトリカルボン酸−2,6:3,5−二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、プロピレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ブタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ペンタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、デカンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)などが挙げられる。
これらの中で、ポリイミドの溶剤溶解性、低Tg化の観点から、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、プロピレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ブタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ペンタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、デカンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物が好ましい。ここで、溶媒溶解性とは、ポリイミドが公知の有機溶媒に5質量%以上の濃度で溶解する性質を有するものを指す。
カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有したポリイミド樹脂に用いられるジアミンについて説明する。ジアミンとしては、アルカリ溶解性官能基を有するジアミン及び/又はその他のジアミンが挙げられる。
アルカリ溶解性官能基とは、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基などの公知のアルカリに溶解する官能基であれば、限定されない。その中で、活性光線の未露光部の溶解抑止の観点から、カルボキシル基、フェノール性水酸基が好ましい。本発明におけるフェノール性水酸基とは、水酸基が直接芳香環に結合している構造に由来する官能基である。具体的には、フェノール、カテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、1−ナフトール、2−ナフトールなど芳香環に水酸基が直接結合した化合物に由来する官能基などが挙げられる。
芳香族性水酸基を有するジアミンとしては、1,2−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,4−ジアミノ−6−ヒドロキシベンゼン、1,5−ジアミノ−6−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼン、1,2−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、4−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、3−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、2−(3,5−ジアミノフェノキシ)フェノール、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)メタン、4−[(2,4−ジアミノ−5−ピリミジニル)メチル]フェノール、p−(3,6−ジアミノ−s−トリアジン−2−イル)フェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−アミノフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ジフルオロメタンなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するジアミンとしては、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジアミノ安息香酸などが挙げられる。
ジアミンの中でも、アルカリ溶解性及び反応の容易さなどから3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジアミノ安息香酸が好ましい。
その他ジアミンとしては、1,n−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,7−ジアミノ−ジメチルジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5−アミノ−1−(4−アミノメチル)−1,3,3−トリメチルインダン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、下記一般式(5)で表されるジアミノシロキサン化合物などが挙げられる。
Figure 0005497312
(R15はそれぞれ独立に−CHまたは−Cを表す。a、b、cはそれぞれ独立に1〜20の整数を表す。)
