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JP5528792B2 - 梁貫通孔補強装置及び梁構造 - Google Patents
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JP5528792B2 - 梁貫通孔補強装置及び梁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼材によって梁貫通孔周辺の補強を確保しつつ、耐火被覆となる被りを容易に形成することが可能であると共に、梁貫通孔周辺へのコンクリートの充填性や梁鉄筋組への良好な設置作業性、品質の高い接合性能、部品としての汎用性向上を達成することが可能であって、従来と遜色なく梁主筋の座屈防止と梁貫通孔の上下に位置するコンクリートの圧壊防止も達成することが可能な梁貫通孔補強装置及び梁構造に関する。
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の梁には、配管等を配設するために、梁幅方向に梁貫通孔が形成される。この梁貫通孔やその周囲を補強する技術として、例えば特許文献1及び特許文献2が知られている。
特許文献1の「コンクリート構造体の貫通孔補強金物」は、中空筒体状でステンレス製の耐蝕金属製スリーブと、この外側に溶接接続された補強筋とからなる。補強筋は、耐蝕金属製スリーブの外周面に、その径方向外方に向かって放射状に配筋されたロッド筋と、ロッド筋間に耐蝕金属製スリーブの周方向に沿って掛け渡された環状筋と、これらが軸方向に沿って3重に並設されて、これらの間を連結接続させる横筋とから構成されている。
特許文献2の「開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造、補強方法、梁構造」は、開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造を、開口の内側に鋼管が嵌挿され、鉄筋コンクリート梁のせん断補強筋が鋼管の外周面に接合されている構成としている。
特開平7−62793号公報 特開2007−51533号公報
耐火建築物の場合、特許文献2では、鋼管が梁貫通孔内面に露出してしまうので、耐火被覆としての被りを別途設ける必要があり、このために施工工程が増え、またコストアップを招いてしまう。被りを形成するには例えば、梁型枠を脱型した後に、鋼管の内部に梁貫通孔形成用の型枠材を別途設置し、型枠材と鋼管との間に、コンクリートやグラウト等を充填して耐火被覆を形成することになるが、そのために作業工数が増加し、コストアップにもなってしまう。他方、鋼管に耐火鋼を用いたり、特許文献1のように、ステンレス製の耐蝕金属製スリーブを用いることで、耐火被覆は不要になるが、この種の材料は一般的な鋼材に比べて高価であり、コストアップを招いてしまう。
特許文献1のスリーブや特許文献2の鋼管は本来、梁型枠の内部に設置され、梁貫通孔成形用の型枠材として兼用されるものである。従って、スリーブ等は、梁幅方向に梁を横断するように設置される。梁施工時に、これらスリーブ等の周囲にコンクリートを打設するが、梁底側となるスリーブ等の下部には、コンクリートが回り込み難く、このため充填不良が生じやすい。充填不良のために空隙などが発生すると、梁貫通孔周りの強度性能に悪影響を及ぼすおそれがある。特に、特許文献1では、スリーブ周囲に多数の鉄筋が密に施されるため、梁貫通孔周りへのコンクリートの充填性がさらに懸念される。
