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JP5502199B2 - 推進薬を受容するためのケース - Google Patents
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Description

本発明は、推進薬を受容するための燃焼可能なケース、このようなケースを用いて形成される弾薬およびこのようなケースの製造方法に関するものである。
ケースは、弾薬の構成部材として、小口径の武器に対しても大口径の武器に対しても従来より知られており、一般的に使用されている。ケースは特に推進薬を受容するために用いられる。通常、ケースは円筒状で縦長の中空空間を有しており、ここでは本来のケースを側壁と記すことにする。
薬筒を製造するには、ケースにさらに、信管を含んでいる底部を備えさせるのが通常である。この底部は通常金属から成っており、ほとんどの場合鋼から成っている。薬莢を製造するには、さらに発射体を、この時点ではまだ自由になっていて底部に対向するケースの長手方向端部に取り付ける。
燃焼可能なケースも基本的には知られている。この燃焼可能なケースは着火の結果として燃焼し、焼失する。これが残滓がほとんどないように行われると、次の発射前にケース残滓を取り除く必要がない。理想的には、底部のみを処分すればよい。
このように、燃焼可能なケースの場合、装填室または銃身の付加的な清掃を回避するには、できるだけ残滓がない燃焼が望ましい。
燃焼可能なケースをニトロセルロースとパルプとから製造することが知られている。通常は結合樹脂および安定材のような添加物を加える。従来は、製造のため、スクリーンモールドをニトロセルローとパルプとを含んだ水性パルプ内に鉛直方向に浸漬させる。負圧によりスクリーンモールドはペースト状繊維を吸い込み、湿った粗フェルトが形成される。基本的にはこの材料を「フリース」と呼ぶことができる。
しかし、ここでは「粗フェルト」という概念を使用することにした。粗フェルトは、最終的な幾何学的形態を得るため、および、脱水するため、さらにプレスされ、少なくとも一時的に加熱も行われる。
ケースはある程度の機械的強度を有していなければならない。小さな変形は許容されるものの、亀裂が形成されてはならない。亀裂を通じて推進薬が噴出し、許容されない安全リスクが生じるからである。それ故、多くの規格によれば、推進薬を受容するための補助的な内袋、いわゆる薬袋でケースを覆う。
ケースの安定性は戦車用弾薬にとって特に重要である。というのは、ここではたとえば戦車内部での取り扱い、薬莢を取り付ける際の荷重および動的ショックによる機械的安定性に対する要求が非常に際立っているからである。しかし、本発明は戦車用弾薬に限定されるものではない。
特許文献1は、燃焼可能なケースの製造方法を示している。この特許文献では、フェルト製造工程の間に織物封入物を粗フェルトに巻き込むことが提案される。このようにして製造されたケースは、衝突の際にいくつかの部分に分離することがあることが明らかになった。フェルトは挿入された織物から広面積で剥がれることがある。最悪の場合にはケースが3つの別個の構成部材に分解され、すなわち織物封入物と、織物の内面および外面から分離した粗フェルトとに分解される。
特許文献2は、金属またはプラスチックから成る補助的な補強部を備えた燃焼可能なケースを示している。この補強部はケース内に埋設されるか、ケース上に固定さていてもよい。補強部がケース内に埋設されている場合には、補強部には穴が設けられている。これらの穴を通じてケースの残滓が燃焼できるようにするためである。しかしながら、補強部自体は燃焼可能でない。
独国特許出願公開第3008996A1号明細書 独国特許出願公開第3619960A1号明細書
本発明の課題は、機械的に堅牢で、残滓がない、推進薬を受容するためのケースを提供することである。この課題は、対応する製造方法および対応する弾薬にも関わる。
上記の課題は、燃焼可能なフェルト繊維材から成る側壁と、交差する糸から成る、前記側壁内の封入物とを備えた、推進薬を受容するためのケースによって解決される。このケースは、フェルト繊維材が糸の間の領域を貫通するように糸が互いに間隔をもって位置していることを特徴としている。
