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JP5509972B2 - アルミニウム製チューブの接続構造およびそれを具備した熱交換器 - Google Patents
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JP5509972B2 - アルミニウム製チューブの接続構造およびそれを具備した熱交換器 - Google Patents

アルミニウム製チューブの接続構造およびそれを具備した熱交換器 Download PDF

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本発明は、内部を流体が流れるアルミニウム製のチューブ(管体)の接続構造、および、冷蔵庫等に用いられるアルミニウム製のチューブを具備した熱交換器に関するものである。
アルミニウム製のチューブ(以下、アルミチューブと称す)を相互に接続する方法としては、アルミ−シリカ(Al−Si)のろう材を用いたろう付けが一般的である。このろう付けをするためには、アルミニウムの酸化皮膜を取り除く必要があり、その手段にフラックスが用いられる。
そして、フラックスとしては、水溶性化合物である無機の塩化物類(例えば、アルカリ金属塩化物やアルカリ土類金属化合物等)の混合物が多く使われていた。
しかしながら、これらの水溶性化合物は、水分の存在下でアルミニウムに対して腐食性であるため、ろう付け後において、フラックスを除去するためにデフラッックスをしなければならなかった。
近年、このような無機の塩化物類のフラックスに代わって、ノコロックフラックスが提唱され、使用されている。このノコロックフラックスは、ろう付け前は非吸湿性であり、ろう付け後は、実質的に不水溶性であるという特性を有すると共に、ろう材の融点以下の温度で反応性となって酸化アルミニウムに対する融剤として作用するが、常温では、アルミニウムとは非反応性であるという特性を有する。
したがって、ノコロックフラックスを用いてろう付けを行った場合には、従来の無機塩化物類のフラックスの場合に見られた残留フラックスによるアルミニウムの腐食という点については実質的に解消される。
さて、このようなノコロックフラックスを用いてろう付けを行ったアルミチューブにおいては、ろう付け後に防錆目的で塗装を施すことが一般的である。そして、ろう付け後に残留するフラックスは非腐食性であるため、ろう付け後においては、フラックスを除去せずに塗装される(例えば、特許文献1参照)。
また、防錆塗装は、一般的には、熱硬化性樹脂であるポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を主成分とする塗料が使われている。
特公平6−47190号公報
しかしながら、この場合、腐食環境が比較的低いところではフラックス残渣による塗装への影響は小さく、防錆効果を十分発揮できる。しかし、腐食環境の厳しいところでは、塗料の結合分子が破壊され易いものであった。
例えば、業務用冷蔵庫の環境は、庫内に腐食性の強いガスが発生するような食品をラップなしで多量に保存されることが多く、したがって、腐食性の強いガスが発生し易い環境にある。例えば、タマゴ、マヨネーズ、チーズ、魚介類等から硫黄系ガスが発生し、マヨネーズ、ソース、パン酵母菌等からカルボン酸(酢酸、蟻酸等の有機酸)が発生する。
また食品が腐敗するとき、食品そのものがもつタンパク質および脂肪質等の有機物が酸化分解や加水分解を起こし、硫黄系ガス、カルボン酸、アンモニアガス、エチレンガスが発生する。
最近では、病原菌の対強化策から、漂白剤、殺菌剤または消毒用アルコールの使用頻度が高くなっている。漂白剤、殺菌剤には、次亜塩素酸ナトリウム等が使われ、塩素系ガスが発生する。また、消毒用アルコールは、酸化分解に伴ってカルボン酸が発生する。
したがって、庫外にかかる消毒対応が行われると、冷蔵庫の扉の開け閉めにより、庫外から庫内に腐食性ガスが進入することとなる。
以上のように、ろう付けされ、防錆塗装が行われたアルミチューブの構造体が、腐食環境の厳しいところに配置されると、アルミチューブが冷却され、結露水が付着することに伴い、腐食媒である硫黄、蟻酸や酢酸等のカルボン酸、塩素等が前記結露水に溶け込み、塗装膜を浸食し始め、これがさらに進むと、塗装膜の結合分子が破壊され、水分がさらに浸入し易くなる。
