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JP5533115B2 - 電気泳動表示装置 - Google Patents
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Description

本発明は、帯電粒子を分散溶媒中に分散させた電気泳動表示材料を用いて表示を行なう表示パネルを駆動する表示装置及び表示パネルの駆動方法などに関する。特に、セグメント駆動が行なわれる表示パネルを用いる際に、コントラストを高くして表示を行なうための表示装置及び表示パネルの駆動方法に関する。
電子値札・棚札、置き時計などにおける数字、文字などの情報の表示の際にセグメント駆動による反射型表示装置が知られている(例えば特許文献1、2参照。)。特に電気泳動表示材料を用いた表示装置(電気泳動表示装置)においては、液晶を用いる表示装置とは異なり、偏光板が不要であり、また、電源の供給を止めても表示が保持されるメモリ表示が可能である。このため、電気泳動表示装置は視野角が広く、消費電力が小さいという特徴を有しており、電子棚札やデジタルサイネージなどの分野に広く応用がされている。
一般に、電気泳動表示材料は、分散溶媒中に分散している正又は負に帯電している1種類又は複数種類の帯電粒子から構成されている。このため、電気泳動表示材料を用いた電気泳動表示装置を駆動するには、直流電圧を印加し、電圧の極性に応じて帯電粒子を電極方向に泳動させる。例えば、帯電粒子が、負に帯電した白色の帯電粒子と正に帯電した黒色の帯電粒子の2種類から構成される場合、電圧が印加されると、白色の帯電粒子と黒色の帯電粒子とは逆方向に泳動する。これにより、白色の帯電粒子と黒色の帯電粒子の分布が変化し、透明電極側から観察したとき、透明電極付近の白色の帯電粒子の分布密度が高くなっていれば、「白」が表示されている状態となり、逆に、透明電極付近の黒色の帯電粒子の分布密度が高くなっていれば、「黒」が表示されている状態となる。このように電圧の極性の選択によって透明電極付近の帯電粒子の分布状態を制御することによって、白黒表示のコントラストを制御することができる。なお、帯電粒子が正又は負に帯電した1種類の帯電粒子から構成されている場合も同様である。ただし、この場合には、分散溶媒を、帯電粒子の色と異なる色に染料などで着色することにより、表示を行なうことができる。また、分散溶媒が透明である場合には、透明電極に対向している電極の側を着色することにより、表示を行なうことができる。
このように、直流電圧を電極に印加することにより、電圧の極性に応じて、例えば白色の帯電粒子及び黒色の帯電粒子の分布状態を制御することができる。特に、電子棚札等に用いられているセグメント駆動においては、直流電圧を印加して駆動することが行なわれている。
特開昭52−70791号公報 特開2009−69411号公報
しかし、本願発明者が従来の電気泳動表示の技術を検討したところ、以下の問題があることが判明した。すなわち、従来の一般的な電気泳動表示材料では、直流電圧の印加により帯電粒子を泳動させて表示を完了させるまでには、通常、数百ミリ秒の長さの電圧印加の時間が必要である。この時間の長さにより、残像のない表示が得られにくくなるという問題が生じる。また、直流電圧を印加することを繰り返し行なうと、白表示と黒表示の部分に微小な分離領域が生じ、表示ムラとして視認されるという問題も生じる。
そこで本発明は、上記の問題を解決し、良好な表示特性が得られる電気泳動表示装置などを提供する。
本発明の一実施形態として、電気泳動表示材料を2つの電極の間に挟持し、反射率が最大となる第1色と反射率が最小となる第2色を表示可能な表示パネルと、交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後、書き込み電圧パルスを少なくとも2回前記2つの電極間に印加する制御回路とを有し、前記制御回路が前記2つの電極間に前記少なくとも2回印加する前記書き込み電圧パルスの時間幅の総和は、前記電気泳動表示材料に直流電圧を印加させ前記表示パネルに表示される色を前記第1色から前記第2色に変化させるのに必要な時間である応答時間未満となり、前記交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後、前記書き込み電圧パルスを少なくとも2回前記2つの電極間に印加した後に前記第2色における反射率と前記第1色における反射率との比が20以上となる電気泳動表示装置を開示する。