スリーブ等の梁型枠内部への設置作業性の面からすると、特許文献1のスリーブは、予め各種鉄筋を接合しておいて、その全体を梁鉄筋組内に組み込み、その後、梁主筋やせん断補強筋などの各種梁鉄筋と接合しなければならないため、スリーブ側の鉄筋と各種梁鉄筋とが複雑に錯綜し、その作業は煩雑で、効率が良くない。スリーブを単体で扱うようにし、スリーブを設置した後に、鉄筋をスリーブと梁鉄筋組の両方に接合していくことも考えられるが、そのようにしても鉄筋の錯綜状態に変わりはなく、スリーブの設置作業は煩雑なものであった。梁貫通孔を複数形成する梁の場合には、その煩雑さや施工効率の悪さはさらに顕著なものとなる。
さらに、特許文献1及び2いずれにあっても、スリーブ等と鉄筋やせん断補強筋とを溶接によって接合するものであった。このため、スリーブ等や鉄筋等の仕様を、様々な梁せいや種々の孔径の梁貫通孔に応じて、個別に決定し準備しておく必要があり、汎用性に乏しいという問題があった。スリーブ等や鉄筋等を個々の部品として考えると、汎用性が必要であった。具体的には、スリーブ等は、梁貫通孔の型枠材を兼ねるため、形成する梁貫通孔の内径毎に複数のものを作製しておく必要がある。梁幅も無数であるため、梁幅に応じたスリーブ等を切り出すために、長尺な管材をあらかじめ工場等の広大な保管スペースに在庫として確保しておかなければならない。スリーブ等に接合する鉄筋等についても、梁貫通孔は梁せい方向で、その位置が種々に設定されるものであり、梁貫通孔の孔径も梁せいも様々であることから、長さの異なるものを各種用意しておく必要があった。
実際の接合作業でも、溶接接合であると、スリーブや鋼管、鉄筋、せん断補強筋の加工精度によっては、スリーブに接合した鉄筋を各種梁鉄筋に接合できない、あるいはせん断補強筋を鋼管に接合できないなどの問題が生じるおそれがあった。特に、特許文献2では、せん断補強筋は、他の梁鉄筋組で取り囲まれた位置での現場溶接となるため、また部分的に上向き溶接箇所が存在するため、溶接作業が煩雑であり、溶接品質の確保が難しいという課題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、鋼材によって梁貫通孔周辺の補強を確保しつつ、耐火被覆となる被りを容易に形成することが可能であると共に、梁貫通孔周辺へのコンクリートの充填性や梁鉄筋組への良好な設置作業性、品質の高い接合性能、部品としての汎用性向上を達成することが可能であって、従来と遜色なく梁主筋の座屈防止と梁貫通孔の上下に位置するコンクリートの圧壊防止も達成することが可能な梁貫通孔補強装置及び梁構造を提供することを目的とする。
本発明にかかる梁貫通孔補強装置は、上下梁主筋間に梁幅方向に形成される梁貫通孔を補強する補強装置であって、上記梁貫通孔を成形する型枠を、被り厚を隔てて包囲するための鋼製環状補強部材と、該環状補強部材にボルト接合され、少なくともいずれかの上記上下梁主筋にそれぞれ係止するための座屈拘束筋と、上記環状補強部材に形成され、コンクリートを当該環状補強部材内外へ流通させるための流通部とを備え、少なくとも上記下梁主筋に係止される上記座屈拘束筋を上記環状補強部材の内方へ突出させたことを特徴とする。
前記環状補強部材は、梁幅方向に隙間を隔てて配列される複数の環状補強ピースで構成され、各環状補強ピースに前記座屈拘束筋が設けられると共に、前記流通部が該環状補強ピース間の隙間で形成されることを特徴とする。
前記座屈拘束筋は、前記ボルト接合により、前記環状補強部材に締結位置調節可能に締結されることを特徴とする。
本発明にかかる梁構造は、上記梁貫通孔補強装置を、鉄筋コンクリート製や鉄骨鉄筋コンクリート製の梁の梁鉄筋組に組み込んで構築したことを特徴とする梁構造。
