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JP5514826B2 - 同期機起動装置 - Google Patents
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JP5514826B2 - 同期機起動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期機起動装置に関し、特に、同期機の電機子における電圧に基づいて同期機の回転子位置を検出する同期機起動装置に関する。
発電機および電動機等の同期機を起動するための同期機起動装置が開発されている。同期機起動装置は、たとえばガスタービンコンバインドサイクル発電に用いられる。同期機起動装置は、たとえば、同期機に交流電力を供給するインバータを備え、同期機の回転子の位置を検出し、検出した回転子位置に基づいて、インバータにおけるサイリスタの点弧位相を制御する。
従来、同期機起動装置では、同期機の回転子位置を近接スイッチ等により検出する機械式分配器が用いられている。しかしながら、機械式分配器は壊れやすく、また、配線が多いためにノイズの影響を受けやすい。
このような機械式分配器を不要とするための同期機起動装置の一例が特開2006−271038号公報(特許文献1)に開示されている。すなわち、この同期発電機起動装置は、サイリスタなどの他励素子からなる他励式コンバータと、コンバータにより得られる直流電力を交流電力に変換するサイリスタなどの他励素子からなる他励式インバータとを備え、インバータにより得られる交流電力による同期発電機を起動する。そして、この同期発電機起動装置は、同期発電機の電機子端子の電圧を検出する交流電圧検出器と、インバータから同期発電機の電機子に流し込まれるインバータ出力電流を検出する交流電流検出器と、出力電流検出器からのインバータの交流電流検出値と、第一の同期発電機回転速度推定値から、同期発電機の界磁電流により同期発電機の電機子巻線に誘起される誘起電圧の、第一の基準位相に対する同相成分と直交成分を演算する誘起電圧演算回路と、誘起電圧演算回路からの誘起電圧の第一の基準位相の直交成分をゼロとするような第二の基準位相と第二の同期発電機回転速度推定値を出力するPLL回路とを備える。そして、この同期発電機起動装置は、PLL回路の出力である第二の基準位相に基づき、所定の制御進み角のインバータのゲートパルスを生成するとともに、第二の基準位相を、誘起電圧演算回路の第一の基準位相に入力し、第二の同期発電機回転速度推定値を誘起電圧演算回路の第一の同期発電機回転速度推定値に入力する。
特開2006−271038号公報
しかしながら、特許文献1に記載の同期機起動装置では、何らかの原因により同期機の回転子(ロータ)における磁界とサイリスタの点弧位相とがずれると、同期機に正常なトルクを与えることができず、同期機の回転を加速することができなくなる。
通常、同期機では、同期機起動装置による加速前の初期回転時、回転子の界磁巻線を通して一定の界磁電流が流されており、一定の固定磁界が発生している。ここで、界磁電流によって界磁巻線に発生する熱は、回転子の回転によって空冷されるが、上記のように同期機の回転数が上がらないまま一定の界磁電流が流されている状態が続くと、界磁巻線の温度が上昇し、同期機が故障してしまう場合がある。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、同期機の回転異常を検出することにより、同期機を安定して起動することが可能な同期機起動装置を提供することである。
この発明のある局面に係わる同期機起動装置は、回転磁界を発生するための電機子、および界磁電流が供給されることにより固定磁界を発生する回転子を備えた同期機を起動するための同期機起動装置であって、供給された電力を交流電力に変換して上記同期機の電機子に供給するための電力変換部と、上記同期機の電機子における交流電圧を検出するための交流電圧検出部と、上記交流電圧検出部によって検出された上記交流電圧に基づいて、上記同期機の回転子位置を検出するための回転子位置検出部と、上記回転子位置検出部によって検出された上記回転子位置に基づいて、上記電力変換部を制御するための電力変換制御部と、上記同期機の回転子への上記界磁電流の供給が開始された後において上記交流電圧検出部によって検出された上記交流電圧に基づいて、上記同期機の回転異常を検出する異常検出部とを備える。
好ましくは、上記異常検出部は、上記同期機の回転子への上記界磁電流の供給が開始された時から上記電力変換部による上記同期機の電機子への上記交流電力の供給が開始される時までの期間の全部または一部の期間において、上記同期機の電機子における上記交流電圧のレベルが所定値になった回数に基づいて上記同期機の回転異常を検出する。
