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JP5507982B2 - トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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JP5507982B2 - トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
タイヤを長期間使用すると、トレッドの表面が大気中のオゾンや紫外線によって劣化し、トレッドグルーブクラック(TGC)が発生する場合がある。このTGCの発生を抑制する方法として、ワックスや老化防止剤をトレッドに配合し、耐候性を確保する方法が知られている。
ワックスや老化防止剤を配合すると、それらがタイヤの表面に移行して膜が形成される。この膜によってタイヤが保護されるため、オゾン等によるタイヤの劣化を抑制することができる。しかしながら、この場合、配合したワックスや老化防止剤によりタイヤ表面が変色し、美観が損なわれる場合があった。また、オゾンクラックの発生を防止するために、老化防止剤を多量に配合しても、使用初期に散逸し、使用末期まで効果を持続させることができない場合があった。
特許文献1及び2には、イソ分とノルマル分とを特定の比率で有するパラフィンワックスを配合するゴム組成物が開示されている。しかし、このようなワックスを配合するだけでは、耐候性の確保は充分ではなかった。
特開2008−31433号公報 特開平11−181150号公報
本発明は、上記課題を解決し、タイヤの美観を損なうことなく耐候性及び悪路耐久性を改善できるトレッド用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、イソ分及びノルマル分を含むパラフィンワックスと、スルフェンアミド系加硫促進剤と、グアニジン系加硫促進剤と、硫黄とを含有し、上記パラフィンワックスは、炭素数分布が20〜50、上記イソ分の質量/上記ノルマル分の質量が5/95〜20/80、上記イソ分の標準偏差/上記イソ分の平均炭素数が1.0以上、上記ノルマル分の標準偏差/上記ノルマル分の平均炭素数が1.0以上であり、上記ゴム成分100質量部に対して、上記パラフィンワックスの含有量が1.0〜2.0質量部、上記スルフェンアミド系加硫促進剤及び上記グアニジン系加硫促進剤の合計含有量が1.2質量部以下、上記硫黄の含有量が1.8質量部以下であるトレッド用ゴム組成物に関する。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、特定のパラフィンワックス、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤及び硫黄を含有し、これらの成分のゴム成分に対する含有量が一定の範囲内であるゴム組成物であるので、これをトレッドに使用することにより、美観、耐候性及び悪路耐久性に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のゴム組成物は、特定のパラフィンワックス、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤及び硫黄を含有する。上記特定のパラフィンワックスにより、美観を損なうことなく、耐候性を改善することができる。また、スルフェンアミド系加硫促進剤及びグアニジン系加硫促進剤を併用することにより、ゴム組成物の架橋密度を小さくすることができるとともに、経時変化の少ない架橋構造を得ることができるため、耐候性をより改善できる。更に、上記特定のパラフィンワックスと、これらの加硫促進剤を併用することで、耐候性を相乗的に改善することができ、TGCの発生を抑制することができる。そして、スルフェンアミド系加硫促進剤及びグアニジン系加硫促進剤の合計含有量と、硫黄の含有量とが一定の範囲内であることにより、悪路耐久性を改善することができる。
本発明のゴム組成物が含有するゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ウェットグリップ性能及び転がり抵抗特性が良好であるという点から、NR、SBRが好ましく、NR及びSBRを併用することがより好ましい。
NRとしては特に限定されず、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上である。10質量%未満であると、良好な悪路耐久性が得られない傾向がある。また、該含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、ウェットグリップ性能が悪化する傾向がある。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、S−SBRが好ましい。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。40質量%未満であると、ウェットグリップ性能が悪化する傾向がある。また、該含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。90質量%を超えると、良好な悪路耐久性が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物が含有するパラフィンワックスは、(1)炭素数分布、(2)イソ分の質量/ノルマル分の質量、(3)イソ分の標準偏差/イソ分の平均炭素数、(4)ノルマル分の標準偏差/ノルマル分の平均炭素数が特定の範囲内であるという特徴を有する。以下、上記特徴(1)〜(4)について、詳細に説明する。
(1)炭素数分布
本発明でいうパラフィンワックスの炭素数分布とは、パラフィンワックス中の各炭素数成分の質量頻度分布を意味する。
本発明で使用する「炭素数分布が20〜50のパラフィンワックス」とは、炭素数が20〜50の範囲にあるパラフィンワックスを95質量%以上含有するパラフィンワックスをいう。炭素数20未満のパラフィンワックスを多く含有すると、パラフィンワックスがゴム中に溶解してタイヤ表面に析出されにくくなる傾向があり、また、炭素数50を超えるパラフィンワックスを多く含有すると、パラフィンワックスの移行性が遅くなり、タイヤ表面に析出するのに時間がかかる傾向がある。
パラフィンワックスの炭素数は、イソ分、ノルマル分ともに、炭素数20〜50の全炭素数領域にブロードに分布していることが好ましい。ブロードに分布していない場合、タイヤ表面に有効な膜を充分な期間維持できないおそれがある。
本発明でいうパラフィンワックスの炭素数が全炭素数領域にブロードに分布しているとは、
炭素数分布の標準偏差/平均炭素数
が大きいことを意味し、パラフィンワックスの炭素数が全炭素数領域にブロードに分布していないとは、
炭素数分布の標準偏差/平均炭素数
が小さいことを意味する。なお、炭素数分布の標準偏差及び平均炭素数は以下(3)及び(4)で説明する。
