JP5525852B2 - 熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、建築材料に好適であるとして、ベンゾオキサジン成分、硬化剤等を含有する組成物が開示されている。
ここで、特許文献1の段落[0022]には、硬化剤として、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、安息香酸などの芳香族ジカルボン酸等が示されている。
そこで、本発明は、硬化速度に優れた、ベンゾオキサジンを含有する熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(3)を提供する。
ン酸類および/またはその無水物(C)と、を含有し、
上記ベンゾオキサジン(A)と上記フェノール樹脂(B)との質量比(A/B)が、5/95〜95/5であって、上記ベンゾオキサジン(A)および上記フェノール樹脂(B)の合計100質量部に対して、上記ビフェニルテトラカルボン酸類および/またはその無水物(C)を0.1〜10質量部含有する熱硬化性樹脂組成物。
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)は、ベンゾオキサジン(A)と、フェノール樹脂(B)と、ビフェニルテトラカルボン酸類および/またはその無水物(C)と、を含有する熱硬化性樹脂組成物である。
以下では、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
上記ベンゾオキサジン(A)は、ベンゾオキサジン環を1分子中に少なくとも1つ有する化合物である。
上記ベンゾオキサジン(A)は、本発明の組成物を硬化させて得られる硬化物の分子量が高くなりやすく、機械的強度や耐熱性が向上するという理由から、ベンゾオキサジン環を1分子中に少なくとも2つ有していることが好ましい。ベンゾオキサジン環を1分子中に少なくとも2つ有する上記ベンゾオキサジン(A)としては、例えば、下記式(A1)、下記式(A2)で表される化合物等が挙げられる。
上記式(A1)で表され、かつ、上記式(A1)中のXが上記式(X−1)で表される上記ベンゾオキサジン(A)としては、例えば、下記式(A1−1)、(A1−2)、(A1−3)で表される化合物等が挙げられる。
上記式(A2)中、Zは、単結合、酸素、アルキレン基、置換基を有するアルキレン基、または、スルホニル基を示す。
上記式(A2)で表される上記ベンゾオキサジン(A)としては、例えば、特許文献1の段落[0016]に例示された化合物が挙げられ、具体例としては、下記式(A2−1)、(A2−2)で表される化合物等が挙げられる。
これらのうち、本発明の組成物を硬化させて得られる硬化物の耐熱性および難燃性が優れるという理由から、4,4’−オキシジアニリンが好ましい。
これらのうち、安価であり、粘度が低く成形加工性に優れるという理由から、フェノール、クレゾール類が好ましい。
これらのうち、反応性が高いという理由から、パラホルムアルデヒドが好ましい。
これらのうち、安価であり、耐熱性にも優れるという理由から、ビスフェノールAが好ましい。
これらのうち、安価であるという理由から、アニリンが好ましい。
上記フェノール樹脂(B)は、フェノール類とアルデヒド類とを縮合させて得られる熱硬化性樹脂である。
本発明の組成物が上記フェノール樹脂(B)を含有することにより、硬化速度が向上する。これは、フェノール樹脂中の水酸基が硬化触媒として働くからである。
なお、本発明の組成物には、上記フェノール樹脂(B)が上記ベンゾオキサジン(A)と組み合わされた化合物として存在していてもよい。
これらのうち、成形加工性に優れるという理由から、フェノール、クレゾール類が好ましい。
これらのうち、反応性が高いという理由から、パラホルムアルデヒドが好ましい。
上記ビフェニルテトラカルボン酸類および/またはその無水物(C)は、ビフェニルテトラカルボン酸類およびその無水物のいずれか一方または両方を含む概念である。
上記ベンゾオキサジン(A)を含有する本発明の組成物は、上記ビフェニルテトラカルボン酸類および/またはその無水物(C)を含有することにより、硬化速度が優れる。これは、含まれる水酸基、酸無水物基の触媒効果が高いからである。
対称型の具体例としては、下記式(c−1)で表される3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸;下記式(c−3)で表される3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;アルキル基、アルコキシ基、ハロゲンなどで置換されたこれらの化合物;等が挙げられる。
非対称型の具体例としては、下記式(c−2)で表される2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸;下記式(c−4)で表される2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;アルキル基、アルコキシ基、ハロゲンなどで置換されたこれらの化合物;等が挙げられる。
本発明の組成物における各成分の含有量は、特に限定されないが、上記ベンゾオキサジン(A)と上記フェノール樹脂(B)との質量比(A/B)は、5/95〜95/5であるのが好ましく、10/90〜90/10であるのがより好ましい。
また、上記ベンゾオキサジン(A)および上記フェノール樹脂(B)の合計100質量部に対して、上記ビフェニルテトラカルボン酸類および/またはその無水物(C)を0.1〜10質量部含有するのが好ましく、0.2〜5.0質量部含有するのがより好ましい。
各成分の含有量がこの範囲であれば、本発明の組成物の硬化速度がより優れ、また、本発明の組成物を硬化させて得られる硬化物の耐熱性および難燃性が優れる。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤を含有することができる。その他の添加剤としては、発泡剤、界面活性剤、充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤、難燃剤、カップリング剤等があげられる。
発泡剤としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタンなどの炭化水素;クロロホルム、塩化メチレンなどの塩素化炭化水素;トリクロロフルオロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンなどの塩素フッ素置換炭化水素化合物;等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系の界面活性剤、脂肪酸エステル類、シリコーン系化合物、ポリアルコール類等が挙げられる。