本発明の別の一実施形態として、電気泳動表示材料を2つの電極の間に挟持し、反射率が最大となる第1色と反射率が最小となる第2色を表示可能な電気泳動表示パネルの駆動方法であって、交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後に、書き込み電圧パルスを少なくとも2回前記2つの電極間に印加し、前記2つの電極間に前記少なくとも2回印加する前記書き込み電圧パルスの時間幅の総和は、前記電気泳動表示材料に直流電圧を印加させ前記電気泳動表示パネルに表示される色を前記第1色から前記第2色に変化させるのに必要な時間である応答時間未満となり、前記交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後、前記書き込み電圧パルスを少なくとも2回前記2つの電極間に印加した後に前記第2色における反射率と前記第1色における反射率との比が20以上となることを特徴とする、電気泳動表示パネルの駆動方法を開示する。
本発明の開示によれば、高いコントラストで表示を行なうことができる。また、交番電圧パルスと2回以上の書き込み電圧パルスの印加を行なうことにより、書き込み時間を短縮することもできる。
本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る表示パネルの断面の模式図及び表示パネルの外観の一例図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示材料の応答時間について説明するための一例図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の処理を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の表示パネルの電極に印加される電圧のパターンの一例図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置における書き込み電圧パルスの印加回数に対する黒反射率とコントラストの変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置における書き込み電圧パルスの時間幅に対する黒反射率とコントラストの変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置における書き込み電圧パルスの休止時間幅に対する黒反射率とコントラストの変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置における交番電圧パルスの印加回数に対する黒反射率とコントラストの変化を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら実施形態として説明を行なう。なお、本発明は、以下に説明される実施形態に限定されることはない。本発明は、以下に説明される実施形態に種々の変形を加えて実施することが可能である。
図1は、本発明の実施形態に係る電気泳動表示装置の機能ブロック図を例示する。電気泳動表示装置100は、表示パネル101と、制御回路102とを有する。
表示パネル101は、電気泳動表示材料を2つの電極の間に挟持している。ここに電気泳動表示材料としては、帯電粒子を含む材料を挙げることができる。この場合、帯電粒子は、電気泳動表示材料の分散溶媒中に分散されている。帯電粒子の材料としては、有色または無色(あるいは白色)の無機顔料粒子、有機顔料粒子を用いることが可能である。
図2(A)は、表示パネル101の2つの電極の間の断面を模式的に示す図である。表示パネル101の基板201上に基板電極202と、基板電極202に対向する画素電極203とが配置されている。基板電極202と画素電極203との間に電気泳動表示材料が挟持されている。また、図2(A)では、2色の帯電粒子204、205が電気泳動表示材料の分散溶媒中に分散されている。なお、電気泳動表示材料は、カプセルに封入されていても良いし、例えば、格子状の隔壁内に封入されていても良い。さらに電気泳動表示材料がカプセルに封入されている場合、そのカプセルが一または複数個、基板電極202と画素電極203との間に配置されていてもよい。なお、以下の説明において、図2(A)においては、基板電極202の側から表示を見ることができるようにするために、基板電極202と基板201とは、透明な材料で構成されているとする。また、基板電極202と画素電極203とを「2つの電極」という場合がある。