(2)イソ分の質量/ノルマル分の質量
本発明でいうパラフィンワックスのイソ分とは、枝分かれのある(主鎖及び側鎖をもつ)飽和炭化水素(イソパラフィン)を意味し、パラフィンワックスのノルマル分とは、枝分かれのない(主鎖のみをもつ)飽和炭化水素(ノルマルパラフィン)を意味する。
パラフィンワックスのイソ分の質量/ノルマル分の質量は、5/95〜20/80であることが必要であり、10/90〜15/85であることが好ましい。パラフィンワックスのイソ分の質量/ノルマル分の質量が5/95未満では、タイヤ表面に形成される膜の耐屈曲性が充分ではないため、膜が割れることでオゾンの浸入を許してしまうおそれがある。また、パラフィンワックスのイソ分の質量/ノルマル分の質量が20/80を超えると、タイヤ表面に形成される膜がオイル状となり、走行中に空気中のホコリを付着させ、タイヤの美観を損なうおそれがある。
(3)イソ分の標準偏差/イソ分の平均炭素数
本発明でいうパラフィンワックスのイソ分の平均炭素数とは、イソ分の質量平均の炭素数を意味する。パラフィンワックスのイソ分の平均炭素数は、タイヤ表面に析出しやすいという理由から、30〜45であることが好ましく、32〜40であることより好ましい。
本発明でいうパラフィンワックスのイソ分の質量分率(%)とは、
イソパラフィンの含有量÷全パラフィンの含有量×100
で表すことができる。パラフィンワックスのイソ分の質量分率(%)は、タイヤ表面に形成される膜の耐屈曲性を改善できる点から、5〜20%であることが好ましく、10〜15%であることより好ましい。
本発明でいうパラフィンワックスのイソ分の標準偏差とは、
(個別の炭素数−平均炭素数)の総和を平方に開いた値
を意味する。パラフィンワックスのイソ分の標準偏差は、有効な膜を長期間維持できるという理由から、15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。
そして、本発明でいうパラフィンワックスのイソ分の標準偏差/イソ分の平均炭素数とは、イソ分の各炭素数成分の分布を表し、その値が大きい程、該分布がブロードであることを意味する。
パラフィンワックスのイソ分の標準偏差/イソ分の平均炭素数は、1.0以上、好ましくは1.05以上である。パラフィンワックスのイソ分の標準偏差/イソ分の平均炭素数が1.0未満では、バラツキが小さすぎて、有効な膜を維持できる期間が短くなる傾向がある。なお、パラフィンワックスのイソ分の標準偏差/イソ分の平均炭素数の上限は特に限定されないが、好ましくは1.8以下である。
(4)ノルマル分の標準偏差/ノルマル分の平均炭素数
本発明でいうパラフィンワックスのノルマル分の平均炭素数とは、ノルマル分の質量平均の炭素数を意味する。パラフィンワックスのノルマル分の平均炭素数は、適切な速度でタイヤ表面に移行できるという理由から、25〜35であることが好ましく、27〜33であることより好ましい。
本発明でいうパラフィンワックスのノルマル分の質量分率(%)とは、
ノルマルパラフィンの含有量÷全パラフィンの含有量×100
で表すことができる。パラフィンワックスのノルマル分の質量分率(%)は、タイヤ表面に充分な厚さの膜を形成できるという理由から、80%以上であることが好ましく、85%以上であることより好ましい。
本発明でいうパラフィンワックスのノルマル分の標準偏差とは、
(個別の炭素数−平均炭素数)の総和を平方に開いた値
を意味する。パラフィンワックスのノルマル分の標準偏差は、有効な膜を長期間維持できるという理由から、15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。
そして、本発明でいうパラフィンワックスのノルマル分の標準偏差/ノルマル分の平均炭素数とは、ノルマル分の各炭素数成分の分布を表し、その値が大きい程、該分布がブロードであることを意味する。
パラフィンワックスのノルマル分の標準偏差/ノルマル分の平均炭素数は、1.0以上、好ましくは1.05以上である。パラフィンワックスのノルマル分の標準偏差/ノルマル分の平均炭素数が1.0未満では、バラツキが小さすぎて、有効な膜を維持できる期間が短くなる傾向がある。なお、パラフィンワックスのノルマル分の標準偏差/ノルマル分の平均炭素数の上限については特に限定されないが、好ましくは1.8以下である。
上記特徴(1)〜(4)を満たすパラフィンワックスとしては、日本精鑞(株)製のオゾエース0355、パラメルト社製のOK5258H等が挙げられる。
パラフィンワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1.0質量部以上、好ましくは1.2質量部以上である。パラフィンワックスの含有量が1.0質量部未満では、パラフィンワックスの含有量が少なすぎて、タイヤ表面に充分な厚さの膜を形成できないおそれがある。また、パラフィンワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2.0質量部以下、好ましくは1.8質量部以下である。パラフィンワックスの含有量が2.0質量部を超えると、タイヤ表面に多量のワックスが析出し、そこにホコリが付着して、タイヤの美観を損ねるおそれがある。
本発明のゴム組成物が含有するスルフェンアミド系加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。なかでも、良好な加硫速度が得られるという点で、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。
本発明のゴム組成物が含有するグアニジン系加硫促進剤としては、1,3−ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレート等が挙げられる。なかでも、良好な加硫速度が得られるという点で、1,3−ジフェニルグアニジン等のジフェニルグアニジン系加硫促進剤が好ましく、1,3−ジフェニルグアニジンがより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.4質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上である。0.2質量部未満では、良好な加硫速度が得られない傾向がある。また、スルフェンアミド系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以下、より好ましくは0.8質量部以下、更に好ましくは0.7質量部以下である。1.0質量部を超えると、ゴム硬度が高くなりすぎて、良好な悪路耐久性が得られない傾向がある。
グアニジン系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上である。0.1質量部未満では、良好な(早い)加硫開始時間が得られない傾向がある。また、グアニジン系加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.8質量部以下、より好ましくは0.6質量部以下、更に好ましくは0.4質量部以下である。0.8質量部を超えると、加硫速度が早すぎて、加工中に焼け(スコーチ)が発生するおそれがある。