この水分の浸入に伴い、塗装下のフラックに水分が吸湿すると、塗装膜は、アルミチューブとの密着性が極端に低下する。その結果、塗装膜の膨れが促進され、全面的に剥離が進展する。
かかる状態になると、塗装膜による防食効果がなくなってアルミチューブの腐食が始まり、さらに腐食電池作用によってアルミチューブの表面が孔食され、ついには孔があき、アルミチューブ内の流体(冷媒)がリークするという致命的な欠陥に繋がるという問題があった。
また、上記した塗装膜には、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂の塗料が用いられるが、これらの塗料を用いた塗装は、一般的な環境下(腐食環境が比較的低いところ)では防食効果は得られるが、硫黄系やカルボン酸等の高腐食環境下では、架橋した樹脂モノマー同士の架橋部が加水分解し、破壊され、腐食性物質を含んだ結露水を吸水し、防食効果が著しく低下するという問題がある。
一方、エポキシ樹脂の塗料を用いた塗装は、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂の塗装に比べて耐水透過性が高いので、硫黄系やカルボン酸等の高腐食環境下であっても、架橋した樹脂モノマー同士の架橋部が加水分解し難く、比較的防食効果は維持されるが、反面時間の経過とともにアルミニウム素地との密着性が低下し、防食効果が低下する問題がある。
一般的に、塗装面からみるとポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の防錆塗料では、苛酷な腐食環境下になると十分な防食効果が得られないという大きな課題がある。
換言すると、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の防錆塗料は、腐食環境が厳しいところで用いられると、フラックスの残渣による塗装密着性の低下と、防錆塗装の加水分解によるアルミニウム素地との密着性の低下に起因して、塗装膜が短期間で剥離するという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、アルミニウム製のチューブが相互にろう付けされた構造体が、苛酷な高腐食環境下に配置された場合でも、前記チューブの接続部(ろう付け部)における塗装のアルミニウム素地との密着性を著しく向上させ、優れた防食効果を発揮することができるアルミニウム製チューブの接続構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のアルミニウム製チューブの接続構造は、アルミニウム製のチューブとアルミニウム製のチューブをノコロックフラックスろう材により接合する溶接構造において、前記チューブの接続部に前記ノコロックフラックスろう材を溶接するときに発生するノコロックフラックスに覆いかぶさるように、前記チューブに巻きつけ重ね合わせ部をもち、熱によって収縮する筒状の収縮チューブを切断した半割熱収縮チューブである被覆部を設け、前記各チューブ表面に、ベーマイト処理を施し、前記被膜部はベーマイト皮膜を形成させず、前記被覆部以外の部分はベーマイト皮膜を形成し、さらに、前記フラックスを除去することなく、前記ベーマイト皮膜の表面と前記被覆部の上に、特殊ウレタン変性エポキシ樹脂の塗装膜を施したものである。
この被覆部は発生するフラックスを完全に覆いかぶせるとき、チューブに巻きつけるように被覆し、重ね合わせ部をもたせる。溶接後、筒状の被覆部をかぶせられないときに有効である。
かかる構成とすることにより、巻きつけ重ね合わせた被覆部はフラックスの上に塗装膜付着させないように、発生したフラックスを覆いかぶさるように被覆することで、フラックス上に塗装膜を付着させることがないので、高腐食環境下になってもフラックス上の塗装膜の剥離を防ぎ、ひいてはアルミチューブの孔食を防ぐことができる。
被覆部は防水、防食にすぐれたものであり、その被覆部の上にウレタン変性エポキシ樹脂を主成分とする塗装膜を施すことで優れた防食性能を発揮することができる。
また、被覆部以外の部分には前記ベーマイト皮膜を形成し、そのベーマイト皮膜は表面に微細な凹凸を形成し、アルミニウム製のチューブの表面積を増加すると共に、前記アルミニウム製のチューブ表面をOH基(水酸基)とする。その結果、前記ウレタン変性エポキシ樹脂塗装膜との密着性が向上する。