好ましくは、上記回転子位置検出部は、上記回転子位置を示す推定位相、上記回転子の推定回転速度および上記交流電圧検出部によって検出された上記交流電圧に基づいて上記推定位相の誤差を算出し、算出した上記位相誤差に基づいて上記推定位相および上記推定回転速度を算出し、上記異常検出部は、上記電力変換部による上記同期機の電機子への上記交流電力の供給が開始された時から所定時間経過した後において上記回転子位置検出部によって算出された上記推定回転速度に基づいて、上記同期機の回転異常を検出する。
好ましくは、上記異常検出部は、上記電力変換部による上記同期機の電機子への上記交流電力の供給が開始された時から所定時間経過した後において上記交流電圧検出部によって検出された上記交流電圧の振幅に基づいて、上記同期機の回転異常を検出する。
本発明によれば、同期機の回転異常を検出することにより、同期機を安定して起動することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る同期機システムの構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置の構成を詳細に示す図である。 回転子位置検出部11の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る同期機の電機子における交流電圧の実効値を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る同期機システムにおける異常検出部の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る同期機起動装置の構成を詳細に示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る同期機システムにおける異常検出部の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る同期機システムの構成を示す図である。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置の構成を詳細に示す図である。
図1を参照して、同期機システム301は、たとえば発電システムであり、中央制御装置201と、励磁装置202と、同期機起動装置101と、同期機4と、タービンTBと、モータMとを備える。
同期機4、タービンTBおよびモータMは、軸SHを介して接続されている。同期機4はたとえば同期発電機または同期電動機であり、図2に示すように、固定子である電機子ATU,ATV,ATWと、回転子(界磁)RTとを有する。この固定子および回転子において電機子巻線および界磁巻線がそれぞれ巻回されている。
同期機起動装置101は、同期機4の固定子における電機子巻線に交流電力を供給することにより、同期機4の固定子に回転磁界を発生する。励磁装置202は、同期機4の回転子における界磁巻線に界磁電流を供給することにより、同期機4の回転子に固定磁界を発生する。これらの回転磁界および固定磁界により、同期機4の固定子が回転する。
モータMは、同期機4の待機時、所定速度で回転する。この回転速度は低速であり、たとえば数rpmである。これに対して、通常時の回転速度は3000rpm〜3600rpmである。起動時の同期機4の電機子における電圧は、定常時の定格電圧のたとえば1/1000と非常に小さい。
同期機システム301の動作について簡単に説明すると、まず、同期機4の待機時、同期機4およびタービンTBがモータMの回転に伴って低速回転している状態において、中央制御装置201は、励磁装置202に起動指令を与える、すなわち励磁装置202の起動指令を示す制御信号SITを出力する。
励磁装置202は、界磁スイッチSWAを備え、中央制御装置201から励磁装置202の起動指令を示す制御信号SITを受けると、界磁スイッチSWAをオンし、同期機4の回転子における界磁巻線に界磁電流を供給する。
同期機4の回転子に界磁電流が供給されている状態において、中央制御装置201は、同期機起動装置101に起動指令を与える、すなわち同期機起動装置101の起動指令を示す制御信号SITを出力する。
同期機起動装置101は、中央制御装置201から同期機起動装置101の起動指令を示す制御信号SITを受けると、同期機4およびタービンTBを所定の回転速度まで加速する。より詳細には、同期機起動装置101は、外部から供給された電力をトランスTRによって変換し、変換した電力に基づいて同期機4の電機子に交流電力を供給することにより、同期機4およびタービンTBの回転を加速する。
同期機起動装置101によって同期機4およびタービンTBの回転速度が所定値に達すると、タービンTBは、火力等のエネルギーによって同期機4をさらに高速に回転させる。
また、同期機起動装置101は、中央制御装置201から励磁装置202へ起動指令が与えられると異常検出動作を開始し、同期機4の回転異常を検出した場合、警報信号ALMを中央制御装置201へ出力する。
中央制御装置201は、同期機起動装置101から警報信号ALMを受けると、励磁装置202、同期機起動装置101、同期機4、タービンTBおよびモータMの停止等、適切な処理を行なう。