アルカリ可溶性樹脂としてポリイミド前駆体を合成する場合、酸二無水物としては、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物などを挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボンサン二無水物、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、プロピレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ブタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ペンタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、デカンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上を用いてもよい。
これらの酸二無水物のうち、感光層をベイクすることにより得られるフィルムのガラス転移温度を下げるという観点から、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、プロピレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ブタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ペンタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、デカンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)が好ましい。
ポリイミド前駆体に用いるジアミンとしては、具体的には、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,7−ジアミノ−ジメチルベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,n−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5(6)−アミノ−1−(4−アミノメチル)−1,3,3−トリメチルインダン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,6−ジヒドロキシ−1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(4'−アミノフェノキシ)ペンタン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン、下記一般式(6)で表されるジアミノシロキサン化合物などが挙げられる。
Figure 0005497312
(R16はそれぞれ独立に−CH、または−Cを表す。a、b、cはそれぞれ独立に1〜20の整数を表す。)
ポリイミド樹脂及びポリイミド前駆体樹脂のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の仕込み比を調節することによって、生成するポリイミド樹脂の分子量や末端構造を調節することができる。好ましい全テトラカルボン酸二無水物と全ジアミンのモル比は、0.90〜1.10である。
2)ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂
本発明に用いられるポリベンゾオキサゾール樹脂及び、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂は、芳香族ジカルボン酸とジアミンとを反応させることにより得られる。芳香族ジカルボン酸としては、具体的には、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフオン−4,4‘−ジカルボン酸、1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−2,2’−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸は単独でも二種以上同時に用いてもよい。
ジアミンとしては具体的には、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,7−ジアミノ−ジメチルベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,n−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5(6)−アミノ−1−(4−アミノメチル)−1,3,3−トリメチルインダン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,6−ジヒドロキシ−1,3−フェニレンジアミン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(4'−アミノフェノキシ)ペンタン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン、前述の一般式(6)で表されるジアミノシロキサン化合物などが挙げられる。これらのジアミンは単独でも、二種以上同時に用いても良い。
本発明のポリベンゾオキサゾール樹脂及びポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の仕込み比を調節することによって、生成するポリイミド樹脂の分子量や末端構造を調節することができる。好ましい全芳香族ジカルボン酸と全ジアミンのモル比は、0.90〜1.20である。
B)感光剤