さらに、前記ベーマイト皮膜の表面に、分子構造に二塩基酸を分子配合したウレタン変性エポキシ樹脂を施すことで、ウレタン結合によって塗装膜中のOH基(水酸基)が増殖し、素地(アルミニウム)との密着性を向上させるとともに、二塩基酸によってウレタン変性エポキシ樹脂の焼付け乾燥時の反応促進性を高め、塗装膜の分子構造において架橋を密とし、3次元網目構造の高分子構造体の塗装膜にすることができ、防食効果を高めることができる。
よって、アルミニウム製のチューブを相互にろう付けした構造体が、苛酷な高腐食環境下に配置され、塗装膜層内部に硫黄系やカルボン酸等の腐食性物質が徐々に浸入してきた場合でも、前述の如く、アルミチューブの接続部にろう付け時に発生するフラックスを覆いかぶさるように、巻きつけ重ね合わせ部をもった被覆部を設けたので、接続部の防食性を高めることができさらに塗装を施すことで腐食環境下に配置されても優れた防食効果を発揮することができる。
また、さらに被覆部の重ね合わせ部と両端円周部の隙間を完全に塞ぐため、塗装を厚膜に付着させることで、苛酷な腐食環境下に配置されても優れた防食効果を発揮することができる。そうすることでフラックスの残渣の影響による塗装膜の防食性の低下を考える必要がない。
また被覆部以外の部分もベーマイト皮膜によりチューブ表面と塗装との密着性を著しく向上させているため、前記腐食性物質が素地に到達することを抑制することができ、優れた防食効果を発揮することができる。
さらに、前記ベーマイト皮膜処理と、分子構造に二塩基酸を持つウレタン変性エポキシ樹脂は、両者の結合性がよいため、密着性を著しく高め、また、その密着性を長期にわたって維持できることに伴って、防食効果を極めて高くすることができるものである。
本発明のアルミニウム製チューブの接続構造は、アルミニウム製のチューブとアルミニウム製のチューブをノコロックフラックスろう材により接合する溶接構造において、前記チューブの接続部に前記ノコロックフラックスろう材を溶接するときに発生するノコロックフラックスに覆いかぶさるように、前記チューブに巻きつけ重ね合わせ部をもち、熱によって収縮する筒状の収縮チューブを切断した半割熱収縮チューブである被覆部を設け、前記各チューブ表面に、ベーマイト処理を施し、前記被膜部はベーマイト皮膜を形成させず、前記被覆部以外の部分はベーマイト皮膜を形成し、さらに、前記フラックスを除去することなく、前記ベーマイト皮膜の表面と前記被覆部の上に、特殊ウレタン変性エポキシ樹脂の塗装膜を施したことで、硫黄系やカルボン酸等の腐食性物質に対する十分な防食性が得られ、特に、前記特殊ウレタン変成エポキシ樹脂を、分子構造に二塩基酸を分子配合した構造をもつものとしたことにより、二塩基酸の高分子反応促進効果によって塗装膜の防食効果を著しく発揮し、アルミニウム製のチューブの接続構造部の耐孔食性を高めることができる。その結果、前記ろう付け部における孔食リークの発生を抑制して長期に亘る信頼性を確保することができる。
また、前記ベーマイト皮膜処理を行う前に、前述のろう付けに伴うフラックスの残渣を
除去することなく、フラックスを完全に覆いかぶさるように、巻きつけ重ね合わせ部をもった被覆部を設ける。被覆部を設けることでアルミ接続部の防食性を高めることができる。さらに塗装を施すことで高腐食環境下に配置されても優れた防食効果を発揮することができる。また、さらに被覆部の重ね合わせ部と両端円周部の隙間(毛細管現象で進入する程度のわずかな隙間)を完全に塞ぐため、塗装を厚膜に付着させることで、苛酷な腐食環境下に配置されても優れた防食効果を発揮することができる。
また、複数の冷媒チューブの接続構造からなり、かつ内部を冷媒が流れる冷媒流路を具備し、周囲の気体もしくは液体との熱交換を促す熱交換器において、前記冷媒流路を、本発明のアルミニウム製チューブの接続構造を具備した冷媒流路としたものは、高腐食環境下に配置された場合であっても、優れた防食効果により、腐食が抑制され、長期に亘っての使用が可能となり、信頼性の高い熱交換器を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるアルミニウム製チューブの接続構造の接続部の管軸方向からの断面図 図1のA−A線断面図 同実施の形態のアルミニウム製チューブの接続構造に用いる半割熱収縮チューブの斜視図 本発明の実施の形態2における入口配管部および出口配管部にアルミニウム製チューブの接続構造を形成した熱交換器の正面図 同実施の形態における中間配管部にアルミニウム製チューブの接続構造を形成した熱交換器の正面図
