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JP5528131B2 - 積層型電池 - Google Patents
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Description

本発明は、正極および負極を複数積層して構成した積層タイプの電極体を有する電池に関し、より具体的には、このような積層型電池の電極体と集電体との接触構造に関する。
近年、省エネルギーやCO削減への配慮から、風力発電や太陽光発電のような自然エネルギーを利用した発電設備で使用する電力平準化用の二次電池が開発されている。また、同様に環境問題対策として、自動車や電車などの車両に搭載する二次電池が開発されている。車両に二次電池を搭載した場合には、ブレーキ時の回生電力をこの搭載電池に蓄えておき、車両の動力源として使用することができるので、車両運行のエネルギー効率を高めるとともに、COの排出量を削減することができる。
上記のような車両用の電池には、従来の携帯機器等に用いられるものに比べて、高電圧および高エネルギー容量が要求されるため、大型の電池を使用する必要がある。大型の電池を使用する場合には、電池が設置されるスペースを効率的に利用する必要性が大きいことから、円筒形よりも角形の電池とすることが望ましい。このような大型の角形電池には、電池性能や生産性の観点から、円筒形電池に用いられる巻取り式の電極体よりも、セパレータを介して正極体と負極体とを交互に積層した電極体の方が適しているとされる(例えば、特許文献1参照)。
このような、積層型の角形ニッケル水素二次電池の構造として、例えば、図5に示すようなプリーツ構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この電池70では、対向配置された正極集電板73と負極集電板75との間に、絶縁部材からなる平面視で矩形の枠形部材77を介在させて電池のケーシング79を形成し、ケーシング79内に、プリーツ状に折り曲げられたセパレータ81を介して多数の正極体83および負極体85を交互に対向させて積層した電極体87が収納されている。
この電池70では、両集電板73,75の対向方向Xに直交する方向Yに、正極体83と負極体85とがセパレータ81を介して交互に積層されており、平板状の正極体83および負極体85の各端面83a、85aを、正極集電板73、負極集電板75にそれぞれ接触させることによって、両電極体83,85と、対応する各集電板73,75との導通を確保している。
特開2001−110381号公報 特開2003−272593号公報
しかしながら、このように構成された電池70では、正極体83および負極体85の寸法ばらつきにより、図5に破線の円で囲んで示すように、一部の正極体83または負極体85が、各集電板73,75に接触していない状態が発生することがある。この場合には、集電板73、75に接触しない正極体83または負極体85が、電池70の充放電容量にまったく寄与しないことになり、設計どおりのエネルギー容量が得られない。また、接触はしていても、接触圧が不十分なため、十分な充放電性能が得られない場合がある。
正極体83および負極体85を各集電板73,75に対して溶接することにより接触を確保することも考えられるが、その場合には、溶接屑が電池内に残留し、内部短絡のような不具合の原因となるほか、電極の溶接加工、溶接位置の調整などが煩雑で量産性においても問題がある。
本発明の目的は、上記の課題を解決するために、製造が容易な構造を有しながら、内部抵抗が小さく、かつ内部短絡の発生が防止される、性能および信頼性に優れる積層型電池を提供することにある。
前記した目的を達成するために、本発明に係る積層型電池は、互いに対向配置された平板状の正極集電体および負極集電体と、前記正極集電体および負極集電体の間で、これら集電体の対向方向に直交する方向に、セパレータを介して対向して交互に積層された複数の正極体および負極体からなる電極体と、前記正極集電体と前記電極体との間、および、前記負極集電体と前記電極体との間に介在する、前記対向方向に塑性変形可能な導電素材を含むシート状の緩衝部材とを備え、前記緩衝部材の前記電極体に接触する面が、平滑な面として形成されている。ここで、「平滑な面」とは、緩衝部材の当該面が、凹凸や穴を有していないことを意味する。
この構成によれば、緩衝部材を設けたことにより、電極体と集電体とを確実に接触させることができるのみならず、正極体および負極体の寸法ばらつきなどに起因する接触圧のばらつきが、緩衝部材の塑性変形によって吸収される。したがって、集電体と正極体または負極体とが確実に接触するようになり、電極活物質の利用率が向上するので、電池のエネルギー容量が増大し、かつ、接触抵抗が低減して内部抵抗が減少するので、電池性能が向上する。しかも、緩衝部材の電極体に接触する面が平滑に形成されているので、電極体のセパレータが緩衝部材のバリのような突起物によって貫通することによる内部短絡の発生が防止される。なお、電極体は、好ましくは平板状であってもよい。
本発明に係る上記の積層型電池において、前記緩衝部材が、前記対向方向に塑性変形可能な導電素材からなる緩衝シート部と、平滑な主面を有する導電素材からなる接触シート部とを、前記対向方向に互いに重ねて配置してなり、前記緩衝シート部が前記各集電体側に配置され、前記接触シート部が前記電極体側に配置されていてもよい。このように、緩衝部材の緩衝機能を発揮する部分と、電極体に接する部分とを別体に構成することにより、確実に内部短絡を防止しつつ電極体と集電体との接触を確保することのできる緩衝部材の作製が容易になる。
