JP5539658B2 - 反射材およびそれを用いた反射体および発光素子搭載用基板 - Google Patents
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Description
このようなセラミックスは、高反射性を有するだけでなく、従来、発光素子搭載用基板に用いられてきた合成樹脂に比べて、耐熱性や耐久性に優れ、長期間紫外線に曝されても劣化しないことから、室内照明用光源への利用が期待されている。
その一方で、セラミックスの表面における可視光線の反射率を高めるため様々な工夫がなされている。
例えば、セラミックスの内部に形成される気孔直径の大きさやその含有率(気孔率)を適宜調整してセラミックス表面における可視光線の反射率を高めたり、焼成済みセラミックスにおけるセラミック粒子の粒子径及び粒子群の占有面積を適宜調整して可視光線の反射率を高めたり、あるいは、セラミックスを構成するアルミナ粒子の表面に特定の形状を有する結晶構造を析出させることで可視光線の反射率を高める技術等が知られている。
しかしながら、セラミックス中に2族元素とニオビウムの化合物を含有させることで、その表面における可視光線の反射率を90%以上にすることができ、かつ、そのセラミックスの表面や内部に低抵抗金属からなる導電体の形成を可能にする技術については現時点では発見されていない。ただし、セラミックスの表面における可視光線の反射率を高める従来技術や、セラミックスの表面や内部に低抵抗金属からなる導電体を形成可能にする従来技術としては、例えば、以下のような発明や技術内容が知られている。
特許文献1に開示される発明は、発光ダイオード素子を実装するためのベース体の上部に、反射面を有する開口を形成したカバー体を貼着された発光ダイオード用パッケージにおいて、ベース体及びカバー体を気孔直径が0.10〜1.25μmのアルミナセラミックス又は気孔率が10%以上のアルミナセラミックスを用いて形成したことを特徴とするものである。
上記構成の特許文献1に開示される発明によれば、アルミナセラミックスの表面における反射率を、測定基準であるBaSO4を塗布した球体の表面における反射率に近似させることができるという効果を有する。
特許文献2に開示される発明は、光反射体が、2種類のセラミック結晶を含有するガラスセラミック焼結体からなり、第1のセラミック結晶の表面に、柱状の第2のセラミック結晶が形成されていることを特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に開示される発明によれば、ガラスセラミック焼結体の表面において、波長が400〜700nmである可視光線の反射率を78〜92%にすることができるという効果を有する。
特許文献3に開示される発明は、ガラスとセラミック粒子とを含有するガラスセラミックスからなり、前記ガラスセラミックスの断面において、前記セラミック粒子の粒子径が0.3〜1.0μmである粒子群の占有面積が前記断面の10〜70%であり、前記セラミック粒子が、アルミナ、ジルコニア、セルジアン、スラウソナイト、アノーサイト、ディオプサイト、フォルステライト、エンスタタイト、ガーナイト、スピネル、ウイレマイト、コーディエライト、ムライト、クオーツおよびこれらの固溶体の群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とするものである。
上記構成の特許文献3に開示される発明によれば、ガラスセラミックスの表面において、可視光線の反射率を61〜90%にすることができるという効果を有する。
特許文献4に開示される発明は、文献中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、少なくとも、熱伝導率が30W/m・K以上の第一の絶縁層1と、熱伝導率が30W/m・K未満の第二の絶縁層3とを積層してなる絶縁基板5と、該絶縁基板5の表面または内部のうち、少なくとも一方に形成された配線層7、11、9と、前記絶縁基板5の一方の主面に形成された電気素子または発光素子のうち少なくとも一方を搭載する搭載部13と、を具備してなるとともに、前記第一の配線層1が、前記第二の絶縁層3よりも搭載部13側に形成され、第一の絶縁層が、MgOを主結晶相とするMgO質焼結体からなり、第二の絶縁層が、アルミナ質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミックスからなる群のうちいずれかであることを特徴とするものである。
上記構成の特許文献4に開示される発明によれば、CuやAgといった低抵抗金属を導電体として用いることができる上、発光素子を搭載する絶縁層の表面における可視光線(波長360〜740nm)の反射率を60〜86%にすることができるという効果を有する。
加えて、気孔の径及び気孔の含有率を調整したアルミナセラミックスを用いることで、その表面における可視光領域の光の反射率を高めることができると考えられるものの、一般にセラミックスはその焼成工程において必ず焼成収縮が起こるため、特許文献1に開示されるアルミナセラミックスは、焼成後の寸法精度を高めることが難しいという課題があった。特に、プレス成形法により三次元的な立体形状を有するアルミナセラミックスを形成する場合、その外形寸法を高精度に維持管理することは極めて難しいという課題があった。
しかも、特許文献1に記載の発明においては、ベース体及びカバー体に十分な高反射性を付与するためにセラミックス内部における気孔率を10%以上にする必要がある、この場合、出来上がったアルミナセラミックスの機械的強度が低下してしまい、電子部品として用いた場合に、十分な強度や耐久性を発揮できない恐れもあった。
上記構成の発明において、原料粉体と、有機質バインダーとを混合して焼成して得られるガラスセラミックス焼結体からなる反射材は、その表面において波長410〜740nmの可視光線を90%以上反射させるという作用を有する。
また、請求項1に記載の反射材は、原料粉体としてホウ珪酸ガラス原料又はホウ珪酸ガラスと、アルミナと、金属ニオビウム又は酸化ニオビウムと、2族元素を用いることで、焼成時に高い屈折率を有する結晶体である化学式:XNb2O6(ただし、Xは2族元素である。)で示される2族元素とニオビウムの化合物を析出させるという作用を有する。