第1の発明は、アルミニウム製のチューブとアルミニウム製のチューブをノコロックフラックスろう材により接合する溶接構造において、
前記チューブの接続部に前記ノコロックフラックスろう材を溶接するときに発生するノコロックフラックスに覆いかぶさるように、前記チューブに巻きつけ重ね合わせ部をもち、熱によって収縮する筒状の収縮チューブを切断した半割熱収縮チューブである被覆部を設け、前記各チューブ表面に、ベーマイト処理を施し、前記被膜部はベーマイト皮膜を形成させず、前記被覆部以外の部分はベーマイト皮膜を形成し、さらに、前記フラックスを除去することなく、前記ベーマイト皮膜の表面と前記被覆部の上に、特殊ウレタン変性エポ
キシ樹脂の塗装膜を施したアルミニウム製チューブの接続構造である。
この被覆部は発生するフラックスを完全に覆いかぶせるとき、チューブに巻きつけるように被覆し、重ね合わせ部をもたせる。溶接後、筒状の被覆部をかぶせられないときに有効である。
かかる構成とすることにより、巻きつけ重ね合わせた被覆部はフラックスの上に塗装膜付着させないように、発生したフラックスを覆いかぶさるように被覆することでフラックス上に塗装膜を付着させることがないので、高腐食環境下になってもフラックス上の塗装膜の剥離を防ぎ、ひいてはアルミチューブの孔食を防ぐことができる。
被覆部は防水、防食にすぐれたものであり、その被覆部の上にウレタン変性エポキシ樹脂を主成分とする塗装膜を施すことで優れた防食性能を発揮することができる。
また被覆部以外の部分にはベーマイト皮膜とベーマイト皮膜表面に施す塗装との密着性を大幅に向上させることができ、腐食ガス等の塗装膜内への侵入を抑制し、優れた防食効果を得ることができる。
さらに、ベーマイト皮膜処理による表面積の増大化、およびOH基(水酸基)効果およびウレタン結合による塗装膜中のOH基(水酸基)の効果が相乗し、アルミチューブとの密着性を著しく向上させることに伴い、防食効果を一層高めることができる。
また、熱収縮チューブを切断した半割熱収縮チューブを用いることにより、加熱により簡単にアルミチューブとの密着作業が行える。
また、切断した半割熱収縮チューブを接続部に巻きつけるように被覆し(フラックスを覆いかぶさる)、重ね合わせ部を設け、簡易に仮止めし加熱によりアルミチューブとの密着性を高め、アルミチューブが孔食するのを防止することができる。熱収縮チューブは防水、防食の高いものである。
また、ろう付け時に発生したフラックスは、熱収縮チューブを切断した半割熱収縮チューブで覆いかぶさるので、フラックス残渣の影響による塗装膜との密着性、耐食性の低下を考えなくてよい。フラックスを除去することなくアルミチューブ接続部の防食性を高めることができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記半割熱収縮チューブの材質は、ポリエチレン主体のポリオレフィン樹脂であるものである。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記特殊ウレタン変性エポキシ樹脂を、ウレタン変性エポキシ樹脂の分子構造に二塩基酸を分子配合した構造をもつものとしたものである。
上記構成により、二塩基酸の高分子反応促進効果が作用し、前記ベーマイト皮膜と特殊ウレタン変性エポキシ樹脂皮膜の塗装膜における分子構造の架橋を密として両者の密着性を高め、塗装膜の防食効果を著しく発揮することができ、耐腐食性を向上することができる。
第4の発明は、特に第1から第3のいずれかの発明において、前記特殊ウレタン変性エポキシ樹脂を施し、さらに、前記被覆部の重ね合わせ部と両端円周部に塗装を施したものである。
上記構成により、被覆部の重ね合わせ部と両端円周部の隙間(毛細管現象で進入する程度のわずかな隙間)を完全に塞ぐため、塗装を厚膜に付着させることで、苛酷な腐食環境下に配置されても優れた防食効果を発揮することができる。
第5の発明は、複数の冷媒チューブの接続構造からなり、かつ内部を冷媒が流れる冷媒流路を具備し、周囲の気体もしくは液体との熱交換を促す熱交換器において、前記冷媒流路を、請求項1から4のいずれか1項に記載のアルミニウム製チューブの接続構造を具備した冷媒流路とした熱交換器である。
