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JP5534754B2 - 椅子の支持構造 - Google Patents
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本発明は、椅子の座や背に用いられる椅子の支持構造に関する。
従来の椅子の座における支持構造として、下記特許文献1,2に記載のものが知られている。特許文献1の支持構造では、椅子の脚フレームに支持された座シェルの左右両側部と後部において、下向きに折れ曲がった一連の可撓性凹条が設けられている。又、特許文献2の支持構造では、左右に前後方向フレームを有する座受フレームに、当該前後方向フレームを受け入れる受部を左右に有する座シェルが載せられており、当該座シェルにおける各受部の内側に、左右方向に弾性伸張可能な伸縮部が設けられている。
特開2005−34298号公報 特開2003−284617号公報
特許文献1の支持構造では、左右のみならず後部にも続く一連の可撓性凹条が配置されているため、強度は良好であるものの、後部の可撓性凹条が左右の可撓性凹条の撓みを阻害するためクッション性が比較的に劣る。一方、特許文献2の支持構造では、着座により座シェルが左右の伸縮部により伸張して下向き湾曲状に弾性変形し易くなっており、クッション性に優れるものの、各伸縮部は伸縮するものであって剛性を確保するものではないため、強度に劣る。又、双方の支持構造において、座シェルが各種フレームの上面全体に載せられるため、各種フレームのサイズが異なると座シェルのサイズもこれに合わせて変えなければならず、各種フレームのサイズ毎にサイズの異なる座シェルを用意する必要が生じ、特に特許文献2のものでは、座シェルが左右で支持されるため、左右方向(幅方向)のサイズの変更において、対応するサイズの座受フレーム及び座シェルがそれぞれ必要になってしまう。
そこで、請求項1に記載の発明は、薄型に形成可能でありながら強度が良好であり、更に様々なサイズの椅子に対応可能であり、強度分布を通常の荷重分布に応じたものとして、基材につきより一層簡素にし薄型としながら、全体としても十分な強度を具備させることが可能である椅子の支持構造を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、椅子の座及び/又は背に配置される板状の基材と、当該基材における前後の辺縁のみ及び/又は上下の辺縁のみを支持する支持材とを有しており、前記基材は、左右の辺縁において、当該辺縁に沿った突出部を有しており、前記突出部の少なくとも内側壁部は、着席時の前記基材における、前記座の前後方向に分布した垂直荷重、及び/又は前記背の上下方向に分布した水平荷重が大きいほど高く形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記目的に加えて、強度を十分に確保しながら基材を簡易に薄く構成可能とする目的を達成するため、上記発明にあって、前記突出部は、前記辺縁を折り曲げること、前記辺縁の肉厚を厚くすること、前記辺縁の太さを太くすること、の少なくとも何れかによって形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記目的に加えて、効率的な構成において高強度としながら更に優れたクッション性をも具備させ、強度とクッション性を両立する目的を達成するため、上記発明にあって、前記突出部は、下方及び/又は後方に突出し、着席時の荷重に追従して変形する前記内側壁部と当該荷重に抵抗する外側壁部とを含む断面U字状とされていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、上記目的に加えて、クッション性を更に良好なものとする目的を達成するため、上記発明にあって、前記基材は、体に当たる部分に、複数の孔を有していることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、上記目的に加えて、一般的な座や背の形状に適合させ、基材の突出部と支持部を形成し易くする目的を達成するため、上記発明にあって、前記基材は、矩形状であることを特徴とするものである。
本発明によれば、左右の辺縁のみにおいて当該辺縁に沿った突出部を備えた基材と、当該基材における前記突出部の形成されない辺縁を支持する支持材とを有しており、前記突出部の少なくとも内側壁部は、着席時の前記基材における、前記座の前後方向に分布した垂直荷重、及び/又は前記背の上下方向に分布した水平荷重が大きいほど高く形成されている。よって、薄型とすることが可能でありながら機械強度を十分なものとすることができ、しかも一種類の基材で様々な幅の背や座に対応することができる、という効果を奏し、特に、椅子のサイズバリエーションとして、所定幅内に椅子を特定数並べること(例えば所定幅のテーブルへの特定数の椅子の配置、所定幅のホールにおける設計収容人数に応じた特定数の椅子の配列)への対応や体格差への対応を図る観点から、前後サイズへの対応と比較して幅方向のサイズへの対応(幅の多種類化)が多く要望されるところ、このような要望に僅かな種類の基材で対応可能である、という顕著な効果を奏する。