本発明は、上述したように、前記特許文献1の教示による燃焼可能なケースの構成部材が互いに外れることがあるという考察に基づいているとともに、前記特許文献2に記載のケースは残滓なしに燃焼できないという判断に基づいている。後者の教示では、安定性を得るために、残滓のない燃焼を断念していた。
本発明は、さらに、上記技術水準の前者の教示においては、織物が繊維材の一貫した内的結合を阻止しており、従ってケースの崩壊を促進しているという認識に基づくものである。
本発明は、さらに、糸は燃焼可能であり、それにもかかわらず安定性を付与することができるという考察に基づいているとともに、機械的安定性を封入物を介して糸から得て、しかし糸同士の間隔を大きく選定することでフェルトが単一性を存続し、すなわち広面積で分断されないという考えに基づいている。これは、糸すなわち経糸と緯糸とが密に位置しているために織物がフェルトを広面積で分断している技術水準とは異なるものである。
本発明の効果は、とりわけ、繊維材が糸の間の隙間を貫通していることによって生じる。換言すれば、ケースのフェルト内に層が形成されるのが回避される。
封入物はケースの機械的堅牢性を促進するので、「補強部」と呼ぶこともできる。
このように、本発明によるケースは基本的に繊維状フェルトから成り、加えてこの繊維状フェルトの中に補強部が埋設されている。この場合、繊維は補強部を貫通している。本発明のものほど堅牢で破壊強さがなくてもよければ、補強部がなくともケースは形状安定である。
封入物の糸は基本的には互いに任意の角度で位置していてよい。特に、糸は互いに直交するように配向されていてよい。
糸はたとえば木綿または炭素繊維から成っていてよい。比較的高い引き裂き強度と、少なくとも一時的な耐熱性とがあるのが望ましい。すなわち、粗フェルトを形成させている間に、材料は数分間、通常は5分間、ほぼ135℃へ加熱される。この温度に糸は損傷せずに持ちこたえる必要があり、それにもかかわらず本発明の主旨では残滓なしに燃焼可能でなければならない。好ましくは、糸は5分間140℃以上の温度に曝すことができ、しかもその機械的特性に悪影響を及ぼさないのがよい。好ましくは、側壁の厚さに比べても糸は相対的に薄く、その結果封入物はより厚い壁厚を生じさせない。
なお、「糸」という概念は、とりわけ言葉上の理由から複数で使用する。しかしながら、1本の糸を側壁に挿入した実施態様も除外されるべきでない。糸はたとえば粗フェルトを生じさせる際に当該粗フェルトの中に巻き込むことができ、その際にそれ自体で互いに交差し合う。
「残滓がない」という概念は、絶対的なものとして理解されるのではなく、実際の要件に応じて解釈すべきである。事前に装填室からケースの残滓を除外せずに弾薬を装填できれば、本発明の意味ではスリーブは残滓なしに燃焼する。
このように、総じて堅牢で残滓なしに燃焼可能なケースが提供される。特に、薬袋を挿入する必要がない。基本的には、本発明によるケースは、場合によっては同じ機械的堅牢性で従来のケースよりも薄く形成してよい。これには、より多量の推進薬を使用でき、従って弾薬のパワーを向上させることができるという利点がある。しかも弾薬の破壊または損傷の場合には、本発明は推進薬の流出を阻止する。
好ましくは糸は網を形成し、その結果繊維材は網のメッシュを貫通する。
網を形成するため、糸はたとえば結節部を介して互いに結合されていてよい。しかし他の態様で糸を互いに結構させてもよく、たとえば溶接点または接着材を用いて結合させてもよい。
好ましくは、木綿から成る網を封入物として使用する。適当な網はたとえば魚網が好ましく、製造前に前もって得られる。
網をケースの側壁の全周にわたって少なくとも1回挿入するのも有利である。このようにして側壁の脆弱個所を回避できる。網の挿入はたとえば巻回を介して行うことができ、この限りでは、簡単にいえば複数の巻回でもよい。
網は側壁の周に沿って複数回挿入されていてもよい。網が360゜にわたって5回ないし8回巻回されるのが特に有利である。基本的には、巻回数が増えるに従ってより高い機械的安定性が期待される。しかしながら、通常は、ケースの側壁の厚みが増すのは望ましいものではない。それ故、網の巻回数は特に所望の壁厚によって制限されている。これは、特に、網が結節されているケースである。というのは、結節部がある程度の厚さを有しているからである。
網の糸がケースの繊維材ほどにはうまく燃焼しなければ、ケースが残滓なしに燃焼するのを保証するために、巻回数を制限するのも意義がある。
特に8回の巻回が優れている。