本発明にかかる梁貫通孔補強装置及び梁構造にあっては、安価な鋼材によって梁貫通孔周辺の補強を確保しつつ、耐火被覆となる被りを容易に形成することができると共に、梁貫通孔周辺へのコンクリートの充填性や梁鉄筋組への良好な設置作業性、品質の高い接合性能、部品としての汎用性向上を達成することができ、従来と遜色なく梁主筋の座屈防止と梁貫通孔の上下に位置するコンクリートの圧壊防止も達成することができる。詳細には、座屈拘束筋を環状補強部材にボルト接合することにより、環状補強部材に対する座屈拘束筋の締結位置を調整することが可能で、これによって、上下梁主筋それぞれの高さ位置に応じて梁主筋に座屈拘束筋を適切に係止できる。また、環状補強部材の内方へ突出させた座屈拘束筋により、型枠の位置決めのためのガイドとして利用することができる。
本発明に係る梁貫通孔補強装置の好適な一実施形態を示す斜視図である。 図1中、A−A線矢視断面図である。 図1の梁貫通孔補強装置を梁に組み込んだ状態を示す斜視図である。 図3の要部拡大正面断面図である。 本発明に係る梁貫通孔補強装置の変形例を示す斜視図である。 図5の梁貫通孔補強装置を梁に組み込んだ状態を示す斜視図である。 図6の要部拡大側断面図である。
以下に、本発明にかかる梁貫通孔補強装置及び梁構造の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図4に示すように、本実施形態に係る梁貫通孔補強装置1は主に、鉄筋コンクリート梁2や鉄骨鉄筋コンクリート梁の上下梁主筋3,4間に梁幅方向に形成される梁貫通孔5を補強するための環状補強部材6と、上下の梁主筋3,4の座屈を抑制するために、これら梁主筋3,4に生じる圧縮力を負担する座屈拘束筋7とから構成される。本実施形態に係る梁貫通孔補強装置1は、梁2の端部に設けても良いし、梁2の中央部に設けても良い。
環状補強部材6は鋼製で、中空筒体状に形成される。本実施形態では、環状補強部材6は、梁2の梁幅方向両側面側に亘る長さ寸法で、断面円形状に形成される。断面円形状に限らず、断面多角形状であっても良い。環状補強部材6は、円形鋼管や角形鋼管で形成しても良いし、鋼板を加工成形して形成しても良い。
環状補強部材6の内部には、施工時、梁貫通孔5を成形する型枠8が設置される。環状補強部材6は、型枠8を、耐火被覆Xとなる被り厚を隔てて包囲する内径寸法で形成される。環状補強部材6と型枠8の断面中心が一致する場合には、環状補強部材6内部に均一な被り厚でコンクリートによる耐火被覆Xが形成される。断面中心が上下方向もしくは左右方向に不一致となる場合には、環状補強部材6と型枠8の最小隙間箇所に必要被り厚が確保されて、耐火被覆Xが形成される。
環状補強部材6には、筒体面6aの上部及び下部に板厚方向に貫通して、コンクリートCを環状補強部材6内外へ流通させるための流通孔9が形成される。流通孔9の形態や寸法、個数は、環状補強部材6の強度及びコンクリートCの流通性を勘案して、適宜に設定すればよい。
環状補強部材6には、座屈拘束筋(鉄筋)7が設けられる。座屈拘束筋7は、環状補強部材6の筒体面6aの上部及び下部に、上下梁主筋3,4に向かって配設される。座屈拘束筋7の先端には、梁主筋3,4に係止するためのU字状のフック部7aが形成される。フック部7aの形態や寸法は、梁主筋3,4に係止し得る態様で、適宜に設定すればよい。
座屈拘束筋7の基部には、ネジ部7bが形成され、ネジ部7bは、環状補強部材6に形成される挿通孔(図示せず)に挿通されると共に、環状補強部材6の外側及び内側からナット10で締結され、これにより、環状補強部材6にボルト接合される。ネジ部7b長さを長く設定することにより、環状補強部材6に対する座屈拘束筋7の締結位置を調整することが可能で、これによって、上下梁主筋3,4それぞれの高さ位置に応じて梁主筋3,4にフック部7aが適切に係止される。言い換えれば、環状補強部材6の高さ位置調整にも利用される。また、座屈拘束筋7は、環状補強部材6に溶接接合等、その他の接合方法で接合しても良い。