図2を参照して、同期機起動装置101は、電力変換部91と、交流電圧検出器8と、交流電流検出器9と、異常検出部10と、回転子位置検出部11と、インバータ制御部(電力変換制御部)19とを備える。電力変換部91は、コンバータ1と、インバータ2と、直流リアクトル3とを含む。インバータ制御部19は、基準正弦波演算器12と、ゲートパルス発生器13と、β指令回路14とを含む。
コンバータ1は、サイリスタなどの複数の素子からなり、交流電源e1からの交流電力を直流電力に変換する。
インバータ2は、サイリスタなどの複数の素子からなり、コンバータ1により得られる直流電力を交流電力に変換して同期機4の電機子ATU,ATV,ATWに供給することにより、同期機4を駆動する。
コンバータ1およびインバータ2は、直流リアクトル3を介して接続されている。インバータ2の交流側は同期機4の電機子ATU,ATV,ATWに接続されている。
交流電圧検出器8は、同期機4の電機子ATU,ATV,ATWに供給される三相交流電圧を検出し、電圧検出値V1,V2,V3を回転子位置検出部11へ出力する。たとえば、交流電圧検出器8は、同期機4の電機子ATU,ATV,ATWにおける三相交流電圧の相間電圧を検出する。U相−V相間の交流電圧およびV相−W相間の交流電圧等の2つの相間交流電圧を検出すれば、U相、V相、W相の交流電圧を計算により求めることが可能である。この相間電圧から相電圧への変換は、交流電圧検出器8または回転子位置検出部11において行なわれる。
交流電流検出器9は、同期機4の電機子ATU,ATV,ATWに供給される三相交流電流を検出し、電流検出値I1,I2,I3を回転子位置検出部11へ出力する。
回転子位置検出部11は、交流電圧検出器8および交流電流検出器9から受けた各検出値に基づいて、同期機4の回転子位置(位相)を検出し、同期機4の回転子位置を示す位置信号POSをインバータ制御部19へ出力する。
インバータ制御部19は、回転子位置検出部11から受けた位置信号POSに基づいてインバータ2を制御することにより、同期機4の電機子ATU,ATV,ATWにおいて回転磁界を発生する。
インバータ制御部19において、基準正弦波演算器12は、回転子位置検出部11から受けた位置信号POSに基づいて、基準正弦波sinφを出力する。
β指令回路14は、制御進み角指令値βを演算し、ゲートパルス発生器13へ出力する。
ゲートパルス発生器13は、基準正弦波演算器12から受けた基準正弦波sinφと、β指令回路14から受けた制御進み角指令値βとに基づいて、インバータ2における各素子へゲートパルスを出力する。
回転子位置検出部11は、同期機4の回転子位置を示す推定位相すなわち後述する基準位相φと交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3および交流電流検出器9から受けた電流検出値I1,I2,I3とに基づいて推定位相の誤差を算出し、算出された位相誤差に基づいて推定位相すなわち後述する基準位相φを算出する。そして、回転子位置検出部11は、算出した推定位相から得られる位置信号POSを出力するとともに算出した推定位相と新たに交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3および新たに交流電流検出器9から受けた電流検出値I1,I2,I3とに基づいて推定位相の誤差を新たに算出するフィードバック演算を行なう。
異常検出部10は、励磁装置202から同期機4の回転子RTへの界磁電流の供給が開始された後において交流電圧検出器8によって検出された交流電圧に基づいて、同期機4の回転異常を検出する。
図3は、回転子位置検出部11の構成を示す図である。
図3を参照して、回転子位置検出部11は、ゼロクロス検出部(レベル監視部)39と、三相二相変換回路31および32と、誘起電圧演算回路33と、PLL回路34と、位置信号生成器35と、スイッチSWBとを含む。
ゼロクロス検出部39は、交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3に基づいて、同期機4の電機子における交流電圧のゼロクロス検出を行なう。すなわち、ゼロクロス検出部39は、同期機4の電機子における交流電圧のレベルがたとえばゼロボルトになるタイミングを検出し、検出したタイミングを示すパルス状の検出信号ZDETをスイッチSWBへ出力する。
三相二相変換回路31は、基準位相φに基づいて、交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1、V2、V3を三相二相変換(d−q変換)する。
三相二相変換回路32は、基準位相φに基づいて、交流電流検出器9から受けた電流検出値I1、I2、I3を三相二相変換(d−q変換)する。
誘起電圧演算回路33は、三相二相変換回路31によって変換された電圧値VdおよびVqならびに三相二相変換回路32によって変換された電流値IdおよびIqに基づいて、同期機4の電機子に誘起される誘起電圧を演算する。
