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JP5531382B2 - 楽音合成装置、楽音合成システムおよびプログラム - Google Patents
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JP5531382B2 - 楽音合成装置、楽音合成システムおよびプログラム - Google Patents

楽音合成装置、楽音合成システムおよびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、管楽器の楽音を合成する技術に関する。
楽器の発音の原理を模擬することで楽音を合成する物理モデル方式の楽音合成装置(物理モデル音源)が従来から提案されている。例えば特許文献1には、管楽器のリードが管体内に付与する圧力波と管体内の圧力波の伝播との双方を演算回路で模擬する構成(以下「構成A」という)や、現実の管楽器のマウスピースから吹奏時に検出した信号(例えば圧力波の信号)を利用して管体内の圧力波の伝播を演算回路で模擬する構成(以下「構成B」という)が提案されている。
特開平6−167981号公報
しかし、構成Aにおいては、管体やリードを含む管楽器の全体にわたる挙動が演算で模擬されるから、楽音の合成に膨大な演算が必要であるという問題がある。また、実際の管楽器の演奏においてはリードの種類(特性)を変更することで多様な表現が実現されるが、構成Bにおいては現実の管楽器のリードが楽音の合成に使用されるから、リードの種類に応じた表現の相違を実現するためにはリードを実際に交換するという煩雑な作業が必要となる。以上の事情を考慮して、本発明は、所望のリードに対応した楽音を少ない演算量で合成することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る楽音合成装置は、管楽器の管体に楽音を発生させる装置であって、管楽器のリードを模擬することで、管楽器の管体の内部に付与される出射波圧力を算定する発音模擬手段と、出射波圧力に応じた音波を管楽器の管体の内部に放射する放音体とを具備する。本発明においては、発音模擬手段がリードを模擬することで算定した出射波圧力に応じた音波が実際の管楽器の管体の内部に放射されるから、複数種のリードが実際には存在しなくても、相異なるリードに対応した楽音を合成することが可能である。また、音波の放射には実際の管楽器の管体が利用されるから、管体を含む管楽器の全体の挙動が演算で模擬される構成と比較して演算量が削減される。
本発明の好適な態様に係る楽音合成装置は、管体の内部の反射波圧力を検出する受音体を具備し、発音模擬手段は、反射波圧力に応じた出射波圧力を算定する。以上の態様においては、管体の内部の反射波圧力が発音模擬手段による算定に反映される(すなわち反射波の作用が模擬される)から、実際の管楽器の楽音に充分に近似した楽音を合成することが可能である。
本発明の好適な態様に係る楽音合成装置は、複数種のリードの各々について変数を記憶する第1記憶手段を具備し、発音模擬手段は、複数種のリードから選択されたリードについて第1記憶手段が記憶する変数を利用した演算で出射波圧力を算定する。以上の態様によれば、特性や形態(寸法や形状)が相違する複数種のリードの各々に対応した多様な楽音を合成することが可能である。
本発明の好適な態様に係る楽音合成装置は、リードに関する変数を、一のリードの数値から他のリードの数値に連続的に変化させる第1制御手段(例えば図9の第1制御部341)を具備し、発音模擬手段は、第1制御手段による制御後の変数を利用した演算で出射波圧力を算定する。以上の態様においては、リードに関する変数が連続的に変化するから、リードの特性や形態(寸法や形状)を連続的に変化させるという多様な表現が可能となる。
本発明の好適な態様において、管体は管楽器の共鳴管を含み、発音模擬手段は、リードおよびマウスピース(マウスピースの一部または全部)を模擬することで、マウスピースから共鳴管の内部に付与される出射波圧力を算定し、放音体は、出射波圧力に応じた音波を共鳴管の内部に放射する。以上の態様においては、リードおよびマウスピースの双方を模擬することで算定した出射波圧力に応じた音波が実際の管楽器の共鳴管の内部に放射されるから、複数種のリードや複数種のマウスピースが実際には存在しなくても、相異なるリードやマウスピースに対応した多様な楽音を合成することが可能である。
発音模擬手段がリードおよびマウスピースの双方を模擬する態様(音波の放射に実際のマウスピースを使用しない態様)の具体例に係る楽音合成装置は、複数種のマウスピースの各々について変数を記憶する第2記憶手段を具備し、発音模擬手段は、複数種のマウスピースから選択されたマウスピースについて第2記憶手段が記憶する変数を利用した演算で出射波圧力を算定する。以上の態様によれば、特性や形態(寸法や形状)が相違する複数種のマウスピースの各々に対応した多様な楽音を合成することが可能である。
さらに好適な態様において、マウスピースに関する変数の数値を、一のマウスピースの数値から他のマウスピースの数値に連続的に変化させる第2制御手段(例えば図9の第2制御部342)を具備し、発音模擬手段は、第2制御手段による制御後の変数を利用した演算で出射波圧力を算定する。以上の態様においては、マウスピースに関する変数が連続的に変化するから、マウスピースの特性や形態(寸法や形状)を連続的に変化させるという多様な表現が可能となる。
本発明の好適な態様において、管体はマウスピースと共鳴管とを含み、発音模擬手段は、リードを模擬することで、リードからマウスピースの内部に付与される出射波圧力を算定し、放音体は、出射波圧力に応じた音波をマウスピースの内部に放射する。以上の態様においては、共鳴管およびマウスピースの双方が実際の音波の伝搬や放射に利用されるから、マウスピースを模擬するための演算は不要である。したがって、リードおよびマウスピースの双方を模擬する態様と比較して、発音模擬手段による演算量が削減されるという利点がある。
本発明の好適な態様に係る楽音合成装置は、利用者による管楽器の吹奏の態様(例えば吹奏圧やアンブシュア)を検出する演奏検出体と、吹奏の態様に関する変数を演奏検出体による検出の結果に応じて可変に設定する変数設定手段とを具備し、発音模擬手段は、変数設定手段が設定した変数を利用した演算で出射波圧力を算定する。以上の態様によれば、利用者による管楽器の吹奏の態様を反映した多様な楽音を合成できるという利点がある。他の態様に係る楽音合成装置は、演奏データが時系列に指定する音高に応じて吹奏の態様に関する変数を順次に設定する変数設定手段を具備し、発音模擬手段は、変数設定手段が設定した変数を利用した演算で出射波圧力を算定する。
本発明の好適な態様において、発音模擬手段は、演奏者の唇と管楽器のリードとの連成振動の運動方程式を解くことでリードの変位を算定し、リードの変位から出射波圧力を算定する。以上の態様においては、リードに対する唇の作用を無視した場合と比較して、実際の管楽器の楽音の特性に充分に近似した楽音を合成することが可能である。
本発明に係る楽音合成システムは、管楽器の共鳴管を含む楽器部と、管楽器のリードを模擬することで、管楽器の管体の内部に付与される出射波圧力を算定する発音模擬手段と、出射波圧力に応じた音波を共鳴管の内部に放射して前記共鳴管から楽音を発生させる放音体とを具備する。以上の構成によれば、本発明の楽音合成装置と同様の効果が実現される。なお、楽音合成装置について例示した具体的な態様は、本発明の楽音合成システムについても同様に適用される。また、本発明の好適な態様に係る楽音合成システムは、楽器部が具備する複数の音孔の各々を開閉データに応じて順次に開閉する駆動部を具備する。
本発明に係る楽音合成装置は、各処理に専用されるDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェア(電子回路)によって実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)などの汎用の演算処理装置とプログラムとの協働によっても実現される。本発明に係るプログラムは、管楽器のリードを模擬することで、管楽器の管体の内部に付与される出射波圧力を算定する発音模擬処理と、出射波圧力に応じた音波を管楽器の管体の内部に放射する放音処理とをコンピュータに実行させる。以上のプログラムによっても、本発明に係る楽音合成装置と同様の作用および効果が奏される。なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされる。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る楽音合成システムのブロック図である。楽音合成システム100Aは、サックスやクラリネットに代表されるシングルリードの管楽器の楽音を合成するシステムである。図1に示すように、楽音合成システム100Aは、楽音合成装置10と楽器部20とで構成される。楽音合成装置10は、管楽器の発音の原理を模擬することで出射波圧力POUT(t)を演算するコンピュータシステムである。出射波圧力POUT(t)は、管楽器の吹奏時にリードが振動することで管楽器の内部に付与されて開放端(ベル)側に進行する音波(以下「出射波」という)の圧力を意味する。
楽器部20は、管楽器のマウスピースと同様の形状の吹奏体22を実際の管楽器(以下では「自然楽器」という)の共鳴管24に連結した構造体である。吹奏体22は、自然楽器のマウスピースと同様に、利用者が自身の唇を接触させて吹奏するための略円筒状の部材である。図1に示すように、吹奏体22の内部の空間は、先端側(演奏者側)の空間Q1と共鳴管24側の空間Q2とに区分される。空間Q1および空間Q2の一方の状況(音波の存在)が他方に影響しないように空間Q1と空間Q2とは相互に孤絶される。吹奏体22には空間Q1内から外部に連通する空気抜き用の貫通孔(図示略)が形成されており、利用者の息が流通する。共鳴管24には、利用者(演奏者)が開閉する複数の音孔26が形成される。楽音合成システム100Aによる楽音の合成が開始すると、利用者は、自然楽器を演奏する場合と同様に、吹奏体22を咥えて息を吹き込みながら、複数の音孔26の各々を所望の音高に応じて選択的に開放または閉塞する。