帯電粒子は電荷によって帯電している。同色の帯電粒子は同じ符号に帯電し、色が異なる帯電粒子は異なる符号に帯電している。したがって、例えば、白の帯電粒子204が負に帯電し、黒の帯電粒子205が正に帯電していれば、基板電極202の電位を画素電極203の電位よりも大きくすることにより、帯電粒子204が基板電極202の側に移動し、帯電粒子205が画素電極203の側に移動する。これにより、基板電極202の側より電気泳動表示材料を観察すると、白く見えることになる。また、逆の極性の電位を基板電極202と画素電極203とに印加すると、基板電極202の側より電気泳動表示材料を観察すると、黒く見えることになる。
図2(B)は、表示パネル101の一部を画素電極203の側から見た場合の平面図の一例を示す。図2(B)の例では、数字の0から9を表示可能とするために、画素部分206の形状を有する7つの画素電極203が「8」の字を描くように配置されている。各画素部分206に対応した画素電極203と基板電極202との間に電圧を適宜印加することにより、数字の0から9を含む文字が表示される。なお、基板電極202は、複数(7つ)の画素電極203に対して共通に配置されていてもよいし、個々の画素電極203に対して、個々の基板電極202が配置されていてもよい。
制御回路102は、交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後、書き込み電圧パルスを少なくとも2回前記2つの電極間に印加する。ここに、交番電圧とは、所定の周波数で正の電圧と負の電圧とが交互に交替する電位であり、一般的には、正の電圧と負の電圧との絶対値は略等しい。交番電圧は、例えば、10ヘルツで、15Vと−15Vとが交互に繰り返される電位である。ただし、正の電圧と負の電圧との絶対値は異なっていてもよい。また、交番電圧は、画素電極の全てにほぼ同時に印加されるようになっていてもよい。交番電圧パルスは、パルス形状となって時間変化する交番電圧である。ここで、交番電圧の周波数は、10ヘルツ以上200ヘルツ以下の範囲が好ましく、特に20ヘルツ以上100ヘルツ以下の範囲がより好ましい。交番電圧の周波数が小さく、例えば10ヘルツ未満であると、表示パネルにフリッカが表示されていると視認され、表示の品質が損なわれる場合がある。また、電気泳動表示材料の分散溶媒中に含まれる添加剤であるイオン物質が数十キロヘルツ程度の高い周波数でも応答するため、交番電圧の周波数が高く、例えば200ヘルツを超える周波数になると、帯電粒子の分散性を向上させる効果は生じるが、帯電粒子の交番電圧への追随性が低くなるため、書き込み電圧パルスの印加による白表示状態または黒表示状態への書き込み速度の向上や良好な表示コントラストが得られにくくなる場合がある。
本発明の一実施形態においては、交番電圧パルスの印加により、一つの書き込み電圧パルスの時間幅は、前記電気泳動表示材料の応答時間以下となる時間幅にすることができる。また、交番電圧パルス印加後の少なくとも2回印加される書き込み電圧パルスの時間幅の総和を前記電気泳動表示材料の応答時間以下となる時間幅にすることができる。
電気泳動表示材料の「応答時間」を、次のように定義する。すなわち、電気泳動表示材料を挟持する2つの電極の間に第1の直流電圧を印加して、表示される色を、第1色(例えば白色)に設定し、その後、第1の直流電圧を遮断する。そして、2つの電極の間に電圧差がない状態を一定時間以上経過させた後、2つの電極の間に第2の直流電圧を印加して、一方の電極の側に表示される色を、第2色(例えば黒色)に遷移させる。このとき、2つの電極の間に挟持されている電気泳動表示材料の反射率が、前記第2の直流電圧の印加によって最大値または最小値をとるまでの時間を、「応答時間」という。ここに、反射率とは、電気泳動表示材料が表示する色の反射率をいう。換言すると、電気泳動表示材料の表示する色が、前記第2の直流電圧の印加により第1色から第2色に遷移するまでの時間を「応答時間」という。
制御回路102が、書き込み電圧パルスを、少なくとも2回、2つの電極間に印加させるのは、後述のように、2回以上の書き込み電圧パルスの印加により、高いコントラストが得られるからである。また、書き込み電圧パルスの時間幅を応答時間以下にすることができるからである。
