以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる対訳文書校正装置の構成図、図2は本発明の実施の形態に係る対訳文書校正装置のハードウエア構成を示すブロック構成図である。対訳文書校正装置11は、例えば一般的なコンピュータに対訳文書校正プログラムなどのソフトウェアプログラムがインストールされ、そのソフトウェアプログラムが演算制御装置12のプロセッサ13において実行されることにより実現される。
演算制御装置12は対訳文書校正に関する各種演算を行うものであり、演算制御装置12はプロセッサ13とメモリ14とを有し、メモリ14には翻訳に関する対訳文書校正プログラム15が記憶され、プロセッサ13により処理が実行される際には作業エリア16が用いられる。演算制御装置12の演算結果等は出力装置である表示装置17に表示出力される。
入力装置18は演算制御装置12に情報を入力するものであり、例えば、マウス19、キーボード20、ディスクドライブ21から構成され、例えば、マウス19やキーボード20は表示装置17を介して演算制御装置12に各種指令を入力し、キーボード20、ディスクドライブ21は対訳文書校正対象の文書を入力する。すなわち、ディスクドライブ21は対訳文書校正対象の文書のファイルを記憶媒体に入出力するものである。さらに、演算制御装置12の演算結果や対訳文書校正に必要な知識・規則を蓄積した翻訳辞書等を記憶するハードディスクドライブ(HDD)22が設けられている。
図1は本発明の実施の形態に係わる対訳文書校正装置11の機能ブロック図である。図1に示す演算制御装置12内の各機能ブロックは、上述の対訳文書校正プログラム15を構成する各プログラムに対応する。すなわち、プロセッサ13が対訳文書校正プログラム15を構成する各プログラムを実行することで、演算制御装置12は、各機能ブロックとして機能することとなる。また、記憶装置25の各ブロックは、演算制御装置12内のメモリ14及びハードディスクドライブ22の記憶領域に対応する。
図1において、入力装置18は、校正対象となる文書の電子データを入力するものであり、例えばキーボード20、マウス19等によって構成されており、ユーザの入力操作に基づく対訳文書の入力が可能である。入力装置18から入力される文書は、校正前の第一言語文書とこの第一言語文書を第二言語に翻訳した校正前の第二言語文書とが対になっている校正前対訳文書、及びこの校正前対訳文書に対する人手による校正後の対訳文書である。校正後対訳文書は、校正後の第一言語文書と校正後の第二言語文書とが対になった対訳文書である。なお、入力装置18としては、OCR(光学式文字読み取り装置)や、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク等、コンピュータ可読媒体からの読み込み装置を採用することも可能であり、入力装置18によって入力された校正前対訳文書及び校正後対訳文書は、演算処理部12の入力処理部23により入力処理されて取り込まれ、制御部24を介して記憶装置25の対訳文書記憶部26に記憶される。また、入力装置18は、入力処理部23を介して制御部24に対して各種コマンドを与える。
制御部24は、入力処理部23、出力処理部33、文書解析手段28、校正内容分類手段30、校正内容適性判断手段32、校正内容確認操作手段34を制御するとともに、記憶装置25とのデータの授受の制御も行う。
文書解析手段28は、制御部24からの指示に従って、後述する記憶装置25の翻訳辞書部27を用いて、入力装置18によって入力され、対訳文書記憶部26に記憶された校正前の第一言語文書、校正前の第二言語文書、校正後の第一言語文書及び校正後の第二言語文書を解析し、その解析情報を解析情報記憶部29に記憶する。また、その解析結果は、制御部24及び出力処理部33を介して必要に応じて表示装置17に表示出力される。
校正内容分類手段30は、解析情報記憶部29に記憶された解析情報に基づいて、校正前の第一言語文書と校正後の第一言語文書、及び校正前の第二言語文書と校正後の第二言語文書とを比較し、校正内容を分類してその校正分類を校正分類記憶部31に記憶する。
校正内容適性判断手段32は、解析情報記憶部29に記憶された解析情報及び校正分類記憶部31に記憶された校正分類とに基づいて校正内容の適性を判断し、その校正内容適性結果を制御部24及び出力処理部33を介して表示装置17に表示出力する。
校正内容確認操作手段34は、表示装置17に表示された校正内容適性結果の確認操作をユーザに対して促すとともに、ユーザにより入力装置18を介して入力された操作指令に基づき、校正後の第一言語文書や校正後の第二言語文書の校正内容の確認操作を行うものである。
出力処理部33は、制御部24を介して供給された対訳文書、解析結果、校正分類、校正内容適性結果等の対訳校正情報を表示装置17に出力処理するものであり、これにより、表示装置17の表示画面上に対訳校正情報が画面表示される。また、出力処理部33は制御部24への各種コマンドに対する制御部24からの応答を表示する。
なお、出力装置として表示装置17を示しているが、出力装置としては、表示装置17だけでなく、印字機等の印刷装置、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク等のコンピュータ可読媒体への出力装置や、他のメディアに文書を送信する送信装置等を採用することもできる。
翻訳辞書部27は、校正内容適性判断手段32が校正内容適性判断処理を行う際に使用する各種辞書データを格納している。翻訳辞書部27は、第一言語から第二言語への翻訳を行うための辞書、及び第二言語から第一言語への翻訳を行うための辞書を格納している。