図1に示すように、楽音合成装置10は、演算処理装置12と記憶装置14とを具備する。演算処理装置12(例えばCPU(Central Processing Unit))は、記憶装置14に格納されたプログラムを実行することで出射波圧力POUT(t)を算定する。記憶装置14は、演算処理装置12が実行するプログラムや演算処理装置12が使用するデータを記憶する。磁気記憶装置や半導体記憶装置など公知の記憶媒体が記憶装置14として任意に採用される。
演算処理装置12には入力装置50が接続される。入力装置50は、楽音合成装置10に対する指示の入力のために利用者が操作する機器である。キーボードまたはマウスなどの周知の入力機器や、管楽器の演奏に関する情報を入力するための楽器型の入力機器(例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)コントローラ)が入力装置50として採用される。利用者は、楽音の合成に使用される様々な変数を入力装置50から演算処理装置12に対して指示することが可能である。本形態の入力装置50は、利用者の操作を検出する操作子52および操作子54を含む。操作子52および操作子54は、利用者が足で操作できるペダル型の入力機器である。したがって、利用者は、楽器部20を両手で演奏している最中であっても操作子52や操作子54を任意に操作することが可能である。
また、演算処理装置12には、処理部162を介して演奏検出部60が接続されるとともに、処理部164を介して音波授受部70が接続される。演奏検出部60は、利用者による演奏の態様(仕方)を検出する手段であり、吹奏体22の空間Q1に配置された吹奏圧検出体62とアンブシュア検出体64とを具備する。吹奏圧検出体62は、利用者による楽器部20の吹奏時に空間Q1内に付与される圧力(すなわち吹奏圧)Pを検出する圧力センサである。一方、アンブシュア検出体64は、利用者による吹奏体22の咥え方に関する複数の変数(以下「アンブシュア」と総称する)Eを検出するセンサである。吹奏圧検出体62が検出した吹奏圧Pやアンブシュア検出体64が検出したアンブシュアEは、処理部162による増幅とデジタル形式への変換とを経たうえで演算処理装置12に供給される。なお、アンブシュアEの具体的な内容については後述する。
音波授受部70は、共鳴管24のうち開放端(ベル)242とは反対側(吹奏体22側)の基端部244にて音波を授受する手段であり、放音体72と受音体74とを含む。放音体72および受音体74は共鳴管24の基端部244の近傍に配置される。演算処理装置12が算定した出射波圧力POUT(t)は、処理部164によるアナログ信号への変換と増幅とを経たうえで放音体72に供給される。放音体72は、出射波圧力POUT(t)に応じた出射波を共鳴管24の内部(基端部244)に放射する。例えば小型のスピーカ装置が放音体72として好適に採用される。
出射波圧力POUT(t)に応じた出射波が共鳴管24の内部に放射されることで、共鳴管24の内部では音波が伝搬するとともに共鳴管24の開放端(ベル)や利用者が開放した各音孔26から音波が放射される。すなわち、楽音合成装置10が演算で模擬した出射波圧力POUT(t)に対応した楽音が自然楽器の共鳴管24を経由して放射される。共鳴管24から放射される楽音の音高は、自然楽器と同様に、利用者による各音孔26の開閉に応じて調整される。
放音体72から放射されて開放端242に到達した出射波の一部は、共鳴管24(ベル部)の開放端242や各音孔26の開放端にて反射することで反射波として逆方向に進行する。受音体74は、共鳴管24の基端部244に到達した反射波の圧力(以下「反射波圧力」という)PIN(t)を検出する圧力センサである。受音体74が検出した反射波圧力PIN(t)は、処理部164による増幅とデジタル形式への変換とを経たうえで演算処理装置12に供給される。
図1に示すように、演算処理装置12は、プログラムを実行することで変数設定部30および発音模擬部40として機能する。変数設定部30は、楽音の合成に使用される複数の変数の各々について数値を設定する。発音模擬部40は、管楽器の発音の原理を模擬することで出射波圧力POUT(t)を算定する物理モデル音源である。発音模擬部40による出射波圧力POUT(t)の算定には、変数設定部30が設定した変数や受音体74が検出した反射波圧力PIN(t)が使用される。図1に示すように、本形態の発音模擬部40は、管楽器のリードを模擬するリード模擬部42と管楽器のマウスピースを模擬するマウスピース模擬部44とで構成される。
図2は、リード模擬部42が模擬する管楽器のリードの近傍を示す概念図である。リードMRは、基端部がマウスピースMPに固定された長板状の振動体である。図2に示すように、リードMRの先端部における幅方向の中心を原点としてX軸とY軸とZ軸とを想定する。Z軸はリードMRの幅方向に延在する。X軸は、外力が作用しない状態におけるリードMRの上面(マウスピースMPとの対向面)内においてZ軸に直交する。また、Y軸は、X軸およびZ軸に直交する(リードMRに対して上下の方向に延在する)。
図3は、管楽器の吹奏時に演奏者の唇MLがリードMRに接触する様子をZ方向からみた模式図である。図3に示すように、リード模擬部42は、管楽器の吹奏時に演奏者が唇MLを歯MTでリードMRに押付けた状態を模擬する。唇MLは、リードMRのうちX方向における位置xlip1(リードMRの先端側)から位置xlip2(リードMRの根元側)までの区間に接触する。また、演奏者の歯MTは、唇MLの下面のうちX方向における位置xteeth1(リードMRの先端側)から位置xteeth2(リードMRの根元側)までの区間に接触して押圧力flip(x)を均等に作用させる。
図4は、リード模擬部42のブロック図である。図4の左側には、変数設定部30が設定した変数が羅列されている。各変数の意味を以下に説明する。
まず、リードMRに関連する変数(Stiff(x),breed(x),A(x),μreed(x),ρreed)を説明する。Stiff(x)は、X方向の位置xにおけるリードMRの曲げ剛性[N・m2]である。曲げ剛性Stiff(x)は、リードMRのヤング率Ereed[Pa]と位置xにおけるリードMRの断面二次モーメントI(x)[m4]との乗算値に相当する。図2に示すように、breed(x)は、位置xにおけるリードMRの横幅(Z方向の寸法)[m]であり、A(x)は、位置xにおけるリードMRの断面積(位置xを通過するYZ平面内の面積)[m2]である。また、図2のμreed(x)は、リードMRの内部抵抗の分布[(kg/sec)/m]であり、ρreedはリードMRの密度[kg/m3]である。
次に、唇MLに関連するパラメータ(klip(x),dlip(x),μlip(x),mlip(x))を説明する。klip(x)は、唇MLのX方向におけるバネ定数の分布[N/m2](例えばX方向の単位長あたりのバネ定数)である。dlip(x)は、外力が作用しない場合の位置xにおける唇MLのY方向の寸法(厚さ)[m]である。μlip(x)は、位置xにおける唇MLの内部抵抗の分布[(kg/sec)/m]である。mlip(x)は、唇MLのX方向における質量の分布[kg/m](例えばX方向の単位長あたりの質量)である。
図4のρairは常温(例えば25℃)における空気の密度[kg/m3]である。H(x)は、図2に示すように、マウスピースMPのうちリードMRに対向する表面のY方向における位置(以下「フェーシング位置」という)である。リードMRのY方向の変位y(x,t)がフェーシング位置H(x)に到達するとリードMRの上面はマウスピースMPに接触するから、フェーシング位置H(x)はリードMRの変位の限界値(下限値)に相当する。また、Zcは、マウスピースMPのうち管体とみなせる部分の始点(リードMRの根元)における空気の流動に対する特性インピーダンスである。
図4に示すように、リード模擬部42は、第1演算部421と第2演算部422と第3演算部423と第4演算部424とで構成される。第1演算部421は、唇MLにおけるX方向の位置xfに押圧力flip(xf)を静的に作用させて平衡した場合のリードMRの変位y0(xf)と唇MLの底面の変位yb(xf)とを算定する。第2演算部422は、第1演算部421が算定した変位y0(xf)および変位yb(xf)をリードMRおよび唇MLの底面の変位の初期値(t=0における数値)として唇MLとリードMRとの連成振動の運動方程式を解くことで、X方向におけるリードMRの各位置xでの時刻tにおけるY方向の変位y(x,t)を算定する。第3演算部423および第4演算部424は、リードMRにて発生する出射波圧力POUT(0,t)をリードMRの変位y(x,t)に基づいて算定する。リード模擬部42による処理の詳細を以下に説明する。
図3に示すように、演奏者の唇MLの位置xf(xteeth1≦xf≦xteeth2)に歯MTから押圧力flip(xf)を作用させて平衡した状態を想定する。押圧力flip(xf)の作用でリードMRがY方向に距離d1だけ変形するとともに唇MLがY方向に距離d2だけ変形したとすると、リードMRから唇MLに作用する弾性力R1と唇MLからリードMRに作用する弾性力R2とは、リードMRの曲げ剛性Stiff(xf)と唇MLのバネ定数klip(xf)とを含む以下の各式で表現される。なお、実際には唇MLの上面はリードMRの下面に接触するが、図3においては唇MLの上面がリードMRの上面に位置するように単純化されている。
Figure 0005531382