網は、粗フェルトを蓄積する際に当該粗フェルトが生じている間に巻きつけることができる。その際に、螺旋状の封入物が側壁内に生じる。これに対応するケースは、下記の製造方法を用いて有利に製造される。
好ましくは、螺旋状の巻回部は、網の個々の平らな側面が側壁の繊維材によって少なくとも部分的に互いに切り離されているように、互いに間隔をもっている。従って、異なる巻回部の面が互いに直接接触して、機械的脆弱個所を誘発することが阻止される。
網のメッシュは、好ましくは7ないし20mmの幅を有し、有利には10ないし18mm、特に有利には10ないし15mmの幅を有している。
この幅は、ここで問題にしているタイプの弾薬に対し効果があることが明らかになった。メッシュ幅が小さすぎると、フェルトの満足な一貫性を保証するために繊維材がメッシュを十分に貫通することができない。メッシュ幅が大きすぎると、ケースの機械的安定性が十分に補助されない。理想的なメッシュ幅はケースの幾何学的形態以外に、繊維材の性質にも依存している。特に、典型的には2mmないし4mmの長さをもつセルロース繊維がメッシュを好適に貫通できるならば有利である。
本発明は、本発明によるケースを製造するための方法にも関わる。この方法は少なくとも以下のステップを含んでおり、すなわち燃焼可能なフェルト繊維材から成る側壁を作製するステップと、交差している糸から成る封入物を側壁に挿入するステップとを含んでいる。この方法は、フェルト繊維材が糸の間の領域を貫通するように糸が互いに間隔をもって位置していることを特徴としている。
この製造方法においては、好ましくは、ケースを製造するためのスクリーンモールドがその回転軸線に沿って水平方向に配向されている。この場合、スクリーンモールドは少なくとも部分的に、繊維材を含んだパルプ内に浸漬されている。繊維材は負圧により吸い込まれ、その結果スクリーンモールド上に粗フェルトが堆積する。
水性パルプ内での繊維材の濃度を一定に保つことができるようにするため、スクリーンモールドを回転するパルプに浸漬するのが有利であり、これは、開口した供給部および排出部がなく、限定量の繊維材しかない槽とは異なっている。
好ましくは、繊維材を、生じる粗フェルトに堆積させている間に網を巻回する。その際自ずと螺旋状の封入物が生じ、この封入物においては、網の個々の巻回部も繊維材によって互いに分離されている。
好ましくは、網を貯留ローラによって巻き戻す。これは生産技術的に特に簡単である。
巻回の開始時に、網の弛んだ端部を、スクリーンモールド上に生じる粗フェルトに当接させることができる。好ましい生産状況の下では、60゜回転させただけで網は生じる粗フェルトと集中的に統合されて、スクリーンモールドをさらに回転させるだけで貯留ローラを網のために巻き戻すことができる。
本発明は、本発明によるケースを備えた弾薬にも関わる。弾薬とは薬莢でもあり、薬筒でもある。
好ましくは、推進薬は薬袋を挿入せずに充填される。これは生産中の手間とコストを節約するばかりでなく、いくぶんより多くの推進薬を挿入することを可能にする。
個々の構成要件に関する上記の説明と下記の説明とはケースにもその製造方法および弾薬にも関わり、それぞれの場合で詳細に明確に説明しない。その際に開示する個々の構成要件は、提示した組み合わせとは別の組み合わせでも本発明にとって重要である。有利な構成は従属請求項にも記載されている。
次に、本発明を実施形態を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本発明による薬筒の下部部分の縦断面図である。 本発明による製造方法を実施するための生産設備の概略断面図である。
図1は、本発明による薬筒1の構成部品としての本発明によるケース6を示している。ケース6は縦長で且つ円筒状であり、その内部に推進薬4を受容している。ケース6の側壁には網5が挿入されている。
薬筒1の下端には、信管3を備えた真鍮製の底部2が装着されている。
ケース6は、フェルトセルロースと、ニトロセルロース繊維と、慣用の添加物とから製造されている。
挿入された網5は、直交方向に延びる糸を結び合わせた木綿から成る魚網5である。糸は0.2mmの厚さであり、40Nmの強度を有している。
フェルト繊維材は網5の15mm幅のメッシュを貫通している。この場合、網5はそれぞれ360゜螺旋状に8回巻回されている。個々の巻回部を互いに分離させるため、個々の巻回部の間にはフェルト繊維材が十分に存在している。
