中心軸上の位置に光を集光させる反射面は、波形構造、例えばフレネルレンズが備えるフレネル形状をなす構造の表面に設けられる。フレネル形状をなす構造は、反射面同士の間に設けられた後向面を有する。後向面は、反射面と同様に、筒状体の周方向に沿って形成されている。発光部から射出した光のうちの一部は、発光部から直接、或いは反射面で反射した後、後向面へ入射する。後向面へ入射した光は、被照射面の方向とは異なる方向へ進行することになる。このため、従来の技術によると、被照射面へ効率良く光を進行させることが困難であるという問題を生じる。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、薄型にでき、かつ被照射面へ効率良く光を進行させるためのリフレクタ、そのリフレクタを用いる光源装置及びプロジェクタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るリフレクタは、光を射出する発光部と組み合わせて用いられ、前記発光部が配置される中心軸の周囲に設けられたリフレクタであって、前記中心軸を中心として楕円を回転させることにより得られる回転楕円面と略同じ形状をなし、前記発光部からの光を反射する曲面反射部と、前記回転楕円面に対して前記中心軸側に設けられた平面偏向部と、を有し、前記平面偏向部は、前記発光部からの光を前側へ反射させる反射面を有する複数の構造体を備え、前記発光部を前記楕円の第1焦点、又は該第1焦点の近傍に配置する場合に、前記複数の構造体は、前記平面偏向部において、前記楕円の第2焦点に相当する位置、又は該第2焦点に相当する位置の近傍を中心として略同心円状に配置されていることを特徴とする。
「前側」とは、発光部から見て被照射面がある側であって、「光を前側へ偏向(反射)させる」とは、被照射面がある側の向きに光を偏向(反射)させることであるとする。中心軸を中心とする回転曲面とは、中心軸を中心として所定の曲線を回転させることにより得られる曲面であるとする。リフレクタは、平面偏向部を設けることにより、回転曲面のみとする場合と比較して、薄型にすることができる。平面偏向部へ入射した光を発光部へ戻さず前側へ進行させることにより、発光部へ光が戻ることによる損失、例えばランプでの吸収や散乱による損失を低減させ、被照射面へ効率良く光を進行させる。平面偏光部は、単なる平面状の反射面とせず複数の構造体を設けることで、発光部から入射した光を前側へ効率良く進行させる構成にできる。曲面反射部は、回転曲面と略同じ形状とすることにより、被照射面へ効率良く光を進行させる。これにより、薄型にでき、かつ被照射面へ効率良く光を進行させるためのリフレクタを得られる。
また、本発明の好ましい態様としては、平面偏向部は、第1平面偏向部と、中心軸を介して第1平面偏向部に対向する位置に設けられた第2平面偏向部と、を有することが望ましい。第1平面偏向部及び第2平面偏向部を互いに対向させることにより、リフレクタをさらに薄型にできる。
また、本発明の好ましい態様としては、複数の構造体は、発光部からの光を反射により偏向させる反射面を有することが望ましい。これにより、平面偏向部へ入射した光を被照射面の方向へ効率良く進行させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、複数の構造体は、鋸歯形状の断面を備えるブレーズ構造体を構成することが望ましい。これにより、反射により光を偏向させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、反射面は、断面において曲線をなす曲面を備えることが望ましい。これにより、被照射面の方向へさらに効率良く光を進行させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、複数の構造体は、フレネルレンズの断面と略同じ形状の断面を備えるフレネル構造体を構成することが望ましい。これにより、被照射面の方向へさらに効率良く光を進行させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、複数の構造体は、平面内において湾曲する形状をなすことが望ましい。これにより、中心軸の方向へ光を進行させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、回転曲面は、中心軸を中心に楕円を回転させることにより得られる回転楕円面であることが望ましい。これにより、中心軸の方向へ効率良く光を進行させることができる。
