JP5538803B2 - 固体撮像素子及びそれを備えたカメラ - Google Patents
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Description
それに伴い、光電変換部の面積は小さくなり、受光感度が低下する。また、画素構造のアスペクト比(深さ/幅)が大きくなり、オンチップレンズのF値が大きくなるため、集光効率が低下し、隣接画素へ光が漏れてクロストークが生じる。
以下に、従来例における光導波路を備えた固体撮像素子を図を用いて説明する。図12に、従来例の固体撮像素子における画素ユニットの概略断面図を示す。
上記従来例の固体撮像素子は、マトリックス状に配列された複数の画素ユニット200で構成されている。
画素ユニット200は、シリコン基板201と、シリコン基板201の内部に配された光電変換部202と、シリコン基板201の上方に透明材料で形成された層間絶縁部205とを有している。
シリコン基板201上方の所定の位置には配線部206が、層間絶縁部205の内部に形成されている。
光導波路の上方には、光入射部204に向かって徐々に幅が広くなるテーパー部が配置されている。
このような構成の固体撮像素子とすることで、光入射部204から入射した光を、高屈折率部203に光を集中させて伝搬することができる。
その結果、シリコン基板201上方で発生するクロストークを防ぎながら、光を効率良く導くことができる。
即ち、従来例における光導波路を備えた固体撮像素子では、上記したように、光入射部から入射した光を効率良く光電変換部に導くために、光導波路が高屈折率部によって構成されている。
しかしながら、このような高屈折率部で構成された光導波路によって、斜めから入射した光に対しても効率よく光電変換部に導くためには、屈折角を小さくする必要がある。
そのため、光導波路を構成する高屈折部の屈折率を大きくする必要があるが、この高屈折部の屈折率を大きくした場合、光導波路と入射部との界面での反射が増大し、光導波路による集光効率が損なわれることとなる。
本発明の固体撮像素子は、光電変換部を内部に有する基板と、前記基板の光入射側に設けられた集光部と、を有し、前記光入射側からの入射光が前記集光部を通って前記光電変換部に導かれる固体撮像素子であって、前記集光部は、磁気共鳴を生じさせる構造を有し、前記集光部の前記光入射側の端面に接する媒質の屈折率をN1、前記集光部の比誘電率をε、前記集光部の比透磁率をμとしたとき、少なくとも、前記端面において、つぎの(式1)の関係を満たすことを特徴とする。
|N1|<|√ε×√μ|
且つ、0.63<N1/(√ε/√μ)<1.58……(式1)
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一の数字を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1を用いて、本発明の実施例1における固体撮像素子の構成例について説明する。
図1には、本実施例の光電変換部を内部に有する基板と、該基板の光入射側に設けられた集光部を有し、該光入射側からの入射光が該集光部を通って該光電変換部に導かれる固体撮像素子における、画素ユニット100の概略断面図が示されている。
本実施例の固体撮像素子は、マトリックス状に配列された複数の画素ユニット100で構成されている。
画素ユニット100は、シリコン基板101と、シリコン基板101の内部に配された光電変換部102を有している。
また、画素ユニット100は、シリコン基板の上方に集光部103が形成されている。以下において、集光部103の上方の領域を光入射部104と記す。
このとき、つぎの条件式を満たすようにすることで、以下に述べる理由によって、集光効率を高めつつ、反射が抑えられる固体撮像素子を得ることができる。
|N1|<|√ε×√μ|
且つ、N1=√ε/√μ
ここで、まず図2の光の伝播を説明する図を用いて、集光効率を決める条件について説明する。図2に示すように、光入射部104から入った光は、集光部103との界面で屈折される。
入射角をθ1、屈折角をθ2、集光部103の屈折率をN2とすると、スネルの法則より
sinθ2=N1×sinθ1/N2
が成立する。
斜めから入射した光を効率よく光電変換部に導くためには、屈折角θ2の絶対値を小さくする必要がある。
したがって、N2の絶対値がN1の絶対値より大きいほど集光効率が高くなる。
領域Aから領域Bへ入射する光のパワー反射率RBAは、各領域のインピーダンス値をZA、ZBとすると、
RBA=(ZA−ZB)2/(ZA+ZB)2
である。
ここで、インピーダンスは、比透磁率の比誘電率に対する比の平方根である。
即ち、領域Aの比誘電率をεA、比透磁率をμAとすれば、
