JP5500355B2 - 熱成形用加飾シート及び加飾成形品 - Google Patents
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Description
しかしながら該方法では、耐汚染性の指標の1つである耐油汚れに劣るといった問題があった。
本発明の熱成形用加飾シートは親水化付与の手法としてスルホン化処理を用いており、熱成形後も親水性を発現でき、特に油に対する耐久性に優れる。特に複合樹脂(A)が一般式(3)で表される結合を有するために得られる塗膜の耐アルカリ性に特に優れると言う利点を有する。
本発明で使用する基材シートは、使用する熱成形の手法により異なるが、射出成形(インサート成形)法や真空成形同時加飾法に使用するのであれば熱可塑性樹脂シートが好ましく、SMC加圧熱成形に使用するのであれば、不織布や織布、熱可塑性樹脂シート、熱硬化性樹脂を半硬化させた加飾用のプリプレグシート等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂シートは、特に限定はなく、通常熱成形に使用される熱可塑性樹脂シートであれば何でも使用できる。また、単層または多層フィルムであって顔料もしくは染料等の着色剤を含有しても良い。
具体的には、熱による成形工程を行なうため、軟化点が30〜300℃の範囲にある熱可塑性樹脂を主体とするシートであり、好ましい軟化点は50〜250℃の範囲である。
前記熱可塑性樹脂の例を挙げれば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレートやポリエチルメタクリレート等のアクリル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン樹脂、メチルメタクリレート−スチレン樹脂、ポリアクリロニトリル、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−アクリル酸樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素樹脂、ポリフッ化ビニルやポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、メチルペンテン樹脂、セルロース系樹脂等が好ましく用いられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも熱成形性及び金属調意匠の発現性に優れることからアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリオレフィン樹脂の群から選択される少なくとも1種を主成分とするシートが好ましい。
またシートの透明性を損なわない範囲でこれらのブレンド物やポリマーアロイを使用することができる。またこれらは単層、多層で使用しても良い。
また、これらの熱可塑性樹脂シートはゴム変性体としても良い。ゴム変性体とする方法については特に限定はないが、各樹脂の重合時にブタジエン等のゴム成分モノマーを添加して共重合する方法、及び、各樹脂と合成ゴム、もしくは熱可塑性エラストマーとを熱溶融ブレンドする方法が挙げられる。
熱可塑性樹脂シートの厚みは特に制限は無いが、0.1mm〜0.5mm程度の膜厚のシートが好ましく使用される。
本発明で使用する複合樹脂(A)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)(以下単にポリシロキサンセグメント(a1)と称す)と、アルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)(以下単にビニル系重合体セグメント(a2)と称す)とが、前記一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)である。
複合樹脂(A)の形態は、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖として化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂や、前記重合体セグメント(a2)と前記ポリシロキサンセグメント(a1)とが化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
本発明におけるポリシロキサンセグメント(a1)は、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有すセグメントである。
具体的には、前記一般式(1)及び(2)におけるR1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2からなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しR4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す。
また、前記炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
R1、R2及びR3の少なくとも1つはアリール基であるとは、具体的には、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(1)で表される構造単位のみを有する場合にはR1がアリール基であり、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(2)で表される構造単位のみを有する場合にはR2及び/又はR3がアリール基であり、ポリシロキサンセグメント(a1)が一般式(1)と一般式(2)で表される構造単位の両方を有する場合には、R1、R2及びR3の少なくとも1つがアリール基であることを示す。
前記重合性二重結合を有する基は、ポリシロキサンセグメント(a1)中に2つ以上存在することが好ましく、3〜200個存在することがより好ましく、3〜50個存在することが更に好ましく、より耐擦傷性に優れた塗膜を得ることができる。具体的には、前記ポリシロキサンセグメント(a1)中の重合性二重結合の含有率が3〜35重量%であれば、所望の耐磨耗性を得ることができる。尚、ここでいう重合性二重結合とは、ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のうち、フリーラジカルによる生長反応を行うことができる基の総称である。また、重合性二重結合の含有率とは、当該ビニル基、ビニリデン基もしくはビニレン基のポリシロキサンセグメント中における重量%を示すものである。