リードMRと唇MLとの接触点(位置xf)における力の釣合いから、
R1−R2=0
が成立し、唇MLと歯MTとの接触点(位置xf)における力の釣合いから、
flip(xf)=R2
が成立する。また、リードMRの変形と変位との関係から、
d1=y0(xf)
が成立し、唇MLの変形と変位との関係から、
d2={yb(xf)−dlip(xf)}−y0(xf)
が成立する。
以上の各式から以下の運動方程式A1および運動方程式A2が導出される。
Figure 0005531382

図4の第1演算部421は、変数設定部30が設定した曲げ剛性Stiff(xf)と押圧力flip(xf)とバネ定数klip(xf)と厚さdlip(xf)とを代入して運動方程式A1と運動方程式A2との連立方程式を解くことで唇MLの底面の変位yb(xf)とリードMRの変位y0(xf)とを算定する。さらに詳述すると、第1演算部421は、差分方程式化やGaussの消去法などを利用して運動方程式A1からリードMRの変位y0(xf)を算定し、当該変位y0(xf)を運動方程式A2に代入することで唇MLの変位yb(xf)を算定する。第1演算部421による変位y0(xf)および変位yb(xf)の算定は、押圧力flip(x)が変化するたびに実行される。
演奏者が管楽器を吹奏することで唇MLとリードMRとが連成的に振動したときの動特性は以下の運動方程式Bで表現される。
Figure 0005531382

第2演算部422は、第1演算部421が算定した変位y0(xf)を運動方程式BにおけるリードMRの変位y(x,t)の初期値に設定するとともに第1演算部421が算定した変位yb(xf)を運動方程式Bにおける唇MLの変位yb(x)に代入して運動方程式Bを解くことで、リードMRの変位y(x,t)を算定する。運動方程式Bの右辺はX方向におけるリードMRの位置xに作用する外部力fex(x)に相当する。第2演算部422は、第1に、変数設定部30が設定した各パラメータ(breed(x),P,klip(x),dlip(x))と第4演算部424が算定した圧力p(t)とを運動方程式Bの右辺に代入するとともに、第1演算部421が算定した変位y0(xf)と変位yb(xf)とを運動方程式Bの右辺における変位y(x,t)および変位yb(x)の初期値として代入することで外部力fex(x)を算定する。圧力p(t)は、リードMRとマウスピースMPとの間隙の空間のうちリードMRの先端の近傍(以下「リード直上部」という)における圧力を意味する。なお、第4演算部424による圧力p(t)の算定については後述する。
第2に、第2演算部422は、変数設定部30が設定した各パラメータ(mlip(x),A(x),μlip(x),μreed(x),Stiff(x),ρreed)を運動方程式Bの左辺に代入するとともに先に演算した外部力fex(x)を運動方程式Bの右辺に設定することでリードMRの変位y(x,t)を算定する。運動方程式Bを解く具体的な方法を以下に例示する。なお、第1演算部421による変位y0(x)の算定(運動方程式A1の解法)にも以下と同様の方法が利用される。
運動方程式Bの左辺における第2項は以下のように変形される。
Figure 0005531382

したがって、運動方程式Bは以下の式B1に変形される。
Figure 0005531382

次に、時間tを整数iと所定値Δtとの乗算値として離散化(t=i・Δt)したうえで、時間微分を以下の差分に置換する。
Figure 0005531382


また、図5に示すように、相互に等しい間隔Δxをあけて分布するようにX方向における位置xを離散化する。すなわち、位置xを整数nと所定値Δxとの乗算値として離散化(x=n・Δx)したうえで、位置微分を以下の差分に置換する。
Figure 0005531382