この場合、一般的な高反射性を有しないガラスセラミックス焼結体に高反射性を付与するために必要な粉体材料は、金属ニオビウム又は酸化ニオビウムと、2族元素の2種類のみであるため、原料の調達や製品のロットごとの品質管理を容易にするという作用を有する。
さらに、請求項1に記載の反射材は、800〜1220℃の温度で焼結して絶縁体となる。このため、請求項1に記載の反射材は、その表面や内部に低抵抗金属からなる導電体層の形成を可能にするという作用を有する。
上記構成の発明において、原料粉体と、有機質バインダーとを混合して焼成して得られるガラスセラミックス焼結体からなる反射材は、その表面において波長410〜740nmの可視光線を90%以上反射するという作用を有する。
また、請求項2に記載の反射材は、原料粉体としてホウ珪酸ガラス原料又はホウ珪酸ガラスと、アルミナと、化学式:XNb2O6(ただし、Xは2族元素である。)で示される2族元素とニオビウムの化合物とを用いることで、焼結済ガラスセラミックス焼結体の内部に高い屈折率を有する結晶体である化学式:XNb2O6(ただし、Xは2族元素である。)で示される2族元素とニオビウムの化合物を確実に含有させるという作用を有する。
この場合、一般的な高反射性を有しないガラスセラミックス焼結体を製造する際に用いる原料粉体に、高反射性を付与する目的で添加する粉体材料は、2族元素とニオビウムの化合物のみであるため、原料の調達や製品のロットごとの品質管理を容易にするという作用を有する。
さらに、請求項2に記載の反射材は、800〜1220℃の温度で焼結して絶縁体となる。このため、請求項1に記載の反射材は、その表面や内部に低抵抗金属からなる導電体層の形成を可能にするという作用を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において原料粉体中に必須成分として2族元素を加える代わりに、2族元素を含有するホウ珪酸ガラス原料又はホウ珪酸ガラスを使用する点を発明特定事項としたものであり、請求項1記載の発明と実質的に同じである。よって、その作用は請求項1記載の発明と同じである。
上記構成の発明は、請求項1記載の発明と同じ作用に加えて、原料粉体中に含有される珪酸塩は2族元素を供給して、焼成時に高い屈折率を有する結晶体である化学式:XNb 2 O 6 (ただし、Xは2族元素である。)で示される2族元素とニオビウムの化合物を析出させるという作用を有する。
なお、原料粉体中に含有される2族元素が複数種類の場合、例えば、原料粉体中に2族元素としてX=X1,X2,…,Xnが含有される場合、原料粉体中の複数種類の2族元素が並行して消費される。この結果、焼成済みのガラスセラミックス焼結体の内部に複数種類の2族元素とニオビウムの化合物(XNb2O6)=(X1)Nb2O6, (X2)Nb2O6,…,(Xn)Nb2O6が含有される場合もある。以下に示す請求項5においても同様である。
上記構成の発明は、請求項1乃至請求項4に記載の2族元素を具体的に示したものであり、その作用は請求項1乃至請求項4のそれぞれに記載の発明と同じである。
上記構成の発明は、請求項1乃至請求項5に記載のそれぞれの発明と同じ作用に加えて、請求項5に記載の反射材は、860〜1220℃の温度条件下で焼成することで焼成して絶縁体となる。従って、請求項5に記載の反射材は、その内部に低抵抗金属からなる導電体層の同時焼成による形成を可能にするという作用を有する。また、請求項5に記載の反射材の表面に低抵抗金属からなる導電体層のポストファイヤ法による形成を可能にするという作用も有する。
上記構成の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射材により形成されるため、請求項1乃至請求項6のそれぞれに記載の発明と同じ作用を有する。
また、請求項7記載の反射体で発光素子を囲繞することで、発光素子が可視光線を発する場合には、その表面で可視光線を高効率で反射することで基板の法線方向における可視光線の出力が低下するのを抑制するという作用を有する。さらに、発光素子が紫外光又は近紫外光を発し、この紫外光又は近紫外光を波長変換材により可視光線に変換する場合も、波長変換材により変換された可視光線をその表面で高効率で反射することで、基板の法線方向における可視光線の出力が低下するのを抑制するという作用を有する。
上記構成の発明において基体は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射材により構成されるため請求項1乃至請求項6のそれぞれに記載の発明と同じ作用を有する。
さらに、基体はその上面に発光素子を搭載した場合に、基体の表面において発光素子から発せられる可視光線、又は、発光素子から発せられた紫外光又は近紫外光が波長変換材により変換された可視光線を高効率で反射するという作用を有する。
この結果、請求項8記載の基体の表面において、可視光線が減衰するのを抑制するという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項8記載の発明と同じ作用を有する。また、基体の上面に形成される凹部は、発光素子を収容するという作用を有する。そして、発光素子を囲繞するように形成される凹部の内側面は、請求項7記載の反射体と同じ作用を有する。
すなわち、請求項9記載の発明は、請求項8記載の発光素子搭載用基板に、請求項7記載の反射体を備えたものと同じ作用を有する。
上記構成の発明は、請求項8又は請求項9に記載の発明と同じ作用に加えて、導電体層を、ガラスセラミックス焼結体を焼成した後にポストファイヤ法により形成することで、ピッチ精度の高い導電体層を形成させるという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項8乃至請求項10に記載のそれぞれの発明と同じ作用に加えて、導電体層をAg−Pd合金、Ag−Pt合金、Ag、Au、Cu、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−Zr合金から選択される少なくとも1種により形成することで、この導電体層に電気信号を伝送する際の電気抵抗を小さくするという作用を有する。また、請求項11記載の発明を鉛(Pb)フリーの電子部品にするという作用も有する。
