JP5536288B2 - ケイ酸塩蛍光物質 - Google Patents
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Description
一方、多くの蛍光物質材料系が開示されており、例えば、それぞれがセリウム3+またはEu2+でドープされた、アルカリ土類金属オルトケイ酸塩、チオガレート、ガーネット、および窒化物である。
ユウロピウムをドープしたアルカリ土類金属オルトケイ酸塩は、T. Barry(T.L. Barry, J. Electrochem. Soc. (1968), 115(11), 1181-4)により、古くは1968年に初めて記載された。
過去10年間、これらの化合物は、pc−LEDにおいてさらに頻繁に用いられてきている。これらの非常に効率的な蛍光物質の主な利点は、505〜610nmの範囲の発光波長が、組成の変化により利用可能であることにある。
しかし、これらの材料の欠点は、水分に対するその感受性である。具体的には、結晶格子のバリウム含有量が高い化合物は、水と接触すると徐々に加水分解する。これにより結晶格子の破壊が生じ、蛍光物質が大幅に強度を失う原因となる。
WO 02/054502には、五酸化リン、酸化アルミニウムまたは酸化ゲルマニウムに加えて酸化ホウ素(B2O3)を含むアルカリ土類金属オルトケイ酸塩が記載されており、ここでホウ素は、いくつかの場合にはシリコンの格子部位に組み込まれている。
本発明の目的は、水分に対する良好な安定性を有する、特定のアルカリ土類金属オルトケイ酸塩蛍光物質を開発することである。
さらに、本発明の目的はまた、前記アルカリ土類金属オルトケイ酸塩蛍光物質とさらなる蛍光物質の混合物を提供することにある。
さらに、本発明のさらなる目的は、これらの蛍光物質の様々な可能な使用を示すことにある。
驚くべきことに、アルカリ金属ホウ酸塩(M2B4O7)を含有する、アルカリ土類金属オルトケイ酸塩蛍光物質、特にユウロピウムドープしたアルカリ土類金属オルトケイ酸塩蛍光物質が、上記の目的を達成することが見出された。
EA2−xEuxSiO4・aM2B4O7 (I)
式中、
EAは、Ca、Sr、ZnおよびBaから選択される2または3以上の元素を表し、
Mは、Li、NaまたはKを表し、
aは、0.01≦a≦0.08の範囲の値を表し、および
xは、0.01≦x≦0.25の範囲の値を表す、
で表される化合物に関する。
aは好ましくは、0.01≦a≦0.05の範囲の値を表す。
xは好ましくは、0.03≦x≦0.20の範囲の値、特に好ましくは0.04≦x≦0.13の範囲の値を表す。
式Iの化合物は蛍光物質であって、その発光波長範囲が505〜610nmであり、したがって組成:EA2−xEuxSiO4の蛍光物質(式中、EAはCa、Sr、ZnおよびBaから選択される2または3以上の元素を表し、xは0.01≦x≦0.25の範囲の値を表す)の発光波長と比べて変化のない、前記蛍光物質である。
したがって、これらは、橙色〜黄色〜緑色の範囲の発光色を促進する。
本発明に係る蛍光物質は好ましくは、410nm〜530nm、好ましくは430nm〜約500nmの広い範囲にわたって励起することができる。これらの蛍光物質は、例えばLEDや従来のエネルギー放電灯(例えばHgベースのもの)などの紫外線または青色発光光源による励起用のみでなく、451nmでの青色In3+線を利用する光源にも好適である。
本発明に係るケイ酸塩蛍光物質は、以下でより詳細に説明するように、水分との接触に対して極めて高い抵抗を有し、簡易な方法で製造可能である。
したがって本発明はさらに、以下の方法ステップ:
a)M2B4O7含有溶液、式中、M=Li、NaまたはK、を供給すること(溶液A)、
b)組成EA2−xEuxSiO4の蛍光物質、式中、EAはCa、Sr、ZnおよびBaから選択される2または3以上の元素を表し、xは0.01≦x≦0.25の範囲の値を表す、を供給すること(蛍光物質B)、
c)蛍光物質Bを溶液Aに加えて均質混合すること、
d)洗浄すること、および