重合性二重結合を有する基としては、当該ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基を含有してなる公知の全ての官能基を使用することができるが、中でも−R4−C(CH3)=CH2や−R4−O−CO−C(CH3)=CH2で表される(メタ)アクリロイル基は、紫外線硬化の際の反応性に富むことや、後述のビニル系重合体セグメント(a2)との相溶性が良好であり、透明性に優れる硬化塗膜が得られることから好ましい。
本発明においてシラノール基とは、珪素原子に直接結合した水酸基を有する珪素含有基である。該シラノール基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が水素原子と結合して生じたシラノール基であることが好ましい。
またアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
またアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基等が挙げられる。
またアシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、フェニルアセトキシ、アセトアセトキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等が挙げられる。
またアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
また前記加水分解性シリル基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が前記加水分解性基と結合もしくは置換されている加水分解性シリル基であることが好ましい。
また、前記シラノール基や前記加水分解性シリル基を含むポリシロキサンセグメント(a1)と後述のビニル系重合体セグメント(a2)とを、前記一般式(3)で表される結合を介して結合させる際に使用する。
前記一般式(1)におけるR1がアリール基である構造単位と、前記一般式(1)におけるR1がメチル等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるR1がアリール基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR2及びR3がメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR2及びR3のいずれかがアリール基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、特に限定はない。
具体的には、ポリシロキサンセグメント(a1)として、R1、R2及びR3の少なくとも1つが前記アリール基である構造は、例えば以下の構造が挙げられる。
本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)は、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体、芳香族系ビニル系重合体、ポリオレフィン系重合体等のビニル重合体セグメントである。これらは用途により適宜選択することが好ましい。例えば得られる表層の透明性や光沢を得たい場合にはアクリル系重合体セグメントが好ましく、また、スルホン化による親水性付与を高めたい場合には、芳香族ビニル系重合体セグメントが好ましい。
炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが、反応が容易であり好ましい。
本発明で用いる複合樹脂(A)は、具体的には下記(方法1)〜(方法3)に示す方法で製造する。
該方法においては、シラン化合物のシラノール基あるいは加水分解性シリル基と、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが加水分解縮合反応し、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が形成されると共に、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが前記一般式(3)で表される結合により複合化された複合樹脂(A)が得られる。
一方、シラン化合物(導入したい基がある場合は、導入したい基を有するシラン化合物を使用する)を加水分解縮合反応させ、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。そして、ビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、ポリシロキサンセグメント(a1)とが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる。
これらの触媒及び水は、一括供給でも逐次供給であってもよく、触媒と水とを予め混合したものを供給しても良い。
前記複合樹脂(A)と、アリール基を有するアクリル系樹脂やスチレン系樹脂等を併用することは、表面処理された基材の親水性をより高めることができこのましい。このような樹脂は、前述の複合樹脂(A)で使用するビニル系重合体セグメント(a2)として使用する芳香族系ビニル系重合体等が使用できる。芳香族系ビニル系重合体は、数平均分子量として1000〜10000の範囲が、基材上に層を形成させる際に良好な膜を形成できることから好ましい。またアリール基数は所望する親水性の度合いによって異なるが、5.0〜60mol%であることが好ましい。