三相二相変換回路31および32によって電圧および電流の座標変換すなわち三相二相変換を行なうためには、同期機4の回転子の回転に同期した基準位相が必要になる。ところが、機械式分配器などの位置センサが無い場合、この信号が直接得られない。
そこで、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、三相二相変換回路31および32は、同期機起動装置101の起動時に基準位相φの初期値が与えられ、座標変換を行なう。
そして、誘起電圧演算回路33は、三相二相変換回路31および32によって変換されたd−q軸上の電圧値および電流値に基づいて同期機4のd軸(同相成分)−q軸(直交成分)上での電機子の誘起電圧を計算する。誘起電圧を計算するためには、回転速度ωが必要になるが、位置センサがないため、同期機起動装置101の起動時に同期機4の回転速度ωの初期値が誘起電圧演算回路33に与えられる。
誘起電圧演算回路33によって計算された誘起電圧のq軸成分Zqすなわち基準位相φに対する直交成分がゼロでない場合には、計算結果が基準位相φに対してずれている。この誘起電圧のq軸成分Zqが、同期機4における回転子の推定位相の誤差に相当する。そこで、誘起電圧のq軸成分Zqがゼロとなるような制御を行なうPLL回路34を設ける。PLL回路34は、誘起電圧のq軸成分Zqがゼロになるような回転速度ωすなわち同期機4の回転子の推定回転速度と、基準位相φすなわち同期機4の回転子の推定位相とを算出する。
PLL回路34によって算出された基準位相φは、三相二相変換回路31および32にフィードバックされ、また、位置信号生成器35へ出力される。そして、位置信号生成器35によって機械式分配器と同様のパルス状波形を有する位相信号PHがスイッチSWBへ出力される。三相二相変換回路31および32は、以後、PLL回路34からの基準位相φに基づいて三相二相変換を行なう。
また、PLL回路34によって算出された回転速度ωは、誘起電圧演算回路33に与えられる。誘起電圧演算回路33は、以後、PLL回路34からの回転速度ωに基づいて、誘起電圧(同相成分)Zdおよび誘起電圧(直交成分)Zqを演算する。
スイッチSWBは、ゼロクロス検出部39から受けた検出信号ZDETおよび位置信号生成器35から受けた位相信号PHのいずれかを同期機4の回転子位置を示す位置信号POSとしてインバータ制御部19へ出力する。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、回転子位置検出部11は、同期機4の回転子位置を示す推定位相と交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3および交流電流検出器9から受けた電流検出値I1,I2,I3とに基づいて推定位相の誤差を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。回転子位置検出部11は、同期機4の回転子位置を示す推定位相と交流電圧検出器8から受けた電圧検出値V1,V2,V3とに基づいて推定位相の誤差を算出する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、PLL回路34は、誘起電圧のq軸成分Zqのみに基づいて回転速度ωおよび基準位相φを算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。PLL回路34は、q軸成分Zqおよびd軸成分Zdに基づいて回転速度ωおよび基準位相φを算出する構成であってもよい。このような構成により、さらに正確な演算が可能となる。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る同期機の電機子における交流電圧の実効値を示す図である。
図4を参照して、まず、時刻T0において、同期機4およびタービンTBがモータMの回転に伴って低速回転している。
次に、時刻T1において、中央制御装置201は、励磁装置202に起動指令を与える。励磁装置202は、中央制御装置201から起動指令が与えられると、界磁スイッチSWAをオンし、同期機4の回転子における界磁巻線に一定の界磁電流を供給する。そうすると、同期機4の回転子はモータMによって低速回転しているため、同期機4の電機子において低振幅の交流電圧が誘起される。
スイッチSWBは、ゼロクロス検出部39から受けた検出信号ZDETを位置信号POSとしてインバータ制御部19へ出力する。また、異常検出部10は、ゼロクロス点に基づく異常検出を行なう。すなわち、異常検出部10は、同期機4の回転子への界磁電流の供給が開始された時(時刻T1)から電力変換部91による同期機4の電機子への交流電力の供給が開始される時(時刻T2)までの期間の全部または一部の期間において、同期機4の電機子における交流電圧のレベルが所定値たとえばゼロボルトになった回数に基づいて同期機4の回転異常を検出する。