図示例にあっては、座屈拘束筋7は、環状補強部材6の長さ方向両端部と中央部の上下それぞれに、環状補強部材6の左右方向中央を挟んで2本ずつ設けられ、上下梁主筋3,4に係止されるようになっている。座屈拘束筋7は、上下各位置で2本に限らず、1本でも、3本以上であっても良い。座屈拘束筋7を環状補強部材6の上下それぞれに複数本配設する場合には、梁2のスターラップ筋11の間隔よりも狭めた間隔で配置することが好ましく、このようにすることで、梁主筋3,4の座屈抑制効果を向上することができる。
また、座屈拘束筋7は、環状補強部材6の長さ方向両端部に設けて、梁幅方向最外側の上下梁主筋3,4に係止しても良く、また、梁幅方向に並ぶ上下梁主筋3,4のいずれかに対応させて、配設しても良い。さらに、図示例にあっては、座屈拘束筋7のフック部7aは、一本の梁主筋3,4に係止するようにしているが、梁上端及び梁下端それぞれにおいて、複数本の梁主筋3,4に跨る形態に形成して、複数本の梁主筋3,4若しくはすべての梁主筋3,4に一挙に係止するようにしても良い。
さらに図1に示すように、座屈拘束筋7は、少なくとも2本の鉄筋をネジ形式や楔で連結する形式のカプラー12で接続して、それ自体の長さを調整し得るように構成しても良い。このようにすれば、座屈拘束筋7を環状補強部材6に溶接接合した場合であっても、梁主筋3,4へ係止する際の長さ調整が可能となり、さらには、梁貫通孔5と環状補強部材6が相互に上下方向に偏心する場合や、様々な梁せいに対しても、フック部7aが形成される座屈拘束筋7として、同一のものを使用できるので、汎用性が高くなる。
さらに、座屈拘束筋7の基部(ネジ部7a)は、環状補強部材6の内方へ突出させることが好ましい。突出させた基部により、梁貫通孔5を成形する型枠8を支持したり、位置決めのためのガイドとして利用することができる。また、環状補強部材6内方への基部の突出長さを被り厚に一致させれば、これに型枠8をセットすることができると共に、コンクリートCを打設する前に、被り厚が確保されているか否かを目視で確認することができる。
以上のように構成された梁貫通孔補強装置1は、鉄筋コンクリート梁2や鉄骨鉄筋コンクリート梁を構築するための梁型枠内に挿入され、座屈拘束筋7が、梁主筋3,4やスターラップ筋11でなる梁鉄筋組の上下梁主筋3,4に係止されて位置決めされると共に、梁貫通孔5を成形する型枠8が環状補強部材6内方に設置されて、この状態で梁型枠内に打設されるコンクリートC中に埋設されて梁構造を構成する。
次に、本実施形態に係る梁貫通孔補強装置及び梁構造の作用について説明する。梁貫通孔補強装置1は、梁鉄筋組を施した梁型枠内に設置する。設置する際には、環状補強部材6内方に、梁貫通孔5を成形する型枠8を納めた上で、上下梁主筋3,4とスターラップ筋11で囲まれた空所に、環状補強部材6を挿入する。その後、フック部7aを上下梁主筋3,4に係止した座屈拘束筋7のネジ部7bを、ナット10で環状補強部材6に締結する。これにより、梁貫通孔補強装置1が完成されると共に、梁型枠内への設置が完了する。
本実施形態に係る梁貫通孔補強装置1は主に、環状補強部材6と上下梁主筋3,4に係止する上向き及び下向きの座屈拘束筋7だけという極めて簡略な構成であって、環状補強部材6の設置は、上下梁主筋3,4とスターラップ筋11で囲まれた空所に挿入するだけであり、極めて容易に設置作業を行うことができる。また、座屈拘束筋7を、スターラップ筋11と干渉することのない上下方向に向かって配して上下梁主筋3,4に係止し、その後、空間的にゆとりのある環状補強部材6周りで集約的に、当該環状補強部材6にボルト接合するだけなので、当該接合作業も極めて簡便に実施することができる。