前記複合樹脂(A)に反応性官能基を導入し、架橋剤等を併用することで、より架橋度の高い、耐候性や耐擦傷性に優れる層が得られる。架橋剤としてはポリイソシアネート(B)が好ましく、その場合前記複合樹脂(A)における前記ビニル系重合体セグメント(a2)がアルコール性水酸基を有することが好ましい。その際のポリイソシアネート(B)は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層の全固形分量に対して5〜50重量%含有させることが好ましい。ポリイソシアネート(B)を該範囲含有させることで、特に屋外における長期耐候性(具体的には耐クラック性)が特に優れる塗膜が得られる。これは、ポリイソシアネートと系中の水酸基(これは、前記ビニル系重合体セグメント(a2)中の水酸基や後述のアルコール性水酸基を有する活性エネルギー線硬化性モノマー中の水酸基である)とが反応して、ソフトセグメントであるウレタン結合が形成され、重合性二重結合由来の硬化による応力の集中を緩和させる働きをするのではと推定している。
ポリイソシアネートと系中の水酸基(これは、前記ビニル系重合体セグメント(a2)中の水酸基や後述のアルコール性水酸基を有する前記活性エネルギー線硬化性モノマー中の水酸基である)との反応は、特に加熱等は必要なく、室温に放置することで徐徐に反応していく。また必要に応じて、80℃で数分間〜数時間(20分〜4時間)加熱して、アルコール性水酸基とイソシアネートの反応を促進してもよい。その場合は、必要に応じて公知のウレタン化触媒を使用してもよい。ウレタン化触媒は、所望する反応温度に応じて適宜選択する。
本発明で使用する樹脂組成物は、前記複合樹脂(A)が前述の重合性二重結合を有する基を含む場合は活性エネルギー線により硬化可能である。活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線、または通常20〜2000kVの粒子加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線、等があげられる。中でも紫外線、あるいは電子線を使用するのが好ましい。特に紫外線が好適である。紫外線源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アルゴンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー等を使用することができる。これらを用いて、約180〜400nmの波長の紫外線を、前記活性エネルギー線硬化性樹脂層の塗工面に照射することによって、塗膜を硬化させることが可能である。紫外線の照射量としては、使用される光重合開始剤の種類及び量によって適宜選択される。
活性エネルギー線による硬化は、基材がプラスチック等の耐熱性に乏しい素材である場合に特に有効である。一方基材に影響を与えない範囲で熱を併用する場合には、熱風、近赤外線など公知の熱源が使用できる。
前記光重合開始剤(B)の使用量は、前記複合樹脂(A)100重量%に対して、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
例えば、前述のポリイソシアネートを併用する場合には、ペンタエリスリトールトリアクリレートやジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の水酸基を有するアクリレートが好ましい。また、架橋密度をより高めるために、ジ(ペンタエリスリトール)ペンタアクリレート、ジ(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート等の特に官能基数の高い(メタ)アクリレートを使用することも有効である。
前記基材シートに前記樹脂組成物層を設ける方法は、フローコーター、ロールコーター、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、ローラー塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法、ノズル法、巻き取り法、流し法、盛り付け、パッチング法等により設ける方法が挙げられる。前記基材シートが印刷層を有する場合は、印刷層上、あるいは基材シートの印刷層を設けた側と反対側の面に前記樹脂組成物層を設ける。
前記基材シートに設けた前記樹脂組成物層による硬化物層に、公知の方法にて三酸化硫黄含有ガスを接触させる。
三酸化硫黄ガスとしては、特に制限はないが、ガス供給源としては、液体の安定化三酸化硫黄(沸点44.8℃)をガス化、発煙硫酸からの気化、硫黄を空気燃焼させて生成させた二酸化硫黄ガスを接触酸化して得られる三酸化硫黄ガス使用などが挙げられる。
また、通常使用する希釈用乾燥ガスとしては、三酸化硫黄と反応しない乾燥ガスであり、具体的には、乾燥窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスや、乾燥空気が挙げられ、コストの点では、乾燥空気の使用が望ましい。該三酸化硫黄含有ガスは加温されていることが好ましく、好ましくは40〜120℃の範囲であり、なお好ましくは40〜100℃である。
例えば接着剤としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、天然ゴム、SBR、NBR、シリコーンゴム等の合成ゴムや結晶性高分子などがあげられ、溶剤型又は無溶剤型のものが使用出来る。
本発明の熱成形用加飾シートは、各種熱成形における成形同時加飾用シートとして使用できる。具体的には、射出成形(インサート成形)法や、真空成形同時加飾法、あるいはSMC加圧熱成形等に使用できる。
本発明の熱成形用加飾シートを射出成形用金型内に装着し射出成形して得る方法において、射出成形機、装着方法等は公知の方法で行えばよい。また射出成形前に、所望する金型に合わせて予備成形されていてもよい。一般的な例を示すと、本発明の熱成形用加飾シートを、前記表面処理した樹脂組成物の硬化物層が金型面となるようにして、金型内に装着し、射出成形用樹脂を射出して一体化させる。
更に、成形性が阻害されない範囲で慣用の添加剤を添加してもよく、例えば、可塑剤、耐光性添加剤(紫外線吸収剤、安定剤等)、酸化防止剤、オゾン化防止剤、活性剤、耐電防止剤、滑剤、耐摩擦剤、表面調節剤(レベリング剤、消泡剤、ブロッキング防止剤等)、防カビ剤、抗菌剤、分散剤、難燃剤及び加流促進剤や加流促進助剤等の添加剤を配合してもよい。これら添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。また着色剤を添加してもよい。
