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JP5529693B2 - 繊維強化プラスチック部品 - Google Patents
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Description

本発明は、繊維強化プラスチック部品に関し、特に、補強繊維の配置に関する。
繊維強化プラスチックは、軽量、高強度という利点のために、様々な分野でその使用が広まっている。繊維強化プラスチックの部品の製作方法として、補強繊維を織った織物のシート、または補強繊維が一方向に揃えられたシートを積層し、樹脂を含浸し、硬化させる方法が知られている。繊維強化プラスチック製の部品においては、その部品の形状、荷重の方向に応じた補強繊維の配置が検討されている。下記特許文献1には、孔を有する繊維強化プラスチック部品における孔周囲の補強繊維の配置に関する技術が示されている。
特開2008−290269号公報
長手方向にスリットを有する筒部分がある繊維強化プラスチック部品においては、このスリットを広げようとする力に抗する強度が要求される場合がある。
本発明は、スリットを広げようとする力に抗する強度を有する繊維強化プラスチック部品を提供することを目的とする。
本発明に係る繊維強化プラスチック部品は、長手方向に延びるスリットを有する筒部分と、筒部分の、前記スリットと反対側の位置に接続され、前記長手方向に延びて配置される板部分と、筒部分に隣り合う位置において板部分に交差し、前記長手方向に延びて配置される側方板部とを有する部品である。板部分を境にした筒部分の一方の側面である第1側面において周方向に延び、連続して板部分において筒部分から離れる方向に延びる補強繊維を有する一方向材の第1連続層と、筒部分の第1側面に対し反対側の第2側面において周方向に延び、連続して板部分において筒部分から離れる方向に延びる補強繊維を有する一方向材の第2連続層と、を含み、板部分においては第1および第2連続層が貼り合わされている。さらに、筒部分において、第1および第2連続層の内側に位置し、周方向に連続した内側層と、筒部分および板部分において、第1連続層の外側に位置する第1外側層と、筒部分および板部分において、第2連続層の外側に位置する第2外側層と、を含む。さらに、側方板部において、板部分に交差し、かつ貫通する側方心材と、板部分の表裏において、板部分に積層された部分から延び側方心材を挟んで位置する外側表層とを含む。
側方板部の側方心材が板部分を貫通して配置されることにより、スリットを広げようとする力に抗することができる。
本実施形態の繊維強化プラスチック部品の外観を示す斜視図である。 本実施形態の繊維強化プラスチック部品の製造過程の説明図である。 本実施形態の繊維強化プラスチック部品の製造過程の説明図である。 本実施形態の繊維強化プラスチック部品の製造過程の説明図である。 本実施形態の繊維強化プラスチック部品の製造過程の説明図である。 本実施形態の繊維強化プラスチック部品の製造過程の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。図1は、本実施形態の繊維強化プラスチック部品10の外観を示す斜視図である。部品10は、柱状、特にこの実施形態では円柱状のレール12と係合する筒形状の筒部分14を有する。筒部分14は、その筒形状の軸線方向に延びるスリット16を有する。スリット16は筒部分14の全長にわたって延び、筒部分14の断面形状は略C字形となっている。筒部分14の、スリット16が設けられた部分の反対側の位置に、筒部分14の軸線方向に延びる板形状の板部分18が接続されている。板部分18は、筒部分14から離れる方向、特に円筒形状の半径方向に沿って延びる。また、円筒形状の軸線方向においては、筒部分14の全長と同じ長さを有してよい。板部分18の、筒部分14に隣り合う位置に、板部分に交差し、かつ筒部分の軸線方向に延びるように側方板20が設けられている。なお、図1において、側方板20は、断面を示すために一部が破断された状態で示されている。
繊維強化プラスチック部品10は、筒部分14が、その内側の空間にレール12を収容している状態で、レール12に沿ってスライド可能である。レール12に、図1において下向きの力が加わると、筒部分14と板部分18の接続部分に、これらの部分を離そうとする力が加わる。また、筒部分14には、スリット16を広げる方向の力も作用する。