なお、「交番電圧パルス」、「書き込み電圧パルス」と記載したが、これは電圧の時間変化をグラフにより表示した場合に方形になっており、一定以上の大きさの電圧がある時間以上印加されることが好ましいことを意味している。電圧パルスの立ち上がりにオーバーシュートが発生していたり、電圧パルスの立ち上がりや立ち下がりが時間軸に対して垂直になっていなかったりしてもよい。また、「交番電圧パルス」の電圧の絶対値の最大値と「書き込み電圧パルス」の電圧の絶対値の最大値とは、同じであってもよいし、必要に応じて異なっていてもよい。また、交番電圧パルスの正と負との極性の電圧の絶対値は同じでなくてもよい。また、交番電圧パルス、書き込み電圧パルスの個々のパルスの電圧は他のパルスと異なっていてもよい。
図3は、電気泳動表示材料の応答時間を説明するための図の一例である。図3においては、第1の直流電圧を2つの電極の間に印加し、表示される色を、第1色(例えば白色)に設定し、その後、第1の直流電圧を遮断する。そして、2つの電極の間に電圧差がない状態を一定時間以上経過させる。そして、ある時間から基板電極202と画素電極203との電位差を所定の大きさ(第2の直流電圧)としてから、所定時間(例えば、1秒以上)その電位を継続したときに、その色の反射率が最大となるまでの時間を応答時間として図示している。図3において、電気泳動表示材料の応答時間は、一般的な電気泳動表示材料における500ミリ秒となっている。また、図3は、反射率が大きくなった状態において、所定の大きさの逆極性の電位差を基板電極202と画素電極203とに印加することにより、反射率が小さくなることも示している。
基板電極202と画素電極203とに電位差の無い状態が一定時間以上経過してから電位差を発生させるのは、電気泳動表示材料の反射率の変化には、印加された電位差の履歴に依存する傾向が見られるためである。「一定時間」とは、以前に印加された電位差の履歴に、電気泳動表示材料の反射率の変化が依存しなくなるのに必要な時間を意味する。
図3には、電圧を印加し続けると、反射率が最大の状態に達したとしても、その後若干下がったり、最小の状態に達したとしても、その後若干上がったりする現象が起こり得ることも示されている。この現象は、本願発明者が従来技術に係る電気泳動表示材料を用いて反射率の時間変化を測定した際に発見した。この現象による反射率の変動によってコントラストが低下するという問題が発生する。電気泳動表示材料は、帯電粒子とそれを分散する分散溶媒などから構成されている。一般に分散溶媒は、イオン性の添加剤を含有している。このため、電圧の印加により、白色の帯電粒子と黒色の帯電粒子とを泳動させて表示を行なうと、帯電粒子が電極の近傍まで泳動して電極の近傍に白色の帯電粒子又は黒色の帯電粒子の分布状態を形成する前に、添加剤のイオンが電圧に応答し、分散溶媒の対流を引き起こすことがある。分散溶媒の対流が引き起こされると、帯電粒子は分散溶媒の対流により電極の近傍に分布することが困難となり、帯電粒子が電極近傍に安定して分布させるためには、長時間にわたって電圧の印加が必要となり、応答時間が長くなると考えられる。
したがって、電圧の印加時間を短くして対流の影響を抑制することが必要であると考えられる。しかし、単純に電圧の印加時間を短くするだけでは、例えば電圧の印加時間を応答時間より小さくすると、帯電粒子の移動距離が短くなり、電極近傍に帯電粒子を分布させて表示を行なうことが困難となる。本願発明者は、このような考察に基づいて、本願発明を想到するに至った。
すなわち、本願発明者は、分散溶媒の対流を抑制するために電圧の印加時間をできるだけ短くし、さらに書き込み電圧の休止時間を設けることで、電気泳動表示材料のコントラストが上昇することを見出した。書き込み電圧の休止期間中はイオンに電気的な力が加わらないため分散溶媒の対流が生じない。このため、帯電粒子の分布に悪影響を及ぼさなくなるからである。本願発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置は、このような複数の間欠した書き込み電圧の印加によって、短時間の応答と高いコントラストの両立を図ったものである。