e)続いて乾燥すること、
を含む、式Iの化合物の製造方法にも関する。
ステップd)の洗浄は、本発明にしたがって、例えばエタノール、メタノールまたはアセトンなどの水溶性溶媒により好ましくは実施される。エタノールは特に好ましく用いられる。
組成EA2−xEuxSiO4の蛍光物質であって、式中、EAはCa、Sr、ZnおよびBaから選択される2または3以上の元素を表し、xは0.01≦x≦0.25の範囲の値を表すものは、それ自体知られており市販されている。
前記の熱処理は、好ましくは少なくとも部分的に還元条件下で実施する。ここでの反応は通常、800℃を超える温度、好ましくは1200℃を超える温度、特に好ましくは1300〜1500℃の間の温度で実施する。
任意に用いられる融剤は、以下の群からの少なくとも1種の物質である:アンモニウムハロゲン化物、好ましくは塩化アンモニウム、アルカリ土類金属フッ化物、例えばフッ化カルシウム、フッ化ストロンチウムまたはフッ化バリウム、炭酸塩、好ましくは炭酸水素アンモニウム、または種々のアルコキシドおよび/またはシュウ酸塩。前記アルカリ土類金属フッ化物を融剤として用いる場合にはしかし、その割合は、式:EA2−xEuxSiO4(EAおよびxは上記の通り)中の成分の理論比内に含められねばならない。塩化アンモニウムは、特に好ましく用いられる。
本発明の上記製造方法のステップb)による、式:EA2−xEuxSiO4(EAおよびxは上記の通り)の蛍光物質の供給は、M2B4O7含有溶液(Mの意味は上記の通り)との本発明による反応の直前に行うことができ、したがって予備ステップとして本発明の方法中に組み込むか、または本発明の方法から任意により長い時間間隔をおいて組み込むことができる。すでに上述したように、これらは市販の製品である。
したがって本発明はさらに、少なくとも1種の式Iの化合物および、少なくとも1種のさらなる蛍光物質、好ましくは赤色発光蛍光物質を含む混合物に関する。
本発明の式Iのケイ酸塩蛍光物質は、粒子形態であり、これは通常は50nm〜30μm、好ましくは1μm〜20μmの間の粒子サイズを有する。
LEDにおける使用について、本発明のケイ酸塩蛍光物質は、任意の所望のその他の外形に、例えば球状粒子、フレーク、および構造化物質およびセラミックスに変換することができる。これらの形は通常、「成形体」の用語でまとめられる。本明細書において成形体は、好ましくは「蛍光体(phosphor body)」である。
本発明の式Iの蛍光物質はしたがって、特に好ましくは、本発明のケイ酸塩蛍光物質を含む成形体において、または蛍光体において用いられる。
セラミック蛍光体を、必要に応じて、ベースボードとしてのLEDチップに、水ガラス溶液を用いて固定することができる。
本発明はさらに、半導体と少なくとも1種の式Iの化合物とを含む光源に関する。
本明細書において用いる赤色発光蛍光物質は、好ましくは上にすでに詳述された赤色発光蛍光物質である。
カラーオンデマンド概念は、1または2以上の蛍光物質を使用する、pc−LED(=蛍光物質で変換されたLED)を用いた特定のカラーポイントを有する光の生成を意味するものとする。
本発明の光源のさらに好ましい態様において、光源は、ZnO、TCO(透明導電酸化物)、ZnSeまたはSiC、または有機発光層(OLED)に基づく配置である。
本発明の光源のさらに好ましい態様において、光源は、エレクトロルミネセンスおよび/またはフォトルミネセンスを呈するソースである。光源はさらにまた、プラズマ源または放電源であってもよい。
この種の光源の可能な形態は当業者に知られている。これらは、種々の構造の発光LEDチップであることができる。
本発明はさらに、照明ユニットに関し、特に、上記の少なくとも1つの光源を、したがって少なくとも1つの式Iのケイ酸塩蛍光物質を含む、ディスプレイデバイスのバックライト用の照明ユニットに関する。この種の照明ユニットは、原則として、バックライトを有するディスプレイデバイスにおいて、特に液晶ディスプレイデバイス(LCディスプレイ)において用いられる。本発明はしたがって、この種のディスプレイデバイスにも関する。