本発明に係る上記の積層型電池において、前記緩衝シート部を、例えば、発泡ニッケルで形成することができ、前記接触シート部を、例えば、ニッケルめっき鋼板で形成することができる。緩衝シート部に発泡ニッケルを使用することにより、適度な圧力吸収と良好な導電性が両立する。また、接触シート部にニッケルめっき鋼板を使用することにより、接触シート部をきわめて薄く形成して、電池の体積および重量の増加を最小限に抑制することが可能になる。
以上のように、本発明に係る積層型電池によれば、製造が容易な構造を有しながら、内部抵抗が低減され、かつ内部短絡の発生が防止されることにより、性能および信頼性が向上する。
本発明の一実施形態に係る積層型電池が用いられる電池モジュールを示す部分破断側面図である。 図1の積層型電池の構造を示す部分破断断面図である。 図2の要部を拡大して示す断面図である。 図2の積層型電池に用いられる緩衝部材の微細構造を模式的に示す断面図である。 従来の積層型電池の内部構造を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層型電池(以下、単に「電池」と呼ぶ。)が適用される電池モジュールを示す部分破断断面図である。この電池モジュールBは、例えば、電車に搭載されるものであって、電池Cを、電池Cの厚み方向に複数個(本実施形態では30個)積層して構成したものであり、これらが絶縁材料からなるハウジングHによって覆われている。なお、本実施形態における電池Cは、水酸化ニッケルを主要な正極活物質とし、水素吸蔵合金を主要な負極活物質とし、アルカリ系水溶液を電解液とする、繰り返し充放電が可能なニッケル水素二次電池として構成されている。
図2は、電池Cの構造の一例を示す部分破断断面図である。電池Cは、セパレータ11、正極体13および負極体15を含む電極体17と、電極体17を電解液とともに収容する角形形状のケーシング19とを備えている。ケーシング19は、絶縁素材からなる矩形の枠形部材21と、枠形部材21の二つの開口部をそれぞれ覆う、平板状の正極集電体23および負極集電体25とから構成されている。つまり、正極集電体23と負極集電体25とは、互いに対向するように配置されており、これら両集電体23,25の間、つまりケーシング19の内方に電極体17が収容されている。
なお、枠形部材21を形成する絶縁素材として、本実施形態では変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂を用いているが、機械的強度、耐熱性および耐電解液性の観点から種々の材料を選択できる。また、両集電体23,25を形成する素材として、導電素材であるニッケルめっきを施した鋼板を用いているが、電気化学的な特性や機械的強度、耐食性などを考慮して、適宜選択することができる。
電極体17は、例えば、複数の正極体13と複数の負極体15とが、プリーツ状に折り曲げられたセパレータ11を介して所定の方向(本実施形態では両集電体23,25の対向方向Xに直交する方向Y)に交互に積層されて対向する積層構造を有している。ケーシング19の正極集電体23および負極集電体25は、導電性材料、例えばニッケルめっきを施した鋼板で形成されており、後述する構造によって正極体13は正極集電体23に、負極体15は負極集電体25に、それぞれ電気的に接続されている。
なお、電極体17は、プリーツ構造以外の積層構造を有していても良い。例えば、別体に形成された複数の袋状のセパレータにそれぞれ収容された正極体13と負極体15とを交互に積層して対向させてもよく、あるいは、別体の袋状のセパレータにそれぞれ収容された正極体13と負極とを、さらにプリーツ状のセパレータ11を介して互いに対向するように積層してもよい。
次に、本実施形態に係る電池Cの電極体17と集電体23,25との接触構造について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、代表として正極集電体23側についてのみ説明する場合があるが、負極集電体25側も正極集電体23側と同様の構造を有している。
正極集電体23と正極体13との間、および負極集電体25と負極体15との間には、それぞれ、対向方向Xに塑性変形可能な導電素材からなるシート状の緩衝部材31が介在している。すなわち、正極集電体23の内壁面23aに沿ってシート状の緩衝部材31が配置されており、正極体13の正極集電体23側の一端部13aが緩衝部材31の電極体17側の裏面(電極体接触面)31aに接触し、緩衝部材31の正極集電体側の表面(集電体接触面)31bが、正極集電体23の集電面となる内壁面23aに接触している。同様に、負極集電体25の内壁面25aに沿ってシート状の緩衝部材31が配置されており、負極体15の負極集電体側の一端部15aが、緩衝部材31の電極体17側の裏面31aに接触し、緩衝部材31の負極集電体側の表面31bが、負極集電体25の集電面となる内壁面25aに接触している。
なお、正極体13は、多孔質の発泡ニッケルやニッケル焼結体からなる基板に、活物質を含む合材を塗布したものを用いており、一方、負極体15には、ニッケルめっきを施した鋼板に多数の孔を形成したパンチングメタルからなる基板に、活物質を含む合材を塗布したものを用いている。正極および負極の集電体23,25は、ニッケルめっきを施した鋼板で形成されている。本実施形態の電池Cでは、正極体13、負極体15と、正極集電体23、負極集電体25との導通は、金属屑のような異物の混入の防止および工程の簡略化およびリサイクル性の向上のために溶接は行わず、対向方向Xの接触圧のみによって確保されている。