上記構成により、耐腐食性の高い熱交換器が得られる。したがって、熱交換器が高腐食環境下に配置された場合であっても、優れた防食効果により、熱交換器の腐食が抑制され、長期に亘っての使用が可能となり、信頼性の高い熱交換器を得ることができる。
第6の発明は、特に第1の発明において、前記被覆部は、前記アルミニウム製のチューブ
を溶接後に、筒状の収縮チューブをかぶせられない前記接続部に対して適用したものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるアルミニウム製チューブの接続構造の接続部の管軸方向からの断面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、同実施の形態のアルミニウム製チューブの接続構造に用いる半割熱収縮チューブの斜視図である。
図1に示すように、アルミニウム製のチューブ(以下、アルミチューブと称す)1の接続構造は、アルミチューブ1aと、周知の拡管加工により形成された接続部1cを一端に具備するアルミチューブ1bで構成されている。
そして、両アルミチューブ1a,1bのろう付け接続は、アルミチューブ1aの一端をアルミチューブ1bの接続部1cに嵌合接続し、その状態においてトーチ等の加熱手段(図示せず)で前述の嵌合接続部を加熱しながらノコロックフラックスろう材5を嵌合接続部で溶融することにより、アルミチューブ1のろう付け(溶接)接続が完了する。
ノコロックフラックスろう材5を用いて溶接した場合、アルミチューブ1bの表面を主体にフラックス2が発生する。このフラックス2は、非腐食性物質であるため、フラックス2によってアルミチューブ1bが腐食することはないが、アルミチューブ1bの表面に固着し、残渣する。そのまま塗装を行うと、塗装への悪影響がでるので、基本的は除去することが好ましい。
除去するには冶具等を用い、研磨作業することが必要となる。しかし処理時間がかかり、作業面的にも課題が多い。そこで、アルミチューブ接続部1c近傍に発生したフラックス2を除去することなく、完全に覆いかぶさるように被覆部6を設ける。
この被覆部6はアルミチューブ接続部1cに発生したフラックス2を完全に覆いかぶせるように巻きつけ、重ね合わせ部7を設けるように被せ、簡易に仮止めを行う。この被覆部6は熱によって収縮する熱収縮チューブ(筒状)を切断した半割熱収縮チューブ8を用いる。アルミチューブ1の溶接後、筒状の被覆部をかぶせられないときに有効である。半割熱収縮チューブ8の材質はポリエチレン主体のポリオレフィン樹脂等である。半割熱収縮チューブ8を用いることにより加熱により簡単にアルミチューブとの密着作業が行える。
また加熱によりアルミチューブ接続部1cとの密着性が高まり、アルミチューブ1が孔食するのを防止することができる。半割熱収縮チューブ8は防水、防食の高いものである。ろう付け時に発生したフラックス2を半割熱収縮チューブ8で巻きつけるように被覆し、重ね合わせ部7を設けて、フラックス2を完全に覆いかぶせる。そうすることで、フラックス2残渣の影響による塗装膜との密着性、耐食性の低下を考えなくてよい。フラックス2を除去することなくアルミチューブ接続部1cの防食性を高めることができる。
被覆部6以外の部分は(被覆部はベーマイト処理工程を通してもベーマイト皮膜は形成させない)ベーマイト皮膜3を形成し、そのベーマイト皮膜3は表面に微細な凹凸を形成し、アルミニウム製のチューブ1の表面積を増加すると共に、前記アルミニウム製のチューブ表面をOH基(水酸基)とする。その結果、ウレタン変性エポキシ樹脂塗装膜4との密着性が向上する。
このベーマイト皮膜処理は、イオン交換水(電気伝導度2μs/cm以下)を用い、温度95℃以上の湯中にアルミチューブ1を所定の時間(例えば、1時間程度)浸漬しておくことにより、ろう付け面を含むアルミチューブ1表面に、安定で均一なベーマイト皮膜3を生成させることができる。
そのベーマイト皮膜処理を施した後、そのベーマイト皮膜3の表面に、塗料である二塩基酸を分子配合した特殊ウレタン変性エポキシ樹脂の塗装を行い、ベーマイト皮膜3の表面に特殊ウレタン変性エポキシ樹脂の塗装膜(以下、樹脂塗装膜と称す)4を形成する(エポキシ樹脂塗装膜工程)。
上記特殊ウレタン変性エポキシ樹脂の塗装は、上記接続構造を具備するアルミチューブ1全体を、例えば、塗料内に浸漬して塗料を塗布することによって可能であり、その後、高温焼付け乾燥を行う工程(乾燥工程)を行う。