射出樹脂の樹脂温度は特に制限されるものではないが、ポリプロピレン系樹脂、ABS系樹脂等の熱可塑性樹脂であれば、射出可能な180〜250℃程度が好ましい。
本発明の熱成形用加飾シートを真空成形法により被着体に貼り付けて一体化する方法において、真空成形機、真空成形法は公知の方法で行えばよい。一般的な例を示すと、本発明の熱成形用加飾シートを、前記表面処理した樹脂組成物の硬化物層が被着体とは反対側の面となるようにして一部あるいは外周全部をクランプ等で固定し、真空下で、赤外線照射装置等により加熱してシートを可塑化させた後、被着体に貼り付けて一体化させる。加熱条件、真空条件等は、使用する被着体や加飾シートの基材等により適宜選択することができる。
本発明の熱成形用加飾シートをSMCと接するように重ね合わせて加圧熱成形する方法において、加圧熱成形機、加圧熱成形法は公知の方法で行えばよい。一般的な例を示すと、本発明の熱成形用加飾シートの前記表面処理した樹脂組成物の硬化物層とは反対側の面側(接着層がある場合は接着層側)がSMCと接するように重ね合わせて加圧熱成形させることで、加飾成形品を得ることができる。具体的には、型内部に本発明の熱成形用加飾シートを加飾表面が型内部と接するように設置し、次にSMCを重ねて載置し、加圧・熱プレス成形することで、SMC加飾成形品を得ることができる。型形状、圧力、加熱温度や時間等は特に制限はなく、通常のSMC成形の範囲内で加飾を行うことが可能である。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシラン(MTMS) 415部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)756部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「A−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−1) 1000部を得た。
尚、「有効成分」とは、使用したシランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)を、加水分解縮合反応後の実収量(重量部)で除した値、即ち、〔シランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)/加水分解縮合反応後の実収量(重量部)〕の式により算出したものである。
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、スチレンモノマー 62.1部、ブチルアクリレート(BA) 15部、メチルメタクリレート(MMA) 40.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 27.9部、MPTS 4.5部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「A−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 15部、n−ブチルメタクリレート(BMA) 45部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA) 39部、アクリル酸(AA) 1.5部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 45部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「A−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
第1表に示した配合に基づき、クリヤー塗料(塗−1)〜(塗−4)および比較用クリヤー塗料(比塗−1)〜(比塗料−3)を調製した。
C7−164:ユニディック C7−164[紫外線硬化型樹脂 DIC(ディーアイシー)株式会社製]である。
D−110N:タケネート D−110N[ポリイソシアネート 三井化学ポリウレタン株式会社製]である。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレートである。
I−184:イルガキュア 184[光重合開始剤 チバ・ジャパン株式会社製]である。
Ti−400:チヌビン 400[ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 チバ・ジャパン株式会社製]である。
Ti−123:チヌビン 123[ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS) チバ・ジャパン株式会社製]である。
(樹脂組成物層の形成及び硬化)
第1表に示した配合例に基づき調製した、それぞれクリヤー塗料(塗−1)〜(塗−4)および比較用クリヤー塗料(比塗−1)〜(比塗−3)を、ソフトシャイン X1130(東洋紡績株式会社製 二軸延伸PETフィルム 膜厚125μm 以下PETフィルムと略す)上に、乾燥膜厚が20μmになるようにバーコーターにて塗布し、樹脂組成物層を有するフィルムを得た。具体的な構成を表2に示す。
(UV硬化)
前記樹脂組成物層を有するフィルムを80℃で4分間乾燥後、ランプ出力1kWの水銀ランプ下、約1000mJの照射量で、紫外線照射を行い、樹脂組成物層を硬化させた。
(熱硬化)
前記樹脂組成物層を有するフィルムを40℃で3日間放置し、樹脂組成物層を硬化させた。
DIC(株)製のビスフェノールA型エポキシアクリレート「ディックライトUE8300」(数平均分子量 約2000、水酸基価 約230mgKOH/g)を50部、DIC(株)製のヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート「バーノックDN-981」(不揮発分=75%、NCO%=約14%)を6部、充填剤として日本軽金属(株)製の水酸化アルミニウム「B1403」を50部、ラジカル重合開始剤として日本油脂(株)のパーブチルIを0.5部、有機溶剤としてメチルエチルケトン(以下MEKと略す)40部をホモディスパーを用いて撹拌し、接着層用組成物を調製した。