本発明に関わるポジ型感光性樹脂組成物は、感光剤として活性光線を照射することにより酸を発生する化合物が配合される。当該感光剤は活性光線の照射により酸を発生すれば特に限定されるものではないが、中でもベンゾキノンジアジド化合物、ナフトキノンジアジド化合物が好ましい。例えば米国特許第2797213号明細書、米国特許第3669658号明細書に記載のものを用いることができる。その中でも、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸又は、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る感光剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して5質量部〜30質量部が好ましく、10質量部〜20質量部がさらに好ましい。感光剤の配合量は、感光性発現の点から5質量部以上、感度の点から30質量部以下が好ましい。
C)有機溶剤
本発明に用いる有機溶剤には、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシドが挙げられる。また、必要に応じて、これらの溶剤よりも低沸点である溶剤を配合することができる。低沸点溶剤を配合することにより、乾燥時の発泡を抑制することができる。低沸点溶剤としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール又はヘキシレングリコール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、トリオキサン、ジエチルアセタール、1,2−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、安息香酸メチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート等のエステル類、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びジエチルベンゼン等の炭化水素類が挙げられる。有機溶剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、25質量部から900質量部が好ましく、100質量部から400質量部がさらに好ましい。配合量が900質量部よりも多いと、塗工後に膜厚保持が困難になり、30質量部よりも少ないと、アルカリ溶解性樹脂が完全に溶解しない。
D)溶解抑止剤
本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物には必要に応じて溶解抑止剤を配合することができる。溶解抑止剤を配合することで、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像液への溶解を抑止することができる。本発明に係る溶解抑止剤とは、アルカリ可溶性樹脂のカルボキシル基やフェノール性水酸基と水素結合する化合物をいう。アルカリ可溶性樹脂のカルボキシル基やフェノール性水酸基が溶解抑止剤と水素結合することで現像液から遮蔽され、溶解を抑止することが可能となる。
カルボキシル基やフェノール性水酸基と水素結合する基を有する化合物としては、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、アミド化合物、ウレア化合物などが挙げられる。アルカリ水溶液への溶解抑止効果及び保存安定性の観点より、下記一般式(7)で表される化合物が好ましく、アミド化合物、ウレア化合物がさらに好ましい。
Figure 0005497312
(R17およびR18は炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子の全て又は一部からなる有機基を表す。R17およびR18は同一でも異なっていても良い。)
アミド化合物としては、例えば、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミド、N,N−ジメチルブチルアミド、N,N−ジブチルアセトアミド、N,N−ジプロピルアセトアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N’−ジメトキシ−N,N’−ジメチルオキサミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、4−ヒドロキシフェニルベンズアミド、サリチルアミド、サリチルアニリド、アセトアニリド、2’−ヒドロキシフェニルアセトアニリド、3’−ヒドロキシフェニルアセトアニリド、4’−ヒドロキシフェニルアセトアニリドが挙げられる。
中でも、感光層及び該感光層をベイクすることで得られたフィルムの低ガラス転移点化、感光層の高感度化、高残膜率化の観点より、フェノール性水酸基を含有するアミド化合物がより好ましい。具体的には、4−ヒドロキシフェニルベンズアミド、2‘−ヒドロキシアセトアニリド、3’−ヒドロキシアセトアニリド、4’−ヒドロキシアセトアニリドが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ウレア化合物としては、例えば、1,3−ジメチルウレア、テトラメチルウレア、テトラエチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、3−ヒドロキシフェニルウレアが挙げられる。中でも、高感度化、高残膜率化、感光層及び該感光層をベイクすることにより得られたフィルムの低ガラス転移点化の観点より、フェノール性水酸基を含有するウレア化合物がより好ましい。具体的には3−ヒドロキシフェニルウレアが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る溶解抑止剤は、アミド化合物を用いる場合、アルカリ可溶性樹脂のカルボキシル基およびフェノール性水酸基1molに対して、溶解抑止効果発現の点から0.1mol〜2.0molを配合することが好ましく、0.15mol〜1.5mol配合することがより好ましい。