上記構成の発明は、請求項8記載の発明と同じ構成(請求項8記載の発明において、基体の表面に形成される「導電体層」が請求項12記載の発明における「第2の導電体層」に対応。)に加えて、基体の内部に第1の導電体層を備えるものである。従って、請求項12に記載の発明は、請求項8記載の発明と同じ作用に加えて、基体の内部に配線回路を収容可能にするという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項12記載の発明と同じ作用に加えて、請求項9記載の発明の凹部及びその内側面の作用と同じ作用を有する。
すなわち、請求項12記載の発光素子搭載用基板に、請求項7記載の反射体を設けたものと同じ作用を有する。
上記構成の発明は、請求項12又は請求項13に記載の発明と同じ作用に加えて、基体及び第1の導電体層を同時焼成することで、絶縁体とその内部に形成される回路配線を同時に焼成させるという作用を有する。また、この後に、基体の表面にポストファイヤ法により第2の導電体層を形成することで、ピッチ精度の高い第2の導電体層を形成させるという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項14記載の発明と同じ作用に加えて、第1及び第2の導電体層をAg−Pd合金、Ag−Pt合金、Ag、Au、Cu、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−Zr合金から選択される少なくとも1種により形成することで、この導電体層に電気信号を伝送する際の電気抵抗を小さくするという作用を有する。また、請求項14記載の発明を鉛(Pb)フリーの電子部品にするという作用も有する。
また、2族元素とニオビウムの化合物の析出時に同時に析出する,又は,原料粉体として予め供給されるアノーサイト(ガラス成分微結晶)の熱膨張係数は、一般に5.0×10-6〜3.2×10-6程度であり、アルミナセラミックスや窒化アルミニウム焼結体に比べて小さいので、請求項1に記載の反射材に昇降温が繰り返された場合でも亀裂の発生や破損等の不具合が生じるのを防止することができる。このため、請求項1に記載の反射材の機械的強度を高めることができるという効果を有する。
さらに、請求項1記載の反射材においては、一般的に高い屈折率を有すると言われるアルミナ粒子やアノーサイトに加えて、ジルコニウムに匹敵する程のさらに高い屈折率を有する化学式:XNb 2 O 6 (ただし、Xは2族元素である。)で示される2族元素とニオビウムの化合物の結晶体を含有させることで、これらの境界面において好適に可視光線を反射することができるので、請求項1記載の反射材を構成するガラスセラミックス焼結体の内部における可視光線の拡散反射を促進して、その表面における可視光線の反射率を90%以上にすることができるという効果を有する。
また、このような高反射性を有するガラスセラミックス焼結体を製造するのに必要な原料粉体は、通常の高反射性を有しないガラスセラミックスを製造する際に必要な従来公知の粉体原料(ホウ珪酸ガラス原料又はホウ珪酸ガラス、および、アルミナ)以外に、金属ニオビウム又は酸化ニオビウム,及び,2族元素のみであるため、原材料の調達が容易な上、製造時にロット毎に製品の品質のバラツキ(例、可視光線の反射率のバラツキ)を小さくすることができる。
従って、請求項1に記載の発明によれば、可視光線を高効率で反射し、しかも、紫外線による劣化や、酸化による変色が生じない高反射性材料を高効率かつ高精度に生産して提供することができるという効果を有する。
つまり、高反射性を有するガラスセラミックス焼結体を、基板の絶縁体として用いることができるので、その汎用性を高めることができる。
しかも、請求項7記載の反射体は、紫外光や大気中の酸素や硫化物に曝されても劣化したり変色しないので、長期間にわたりその表面における可視光線の反射性を高い状態に維持することができる。つまり、発光素子から発せられる可視光線,又は,発光素子から発せられた紫外光又は近紫外光が波長変換材により変換された可視光線の発光出力が低下するのを長期間にわたって防止することができる。
この結果、室内用等の光源に適した高反射性でかつ高耐久性を有する反射体を提供することができるという効果を有する。
しかも、請求項8記載の基体は、紫外光や大気中の酸素や硫化物に曝されても劣化したり変色しないので、長期間にわたりその表面における可視光線の反射性を高い状態に維持することができる。つまり、発光素子から発せられる可視光線,又は,発光素子から発せられた紫外光又は近紫外光が波長変換材により変換された可視光線の発光出力が低下するのを長期間にわたって防止することができる。
この結果、室内用等の光源に適した高反射性でかつ高耐久性を有する絶縁性の基体を提供することができるという効果を有する。
すなわち、請求項9記載の発明は、請求項8記載の発光素子搭載用基板に請求項7記載の反射体を搭載したものと同じ効果を有する。
さらに、請求項9記載の発明は、基体の表面に凹部を形成することで、請求項8記載の発明と請求項7記載の発明を一体に構成することができるので、これらを別々に製造してから請求項8記載の発光素子搭載用基板上に請求項7記載の反射体を搭載する場合に比べて、製造工程を簡素にすることができるという効果を有する。
この結果、発光素子の搭載面とその周囲に形成される反射面とがともに高反射材料により形成された発光素子搭載用基板の生産性を高めることができる。
この場合、請求項10記載の発光素子搭載用基板を製品とした際に、不具合が生じる恐れを低減することができるので、製品の歩留まりを高くすることができるという効果を有する。
この結果、請求項11記載の発光素子搭載用基板における電気信号の伝送効率を向上するとともに、環境に優しい鉛(Pb)フリーの電子部品を提供することができるという効果を有する。
この結果、複雑な配線回路を有する発光素子搭載用基板の形態をコンパクトにすることができるので、最終製品の小型化に寄与することができるという効果を有する。
この場合、請求項14記載の発光素子搭載用基板を製品とした際に、不具合が生じる恐れを低くすることができ、製品の歩留まりを高くすることができるという効果を有する。