次に、得られた前記樹脂組成物層を有するフィルムを、45℃に加温された内容積300Lの三酸化硫黄含有ガス接触用のステンレス製処理容器に挿入、固定し、該容器の蓋を閉め、ガス濃度1.2体積%、時間2.5分、希釈ガス露点−60℃の条件で、三酸化硫黄含有ガスと接触させた。ついでイオン交換水にて50℃/5分および24時間洗浄し、熱成形用加飾シートを得た。
PETフィルム上に、DIC株式会社製のグラビア印刷用インキ「XS−756」を使用しグラビア印刷機にて厚さ3μmの絵柄を印刷し、印刷層を有するフィルムを得た。その後、前記クリアー塗料(塗−2)をフィルムの印刷層上に、乾燥膜厚が20μmになるようにバーコーターにて塗布し、樹脂組成物層を形成した。
DIC株式会社製グラビア印刷用インキ 「XS−756」赤色
DIC株式会社製グラビア印刷用インキ 「XS−756」青色
DIC株式会社製グラビア印刷用インキ 「XS−756」黄色
実施例5と同様に装飾層、樹脂組成物層を形成し、接着層は形成せずにガス処理を行い、熱成形用加飾シートを得た。具体的な構成を表3に示す。
前記得られた熱成形用加飾シートを20cm×20cmに裁断し、(株)山本鉄工所の100tプレス機を使い、下型(雌型、成型品の表面)の中央部に、前記SMC用一体成型加飾シートの樹脂組成物層側を下に向けて設置し、次にSMCを積層して、金型温度上型130℃、下型145℃、成型圧10MPa、加圧時間6分で成型し、30cm×30cm×3.5mmのSMC加飾成型品を得た。SMCとしては、DIC化工(株)製のSMC「ディックマット2622」を使用した。
前記得られた熱成形用加飾シートの樹脂組成物層側を上にして周囲をクランプ後、布施真空株式会社製「NGF−0709成形機」の上下ボックスを閉じ、ボックス内をほぼ完全真空状態にした後、ヒーターとしてヘリウス社製中赤外線ヒーターを使用し、得られたシート上面より間接加熱を行った。樹脂組成物層表面を185℃まで加熱後、平滑なステンレス板(100mm×100mm×厚み2mm)を乗せたテーブルを上昇させ、上ボックス中に0.2MPaの圧空を吹き込み、得られたシートのPET基材側をステンレス板に押し当て、真空成形品を得た。
前記得られた熱成形用加飾シートの、樹脂組成物層の面が射出成形用金型の雌型に接触するように密着させ金型温度50℃で加熱後、射出樹脂(帝人化成社製 マルチロン T−3714)を270℃に加熱し金型内に射出して一体成形し、射出成形品を得た。なお、射出成形機は東芝機械(株)製のEC75N−1.5Yを用いた。射出成形金型は、100(L)×100(W)×12.5(H)mm、コーナーR=10mm、立ち上がり部のR=5R、抜き勾配18.5°のトレー状の型を用いた。
(クラック発生数)
前記成形により得た加飾成形品の、樹脂組成物層表面100cm2あたりのクラック発生数を数えた。大量に発生して数え切れないものは「×」とした。
前記成形により得た加飾成形品の、樹脂組成物層表面に疑似油汚れ(オリーブ油、オレイン酸、オイルレッドの混合物)0.2mlを滴下した。60秒放置した後、35〜38℃水中に垂直に投入し、疑似油汚れが浮き上がるまでの時間を測定した。短時間で油汚れが浮き上がるほど耐油汚れ性が良好なことを示す。10分待っても油汚れが浮き上がらない場合は「×」とした。
実施例5〜6のSMC加飾成形品は装飾層を設けた例であるが、装飾層を設けてもクラック発生数や油汚れの浮き上がり速度に影響は無かった。
実施例7は真空成形品であり、実施例8は射出成形品であるが、いずれも成形クラックの発生はなく油汚れの浮き上がり速度に優れていた。
比較例1のSMC加飾成形品はポリシロキサン結合を有するがベンゼン環を有さない例であり、油汚れの浮き上がり速度が非常に遅くなった。比較例2のSMC加飾成形品は、アクリルスチレン樹脂のみを使用した例であるが、成形後のクラックが大量に発生してしまった。比較例3のSMC加飾成形品は、ベンゼン環を有するUV硬化性樹脂を使用した例であり、ポリシロキサン結合を有さないため成形品の油汚れの浮き上がり速度が遅くなってしまった。
Claims (8)
- 基材シート上に設けた、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)を含有する樹脂組成物の硬化物を、三酸化硫黄含有ガスにより表面処理してなることを特徴とする熱成形用加飾シート。
(1)
(2)
(一般式(1)及び(2)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2からなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しR4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表す。)
(3)
(一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする) - 前記一般式(1)及び(2)中のR1、R2及びR3の少なくとも1つが前記アリール基である請求項1に記載の熱成形用加飾シート。
- 前記一般式(1)及び(2)中のR1、R2及びR3の少なくとも1つが前記重合性二重結合を有する基である請求項1又は2に記載の熱成形用加飾シート。
- 前記ビニル系重合体セグメント(a2)がアルコール性水酸基を有し、且つ前記樹脂組成物がポリイソシアネート(B)を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の熱成形用加飾シート。
- 前記基材シートが熱可塑性樹脂シートである請求項1〜4のいずれかに記載の熱成形用加飾シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱成形用加飾シートをシートモールディングコンパウンドと接するように重ね合わせて加圧熱成形させて得た加飾成形品。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱成形用加飾シートを射出成形用金型内に装着し射出成形して得た加飾成形品。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱成形用加飾シートを真空成形法により被着体に貼り付けて一体化して得た加飾成形品。
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