さらに好ましいのは、本発明による蛍光物質の、青色または近紫外発光を白色可視放射線に変換するための使用に関する。
LEDにおいて少量で用いられる場合でも、本発明のケイ酸塩蛍光物質は、良好なLED品質をもたらす。
さらなる注釈がなくても、当業者は上記の説明をその最も広い範囲で利用することができると想定される。したがって好ましい態様は、いかなる方法においても限定的ではない説明的な開示としてのみ、考慮されるべきである。上記および下記の全ての出願および刊行物の完全な開示内容は、本出願に参照により組み込まれる。
組成(Sr0.9Ba1.02Eu0.08SiO4・0.02Na2B4O7)を有する本発明による蛍光物質を、2つの合成ステップで製造する。
ステップ1:組成Sr 0.9 Ba 1.02 Eu 0.08 SiO 4 を有するオルトケイ酸塩蛍光物質の製造
出発物質BaCO3、SrCO3、Eu2O3、およびSiO2を、規定の理論比において、少量の融剤NH4Cl(約5%w/w)と共に激しく混合する。出発混合物を次にコランダム坩堝中に導入し、高温オーブン中1350℃の還元雰囲気下で6時間焼成する。焼成された物質を冷却し、粉砕し、水で洗浄し、乾燥し、篩分けする。
最初に、50gのNa2B4O7(無水物、分析用、Merck, Art. No. 1.06306.0250)を2Lの脱イオン水中に溶解する(溶液A)。
蛍光物質の製造のために、500gの未処理の蛍光物質Sr0.9Ba1.02Eu0.08SiO4を溶液Aに導入し、60分間撹拌する。蛍光物質の懸濁液を次に吸引フィルターを通してろ過し、エタノールで洗浄し、乾燥キャビネット内で約100℃にて乾燥する。
図1(スペクトル2)に示すように、約530nmの発光極大を有する、緑色ケイ酸塩蛍光物質を得る。
例2A:赤色発光蛍光物質Sr2Si5N8:Euの製造
1.84gのSr2N2、0.166gのEuN、および2.33gの窒化シリコンを計量し、窒素充填グローブボックス内で混合する。得られた混合物をモリブデン坩堝に導入し、管状炉に移す。混合物を次に1600℃の窒素/水素雰囲気下で8時間焼成する。冷却の後、粗蛍光物質を取り出し、短時間乳鉢で処理し、再度モリブデン坩堝に導入し、これを次に高圧炉に移す。蛍光物質を再度、65barの窒素圧力下1600℃で8時間焼成する。冷却の後、蛍光物質を取り出し、100mlの脱イオン水に懸濁させる。得られた懸濁液を30分攪拌し、攪拌機のスイッチを切る。数分後、上清を捨てて、残った残留物を再度、脱イオン水に取り、吸引ろ過し、中性となるまで脱イオン水で洗浄して乾燥する。
2.22gのSr3N2、0.33gのCa3N2、0.05gのEuN、1.23gのAlN、および1.4gの窒化シリコンを計量し、窒素充填グローブボックス内で混合する。得られた混合物を窒化ホウ素坩堝に導入し、熱イソスタティックプレス(HIP)に移す。500barの窒素圧力を確立し、材料を次に1700℃に加熱し、この温度で4時間熱処理し、この間、圧力は1740barに上昇する。冷却および換気の後、物質を取り出し、100mlの脱イオン水に懸濁させる。得られた懸濁液を30分攪拌し、次に攪拌機のスイッチを切る。数分後、上清を捨てて、残った残留物を再度、脱イオン水に取り、吸引ろ過し、中性となるまで脱イオン水で洗浄して乾燥する。
例3:Sr0.9Ba1.02Eu0.08SiO4・0.02Na2B4O7および窒素ベースの蛍光物質
例3A:
例1のステップ2からの本発明の蛍光物質10gを、例2Aからの蛍光物質1gと密接に混合する。
例3B:
例3Aと同様に、例1のステップ2および例2Bからの蛍光物質を含む混合物を製造する。
例3Aからの蛍光物質混合物を、タンブルミキサー内で2成分シリコーン(OE6550、Dow Corningより)と混合させ、この時、同量の蛍光物質混合物がシリコーンの2成分中に分散するように混合させる;シリコーン中の蛍光物質混合物の総濃度は、8重量%である。