また、本発明の好ましい態様としては、第1焦点及び第2焦点を基準として楕円が定義され、発光部を第1焦点、又は第1焦点の近傍に配置する場合に、複数の構造体は、平面内において、第2焦点に相当する位置、又は第2焦点に相当する位置の近傍を中心として略同心円状に配置されることが望ましい。これにより、中心軸の方向へさらに効率良く光を進行させることができる。
さらに、本発明に係る光源装置は、光を射出する発光部と、上記のリフレクタと、を有することを特徴とする。上記のリフレクタを用いることにより、薄型にでき、かつ被照射面へ効率良く光を進行させることができる。これにより、薄型で、かつ効率良く光を供給可能な光源装置を得られる。
さらに、本発明に係るプロジェクタは、上記の光源装置と、光源装置から射出した光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置と、を有することを特徴とする。上記の光源装置を用いることにより、薄型にでき、かつ効率良く光を供給することができる。これにより、薄型で、かつ効率良く明るい画像を表示可能なプロジェクタを得られる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る光源装置10の斜視構成を示す。光源装置10は、発光管11及びリフレクタ12を有する。発光管11は、例えば、超高圧水銀ランプである。発光管11は、光を射出する発光部13を有する。発光部13は、光源装置10の中心軸AX上に配置されているとする。リフレクタ12は、中心軸AXの周囲に設けられている。リフレクタ12は、発光管11が設けられた側とは反対側を開口とする凹形状をなしている。
リフレクタ12の内面は、第1平面偏向部14、第2平面偏向部15、及び曲面反射部16により構成されている。第1平面偏向部14は、リフレクタ12の内面のうち、リフレクタ12の開口側の一部分に設けられている。第2平面偏向部15は、中心軸AXを介して第1平面偏向部14に対向する位置に設けられている。第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15は、中心軸AXに略平行である。第1平面偏向部14、第2平面偏向部15は、略同じ大きさの平面にそれぞれ形成されている。第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15は、発光部13からの光を前側へ偏向させる平面偏向部である。曲面反射部16は、リフレクタ12の内面のうち、第1平面偏向部14が設けられた部分、及び第2平面偏向部15が設けられた部分以外の部分である。曲面反射部16は、曲面形状をなしている。曲面反射部16は、発光部13からの光を反射する。
図2は、中心軸AXを含み、第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15に対して略垂直な平面における光源装置10の断面構成を示す。図示する断面において、曲面反射部16は、中心軸AXを長軸とする楕円と同じ形状をなしている。曲面反射部16は、中心軸AXを中心として楕円を回転させることにより得られる回転楕円面と略同じ形状を有する。発光部13は、かかる楕円を定義する焦点の一つである第1焦点に設けられている。第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15は、略平行に形成されている。
図3は、中心軸AXに直交する平面におけるリフレクタ12の正面構成を示す。ここでは、中心軸AXを中心として楕円を回転させることにより得られる回転楕円面S1を想定して、リフレクタ12の構成を説明する。図示する平面において、回転楕円面S1は、中心軸AXを中心とする円をなしている。曲面反射部16は、回転楕円面S1と略同じ形状をなしている。第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15は、回転楕円面S1に対して中心軸AX側に位置する平面に形成されている。リフレクタ12は、互いに対向する第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15を設けることにより、回転楕円面S1のみとする場合と比較して、薄型にすることができる。