本実施形態において、緩衝部材31の電極体接触面31aは、多孔質体構造による凹凸や孔加工を有しない平滑な面として形成されている。より具体的には、図2の要部を拡大した図3に示すように、緩衝部材31は、対向方向Xに重ねて配置された緩衝シート部33と接触シート部35とから構成されている。緩衝シート部33は、対向方向Xに塑性変形可能な導電素材、例えば発泡ニッケルで形成されており、正極集電体23側に配置されている。一方、接触シート部35は、平滑な主面35aを有する導電素材、例えばニッケルめっきを施した鋼板で形成されており、緩衝シート部33の内側、すなわち電極体17側に配置されている。すなわち、接触シート部35の平滑な主面35aが、緩衝部材31の電極体接触面31aを形成しており、正極体13の一端部13aおよびプリーツ状のセパレータ11の折り曲げ部11aに接触している。
一般に、緩衝シート部33として用いられる塑性変形性に優れる発泡ニッケルのような多孔質の金属部材は、図4に模式的に示すように、表面に存在する細孔の開口縁部がバリ41を形成し、内部短絡の原因となり得る。また、例えば金属シートに孔加工した場合にも、孔の周縁にバリを生じる。しかしながら、図3のように、緩衝部材31を、互いに別体に形成された緩衝シート部33および接触シート部35によって構成することにより、緩衝部材31の、対向方向Xの圧力を吸収する機能を受け持つ部分(緩衝シート部33)と、内部短絡を防止しつつ電極体17との良好な接触性を確保する部分(接触シート部35)とを別個に形成することができる。したがって、確実に内部短絡を防止しつつ電極体17と集電体23との接触を確保することのできる緩衝部材31の作製が容易になる。また、接触シート部35をニッケルめっき鋼板で形成することにより、接触シート部35の厚さをきわめて薄く、例えば0.025〜0.1mmの範囲で形成することができるので、電池Cの体積および重量の増加が最小限に抑制される。
なお、緩衝部材31は、対向方向Xに塑性変形可能な導電素材を含み、かつ、その電極接触面31aが平滑な面として形成されていれば、図3に示した例に限らず、様々な構成をとることができる。例えば、接触シート部35として、ニッケルめっき鋼板の代わりに、発泡ニッケルを対向方向X、すなわち厚み方向にプレス加工したものを用いてもよい。あるいは、緩衝シート部33が2枚、またはそれ以上設けられていてもよい。さらには、緩衝部材31が単一物として形成されていてもよく、例えば、1枚の発泡ニッケルシートの一方の主面のみを平滑化処理したもの、または、ニッケルめっき鋼板にエンボス加工を施すことにより対向方向Xの塑性変形性を持たせたものを緩衝部材31として用いてもよい。
本実施形態に係る電池Cによれば、緩衝部材31を設けたことにより、電極体17と集電体23,25とを確実に接触させることができるのみならず、正極体13および負極体15の寸法ばらつきなどに起因する接触圧のばらつきが、緩衝部材31の対向方向Xの塑性変形によって吸収される。したがって、集電体23,25と正極体13、負極体15とが確実に接触するようになり、電極活物質の利用率が向上するので、電池Cのエネルギー容量が増大する。さらには、接触抵抗が低減して内部抵抗が減少するので、電池性能が向上する。しかも、緩衝部材31の電極体接触面31aが平滑な面として形成されているので、電極体17のセパレータ11が緩衝部材31のバリのような突起物によって突き破られて内部短絡が発生することが防止される。
なお、本実施形態では、電池Cをニッケル水素二次電池として構成した例について説明したが、本発明は、他の種類の角形の一次電池および二次電池にも適用することが可能である。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
11 セパレータ
13 正極体
15 負極体
17 電極体
23 正極集電体
25 負極集電体
31 緩衝部材
31a 緩衝部材の電極体接触面
33 緩衝シート部
35 接触シート部
C 電池
X 正極集電体と負極集電体との対向方向

Claims (3)

  1. 互いに対向配置された平板状の正極集電体および負極集電体と、
    前記正極集電体および負極集電体の間で、これら集電体の対向方向に直交する方向に、セパレータを介して対向して交互に積層された複数の正極体および負極体からなる電極体と、
    前記正極集電体と前記電極体との間、および、前記負極集電体と前記電極体との間にそれぞれ介在する、前記対向方向に塑性変形可能な導電素材を含むシート状の緩衝部材と、
    を備え、
    前記緩衝部材の、前記電極体に接触する面が、平滑な面として形成されており、
    前記緩衝部材は、前記対向方向に塑性変形可能な導電素材からなる緩衝シート部と、平滑な主面を有する導電素材からなる接触シート部とを、前記対向方向に互いに重ねて配置してなり、前記緩衝シート部が前記各集電体側に配置され、前記接触シート部が前記電極体側に配置されている、
    積層型電池。
  2. 請求項において、前記緩衝シート部が発泡ニッケルで形成されている積層型電池。
  3. 請求項1または2において、前記接触シート部がニッケルめっき鋼板で形成されている積層型電池。
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