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JP5503884B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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本発明は空気入りタイヤに関し、特にトレッド面にサイプ(細溝)を設けて氷雪路面における車両の走行性能を向上させた空気入りタイヤに関する。
従来から、トレッド面に周方向に延びる周方向溝および幅方向に延びる横溝を設けることにより陸部に複数のブロックを形成すると共に、これらのブロックにサイプ(細溝)と呼ばれる細い溝をタイヤ幅方向に沿って形成した空気入りタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。この空気入りタイヤが転動する際に、前記サイプの角度であるエッジが路面上の雪や氷を引っ掻く、いわゆるエッジ効果によって、氷雪路面における車両の走行性能を向上させている。
特開平6−297918号公報
しかしながら、前述した従来の空気入りタイヤでは、雪上走行性を向上させるためにサイプを陸部に多数形成すると、陸部剛性が低下して走行安定性が低下するおそれがあった。
本発明の目的は、トレッド面に細溝を形成する場合に、高い陸部剛性を維持したまま雪上性能を向上させることができる空気入りタイヤを提供することにある。
本発明の第1の特徴は、トレッド部(トレッド部5)にタイヤ周方向に延びる周方向溝(周方向溝10〜13)を複数設け、これらの周方向溝同士の間に陸部(陸部A〜E)を形成すると共に、前記陸部にタイヤ幅方向に沿って延びる細溝(細溝21〜25)を複数形成した空気入りタイヤ(空気入りタイヤ1)であって、前記細溝の周方向となす交差角(交差角θA〜θE)を、幅方向外側の細溝の方が幅方向内側よりも小さくなるように設定したことを要旨とする。
このように、タイヤ幅方向の内側から外側に向かうにつれて細溝の延設方向が徐々にタイヤ周方向に近づくように段階的に傾斜する。ここで、陸部のうちタイヤ幅方向中央側の部位は、駆動や制動性能への寄与が大きく、タイヤ周方向に対して直角に近い角度を有する細溝を配置して、前後方向のエッジ効果を効率的に発生させる。一方、タイヤ幅方向外側の部位は、雪上操縦安定性能への寄与が大きく、タイヤ周方向に近い細溝を形成することにより、横方向のエッジ効果を効率的に発生させる。
従って、前述したような細溝の配置構造によって、陸部剛性を高く維持したまま、細溝の量を増大させることなく、空気入りタイヤをスノータイヤとして使用した場合における駆動性能、制動性能、操縦安定性能を効率的に向上させることができる。
本発明に係る空気入りタイヤによれば、トレッド面に細溝を形成する場合に、高い陸部剛性を維持したまま雪上性能を向上させることができる。
本発明の実施形態による空気入りタイヤの幅方向断面図である。 本発明の実施形態によるトレッドパターンである。 実施例中の従来例を示すトレッドパターンである。
以下、本発明の実施の形態に係る空気入りタイヤの詳細を図面に基づいて説明する。但し、図面は模式的なものであり、各材料層の厚みやその比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
〈空気入りタイヤの概略構成〉
図1は、本発明の実施形態による空気入りタイヤの幅方向断面図である。
この空気入りタイヤ1は、タイヤ幅方向に離間して配置された一対の円環状のビードコア2,2と、これらのビードコア同士2,2をトロイダル状に結ぶタイヤの骨格となるカーカス3と、該カーカス3の幅方向中央部に配置されたクラウン部3aの上に配設された2層のベルト層4とを備えている。