第一言語から第二言語への翻訳を行うための辞書は、語尾等に変化のある単語・熟語をその原形に変換するための第一言語活用変化辞書27a、第一言語を解析するための文法が記憶された第一言語解析文法辞書27b、第一言語の単語・熟語に対応する第二言語の訳語がその品詞情報と共に記憶される第一言語単語・熟語辞書27c、第一言語から第二言語への変換情報が記憶された第一言語変換文法辞書27d、第二言語の文の構造を決定する第二言語生成文法辞書27e、さらに語尾等の語形を変化させて翻訳文を完成させる第二言語形態素生成文法辞書27fからなる。
また、第二言語から第一言語への翻訳を行うための辞書は、第二言語活用変化辞書27g、第二言語を解析するための文法が記憶された第二言語解析文法辞書27h、第二言語の単語・熟語に対応する第一言語の訳語が、その品詞情報と共に記憶される第二言語単語・熟語辞書27i、第二言語から第一言語への変換情報が記憶された第二言語変換文法辞書27j、第一言語の文の構造を決定する第一言語生成文法辞書27k、さらに語尾等の語形を変化させて翻訳文を完成させる第一言語形態素生成文法辞書27lからなる。ここでは、有用と思われる辞書を挙げたが、必ずしもすべてを使用する必要はない。
以下、英語を第一言語とし日本語を第二言語とした場合を例に取り説明する。図3は、本発明の実施の形態に係わる対訳文書校正装置の処理内容の一例を示すフローチャートである。まず、制御部24は、入力装置18から入力処理部23を介して入力された校正前の対訳文書及び校正後の対訳文書を記憶する(S1)。すなわち、校正前の第一言語文書と校正前の第二言語文書とを校正前の対訳文書として、校正後の第一言語文書と校正後前の第二言語文書とを校正後の対訳文書として、対訳文書記憶部26に記憶する。
図4は校正前の対訳文書の一例の説明図、図5は校正後の対訳文書の一例の説明図である。なお、図4及び図5における対訳文書は、第二言語文書が第一言語文書の単語を過不足なく翻訳した逐語訳であり、対訳文書の第一言語文書が2文である場合を示している。各文には文番号が付与されている。
なお、図5の校正後の対訳文書では、文番号は必ずしも1文ではない場合がある。例えば、図5の校正後の第二言語文書の文番号2は1文ではなく2文である。これは、ここでいう文番号は、校正前の第一言語の1文に対応する文を示すものであるからである。つまり、校正後の対訳文書には、校正により文が削除や結合された場合には文がないことになり、校正より文が追加された場合には2文以上となる場合が有り得る。また、同じ校正前の文でも、第一言語の1文は、第二言語において必ずしも1文である必要はないので同様のことが言える。実際、図4の文番号2に対応する第二言語の文は、2文になっている。また、後述の比較処理の説明に分かりやすいように、異なり部分に下線を付している。
ここで、表層的文字列から何をもって挿入/ 削除/ 置換とするかは、例えば、WER(Word Error Rate)の記述にあるように、判断するソフトも既にある。これは、基準となる模範的翻訳と比較した際の編集距離(挿入/削除/置換)を反映したものである。
次に、制御部24は文書解析手段28を起動する。文書解析手段28は、対訳文書記憶部26から校正前の対訳文書及び校正後の対訳文書を読み出し、校正前の対訳文書及び校正後の対訳文書の各文をそれぞれ形態素に分割し、品詞などの属性情報を得る(S2)。これは、校正前の対訳文書及び校正後の対訳文書の各文の統語的特徴を得るためである。
図6は校正前の対訳文書のうち校正前の第一言語文書の最初の一文目の形態素解析情報の一例を示す説明図である。校正前の第一言語文書の最初の一文目は、翻訳辞書部27の第一言語から第二言語への翻訳を行うための辞書、具体的には第一言語活用変化辞書27aと第一言語解析文法辞書27bとの照合により、図6に示すように、各単語につき、品詞、原型、属性が付与される。
図7は校正前の対訳文書のうち校正前の第二言語文書の最初の一文目の形態素解析情報の一例を示す説明図である。第二言語である日本語は膠着語であるので、屈折語である英語と異なり、視覚的には単語の境界が分からず、翻訳辞書部27の第一言語から第二言語への翻訳を行うための辞書、具体的には第二言語活用変化辞書27g及び第一言語解析文法辞書27hを使って形態素解析を行う。これにより、図4の第二言語文書の1文目の場合、例えば、図7のように分割され、それぞれの単語に、品詞、原型、属性が付与される。
次に、第一言語単語・熟語辞書27c、第二言語単語・熟語辞書27iを用いて、それぞれの形態素に対して、翻訳辞書部27内に定義している訳語情報を得る(S3)。なお、第一言語側の第一文の場合、第一言語単語・熟語辞書27cでは、”scientific community,”、“human genome”のような複合語も見出しとして登録されているので、これらの複合語も訳語情報を得る対象となる。校正前の対訳文書の第二文も同様の処理を行う。また、校正後の対訳文書についても同様の処理を行う。ここで得られた形態素解析情報や訳語情報は、制御部24により解析情報記憶部29に記憶される。
次に、制御部24は校正内容分類手段30を起動する。校正内容分類手段30は、補正前の対訳文書及び校正後の対訳文書を対訳文書記憶部26から読み込み、校正前の対訳文書と校正後の対訳文書の同じ文番号の文が同一か否かを判断する(S4)。すなわち、校正前の第一言語文書と校正後の第一言語文書の同じ文番号の文、及び校正前の第二言語文書と校正後の第二言語文書の同じ文番号の文とは同一か否かを判断する。同一である文については、校正内容分類手段30は校正分類として同一の分類を付与する(S5)。そして、校正内容分類手段30は制御部24を介してその校正分類を校正分類記憶部31に記憶する。