この塗装および乾燥は、樹脂塗装膜4の分子構造を構成する架橋を密とし、3次元網目構造の高分子構造体の塗装膜にするために行うもので、ブロックイソシアネートと二塩基酸を重合反応させ、高分子構造体の樹脂塗装膜4を形成する。
具体的に、塗料は、特殊ウレタン変性エポキシ樹脂を、添加剤等を含有した揮発性の溶剤で溶かし、液状にして用いる。
この樹脂塗装膜(特殊ウレタン変性エポキシ樹脂塗装膜)4は、エポキシ樹脂の平均分子量を高分子化にしたことと、さらにガラス転移点を高くし、かつ塗装膜を硬くしたことにより、塗装膜層内部に硫黄系やカルボン酸等の腐食性物質を含んだ水の浸入をし難くするものである。
上記樹脂塗装膜4の形成は、アルミチューブ1が配置される環境に応じて、形成された樹脂塗装膜4の表面に重ねて樹脂塗装膜4を形成する、所謂重ね塗装とすることができるもので、本実施の形態においては、特殊ウレタン変性エポキシ樹脂塗装を2回繰り返し行っている。この複数回の塗装法については、同じ塗装法に限るものではなく、例えば、1回目は浸漬塗装法で行い、2回目は吹付け塗装法で行うように、異なる塗装法の組合せとすることもできる。
したがって、上記工程を経たアルミチューブ1の表面は、図2に示す如く、フラックス2を覆いかぶさるように、巻きつけ重ね合わせ部をもった被覆部6と塗装膜からなる複数の処理層が形成されて状態にある。
すなわち、接続部1cにおいては、アルミチューブ1aとアルミチューブ1bの間にノコロックフラックスろう材5が微妙に介在し、アルミチューブ1a,1bの表面には、ろう付け時に発生するフラックス2が存在し、そのフラックス2を完全に覆いかぶさるように、巻きつけ重ね合わせ部をもった被覆部6が形成させ、その被覆部6の表面には樹脂塗装膜4が形成されている。
被覆部6以外の部分にはアルミチューブ1の表面にベーマイト皮膜3が形成され、ベーマイト皮膜3の表面には、樹脂塗装膜4が形成されている。この巻きつけ重ね合わせ部7をもった被覆部6は、図3に示す如く、熱収縮チューブ(筒状)を切断した半割熱収縮チューブ8を用いたものである。
また、樹脂塗装膜4は、ベーマイト皮膜3との密着性に優れ、また、高温焼付け塗装法によって塗装膜の分子構造を構成する架橋を密とし、3次元網目構造の高分子構造体の塗装膜としたことに加えて、ブロックイソシアネートと二塩基酸を重合反応させ、高分子構造体の塗装膜としているため、アルミチューブ1a,1bの表面に強固に密着した状態となっている。
さらに、苛酷な腐食環境にさらされる場合は、被覆部6の重ね合わせ部7と両端円周部の隙間(毛細管現象で進入する程度のわずかな隙間)を完全に塞ぐため、塗装を厚膜に付着させる。具体的に、塗料は、常温乾燥型のウレタン系塗料を用いる。この塗料は硬化剤等を使用し、樹脂反応によって塗膜化するタイプの塗料である。常温乾燥型であるため、焼付け乾燥の手間が省け、工数できる。
以上のように、本実施の形態においては、アルミチューブ1のろう付け面である接続部1cの表面を中心に発生するフラックス2を覆いかぶさるように、巻きつけ重ね合わせ部7を設けた被覆部6を形成することにより、フラックス2の上に樹脂塗装膜4を付着させることがないので、高腐食環境下になってもフラックス上の塗装膜の剥離を防ぎ、ひいてはアルミチューブの孔食を防ぐことができる。
さらに重ね合わせ部7を設けた被覆部6の上にウレタン変性エポキシ樹脂を主成分とする塗装膜4を施すことで優れた防食性能を発揮することができる。さらに樹脂塗装膜4を施した後に被覆部6の重ね合わせ部7と両端円周部の隙間(毛細管現象で進入する程度のわずかな隙間)に塗装を厚膜に付着させることで、苛酷な腐食環境下に配置されても優れた防食効果を発揮することができる。
被覆部6以外の部分にはベーマイト皮膜3を形成し、ベーマイト皮膜3後の塗装との密着性を大幅に向上させている。重ね合わせ部7をもった被覆部6を設けたアルミチューブ接続部1cとベーマイト皮膜処理を施した被覆部6以外の部分にさらに二塩基酸を分子配合した樹脂塗装膜4を施すことを2回繰り返し行ったことで、塗装膜層内部に硫黄系やカルボン酸等の腐食性物質が徐々に侵入(浸透)してきた場合でも、アルミチューブ接続部1cに重ね合わせ部7をもった被覆部6を設けているため、アルミチューブ1cとの密着性を大幅に向上していることで前記腐食性物質のアルミチューブ表面への到達を阻止し、防食効果を発揮することができる。