次に、時刻T2において、中央制御装置201は、同期機起動装置101に起動指令を与える。同期機起動装置101は、中央制御装置201から起動指令が与えられると、同期機4およびタービンTBを所定の回転速度まで加速する。この同期機4の回転速度の上昇に伴って同期機4の電機子における交流電圧の振幅が大きくなっていく。
そして、スイッチSWBは、位置信号生成器35から受けた位相信号PHを位置信号POSとしてインバータ制御部19へ出力する。
次に、時刻T3において、異常検出部10は、回転速度ωに基づく異常検出を行なう。すなわち、異常検出部10は、電力変換部91による同期機4の電機子への交流電力の供給が開始された時(時刻T2)から所定時間経過した後において回転子位置検出部11によって算出された回転速度ωに基づいて、同期機4の回転異常を検出する。
次に、時刻T4において、同期機4およびタービンTBの回転が所定速度に達すると、タービンTBは、火力等のエネルギーによって同期機4をさらに高速に回転させる。励磁装置202は、界磁電流を調整することにより、同期機4の電機子における交流電圧のレベルを一定に保つ。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る同期機システムにおける異常検出部の構成を示す図である。
図5を参照して、異常検出部10は、カウント部71と、比較器72と、判定部73と、切り替え部74と、比較器75と、判定部76とを含む。
カウント部71は、ゼロクロス検出部39から受けた検出信号ZDETのパルス数をカウントし、同期機4の電機子における交流電圧のレベルがゼロボルトになった回数を示すカウント信号CNTを比較器72へ出力する。
比較器72は、カウント部71から受けたカウント信号CNTの示す回数と基準回数ENUMとを比較し、たとえば、基準回数ENUMの方が大きい場合には異常であることを示す論理レベルの信号を出力し、基準回数ENUMの方が小さい場合には正常であることを示す論理レベルの信号を出力する。
判定部73は、タイマを有し、中央制御装置201から励磁装置202の起動指令を示す制御信号SITを受けた時(図4では時刻T1)からこのタイマに設定された時間が経過するまでの間は、比較器72から受けた信号に関わらず、正常であることを示す論理レベルの信号を判定信号として出力する。そして、判定部73は、中央制御装置201から励磁装置202の起動指令を受けた時からこのタイマに設定された時間が経過すると、比較器72から受けた信号をそのまま判定信号として切り替え部74へ出力する。
比較器75は、回転子位置検出部11から受けた回転速度ωと基準速度ERFとを比較し、たとえば、基準速度ERFの方が大きい場合には異常であることを示す論理レベルの信号を出力し、基準速度ERFの方が小さい場合には正常であることを示す論理レベルの信号を出力する。
判定部76は、タイマを有し、中央制御装置201から同期機起動装置101の起動指令を示す制御信号SITを受けた時(図4では時刻T2)からこのタイマに設定された時間が経過するまで(図4では時刻T3)の間は、比較器75から受けた信号に関わらず、正常であることを示す論理レベルの信号を判定信号として出力する。そして、判定部76は、中央制御装置201から同期機起動装置101の起動指令を示す制御信号SITを受けた時からこのタイマに設定された時間が経過すると、比較器75から受けた信号をそのまま判定信号として切り替え部74へ出力する。
切り替え部74は、たとえば、中央制御装置201から同期機起動装置101の起動指令を受ける前は判定部73から受けた判定信号を中央制御装置201へ出力し、中央制御装置201から同期機起動装置101の起動指令を受けた後は判定部76から受けた判定信号を中央制御装置201へ出力する。
同期機4の待機時、同期機4の電機子における電圧は前述のように非常に小さい。このため、誘起電圧演算回路33による誘起電圧の推定精度が低いことから、スイッチSWBは、ゼロクロス検出部39から受けた検出信号ZDETを位置信号POSとしてインバータ制御部19へ出力する。すなわち、同期機4の待機時、同期機4の回転子はモータMの回転に伴って所定速度で回転しているため、ゼロクロス点の間隔は一定である。そこで、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、同期機4の待機時、ゼロクロス点を検出して同期機4の電機子における交流電圧の周波数を簡易的に測定することにより、同期機4の回転異常を検出する。
これにより、同期機4の電機子における電圧が非常に小さく、同期機4の回転子位置を推定できない場合であっても、同期機4の回転子の回転速度を推定することができ、同期機4の回転異常を検出することができる。また、同期機起動装置101に起動指示が与えられる前の段階で、界磁スイッチSWAの故障等によって同期機4の回転子に界磁電流が供給されない等の不具合を発見することができる。