この結果、請求項11記載の発光素子搭載用基板における電気信号の伝送効率を向上するとともに、環境に優しい鉛(Pb)フリーの電子部品を提供することができるという効果を有する。
一般にLTCC(低温焼成セラミックス)として知られるホウ珪酸ガラスは、高い機械的強度を備えると同時に、熱膨張率が小さいため昇降温が繰り返された場合でも破損する恐れが少ない。このため、エレクトロニクス分野における基板用材料等として注目されている。
また、ガラスセラミックスを含むセラミックスは、一般に、合成樹脂のように紫外線を照射した際の劣化が起こらず、金属材料のように酸化や、大気中の化合物との化学反応により変色する恐れがないという長所を有している。
そこで、本発明の実施例1に係る反射材は、このようなガラスセラミックス(ホウ珪酸ガラス)の特性を利用しつつ、その内部にジルコニアに匹敵する程度の高屈折率を有する結晶体を含有させることで、その表面における可視光線の反射率を大幅に向上させて、高反射性を有する反射体や基板用の絶縁体として利用できるよう改良されたものである。
なお、この2族元素とニオビウムの化合物は、化学式:XNb2O6(ただし、Xは2族元素である。)で示されるものであり、アノーサイト(ガラス成分微結晶)の析出時に実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)の内部に析出する結晶体である。
また、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)の内部に2族元素とニオビウムの化合物を含有させる方法としては、上述のように焼成時に2族元素とニオビウムの化合物を析出させる方法の他に、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)の原料粉体中に予め2族元素とニオビウムの化合物を含有させておく方法もある。詳細については後述する。
図1に示すように、反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の上面1aに可視光線3が照射されると、可視光線3の一部はガラスセラミックス焼結体1の上面1aにおいて反射光5として反射される一方で、ガラスセラミックス焼結体1の上面1aから入射光4として内部に侵入し、ガラスセラミックス焼結体1の下面1bにおいて反射されなかった入射光4は透過光7として反射材1の下面1bから外部に放射されてしまう。
このように、可視光線3の一部がガラスセラミックス焼結体1の内部を通過して透過光7として外部に放射されてしまうことで可視光線3の減衰が起こると考えられる。
そこで、実施例1に係る反射材を構成するガラスセラミックス焼結体1においては、その内部に、常温下において比較的高い屈折率を有するアルミナやアノーサイトに加え、ジルコニアに匹敵する程の高い屈折率を有する2族元素とニオビウムの化合物2を内包させることで、これらの境界面において好適に入射光4が反射され散乱されるよう構成されている。
この結果、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の下面1bから外部に放射される透過光7が少なくなり、ガラスセラミックス焼結体1の上面1aにおける可視光線の反射率を標準白板と比較して90%以上にすることができる。
このアノーサイト8は、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1を製造する際に用いる原料粉体の母材として、ホウ珪酸ガラス原料又はホウ珪酸ガラス(結晶化済アノーサイト)を用いることで、焼成時にガラスセラミックス焼結体1の内部に析出させることによって間接的に又は直接的に供給される。
また、ホウ珪酸ガラス原料として添加される、カルシア(CaO)は、2族元素とニオビウムの化合物2を生成(析出)させるための2族元素の供給源としても機能する。このため、ホウ珪酸ガラス原料に、例えば、カルシア(CaO)やマグネシア(MgO)、その他2族元素(Mg,Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種類)を含んだ化合物で焼成時にガラスセラミックス焼結体1を着色しないもの、あるいは、2族元素(Mg,Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種類)を含んだ珪酸塩が含まれる場合には、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の製造時に原料粉体中に、別途2族元素を添加する必要はない。
図2は、本発明の実施例1に係る反射材の内部断面を示す概念図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、実施例1においては、波長360〜740nmを有する光を可視光線と呼んでいる。以下に示す他の実施例においても同様である。
図2に示すように、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1は、アノーサイト8、アルミナ粒子9、2族元素とニオビウムの化合物2(結晶体)、及び、これらの3種類の粒子同士の空隙により形成される気孔10により形成されている。
このようなガラスセラミックス焼結体1の内部には、異なる屈折率を有する2種類の物質(粒子−粒子、または、粒子−気体)が接触する面、すなわち、可視光線を反射させる反射面が無数に形成されている。
そして、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の内部に形成される反射面は大きく2種類に大別することができ、一方はガラスセラミックス焼結体1の固体部分を形成する粒子、すなわち、アノーサイト8又はアルミナ粒子9又は2族元素とニオビウムの化合物2と,気孔10とが接触する境界面11であり、もう一方は、アノーサイト8とアルミナ粒子9、アノーサイト8と2族元素とニオビウムの化合物2、アルミナ粒子9と2族元素とニオビウムの化合物2の接触面である粒界12である。