図8は校正分類記憶部31に記憶される校正分類の一例の説明図である。図4の校正前の対訳文書と図5の校正後の対訳文書においては、校正前の第一言語文書の第一文(文番号1)と第二文(文番号2)は、それぞれ校正後の第一言語文書の第一文(文番号1)と第二文と同一であるので、それらは、図8に示すように同一として分類される。
一方、同一ではなかった文について、校正内容分類手段30は、同じ文番号の文中に部分的に重なる部分があるか否かを判断する(S6)。重なり部分がない場合には別の文番号の文に同一文があるか否かを判断し(S7)、同一文がある場合には、校正分類として文移動を付与する(S8)。別の文番号の文に同一文があるか否かの判断は、校正後の同じ言語の文書中の近隣の何文かをチェックして判断する。
ステップS6の判断で別の文番号においても同じ文が現れなければ、同一ではなかった文は、校正前の文であるか否かを判断する(S9)。校正前の文である場合には校正分類として文削除の分類を付与し(S10)、一方、同一ではなかった文が校正後の文であれば校正分類として文追加の分類を付与する(S11)。
一方、校正内容分類手段30は、ステップS6の判断で部分的な重なり部分があると判断した場合は、まず、文分割又は文結合の現象が見られるか否かを判断する(S12)。この判断の基準としては、重なり部分の機能語を除き内容語が一致し、校正前と校正後とで文の数が異なっているかどうかで判断する。
内容語であるか機能語であるか否かは、図6や図7に示した形態素解析情報の品詞情報を参照することによって情報が得られる。品詞として、名詞、形容詞、動詞、副詞は内容語に属し、代名詞、前置詞(英語の場合)、接続詞、間投詞は機能語に属する。すなわち、校正内容分類手段30は、校正前の対訳文書及び校正後の対訳文書の各文の形態素解析情報を解析情報記憶部29から読み出し、形態素解析情報の品詞情報を参照することによって、重なり部分の機能語を除き内容語が一致するか否かを判断する。そして、重なり部分の機能語を除き内容語が一致し、校正前と校正後とで文の数が異なっているときは、文分割又は文結合の現象が見られると判断する。
次に、校正後に文の数が減っているか否かを判断し(S13)、校正後に文の数が減っているときは校正分類として文結合の分類を付与する(S14)。一方、校正後に文の数が増えていれば校正分類として文分割の分類を付与する(S15)。
例えば、図5の第二言語の第二文の「米国立衛生研究所は、予備調査を公式にスタートした。これは、癌に関係するゲノムの変化についての包括的な目録を作成するためのものである。」は、図4の第二言語の第二文の「米国立衛生研究所は、癌に関係するゲノムの変化についての包括的な目録を作成するための予備調査を公式にスタートした。」を2文に分割したものと判断できるので、文分割の分類を付与する。
一方、ステップS12の判断で、部分的な重なり部分に文分割又は文結合の現象が見られないと判断したときは、校正内容分類手段30は、校正前の対訳文書であるか否かを判断し(S16)、校正前の対訳文書であれば校正分類として削除の分類を付与する(S17)。一方、校正前の対訳文書でなければ校正後の対訳文書であるので、校正分類として追加の分類を付与する(S18)。
例えば、図4の第二言語文書の第一文の「科学者のスミスら」が削除に分類され、図5の第二言語文書の第一文の「スミスのような科学者」が追加に分類される。また、校正前にあった「癌の生態」の「の生態」が、校正後の文には存在しないので削除と分類される。図5の第二言語文書の第二文については、先述した文分割の箇所の次には「すなわち、「癌ゲノムアトラス」である。」があり、これは校正前も校正後も存在している。しかし、校正後には、「略称のTCGAは4種類の塩基にちなむ。」が後続しており、この点が異なる。従って、この一文は追加に分類される。
そして、校正内容分類手段30は、図8に示すように、対訳文書の文番号毎に付与された校正分類を集約する(S19)。
次に、校正内容適性判断手段34は、この校正分類に基づき、文番号が同一のものについて、第一言語側と第二言語側とで同様の校正分類となっているかを判断し(S20)、同様である場合は、校正内容適性を有する可能性が高いと判断する(S21)。一方、異なる場合は、文移動、文結合、文分割のいずれかであるか否かを判断し(S22)、文移動、文結合、文分割のいずれかである場合は、校正内容適性を有する可能性が高いと判断する(S21)。また、文移動、文結合、文分割のいずれでもない場合には、校正内容適性を有する可能性が低いと判断する(S23)。これは、文移動、文結合、文分割は、言い換えにすぎず、内容的な追加や削除はないので校正内容適性を有する可能性があると考えられるためである。
ここで、図4及び図5の対訳文書の場合、第一文では、第一言語側において校正前後で同一であるのに対して、第二言語側では、校正前にあった部分が削除され、校正後の同一箇所に追加がある。別の言い方をすれば置き換えがある。さらに、後続部分で、校正前にあった部分が削除され、削除された部分には何の追加もない。従って、異なる校正内容となり、校正内容適性判断手段34は、校正内容適性が低い可能性があると判断する。
また、第二文では、第一言語側において校正前後で同一であるのに対して、第二言語側では、文分割と追加がある。文結合は校正内容適性を有するので、「同一」と「追加」の比較になる。従って、第二文についても異なる校正分類となっているので、校正内容適性判断手段34は、校正内容適性が低い可能性があると判断する。