蛍光物質含有シリコーン成分2種類を各5mlずつ、互いに均一に混合し、ディスペンサーに移す。ディスペンサーを用いて、100μm2のGaNチップを含む、OSA optoelectronics, Berlinからの空のLEDパッケージを充填する。LEDを次に加熱チャンバーに入れ、150℃で1時間かけてシリコーンを固化する。
表1は、例1のステップ2からの本発明のケイ酸塩蛍光物質の光学特性を、例1のステップ1による既知のケイ酸塩蛍光物質と比較して示す。
ルーメン当量(lm/W)は、標準発光スペクトルI(ラムダ)の製品から、眼の感度曲線V(ラムダ)を用いて得る。
例1のステップ1および2からのOケイ酸塩蛍光物質を用いた気候試験を、Thermotec LHL 113気候試験キャビネットにおいて実施する。このために、PLCC2パッケージタイプの10個のLEDに、それぞれの場合における比較用の蛍光物質を充填する。充填は、市販のLEDシリコーン樹脂と、それぞれの蛍光物質15%w/wとの懸濁物を用いて行う。20mAの一定電流が供給されるLEDを、気候試験キャビネット内にて、相対的大気湿度85±3%および温度80±1℃で1000時間試験する。結果を、以下のスペクトルに再現する(図2および3参照)。Na2B4O7を含む本発明の蛍光物質(図3の曲線2)は、Na2B4O7なしの蛍光物質よりも水分に対してより安定であることがわかる。
Claims (11)
- 式I:
EA2−xEuxSiO4・aM2B4O7 (I)
式中、
EAは、Ca、Sr、ZnおよびBaから選択される2または3以上の元素を表し、
Mは、Li、NaまたはKを表し、
aは、0.01≦a≦0.08の範囲の値を表し、および
xは、0.01≦x≦0.25の範囲の値を表す、
で表される蛍光物質であって、アルカリ金属ホウ酸塩で処理されたアルカリ土類金属オルトケイ酸塩である、前記蛍光物質。 - xが、0.03≦x≦0.20の範囲の値を表すことを特徴とする、請求項1に記載の蛍光物質。
- aが、0.01≦a≦0.05の範囲の値を表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の蛍光物質。
- 以下の方法ステップ:
a)M2B4O7含有溶液、式中、M=Li、NaまたはK、を供給すること(溶液A)、
b)組成EA2−xEuxSiO4の蛍光物質、式中、EAはCa、Sr、ZnおよびBaから選択される2または3以上の元素を表し、xは0.01≦x≦0.25の範囲の値を表す、を供給すること(蛍光物質B)、
c)蛍光物質Bを溶液Aに加えて均質混合すること、
d)洗浄すること、および
e)続いて乾燥すること、
を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光物質の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の少なくとも1種の蛍光物質と、少なくとも1種のさらなる蛍光物質を含む、混合物。
- 少なくとも1種のさらなる蛍光物質が、Euドープスルホセレニド、Euおよび/またはCeドープ窒化物、酸窒化物、アルモシリコニトリド、および/または、Mn(IV)ドープ酸化物および/またはフッ化物からなる群から選択される少なくとも1種の赤色発光蛍光物質であることを特徴とする、請求項5に記載の混合物。
- 半導体と、請求項1〜3のいずれか一項に記載の少なくとも1種の蛍光物質とを含むことを特徴とする、光源。
- 半導体が、発光性窒化インジウムアルミニウムガリウムであることを特徴とする、請求項7に記載の光源。
- 請求項7または8に記載の少なくとも1つの光源を含むことを特徴とする、照明ユニット。
- 請求項9に記載の少なくとも1つの照明ユニットを含むことを特徴とする、ディスプレイデバイス。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の少なくとも1種の蛍光物質の使用であって、変換蛍光物質としての、またはエレクトロルミネセンス材料における、前記使用。
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