なお、以上におけるy(n,i)は、y(n・Δx,i・Δt)を略記した記号である。
したがって、式B1は以下の式B2のように差分方程式化される。
Figure 0005531382


ただし、式B2においては各項が以下のように置換されている。
Figure 0005531382


また、式B2の各文字に付加された記号(n,i)は(n・Δx,i・Δt)の略記である。
次に、式B2における左辺の第2項目から第4項目までに1/2を乗算した方程式と、式B2のiを(i+1)に置換したうえで左辺の第2項目から第4項目までに1/2を乗算した方程式とを加算することで、式B2を近似的に表現する式B3が導出される。
Figure 0005531382

式B3の各項を変数yの種類毎に整理して変形すると以下の式B4が導出される。
Figure 0005531382


ただし、式B4においては各項が以下のように置換されている。
Figure 0005531382

図5に示すように、リードMRが位置NにてマウスピースMPに固定されるとすれば、y(N,i)やy(N+1,i)は任意の時点iにてゼロとなる。また、図5に示すように、外力が作用しないリードMRの先端(n=0)においては加速度(∂2y(0,i)/∂x2)およびせん断力(∂3y(0,i)/∂x3)がゼロとなるから、以下の式B4_1および式B4_2が成立する。
Figure 0005531382


さらに、式B4_1と式B4_2を加算することで以下の式B4_3が導出され、式B4_3の3倍から式B4_2を減算することで以下の式B4_4が導出される。
0・y(0,i)+y(1,i)−2y(2,i)+y(3,i)=0 ……B4_3
y(0,i)+0・y(1,i)−3y(2,i)+2y(3,i)=0 ……B4_4
また、式B4のnに2を代入すると以下の式B4_5が導出される。
Figure 0005531382


n=3〜N−1を同様に式B4に代入して導出される式と前述の式B4_3および式B4_4とから以下の式B5が導出される。
Figure 0005531382

第2演算部422は、第1演算部421による算定の結果(y0(xf),yb(xf))を変位y(x,y)および変位yb(x)の初期値として式B5を解くことでリードMRの変位y(x,t)を算定する。そして、時点iでの変位y(0,i)〜y(N-1,i)と時点(i-1)での変位y(2,i-1)〜y(N-1,i-1)を代入したうえで式B5を解いて時点(i+1)での変位y(0,i+1)〜y(N-1,i+1)を算定するという演算を反復することで、第2演算部422は、リードMRの各位置xにおける変位y(x,t)の経時的な変化を算定する。
図4に示すように、第2演算部422は、リードMRの変位y(x、t)を所定の範囲内に制限する範囲制限部43を含む。範囲制限部43は、式B5から算定されたリードMRの変位y(x,t)を、第1演算部421が算定した唇MLの変位yb(xf)(唇MLのうち歯MTが接触する底面の位置)から、変数設定部30が設定したフェーシング位置H(x)までの範囲に制限する。以上の構成によれば、リードMRが唇MLの底面よりも下やマウスピースMPよりも上に位置するといった不条理な状況の模擬が回避される。
図4の第3演算部423は、変数設定部30が設定した各変数(H(x),ρair,breed(x),Zc)と第2演算部422が算定した変位y(x,t)とに基づいてリード直上部における体積流速f(t)を算定する。さらに詳述すると、第3演算部423は、リードMRの上面と下面との圧力差に起因して発生する体積流速U(t)と、リードMRの各部が変位(y(x,t))することで発生する体積流速u(t)との差分値をリード直上部の体積流速f(t)として算定する(f(t)=U(t)−u(t))。
体積流速u(t)は以下の式C1で表現される。なお、式C1におけるleffは、リードMRの先端から支点までの距離(リードMRの有効長)である。
Figure 0005531382


第3演算部423は、リードMRの横幅breed(x)と変位y(x,t)の時間微分(すなわちリードMRの速度)とを式C1に代入してSimpson法などの数値積分を実行することで体積流速u(t)を算定する。
また、体積流速U(t)は以下の手順で算定される。まず、第3演算部423は、リードMRの先端におけるマウスピースMPとリードMRとの間隔ξ(t)[m]を算定する。間隔ξ(t)は、第2演算部422が算定したリードMRの変位y(x,t)のうちリードMRの先端(x=0)における変位y(0,t)とリードMRの先端(x=0)におけるフェーシング位置H(0)との差分値(ξ(t)=y(0,t)−H(0))として算定される。
次いで、第3演算部423は、リードMRの先端におけるマウスピースMPとリードMRとの間隙を通過する空気の有効質量M(t)[kg]を算定する。有効質量M(t)は以下の式C2で表現される。
Figure 0005531382


式C2のR(t)は、リードMRの先端における横幅breed(0)と間隔ξ(t)との相対比(R(t)=breed(0)/ξ(t))である。第3演算部423は、変数設定部30が設定したリードMRの横幅breed(0)および空気の密度ρairと相対比R(t)とを式C2に代入することで有効質量M(t)を算定する。
有効質量M(t)と体積流速U(t)とについては以下の式C3が成立する。第3演算部423は、式C3を解くことで体積流速U(t)を算定する。
Figure 0005531382