逆に、校正内容適性がある可能性が高いと考えられるケースは、第一言語側でも校正前と校正後で、削除から追加の編集が行われたときや、文移動、文結合、文分割のみが見られるときである。
こうして、すべての文番号について判断がなされると、校正内容確認操作手段34は、表示装置に校正内容適性結果を表示する(S24)。そして、確認操作をユーザに対して促すとともにユーザからの操作指令があるか否かを判断し(S25)、校正内容確認操作手段34はユーザからの操作指令があるときは、その操作指令に従った処理を行い(S26)、処理を終了する。この場合、校正内容確認操作手段34は、校正内容適性判断手段32により校正内容適性を有する判断された校正内容を確認修正作業の対象から除外することも可能である。これにより、ユーザによる確認修正作業が迅速に行える。
このように、校正が行われた箇所について、「校正内容適性が低い可能性があるもの」と「校正内容適性がある可能性が高いもの」とに分類される。「校正内容適性が低い可能性があるもの」は目視による確認を必要とするので、この分類に該当する箇所はハイライト表示するなど、表示上の工夫を行うことによって、作業者の便宜を図ることもできる。
以上の説明では、校正前後の対訳文書の第一言語及び第二言語の双方を用いて校正内容適性を判断するようにしたが、校正前後の対訳文書の同一言語内での判断を行うようにしてもよい。具体的には、校正前にあった文字列が削除され、校正後に削除された文字列の箇所に新たな文字列が追加されたケース、すなわち置換についての判断を行う。
図9は校正内容適性判断手段32により校正前後の対訳文書の同一言語内で校正内容適性の判断処理を行う場合の一例を示すフローチャート、図10はその場合の対訳文書の一例の説明図である。以下の説明では、校正前後の対訳文書の同一言語は、第一言語の英語である場合について説明する。
校正内容適性判断手段32は、校正分類記憶部31から対象となる対訳文書の校正分類を読み込む(S1)。この場合、対象となる対訳文書は、図10に示した対訳文書の第一言語文書の各文である。そして、校正分類は削除や追加か否かを判断する(S2)。
校正分類が削除や追加でない場合は処理を終了し、校正分類が削除や追加である場合は、校正内容適性判断手段32は、解析文書記憶部26から対象となる対訳文書の解析情報を読み出し品詞などの属性情報を得る(S3)。
ここで、図10のケース1(文番号1)では、校正前のgraspが原形grasp過去形の他動詞であり、校正後のsuggestedは原形suggest過去形ということがわかる。ケース2(文番号2)では、校正前のfirstも校正後のinitialも形容詞である。
一方、ケース3(文番号3)は複数の単語にわたり、校正前、校正後いずれも3語である。校正前の”patience with customers”はpatience:名詞、with:前置詞、customers:原形customerの名詞複数形よりなる。校正後の”in sales networking”はin:前置詞、sales:形容詞、networking:名詞よりなる。前者は、生成文法の表記方法を用いれば、[patience [with customers]PP]NPと、後者は、[in [sales networking]NP]PPと表記することができ、全体としては前者が名詞句、後者が前置詞句であり、品詞構成が異なっている。
ケース4〔文番号4〕では、校正前の”there was”と校正後の”he held”が異なり部分である。品詞からみると、there:副詞、was: be動詞過去形、he:代名詞、held:他動詞hold過去形である。
図11はケース4(文番号4)の対訳文書に含まれる文の解析例を示す説明図であり、図11(a)は校正後の文の解析例、図11(b)は校正前の文の解析例である。図11に示すとおり、いずれも、2語の塊として構成要素(constituent)を構成しない。図11ではノードの箇所の要素が構成要素となり得る。つまり、”held a breakfast meeting with potential contributors”は構成要素だが、”held a”や”he held”は構成要素とならない。そこで、文全体における位置づけをみると、同じ2語でありながら、品詞が異なり、そのため、他の不変の部分も文中で占める役割が大幅に異なることがわかる。すなわち、校正前の文は、there構文であり、there isはその定型部分である。後続の”a breakfast meeting with potential contributors”は存在するそのものを指している。文における役割としては、主語である。一方、校正後の文では、he heldはそれぞれ、主文の主語と述語であるところの動詞句のheadである。この文においては、同じ” a breakfast meeting with potential contributors”がこの他動詞heldの目的語となっている。
次に、異なり部分の品詞が同じか否かを判断する(S4)。異なる場合は、構成内容適性の校正内容適性を有する可能性が低いと判断し(S5)、同じであれば、校正内容適性を有する可能性が高いと判断する(S6)。
図10のケース1(文番号1)とケース2(文番号2)とは品詞が同じであるので、校正内容適性を有する可能性が高いと判断し、図10のケース3(文番号3)とケース4(文番号4)とは品詞が異なるので、校正内容適性を有する可能性が低いと判断する。このように、校正分類が削除や追加である場合は、削除された単語の品詞と、削除された単語の置き換えにより追加された単語の品詞とが一致する場合は校正内容適性を有すると判断する。