また、交流電圧検出器8が故障して電圧検出値V1,V2,V3が出力されなくなった場合には、ゼロクロス検出部39がゼロクロス点を検出できなくなるが、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、異常検出部10によってこのような異常も検出することができる。
また、インバータ2が同期機4の電機子に電力供給を開始した後、回転速度ωに基づいて異常を検出する構成により、ゼロクロス点に基づいて異常を検出する方法と比べて正確かつ迅速に異常を検出することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置では、異常検出部10は、時刻T1から時刻T2までの期間の全部または一部の期間において、同期機4の電機子における交流電圧のレベルが所定値たとえばゼロボルトになった回数に基づいて同期機4の回転異常を検出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。異常検出部10は、時刻T1から時刻T3までの期間の全部または一部の期間において、同期機4の電機子における交流電圧のレベルが所定値たとえばゼロボルトになった回数に基づいて同期機4の回転異常を検出する構成であってもよい。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る同期機起動装置と比べて異常検出方法を変更した同期機起動装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る同期機起動装置と同様である。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る同期機起動装置の構成を詳細に示す図である。
図6を参照して、同期機起動装置102は、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置と比べて、異常検出部10の代わりに異常検出部20を備える。
異常検出部20は、電力変換部91による同期機4の電機子への交流電力の供給が開始された時から所定時間経過した後において交流電圧検出器8によって検出された交流電圧の振幅に基づいて、同期機4の回転異常を検出する。より詳細には、異常検出部20は、回転子位置検出部11から受けた検出電圧値VEに基づいて、同期機4の回転異常を検出する。たとえば、異常検出部20は、検出電圧値VEに基づいて同期機4の電機子における交流電圧の実効値を算出し、この実効値に基づいて同期機4の回転異常を検出する。ここで、検出電圧値VEは、検出値V1、V2、V3ならびに電圧値VdおよびVqの少なくともいずれか1つである。
図4に示す時刻T3において、異常検出部20は、同期機4の電機子における交流電圧の振幅に基づく異常検出を行なう。すなわち、異常検出部20は、電力変換部91による同期機4の電機子への交流電力の供給が開始された時(時刻T2)から所定時間経過した後において交流電圧検出器8によって検出された交流電圧の振幅に基づいて、同期機4の回転異常を検出する。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る同期機システムにおける異常検出部の構成を示す図である。
図7を参照して、異常検出部20は、カウント部71と、比較器72と、判定部73と、比較器77と、判定部78と、切り替え部79とを含む。
比較器77は、回転子位置検出部11から受けた検出電圧値VEと基準電圧ERVとを比較し、たとえば、基準電圧ERVの方が大きい場合には異常であることを示す論理レベルの信号を出力し、基準電圧ERVの方が小さい場合には正常であることを示す論理レベルの信号を出力する。
判定部78は、タイマを有し、中央制御装置201から同期機起動装置102の起動指令を示す制御信号SITを受けた時(図4では時刻T2)からこのタイマに設定された時間が経過するまで(図4では時刻T3)の間は、比較器77から受けた信号に関わらず、正常であることを示す論理レベルの信号を判定信号として出力する。そして、判定部78は、中央制御装置201から同期機起動装置102の起動指令を示す制御信号SITを受けた時からこのタイマに設定された時間が経過すると、比較器77から受けた信号をそのまま判定信号として切り替え部79へ出力する。
切り替え部79は、たとえば、中央制御装置201から同期機起動装置102の起動指令を受ける前は判定部73から受けた判定信号を中央制御装置201へ出力し、中央制御装置201から同期機起動装置102の起動指令を受けた後は判定部78から受けた判定信号を中央制御装置201へ出力する。