式C3のAは、所定の係数(例えばA=0.0797)である。第3演算部423は、図4に示すように、体積流速U(t)と体積流速u(t)との差分値を体積流速f(t)として算定する。
図4の第4演算部424は、出射波圧力POUT(0,t)とリード直上部の音圧p(t)とを算定する。出射波圧力POUT(0,t)は、リードMRからマウスピースMPの内部に進行する出射波の圧力であり、マウスピースMPからリードMRに作用する反射波圧力PIN(0,t)と体積流速f(t)に起因した圧力との加算に相当する。反射波圧力PIN(0,t)は、受音体74が検出した反射波圧力PIN(t)を利用してマウスピース模擬部44が算定する。体積流速f(t)に起因する圧力は、体積流速f(t)と特性インピーダンスZcとの乗算値である。したがって、出射波圧力POUT(0,t)は以下の式D1で表現される。
POUT(0,t)=Zc・f(t)+PIN(0,t) ……D1
第4演算部424は、変数設定部30が設定した特性インピーダンスZcと第3演算部423が算定した体積流速f(t)とマウスピース模擬部44が算定した反射波圧力PIN(0,t)とを式D1に代入することで出射波圧力POUT(0,t)を算定する。
また、リード直上部には出射波圧力POUT(0,t)と反射波圧力PIN(0,t)とが作用するから、リード直上部の圧力p(t)は以下の式D2で表現される。
p(t)=POUT(0,t)+PIN(0,t) ……D2
第4演算部424は、式D1に基づいて算定した反射波圧力POUT(0,t)とマウスピース模擬部44が算定した反射波圧力PIN(0,t)とを式D2に代入することで圧力p(t)を算定する。第4演算部424が算定した圧力p(t)は、第2演算部422による外部力fex(x)の算定(式B)や第3演算部423による体積流速U(t)の演算(式C3)にフィードバックされる。以上が発音模擬部40の具体的な構成である。
次に、マウスピース模擬部44について説明する。図6に示すように、自然楽器のマウスピースは、k個の管状の単位部U(U[1]〜U[k])を直列に連結した構造体で近似される(kは自然数)。各単位部Uの形状(内径および軸方向の長さ)は単位部U毎に個別に設定される。マウスピース模擬部44は、図6の構造体を模擬する物理モデルを利用してマウスピースMPの内部における音波の挙動を実現する。
図7は、マウスピース模擬部44のブロック図である。マウスピース模擬部44は、単位部U毎に配置された遅延素子DA(DA[1]〜DA[k])と、単位部U毎に配置された遅延素子DB(DB[1]〜DB[k])と、相隣接する遅延素子DA間および相隣接する遅延素子DB間に配置された接続部J(J[1]〜J[k-1])とを含んで構成される。
リード模擬部42(第4演算部424)が算定した出射波圧力POUT(0,t)は第1段目の遅延素子DA[1]に供給される。第i段目(i=1〜k)の遅延素子DA[i]は、前段から供給される出射波圧力POUT(i-1,t)を遅延量dA[i]だけ遅延させることで単位部U[i]における出射波圧力POUT(i,t)の伝播遅延を模擬する。第k番目の遅延素子DA[k]による処理後の出射波圧力POUT(k,t)が出射波圧力POUT(t)として放音体72に供給される。
受音体74が検出した反射波圧力PIN(t)は、処理部164による処理後に、初期値PIN(k,t)として第k段目の遅延素子DB[k]に供給される。第i段目の遅延素子DB[i]は、前段(遅延素子DB[k]側)から入力される反射波圧力PIN(i,t)を遅延量dB[i]だけ遅延させることで単位部U[i]における反射波圧力PIN(i,t)の伝播遅延を模擬する。第1番目の遅延素子DB[1]による処理後の反射波圧力PIN(0,t)がリード模擬部42(第4演算部424)での演算に利用される。
接続部(ジャンクション)Jは、マウスピースMPの内径の変化に起因した出射波および反射波の拡散やエネルギの損失を模擬する。図8に示すように、本形態の接続部J[i]は、遅延素子DA[i]から供給される出射波圧力POUT(i,t)に係数αiを乗算する乗算部441と、遅延素子DB[i+1]から入力される反射波圧力PIN(i+1,t)に係数βiを乗算する乗算部442と、乗算部441の出力と乗算部442の出力とを加算する加算部443と、加算部443からの出力と出射波圧力POUT(i,t)との差分を新たな反射波出力PIN(i,t)として遅延素子DB[i]に出力する減算部444と、加算部443からの出力と反射波圧力PIN(i+1,t)との差分を新たな出射波圧力POUT(i+1,t)として遅延素子DA[i+1]に出力する減算部445とで構成される。
以上が発音模擬部40の具体的な構成である。以上のように本形態においては、リードMRと唇MLとの連成振動を表現する運動方程式Bに基づいてリードMRの変位y(x,t)が算定されるから、リードMRと唇MLとの相互の作用を無視した場合と比較してリードMRの挙動(出射波圧力POUT(0,t))が忠実に模擬される。したがって、自然楽器に近い特性の楽音を高精度に合成することが可能である。
次に、図9を参照して、図1の変数設定部30について説明する。図9に示すように、変数設定部30は、第1設定部31と第2設定部32と変数制御部34とを含んで構成される。概略的には、第1設定部31は、唇MLやリードMRの特性や寸法に関する変数を設定し、第2設定部32は、リードMRやマウスピースMPの形状に関する変数を設定する。
図10は、第1設定部31のブロック図である。第1設定部31は、リードMRや唇MLの物性に関する様々な変数を、発音模擬部40による演算に必要な変数に変換する。例えば、第1設定部31は、特性インピーダンスZcと唇MLのバネ定数の分布klip(x)および内部抵抗の分布μlip(x)とリードMRの内部抵抗の分布μreed(x)とを、入力装置50に対する利用者からの操作に応じて可変に設定する。
図10に示すように、アンブシュア検出体64が検出したアンブシュアEは、唇MLの横幅(Z方向の寸法)blip(x)[m]と、外力が作用しないときの唇MLの厚さ(Y方向の寸法)dlip(x)[m]と、演奏者の歯MTが唇MLを押圧する力Flip(x)[N]と、リードMRに対する演奏者の唇MLや歯MTの位置に関するパラメータ(xlip1,xlip2,xteeth1,xteeth2)とを含む。第1設定部31は、横幅blip(x)と厚さdlip(x)との乗算値に唇MLの密度ρlip(例えば利用者が指示した数値)を乗算することで唇MLの質量の分布mlip(x)[kg/m]を算定する。なお、横幅blip(x)および厚さdlip(x)は唇MLのバネ定数klip(x)の算定にも利用される。
図5に示したようにX方向の各位置xを離散化するために、第1設定部31は、唇MLの位置(xlip1,xlip2)を間隔Δxで除算した数値を離散後の位置(nlip1,nlip2)として算定し、歯MTの位置(xteeth1,xteeth2)を間隔Δxで除算した数値を離散後の位置(nteeth1,nteeth2)として算定する。さらに、第1設定部31は、位置xteeth1と位置xteeth2との差分値をX方向における歯MTの長さlteethとして算定し、位置xlip1と位置xlip2との差分値をX方向における唇MLの長さllipとして算定する。そして、第1設定部31は、押圧力Flip(x)を歯MTの長さlteethで除算することで、歯MTから唇MLの単位長あたりに作用する押圧力flip(x)[N/m]を算定する(flip(x)=Flip(x)/lteeth)。
図11は、図9における第2設定部32のブロック図である。第2設定部32には、マウスピースMPの形状に関する変数VPとリードMRの形状に関する変数VRとが指示される。マウスピースMPの変数VPは、マウスピースMPを区分した各単位部U[i]の長さLiおよび内径φiとを含む(図6参照)。リードMRの変数VRは、位置xにおけるリードMRの厚さyd(x,z)と、位置xにおけるリードMRのZ方向の左端部の位置zleft(x)および右端部の位置zright(x)とを含む。
第2設定部32は、マウスピース模擬部44にて使用される各変数を変数VPから特定する。さらに詳述すると、第2設定部32は、接続部J[i]の係数(αi,βi)を長さLiと内径φiとから算定し、単位部U[i]の長さLiから遅延素子DA[i]の遅延量dA[i]および遅延素子DB[i]の遅延量dB[i]を算定する。
また、第2設定部32は、リード模擬部42が使用する変数(breed(x),A(x))をリードMRの変数VRから設定する。さらに詳述すると、第2設定部32は、変数VRのうちリードMRの左端部の位置zleft(x)と右端部の位置zright(x)との差分値をリードMRの横幅breed(x)として算定する(breed(x)=zright(x)−zleft(x))。さらに、第2設定部32は、リードMRの左端部の位置zleft(x)から右端部の位置zright(x)までの区間にわたってリードMRの厚さyd(x,z)を積分することで位置xにおけるリードMRの断面積A(x)を算定するとともに、厚さyd(x,z)とY方向における基準位置yc(x)とからリードMRの断面二次モーメントI(x)を算定する。