また、例えばプロジェクタの光学系の光軸と中心軸AXとを一致させると、第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15は、光学系の光軸に対して略平行となる。プロジェクタの筐体は、通常、光軸に略平行な上面及び下面を有する。かかる上面及び下面に対して第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15が略平行となるように光源装置10を配置することで、プロジェクタの筐体を薄型にすることができる。
図4は、リフレクタ12のうち第1平面偏向部14が設けられた部分の要部断面構成を模式的に表したものである。図示する断面は、不図示の中心軸AXを含み、かつ第1平面偏向部14が設けられた平面S2に直交する面であるとする。第1平面偏向部14は、平面S2に設けられた回折格子17を有する。回折格子17は、発光部13からの光を回折により偏向させる。回折格子17は、例えば、微細バイナリ構造を備える。微細バイナリ構造は、略一定の高さで形成された複数の微小な構造体を並列させたものである。回折格子17を構成する各構造体は、矩形の断面形状をなす。回折格子17は、平面S2上に形成した略平坦な層を適宜パターニングして得られる。回折格子17は、高反射性部材、例えば誘電体多層膜や金属膜を用いて構成されている。
図5は、第1平面偏向部14の要部平面構成を模式的に表したものである。図示する平面は、第1平面偏向部14が設けられた平面S2に平行な面であるとする。回折格子17は、不図示の中心軸AXに略垂直に形成された各構造体を、中心軸AXに沿う方向へ並列させて構成されている。回折格子17は、各構造体へ入射した光の位相を変化させる。回折格子17は、光の位相を空間的に変化させることにより、回折光を生じさせる。回折格子17を構成する構造体の間隔及び高さを含む表面条件を最適化することにより、発光部13から第1平面偏向部14へ入射した光を所望の方向へ進行させることができる。第2平面偏向部15は、第1平面偏向部14と同様に形成された回折格子17を有する。
図6は、発光部13から射出した光の振舞いを説明するものである。ここでは、光源装置10から射出した光を凹レンズ18へ入射させるものとして説明する。凹レンズ18の光軸は、光源装置10の中心軸AXと略一致している。発光部13から射出した光は、リフレクタ12の内面の全体へ向けて放射する。曲面反射部16は、入射した光を前側、即ち発光部13から見て被照射面がある側の向きに進行させる。具体的には、楕円の第1焦点から射出し、曲面反射部16で反射した光は、楕円の第2焦点へ向けて進行する。第1焦点に発光部13を設けることにより、曲面反射部16から中心軸AX上の第2焦点へ向かう方向へ効率良く光を進行させることができる。
第1平面偏光部14及び第2平面偏光部15に形成された回折格子17(図4及び図5参照)は、入射した光を回折により前側、即ち発光部13から見て被照射面がある側の向きに進行させるように形成されている。発光部13から射出し、第1平面偏向部14へ入射した光は、第1平面偏向部14での偏向により前側へ進行する。発光部13から射出し、第2平面偏向部15へ入射した光は、第2平面偏向部15での偏向により前側へ進行する。好ましくは、第1平面偏光部14及び第2平面偏光部15は、入射した光を回折格子17での回折により、中心軸AX上の第2焦点へ向けて偏向させる。仮に、第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15に代えて、単なる平面形状の反射面を用いる場合、図中破線矢印で示すように、多くの光が凹レンズ18に取り込まれず損失することとなる。本実施例の光源装置10は、第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15を用いることにより、所望の方向へ効率良く光を偏向させることが可能である。また、第1平面偏向部14、第2平面偏光部15へ入射した光を発光部13へ戻さず前側へ進行させることにより、発光部13へ光が戻ることによる損失、例えば発光管11での吸収や散乱による損失を低減させ、被照射面へ効率良く光を進行させる。