図9では、削除された単語の品詞と、削除された単語の置き換えにより追加された単語の品詞とが一致する場合に、校正内容適性を有すると判断したが、図12に示すように、さらに、各々の単語を該当する言語の翻訳辞書部を辞書引きしてそれらが同義語である場合には校正内容適性を有すると判断するようにしてもよい。この場合は、校正内容適性を有する可能性がより高くなる。
図12において、ステップS4〜ステップS5は、図9と同じであるので説明を省略する。異なり部分の品詞が同じである場合は、異なり部分の単語は同義語であるかどうかを判断する(S6)。この判断は、各々の単語を該当する言語の翻訳辞書部を辞書引きしてそれらが同義語であるかどうかを判断することにより行う。そして、同義語である場合には、校正内容適性を有する可能性が高いと判断する。
すなわち、品詞が同じだった場合は、異なり部分の単語の意味に着目する。翻訳辞書部27の第一言語単語・熟語辞書27cや第一言語単語・熟語辞書27iは同義語の情報も有している。そこで、校正内容適性判断手段32は、第一言語単語・熟語辞書27cを用いて、firstの同義語として、”archetypal, archetypical, prototypal, prototypic, prototypical, basic, introductory, initial, firstborn, eldest, freshman, first-year, original, premier, premiere, prime, prime”などの語が得られたとすると、この中に校正後のinitialがあるため、firstとinitialが同義語であると判断する。
なお、firstの同義語としてinitialが含まれているので、initialの同義語については調査を打ち切ってもよいし、双方向の同等性を確認するようにしてもよい。initialについても、調べてみると、形容詞のinitialの同義語は”first”であることが得られる。こうして、形容詞firstとinitialがお互いに同義語である強力な支持が得られる。
一方、ケース2(文番号2)のgraspとsuggestについて見てみる。同じく第一言語単語・熟語辞書27cを用いて、graspの同義語を調べると、”hold on, hold, take hold, get the picture, comprehend, savvy, dig, compass, apprehend, understand”といった語が得られる。この中にはsuggestは含まれていないことがわかる。そこで、次にsuggestの同義語を調べると、例えば、以下のような語が得られる。”propose, advise, declare, hint, intimate, imply, indicate, inform, evoke, paint a picture, express, show, evince”が得られ、この中には、graspは含まれていない。ケース2(文番号2)のように同義語がない場合は校正内容適性の可能性が低いと判断する(S5)。もし、graspがある場合は校正内容適性を有する可能性が高いと判断することになる。
なお、ここでは、異表記への置換のケースを考慮しなかったが、第一言語単語・熟語辞書27cや第二言語単語・熟語辞書27iに異表記に関する情報が含まれていれば、上記説明において、「同義語」を「異表記」に置き換えれば、同様に校正内容適性の判断を下すことができる。また、ステップS4で品詞が同一であるか否かを判断しているが、厳密に同じでなくとも、あらかじめ許容される範囲を定めておき、柔軟に判断を下すことも可能である。
さらにまた、上記により、校正が行われた箇所について、「校正内容適性を有する可能性が低いもの」と「校正内容適性を有する可能性が高いもの」とに分類されたが、「校正内容適性を有する可能性が低いもの」は目視による確認が必要となるので、この分類に該当する箇所はハイライト表示するなど、表示上の工夫を行うことによって、作業者の便宜を図ることもできる。
次に、図9及び図12では、校正内容適性を判断するにあたり、校正前後の対訳文書の同一言語内での判断を行うようにしたが、校正前後の対訳文書の異言語内での判断を行うようにしてもよい。
具体的には、第一言語側と第二言語側との双方で校正前にあった文字列が削除され、校正後に削除された文字列の箇所に新たな文字列が追加されたケース、すなわち置換についての判断を行う。
図13は校正内容適性判断手段32により校正前後の対訳文書の異言語内で校正内容適性の判断処理を行う場合の一例を示すフローチャート、図14はその場合の対訳文書の一例の説明図である。
校正内容適性判断手段32は、校正分類記憶部31から対象となる対訳文書の校正分類を読み込む(S1)。この場合、対象となる対訳文書は、図14に示した対訳文書の第一言語文書の各文である。そして、校正分類は削除や追加か否かを判断する(S2)。
校正分類が削除や追加でない場合は処理を終了し、校正分類が削除や追加である場合は、校正内容適性判断手段32は、解析文書記憶部26から対象となる対訳文書の解析情報を読み出し品詞などの属性情報を得る(S3)。
図15は校正前の対訳文書のうちの第一言語文書の形態素解析情報の一例を示す説明図、図16は校正前の対訳文書のうちの第二言語文書の形態素解析情報の一例を示す説明図、図17は校正後の対訳文書のうちの第二言語文書の形態素解析情報の一例を示す説明図である。