同期機4では、定界磁制御すなわち回転子の界磁巻線を通して一定の界磁電流を流している場合には、同期機4の電機子における交流電圧の振幅と同期機4の回転子の回転周波数とが比例関係となる。同期機起動装置102では、この比例関係を利用して、同期機4が起動してから所定時間経過しても同期機4の電機子における交流電圧の振幅が所定値以上にならない場合、同期機4の回転異常であると判断することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置のように、回転速度ωに基づいて異常を検出する構成では、たとえば、回転子位置検出部11による演算が発散して回転速度ωが過大な値になってしまっても、同期機4の回転は正常であると判断してしまう。これに対して、同期機4の電機子における交流電圧の振幅たとえば交流電圧の実効値に基づいて同期機4の回転異常を検出する構成では、回転子位置検出部11による演算が発散して正常に行なわれなくなった場合でも、同期機4の回転異常を検出することができる。
ただし、同期機4の電機子における振幅に基づいて同期機4の回転異常を検出する構成では、たとえば交流電圧検出器8の検出電圧値の実効値を計算する必要があるが、本発明の第1の実施の形態に係る同期機起動装置のように回転速度ωに基づいて異常を検出する構成ではその必要がないというメリットがある。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る同期機起動装置と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 コンバータ、2 インバータ、3 直流リアクトル、4 同期機、8 交流電圧検出器、9 交流電流検出器、10,20 異常検出部、11 回転子位置検出部、12 基準正弦波演算器、13 ゲートパルス発生器、14 β指令回路、19 インバータ制御部(電力変換制御部)、31,32 三相二相変換回路、33 誘起電圧演算回路、34 PLL回路、35 位置信号生成器、39 ゼロクロス検出部(レベル監視部)、71 カウント部、72 比較器、73 判定部、74,79 切り替え部、75,77 比較器、76,78 判定部、91 電力変換部、101 同期機起動装置、201 中央制御装置、202 励磁装置、301 同期機システム、M モータ、TB タービン、SH 軸、ATU,ATV,ATW 電機子、RT 回転子、SWB スイッチ。

Claims (4)

  1. 回転磁界を発生するための電機子(ATU,ATV,ATW)、および界磁電流が供給されることにより固定磁界を発生する回転子(RT)を備えた同期機(4)を起動するための同期機起動装置であって、
    供給された電力を交流電力に変換して前記同期機(4)の電機子(ATU,ATV,ATW)に供給するための電力変換部(71)と、
    前記同期機(4)の電機子(ATU,ATV,ATW)における交流電圧を検出するための交流電圧検出部(8)と、
    前記交流電圧検出部(8)によって検出された前記交流電圧に基づいて、前記同期機(4)の回転子位置を検出するための回転子位置検出部(11)と、
    前記回転子位置検出部(11)によって検出された前記回転子位置に基づいて、前記電力変換部(71)を制御するための電力変換制御部(19)と、
    前記同期機(4)の回転子(RT)への前記界磁電流の供給が開始された時から前記電力変換部による前記同期機の電機子への前記交流電力の供給が開始される時までの期間の全部または一部の期間において、前記交流電圧検出部(8)によって検出された前記交流電圧に基づいて、前記同期機(4)の回転異常を検出する異常検出部(10,20)とを備える同期機起動装置。
  2. 前記異常検出部(10,20)は、前記同期機(4)の回転子(RT)への前記界磁電流の供給が開始された時から前記電力変換部(71)による前記同期機(4)の電機子(ATU,ATV,ATW)への前記交流電力の供給が開始される時までの期間の全部または一部の期間において、前記同期機(4)の電機子(ATU,ATV,ATW)における前記交流電圧のレベルが所定値になった回数に基づいて前記同期機(4)の回転異常を検出する請求項1に記載の同期機起動装置。
  3. 前記回転子位置検出部(11)は、前記回転子位置を示す推定位相、前記回転子(RT)の推定回転速度および前記交流電圧検出部(8)によって検出された前記交流電圧に基づいて前記推定位相の誤差を算出し、算出した前記位相誤差に基づいて前記推定位相および前記推定回転速度を算出し、
    前記異常検出部(10)は、前記電力変換部(71)による前記同期機(4)の電機子(ATU,ATV,ATW)への前記交流電力の供給が開始された時から所定時間経過した後において前記回転子位置検出部(11)によって算出された前記推定回転速度に基づいて、前記同期機(4)の回転異常を検出する請求項1に記載の同期機起動装置。
  4. 前記異常検出部(20)は、前記電力変換部(71)による前記同期機(4)の電機子(ATU,ATV,ATW)への前記交流電力の供給が開始された時から所定時間経過した後において前記交流電圧検出部(8)によって検出された前記交流電圧の振幅に基づいて、前記同期機(4)の回転異常を検出する請求項1に記載の同期機起動装置。
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