また、被覆部6以外の部分はベーマイト皮膜3後の塗装との密着性を大幅に向上させていること、さらにベーマイト皮膜処理の表面積増大およびOH基(水酸基)効果、さらにはウレタン結合による塗装膜中のOH基(水酸基)の効果が相乗し、素地との密着性を著しく向上させていることから、前記腐食性物質のアルミチューブ表面への到達を阻止し、防食効果を発揮することができる。
また、二塩基酸の高分子反応促進効果により、樹脂塗装膜4の防食効果を著しく発揮するため、アルミチューブ1a,1bの接続構造部の耐孔食性を高め、孔食リークの発生を防ぐことができ、長期間に亘ってアルミチューブ1の劣化を抑制することができる。
尚、前述の如く、アルミチューブの接続部にろう付け時に発生するフラックスを覆いかぶさるように、巻きつけ重ね合わせ部をもった被覆部を設けたので、接続部の防食性を高めることができさらに塗装を施すことで高腐食環境下に配置されても優れた防食効果を発揮することができる。
また、さらに被覆部の重ね合わせ部と両端円周部の隙間(毛細管現象で進入する程度のわずかな隙間)に塗装を厚膜に付着させることで、苛酷な腐食環境下に配置されても優れた防食効果を発揮することができる。フラックスの残渣の影響による塗装膜の防食性の低下を考える必要がない。
本実施の形態1における樹脂塗装膜(特殊ウレタン変性エポキシ樹脂皮膜)4は、分子構造に二塩基酸を分子配合したことにより、焼付け乾燥時の反応促進性を高め、塗装膜の架橋を密とし、3次元網目構造の高分子構造体の塗装膜にすることができ、防食効果をより高めることができる。またブロックイソシアネートと二塩基酸の重合反応により、一層塗装膜が高分子構造体となり、極めて優れた防食効果が得られる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における入口配管部および出口配管部にアルミニウム製チューブの接続構造を形成した熱交換器の正面図である。図5は、同実施の形態における中間配管部にアルミニウム製チューブの接続構造を形成した熱交換器の正面図である。
なお、本実施の形態において、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付して説明し、また、図4、図5で図示できない部分については、図1乃至図2を援用して説明する。
図4に示す熱交換器9は、周知の構成からなるフィンチューブ型の熱交換器で、蛇行状に湾曲加工されたアルミチューブ1が、多数並設されたアルミニウム製のフィン10aを貫通している。そして、アルミチューブ1の両端は、それぞれ入口管部10aと出口管部10bを形成している。
入口管部10a、出口管部10bには、それぞれ接続用の配管10cがろう付け接続されている。接続用の配管10cは、アルミチューブ1と同様のアルミニウム製金属のもので、符号Cで示す接続部は、実施の形態1で説明したノコロックフラックスろう材5を用いてろう付けされている。この場合、入口管部10a、出口管部10bが実施の形態1のアルミチューブ1aに相当し、接続用の配管10cが実施の形態1のアルミチューブ1bに相当している。
熱交換器9の表面は、接続用の配管10cがろう付けされた後、実施の形態1で説明したように、ろう付け時に発生したフラックス2を覆いかぶさるように、巻きつけ重ね合わせ部7を設けた被覆部6を形成し、次に、適宜手段にて熱交換器9全体にベーマイト皮膜3の形成処理を行い(被覆部6にはベーマイト皮膜はされない)、その後、熱交換器9全体に樹脂塗装膜(特殊ウレタン変性エポキシ樹脂皮膜)4の形成処理が行われた構成となっている。
さらに樹脂塗装膜4を施した後、被覆部6の重ね合わせ部7と両端円周部の隙間(毛細管現象で進入する程度のわずかな隙間)を完全に塞ぐため、塗装を厚膜に付着させた構成となっている。
また、図5に示す熱交換器11は、U字形状に湾曲加工された複数のアルミチューブ1が、多数並設されたアルミニウム製のフィン10aを貫通し、そして、隣接するアルミチューブ1の両端開口部(流路の中間部)を、U字形状に形成されたアルミニウム製のリターンベンド管10dで順次ろう付け接続することにより、蛇行状の流路を形成した構成のものである。