また、空気入りタイヤ1の幅方向中央部には、前記カーカス3のクラウン部3a、ベルト層4およびこれらを覆うトレッドゴムからなるトレッド部5が形成されており、該トレッド部5の左右両側には、サイドウォール部6,6が設けられ、該サイドウォール部6の径内側には、前記ビードコア2の近傍にビード部7が形成されている。そして、前記カーカス3は、ビードコア2をタイヤ幅方向内側から巻回して径外方向に折り返して延びる折り返し部3bを有している。また、前記ベルト層4は、タイヤ幅方向の幅寸法が大きい内側ベルト8と、該内側ベルト8の径外側に配置された外側ベルト9とから構成されている。そして、前記トレッド部5の表面には、タイヤ周方に延びる周方向溝10,11が形成されている。
〈トレッドパターンの概略構成〉
図2は、本発明の実施形態によるトレッドパターンを示す。
トレッド部5の表面であるトレッド面には、タイヤ周方向に延びる周方向溝10,11,12,13が形成されている。即ち、装着内側について、タイヤ幅方向中央側に周方向溝10が配置され、幅方向外側に周方向溝11が形成されている。また、装着外側について、タイヤ幅方向中央側に周方向溝12が配置され、幅方向外側に周方向溝13が形成されている。なお、本実施形態では、図2の左側が装着外側で右側が装着内側に配置されており、この空気入りタイヤ1は、車両の左側に装着される。さらに、タイヤ幅方向に沿って横溝14,15が延設されている。
これらの周方向溝10〜13および横溝14,15によって、トレッド部5には、平面視矩形状のブロック20が画成されており、これらのブロック20によって陸部が形成されている。具体的には、前記陸部は、タイヤ幅方向における最も装着外側に配置された陸部Aと、陸部Aの装着内側に隣接すると共に、周方向溝12と周方向溝13との間に形成された陸部Bと、タイヤ幅方向中央部に配置され、周方向溝10と周方向溝12との間に形成された陸部Cと、陸部Cの装着内側に隣接すると共に、周方向溝10と周方向溝11との間に形成された陸部Dと、タイヤ幅方向における最も装着内側に配置された陸部Eと、から構成されている。
これらの陸部A〜Eには、それぞれ複数のブロック20が設けられており、これらのブロック20内には、複数の細溝(サイプ)が形成されている。
まず、陸部Aについては、細溝21が各ブロック20に形成されている。この細溝21は、破線で示すタイヤ周方向に対する交差角がθAに設定されている。次いで、陸部Bについては、細溝22が各ブロック20に形成されている。この細溝22は、破線で示すタイヤ周方向に対する交差角がθBに設定されている。また、陸部Cについては、細溝23が各ブロック20に形成されている。この細溝22は、破線で示すタイヤ周方向に対する交差角がθCに設定されている。さらに、陸部Dについては、細溝24が各ブロック20に形成されている。この細溝22は、破線で示すタイヤ周方向に対する交差角がθDに設定されている。そして、陸部Eについては、細溝25が各ブロック20に形成されている。この細溝22は、破線で示すタイヤ周方向に対する交差角がθEに設定されている。
これらの交差角θA〜θEについては、θA=θE,θB=θD,θC=90°>θB=θD>θA=θEの関係が成立している。即ち、本実施形態では、トレッドパターンが幅中心CLに対して左右対称であり、タイヤ幅方向の外側の陸部に向かうほど細溝21〜25のタイヤ周方向に対する交差角が小さくなり、よりタイヤ周方向に近づくように傾斜している。
以下に、本発明の実施形態による作用効果を説明する。
<作用効果>
(1)トレッド部5にタイヤ周方向に延びる周方向溝10〜13を複数設け、これらの周方向溝同士10〜13の間に陸部A〜Eを形成すると共に、前記陸部A〜Eにタイヤ幅方向に沿って延びる細溝21〜25を複数形成した空気入りタイヤ1である。前記細溝10〜13の周方向となす交差角θA〜θEについて、幅方向外側の細溝の方が幅方向内側よりも小さくなるように設定している。
このように、タイヤ幅方向の内側から外側に向かうにつれて細溝の延設方向が徐々にタイヤ周方向に近づくように段階的に傾斜する。ここで、陸部のうちタイヤ幅方向中央側の部位は、駆動や制動性能への寄与が大きく、タイヤ周方向に対して直角に近い角度を有する細溝を配置して、前後方向のエッジ効果を効率的に発生させる。一方、タイヤ幅方向外側の部位は、雪上操縦安定性能への寄与が大きく、タイヤ周方向に近い細溝を形成することにより、横方向のエッジ効果を効率的に発生させる。