本発明に用いられる溶解抑止剤は、ウレア化合物を用いる場合、アルカリ可溶性樹脂のカルボキシル基およびフェノール性水酸基1molに対して、溶解抑止効果発現の点から0.1mol〜2.0molが好ましい。溶解抑止効果発現及び現像、リンス工程後のベイクで得られる樹脂の機械物性の観点から、0.15mol〜1.5mol配合することがより好ましい。
また、アミド化合物とウレア化合物の両方を用いる場合には、アミド化合物とウレア化合物の総量が、溶解抑止効果の観点から、アルカリ可溶性樹脂のカルボキシル基およびフェノール性水酸基1molに対して、0.1mol〜1.5molの範囲が好ましい。
E)フェノール化合物
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には必要に応じてフェノール化合物を配合することが出来る。フェノール化合物は、ベイク後のフィルムと基板から成るシートの反りの低減およびアルカリ溶解性制御の観点から、下記一般式(8)で示される化合物および下記一般式(9)の構造を含む化合物が好ましい。
Figure 0005497312
(R19およびR20はそれぞれ独立に水素原子または炭素原子1〜炭素原子50および酸素原子0〜酸素原子10からなる有機基を表す。Xはそれぞれ独立に水素原子または水酸基または炭素数1〜炭素数20の有機基を表す。)
Figure 0005497312
(R21およびR23はそれぞれ独立に炭素数1〜炭素数6の有機基を表し、R22は結合基または炭素数1〜炭素数20の有機基を表す。)
具体的には、ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジオキシフェノール、1,4−ビス−(3−ヒドロキシフェノキシ)−ベンゼン、1,3−ビス−(4−ヒドロキシフェノキシ)−ベンゼン、1,5−ビス−(o−ヒドロキシフェノキシ)−3−オキサペンタン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼンなどの2核体、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(ヒドロキシフェニル)エタン、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル}フェノールなどの3核体、下記構造式(a)〜構造式(h)で示される多核体などが挙げられる。これらのフェノール化合物は単独で用いても2種類以上組み合わせて用いても良い。
Figure 0005497312
本発明に関わるフェノール化合物の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、1質量部から30質量部が好ましく、5質量部から20質量部がさらに好ましい。配合量が1質量部よりも多いと、反りの低減効果およびアルカリ溶解性制御が容易になり、30質量部よりも少ないと、脱溶剤工程後に得られた感光性ドライフィルムの感光層が強靭になる。
F)可塑剤
本発明に関わるポジ型感光性樹脂組成物には、可塑剤として、下記一般式(10)で示される化合物も好適に用いることができる。
Figure 0005497312
(R24〜R26は、エチレングリコール鎖および/またはプロピレングリコール鎖を含む有機基であり、それぞれ同一でも異なっても良い。)
具体的には下記構造式(i)、(j)で示される化合物が挙げられるが、これに限られたものではない。
Figure 0005497312
(dは0以上の整数を表す。eは0以上の整数を表す。)
これらの化合物は単独で用いても2種類以上組み合わせて用いても良い。
本発明に関わる可塑剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、1質量部から30質量部が好ましく、1質量部から10質量部がさらに好ましい。配合量が1質量部よりも大きいと、反りの低減効果が得られ、30質量部よりも少ないと、アルカリ溶解性制御が容易となる。
G)架橋剤
本発明では、アルカリ可溶性樹脂に、カルボキシル基やフェノール性水酸基を有したポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を用いる場合、ベイク後のフィルムの機械物性を向上させる目的で、架橋剤を配合することができる。架橋剤としては下記一般式(11)で表されるテトラカルボン酸化合物又はテトラカルボン酸エステル化合物、下記一般式(12)で表されるポリアミド酸化合物又はカルボキシル基含有ポリアミド酸エステル化合物が好ましい。
Figure 0005497312
(R27は4価の有機基を表す。R28〜R31は水素または炭素数1〜炭素数20の1価の有機基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0005497312
(R32、R34、R36は4価の有機基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R33、R35は2価の有機基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R37〜R44は水素又は炭素数が1〜20の1価の有機基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。sは0〜100の整数を表す。)
本発明に係る架橋剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂の残アミノ基のモル数に対して、架橋効果発現の観点から、0.1mol〜1.5molが好ましく、0.5mol〜1.1molがより好ましい。残アミノ基量は高速液体クロマトグラフィーを用いて算出することが可能である。