このように、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1においては、一般に高い屈折率を有するアルミナ粒子9やアノーサイト8に加えて、ジルコニアに匹敵する程の高い屈折率を有する2族元素とニオビウムの化合物2を含有させることで、アノーサイト8と2族元素とニオビウムの化合物2、あるいは、アルミナ粒子9と2族元素とニオビウムの化合物2の接触面の粒界12における可視光線3の反射性が大幅に向上する。この結果、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の内部における可視光線の拡散反射が大幅に促進するのである。
なお、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1は、860〜1220℃の温度条件下において焼成した場合に、可視光線の反射率が90%以上となった。そして、特に、1020〜1100℃の温度条件下において焼成した場合には、波長470〜720nmの可視光線の反射率が97%以上であった。
(配合例1)
原料粉体の総重量に対して、配合Pのホウ珪酸ガラス原料を54wt%、アルミナを36wt%、酸化ニオビウムとして、五酸化ニオビウム(Nb2O5)を10wt%添加する。
この場合、ホウ珪酸ガラス原料の少なくとも一部を結晶化済のホウ珪酸ガラスを粉体状にしたもの(以下、単にホウ珪酸ガラスという。)に置換えても良い。
また、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1に好適に高反射性を付与するためには、酸化ニオビウム(Nb2O5)を原料粉体の総重量の5wt%以上とすることが望ましい。
これは、酸化ニオビウム(Nb2O5)の添加量が5wt%よりも少ないと、反射材1の内部に十分な量の2族元素とニオビウムの化合物2が十分に析出せず、この結果、特に高い反射性を有するアノーサイト8と2族元素とニオビウムの化合物2の、あるいは、アルミナ粒子9と2族元素とニオビウムの化合物2の粒界12の面積が相対的に低下して、ガラスセラミックス焼結体1の内部において可視光線3が十分に拡散反射されなくなってしまうためである。なお、以下に示す他の配合例においても同様である。
さらに、酸化ニオビウムに代えて金属ニオビウムを添加してもよい。この場合、酸化雰囲気中又は大気中において焼成することで、金属ニオビウムは容易に酸化ニオビウムとなる。
原料粉体の総重量に対して、配合Pのホウ珪酸ガラス原料を54wt%、アルミナを36wt%、2族元素とニオビウムの化合物2として、フェルスマイト(Fersmite:CaNb2O 6 )を10wt%添加する。
配合例1が、焼成時に2族元素とニオビウムの化合物2を析出させて実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1に2族元素とニオビウムの化合物2を含有させるのに対して、配合例2は、2族元素とニオビウムの化合物2を予め原料粉体中に添加しておくことで実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の内部に2族元素とニオビウムの化合物2を含有させるものである。
この場合、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の内部に高反射性を付与する2族元素とニオビウムの化合物2を確実に含有させることができるので、製造時にロットごとの製品のバラツキを極めて少なくすることができるという効果を有する。
よって、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1においては、その内部にアノーサイト8を含有させることで、ガラスセラミックス焼結体1の熱膨張係数を低減させることができ、ガラスセラミックス焼結体1に昇降温が繰り返された場合でも、亀裂が生じる等の不具合が生じるのを防止することができるという効果を有する。
この場合、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1を、例えば、発光素子搭載用基板や、発光素子収納用パッケージに用いる高反射性の反射体として用いる場合、反射体の高反射性を維持しながらその熱膨張係数を被接合対象である基板の熱膨張係数に近似させることができる。
従って、このようなガラスセラミックス焼結体1から成る反射体を用いた発光素子搭載用基板や、発光素子収納用パッケージが、発光素子の発光や消灯に伴って昇降温が繰り返しされた場合であっても、基板と反射体の接合部分に亀裂が生じたり、基板から反射体が剥離するといった不具合が生じるのを防止することができる。
図3は実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の製造工程を示すフローチャートである。なお、図1又は図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図3に示すように、実施例1に係る反射材1を製造するには、ホウ珪酸ガラス原料と,アルミナと, 酸化ニオビウム又は金属ニオビウム又は2族元素とニオビウムの化合物2と,必要に応じて2族元素からなる原料粉体を調合する(ステップS1)。
このとき、粉体原料の総重量に対して、酸化ニオビウムを5wt%以上、また、アルミナは15〜40wt%の範囲内となるよう配合することが望ましい。
また、ホウ珪酸ガラス原料の少なくとも一部をホウ珪酸ガラスに置き換えてもよい。さらに、ホウ珪酸ガラス原料の少なくとも一部を灰長石、又は、灰長石とホウ珪酸ガラスに置き換えることも可能である。なお、このホウ珪酸ガラスは、例えば、上述の配合Pのホウ珪酸ガラス原料を850℃の温度条件下において焼成してなる結晶化ガラスを粉体状に粉砕したものである。
なお、図3においては、原料の調合工程(ステップS1)において酸化ニオビウム又は金属ニオビウム又は2族元素とニオビウムの化合物2を添加する場合を例に挙げて説明しているが、粉砕及び混合工程(ステップS2)の後に予め所望の平均粒径に調整した酸化ニオビウム又は金属ニオビウム又は2族元素とニオビウムの化合物2を添加してもよい。
この工程の後に、上述のような工程を経て作製したセラミックス成形体を、例えば、酸化(O2)雰囲気中又は大気中において、860〜1220℃の温度条件下で焼成すればよい(ステップS5)。