本発明を座に適用した移動観覧席の説明図である。 本発明に係る椅子の支持構造の(a)平面図,(b)左右方向中央線断面図,(c)背面図である。 図2の支持構造における基材の(a)平面図,(b)CL−CL線断面図,(c)O−O線断面図,(d)A−A線断面図,(e)B−B線断面図,(f)C−C線断面図,(g)D−D線断面図,(h)E−E線断面図,(i)F−F線断面図,(j)G−G線断面図である。 図3の基材における突出部の(a)荷重負荷前,(b)荷重負荷後の拡大断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の例につき、適宜図面に基づいて説明する。なお、当該形態は、下記の例に限定されない。
図1に示すように、本発明の椅子の支持構造(支持構造)1は、好適には移動観覧席Mの座Pにおいて芯材として用いられる。図2にも示すように、支持構造1は、基材2と支持材4を含み、基材2の前後の辺縁をそれぞれ支持材4の前後で支持して成る。なお、基材2の上部には図示しないクッション(例えばウレタン製)が配置されており、更にこのクッションや基材2ないし支持材4を覆うカバー6が設けられている。又、座Pの左右後部ないし各肘掛Rの後部には回転機構T1,T2がそれぞれ配置されていて、座Pや各肘掛Rが回転機構T1,T2における回転により背Hの側へ跳ね上げ可能となっている。加えて、移動観覧席Mの取付部J1,J2は、床Lに対して回転可能となっており、移動観覧席Mは、座Pや各肘掛Rを跳ね上げた状態で前方に倒すことによって、床Lに沿って収納可能とされている。座Pや背Hは、収納可能とするために薄型に形成されている。
図3にも示される基材2は、全体として矩形板状である樹脂製の成形物であり、前後の辺縁においてそれぞれ並べられた複数の支持材4取付用の取付孔10と、着席時の体(臀部)の接触位置に対応するように中央から後部にかけて配置された複数のクッション孔12と、左右の辺縁においてそれぞれ前後方向に延びるように設けられた突出部14とを備えている。なお、基材2の辺縁を除く部分には、後部中央が底となるような緩やかな谷状のカーブが付与されており、着席者の臀部にフィットするようになっている。又、カーブのくぼみにおいてクッション孔12が配置されている。更に、取付孔10には支持材4に達するネジが通されて、支持材4に基材2が固定される。
各突出部14は、図4に示すように、外側壁部14aと、内側壁部14bと、これらを結ぶ連絡部14cから構成される断面U字状で、下方へ突出するように形成されている。各突出部14は、特に図3(c)〜(j)に示すように、その下方への高さ(外側壁部14aや内側壁部14bの高さ)が徐々に変化するように形成されている。即ち、各突出部14は、基材2の前後位置に応じた高さを有している。又、各突出部14における外側壁部14aも、基材2の前後位置に応じた高さを有している。なお、内側壁部14bが基材2のカーブに追従した高さとなっているため、前後端縁以外において外側壁部14aが内側壁部14bより高くなっている。
そして、各突出部14(特に外側壁部14a)は、着席時に想定される座Pの垂直荷重の前後方向における分布に応じたものとなっている。即ち、通常、後部中央において、前後方向において最も負荷のかかる臀部中央が位置することが想定され、後部中央より前方に行くほど大腿部が位置するものの前後方向の負荷が軽減されていくことが想定され、後部中央より後方は一般に着席者の体が位置せず、後ろに行くほど比較的急峻に前後方向の負荷が軽減されることが想定されるところ、各突出部14(特に外側壁部14a)は、このような負荷が大きいほど、高さが高くなるように形成されている。
以上により、各突出部14(特に外側壁部14a)は、前後方向における、座Pとしての基材2における着席時の荷重の分布に応じた高さを有しており、ある位置における荷重の大きさに応じた当該位置での高さを備えて荷重に応じた強度を有するようにされていて、その位置における荷重が大きいほど高くなり強度もその分強くなるように形成されている。
換言すれば、一般的な着座位置において生ずる前後方向の負荷分布に合わせて、各突出部14(特に外側壁部14a)の高さが設計されている。ある位置における前後方向でみた垂直荷重が大きいほど、各突出部14(特に外側壁部14a)の高さが高くなっており、荷重が大きいほど強度を備えるようになっていて、荷重が少ないほど必要以上の高さないし強度を備えず低くなるようにされている。
なお、各突出部14は、基材2の前縁及び後縁において、外側壁部14aと内側壁部14bが無くなり連絡部14cが基材2の他の部分と一連となる状態で形成される。又、各突出部14における外側壁部14aの上辺と内側壁部14bの上辺の間の距離(突出部14の幅)は一定とされており、各突出部14においては、外側壁部14aや内側壁部14bの高さが高いほど連絡部14cの幅が短くなっている。
以上の支持構造1は、移動観覧席Mの座Pに配置される板状の基材2と、基材2における前後の辺縁を支持する支持材4とを有しており、基材2は、左右の辺縁において、当該辺縁に沿った突出部14を有している。よって、支持材4や座Pの幅が異なるものに対しても(例えば図2の支持材4a)、同じ基材2で支持構造1を形成することができ、一種類の基材2で様々な幅の座Pに対応することができる。更に、支持材4で支持されない辺縁に突出部14が配置されるため、基材2について突出部14が無い場合に比べて強度を向上させることができ、基材2を強度十分としながら、移動観覧席Mの座P等に適合可能に十分に薄く形成することが可能であるし、支持材4により基材2における前後の辺縁のみが支持される支持構造1において十分な強度を具備させることができる。特に、移動観覧席Mのような、収納のための回転機構T1が座Pの左右に配置され、又種々の幅を用意することが求められる椅子において、僅かな種類の基材2を用意するだけで、座Pの幅に関する多様な変更に対応することができる。