この際、ナット10とネジ部7bで座屈拘束筋7の環状補強部材6への締結位置を調整することで、環状補強部材6を適切に位置決めすることができる。この調整可能な融通性により、部品としての汎用性を向上することができる。すなわち、環状補強部材6は、梁貫通孔5の型枠を兼ねないので、汎用性の効く口径のものを用意しておけば、各種孔径の梁貫通孔5の補強に利用することができる。また、座屈拘束筋7も、汎用性の効く長めのものを用意し、ネジ部7bも長めに形成しておけば、各種梁せいの梁主筋3,4の補強に利用することができる。また、ボルト接合であるので、ネジ部7b長さで汎用性が増し、座屈拘束筋7の取り合いに関連する梁主筋3,4や環状補強部材6に加工誤差があってもそれに左右されることなく、当該加工誤差を当該ネジ部7b長さで吸収して、適切に梁貫通孔補強装置1を組み付けることができる。
また、溶接接合と異なり、ボルト接合によれば、接合性能を均質かつ良好に確保することができる。また、環状補強部材6の内方へ突出させた座屈拘束筋7の基部(ネジ部7b)により、被り厚の確認、型枠8の支持や位置決めが可能となる。型枠8は、環状補強部材6を梁主筋3,4で支持した後に、環状補強部材6内方に納めるようにしても良い。その後、梁型枠を完成する。
完成した梁型枠内に環状補強部材6の上方からコンクリートCを打設すると、コンクリートCは図4に示すように、環状補強部材6周りに流下すると共に、上部の流通孔9から環状補強部材6内部へも流入する。流通孔9から流入したコンクリートCは、下部の流通孔9から流出しつつ、次第に上部の流通孔9が埋まるまで型枠8と環状補強部材6との間に充填されていく。流通孔9を流通するコンクリートCにより、型枠8と環状補強部材6との間に、耐火被覆Xとなる被りが形成される。梁型枠にコンクリートCを打設することによって、一挙に被り(耐火被覆X)を形成することができる。
また、下部の流通孔9からコンクリートCが流出することにより、上方から見て陰となる環状補強部材6の下方にも、十分にコンクリートCを行き渡らせることができ、空隙発生を防止して、環状補強部材6周りのコンクリート充填性も向上することができる。
梁型枠内に打設するコンクリートCは、梁主筋3,4等を含む梁鉄筋組周りにも充填され、これにより、鉄筋コンクリート造等の梁2を構築することができる。梁2の完成後に、型枠8を撤去して、梁貫通孔5を形成する。
このようにして構築された梁構造では、環状補強部材6がせん断力に抵抗して梁貫通孔5を補強することができ、せん断耐力を増強できる。また、梁幅方向で梁2の両側面側に亘る長さ寸法の環状補強部材6と、当該環状補強部材6に設けた座屈拘束筋7と、上下梁主筋3,4とによるコンファインド効果により、梁貫通孔5上下のコンクリートCを拘束することができ、さらに、座屈拘束筋7により、環状補強部材6に反力をとって、圧縮側の梁主筋3,4の座屈も効果的に抑制することができるので、梁端部であれ、梁中央部であれ、梁2の靭性を向上できて、梁2が脆性的に破壊することを適切に防止することができる。
以上説明したように本実施形態に係る梁貫通孔補強装置1は、梁貫通孔5を成形する型枠8を、被り厚を隔てて包囲するための鋼製環状補強部材6と、環状補強部材6に接合され、少なくともいずれかの上下梁主筋3,4にそれぞれ係止するための座屈拘束筋7と、環状補強部材6に形成され、コンクリートCを当該環状補強部材6内外へ流通させるための流通孔9とを備えるとともに、座屈拘束筋7を、環状補強部材6に締結位置調節可能にボルト接合して構成し、このような梁貫通孔補強装置1を、鉄筋コンクリート製や鉄骨鉄筋コンクリート製の梁2の梁鉄筋組に組み込んで梁構造を構成するようにしたので、ステンレス材等に比して安価な鋼材によって梁貫通孔5周辺の補強を確保しつつ、耐火被覆Xとなる被りを容易に形成することができると共に、梁貫通孔5周辺へのコンクリートCの充填性や梁鉄筋組への良好な設置作業性、品質の高い接合性能、部品としての汎用性向上を達成することができ、また、従来と遜色なく、梁主筋3,4の座屈防止と梁貫通孔5の上下に位置するコンクリートCの圧壊防止も達成することができる。