図14に示す校正前の対訳文書の第一言語の文は、図15に示すような単語から構成され、それぞれ単語につき、品詞、原型、属性が付与されている。また、対訳文書の第一言語の文の文構造としては、主語、他動詞、目的語のSVOの文型をとっている。
一方、校正前の対訳文書の第二言語の文は、図16に示されるような単語から構成され、それぞれ単語につき、品詞、原型、属性が付与されている。また、校正前の第二言語の文の文構造としては、主語、動詞よりなる受動態である。深層構造はSOV文型であり、それを受動態に変形したと考えられるが、その際にSは失われている。
校正後の対訳文書の第二言語の文は、図17に示されるような単語から構成され、それぞれ単語につき、品詞、原型、属性が付与されている。品詞構成としては図17に示すとおりであり、文の文構造としては、主語、目的語、他動詞のSOVの文型をとっている。
次に、校正前の第一言語文書と校正後の第二言語文書の文構造は文型上対応関係にあるか否かを判断する(S4)。
すなわち、ステップS4では、補正前の第二言語に対する校正後の第二言語の異なり部分「学識者たちがこれまで多くの説明を提示してきた」と、その原文に相当する”Scholars have proposed many explanations”とを比較する。前述したことからわかるように、「学識者たちがこれまで多くの説明を提示してきた」は、主部「学者たちは」+述部を修飾する副詞「これまで」+目的語と他動詞よりなる述部「多くの説明を提示してきた」というSOV構造をしており、”Scholars have proposed many explanations”は、主部”scholars”+他動詞と目的語よりなる述部”have proposed many explanations”というSVO構造をしている。
従って、校正前の第一言語文書の文構造はSVOであり、校正後の第二言語文書の文構造はSOVであるので、形式上は文構造が異なるが、異言語間の言語的特質を考慮して、文型上対応関係があるか否かは以下のようにして判断する。
例えば、英語と日本語との文型上対応関係については、英語がright-branching「右方分枝」の言語であり、日本語がleft-branching「左方分枝」であるため、英語では目的語が動詞に前置するが、日本語では目的語は動詞に後置する。この言語的性質を勘案して、英語の”SVO”と日本語の”SOV”とは文型上の対応関係があるとして取り扱う。
一般に、世界の言語は、およそ、SOV型(主語+目的語+動詞)、VSO型(動詞+主語+目的語)、OSV型(目的語+主語+動詞)、VOS型(動詞+目的語+主語)、OVS型(目的語+動詞+主語)に類型化される。各言語がどの分類に入るかを情報として予め記憶しておき、これを基に語順の違いを吸収するようにする。
いま、図14で第二言語の校正前と校正後の文が逆であったとすると、注目する「霊長類の知能の進化については,これまで多くの議論がなされてきた。」の異なり部分は、「これまで多くの議論がなされてきた。」である。これは、受動態であり、第一言語の“Scholars have proposed many explanations.”や「学識者たちがこれまで多くの説明を提示してきた。」が能動態である点で性質が異なるといえる。従って、この場合、校正内容適性を有する可能性が低いと判断し処理を終える。
次に、異なり部分の品詞が同じか否かを判断する(S5)。異なる場合は、構成内容適性の校正内容適性を有する可能性が低いと判断し(S6)、同じであれば、校正内容適性を有する可能性が高いと判断する(S7)。
図13では、校正前の第一言語文書の文構造と校正後の第二言語文書の文構造とが文型上対応関係にあるかどうかを判断して処理する場合について説明したが、校正前の第二言語文書の文構造と校正後の第一言語文書の文構造とが文型上対応関係にあるか否かを判断して処理する場合についても同様に適用できる。
また、図13では、削除された単語の品詞と、削除された単語の置き換えにより追加された単語の品詞とが一致する場合に、校正内容適性を有すると判断したが、図18に示すように、さらに、置き換えにより追加された単語の訳語候補の中に異言語の単語があるか否かを判定し、異言語の単語があるときに校正内容適性を有する可能性が高いと判断するようにしたものである。図13と同一ステップには同一符号を付し重複する説明は省略する。
図18において、図13に対しステップS8が追加されている。ステップS8では、ステップS4の判断で、校正後の第二言語の文中の「霊長類の知能の進化については,学識者たちがこれまで多くの説明を提示してきた。」が校正前の第一言語文書と少なくとも構造的に対応していることがわかったので、次に意味による判断を試みる。
異なり部分の「学識者たちがこれまで多くの説明を提示してきた。」のうち、ここでは、サ変名詞「説明」を取り上げる。この文において、「説明」は目的語のheadであるので、対応する校正前の第一言語の文でも目的語のheadにあたる語が「説明」に対応すると構造的な観点から予想がつく。
そこで、”explanation”と「説明」とを比較する。翻訳辞書部27の第一言語単語・熟語辞書27cは英語を見出し語として、日本語の訳語情報を有している。このことから、explanationの日本語訳語候補を列挙すると、例えば以下のものがある。「説明、解釈、解明、弁明、釈明、弁解、意味、解釈、話し合い、和解、談合、相互譲歩」。このリストの中に、「説明」があるため、対応は取れていると判断する。
