JP5535609B2 - 鋳型造型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 - Google Patents
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酸硬化性樹脂としては、従来公知の樹脂が使用でき、例えば、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フェノール類とアルデヒド類の縮合物、メラミンとアルデヒド類の縮合物、及び尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種からなるものや、これらの群から選ばれる2種以上の混合物からなるものが使用できる。また、前記群から選ばれる2種以上の共縮合物からなるものや、前記群から選ばれる1種以上と前記共縮合物との混合物からなるものも使用できる。このうち、樹脂粘度の観点から、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、及び尿素とアルデヒド類の縮合物から選ばれる1種以上、並びにこれらの共縮合物を使用するのが好ましい。フルフリルアルコールは、非石油資源である植物から製造できるため、地球環境の観点からは、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、及びこれらの共縮合物を使用するのが好ましい。粘結剤組成物中の窒素含有量を上記範囲に調整する観点、及びコストの観点からは、尿素とアルデヒド類の縮合物、及び尿素とアルデヒド類の縮合物とフルフリルアルコールとの共縮合物を使用するのが好ましく、該アルデヒド類としてはホルムアルデヒドを使用するのがより好ましい。粘結剤組成物中の窒素含有量を上記好適な範囲に調整する観点、及び鋳型の硬化速度の観点からは、メラミンとアルデヒド類の縮合物、及びメラミンとアルデヒド類の縮合物とフルフリルアルコールとの共縮合物を使用するのが好ましく、メラミンとホルムアルデヒドの縮合物を使用するのがより好ましい。
本発明の粘結剤組成物は、鋳型強度を向上させる観点、及びホルムアルデヒド発生量を低減する観点から、ピロガロールを含有する。ピロガロールは、没食子酸から脱炭酸反応により合成できる化合物であり、ベンゼンの1,2,3位の水素がそれぞれヒドロキシ基に置換された3価フェノールである。なお、ピロガロールは、ピロガロール酸、あるいは焦性没食子酸とも呼ばれる。
本発明の粘結剤組成物中には、抜型時間/可使時間の比を小さくする観点、鋳型の割れを防ぐ観点、及び鋳型強度を向上させる観点から、硬化促進剤が含まれていてもよい。硬化促進剤としては、鋳型強度を向上させる観点から、下記一般式(1)で表される化合物(以下、硬化促進剤(1)という)、ピロガロール以外のフェノール誘導体、及び芳香族ジアルデヒドからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の粘結剤組成物中には、さらに水分が含まれてもよい。例えば、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物などの各種縮合物を合成する場合、水溶液状の原料を使用したり縮合水が生成したりするため、縮合物は、通常、水分との混合物の形態で得られるが、このような縮合物を粘結剤組成物に使用するにあたり、合成過程に由来するこれらの水分をあえて除去する必要はない。また、粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する目的などで、水分をさらに添加してもよい。ただし、水分が過剰になると、酸硬化性樹脂の硬化反応が阻害されるおそれがあるため、粘結剤組成物中の水分含有量は0.5〜30重量%の範囲とすることが好ましく、粘結剤組成物を扱いやすくする観点と硬化反応速度を維持する観点から1〜10重量%の範囲がより好ましく、3〜7重量%の範囲が更に好ましい。また、抜型時間/可使時間の比を小さくする観点と、鋳型の深部硬化性及び鋳型強度を向上させる観点から、10重量%以下とすることが好ましく、7重量%以下とすることがより好ましく、4重量%以下とすることが更に好ましい。
また、粘結剤組成物中には、さらにシランカップリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。例えばシランカップリング剤が含まれていると、得られる鋳型の強度を向上させることができるため好ましい。シランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−α−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランや、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシランなどが用いられる。好ましくは、アミノシラン、エポキシシラン、ウレイドシランである。シランカップリング剤の粘結剤組成物中の含有量は、鋳型強度の観点から、0.01〜0.5重量%であることが好ましく、0.05〜0.3重量%であることがより好ましい。なお、シランカップリング剤は、酸硬化性樹脂の一成分として含有されてもよい。