H)熱塩基発生剤
本発明に係るポジ型感光性樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂にカルボキシル基および/又はフェノール性水酸基を含有するポリイミド樹脂、ポリイミド前駆体樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂を用いる場合、必要に応じて、熱塩基発生剤を含むことができる。熱塩基発生剤とは、加熱することで塩基を発生する化合物のことである。例えば、アミンなどの塩基を、スルホン酸などの酸で塩構造を作る、ジカーボネート化合物により保護する、酸クロライド化合物により保護する。それにより、室温では塩基性を発現せず安定であり、加熱により脱保護し、塩基を発生させる熱塩基発生剤とすることができる。また該熱塩基発生剤を配合することで、ポリイミド前駆体樹脂やポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂の、現像後の加熱イミド化の温度を比較的低温にすることも可能となる。
熱塩基発生剤としては、具体的にはU−CAT(登録商標) SA810、U−CAT SA831、U−CAT SA841、U−CAT SA851(以上商品名 サンアプロ社製)、N−(イソプロポキシカルボニル)−2,6−ジメチルピペリジン、N−(tert−ブトキシカルボニル)−2,6−ジメチルピペリジン、N−(ベンジロキシカルボニル)−2,6−ジメチルピペリジン、芳香族ジアミンの両方のアミンを二炭酸ジブチルで保護した化合物などが挙げられる。これらのうちポジ型感光性樹脂組成物の保存安定性、脱溶剤による安定性、アルカリ溶解性、イオンマイグレーション性の観点より、N−(イソプロポキシカルボニル)−2,6−ジメチルピペリジン、N−(tert−ブトキシカルボニル)−2,6−ジメチルピペリジン、N−(ベンジロキシカルボニル)−2,6−ジメチルピペリジン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンの両方のアミノ基を二炭酸ジブチルで保護した化合物、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)の両方のアミンを二炭酸ジブチルで保護した化合物、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタンの両方のアミノ基を二炭酸ジブチルで保護した化合物が好ましい。該化合物は、例えばChmistry Letters Vol.34、No.10(2005)に記載の公知の方法により合成できる。
本発明に関わる熱塩基発生剤の配合量は、イミド化の促進及び現像性能の観点から、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して1質量部〜30質量部が好ましく、1質量部〜20質量部がより好ましい。
I)リン酸エステル化合物
本発明に関わるポジ型感光性樹脂組成物には、必要に応じてリン酸エステル化合物を配合することができる。これらの化合物は、ポジ型感光性樹脂組成物に対して難燃剤や溶解助剤や可塑剤として作用する。
リン酸エステル化合物としては、下記一般式(13)、下記一般式(14)又は下記一般式(15)で示す化合物からなる群より選ばれた少なくとも一つの化合物を用いる。
Figure 0005497312
(式中R45は1価の有機基を表す。複数のR45はそれぞれ同一でも異なっていても良い。)
Figure 0005497312
(式中のR46は炭素数が1以上の有機基を表す。複数のR46はそれぞれ同一でも異なっていても良い。)
Figure 0005497312
(式中R47は水素又は1価の有機基を表す。)
ポジ型感光性樹脂組成物の難燃性や可塑性を改善することを考慮すると、上記一般式(13)中のR45又は上記一般式(14)中のR46がメチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、ブトキシエチル基、フェニル基、クレジル基、キシレニル基、アミノフェニル基から選ばれる有機基であることが好ましい。
また、同様に熱安定性と、ドライフィルムの反り改善効果を考慮すると、上記一般式(15)中のR47が水素、ジヒドロキシフェニル基、ジブチルヒドロキシベンジル基、(メタ)アクリレート含有有機基から選ばれる有機基であることが好ましい。さらに、樹脂ワニスとの相溶性やドライフィルム化した際の反り改善効果を考慮すると、R47は水素が好ましい。好ましい化合物としては、トリイソブチルホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、フォスファゼン化合物(FP−100)、フォスファゼン化合物(SPH−100)が挙げられる。
これらのリン酸エステル化合物は単独でも、二種以上組み合わせて配合することもできる。これらのリン酸エステル化合物の配合量は1質量部から30質量部が好ましく、1質量部から15質量部がさらに好ましい。配合量が1質量部以上だと可塑性を発現し、30質量部以下だと、ポジ型感光性樹脂組成物の活性光線を照射していない部分が、現像液に浸食されにくくなり、良好な線像を得られる。
J)有機リン化合物
本発明に関わるポジ型感光性樹脂組成物には、下記一般式(16)で表される有機リン化合物を配合することができる。当該有機リン化合物を配合することにより、ベイクにより得られた樹脂パターンに難燃性を付与することができる。
Figure 0005497312