ZA=√μA/√εA
である。
ZB/ZAをZBAとすると、
RBA=(1−ZBA)2/(1+ZBA)2
となる。
したがって、インピーダンス比ZBAが1に近いほど、反射率が小さくなることがわかる。
これを代入すると、
ZBA=√εA/√εB
となる。
ここで、領域Aの屈折率NA、領域Bの屈折率NBに対し、
NA=√μA×√εA=√εA、NB=√μB×√εB=√εB
であることを用いると、
ZBA=NA/NB
であることがわかる。
即ち、従来の媒質においては各領域のインピーダンス比と屈折率比は等価であり、反射率を下げるためには屈折率比を1に近づける必要があることがわかる。
しかし、集光効率を高めるために、高屈折率部203の屈折率を光入射部204の屈折率よりも大きくしていった場合、屈折率比は1から遠ざかってしまうこととなる。
そのため、従来の媒質を用いた場合、集光効率を高めつつ反射率を低減することは困難である。
これに対して、本実施例の構成では集光部103の比透磁率μが1と異なる媒質を用いる。
上述したように、集光効率を高めるためには、屈折率N2=√ε×√μの絶対値をN1の絶対値より大きくすればよい。
一方、反射率を低減するためにはインピーダンス√μ/√εと1/N1を近づければよい。
即ち、|N1|<|√ε×√μ|、N1=√ε/√μの条件を満たすことで、集光効率を高めつつ反射を低減可能な固体撮像素子を得ることができる。
この条件は、従来の媒質を用いた場合と異なり、両立することが可能である。例えば、N1=1(光入射部が空気)、ε=−10、μ=−10とすれば、
|√ε×√μ|=10、√ε/√μ=1
となって、
|N1|<|√ε×√μ|、N1=√ε/√μ
が満たされる。
|N1|<|√ε×√μ|
且つ、N1=√ε/√μ
の条件式において、N1=√ε/√μは厳密に成立している必要はない。
N1と√ε/√μの比(N1/(√ε/√μ))をZとすると、反射率を5%以内に抑えたい場合には、少なくとも、集光部の光入射側端面において、つぎの(式1)の関係を満たすようにすればよい。
|N1|<|√ε×√μ|
且つ、0.63<Z<1.58……(式1)
また、反射率を1%以内に抑えたい場合には、少なくとも、集光部の光入射側端面において、つぎの(式2)の関係を満たすようにすればよい。
|N1|<|√ε×√μ|
且つ、0.82<Z<1.22……(式2)
従来の構成における高屈折率部203の材料としては屈折率2のSiNを用いる場合が多いが、この時の反射率は11%程度となる。
反射率の値を比較すれば、集光部103の比誘電率と比透磁率を同時に制御することによって、集光効率向上と反射低減が両立できていることがわかる。
図3(a)は、集光部103に用いる材料の構成を説明する図である。
この構造はフィッシュネット構造と呼ばれ、誘電体によってz方向に互いに隔てられたx方向に伸びる金属柱ペアを、y方向に伸びる金属柱が結ぶ構成となっている。
ここで、フィッシュネット構造を用いた比透磁率制御について説明する。
フィッシュネット構造に対して、x方向に電場の振動方向、y方向に磁場の振動方向を持つ光が−z方向から入射したとする。
この時、二つのx方向に伸びる金属柱間で、互いに+x方向と−x方向に流れる電流が誘起される。即ち、二つの金属柱がインダクタの役割を果たす。
ところが、金属柱は誘電体によって隔てられており、ここに電荷が蓄積する。即ち、金属柱間に囲まれた領域がキャパシタの役割を果たす。
インダクタとキャパシタによってLC共振器が形成され、特定周波数において磁気双極子共鳴を起こすことができる(図3(b))。
図4(a)にフィッシュネット構造の比透磁率の周波数依存性を示す。
ω0は磁気双極子共鳴の共鳴周波数であり、ω0近辺で比透磁率が鋭いローレンツ分散を有している。
ω0と、分散の鋭さを決める共振器のQ値は、フィッシュネット構造の形状によって決定される。
したがって、共振器の形状を適切に設定すれば、任意の比透磁率を持つ材料が実現できることになる。例えば、フィッシュネット構造の大きさを50−500nm程度にすれば、可視光帯域にω0を持つ共振器が実現できる。
フィッシュネット構造に、x方向に電場の振動方向、y方向に磁場の振動方向を持つ光が−z方向から入射したとする。
この時、電場によって金属中の自由電子が分極を起こす。特に金属柱の長手方向(x方向)と電場の振動方向(x方向)が一致しているため、強い分極が生じる。自由電子による分極は一般にドルーデ模型で記述され、比誘電率は図4(b)のような周波数依存性を持つ。
金や銀のプラズマ周波数ωpは紫外域にあるため、可視光帯域においては、比誘電率は負の値を取る。
ここで、例えば使用する波長帯域において、金属柱の比誘電率の絶対値がN12よりも十分大きい|εFN|という値を取ったとする。