酸硬化性樹脂のpHは、水酸化ナトリウム水溶液及びシュウ酸水溶液で、表1〜6に示した値に調整した。測定方法は、酸硬化性樹脂と、酸硬化性樹脂と等重量のイオン交換水とを混合して、25℃にてpHメーターにて測定した。
京都電子工業社製カールフィッシャー水分測定器(MKS−510N)を用いて、カールフィッシャー法により水分含有量を測定した。滴定試薬にはハイドラナールコンポジット5(リーデル・デハーン社製)を用いた。また、脱水溶剤にはMS(三菱化成社製)を用いた。
JIS M 8813に示されるケルダール法にて測定を行った。
100mLの密栓付ガラス容器に、実施例及び比較例で用いた粘結剤組成物0.3gを正確に精秤した。続いて、水/アセトン溶液(重量比50:50)を3g添加し、粘結剤組成物を溶解させた。続いて蒸留水を追加投入し、内容物全体の重量が100.0gになるように希釈した。希釈後60分経過したものを測定試料として用いて、粘結剤組成物の遊離ホルムアルデヒド量を、特開2009−192321号公報に記載された実施例1の条件に従って分析した。分析に用いた試薬を以下に示す。
酢酸アンモニウム:和光純薬工業社製、特級500g
酢酸:和光純薬工業社製、特級500mL
アセチルアセトン:和光純薬工業社製、特級500mL
アセトン:大伸化学社製、14kg業務用
標準物質:和光純薬工業社製の組織固定用10%ホルマリン液(200mL、ホルムアルデヒド含有量4重量%)を、測定試料の予測される遊離ホルムアルデヒド量に応じて蒸留水で希釈したものを用いた。
混練直後の混練砂を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填した。充填後5時間経過した時に抜型を行い、25℃、55%RHの条件下で24時間放置した後、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、圧縮強度を測定し、得られた測定値を24時間経過後の鋳型強度とした。
図1(a)〜(c)に示す木型に混練直後の混練砂を充填し、抜型時間経過時に抜型した後、2時間後に、鋳型のネック部の割れの程度を目視にて確認し、以下の基準(a〜c)で評価した。なお、上記「抜型時間」とは、混練直後の混練砂を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、25℃、50%RHの条件下で所定時間放置した後、抜型し、JIS Z 2604−1976に記載された方法で、圧縮強度を測定し、得られた測定値が放置後はじめて0.8MPaに到達したときの充填直後からの放置時間をさす。
a:ネック部に全くひび割れが入っていない。
b:ネック部の一部にひび割れが見られるが、全周までは入っていない。
c:ネック部の全周にひび割れが見られ、鋳型が破断している。
25℃、55%RHの条件下で、フラン再生砂100重量部に対し、硬化剤〔花王クエーカー社製 カオーライトナー硬化剤 TK−3と、花王クエーカー社製 カオーライトナー硬化剤 F−9との混合物(重量比はTK−3/F−9=23/17)〕0.36重量部を添加した後混練し、次いで表1〜6に示す粘結剤組成物0.90重量部を添加し、これらを混合して混練砂を得た。なお、上記フラン再生砂としては、空気中、1000℃で1時間加熱したときの重量減少率(LOI)が1.4重量%のものを用いた。
Claims (5)
- 酸硬化性樹脂と、ピロガロール1〜30重量%とを含有し、窒素の含有量が1.8〜3.5重量%であり
前記酸硬化性樹脂が、尿素とホルムアルデヒドの縮合物を含み、
前記縮合物を合成する際に用いられるホルムアルデヒドと尿素のモル比が、ホルムアルデヒド/尿素=1.5〜2.0であり、
前記酸硬化性樹脂が、さらに、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フェノール類とアルデヒド類の縮合物、及びメラミンとアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種以上、又は前記群から選ばれる2種以上の共縮合物を含む鋳型造型用粘結剤組成物。 - 前記酸硬化性樹脂のpHが、8.5以下(25℃)である請求項1に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
- 前記ピロガロールの含有量が5〜15重量%である請求項1又は2に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
- 水分含有量が10重量%以下である請求項1〜3の何れか1項記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
- 耐火性粒子、鋳型造型用粘結剤組成物及び硬化剤を含む混合物を硬化させる工程を有する鋳型の製造方法であって、
前記鋳型造型用粘結剤組成物が、請求項1〜4の何れか1項記載の鋳型造型用粘結剤組成物であり、前記耐火性粒子に前記硬化剤を添加した後、前記鋳型造型用粘結剤組成物を添加する、鋳型の製造方法。
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