上記実施形態にあっては、環状補強部材6として、梁幅方向で梁2の両側面側に亘る長さのものを例示して説明したが、梁幅が長い場合には、梁貫通孔補強装置1を複数並設するようにすればよい。具体的には、梁2を貫通する長さ寸法を有する単一の型枠8の長さ方向に、複数の梁貫通孔補強装置1を並べて設置し、それらの各座屈拘束筋7を適宜に上下梁主筋3,4に係止するようにすればよい。これにより、部品として、様々な梁幅寸法に対する汎用性も高めることができる。
図5〜図7には、上記実施形態の変形例が示されている。この変形例は、環状補強部材6を、梁幅方向に隙間Pを隔てて配列される複数の環状補強ピース13で構成したものである。座屈拘束筋7は、各環状補強ピース13に設けられる。コンクリートCの流通部は、環状補強ピース13相互間の隙間Pで形成される。各環状補強ピース13の梁幅方向の寸法は、上述したせん断耐力、コンファインド効果、座屈抑制作用を考慮して、適宜に設定すればよい。その他の構成は、上記実施形態と同様である。
この変形例の作用も、上記実施形態とほぼ同様である。設置作業にあっては、環状補強ピース13は上記環状補強部材6よりも軽量なので、予め座屈拘束筋7を取り付けた状態で、人力などで、梁幅方向内方に配設するものから順に設置していけばよい。設置する際には、座屈拘束筋7を仮締結しておき、梁主筋3,4に係止した後で、長さ調整をして本締結すればよい。座屈拘束筋7は、すべての梁主筋3,4に係止しても、いずれかの梁主筋3,4に係止しても良い。
環状補強ピース13は、環状補強部材6を細分化したものであるので、梁幅寸法に対する汎用性をさらに向上することができる。また、梁型枠内に打設されるコンクリートCは、環状補強ピース13間の隙間Pを介してその内方へ流入するので、被り(耐火被覆X)を形成できると共に、梁貫通孔5周りへの良好なコンクリート充填性も確保することができる。このような変形例にあっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することはもちろんである。
1 梁貫通孔補強装置
2 梁
3,4 上下梁主筋
5 梁貫通孔
6 鋼製環状補強部材
7 座屈拘束筋
7b ネジ部
8 型枠
9 流通孔
10 ナット
11 スターラップ筋
13 環状補強ピース
C コンクリート
P 隙間
X 耐火被覆

Claims (4)

  1. 上下梁主筋間に梁幅方向に形成される梁貫通孔を補強する補強装置であって、
    上記梁貫通孔を成形する型枠を、被り厚を隔てて包囲するための鋼製環状補強部材と、
    該環状補強部材にボルト接合され、少なくともいずれかの上記上下梁主筋にそれぞれ係止するための座屈拘束筋と、
    上記環状補強部材に形成され、コンクリートを当該環状補強部材内外へ流通させるための流通部とを備え、
    少なくとも上記下梁主筋に係止される上記座屈拘束筋を上記環状補強部材の内方へ突出させたことを特徴とする梁貫通孔補強装置。
  2. 前記環状補強部材は、梁幅方向に隙間を隔てて配列される複数の環状補強ピースで構成され、各環状補強ピースに前記座屈拘束筋が設けられると共に、前記流通部が該環状補強ピース間の隙間で形成されることを特徴とする請求項1に記載の梁貫通孔補強装置。
  3. 前記座屈拘束筋は、前記ボルト接合により、前記環状補強部材に締結位置調節可能に締結されることを特徴とする請求項1又は2いずれかの項に記載の梁貫通孔補強装置。
  4. 請求項1〜3に記載の梁貫通孔補強装置を、鉄筋コンクリート製や鉄骨鉄筋コンクリート製の梁の梁鉄筋組に組み込んで構築したことを特徴とする梁構造。
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