又、支持構造1において、突出部14は、左右の辺縁を折り曲げることによって形成されているため、突出部14を簡易に構成することができ、特に折り曲げにより突出部14自体も強度を有しながら薄く形成することができる。
更に、支持構造1において、突出部14は、着席時の基材2における、座Pの前後方向に分布した垂直荷重が大きいほど高く形成されており、即ち、突出部14(特に外側壁部14a)が、前後方向(自身に沿った方向)における、基材2において想定される垂直荷重の分布(一般的な着席者による通常の着座位置における大腿部から臀部にかけての垂直負荷分布)に応じた高さを有しており、前部から後部中央にかけて徐々に高くなり、後部中央において最も高くなり、更に後部へ行くに従い低くなるようにされている。よって、各突出部14の長手方向でのそれぞれの位置において荷重に応じた強度を備えさせることができて、各突出部14の強度分布を長手方向における通常の荷重分布に応じたものとすることができ、突出部14を簡素にし基材2を薄型としながら十分な強度を具備させることができる。
又更に、支持構造1において、突出部14は、下方に突出し、着席時の荷重に追従して変形する内側壁部14bと当該荷重に抵抗する外側壁部14aとを含む断面U字状とされているため、主に外側壁部14aで十分な強度を確保しながら、主に内側壁部14bにおいてクッション性を付与することができ、効率的な構成において高強度と優れたクッション性の両立を図ることができる。
加えて、支持構造1において、内側壁部14bは、着席時の荷重の分布に応じた高さで形成されており、荷重(垂直荷重、前後方向)が大きいほど高く形成されているため、着席時の荷重に対する追従性につき荷重が大きいほど良好にすることができ、強度に配慮しながらクッション性を適切なものとすることができる。
又、支持構造1において、基材2の体(臀部)に当たる部分に、複数のクッション孔12が配置されているので、強度十分ながら薄型の基材2におけるクッション性を更に良好なものとすることができる。
更に、支持構造1において、基材2が矩形状であるため、一般的な矩形状の座や背の形状に適合させ易いし、突出部14と支持部4を配置し易くすることができる。
[変更例]
なお、主に上記形態を変更して成る、本発明の他の形態を例示する。基材の取付孔と支持材の間に弾性体(バネやゴム等)を介装することで、支持材による基材の支持を行う。基材におけるカーブの付与やクッション孔を省略する。突出部全体の幅を前後位置に応じて変化させ、あるいは突出部の連絡部を前後にかかわらず一定にする。突出部における双方の壁部のなす角度を様々なものとする。突出部を、下方に突出するものに代えて、上方に突出するものとし、あるいはこれらを混在させる。突出部を、高さやその分布、配置、壁部の高さの差の度合いやその分布、壁部の角度等につき異なるものとする等、互いに相違するものとする。突出部につき、辺縁の肉厚を厚くし、あるいは辺縁の太さを太くし、又は折り曲げた辺縁を肉厚にし、あるいは辺縁を折り曲げて太くすることで形成する。支持材につき、座枠とせず、平面視H字状で平行な2辺において基材の前後を支持するアームとする。座につき、基材とそのカバーやウレタンクッションを有するものに代えて、カバー無しで基材が臀部に直接接触するものとする。基材や支持構造を、移動観覧席の背や、他の椅子の座及び/又は背に組み込む。
1 (椅子の)支持構造
2 基材
4 支持材
12 クッション孔(孔)
14 突出部
14a 外側壁部
14b 内側壁部

Claims (5)

  1. 椅子の座及び/又は背に配置される板状の基材と、当該基材における前後の辺縁のみ及び/又は上下の辺縁のみを支持する支持材とを有しており、
    前記基材は、左右の辺縁において、当該辺縁に沿った突出部を有しており、
    前記突出部の少なくとも内側壁部は、着席時の前記基材における、前記座の前後方向に分布した垂直荷重、及び/又は前記背の上下方向に分布した水平荷重が大きいほど高く形成されている
    ことを特徴とする椅子の支持構造。
  2. 前記突出部は、前記辺縁を折り曲げること、前記辺縁の肉厚を厚くすること、前記辺縁の太さを太くすること、の少なくとも何れかによって形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の椅子の支持構造。
  3. 前記突出部は、
    下方及び/又は後方に突出し、
    着席時の荷重に追従して変形する前記内側壁部と当該荷重に抵抗する外側壁部とを含む断面U字状とされている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の椅子の支持構造。
  4. 前記基材は、体に当たる部分に、複数の孔を有している
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の椅子の支持構造。
  5. 前記基材は、矩形状である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の椅子の支持構造。
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