この時、フィッシュネット構造の形状を適切に制御することで、使用する波長帯域におけるフィッシュネット構造の比透磁率μFNを、
μFN=εFN/N12
とすると、
|√εFN×√μFN|>|N1|、√εFN/√μFN=N1
を両立させることができる。
まず、シリコン基板101内の所定の位置に光電変換部102を形成する(図5(a))。
続いて、シリコン基板上にAR−Nなどのレジスト13を塗り、EB描画と現像によって、フィッシュネット構造の1層目の平面視ネガパターンを作製する(図5(b))。
次に、EB蒸着法によってレジストがない部分に金などの金属14を蒸着する。その後、レジストをリフトオフすればフィッシュネットの第一層目が製造できる(図5(c))。
続いて、フィッシュネット構造部分以外をPC403などの樹脂15で埋め、CMPなどによって平坦化する(図5(d))。その後、(a)から(c)までのプロセスを繰り返せば、フィッシュネットの第二層目が製造できる(図5(e))。
フィッシュネット構造を複数積層したい場合はこれまでのプロセスを繰り返せばよい。
なお、本実施例では、集光部103の材料にフィッシュネット構造を用いたが、所望の比誘電率や比透磁率を実現できる構造であれば、フィッシュネット構造でなくてもよい。
また、図7(a)のように集光部103と光電変換部102の間に更に反射防止手段を設けてもよい。
反射防止手段を設けることで、集光部103と光電変換部102の間の反射も低減でき、より反射率の低い固体撮像素子が実現できる。
反射防止手段としては、使用する波長帯域における光学的な厚みが、波長の1/4倍であるような誘電体膜などを用いればよい。
さらに、図7(b)のように集光部103の光入射側にマイクロレンズを設けてもよい。
マイクロレンズを設けることで、集光部103に入射する光の入射角θ1が小さくなり、屈折角θ2をさらに小さくすることが出来る。
これによって、より集光効率の高い固体撮像素子が実現できる。
なお、この場合、光入射部104はマイクロレンズの部分に相当する。
したがって、マイクロレンズを形成する媒質の屈折率をN1として、
|N1|<|√ε×√μ|、N1=√ε/√μ
を満たすように集光部103の比誘電率と比透磁率を決定すればよい。
図8を用いて、実施例2における固体撮像素子の構成例について説明する。
本実施例では、実施例1のものに対してつぎのように構成されている点で異なる。
すなわち、本実施例では集光部113の比誘電率εと比透磁率が、|N1|<|√ε×√μ|の条件式を満たし、且つ光入射側から前記光電変換部側に向かって√ε/√μの値が変化するように構成されている。
光電変換部102の屈折率をN3とした時、√ε/√μの値は、光入射側で√ε/√μ=N1、光電変換部側で√ε/√μ=N3が成立するように、ε/μの値は変化している。
さらに、集光部113の屈折率の絶対値|√ε×√μ|は光入射部104の屈折率の絶対値|N1|より高い値を取っているので、集光部113を伝播する光の屈折角の絶対値は小さいまま保たれ、高い集光効率を得ることができる。
例えば、実施例1と同様にN1=1、光入射側でのε=−10、μ=−10とし、光電変換部102の媒質としてシリコンを想定し、N3=4とする。
この時、集光部113の光電変換部側でのε=−80、μ=−0.625とすれば、√ε/√μ=4となってN3と一致する。
この時、|√ε×√μ|=10>|N1|は保たれている。
したがって、フィッシュネット構造の形状を光入射側から光電変換部側に向かって徐々に変化させれば、|√ε×√μ|>|N1|の条件を満たしつつ、光入射側から前記光電変換部側に向かって√ε/√μの値が変化している集光部が実現できる。
集光効率を高めるためには、|√ε×√μ|が集光部内で大きい値を取り続けていることが好ましい。
また、集光部113内における√ε/√μの値は、図8(a)のように連続的に変化していてもよいし、図8(b)のように集光部113が√ε/√μの異なる複数の層113a〜113dからなる層構造で形成され、段階的に変化していてもよい。
図9を用いて、実施例3における固体撮像素子の構成例について説明する。
本実施例では、実施例1のものに対してつぎのように構成されている点で異なる。
すなわち、本実施例では図9(a)に示すように、集光部103の周囲に障壁部105が配置された構造を備える。
さらに、障壁部105の比誘電率をε2、比透磁率をμ2としたとき、障壁部105はつぎの(式3)の関係を満たすように構成される。
|√ε2×√μ2|<|√ε×√μ|……(式3)
集光部103の屈折率の絶対値|√ε×√μ|を、障壁部105の屈折率の絶対値|√ε2×√μ2|よりも大きくすれば、光入射部104から入射した光を集光部103に集中して光電変換部102まで導くことができる。