図2は、本発明による製造方法を実施するための本発明によるケース生産装置を横断面図で示したものである。
この生産装置は、少なくとも、スクリーンモールド20と、貯留ローラ21と、水性パルプ23を備えた槽22とを有している。水平方向に配向されたスクリーンモールド20は下部部分でもって水性パルプ23内に浸漬されている。水性パルプ内で特にセルロース繊維とニトロセルロース繊維とが浮遊する。生産工程の間に繊維材の濃度を一定に保つため、水性パルプ23は適宜貫流させることで常時更新させる。
スクリーンモールド20内に負圧を発生させると、その結果スクリーンモールドは繊維材をパルプ23から吸い込む。スクリーンモールド20はゆっくり回転し、たとえば1分間に5回回転し、その結果その表面に沿って粗フェルトが形成される。回転方向は矢印Aによって示唆してある。生じた粗フェルト(粗フェルト自体は図に図示していない)に網5を当てる。網5は貯留ローラ21から巻き戻される。矢印Bによって示唆した貯留ローラ21の回転は、スクリーンモールド20の回転を通じて網5を介して発生する。
網5がほぼ60゜にわたって粗フェルトに巻きこむと、場合によってはそれだけで網を独立に保持することができる。
粗フェルトをさらに蓄積させている間に、網5を360゜にわたって粗フェルトに8回巻きつける。巻き付けの間に常に繊維材がさらに蓄積され、その際に粗フェルトが成長するので、網5の巻回部の間にも繊維材が集積する。
次に、網5を挿入した粗フェルトをさらにプレスし、135℃でほぼ5分間加熱する。
薬筒の製造のため、さらに信管を備えた底部を取り付け、推進薬を充填する。加えて、弾の製造のため、さらに発射体を取り付ける。

Claims (8)

  1. 推進薬(4)を受容するためのケース(6)を製造するための方法であって、
    燃焼可能なフェルト繊維材(23)から成る側壁を作製し、そして交差している糸(5)から成る封入物(5)を前記側壁に挿入するステップを含んだ前記方法において、
    前記フェルト繊維材(23)が前記糸(5)の間の領域を貫通するように前記糸(5)が互いに間隔をもって位置しており、そして
    スクリーンモールド(20)を、少なくとも部分的に、前記繊維材(23)を含んだ水性パルプ(23)に浸漬し、
    前記スクリーンモールド(20)上に粗フェルトを形成するために負圧を介して前記繊維材(23)を吸込み、それによって蓄積させ、
    前記スクリーンモールド(20)を回転させ、
    前記スクリーンモールド(20)の回転軸線が水平方向に配向されている、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記糸(5)が網(5)を形成し、その結果前記繊維材(23)が前記網(5)のメッシュを貫通しており、そして
    生じた前記粗フェルトに前記繊維材(23)を堆積させている間に前記網(5)を巻回する、請求項に記載の方法。
  3. 前記網(5)を前記スクリーンモールド(20)の全周にわたって少なくとも5回ないし8回完全に巻回する、請求項に記載の方法。
  4. 生じた前記粗フェルトに前記網(5)を螺旋状に巻回し、そして
    前記網(5)の巻回部の間に、前記水性パルプ(23)から成る繊維材(23)を蓄積させる、請求項に記載の方法。
  5. 燃焼可能なフェルト繊維材(23)から成る側壁と、
    交差する糸(5)から成る、前記側壁内の封入物(5)と、
    を備えた、推進薬(4)を受容するためのケース(6)において、
    前記糸(5)が網(5)を形成し、前記フェルト繊維材(23)が前記網(5)のメッシュを貫通するように前記糸(5)が互いに間隔をもって位置しており、そして
    前記網(5)が螺旋状に、前記側壁の全周に沿って複数回前記側壁内に挿入されて、
    いることを特徴とするケース(6)。
  6. 前記網(5)が木綿から成っている、請求項に記載のケース(6)。
  7. 前記網(5)の前記メッシュが7mmないし20mmのサイズを有している、請求項に記載のケース(6)。
  8. 前記網(5)の平らな側面が前記側壁の前記繊維材(23)によって少なくとも部分的に互いに切り離されている、請求項に記載のケース(6)。
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