スルフェンアミド系加硫促進剤及びグアニジン系加硫促進剤の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、好ましくは0.6質量部以上である。0.3質量部未満では、良好な(早い)加硫開始時間が得られない傾向がある。また、該合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1.2質量部以下、好ましくは1.0質量部以下である。1.2質量部を超えると、加硫速度が早すぎて、加工中に焼け(スコーチ)が発生するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、充填剤として、カーボンブラック及び/又はシリカを含有することが好ましい。これにより、補強性が得られ、破壊特性を改善することができる。なお、充填剤としてシリカを用いた場合、シリカが加硫促進剤を吸着することにより、加硫速度が遅くなる傾向がある。これに対し、本発明のゴム組成物は、グアニジン系加硫促進剤を含有しているため、シリカを用いた場合であっても、加硫速度の低下を抑制することができる。
カーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられるが、特に限定されない。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは30m/g以上、より好ましくは70m/g以上である。30m/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。250m/gを超えると、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。10質量部未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。60質量部を超えると、転がり抵抗が大きくなる傾向がある。
シリカとしては、湿式法で製造されたシリカ、乾式法で製造されたシリカ等が挙げられるが、特に制限はない。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは120m/g以上である。80m/g未満であると、充分な補強性が得られないおそれがある。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。250m/gを超えると、加工性が悪化する傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上である。20質量部未満の場合、充分な補強性が得られないおそれがある。また、シリカの含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。70質量部を超えると、転がり抵抗が大きくなる傾向がある。
シリカ及びカーボンブラックの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは40質量部以上、より好ましくは50質量部以上である。40質量部未満の場合、充分な補強性が得られないおそれがある。また、該合計含有量は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは110質量部以下である。120質量部を超えると、転がり抵抗が大きくなる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、安価である点、入手が容易な点から、(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)が好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。3質量部未満では、加工性が悪化する傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。15質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、オイルを含有することが好ましい。オイルとしては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用でき、例えば、アロマオイル等のプロセスオイル、ひまし油等の植物油脂等が挙げられる。なかでも、プロセスオイルが好ましい。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の生地が悪くなる傾向がある。また、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。40質量部を超えると、未加硫ゴム組成物の粘着性が強すぎて、加工性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、架橋剤として、硫黄を含有する。硫黄としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.8質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。0.8質量部未満では、加硫反応が不充分となるおそれがある。また、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1.8質量部以下、好ましくは1.6質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下である。1.8質量部を超えると、ゴム組成物の耐熱性が低下し、TGCが発生しやすくなるおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤等を適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロール等の混練機で上記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、空気入りタイヤのトレッドとして用いられるものである。特に、多層構造を有するトレッドの表面層であるキャップトレッドに好適に使用できる。例えば、2層構造〔表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)〕からなるトレッドの表面層に好適である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明の空気入りタイヤを製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車、トラック、バス、ランフラット等に好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:SIR20