図1に示すように、記憶装置14には、複数種のリードMRの各々について個別に設定された変数VRが記憶されるとともに、複数種のマウスピースMPの各々について個別に設定された変数VPが記憶される。利用者は、入力装置50を適宜に操作することで、複数種のリードMRから所望のリードMRを選択するとともに複数種のマウスピースMPから所望のマウスピースMPを選択することができる。第2設定部32は、複数種のリードMRのうち利用者が選択したリードMRの変数VRを記憶装置14から取得して横幅breed(x)や断面積A(x)の算定に使用する。同様に、第2設定部32は、複数種のマウスピースMPのうち利用者が選択したマウスピースMPの変数VPを記憶装置14から取得してマウスピース模擬部44の係数(αi,βi,dA[i],dB[i])の算定に使用する。
図9の変数制御部34は、第2設定部32が使用する変数VRや変数VPを可変に制御する。図9に示すように、変数制御部34は第1制御部341と第2制御部342とを含む。第1制御部341はリードMRの変数VRを変化させ、第2制御部342はマウスピースMPの変数VPを変化させる。
利用者は、変更前のリードMR(MR1)と変更後のリードMR(MR2)とを入力装置50に対する操作に応じて任意に選択できる。一方、入力装置50の操作子52は、操作量(ペダルの回転角)に応じて連続的に変化する係数MAを演算処理装置12に出力する(0≦MA≦1)。第1制御部341は、リードMR1について記憶装置14に記憶された変数VR1とリードMR2について記憶装置14に記憶された変数VR2と係数MAとに応じた新たな変数VRを随時に算定して第2設定部32に指示する。変数VRの算定には例えば以下の式(1)が利用される
VR=(1−MA)・VR1+MA・VR2 ……(1)
式(1)の変数VR1や変数VR2は、具体的には位置zleft(x)や位置zright(x)やリードMRの厚さyd(x,z)である。係数MAは利用者による操作子52の操作に応じて連続的に変化するから、第1制御部341から第2設定部32に指示される変数VRは、リードMR1の変数VR1からリードMR2の変数VR2まで係数MAに応じて連続的に変化する(すなわち、リードMRの形状がモーフィングされる)。
同様に、利用者は、変更前のマウスピースMP(MP1)と変更後のマウスピースMP(MP2)とを入力装置50から選択できる。一方、入力装置50の操作子54は、操作量(ペダルの回転角)に応じて連続的に変化する係数MBを演算処理装置12に出力する(0≦MB≦1)。第2制御部342は、第1制御部341(式(1))と同様に、マウスピースMP1について記憶装置14に記憶された変数VP1からマウスピースMP2について記憶装置14に記憶された変数VP2まで係数MBに応じて連続的に変化するように新たな変数VPを算定して第2設定部32に指示する(すなわち、マウスピースMPの形状がモーフィングされる)。
以上のように本形態においては、リードMRの変数VRやマウスピースMPの変数VPが可変に選択されるから、特許文献1の構成Bのように自然楽器のマウスピースを利用して楽音を合成する構成と比較して、相異なる型式のリードMRやマウスピースMPに対応した多様な楽音を容易に生成することが可能である。また、楽音合成装置10が模擬するのは管楽器のうちリードMRやマウスピースMPのみであるから、共鳴管24を含む管楽器の全体が演算で模擬される特許文献1の構成Aと比較して楽音合成装置10による演算量が削減されるという利点がある。さらに、楽音合成装置10が算定した出射波圧力POUT(t)の出力先が自然楽器の共鳴管24であるから、出射波圧力POUT(t)に応じた音波が単純な円管体内に放射される場合と比較して、聴感上において自然な楽音を合成することが可能である。
また、利用者による楽器部20の吹奏中にリードMRの変数VRやマウスピースMPの変数VPが変更されるから、管楽器の演奏中にマウスピースやリードを交換するという高度な奏法の楽音を生成することが可能である。さらに本形態においては、操作子52や操作子54の操作に応じてリードMRの変数VRやマウスピースMPの変数VPが連続的に変化するから、リードMRやマウスピースMPの形状を連続的に変化させるという、自然楽器の演奏では不可能な多様な表現が実現されるという利点がある。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態においては、管楽器のリードMRおよびマウスピースMPを楽音合成装置10が模擬するとともに楽音の放射に自然楽器の共鳴管24を利用した。本形態においては、楽音合成装置10がリードMRのみを模擬するとともに吹奏体22(管楽器のマウスピース)と共鳴管24とが実際の音波の伝搬や放射に使用される。なお、以下の各形態において第1実施形態と共通する要素については、以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を省略する。
図12は、第2実施形態に係る楽音合成システム100Bのブロック図である。図12に示すように、楽器部20の吹奏体22は、演奏者側に位置する先端部の近傍の空間Q1と自然楽器のマウスピースの形状に成形された空間Q2とに分離される。演奏検出部60の吹奏圧検出体62およびアンブシュア検出体64は第1実施形態と同様に空間Q1内に配置される。
一方、音波授受部70の放音体72および受音体74は空間Q2内に配置される。したがって、出射波圧力POUT(t)に応じて放音体72から放射された音波は、空間Q2(管楽器のマウスピース)を経由してから共鳴管24の内部に流入する。すなわち、共鳴管24の開放端242や利用者が開放した各音孔26から外部に放射される楽音には共鳴管24および吹奏体22(マウスピース)の双方の特性が付与される。一方、共鳴管24の開放端(ベル)242や各音孔26の開放端で反射して共鳴管24の基端部244に到来した反射波は空間Q2を経由してから受音体74に到達する。したがって、受音体74が検出する反射波圧力PIN(t)には共鳴管24および吹奏体22(マウスピース)の双方の特性が付与される。
図1に示すように、発音模擬部40はリードMRの挙動のみを模擬するから、第1実施形態のマウスピース模擬部44は省略される。リード模擬部42の第4演算部424が算定した出射波圧力POUT(0,t)が出射波圧力POUT(t)として処理部164から放音体72に供給される。受音体74が検出した反射波圧力PIN(t)は、処理部164による処理後に反射波圧力PIN(0,t)として第4演算部424に供給されて出射波圧力POUT(0,t)や圧力p(t)の算定に使用される。変数設定部30の変数制御部34においては、マウスピースMPの変数VPを制御する第2制御部342が省略される。また、記憶装置14においてはマウスピースMPの変数VPが省略されるとともに入力装置50においては操作子54が省略される。
以上のようにリードMRの模擬に楽音合成装置10が使用されるとともに楽音の放射に自然楽器の共鳴管24が使用されるから、本形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。さらに、共鳴管24に加えて吹奏体22(マウスピース)も実際の音波の伝搬や放射に使用することで、楽音合成装置10による模擬の対象からマウスピースMPが除外されるから、リードMRおよびマウスピースMPの双方が演算で模擬される第1実施形態と比較して、楽音合成装置10による演算量が削減されるという利点もある。また、現実の吹奏体22(マウスピース)が使用されるから、マウスピースMPが模擬される第1実施形態と比較して楽音の音色を改善することも可能である。
<C:第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第1実施形態においては、利用者による楽器部20の演奏(吹奏体22の吹奏や各音孔26の操作)を楽音に反映させた。本形態においては、利用者による演奏を必要とせずに楽音を合成する自動演奏が実現される。
図13は、本形態に係る楽音合成システム100Cのブロック図である。図13に示すように、楽音合成システム100Cにおいては、第1実施形態に例示した吹奏体22や演奏検出部60(吹奏圧検出体62,アンブシュア検出体64)が省略され、楽器部20は共鳴管24のみで構成される。共鳴管24の基端部244の近傍に音波授受部70(放音体72および受音体74)が配置された構成は第1実施形態と同様である。
楽器部20の共鳴管24には駆動部80が固定される。駆動部80は、共鳴管24の複数の音孔26の各々を個別に開閉するアクチュエータである。駆動部80には、楽音合成装置10から開閉データDTHが時系列に供給される。開閉データDTHは、共鳴管24の複数の音孔26の各々について開放または閉塞を指定するデータである。駆動部80は、開閉データDTHが開放を指定する各音孔26を開放するとともに開閉データDTHが閉塞を指定する各音孔26を閉塞する。