さらに電圧印加時間は、電極に電圧を印加して帯電粒子を電極間の距離だけ移動させる時間よりも短くできないことから、電気泳動表示材料の応答時間よりも著しく短くすることは困難であった。しかし、本願発明者らは、書き込み電圧パルスの印加に先立って交番電圧パルスを印加することにより、電極に電圧パルスを印加して帯電粒子を電極間の距離だけ移動させる時間よりも短い書き込み電圧パルスの印加によって、電気泳動表示装置を駆動できることを見出し、本願発明の想到に至った。
すなわち、交番電圧パルスを印加することによって、電気泳動表示材料に含まれる帯電粒子の凝縮を抑制し、分散性を高めることができる。これらにより、交番電圧パルスの印加の次に印加される書き込み電圧パルスが有効に帯電粒子に印加され、より高速に表示を変化させることが可能となる。したがって、本発明によれば、書き込み電圧パルスの印加に先立って交番電圧パルスを印加することにより、書き込み電圧パルスの印加時間を短くすることができ、さらに書き込み電圧パルスを複数回印加し、印加期間の間に休止期間を設けることにより、分散溶媒の対流を抑制することが可能となる。これにより、高速な書き込みと高コントラストとを同時に達成できることになる。
なお、制御回路102の構成の一例としては、電圧印加回路1021と、表示制御回路1022と、交番電圧制御回路1023とを用いる構成がある。
電圧印加回路1021は、基板電極202と画素電極203との間に所定の大きさの電位差を発生する電圧パルスを印加する回路である。印加される電圧パルスの時間幅、電圧パルス間の時間間隔、電圧パルスの数は、表示制御回路1022と交番電圧制御回路1023とからの信号により制御することが可能となっている。
表示制御回路1022は、応答時間よりも短い時間幅の書き込み電圧パルスを少なくとも2回、印加する。少なくとも2回の書き込み電圧パルスの印加は、電圧印加回路1021を動作させて行なうことができる。
交番電圧制御回路1023は、表示制御回路1022による書き込み電圧パルスの印加前に交番電圧パルスを印加する回路である。交番電圧パルスの印加は、電圧印加回路1021を動作させることによって行なうことができる。
図4は、本実施形態に係る電気泳動表示装置による処理を説明するフローチャートの一例である。図4(A)は、交番電圧パルスの印加と書き込み電圧パルスの印加との順序を示す。言い換えると、主に表示制御回路1022と交番電圧制御回路1023との動作の時間順を示す。図4(B)は、書き込み電圧パルスの印加の処理を説明する。言い換えると、主に表示制御回路1022の動作による処理を説明している。
図4(A)において、処理S401として、基板電極202と画素電極203との間に交番電圧パルスの印加を行なう。そして、処理S402として、基板電極202と画素電極203との間に書き込み電圧パルスの印加を行なう。
処理S403として、例えば変数nに、2以上の所定の自然数を代入する。次に処理S404として、第1の時間幅の書き込み電圧パルスを一回、基板電極202と画素電極203との間に印加する。処理S405として、nに保持されている自然数の値を1小さくする演算を行い、nへの代入を行なう。処理S406として、nが正の自然数を保持しているかどうかを判断する。nが正の自然数を保持していれば、処理S407へ進み、第2の時間の間、電圧パルスの印加を休止し、次に処理S404へ移行する。また、処理S406においてnが正の自然数を保持していなければ、処理を終了する。なお、第1の時間幅と第2の時間幅との関係については、後に述べる。
なお、上述の処理は、CPU、メモリ、外部インターフェースを備えるマイクロコンピュータなどを用いて電気泳動表示装置100を構成し、図4に示すフローチャートを実行するプログラムをCPUによって動作させることによって実現可能である。また、処理S401と処理S402に対応する状態及び処理S403にてnに代入される自然数の数に対応する状態を有する順序回路を用いることにより、プログラムを動作させることなく専用のハードウェアにより、上述の処理を実現することができる。
図5は、図4(A)と図4(B)とに示したフローチャートの処理を実行した場合において、基板電極202と画素電極203との間に印加される電圧パルスの列の一例を示す。例えば、帯電粒子に白色のものと黒色のものとがある場合、画素電極203の側を白色にするときには、図5の上部に例示されるように、交番電圧期間に交番電圧パルスを基板電極202と画素電極203との間に印加する。交番電圧パルスを所定の回数印加した後、第1の時間を書き込み電圧パルスの時間幅とし、第2の時間を休止期間とする電圧パルスの印加を基板電極202と画素電極203との間に印加する。