ここで、explanationの日本語訳語候補の中に「説明」があるので、”explanation”と「説明」との一致度については調査を打ち切ってもよいが、ここでは反対方向からも調べてみることにする。第二言語単語・熟語辞書27iは日本語を見出し語として、英語の訳語情報を有している。そこで、「説明」の英語訳語候補を列挙すると、”account, explanation, exposition, interpretation, elucidation, illustration, presentation, representation, portrayal, description, caption, legend”などがあり、「説明」の英語訳語候補にも”explanation”が含まれる。
従って、”explanation”は「説明」の訳語として妥当であることがわかる。これが、こうした意味的対応が異なり部分の少なくとも主要な語に関して確認できると、校正内容適性を有する可能性が高いと判断する(S7)。一方、訳語候補の中に置き換え単語を確認できない場合は、校正内容適性を有する可能性が低い判断する(S6)。
例えば、確認できない例として、仮に先のサ変名詞が「議論」であったとする。上記”explanation”の日本語訳語候補の中には「議論」は含まれていない。また、「議論」の英語訳語候補を列挙すると、”argument, discussion, controversy, dispute, debate, issue, colloquy, disputation, haggle”などがあるが、この中にも”explanation”はない。従って、翻訳辞書でわかる範囲では、”explanation”と「議論」は双方向とも対応関係がないものと考えられる。
このように置き換え単語が第一言語であれば第一言語から第二言語の翻訳辞書を使って辞書引きし、その訳語候補の中に対応する第二言語の単語があれば校正内容適性を有すると判断し、その単語が第二言語であれば第二言語から第一言語の翻訳辞書を使って辞書引きし、その訳語候補の中に対応する第一言語の単語があれば校正内容適性をもつと判断する。
これにより、校正が行われた箇所について、「校正内容適性を有する可能性が低いもの」と「校正内容適性を有する可能性が高いもの」とに分類されたが、「校正内容適性を有する可能性が低いもの」は目視による確認が必要となるので、この分類に該当する箇所はハイライト表示するなど、表示上の工夫を行うことによって、作業者の便宜を図ることもできる。
次に、図3では、校正内容適性を判断するにあたり、校正分類が文移動、文結合、文分割のいずれかの場合には、校正内容を有する可能性が高いと判断するようにしたが、校正分類が削除と追加との組合せ又は追加である場合は、その削除や追加が行われた単語が内容語であるときは校正内容確認の必要性が相対的に高いと判定し、機能語であるときは校正内容確認の必要性が相対的に低いと判定することも可能である。
図19は校正内容適性判断手段32により校正分類が削除と追加との組合せ又は追加である場合の校正内容適性の判断処理を行う場合の一例を示すフローチャートである。
校正内容適性判断手段32は、校正分類記憶部31から対象となる対訳文書の校正分類を読み込む(S1)。この場合、対象となる対訳文書は、図20に示した対訳文書の第一言語文書の文である。そして、校正分類は削除と追加の組合せ又は追加か否かを判断する(S2)。
校正分類が削除と追加の組合せ又は追加でない場合は処理を終了し、校正分類が削除と追加の組合せ又は追加である場合は、校正内容適性判断手段32は、解析文書記憶部26から対象となる対訳文書の解析情報を読み出し品詞などの属性情報を得る(S3)。
次に、校正前後の対訳文書の重なり部分の単語の品詞に内容語の品詞が含まれるか否かを判定し(S4)、含まれていなければ、校正内容確認の必要性が相対的に低いと判断し(S5)、含まれていれば、校正内容確認の必要性が相対的に高いと判断する(S6)。
このように、校正分類が削除と追加との組合せによる変更、すなわち置換があった場合、又は追加のみがあった場合について、校正前後における対訳文書の異なり部分が内容語であるか機能語であるかを判断する。これは、内容語が文の意味や内容の大半を伝える役割を果たし、単独でも意味を持つ語であるのに対し、機能語は文法的関係を示す以外は独立した意味はほとんど持たない語であり、内容語の変更は機能語単独の変更よりも意味内容を変える可能性が高く、より注意を要するという考えに基づくものである。
品詞別には、名詞、形容詞、動詞、副詞は内容語に属するとし、代名詞、前置詞(英語の場合)、接続詞、間投詞は機能語に属するとする。
図20は図19を適用する場合の対訳文書の一例の説明図である。図20のケース1では、sequencingの後ろにofが入り、ケース2ではもとhumanがentireに置き換わっている。ここでは、ケース1のofが前置詞であり、ケース2の校正前のhumanは名詞であり、校正後のentireは形容詞である。従って、図20の場合、ケース1は機能語の追加であるので校正内容確認の必要性が相対的に低いことになり、ケース2は内容語の置き換えであるので校正内容確認の必要性が相対的に高いことになる。
なお、以上の説明では、英語の場合を想定していたが、日本語の分類では、自立語・付属語の分類がより一般的である。自立語に属する品詞は、名詞・代名詞・連体詞・副詞・接続詞・感動詞・動詞・形容詞・形容動詞であり、付属語に属する品詞は、助動詞・助詞である。そこでこれを上記に当て嵌め、同様の処理を行うことができる。また、校正内容確認の必要性が相対的に高いと判断された箇所はハイライト表示するなど、表示上の工夫を行うことによって、作業者の便宜を図ることもできる。