充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、珪酸カルシウムなどの珪酸塩、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、タルク、雲母、クレー、ガラスビーズ、ガラス中空球、ガラス繊維、カーボン繊維等が挙げられる。
本発明の組成物を製造する方法は、特に限定されないが、例えば、所定量のジアミン化合物と、フェノール類と、アルデヒド類と、上記ビフェニルテトラカルボン酸類および/またはその無水物(C)とを不活性溶媒中で100〜150℃で反応させ、さらに加熱して溶媒を蒸留させる方法等が挙げられる。この製造方法を用いると、上記ベンゾオキサジン(A)とともに上記フェノール樹脂(B)も生成するので、好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物(以下「本発明の硬化物」ともいう。)は、上述した本発明の組成物を硬化させて得られる硬化物である。
本発明の組成物を硬化する際の硬化温度は、150〜350℃が好ましく、180〜300℃がより好ましい。また、その際の硬化時間は、10分〜5時間であることが好ましく、30分〜2時間であることがより好ましい。
硬化温度および硬化時間がこの範囲であれば、本発明の硬化物は、耐熱性および難燃性がより優れる。
(実施例1)
4,4’−オキシジアニリン105g、パラホルムアルデヒド69g、対称型である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸2.73g、および、溶媒としてのトルエン100gを、2リットルのセパラブルフラスコに添加して、90℃に加熱した。加熱終了後、あらかじめ90℃に加熱したフェノール99gを添加し、さらに110℃に加熱して3時間反応させた。その後、170℃に昇温して溶媒のトルエンを減圧蒸留し、熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)220gを得た。
また、得られた組成物について、200℃で1時間加熱して硬化させ、さらに250℃で1時間加熱して硬化させ、約1mm厚シート状の硬化物を得た。
対称型である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸の代わりに非対称型である2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物および硬化物を得た。
(実施例3)
対称型である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸の代わりにその無水物である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物および硬化物を得た。
(実施例4)
対称型である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸の代わりに非対称型である2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物および硬化物を得た。
(実施例5)
4,4’−オキシジアニリンの代わりに4,4’−メチレンジアニリンを用いた以外は、実施例1と同様にして組成物および硬化物を得た。
(実施例6)
フェノールの代わりにオルトクレゾールを用いた以外は、実施例1と同様にして組成物および硬化物を得た。
フェノール99gの代わりにフェノール5.3gを用いた以外は、実施例1と同様にして組成物および硬化物を得た。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸を用いなかった以外は、実施例1と同様にして組成物および硬化物を得た。
(比較例2)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸の代わりに安息香酸を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物および硬化物を得た。
(比較例3)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸の代わりに無水マレイン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物および硬化物を得た。
(含有量)
得られた組成物について、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて、RI検出器のピーク面積から、ベンゾオキサジン(A)およびフェノール樹脂(B)の含有量[質量%]を求めた。結果を第1表に示す。
(残炭率)
得られた組成物について、空気中にて室温から800℃まで昇温させた際の残炭率[%]をTGA(熱重量減少)曲線から求めた。残炭率が高いほど難燃性に優れる。結果を第1表に示す。
(ガラス転移温度)
得られたシート状の硬化物について、5mm×30mmの大きさに切断した後、TMA(熱機械分析)を行い、線膨張率の変極点からガラス転移温度[℃]を求めた。ガラス転移温度が高いほど耐熱性に優れる。結果を第1表に示す。
(硬化率)
得られた組成物(未硬化サンプル)について、硬化温度を250℃として、硬化時間を様々に変えて硬化させたサンプル(硬化サンプル)を作成し、DSC測定を行って、発熱ピークの面積から発熱量を測定した。所定硬化時間における硬化率[%]は、下記式より算出した。硬化時間と硬化率との関係を図1に示す。
硬化率[%]={(未硬化サンプルの発熱量−硬化サンプルの発熱量)/未硬化サンプルの発熱量}×100
また、第1表に示す結果から、実施例1〜7は、比較例1〜3に比べて、残炭率が高く難燃性に優れ、また、ガラス転移温度が高く耐熱性にも優れていることが分かった。
Claims (2)
- ベンゾオキサジン(A)と、
フェノール樹脂(B)と、
ビフェニルテトラカルボン酸類および/またはその無水物(C)と、
を含有し、
前記ベンゾオキサジン(A)と前記フェノール樹脂(B)との質量比(A/B)が、5/95〜95/5であって、
前記ベンゾオキサジン(A)および前記フェノール樹脂(B)の合計100質量部に対して、前記ビフェニルテトラカルボン酸類および/またはその無水物(C)を0.1〜10質量部含有する熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
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