凹レンズ18は、光源装置10から第2焦点へ向かう方向へ進行した光を平行化させる。リフレクタ12は、曲面反射部16、第1平面偏向部14、第2平面偏向部15により第2焦点へ向かう方向へ効率良く光を進行させることにより、凹レンズ18から不図示の被照射面へ効率良く光を進行させることができる。これにより、リフレクタ12を薄型にでき、かつ被照射面へ効率良く光を進行させることができるという効果を奏する。
曲面反射部16は、所望の形状に成形された基材の表面に高反射性部材、例えば誘電体多層膜や金属部材を蒸着させることにより得られる。リフレクタ12のうち第1平面偏向部14及び第2平面偏向部15は、平板状の基材の表面に回折格子17を形成することにより得られる。曲面反射部16、第1平面偏向部14、第2平面偏向部15を形成する基材としては、例えば、耐熱性ガラスを用いることができる。リフレクタ12は、曲面反射部16が形成された基材、第1平面偏向部14が形成された基材、及び第2平面偏向部15が形成された基材を組み合わせることにより製造できる。なお、第1平面偏光部14及び第2平面偏光部15は、楕円の第2焦点に向けて光を偏向させるものに限られず、少なくとも前側へ光を偏向させるものであれば良い。
図7は、本発明の実施例2に係るリフレクタのうち第1平面偏向部20が設けられた部分の要部断面構成を示す。図示する断面は、不図示の中心軸AXを含み、かつ第1平面偏向部20が設けられた平面S2に直交する。不図示の第2平面偏向部は、第1平面偏向部20と同様の構成を有する。本実施例のリフレクタは、第1平面偏向部20、第2平面偏向部以外の部分は、上記実施例1のリフレクタ12と同様の構成を有する。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第1平面偏向部20は、平面S2に設けられたブレーズ構造体21を有する。ブレーズ構造体21は、鋸歯形状の断面を備える。ブレーズ構造体21は、三角形状の断面をなす複数の微小な構造体を並列させて構成されている。ブレーズ構造体21を構成する微小な構造体は、第1面22及び第2面23を備える。上記実施例1における回折格子17(図5参照)と同様に、ブレーズ構造体21は、不図示の中心軸AXに略垂直に形成された各構造体を、中心軸AXに沿う方向へ並列させて構成されている。ブレーズ構造体21は、平面S2上に形成した略平坦な層を適宜パターニングして得られる。
反射面24は、ブレーズ構造体21のうち第1面22に形成されている。第1面22は、平面S2に対して傾けられている。第2面23は、第1面22同士の間に形成されている。第1面22及び第2面23は、略平坦に形成された面である。反射面24は、発光部13(図2参照)からの光を反射により偏向させる。第1面22を傾ける向きは、リフレクタの開口部に近い側よりも開口部から遠い側が平面S2から離れるように設定されている。これにより、反射面24は、入射した光を反射により前側、即ち発光部13から見て被照射面がある側の向きに進行させるように形成されている。反射面24は、ブレーズ構造体21の第1面22に高反射性部材、例えば誘電体多層膜や金属膜を蒸着させることにより形成できる。発光部13から射出し、第1平面偏向部20へ入射した光は、第1平面偏向部20での偏向により前側へ進行する。好ましくは、第1平面偏向部20及び第2平面偏向部は、入射した光を反射面24での反射により、中心軸AX(図1参照)上の第2焦点へ向けて偏向させる。本変形例の場合も、リフレクタを薄型にでき、かつ被照射面へ効率良く光を進行させることができる。
図8は、本実施例の変形例1に係るリフレクタのうち第1平面偏向部25が設けられた部分の要部断面構成を示す。第1平面偏向部25を構成するブレーズ構造体26は、凹形状の第1面27を備える。反射面28は、ブレーズ構造体26のうち第1面27に形成されている。反射面28は、図示する断面において曲線をなす曲面である。図示する断面は、不図示の中心軸AXを含み、かつ第1平面偏向部25が設けられた平面S2に直交する面である。第1面27の形状は、前側、好ましくは中心軸AX上の第2焦点へ光を効率良く進行させるように適宜決定することができる。