なお、焼成時に実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の内部に2族元素とニオビウムの化合物2を析出させる場合で、かつ、ガラスセラミックス焼結体1の原料粉体中に複数種類の2族元素が含有されている場合、焼成時に複数種類の2属元素が並行して消費されて2族元素とニオビウムの化合物2の結晶体、すなわち、XNb2O6(ただし、Xは2族元素である。)が析出する可能性もある。
そして、例えば、原料粉体中に2族元素の供給源として、複数種類の2族元素を含有する珪酸塩(例えば、CaMg(SiO3)2(diopside)、CaMgSiO4(monticellite)等)を用いた場合、焼成済みのガラスセラミックス焼結体1の内部に複数種類の2族元素とニオビウムの化合物2の結晶体が混在する可能性があり、この場合、これらはいずれも同じような結晶構造を形成すると考えられるため、いずれも高い屈折率を有する可能性がある。
また、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1は、一旦焼成した後、酸化雰囲気中又は還元雰囲気中又は真空中において、かつ、このガラスセラミックス焼結体1の焼成温度以下の温度条件下において再焼成した場合でも黄変等の変色が生じない。つまり、酸化雰囲気中又は還元雰囲気中又は真空中において再焼成した場合でも可視光線を良好に反射させることができるという優れた性質を備えている。
このことはすなわち、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の高反射性を損なうことなくガラスセラミックス焼結体1の表面に、金属ろう材を用いて他の電子部品を接合することができることを意味している。
図4は本発明の実施例2に係る反射体の一例を示す概念図である。
図4に示すように、実施例2に係る反射体13は、上述のような実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1を、例えば、プレス成形法により、例えば、環状に形成したものである。
なお、本願でいう「環状」とは、必ずしも「円形」のみを意味しているのではなく、多角形などの角を有するものでもよく、端部を備えることなく連続してつながっている状態を示すものである。
また、実施例2に係る反射体13は必ずしも環状である必要はなく、可視光線3をその表面において良好に反射することができるような形態のものであれば、必ずしも環状でなくともよい。すなわち、光源の外側面を、例えば、角柱状の部材を複数組み合わせて取り囲んだものも実施例2に係る反射体13の概念に含まれる。
そして、実施例2に係る反射体13は、上述の実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1により構成されるため、その効果は実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1と同じである。つまり、実施例2に係る反射体13は、その反射面13aにおいて可視光線3を90%以上反射することができ、しかも、紫外線による劣化や、酸化による変色が生じないという高耐久性を有していので、室内光源への利用に適している。
よって、上述のような紫外光を発する発光素子と、紫外光により励起される蛍光体を備える発光素子搭載用基板、あるいは、発光素子収納用パッケージの発光効率を向上することができるという効果を有する。
なお、発光素子搭載用基板や、発光素子収納用パッケージの基板への反射体の接合と、導電ペーストを焼成するための焼成工程を酸化雰囲気中で行うには、導電ペーストの主成分に、Ag−Pd合金、Ag−Pt合金、Ag、Auを用いればよい。また、元雰囲気中でこの焼成工程を還行うには、導電ペーストの主成分にCuを用いればよい。さらに、真空中でこの焼成工程を行うには、導電ペーストの主成分に、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−Zr合金を用いればよい。
このように、ガラスセラミックス焼結体1から成る反射体13を低融点金属を主成分とする金属ろう材を用いて被接合対象に接合することで、例えば、合成樹脂製からなる接着剤を用いて接合した場合に比べてその接合強度を大幅に向上させることができるという効果を有する。また、紫外線等による接合材の劣化を防止することができるという効果も有する。
図5(a)は実施例3に係る発光素子搭載用基板の断面図であり、(b)は実施例3に係る発光素子搭載用パッケージの断面図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例3に係る発光素子搭載用基板及びそれを用いた発光素子搭載用パッケージは、発光素子を搭載するための絶縁性の基体15に、高反射性を付与した実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1を用いたものである。
より具体的には、図5(a)に示すように、実施例3に係る発光素子搭載用基板14は、高反射性を有しかつ絶縁性を有するガラスセラミックス焼結体1から成る平板状の基体15の上面15aに、導電体層16及び接合材17を備えるものである。なお、接合材17は導電体層16と同じ低融点金属を主成分とするものであり、基体15の上面15a上に図示しない発光素子や反射体を接合するためのものである。なお、基体15と,導電体層16及び接合材17は同時焼成により形成させることができる。
そして、基体15の上面15a上には、導電体層16及び接合材17により、少なくとも1つの搭載部18が形成されている。
図5(a)には、基体15の上面15a上に複数の搭載部18を設けた場合を例に挙げているが、搭載部18の数は1つであってもよい。以下に示す他の実施例においても同様である。
なお、図5(b)に示す実施例3に係る発光素子搭載用パッケージ19おいては、ワイヤーボンディング方式により発光素子21と導電体層16とを電気的に接続する場合を例に挙げて説明しているが、発光素子21は接合材17上にフリップチップ方式により搭載されてもよい。なお、以下に示す他の実施例においても同様である。
また、図5(b)に示す発光素子搭載用パッケージ19においては、反射体13を、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1から成る反射体13を用いた場合を例に挙げて説明しているが、これ以外にも、表面にAgメッキ層を有する金属製の反射体や、アルミナセラミックス等の従来公知の高反射材からなる反射体を用いてもよい。