S−SBR:住友化学(株)製のSE−2148
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックI(NSA:114m/g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA:175m/g)
プロセスオイル:出光興産(株)製のNH60
ワックスA:日本精鑞(株)製のオゾエース0355(炭素数が20〜50の範囲にあるパラフィンワックスを95質量%以上含有するパラフィンワックス)
ワックスB:パラメルト社製のOK5258H(炭素数が20〜50の範囲にあるパラフィンワックスを95質量%以上含有するパラフィンワックス)
ワックスC:Renox2101
老化防止剤:バイエル社製のブルカノックス4020
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
粉末硫黄:鶴見化学鉱業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(G):住友化学(株)製のソクシノールD(1,3−ジフェニルグアニジン)(グアニジン系加硫促進剤)
加硫促進剤(S−1):三新化学工業(株)製のサンセラーCM(N−シクロヘキシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド)(スルフェンアミド系加硫促進剤)
加硫促進剤(S−2):Northeast社製のTBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)(スルフェンアミド系加硫促進剤)
ワックスA〜Cの各特性値を表1に示す。
Figure 0005507982
実施例1〜2及び比較例1〜4
表2に示す配合処方に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を160℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、100℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。更に、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃の条件下で40分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:215/45R17)を製造した。
得られた試験用タイヤを用いて以下の評価を行った。その結果を表2に示す。
(美観)
上記試験用タイヤを雨水がかからないように屋外に180日間放置した。その後、試験用タイヤの外観を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:変色がまったくなし
○:一部分で変色あり
△:大部分で変色あり
×:タイヤ全体にわたって変色あり
(使用末期オゾンクラック(TGC))
上記試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)に装着して、1万km実車走行した。その後、試験用タイヤの外観を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:肉眼で認められる亀裂がまったくなし
○:肉眼で見える程度の亀裂が少数存在
△:肉眼で見える程度の亀裂が多数存在
×:大きく、深い亀裂が多数存在
(悪路耐久性)
上記試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)に装着して、瓦礫テストコースを時速40km/hで2時間走行した。その後、試験用タイヤの外観を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:肉眼で認められる亀裂がまったくなし
○:肉眼で見える程度の亀裂が少数存在
△:肉眼で見える程度の亀裂が多数存在
×:大きく、深い亀裂が多数存在
Figure 0005507982
表2より、特定のパラフィンワックス、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤及び硫黄を含有する実施例は、美観、耐候性及び悪路耐久性に優れていた。
一方、比較例1は、特定のパラフィンワックス、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤及び硫黄を含有しているが、特定のパラフィンワックスの含有量が少ないため、美観及び耐候性が悪かった。
比較例2は、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤及び硫黄を含有しているが、特定のパラフィンワックスを含有しないため、美観が悪かった。
比較例3は、特定のパラフィンワックス、スルフェンアミド系加硫促進剤及び硫黄を含有しているが、グアニジン系加硫促進剤を含有しないため、耐候性及び悪路耐久性が悪かった。
比較例4は、特定のパラフィンワックス、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤及び硫黄を含有しているが、スルフェンアミド系加硫促進剤及びグアニジン系加硫促進剤の合計含有量と、硫黄の含有量が多いため、耐候性及び悪路耐久性が劣っていた。

Claims (4)

  1. ゴム成分と、イソ分及びノルマル分を含むパラフィンワックスと、スルフェンアミド系加硫促進剤と、グアニジン系加硫促進剤と、硫黄とを含有し、
    前記パラフィンワックスは、炭素数分布が20〜50、前記イソ分の質量/前記ノルマル分の質量が5/95〜20/80、前記イソ分の標準偏差/前記イソ分の平均炭素数が1.0以上、前記ノルマル分の標準偏差/前記ノルマル分の平均炭素数が1.0以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記パラフィンワックスの含有量が1.2〜2.0質量部、前記スルフェンアミド系加硫促進剤の含有量が0.2〜0.8質量部、前記グアニジン系加硫促進剤の含有量が0.1〜0.8質量部、前記スルフェンアミド系加硫促進剤及び前記グアニジン系加硫促進剤の合計含有量が1.2質量部以下、前記硫黄の含有量が1.6質量部以下であるトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10〜60質量部及び/又はシリカを20〜70質量部含有し、かつ該カーボンブラック及び該シリカの合計含有量が40〜120質量部である請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記ゴム成分100質量部に対して、オイルを1〜40質量部含有する請求項1又は2記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
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