図9は、本実施例の変形例2に係るリフレクタのうち第1平面偏向部30が設けられた部分の要部断面構成を示す。第1平面偏向部30を構成するブレーズ構造体31は、凸形状の第1面32を備える。反射面33は、ブレーズ構造体31のうち第1面32に形成されている。反射面33は、図示する断面において曲線をなす曲面である。図示する断面は、不図示の中心軸AXを含み、かつ第1平面偏向部30が設けられた平面S2に直交する面である。第1面32の形状は、前側、好ましくは中心軸AX上の第2焦点へ光を効率良く進行させるように適宜決定することができる。図8及び図9を用いて説明するように反射面28、33を適宜変形することにより、被照射面の方向へさらに効率良く光を進行させることができる。なお、変形例1における第1面27、変形例2における第1面32は、曲面のみにより構成される場合に限られず、例えば、複数の平面を備える構成や、曲面及び平面を備える構成であっても良い。本実施例で説明するいずれのブレーズ構造体も、各構造体を並列させるピッチや、各構造体の形状、例えば第1面の傾きや曲率は、一定である場合に限られず、被照射面へ光を進行させる効率を考慮して適宜変化させても良い。
図10−1は、本実施例の変形例3に係るリフレクタのうち第1平面偏向部35が設けられた部分の要部断面構成を示す。図示する断面は、不図示の中心軸AXを含み、かつ第1平面偏向部35が設けられた平面S2に直交する。第1平面偏向部35は、平面S2に設けられたフレネル構造体36を有する。フレネル構造体36は、凸レンズの凸面を輪状に切り出した切片の断面と略同じ形状の断面を備える複数の微小な構造体を並列させて構成されている。フレネル構造体36は、フレネルレンズの断面と略同じ形状の断面を備える構造体である。ここで、フレネルレンズの断面とは、レンズの直径に沿う面で切断した場合の断面であって、フレネル構造体36の断面とは、中心軸AXを含み、かつ平面S2に直交する面で切断した場合の断面である。
フレネル構造体36を構成する微小な構造体は、第1面37及び第2面38を備える。第1面37は、凸形状の曲面である。反射面39は、フレネル構造体36のうち第1面37に形成されている。反射面39は、図示する断面において曲線をなす曲面である。反射面39は、フレネル構造体36の第1面37に高反射性部材、例えば誘電体多層膜や金属膜を蒸着させることにより形成できる。発光部13(図2参照)から射出し、第1平面偏向部35へ入射した光は、第1平面偏向部35での偏向により前側へ進行する。好ましくは、第1平面偏向部35及び第2平面偏向部は、入射した光を反射面39での反射により、中心軸AX上の第2焦点へ向けて偏向させる。本変形例の場合も、リフレクタを薄型にでき、かつ被照射面へ効率良く光を進行させることができる。フレネル構造体36は、第1面37及び第2面38のうち、反射面39が形成される第1面37がフレネルレンズの断面と同様の形状であれば良い。
図10−2は、本実施例の変形例4に係るリフレクタのうち第1平面偏向部80が設けられた部分の要部断面構成を示す。図示する断面は、不図示の中心軸AXを含み、かつ第1平面偏向部80が設けられた平面S2に直交する。第1平面偏向部80に形成されたフレネル構造体81は、曲面反射部16の回転楕円面S1(図3参照)を輪状に切り出した切片の断面と略同じ形状の断面を備える複数の微小な構造体を並列させて構成されている。曲面反射部16の断面、フレネル構造体81の断面とは、いずれも、中心軸AXを含み、かつ平面S2に直交する面で切断した場合の断面である。
フレネル構造体81を構成する微小な構造体は、第1面82及び第2面83を備える。第1面82は、凹形状の曲面である。反射面84は、フレネル構造体81のうち第1面82に形成されている。発光部13(図2参照)から射出し、第1平面偏向部80へ入射した光は、第1平面偏向部80での偏向により前側へ進行する。好ましくは、第1平面偏向部80及び第2平面偏向部は、入射した光を反射面84での反射により、中心軸AX上の第2焦点へ向けて偏向させる。本変形例の場合も、リフレクタを薄型にでき、かつ被照射面へ効率良く光を進行させることができる。第1面82を凹形状の曲面とする場合、反射面84で反射した光の集光性を向上させることで、第2焦点へ向けて効率良く光を進行させることが可能となる。フレネル構造体81は、第1面82及び第2面83のうち、反射面84が形成される第1面82が曲面反射部16の回転楕円面S1の断面と同様の形状であれば良い。