また、画素電極203の側を黒色にするときには、図5の下部に例示されるように、交番電圧期間に交番電圧パルスを基板電極202と画素電極203との間に印加する。交番電圧パルスを所定の回数印加した後、第1の時間を書き込み電圧パルスの時間幅とし、第2の時間を休止期間とする電圧パルスを基板電極202と画素電極203との間に印加する。この場合、画素電極203の側を白色にするときとは逆極性の電圧パルスを印加する。さらに、交番電圧パルスを所定の回数印加した後、第1の時間を書き込み電圧パルスの時間幅とし、第2の時間を休止期間とする電圧パルスの印加を基板電極202と画素電極203との間に印加しても良いし、第1の時間を休止期間とし、第2の時間を書込み電圧パルスの時間幅とする電圧パルスの印加を基板電極202と画素電極203との間に印加しても良い。さらに、前記書き込み電圧パルスと休止時間の順序を任意に変えても良い。なお、交番電圧パルスの時間変化も、図5に示すように、画素電極203の側を白色にするときとは逆となっていてもよいし、同極性であってもよい。また、第1の時間と第2の時間とが同じ時間の長さとなっていてもよい。
図6〜図9は、白色の帯電粒子と黒色の帯電粒子とを含む一般的な電気泳動表示材料を基板電極202と画素電極203との間に封入し、様々な条件で基板電極202と画素電極203との間に交番電圧パルスと書き込み電圧パルスとの印加を行なった後の黒反射率とコントラストを示すグラフである。なお、ここでは、コントラストとは、電気泳動表示材料により表示可能な2色の反射率の相対的な比を意味し、コントラストは黒反射率と白反射率との比として定義される。すなわち、コントラストは、黒反射率に対する白反射率の大きさとして定義される。
なお、黒反射率および白反射率の測定方法は種々の方法が知られている。例えば、黒反射率および白反射率は、XYZ表色系の三刺激値X、Y、ZにおけるY値(視感反射率)として測定することができる。そこで、図6〜図9に示される各種の測定結果は、応答時間の定義に適した測定法により得た。その測定法とは、電気泳動表示パネルからの拡散反射光を光電子増倍管にて受光し、黒表示状態と白表示状態のそれぞれの拡散反射光強度を測定して黒反射率および白反射率を算出する方法である。具体的な測定手順においては、まず、反射率が既知である白色標準板の拡散反射光強度を測定し、この測定の結果を基準値とする。次に、この基準値と白状態、黒状態の拡散反射光強度の相対値として、黒状態、白状態それぞれの反射率を算出した。
ここで、拡散反射光強度の測定は以下の方法で行なった。先ず、サンプルとして前記白色標準板を落射方式の暗視野顕微鏡の試料台に設置し、暗視野対物レンズ(オリンパス製LMPlan 5×BD)を用いて、前記サンプルの拡散反射光を前記暗視野顕微鏡の鏡筒に配置した光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7422−20)にて検知し、拡散反射光強度の出力をオシロスコープで測定した。次いで、黒表示または白表示の前記電気泳動表示パネルを前記試料台に設置し、前記白色標準板と同様の方法で拡散反射光強度の測定を行い、反射率を求めた。なお、拡散反射光強度の測定は直流電圧切断後2秒経過後の基板電極202と画素電極203との間に電圧を印加しない期間における値を検知することにより行なった。
図6は、書き込み電圧パルス数と黒反射率及びコントラストとの関係を示すグラフである。どの反射率の測定時の前においても、時間幅が10ミリ秒の交番電圧パルスを10回、基板電極202と画素電極203との間に印加した後、書き込み電圧パルスの時間幅と休止時間幅とがともに25ミリ秒である書き込み電圧パルスを印加した。測定時ごとに異なるのは、書き込み電圧パルスの数であり、書き込み電圧パルスの印加回数を1から10に変化させた。なお、交番電圧パルスの印加回数は、連続する正及び負又は負及び正の電圧のパルスの印加を、1回の交番電圧パルスの印加回数としている。
図6に示すように、2回の書き込み電圧パルスの印加をした場合が、他のどの場合よりも黒反射率が低くなっている。また、コントラストも最大になっている。3回以上書き込み電圧パルスを印加した場合は、2回の書き込み電圧パルスの印加を行なった場合よりもコントラストは下がっているが、1回の書き込み電圧パルスを印加した場合よりもコントラストは高くなっている。2回以上の書き込み電圧パルスの印加により、コントラストはおおよそ25以上となっている。