部品10は、筒部分14と板部分18を引き離そうとする力に抗するためにこれらの部分に連続する、補強繊維の方向が一方向である一方向材からなる二つの連続層22,24を有している。一方の連続層(以下、第1連続層と記す。)22は、筒部分14の、板部分18が接続されている位置より図中左側の円弧部分に、周方向に延びて配置され、さらに板部分18に、板部分が形成する面に沿って配置される。他方の連続層(以下、第2連続層と記す。)24は、筒部分14の、板部分18が接続されている位置より図中右側の円弧部分に、周方向に延びて配置され、さらに板部分18に、板部分が形成する面に沿って配置される。左右の連続層22,24の板部分18に属する部分は、重ね合わされている。これらの連続層22,24の補強繊維は、筒部分14では周方向に延び、板部分18では筒部分14から離れる方向に、言い換えれば、筒部分14の半径方向に外に向けて延びている。また、連続層22,24に属する補強繊維は、筒部分14と板部分18で連続し、この連続する補強繊維により、筒部分14と板部分18を引き離そうとする力に対抗する。
筒部分14において、連続層22,24の内側には、周方向に連続した織物の繊維強化プラスチック(例えば炭素繊維強化プラスチック:CFRP)からなる内側層26が配置される。この内側層26が筒部分14の内壁面を形成し、レール12と接する。また、この内側層26が連続して筒部分14の左右の部分をつないでおり、これらを引き離そうとする力に対抗している。筒部分14および板部分18において、第1連続層22の外側および、第2連続層24の外側には、それぞれ第1外側層28、第2外側層30が配置される。第1および第2外側層28,30は、織物の繊維強化プラスチックでもよく、一方向材の繊維強化プラスチックでもよい。繊維の方向は、第1および第2連続層22,24の繊維の方向と同じ方向に強度が高くなる方向とすることが好ましい。
筒部分14において、第1連続層22は内側層26と第1外側層28に挟まれ、第2連続層24は内側層26と第2外側層30に挟まれる。板部分18においては、重ね合わされた第1連続層22と第2連続層24が、第1外側層28と第2外側層30に挟まれる。
側方板20内部には、板部分18を貫通して、板部分18の左右に延びる側方心材42が配置される。側方心材42は、棒形状、または細い板形状であり、筒部分14の延びる方向に複数本が間隔をあけて配置される。また、側方心材42は、一方向材の繊維強化プラスチックとすることができる。側方心材42は、スリット16を広げ、板部分18の層を剥がすように作用する力に対抗する。
図2〜図6は、この実施形態の繊維強化プラスチック部品10の製造過程を説明する図である。まず、レール12と同じ断面形状(特に、この例では円柱形状)の成形型32の円柱側面に硬化前の織物の繊維強化プラスチック(例えば炭素繊維強化プラスチック:CFRP)を巻き付ける。これが硬化後には前述の内側層26となる。ここでは、硬化前の状態においても、硬化後の部材名と符号を用いて説明する。図2に示すように、内側層26は、周方向の一方(図中においては下方)が開口するよう、成形型32に巻き付けられており、この開口が完成後のスリット16となる。また、織物である内側層26の縦横いずれか一方の補強繊維は、円筒側面周方向に延びるように配置される。縦横の強度が異なる場合は、周方向に高い強度が得られるように織物の内側層26を配置することが好ましい。
第1および第2連続層22,24は、平らな板形状の部分と、円筒の一部の形状を有する部分とを含む。円筒の一部の形状を有する部分を、半円筒の部分と記すが、実際には、スリット16を形成するために半円筒よりやや弧長が短くなっている。また、第1および第2連続層22,24は、板形状の部分と、半円筒の部分の縁同士を接続し、かつ板形状の部分が半円筒の部分の一つの半径の方向に沿う形で接続し、図3に示すような形状に、予備成形されている。前述のように、第1および第2連続層22,24は、一方向材よりなり、その補強繊維は、図3中の矢印Yで示す方向に配置されている。板形状の部分を重ね合わせ、また半円筒の部分の内側に前述の内側層26を収容する。半円筒の部分の円弧長は、内側層26の周長に対応し、半円筒の先端部分同士の間があく長さであり、この部分が後にスリット16となる。また、第1および第2連続層22,24の板形状の部分には、後に側方板20を支える側方心材42を貫通させるための孔34があけられている。