この場合も同様に、符号Cで示す各アルミチューブ1とリターンベンド管10dの接続部は、ノコロックフラックスろう材5を用いたろう付け接続となっている。そして、アルミチューブ1が実施の形態1のアルミチューブ1aに相当し、リターンベンド管10dが実施の形態1のアルミチューブ1bに相当している。
この熱交換器11についても、その表面は、リターンベンド管10dがろう付けされた後、実施の形態1で説明したように、ろう付け時に発生したフラックス2を覆いかぶさるように巻きつけ重ね合わせ部7を設けた被覆部6を形成し、次に、適宜手段にて熱交換器11全体にベーマイト皮膜3の形成処理を行い(被覆部6はベーマイト皮膜はされない)、その後、熱交換器11全体に樹脂塗装膜(特殊ウレタン変性エポキシ樹脂皮膜)4の形成処理が行われた構成となっている。
さらに樹脂塗装膜4を施した後、被覆部6の重ね合わせ部7と両端円周部の隙間(毛細管現象で進入する程度のわずかな隙間)を完全に塞ぐため、塗装を厚膜に付着させた構成となっている。
したがって、本実施の形態2における熱交換器9,11は、先の実施の形態1で説明した信頼性が高い防食効果が得られる表面処理加工を行っているため、耐腐食性の高い熱交換器9,11とすることができる。その結果、これら熱交換器9,11が高腐食環境条件で使用される機器に搭載された場合であっても、優れた防食効果によって腐食が抑制され、長期に亘っての使用が可能となり、信頼性の高い熱交換器9,11とすることができる。
本発明のアルミニウム製チューブの接続構造は、高い耐腐食性が得られることから、苛酷な高腐食環境下で使用される配管回路、あるいは機器に搭載される熱交換器に適応できるため、冷凍冷蔵庫、あるいはショーケース等の冷凍機器、さらには車両等に用いられるアルミチューブの接続構造として広く適用できるものである。
1 アルミチューブ(アルミニウム製のチューブ)
1a アルミチューブ(アルミニウム製のチューブ)
1b アルミチューブ(アルミニウム製のチューブ)
1c アルミチューブ接続部
2 フラックス
3 ベーマイト皮膜
4 樹脂塗装膜(特殊ウレタン変性エポキシ樹脂の塗装膜)
5 ノコロックフラックスろう材
6 被覆部
7 重ね合わせた被覆部
7 熱交換器
8 半割熱収縮チューブ(重ね合わせ部を設けた被覆部)
9,11 熱交換器
10a 入口管部
10b 出口管部
10c 接続用の配管
10d リターンベンド管

Claims (6)

  1. アルミニウム製のチューブとアルミニウム製のチューブをノコロックフラックスろう材により接合する溶接構造において、
    前記チューブの接続部に前記ノコロックフラックスろう材を溶接するときに発生するノコロックフラックスに覆いかぶさるように、前記チューブに巻きつけ重ね合わせ部をもち、熱によって収縮する筒状の収縮チューブを切断した半割熱収縮チューブである被覆部を設け、前記各チューブ表面に、ベーマイト処理を施し、前記被膜部はベーマイト皮膜を形成させず、前記被覆部以外の部分はベーマイト皮膜を形成し、さらに、前記フラックスを除去することなく、前記ベーマイト皮膜の表面と前記被覆部の上に、特殊ウレタン変性エポキシ樹脂の塗装膜を施したアルミニウム製チューブの接続構造。
  2. 前記半割熱収縮チューブの材質は、ポリエチレン主体のポリオレフィン樹脂である請求項1に記載のアルミニウム製チューブの接続構造。
  3. 前記特殊ウレタン変性エポキシ樹脂を、ウレタン変性エポキシ樹脂の分子構造に二塩基酸を分子配合した構造をもつものとした請求項1または2に記載のアルミニウム製チューブの接続構造。
  4. 前記特殊ウレタン変性エポキシ樹脂を施し、さらに、前記被覆部の重ね合わせ部と両端円周部に塗装を施したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアルミニウム製チューブの接続構造。
  5. 複数の冷媒チューブの接続構造からなり、かつ内部を冷媒が流れる冷媒流路を具備し、周囲の気体もしくは液体との熱交換を促す熱交換器において、前記冷媒流路を、請求項1から4のいずれか1項に記載のアルミニウム製チューブの接続構造を具備した冷媒流路とした熱交換器。
  6. 前記被覆部は、前記アルミニウム製のチューブを溶接後に、筒状の収縮チューブをかぶせられない前記接続部に対して適用した請求項1に記載のアルミニウム製チューブの接続構
    造。
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