さらに、特に図示しないが実施例3に係る発光素子搭載用パッケージ19においては、キャビティ20に収容される発光素子21を合成樹脂等からなる封止材により封止してもよいし、あるいは、反射体13の内側面13aに図示しないレンズを覆設してキャビティ20に収容される発光素子21を密封しても良い。
いずれの場合も、発光素子21を保護して破損を防止するという効果を有する。
この結果、実施例3に係る発光素子搭載用基板14及び発光素子搭載用パッケージ19を用いることで、経時変化に伴う発光出力の低下を抑制することができるという効果を有する。従って、室内用の光源に適した電子部品を提供することができるという効果を有する。
この場合、キャビティ20に充填される封止材や、反射体13の内側面13aに覆設されるレンズの内部に、紫外光又は近紫外光を可視光線に変換する波長変換材を内包又は付着させておき、すなわち、キャビティ20内に波長変換材を収容して発光素子搭載用パッケージ19から可視光領域の光が放射されるよう構成してもよい。
この場合、波長変換材から発せられる可視光線3を、基体15の上面15aにおいて高効率で反射することができるので、上述の発光素子搭載用基板14や発光素子搭載用パッケージ19と同様の効果が期待できる。なお、以下に示す他の実施例においても同様である。
一般に、基体15を構成するガラスセラミックス焼結体1の結晶化率がほぼ100%の場合、その後、このガラスセラミックス焼結体1を再焼成した場合でもX−Y−Z方向における寸法変化がほとんど生じないので、基体15の上面15a導電体層16及び接合材17をポストファイヤ法により形成する場合、そのピッチ精度は、基体15の上面15aに印刷される導電性ペーストの印刷精度にのみ依存することになる。
従って、基体15の表面に高いピッチ精度を維持しながら導電ペーストを印刷することができれば、ポストファイヤ法により形成される導電体層16や接合材17のピッチ精度は高くなるのである。
よって、高品質の発光素子搭載用基板14及び発光素子搭載用パッケージ19を提供することができるという効果を有する。
この場合、実施例3に係る発光素子搭載用基板14や発光素子搭載用パッケージ19の放熱性を高めることができるので、製品としての信頼性を高めることができる。なお、以下に示す実施例4においても同様である。
これらはいずれも低抵抗金属であるため、電気信号が伝送される際の電気抵抗の発生を抑制することができるという効果を有する。
また、導電体層16及び接合材17は基体15とともに同時焼成することも、あるいは、基体15を焼成した後に、Ag−Pd合金、Ag−Pt合金、Ag、Au、Cu、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−Zr合金から選択される少なくとも1種類を用いて導電体層16や接合材17をポストファイヤ法により形成することもできる。
さらに、上記の低抵抗金属はいずれも鉛(Pb)を含有しないので、実施例3に係る発光素子搭載用基板14及び発光素子搭載用パッケージ19を環境に優しい鉛フリーの電子部品にすることができるという効果も有する。なお、以下に示す他の実施例においても同様である。
図6(a)は実施例4に係る発光素子搭載用基板の断面図であり、(b)は実施例4に係る発光素子搭載用パッケージの断面図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。ここでは、実施例3に係る発光素子搭載用基板14や発光素子搭載用パッケージ19との相違点に重点をおいて説明する。
図6(a),(b)に示すように、実施例4に係る発光素子搭載用基板23は、実施例3に係る基体15の上面15aに搭載部18や発光素子21を収容するための凹部24を備えたものである。
また、実施例4に係る発光素子搭載用基板23は、基体15の下面15bから上面15aに形成される導電体層16に向って電気信号を伝送することができるよう、基体15の厚み方向を貫通するビア30aが形成されその内部に導電体30bが充填され、さらに、基体15の下面15bで導電体30bの露出部分には外部からの電気信号を伝送するための端子27が形成されている。
そして、図6(b)に示すように、搭載部18に発光素子21が搭載されこの発光素子21と導電体層16とがワイヤ22により接続されたものが実施例4に係る発光素子搭載用パッケージ28である。
また、実施例4に係る発光素子搭載用パッケージ28は、実施例3に係る発光素子搭載用パッケージ19(図5(b)を参照。)とほぼ同じ作用・効果を有する。
すなわち、いずれの場合も凹部24の内側面25aは、反射体13の内側面13aと同じ作用・効果を有し、凹部24の底面25bは、実施例3に係る基体15の上面15aと同じ作用・効果を有している。
しかも、実施例4に係る発光素子搭載用基板23及び発光素子搭載用パッケージ28においては、基体15の上面15aに別途反射体を接合する必要がないのでその分、製造工程を簡略化することができるという効果を有する。
この結果、高品質な製品を廉価に提供することができるという効果を有する。
なお、実施例4に係る基体15と、導電体層16,接合材17,導電体30bとは同時焼成により形成することができる。
図7(a)は実施例5に係る発光素子搭載用基板の断面図であり、(b)は実施例5に係る発光素子搭載用パッケージの断面図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。ここでは実施例3に係る発光素子搭載用基板14や発光素子搭載用パッケージ19との相違点に重点をおいて説明する。
実施例5に係る発光素子搭載用基板29は、図7(a)に示すように、基体15が複数積層されてなる基板31の上面31aに、導電体層16及び接合材17からなる搭載部18が少なくとも1つ形成され、さらに、図示しない反射体を接合するための導電体層16からなる接合材17が設けられるものである。