(R48は有機基を表す。hは1〜50の整数を表す。複数のR48はそれぞれ同一でも異なっていても良い。)
これらの有機リン化合物の配合量は1質量部から30質量部が好ましく3質量部から25質量部がさらに好ましい。配合量が1質量部以上だと難燃性を発現し、30質量部以下だと、キュア工程後に得られる樹脂パターンが強靭となる。
K)その他の成分
本発明に関わるポジ型感光性樹脂組成物には、必要に応じてイミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、スルフィド化合物を配合することができる。これらの化合物を配合することによって、銅基板との接着性を改善することができる。中でもベンゾトリアゾール化合物が好ましく用いられる。
これらの化合物の配合量は0.1質量部から10質量部が好ましく、0.1質量部から5質量部がさらに好ましい。配合量が0.1質量部以上だと接着性の改善効果が得られ、10質量部以下であれば、現像性に悪影響を及ぼし良好な線像が得られる。
本発明に関わるポジ型感光性樹脂組成物には、支持フィルムとの濡れ性を向上させる目的で、必要に応じてエタノール、2−プロパノール、エチレングリコールなどのアルコール類、乳酸エチル、安息香酸メチル、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテートなどのエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類を配合することが出来る。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物はカバーレイとして使用することができる。カバーレイとは、シリコンウェハ、銅張積層板、FPCなどの上に形成された配線を保護する保護膜をいう。
(ポジ型感光性樹脂組成物ワニスの調合)
本発明に関わるポジ感光性樹脂組成物は、適当な容器内に、前記アルカリ可溶性樹脂および種々の化合物を配合し、ミックスローター、ノンバブリングニーダー、攪拌羽を具備したスリーワンモーターなどで完全に溶解するまで攪拌することで得られる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの例によって何ら限定されるものではない。
(合成例1 有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂の合成)
攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分定量計を備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素気流下にて、γ−ブチロラクトン268.5g(和光純薬工業社製)、オキシジフタル酸ニ無水物31.0g(100ミリモル)(マナック社製)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)ポリシロキサン68.5g(75ミリモル)(分子量914/信越化学工業社製)、3,5−ジアミノ安息香酸7.6g(50ミリモル)(Aldrich社製)を仕込み室温で2時間攪拌した。
γ−バレロラクトン1.5g(15ミリモル)及びピリジン2.4g(30ミリモル)、トルエン50gを上記フラスコに仕込み、180℃に昇温し、トルエン−水の共沸分を除去しながら攪拌速度180rpmで2時間攪拌した。室温放冷後、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)20.6g(50ミリモル)(新日本理化社製)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン7.3g(25ミリモル)(三井化学ファイン社製)、γ−ブチロラクトン166.2gを仕込み、室温で2時間攪拌した。その後180℃に昇温し、トルエン−水の共沸分を除去しながら攪拌速度180rpmで2時間攪拌後、放冷した。得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は25質量%であった。得られたポリイミドワニスは(A)成分含有ワニスとして用いた。
(合成例2 部分的にポリイミド化されたポリイミド前駆体の合成)
攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分定量計を備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素気流下にて、γ−ブチロラクトン67.3g(和光純薬工業社製)、トリエチレングリコールジメチルエーテル28.8g(和光純薬工業社製)、トルエン40.0g(和光純薬工業社製)、シリコンジアミン23.9g(23.9ミリモル)(KF−8010 信越化学工業社製)を加え、均一になるまで攪拌した。その後、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)16.4g(40ミリモル)(TMEG 新日本理化学工業社製)を加え、180℃に昇温し、トルエン−水の共沸分を除去しながら攪拌速度180rpmで1時間攪拌した。室温放冷後、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン4.6g(15.7ミリモル)(APB−N 三井化学ファイン社製)を加え、室温で1時間攪拌し、部分的にポリイミド化されたポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリマー溶液のポリマー濃度は30質量%であった。
(合成例3 ポリイミド前駆体溶液の合成)