次に、ユーザによる校正内容適性の判断について説明する。図21は、ユーザが校正内容適性の判断を行う際の校正内容確認操作手段34の処理内容を示すフローチャート、図22は、図21を適用する場合の対訳文書の一例の説明図である。
図21において、まず、ユーザによる入力装置18からの指令により制御部24は校正内容確認操作手段34を起動する。校正内容確認操作手段34対訳文書記憶部26から校正前後の対訳文書を読み込み、異なり部分を識別可能に表示装置17に表示する(S1)。
校正前の文と校正後の文との異なり部分は、図22の文番号1の文では、校正前に「所有者又は使用者」となっていた箇所が校正後に「使用者又は所有者」に、また、校正前に「所有者等」となっていた箇所が校正後に「使用者等」に変化した旨が通知される。これは、校正内容確認操作手段34によりハイライト表示したり、色分け表示したりして通知する。
次に、校正内容確認操作手段34は、ユーザに対して、校正対象文のi番めの校正結果の承認を求める(S2)。これは、例えば、表示装置17に承認を求める情報を表示することにより行う。また、iは1から順次1ずつ増加させていくことになる。
そして、校正内容確認操作手段34は、ユーザから承認があるか否かを判断し(S3)、ユーザから承認があると、承認した校正内容は文書全体に及ぼして良いかの承認を求め(S4)、ユーザから承認があるか否かを判断する(S5)。ユーザから承認があると、校正内容確認操作手段34は、承認を確定し、校正前と校正後の変化部分を抽出したマトリックスを作成し(S6)、注目している文の処理は終了する。図23は校正内容承認のマトリックスの一例の説明図である。
一方、文書全体には関係しないとの回答である場合、つまり、局所的な修正であるとユーザが回答してきた場合は、注目している文の処理についてはそのまま終了し、校正対象文は最後であるか否かを判断し(S7)、iに1を加算して(S8)、ステップS2に戻る。
例えば、図22の文番号1の「所有者等」から「使用者等」の変更について、ユーザが承認したが、文書全体には関係しないという選択をした場合、例えば、文番号8のような文においては、「所有者等」は「使用者等」に変更しないことになる。
ステップS3のユーザの判断で、ユーザが承認しない場合には、校正内容確認操作手段34は校正結果を元に戻すかの承認を求め(S9)、ユーザから承認があるか否かを判断する(S10)。元に戻すとの回答である場合には、校正内容確認操作手段34は校正結果を元に戻す(S11)。
例えば、図22において、「所有者又は使用者」から「使用者又は所有者」への変更に対して、元に戻すという選択肢をとった場合、文は、「現場に当該車両の運転者等がいないために、当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは、警察官等は、当該車両の使用者又は所有者(以下X項までにおいて「使用者等」という。)に対して、直ちに当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべき旨又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべき旨…」から、「現場に当該車両の運転者等がいないために、当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは、警察官等は、当該車両の所有者又は使用者(以下X項までにおいて「使用者等」という。)に対して、直ちに当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべき旨又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべき旨…」に変化する。
ステップS10の判断で、元に戻す承認がない場合、及び元に戻した後に、校正内容確認操作手段34は、現在の校正対象文の修正の有無を問い合わせる(S12)。ユーザから修正要求があるか否かを判断し(S13)、ユーザからの修正要求があるときは、その修正要求処理を行う(S14)。ステップS13で修正要求がない場合、及び修正要求処理を行った後に、校正対象文は最後であるか否かを判断し(S7)、iに1を加算して(S8)、ステップS2に戻る。
このように、校正対象文の校正対象箇所がユーザにより妥当であると操作指令された場合はその校正内容を残し、ユーザより修正要求の操作指令があったときは修正内容を受け付け校正内容を修正する。
以上示したように、本発明の実施の形態によれば、以下の効果が期待できる。第一に、従来の校正システムのチェック対象が文書が機械翻訳による翻訳結果であったところを、人による翻訳結果にまで対象を広げ、用途が広がったことである。また、今までの校正システムでは、片方の言語のみが変化した場合を扱っていたが、実際の場面に照らし合わせ、両方同時並行的に変更を行う場合にも対応している。しかも、前提条件として、文構造の対応が取れていればよく、制約が少ない。
第二に、原文側に行われた内容変更が、過不足なく訳文側にも反映され、また、訳文側で行った内容変更が過不足なく反映されていることを人手でチェックするには、非常に神経を使うが、これにより、チェックの候補となる箇所が洗い出されるので、漏れを軽減でき効率的である。ユーザは、今まで全文を読み返して各文に対して、第一言語校正前の文、第一言語校正後の文、第二言語校正前の文、第二言語校正後の文の四者を見比べ検討する必要があり、多大な労力を要していたが、本発明の実施の形態では、チェックに要する時間を削減でき、その時間を表現そのものの工夫など創造的な作業にあてることができる。これにより、第一言語の文書も第二言語の文書も常に最新状態に保つことができる。