回転楕円面S1を輪状に切り出した各切片を平面S2上に並列させるように平行移動させると、元の回転楕円面S1の焦点位置と切片ごとの焦点位置とにずれが生じることになる。フレネル構造体81は、回転楕円面S1を輪状に切り出した形状の切片を単に並列させるのみならず、焦点位置のずれを補正するように、形状を適宜調整することが望ましい。例えば、元の回転楕円面S1に対して第1面82の曲率を適宜調整することにより、所望の方向、具体的には第2焦点へ効率良く光を進行させる構成にできる。
フレネル構造体81は、本変形例で説明した第1面82の凹形状を反転させ、第1面を凸形状の曲面としても良い。第1面を凸形状の曲面とする場合、光の発散性を向上させることで、光をより遠方へ進行させることが可能となる。
図11は、本実施例の変形例5に係るリフレクタのうち第1平面偏向部40の要部平面構成を模式的に表したものである。図示する平面は、第1平面偏向部40が設けられた平面S2に平行な面であるとする。不図示の第2平面偏向部は、第1平面偏向部40と同様の構成を有する。第1平面偏向部40を構成するブレーズ構造体41は、図示する平面内において湾曲する形状をなす。ブレーズ構造体41は、第2焦点に相当する所定の位置Fを中心として同心円状に配置されている。位置Fは、リフレクタのうち曲面反射部16(図2参照)がなす楕円の第2焦点を平面S2に投影した位置であるとする。
第1平面偏向部40は、平面S2に直交する面内のみならず、平面S2に平行な面内においても、中心軸AX上の第2焦点へ向かう方向へ光を進行させることができる。これにより、さらに効率良く被照射面へ光を進行させることができる。ブレーズ構造体41を用いる場合のみならず、上記のフレネル構造体36(図10−1参照)も、位置Fを中心として同心円状に配置することとしても良い。
図12は、本発明の実施例3に係る光源装置50の断面構成を示す。図示する断面は、中心軸AXを含み、第1平面偏向部52及び第2平面偏向部53に対して略垂直な平面である。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。光源装置50は、発光管11及びリフレクタ51を有する。リフレクタ51は、中心軸AXの周囲に設けられている。リフレクタ51は、発光管11が設けられた側とは反対側を開口とする凹形状をなしている。
リフレクタ51の内面は、第1平面偏向部52、第2平面偏向部53、及び曲面反射部54により構成されている。第1平面偏向部52は、リフレクタ51の内面のうち、リフレクタ51の開口側の一部分に設けられている。第2平面偏向部53は、中心軸AXを介して第1平面偏向部52に対向する位置に設けられている。第1平面偏向部52及び第2平面偏向部53は、中心軸AXに略平行である。第1平面偏向部52及び第2平面偏向部53は、発光部13からの光を偏向させる平面偏向部である。第1平面偏向部52及び第2平面偏向部53は、発光部13からの光を回折により偏向させる不図示の回折格子を有する。第1平面偏向部52及び第2平面偏向部53は、上記実施例1における第1平面偏向部14と同様に構成できる。
曲面反射部54は、リフレクタ51の内面のうち、第1平面偏向部52が設けられた部分、及び第2平面偏向部53が設けられた部分以外の部分である。曲面反射部54は、曲面形状をなしている。曲面反射部54は、発光部13からの光を反射させる。図示する断面において、曲面反射部54は、中心軸AXを対称軸とする放物線と略同じ形状をなしている。曲面反射部54は、中心軸AXを中心として放物線を回転させることにより得られる回転放物面と略同じ形状を有する。発光部13は、かかる放物線を定義する焦点に設けられている。
ここで、中心軸AXを中心として放物線を回転させることにより得られる回転放物面を想定して、リフレクタ51の構成を説明する。中心軸AXに直交する平面において、回転放物面は、図3に示す回転楕円面S1と同様に、中心軸AXを中心とする円をなしている。曲面反射部54は、回転放物面の一部と略同じ形状をなしている。第1平面偏向部52及び第2平面偏向部53は、回転放物面のうち曲面反射部54が設けられた部分以外の部分に対して中心軸AX側に位置する平面に形成されている。リフレクタ51は、互いに対向する第1平面偏向部52及び第2平面偏向部53を設けることにより、回転放物面と略同じ形状のみを用いる場合と比較して、薄型にすることができる。