従って、前述したような細溝21〜25の配置構造によって、細溝21〜25の量を増大させることなく、陸部剛性を高く維持したまま、空気入りタイヤをスノータイヤとして使用した場合における駆動性能、制動性能、操縦安定性能を効率的に向上させることができる。
なお、前述した実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、前記実施形態では、陸部を陸部A〜陸部Eまで合計5カ所設けたが、これに限定されす6箇所以上設けても良く、3箇所で良い。
次いで、本発明を実施例を通してさらに具体的に説明する。
サイズが225/45R17のタイヤを従来例および本発明例による供試タイヤとした。
従来例に係る供試タイヤの場合は、図3に示すトレッド部105のトレッドパターンのように、陸部aには細溝121が形成され、陸部bには細溝122が形成され、陸部cには細溝123が形成され、陸部dには細溝124が形成され、陸部eには細溝125が形成されていた。これらの細溝121〜125は全て、タイヤ周方向に対してθ'=90°の方向、即ちタイヤ幅方向に沿って延びていた。
一方、本発明例に供試タイヤの場合は、図2で説明したトレッドパターンに形成されている。ここで、θA=θE=30°,θB=θD=60°,およびθC=90°に設定した。
ドライ実車操安性能については、前記供試タイヤを車両に装着し、テストコースの試験路面のうちハンドリング路にてタイム計測を行い、その逆数を指数表示した。
また、雪上実車操安性能については、前記供試タイヤを車両に装着し、周長3kmのテストコースを走行し、要した時間を計測し、その逆数を指数表示した。
さらに、雪上加速性能については、車両を静止させた状態から発進させて、速度が40km/hになるまでの時間を計測し、その逆数を指数表示した。
なお、雪上制動性能については、速度が40km/hで走行している車両にブレーキをかけて静止するまでの距離を計測し、その逆数を指数表示した。これらの指数は、従来例を全て基準の100とし、数値が大きい方が良好な結果を示す。
Figure 0005503884
表1に示すように、本発明例に係る空気入りタイヤは、ドライ実車操安性能、雪上実車操安性能、雪上加速性能、および雪上制動性能の全てにおいて従来例も高い性能が得られることが判明した。
1 空気入りタイヤ
10,11,12,13 周方向溝
21,22,23,24,25 細溝

Claims (1)

  1. タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝のうち、互いに隣接する1対の周方向溝の間に形成された複数の陸部とを有するトレッド部を備える空気入りタイヤであって、
    前記複数の陸部は、タイヤ幅方向において中央に設けられた中央陸部と、前記タイヤ幅方向において前記中央陸部の外側に設けられた第1外側陸部と、前記タイヤ幅方向において前記第1外側陸部の外側に設けられた第2外側陸部とを含み、
    前記中央陸部は、複数の中央細溝を有しており、
    前記第1外側陸部は、複数の第1外側細溝を有しており、
    前記第2外側陸部は、複数の第2外側細溝を有しており、
    前記第2外側細溝と前記タイヤ周方向と交差した鋭角は、前記第1外側細溝と前記タイヤ周方向と交差した鋭角よりも小さく、
    前記第1外側細溝と前記タイヤ周方向と交差した鋭角は、前記中央細溝と前記タイヤ周方向と交差した角よりも小さく、
    前記中央細溝、前記第1外側細溝及び前記第2外側細溝は、前記タイヤ幅方向の内側から外側に向かうにつれて前記細溝の延設方向が前記タイヤ周方向に近づくように段階的に傾斜することを特徴とする空気入りタイヤ。
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