したがって、隣接画素にもれる光を低減することが可能となる。
また、図9(b)に示すように、障壁部内に配線部106などを設置した場合、従来の構造では、配線部106によって光が散乱し隣接画素に漏れるという課題があった。しかし、本実施例に示す構造では、集光部103に光が集中しているため、配線部による光の散乱を低減することが可能となる。
なぜなら、集光部103の屈折率の絶対値が障壁部105の屈折率の絶対値より高いほど、集光部103に光が集中し、集光効率が向上するからである。
特に、障壁部の比誘電率ε2および比透磁率μ2が、つぎの(式4)の関係を満たすようにすれば、更に集光効率を向上することができるため好ましい。
|√ε2×√μ2|<1……(式4)
ここで、|√ε2×√μ2|<1を満たす通常の媒質は存在しないため、集光部103と同様に障壁部105にもフィッシュネット構造を用いる。具体的には、図10に示す誘電率、透磁率の領域を用いればよい。フィッシュネット構造を障壁部105に用いたことで、従来の媒質を用いた場合に比べて、更なる集光効率の向上が可能となっている。
|√ε2×√μ2|=0を実現すれば、障壁部105内に完全に光が進入できないため更に好ましい。
また、図11のように、集光部103の幅が、光入射側部全体の幅から、光電変換部の幅に向かって狭くなっていると更に好ましい。
なぜなら、光入射部104全域から入射した光を、光電変換部102の幅に合わせて集光することが可能だからである。
なお、集光部103の幅は、図11(a)のように連続的に変化するようにしてもよいし、図11(b)のように段階的に変化するようにしてもよい。
101:シリコン基板
102:光電変換部
103、113:集光部
104:光入射部
105:障壁部
106:配線部
Claims (10)
- 光電変換部を内部に有する基板と、前記基板の光入射側に設けられた集光部と、を有し、前記光入射側からの入射光が前記集光部を通って前記光電変換部に導かれる固体撮像素子であって、
前記集光部は、磁気共鳴を生じさせる構造を有し、
前記集光部の前記光入射側の端面に接する媒質の屈折率をN1、前記集光部の比誘電率をε、前記集光部の比透磁率をμとしたとき、
少なくとも、前記端面において、つぎの(式1)の関係を満たすことを特徴とする固体撮像素子。
|N1|<|√ε×√μ|
且つ、0.63<N1/(√ε/√μ)<1.58……(式1) - つぎの(式2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
|N1|<|√ε×√μ|
且つ、0.82<N1/(√ε/√μ)<1.22……(式2) - 前記光電変換部と前記集光部との間に反射防止手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像素子。
- 前記集光部の比誘電率εおよび比透磁率μが、|N1|<|√ε×√μ|の条件を満たすと共に、
前記光入射側から前記光電変換部側に向かって、√ε/√μの値が連続的あるいは段階的に変化していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 前記集光部の周囲に障壁部を有し、前記障壁部の比誘電率をε2、前記障壁部の比透磁率をμ2としたとき、つぎの(式3)の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
|√ε2×√μ2|<|√ε×√μ|……(式3) - つぎの(式4)の関係を満たすことを特徴とする請求項5に記載の固体撮像素子。
|√ε2×√μ2|<1……(式4) - 前記集光部の幅が、前記光入射側から前記光電変換部側に向かって連続的あるいは段階的に変化していることを特徴とする請求項5または6に記載の固体撮像素子。
- 前記集光部の前記光入射側に、マイクロレンズを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
- 前記磁気共鳴を生じさせる構造は、前記基板に垂直な方向に離間した複数の金属構造体を有し、
各金属構造体は前記基板に水平な方向に1次元的に延びた部分構造を有し、
各金属構造体の前記部分構造の長手方向は、同一方向であり、
各金属構造物の前記部分構造は、前記同一方向において重なっていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の固体撮像素子。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の固体撮像素子を備えたカメラ。
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