図13は、発光部13から射出した光の振舞いを説明するものである。放物線の焦点から射出し、曲面反射部54で反射した光は、中心軸AXに略平行に進行する。焦点に発光部13を設けることにより、曲面反射部54から不図示の被照射面へ向かう方向へ効率良く光を進行させることができる。発光部13から射出し、第1平面偏向部52へ入射した光は、第1平面偏向部52での偏向により、中心軸AXに略平行に進行する。発光部13から射出し、第2平面偏向部53へ入射した光は、第2平面偏向部53での偏向により、中心軸AXに略平行に進行する。
リフレクタ51は、曲面反射部54、第1平面偏向部52、第2平面偏向部53により被照射面へ効率良く光を進行させることができる。これにより、本実施例の場合も、リフレクタ51を薄型にでき、かつ被照射面へ効率良く光を進行させることができる。本実施例の光源装置50は、凹レンズを用いなくても、中心軸AXに略平行な光を射出することが可能である。よって、上記実施例1に係る光源装置10と比較して、少ない部品点数にできる利点がある。回転楕円面を有する上記実施例1のリフレクタ12は、回転放物面を有する本実施例のリフレクタ51と比較して、容易に薄型にできる利点がある。本実施例の場合も、第1平面偏向部52及び第2平面偏向部53は、回折格子を有するものに限られず、ブレーズ構造体又はフレネル構造体に設けられた反射面を有するものであっても良い。
上記各実施例で説明するリフレクタは、第1平面偏向部及び第2平面偏向部を有するものとしているが、これに限られない。リフレクタは、少なくとも一つの平面偏向部を有するものであれば良い。少なくとも一つの平面偏向部を用いることにより、回転楕円面又は回転放物面と略同じ形状のみを用いる場合と比較してリフレクタを薄型にする効果を得られる。曲面反射部は、回転楕円面の一部、又は回転放物面の一部と略同じ形状である場合に限られず、中心軸AXを中心として所定の曲線を回転させることにより得られる他の回転曲面の一部と略同じ形状であっても良い。さらに、曲面反射部は、回転曲面に変形を施すことにより得られる自由曲面を有するものであっても良い。
上記各実施例の光源装置に用いる発光管11は、超高圧水銀ランプである場合に限られず、他のランプ、例えば、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ等であっても良い。光源装置は、ランプを有するものに限られず、例えば、発光ダイオード(LED)、スーパールミネッセンスダイオード(SLD)等の固体光源を用いる構成としても良い。
図14は、本発明の実施例4に係るプロジェクタ60の概略構成を示す。プロジェクタ60は、不図示のスクリーンへ光を投写し、スクリーンで反射する光を観察することで画像を鑑賞するフロント投写型のプロジェクタである。プロジェクタ60は、上記実施例1に係る光源装置10を有する。光源装置10は、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光を含む光を射出する。凹レンズ18は、光源装置10から射出した光を平行化させる。第1インテグレータレンズ61及び第2インテグレータレンズ62は、アレイ状に配列された複数のレンズ素子を有する。第1インテグレータレンズ61は、凹レンズ18からの光束を複数に分割する。第1インテグレータレンズ61の各レンズ素子は、凹レンズ18からの光束を第2インテグレータレンズ62のレンズ素子近傍にて集光させる。第2インテグレータレンズ62のレンズ素子は、第1インテグレータレンズ61のレンズ素子の像を空間光変調装置上に形成する。
2つのインテグレータレンズ61、62を経た光は、偏光変換素子63にて特定の振動方向の直線偏光に変換される。重畳レンズ64は、第1インテグレータレンズ61の各レンズ素子の像を空間光変調装置上で重畳させる。第1インテグレータレンズ61、第2インテグレータレンズ62及び重畳レンズ64は、光源装置10からの光の強度分布を空間光変調装置上にて均一化させる。重畳レンズ64からの光は、第1ダイクロイックミラー65に入射する。第1ダイクロイックミラー65は、R光を反射し、G光及びB光を透過させる。第1ダイクロイックミラー65へ入射したR光は、第1ダイクロイックミラー65、反射ミラー66でそれぞれ光路が折り曲げられ、R光用フィールドレンズ67Rへ入射する。R光用フィールドレンズ67Rは、反射ミラー66からのR光を平行化し、R光用空間光変調装置68Rへ入射させる。