窒素雰囲気下、セパラブルフラスコに、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート18.1g(14.6ミリモル)(イハラケミカル工業社製)、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート) 13.8g(43.9ミリモル)(イハラケミカル工業社製)、γ−ブチロラクトン163.0g(和光純薬工業社製)を入れ、均一溶液になるまで攪拌した。次に、4,4’−オキシジフタル酸二無水物20g(64.5ミリモル)(マナック社製)を加え、室温で1時間、その後50℃で6時間攪拌した。次に生成物を5μmのフィルターで加圧ろ過することでポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体溶液のポリマー濃度は21質量%であった。
(光線吸収及びガラス転移点の測定)
塗工:真空吸着及び加熱できる塗工台(マツキ科学社製)に電解銅箔(F2−ws(商品名)古河サーキットフォイル社製)を光沢面が上になるように置き、真空吸着させることで該銅箔を貼り付けた。該銅箔上に、ギャップが150μmのアプリケーター(マツキ科学社製)を用いてポジ型感光性樹脂組成物を塗布した。
脱溶剤:乾燥機(SPH−201、エスペック社製)で、95℃で30分の条件で脱溶剤を行い、銅箔基板の感光性ドライフィルムを得た。
現像液への暴露:スプレー式現像機により、前記感光性ドライフィルムを表1に示す条件で、現像液に暴露した。
活性光線照射(以下UV全面照射と記載):高圧水銀灯を用い、前期現像液への暴露工程で得られたフィルムに、露光量2000mJ/cmの条件で、活性光線の照射を行った。
ベイク:乾燥機(SPH−201 エスペック社製)を用いて、昇温速度5℃/min、エアー雰囲気下、表2に示す条件によりベイクを行った。
エッチング:塩化第二鉄水溶液(40ボーメ、鶴見曹達社製)を用いて、銅箔のエッチングを行った。
乾燥:エッチング後、温度23℃、湿度50%で一昼夜静置した。
光線透過率測定:紫外可視光分光光度計(V−550 日本分光社製)を用いて、前記乾燥後に得られたフィルムの光線吸収を測定した。
ガラス転移点の測定:前記乾燥後に得られたフィルムを、熱・応力・歪測定装置(TMA/SS6100、セイコーインスツルメントナノテクノロジー社製)を用いて、窒素雰囲気下(流速250cc/min)、測定範囲30℃〜200℃の条件でガラス転移点を測定した。
(反りの観察)
塗工:真空吸着及び加熱できる塗工台(マツキ科学社製)にポリイミドフィルム(Kapton EN−100(商品名)東レ・デュポン社製)を置き、真空吸着させることで該ポリイミドフィルムを貼り付けた。該ポリイミドフィルム上に、ギャップが100μmのアプリケーター(マツキ科学社製)を用いてポジ型感光性樹脂組成物を塗布した。
脱溶剤:乾燥機(SPH−201、エスペック社製)で、95℃で30分の条件で脱溶剤を行い、ポリイミドフィルム基板の感光性ドライフィルムを得た。
現像液への暴露:スプレー式現像機により、前記感光性ドライフィルムを表1に示す条件で、現像液に暴露した。
UV全面照射:高圧水銀灯を用い、前期現像液への暴露工程で得られたフィルムに、露光量2000mJ/cmの条件で、活性光線の照射を行った。
ベイク:乾燥機(SPH−201 エスペック社製)を用いて、昇温速度5℃/min、エアー雰囲気下、表2に示す条件によりベイクを行った。
反りの測定:ベイク後に得られたフィルムを長さ5cm、幅5cmに切り取り、反りを、定規を用いて測定した。
(耐折性試験)
塗工:真空吸着及び加熱できる塗工台(マツキ科学社製)にPETフィルム(T100−H25(商品名)三菱化学ポリエステルフィルム社製)を置き、真空吸着させることで該PETフィルムを貼り付けた。該PETフィルム上に、ギャップが100μmのアプリケーター(マツキ科学社製)を用いてポジ型感光性樹脂組成物を塗布した。
脱溶剤:乾燥機(SPH−201、エスペック社製)で、95℃で30分の条件で脱溶剤を行い、感光性ドライフィルムを得た。
ラミネート:過硫酸ナトリウム水溶液で予め製面した、ライン&スペースが100μm/100μmなるパターンを配したFCCLに、前記感光性ドライフィルムを、真空プレス機(名機製作所製)を用いてラミネートした。
現像液への暴露:スプレー式現像機により、前記感光性ドライフィルムを表1に示す条件で、現像液に暴露した。
UV全面照射:高圧水銀灯を用い、前期現像液への暴露工程で得られたフィルムに、露光量2000mJ/cmの条件で、活性光線の照射を行った。
ベイク:ラミネートにより得られたフィルムを表2に示す条件によりベイクを行った。
耐折性試験:ベイクにより得られたフィルムを耐折性試験機(MIT−DA 東洋精機製作所社製)を用いて評価した。
(耐溶剤性試験)
塗工:真空吸着及び加熱できる塗工台(マツキ科学社製)にPETフィルム(T100−H25(商品名)三菱化学ポリエステルフィルム社製)を置き、真空吸着させることで該PETフィルムを貼り付けた。該PETフィルム上に、ギャップが100μmのアプリケーター(マツキ科学社製)を用いてポジ型感光性樹脂組成物を塗布した。
脱溶剤:乾燥機(SPH−201、エスペック社製)で、95℃で30分の条件で脱溶剤を行い、感光性ドライフィルムを得た。
ラミネート:過硫酸ナトリウム水溶液で予め製面した片面FCCL(エスパネックス MC12−20−00−CEM(商品名)新日鐵化学社製)に、前記感光性ドライフィルムを、真空プレス機(名機製作所社製)を用いてラミネートした。
現像液への暴露:スプレー式現像機により、前記感光性ドライフィルムを表1に示す条件で、現像液に暴露した。