記憶装置14は、複数の楽曲に対応した複数の演奏データDを記憶する。演奏データDは、楽曲を構成する各楽音の音高fnと各楽音の発音の時点とを指定するデータ列である。例えば、音高fnをノートナンバとして指定するイベントデータと発音の間隔を指定するデュレーションデータとが時系列に配列されたMIDI形式のデータが演奏データDとして採用される。演奏データDが指定する各音高fnは当該演奏データDにて指定された時点にて順次に第1設定部31に指示される。
図14は、変数設定部30における第1設定部31のブロック図である。特性インピーダンスZcや唇MLのバネ定数の分布klip(x)といった変数の設定は第1実施形態と同様である。本形態の第1設定部31は、アンブシュアEを構成する複数の変数(blip(x),dlip(x),xteeth1,xteeth2,xlip1,xlip2,Flip(x))と、吹奏圧Pと、各音孔26の開閉を指定する変数(TH1,TH2,……)とを、演奏データDにて順次に指定される音高fnを利用したキースケール処理(図14の記号“KSC")で特定する。キースケール処理は、音高fnの数値と各変数の数値とが対応付けられたテーブルから、実際に指示された音高fnに対応する数値を各変数について特定する処理である。
第1設定部31は、音高fnに対応するアンブシュアE(blip(x),dlip(x),xteeth1,xteeth2,xlip1,xlip2,Flip(x))を特定したうえで、第1実施形態と同様の方法で、発音模擬部40(リード模擬部42)による演算に使用される複数の変数(mlip(x),blip(x),dlip(x),nteeth1,nteeth2,lteeth,nlip1,nlip2,llip,flip(x))を算定する。また、第1設定部31は、音高fnに対応する吹奏圧Pを特定する。第1設定部31や第2設定部32の設定した変数を利用して発音模擬部40(リード模擬部42およびマウスピース模擬部44)が出射波圧力POUT(t)を算定する手順は第1実施形態と同様である。
第1設定部31は、管楽器において音高fnの楽音を演奏するときの複数の音孔26の各々の開閉を指定する変数(TH1,TH2,……)の集合を開閉データDTHとして生成する。駆動部80が開閉データDTHに応じて動作することで、演奏データDの指定する音高fnに対応した各音孔26が閉塞(または開放)される。したがって、放音体72が出射波圧力POUT(t)に応じた音波を出力することで共鳴管24から放射される楽音は、演奏データDの指定する音高fnに対応したものになる。
以上のようにリードMRおよびマウスピースMPの模擬に楽音合成装置10が使用されるとともに楽音の放射に共鳴管24が使用されるから、本形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。さらに、演奏データDが指定する音高fnに応じてアンブシュアEや吹奏圧Pが特定されるとともに音高fnに対応した各音孔26を駆動部80が開閉するから、利用者による演奏の動作を必要としない楽曲の自動演奏が実現される。なお、以上においては第1実施形態を基礎として本形態を説明したが、マウスピースMPの模擬を省略した第2実施形態の構成を本形態に適用することも可能である。なお、以上の形態においてはアンブシュアEや吹奏圧Pを音高fnに応じて特定したが、アンブシュアEや吹奏圧Pが音高fnとともに演奏データDにて指定される構成も好適である。
<D:変形例>
以上の各形態には以下に例示するような様々な変形を加えることができる。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組合わせてもよい。
(1)変形例1
出射波圧力POUT(t)を算定する方法(リードMRの挙動を模擬する方法)は以上の例示に限定されない。例えば、以上の各形態におけるリード模擬部42は、図15に例示するリード模擬部46に置換される。リード模擬部46は、減算部461と非線形素子463と乗算部465と接続部467とを具備する。接続部467は、加算部467Aと加算部467Bとで構成される。加算部467Aは出射波圧力POUT(0,t)を算定する。加算部467Bは、加算部467Aが算定した出射波圧力POUT(0,t)とマウスピース模擬部44が算定した反射波圧力PIN(0,t)(第2実施形態においては処理部164による処理後の反射波圧力PIN(0,t))とを加算することでマウスピースMPの内部の圧力pを算定する。減算部461は、吹奏圧検出体62が検出した吹奏圧Pを圧力pから減算することで圧力ΔP(ΔP=p−P)を算定する。したがって、圧力ΔPは、リードMRに作用する圧力に相当する。非線形素子463は、減算部461の算定した圧力ΔPとリードMRの弾性特性とに応じた体積流速fを算定する。乗算部465は、特性インピーダンスZcを体積流速fに乗算することで体積流速fの音圧寄与分Zc・fを算定する。接続部467の加算部467Aは、乗算部465が算定した音圧寄与分Zc・fと反射波圧力PIN(0,t)とを加算することで、マウスピース模擬部44に供給される出射波圧力POUT(0,t)(第2実施形態においては処理部164に供給される出射波圧力POUT(t))を算定する。以上の構成によれば、第1実施形態と比較して発音模擬部40の構成が簡素化される(演算処理装置12による演算量が削減される)という利点がある。
(2)変形例2
変数制御部34の第1制御部341が可変に制御するリードMRの変数VRの具体的な内容は適宜に変更される。例えば、変数VRは、リードMRの形状に関する変数(zleft,zright,yd(x,z))に限定されない。さらに具体的には、リードMRの曲げ剛性Stiff(x)や内部抵抗の分布μreed(x)を変数VRとして第1制御部341が変化させる構成も好適である。第2制御部342が制御するマウスピースMPの変数VPについても同様に、以上の各形態における例示(Li,φi)には限定されない。
(3)変形例3
第3実施形態においては、キースケール処理に適用される音高fnを演奏データDで指定したが、利用者が音高fnを任意に指定できる構成も好適である。例えば、入力装置50(例えば音高fnを指定できる鍵盤型の入力機器)を操作することで利用者が音高fnを順次に指定する構成が採用される。また、アンブシュアEや吹奏圧Pまたは係数MAや係数MBを連続的に変化するように演奏データDにて時系列に指定する構成や、利用者がアンブシュアEや吹奏圧Pまたは係数MAや係数MBを任意に指定できる構成も好適である。利用者がアンブシュアEや吹奏圧Pまたは係数MAや係数MBを指定する方法には、例えば第1実施形態と同様の方法が採用される。
また、図16に例示するように、第3実施形態の駆動部80を開閉検出部82に置換した楽音合成システム100Dも好適である。開閉検出部82は、共鳴管24の複数の音孔26の各々について開閉(利用者による操作)を検知する。変数設定部30は、開閉検出部82が検出した各音孔26の開閉の組合せから音高fnを特定する。第1設定部31が音高fnから各変数(変数TH1,TH2,……を除く)を設定する構成は第3実施形態と同様である。図16の構成によれば、利用者が音高などの演奏情報を任意に変更した結果が共鳴管24からの放射音に反映されるという利点がある。
本発明の第1実施形態に係る楽音合成システムのブロック図である。 リード模擬部が模擬する管楽器のリードの近傍を示す概念図である。 管楽器の吹奏時における唇とリードとの接触の模式図である。 リード模擬部のブロック図である。 X方向の位置の離散化について説明する概念図である。 マウスピースの内部の空間の模式図である。 マウスピース模擬部のブロック図である。 マウスピース模擬部における接続部のブロック図である。 変数設定部のブロック図である。 変数設定部における第1設定部のブロック図である。 変数設定部における第2設定部のブロック図である。 第2実施形態に係る楽音合成システムのブロック図である。 第3実施形態に係る楽音合成システムのブロック図である。 第3実施形態における第1設定部のブロック図である。 変形例に係るリード模擬部のブロック図である。 変形例に係る楽音合成システムのブロック図である。
符号の説明
100A,100B,100C,100D……楽音合成システム、10……楽音合成装置、20……楽器部、22……吹奏体、24……共鳴管、242……開放端、244……基端部、26……音孔、12……演算処理装置、14……記憶装置、30……変数設定部、31……第1設定部、32……第2設定部、34……変数制御部、341……第1制御部、342……第2制御部、40……発音模擬部、42……リード模擬部、44……マウスピース模擬部、50……入力装置、52……操作子、54……操作子、60……演奏検出部、62……吹奏圧検出体、64……アンブシュア検出体、70……音波授受部、72……放音体、74……受音体。