図4は、内側層26を収容するように、第1連続層22と第2連続層24を重ね、更にその外側に織物の、または一方向材の繊維強化プラスチックを積層した状態を示している。第1連続層22の上に重ねられる層は、前述の第1外側層28の一部となる第1外側下層36である。また、第2連続層24の上に重ねられる層は、前述の第2外側層30の一部となる第2外側下層38である。第1および第2外側下層36,38にも、第1および第2連続層22,24と同じ位置に孔40が設けられている。
次に、図5のように、第1、第2連続層および第1、第2外側下層が積層された板形状の部分の、これを貫通するように形成された孔34,40に、予備成形により硬化させた一方向材の繊維強化プラスチックからなる側方心材42を貫通させる。さらに、図6に示すように、第1および第2外側下層36,38の上に、外側表層を重ねる。外側表層は、4つの部分があり、第1外側下層36に対応して第1および第2外側表層44,46が設けられ、第2外側下層38に対応して第3および第4外側表層48,50が設けられる。第1外側表層44は、筒部分14と、板部分18のうち側方板20までの部分に対応し、第2外側表層46は、板部分18のうち側方板20より筒部分から離れた部分に対応する。これらの部分と、第1外側下層36により第1外側層28が形成される。第3外側表層48は、筒部分14と、板部分18のうち側方板20までの部分に対応し、第4外側表層50は、板部分18のうち側方板20より筒部分から離れた部分に対応する。これらの部分と、第2外側下層38により第2外側層30が形成される。
さらに、第1および第2外側表層44,46は、図中板部分より左側の部分で側方心材42を挟み、側方板20となる部分を有する。また、第3および第4外側表層48,50も、更に側方心材42を挟み、側方板20となる部分を有する。これにより、板部分18の層間を引き剥がそうとする力を側方心材42で受けることができるようになり、この力に対抗することができる。第1から第4外側表層44,46,48,50は、織物の繊維強化プラスチックであることが好ましい。これら第1から第4外側表層を積層し、硬化させて、図1に示す繊維強化プラスチック部品が形成される。
第1および第2連続層22,24の補強繊維が、半円筒の部分と板形状の部分に連続して延びているので、筒部分14と板部分18を分離しようとする力に対し強度が高くなる。また、第1および第2外側下層36,38の補強繊維も、筒部分14と板部分18に連続して延びるようにしていることにより、これらの分離に対し強度が高くなる。側方心材42は、第1から第4外側表層44,46,48,50と一体構造となることで、スリットを広げようとする力に対する強度が強くなる。
10 繊維強化プラスチック部品、12 レール、14 筒部分、16 スリット、18 板部分、20 側方板、22,24 連続層、26 内側層、28,30 外側層、32 成形型、34 孔、36 第1外側下層、38 第2外側下層、40 孔、42 側方心材、44 第1外側表層、46 第2外側表層、48 第3外側表層、50 第4外側表層。

Claims (1)

  1. 長手方向に延びるスリットを有する筒部分と、筒部分の前記スリットと反対側の位置に接続され、前記長手方向に延びて配置される板部分と、筒部分に隣り合う位置において板部分に交差し、前記長手方向に延びて配置される側方板部と、を有する繊維強化プラスチック部品であって、
    板部分の接続位置を境にした筒部分の一方の側面である第1側面において周方向に延び、連続して板部分において筒部分から離れる方向に延びる補強繊維を有する一方向材の第1連続層と、
    筒部分の第1側面に対し反対側の第2側面において周方向に延び、連続して板部分において筒部分から離れる方向に延びる補強繊維を有する一方向材の第2連続層と、
    を含み、
    板部分において、第1および第2連続層が貼り合わされ、
    筒部分において、
    第1および第2連続層の内側に位置し、周方向に連続した内側層と、
    筒部分および板部分において、第1連続層の外側に位置する第1外側層と、
    筒部分および板部分において、第2連続層の外側に位置する第2外側層と、
    を含み、
    側方板部において、
    板部分に交差し、かつ貫通する側方心材と、
    板部分の表裏において、板部分に積層された部分から延び側方心材を挟んで位置する外側表層と、
    を含む、
    繊維強化プラスチック部品。
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