また、書き込み電圧パルスの印加回数が2である場合が、コントラストが最大になっている。この場合の2回印加される書き込み電圧パルスの印加時間と休止時間の総和は、75ミリ秒となり、図3の直流電圧を印加する場合の500ミリ秒(応答時間)よりも短くなっている。これは、交番電圧を書き込み電圧パルスに先立って加えているために、帯電粒子の分散性が高まり、より効果的に書き込み電圧パルスの印加が行えるためと考えられる。
なお、本実施例は、代表的な電気泳動表示材料についての実施例であるが、他の電気泳動表示材料を用いても、同様な傾向が得られる。ただし、本実施例と同様の2回の書き込み電圧パルスの印加が最適な回数とは限らない。しかし、10回以内程度の書き込み電圧パルスの回数であれば、十分な効果が得られる。
図7は、書き込み電圧パルスの時間幅と黒反射率及びコントラストとの関係を示すグラフである。どの反射率の測定時の前においても、時間幅が10ミリ秒の交番電圧パルスを10回印加した後、書き込み電圧パルスの時間幅と休止時間幅が等しい書き込み電圧パルスを10回印加した。測定時ごとに異なるのは、書き込み電圧パルスの時間幅であり、10ミリ秒から100ミリ秒まで変化させた。
図7に示すように、書き込み電圧パルスが15ミリ秒以上60ミリ秒以下となっている場合にコントラストは20以上となる。
図8は、書き込み電圧パルスの休止時間と黒反射率及びコントラストとの関係を示すグラフである。どの反射率の測定時の前においても、書き込み電圧パルスの時間幅が10ミリ秒の交番電圧パルスを10回印加した後、書き込み電圧パルスの時間幅を25ミリ秒とする書き込み電圧パルスを10回印加した。異なるのは、休止時間の長さであり、10ミリ秒から40ミリ秒まで変化させた。
図8に示すように、コントラストは、休止時間が長くなるに応じて高くなっている。特に、書き込み時間と同じあるいはそれより大きな長さである25ミリ秒以上の休止時間となる場合にコントラストが25以上となる。
図9は、交番電圧パルスの回数と黒反射率及びコントラストとの関係を示すグラフである。どの反射率の測定時の前においても、書き込み電圧パルスの時間幅と休止時間幅とがともに25ミリ秒の書き込み電圧パルスを印加した。異なるのは、パルスの時間幅が10ミリ秒である交番電圧パルスを印加する回数であり、0回から10回に変化させたときの黒反射率及びコントラストの測定結果を示す(交番電圧パルスを0回印加するとは、交番電圧パルスを印加しないことである)。
図9に示すように、交番電圧パルスの印加回数が増加するにしたがって、おおむねコントラストも向上しているが、交番電圧パルスの印加回数が4以上であれば、25以上のコントラストが得られることがわかる。したがって、本発明は交番電圧パルスの印加回数は10回に限定されず、電気泳動表示材料として使用される材料の特性に応じて4回以上の印加回数の中から適宜変更されてもよい。交番電圧パルスの印加回数は、例えば、20回よりも大きくすることができる。しかし、20回よりも大きくなると、交番電圧パルスを印加する時間が400msと長くなるため、書き込み電圧パルスを印加して画像を表示するまでの時間が電気泳動表示材料の応答時間よりも長くなることもあるので、表示時間の短縮にならない。したがって、交番電圧パルスの印加回数は4以上20以下が好ましい。
以上から、高いコントラスト(例えば値が20以上のコントラスト)を得るには、以下にするのが好ましいことがわかる。書き込み電圧パルスの印加は2または3以上10以下であることが好ましい。10以上であると書き込み電圧パルスの印加回数が増加してもコントラストは向上せず、また、画像表示の書き込み時間が長くなってしまう。また、画像表示の残像が目立つ現象が発生する。また、書き込み電圧パルスの時間幅は、15ミリ秒以上60ミリ秒以下であることが好ましい。また、書き込み電圧パルスの休止時間の長さは、書き込み電圧パルスの時間幅と等しいか、あるいは、書き込み電圧パルスの時間幅より大きいことが好ましい。また、交番電圧パルスの印加回数は、2以上10以下であることが好ましい。交番電圧パルスの印加回数が2以上であれば、20以上のコントラストが得られるためより好ましい。2未満であると上述のようにコントラストが低下し、10以上であると画像表示の書き込み時間が長くなり、画像表示の残像が目立つからである。