Claims (12)

  1. 管楽器の管体に楽音を発生させる装置であって、
    複数種のリードの各々に関する変数の数値を記憶する第1記憶手段と、
    前記リードに関する変数を、演奏中に、前記第1記憶手段に記憶された一のリードの数値から他のリードの数値に変化させることが可能な第1制御手段と、
    前記管楽器のリードを模擬することで、前記管楽器の管体の内部に付与される出射波圧力を算定する手段であって、前記第1制御手段による制御後の変数を利用した演算で前記出射波圧力を算定する発音模擬手段と、
    前記出射波圧力に応じた音波を前記管楽器の管体の内部に放射する放音体と
    を具備する楽音合成装置。
  2. 前記発音模擬手段は、前記リードおよびマウスピースを模擬することで、前記マウスピースから前記管体の内部に付与される前記出射波圧力を算定し、
    前記放音体は、前記出射波圧力に応じた音波を前記管体の内部に放射する
    請求項1の楽音合成装置。
  3. 複数種のマウスピースの各々に関する変数の数値を記憶する第2記憶手段と、
    前記マウスピースに関する変数を、演奏中に、前記第2記憶手段に記憶された一のマウスピースの数値から他のマウスピースの数値に変化させることが可能な第2制御手段を具備し、
    前記発音模擬手段は、前記第2制御手段による制御後の変数を利用した演算で前記出射波圧力を算定する
    請求項2の楽音合成装置。
  4. 管楽器の管体に楽音を発生させる装置であって、
    複数種のマウスピースの各々に関する変数の数値を記憶する記憶手段と、
    前記マウスピースに関する変数を、演奏中に、前記記憶手段に記憶された一のマウスピースの数値から他のマウスピースの数値に変化させることが可能な制御手段と、
    前記管楽器のマウスピースを模擬することで、前記管楽器の管体の内部に付与される出射波圧力を算定する手段であって、前記制御手段による制御後の変数を利用した演算で前記出射波圧力を算定する発音模擬手段と、
    前記出射波圧力に応じた音波を前記管楽器の管体の内部に放射する放音体と
    を具備する楽音合成装置。
  5. 利用者による管楽器の吹奏の態様を検出する演奏検出体と、
    吹奏の態様に関する変数を前記演奏検出体による検出の結果に応じて可変に設定する変数設定手段とを具備し、
    前記発音模擬手段は、前記変数設定手段が設定した変数を利用した演算で前記出射波圧力を算定する
    請求項1から請求項4の何れかの楽音合成装置。
  6. 演奏データが時系列に指定する音高に応じて吹奏の態様に関する変数を順次に設定する変数設定手段を具備し、
    前記発音模擬手段は、前記変数設定手段が設定した変数を利用した演算で前記出射波圧力を算定する
    請求項1から請求項4の何れかの楽音合成装置。
  7. 前記発音模擬手段は、演奏者の唇と前記管楽器のリードとの連成振動の運動方程式を解くことで前記リードの変位を算定し、前記リードの変位から前記出射波圧力を算定する
    請求項1から請求項6の何れかの楽音合成装置。
  8. 管楽器の管体を含む楽器部と、
    複数種のリードの各々に関する変数の数値を記憶する第1記憶手段と、
    前記リードに関する変数を、演奏中に、前記第1記憶手段に記憶された一のリードの数値から他のリードの数値に変化させることが可能な第1制御手段と、
    前記管楽器のリードを模擬することで、前記管楽器の管体の内部に付与される出射波圧力を算定する手段であって、前記第1制御手段による制御後の変数を利用した演算で前記出射波圧力を算定する発音模擬手段と、
    前記出射波圧力に応じた音波を前記管楽器の管体の内部に放射する放音体と
    を具備する楽音合成システム。
  9. 管楽器の管体を含む楽器部と、
    複数種のマウスピースの各々に関する変数の数値を記憶する記憶手段と、
    前記マウスピースに関する変数を、演奏中に、前記記憶手段に記憶された一のマウスピースの数値から他のマウスピースの数値に変化させることが可能な制御手段と、
    前記管楽器のマウスピースを模擬することで、前記管楽器の管体の内部に付与される出射波圧力を算定する手段であって、前記制御手段による制御後の変数を利用した演算で前記出射波圧力を算定する発音模擬手段と、
    前記出射波圧力に応じた音波を前記管楽器の管体の内部に放射する放音体と
    を具備する楽音合成システム。
  10. 前記楽器部は、複数の音孔を含み、
    前記複数の音孔の各々を開閉データに応じて順次に開閉する駆動部
    を具備する請求項8または請求項9の楽音合成システム。
  11. 管楽器の管体に楽音を発生させるためのプログラムであって、複数種のリードの各々に関する変数の数値を記憶する記憶手段を具備するコンピュータに、
    前記リードに関する変数を、演奏中に、前記記憶手段に記憶された一のリードの数値から他のリードの数値に変化させる制御処理と、
    前記管楽器のリードを模擬することで、前記管楽器の管体の内部に付与される出射波圧力を算定する処理であって、前記制御処理による制御後の変数を利用した演算で前記出射波圧力を算定する発音模擬処理と、
    前記出射波圧力に応じた音波を前記管楽器の管体の内部に放射する放音処理と
    を実行させるプログラム。
  12. 管楽器の管体に楽音を発生させるためのプログラムであって、複数種のマウスピースの各々に関する変数の数値を記憶する記憶手段を具備するコンピュータに、
    前記マウスピースに関する変数を、演奏中に、前記記憶手段に記憶された一のマウスピースの数値から他のマウスピースの数値に変化させる制御処理と、
    前記管楽器のマウスピースを模擬することで、前記管楽器の管体の内部に付与される出射波圧力を算定する処理であって、前記制御処理による制御後の変数を利用した演算で前記出射波圧力を算定する発音模擬処理と、
    前記出射波圧力に応じた音波を前記管楽器の管体の内部に放射する放音処理と
    を実行させるプログラム。
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