R光用空間光変調装置68Rは、R光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。R光用空間光変調装置68Rに設けられた不図示の液晶パネルは、2つの透明基板の間に、光を画像信号に応じて変調するための液晶層を封入している。R光用空間光変調装置68Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム69へ入射する。
第1ダイクロイックミラー65を透過したG光及びB光は、第2ダイクロイックミラー70へ入射する。第2ダイクロイックミラー70は、G光を反射し、B光を透過させる。第2ダイクロイックミラー70へ入射したG光は、第2ダイクロイックミラー70で光路が折り曲げられ、G光用フィールドレンズ67Gへ入射する。G光用フィールドレンズ67Gは、第2ダイクロイックミラー70からのG光を平行化し、G光用空間光変調装置68Gへ入射させる。G光用空間光変調装置68Gは、G光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。G光用空間光変調装置68Gで変調されたG光は、クロスダイクロイックプリズム69のうちR光が入射する面とは異なる面へ入射する。
第2ダイクロイックミラー70を透過したB光は、リレーレンズ71を透過した後、反射ミラー72での反射により光路が折り曲げられる。反射ミラー72からのB光は、さらにリレーレンズ73を透過した後、反射ミラー74での反射により光路が折り曲げられ、B光用フィールドレンズ67Bへ入射する。R光の光路及びG光の光路よりもB光の光路が長いことから、空間光変調装置における照明倍率を他の色光と等しくするために、B光の光路には、リレーレンズ71、73を用いるリレー光学系が採用されている。
B光用フィールドレンズ67Bは、反射ミラー74からのB光を平行化し、B光用空間光変調装置68Bへ入射させる。B光用空間光変調装置68Bは、B光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。B光用空間光変調装置68Bで変調されたB光は、クロスダイクロイックプリズム69のうちR光が入射する面、G光が入射する面とは異なる面へ入射する。
クロスダイクロイックプリズム69は、互いに略直交する2つのダイクロイック膜75、76を有する。第1ダイクロイック膜75は、R光を反射し、G光及びB光を透過させる。第2ダイクロイック膜76は、B光を反射し、R光及びG光を透過させる。クロスダイクロイックプリズム69は、それぞれ異なる方向から入射したR光、G光及びB光を合成し、投写レンズ77の方向へ射出する。投写レンズ77は、クロスダイクロイックプリズム69で合成された光をスクリーンの方向へ投写する。
プロジェクタ60は、上記の光源装置10を用いることにより、薄型にでき、かつ各色光用空間光変調装置68R、68G、68Bの被照射面へ効率良く光を供給することができる。これにより、薄型で、かつ効率良く明るい画像を表示できるという効果を奏する。プロジェクタ60は、薄型にできることにより、携帯性及び設置性に優れたものとすることができる。プロジェクタ60は、上記実施例のいずれの光源装置を用いても良い。
本発明に係るプロジェクタ60は、空間光変調装置として透過型液晶表示装置を用いる場合に限られない。空間光変調装置としては、反射型液晶表示装置(Liquid Crystal On Silicon;LCOS)、DMD(Digital Micromirror Device)、GLV(Grating Light Valve)等を用いても良い。プロジェクタ60は、色光ごとに空間光変調装置を備える構成に限られない。プロジェクタ60は、一の空間光変調装置により2つ又は3つ以上の色光を変調する構成としても良い。プロジェクタ60は、空間光変調装置を用いる場合に限られない。プロジェクタ60は、画像情報を持たせたスライドを用いるスライドプロジェクタであっても良い。プロジェクタ60は、スクリーンの一方の面に光を供給し、スクリーンの他方の面から射出される光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタであっても良い。本発明に係る光源装置は、プロジェクタ60に用いるものに限られない。光源装置は、例えば、懐中電灯等の照明機器や、自動車のヘッドライト等に適用しても良い。