また、パルスの時間幅が10ミリ秒で交番電圧パルスを2回印加するのに必要な時間は40ミリ秒であり、書き込み電圧パルスを2回印加する際に、書き込み電圧パルスの時間幅と休止時間幅とを15ミリ秒から60ミリ秒の範囲とすると、書き込み電圧パルスの印加には45ミリ秒から180ミリ秒必要となる。したがって、全体として85ミリ秒から220ミリ秒の時間が必要となり、これは、一般的な電気泳動表示材料の応答時間である500ミリ秒の約2分の1以下となっていることがわかる。すなわち、交番電圧パルスの時間幅の和と書き込み電圧パルスの時間幅の和との総和が電気泳動表示材料の応答時間以下となっている。
したがって、本発明により、コントラストが高く、また、残像のない表示を短時間で得ることが可能となり、有用であることがわかる。
100 電気泳動表示装置、101 表示パネル、102 制御回路

Claims (10)

  1. 電気泳動表示材料を2つの電極の間に挟持し、反射率が最大となる第1色と反射率が最小となる第2色を表示可能な表示パネルと、
    交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後、書き込み電圧パルスを少なくとも2回前記2つの電極間に印加する制御回路と
    を有し、
    前記制御回路が前記2つの電極間に前記少なくとも2回印加する前記書き込み電圧パルスの時間幅の総和は、前記電気泳動表示材料に直流電圧を印加させ前記表示パネルに表示される色を前記第1色から前記第2色に変化させるのに必要な時間である応答時間未満となり、前記交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後、前記書き込み電圧パルスを少なくとも2回前記2つの電極間に印加した後に前記第2色における反射率と前記第1色における反射率との比が20以上となる電気泳動表示装置。
  2. 前記交番電圧パルスの時間幅の和と前記書き込み電圧パルスの時間幅の和との総和が前記電気泳動表示材料の応答時間以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  3. 前記書き込み電圧パルスの時間幅は、15ミリ秒以上60ミリ秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  4. 前記書き込み電圧パルスの間隔は、前記書き込み電圧パルスの時間幅以上であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  5. 前記交番電圧パルスの数は2以上であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  6. 電気泳動表示材料を2つの電極の間に挟持し、反射率が最大となる第1色と反射率が最小となる第2色を表示可能な電気泳動表示パネルの駆動方法であって、
    交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後に、書き込み電圧パルスを少なくとも2回前記2つの電極間に印加し、
    前記2つの電極間に前記少なくとも2回印加する前記書き込み電圧パルスの時間幅の総和は、前記電気泳動表示材料に直流電圧を印加させ前記電気泳動表示パネルに表示される色を前記第1色から前記第2色に変化させるのに必要な時間である応答時間未満となり、前記交番電圧パルスを前記2つの電極間に印加した後、前記書き込み電圧パルスを少なくとも2回前記2つの電極間に印加した後に前記第2色における反射率と前記第1色における反射率との比が20以上となることを特徴とする、電気泳動表示パネルの駆動方法。
  7. 前記交番電圧パルスの時間幅の和と前記書き込み電圧パルスの時間幅の和との総和が前記電気泳動表示材料の応答時間以下であることを特徴とする請求項に記載の電気泳動表示パネルの駆動方法。
  8. 前記書き込み電圧パルスの時間幅は、15ミリ秒以上60ミリ秒以下であることを特徴とする請求項記載の、電気泳動表示パネルの駆動方法。
  9. 前記書き込み電圧パルスの間隔は、前記書き込み電圧パルスの時間幅以上であることを特徴とする請求項に記載の、電気泳動表示パネルの駆動方法。
  10. 前記交番電圧パルスの数は2以上であることを特徴とする請求項に記載の、電気泳動表示パネルの駆動方法。
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