UV全面照射:高圧水銀灯を用い、前期現像液への暴露工程で得られたフィルムに、露光量2000mJ/cmの条件で、活性光線の照射を行った。
ベイク:ラミネートにより得られたフィルムを表2に示す条件によりベイクを行った。
耐溶剤性:ベイクにより得られたフィルムを縦横それぞれ3cmの短冊に切り、メチルエチルケトンおよび二規定の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させた。各溶剤に浸漬させる条件を表3に示す。浸漬後、膜減りをダイヤルゲージ(ミツトヨ社製)を用いて膜厚を測定し残膜率を算出した。
[実施例1]
合成例1で得られた有機溶媒に可溶なポリイミド樹脂15g、トリイソブチルホスフェート(レモオールTIBP/味の素ファインテクノ社製)1.05g、トリス(ブトシキエチル)ホスフェート(TBXP/大八化学社製)0.45g、下記一般式(17)で表される感光剤0.6gを、50ccの褐色スクリュー管に配合し、均一になるまで攪拌し、ポジ型感光性樹脂組成物(1)を得た。評価結果を表4に示す。
Figure 0005497312
[実施例2]
実施例1と同様のポジ型感光性樹脂組成物を用い、キュア条件を変えて評価を実施した。結果を表4に示す。
[実施例3]
合成例2で得られた部分的にポリイミド化されたポリイミド前駆体15g、トリス(ブトシキエチル)ホスフェート(TBXP/大八化学社製)0.52g、フォスファゼン化合物(FP−100/伏見製薬社製)0.30g、ベンゾトリアゾール化合物0.02g(AF−885/千代田ケミカル社製)、下記一般式(18)で表される感光剤0.87gを、50ccの褐色スクリュー管に配合し、均一になるまで攪拌し、ポジ型感光性樹脂組成物(2)を得た。評価結果を表4に示す。
Figure 0005497312
[実施例4]
合成例3で得られたポリイミド前駆体溶液15g、3−ヒドロキシアセトアニリド(東京化成工業社製)0.39g、上記一般式(18)で表される感光剤0.6gを、50ccの褐色スクリュー管に配合し、均一になるまで攪拌し、ポジ型感光性樹脂組成物(3)を得た。評価結果を表4に示す。
[実施例5]
合成例3で得られたポリイミド前駆体溶液15g、下記化学式(a)で表されるフェノール化合物(本州化学社製)0.63g、上記一般式(18)で表される感光剤0.63gを、50ccの褐色スクリュー管に配合し、均一になるまで攪拌し、ポジ型感光性樹脂組成物(4)を得た。評価結果を表4に示す。
Figure 0005497312
[実施例6]
合成例3で得られたポリイミド前駆体溶液15g、上記化学式(a)で表されるフェノール化合物(本州化学社製)0.32g、フォスファゼン化合物(SPH−100/大塚化学社製)0.32g、上記一般式(18)で表される感光剤0.94g、下記化学式(k)で表される熱塩基発生剤0.1gを、50ccの褐色スクリュー管に配合し、均一になるまで攪拌し、ポジ型感光性樹脂組成物(5)を得た。評価結果を表4に示す。
Figure 0005497312
[比較例1]
実施例1と同様のポジ型感光性樹脂組成物(1)を用い、実施例1の評価からUV全面照射なしで評価を実施した。結果を表4に示す。
[比較例2]
実施例1と同様のポジ型感光性樹脂組成物(1)を用い、実施例1の評価からUV全面照射なしで評価を実施した。結果を表4に示す。
[比較例3]
実施例3と同様のポジ型感光性樹脂組成物(2)を用い、実施例3の評価からUV全面照射なしで評価を実施した。結果を表4に示す。
[比較例4]
実施例4と同様のポジ型感光性樹脂組成物(3)を用い、実施例4の評価からUV全面照射なしで評価を実施した。結果を表4に示す。
[比較例5]
実施例5と同様のポジ型感光性樹脂組成物(4)を用い、実施例5の評価からUV全面照射なしで評価を実施した。結果を表4に示す。
[比較例6]
実施例6と同様のポジ型感光性樹脂組成物(5)を用い、実施例6の評価からUV全面照射なしで評価を実施した。結果を表4に示す。
Figure 0005497312
Figure 0005497312
Figure 0005497312
Figure 0005497312
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜、及び再配線用絶縁膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、並びに液晶配向膜等として好適に利用できる。

Claims (2)

  1. (1)ポジ型感光性樹脂組成物をフィルム基材に塗布し、次いで脱溶剤し感光性ドライフィルムを作る工程と、(2)前記感光性ドライフィルムを、パターンを配した基板上に圧着し感光層を形成する工程と、(3)前記感光層に、マスクを通して活性光線を照射する工程と、(4)前記感光層をアルカリ水溶液により現像する工程と、(5)前記感光層を水及び酸性水溶液からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒によりリンスする工程と、(6)前記感光層の全体に活性光線を照射する工程と、(7)100℃〜400℃でキュアする工程とを具備する樹脂パターンの製造方法により得られたカバーレイと、回路基板とを具備することを特徴とするフレキシブルプリント配線基板
  2. 前記カバーレイの膜厚が30μm以下であり、波長500nmにおける光線吸収が0.7以下であり、ガラス転移点が110℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線基板
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