また、基板31は、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1から成る絶縁性の基体15が複数積層されてなる積層体の各層間に導電体層26が形成され、さらに、各層間の導電体層26同士、あるいは、基板31の上面に形成される導電体層16と導電体層26とを電気的に接続するために、基体15を貫通して形成されるビア30aに導電体30bが充填されたものである。さらに、基板31の下面31bに露出する導電体30bの上には、外部から伝送される電気信号を取り込むための端子27が形成されている。
また、上述のような実施例5に係る発光素子搭載用基板29上に、例えば、実施例2に係る反射体13を搭載し、さらに、搭載部18の接合材17に発光素子21を搭載してから発光素子21と導電体層16とをワイヤ22により接続したものが実施例5に係る発光素子搭載用パッケージ32である。
なお、実施例5に係る発光素子搭載用パッケージ32における反射体13に代えて、表面にAgメッキ層を有する金属製の反射体や、アルミナセラミックス等の従来公知の高反射材からなる反射体を用いることも可能である。
また、図7(b)に示すような実施例5に係る発光素子搭載用パッケージ32は、実施例3に係る発光素子搭載用パッケージ19と同じ作用・効果に加えて、基板31の内部に複雑な回路配線を収納することができるという効果を有する。これにより、複雑な回路配線を有する発光素子搭載用パッケージ19をコンパクトな形態にすることができるという効果を有する。
なお、本願明細書中においては、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1から成る絶縁体を「基体」と呼び、この基体を積層してなり各層間に導電体層26を収容して導電体層26同士をビア30aに充填される導電体30bにより電気的に接続した物を「基板」と呼んで区別している。
さらに、実施例5に係る発光素子搭載用基板29や発光素子搭載用パッケージ32に用いられる、導電体層16,接合材17,導電体層26,端子27,導電体30bにAg−Pd合金、Ag−Pt合金、Ag、Au、Cu、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−Zr合金から選択される少なくとも1種類を用いることによる作用・効果も実施例3の場合と同様である。
そして、特に図示しないが、実施例5に係る発光素子搭載用基板29や発光素子搭載用パッケージ32は、発光素子21が搭載される導電体層16の真下に少なくとも1つのサーマルビアを形成し、このサーマルビアに導電体30bと同質の導電体を充填し、基板31の下面31bにおけるその露出部分にやはり導電体30bと同質の導電体から成る放熱体を備えた構造としてもよい。
この場合、実施例5に係る発光素子搭載用基板29や発光素子搭載用パッケージ32の放熱性を高めることができるので、製品としての信頼性を高めることができる。
図8(a)は実施例6に係る発光素子搭載用基板の断面図であり、(b)は実施例6に係る発光素子搭載用パッケージの断面図である。なお、図1乃至図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。ここでは実施例4に係る発光素子搭載用基板23や発光素子搭載用パッケージ28との相違点に重点をおいて説明する。
実施例6に係る発光素子搭載用基板35は、図8(a),(b)に示すように、実施例5に係る基板31の上面31aに、反射体を接合するための接合材17を設けることなく、実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1から成る基体15を積層して実施例2に係る反射体13と同様の作用・効果を有するものを形成したものである。別の言葉で言い換えると、基板31に搭載部18を収容するための凹部37を形成したものである。
また、実施例6に係る発光素子搭載用パッケージ36は、上述のような発光素子搭載用基板35の搭載部18に発光素子21を搭載し、この発光素子21と導電体層16とをワイヤ22で電気的に接続したものである。
すなわち、凹部37の内側面37aは実施例4に係る凹部24の内側面25aと同様の作用・効果を、また、凹部37の底面37bは実施例4に係る凹部24の底面25bと同様の作用・効果を有する。また、実施例6に係る基板31は、その内部に複雑な配線回路を収容するという作用を有する。
また、図8(b)に示す実施例6に係る発光素子搭載用パッケージ36は、実施例4に係る発光素子搭載用パッケージ28と同じ作用・効果に加えて、実施例5に係る発光素子搭載用基板29と同じ作用・効果を有する。
すなわち、実施例6に係る発光素子搭載用基板35や発光素子搭載用パッケージ36は、基板31への反射体の取付を省略するとともに、基板31の内部に複雑な回路配線を収容することができるという効果を有する。この結果、高品質な製品を廉価に提供できるという効果を有する。
さらに、図8(a),(b)に示すように、実施例6に係る発光素子搭載用基板35や発光素子搭載用パッケージ36は、発光素子21が搭載される導電体層16の真下に少なくとも1つのサーマルビア33aを形成し、このサーマルビア33aに導電体30bと同質の導電体33bを充填し、基板31の下面31bにおけるその露出部分にやはり導電体30bと同質の導電体33bから成る放熱体34を備えた構造としてもよい。この場合、実施例6に係る発光素子搭載用基板35や発光素子搭載用パッケージ36の放熱性を高めることができるので、製品としての信頼性を高めることができる。
そして、実施例6に係る発光素子搭載用基板35や発光素子搭載用パッケージ36に用いられる、導電体層16,接合材17,導電体層26,端子27,導電体30b,導電体33bにAg−Pd合金、Ag−Pt合金、Ag、Au、Cu、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−Zr合金から選択される少なくとも1種類を用いることによる作用・効果も実施例3の場合と同様である。
先に述べた配合例1に記載の割合(ホウ珪酸ガラス原料(配合P):アルミナ:五酸化ニオビウム(Nb2O5)=54wt%:36wt%:10wt%)で混合した原料粉体を図3に示すステップS1〜ステップS3の手順に従って成形用樹脂を調合した後、スプレードライヤーを用いて粒状にし、プレス成形法によりペレット状のセラミックス成形体を作成した。さらに840〜1220℃の温度条件下において、より具体的には、860℃,900℃,940℃,980℃,1020℃,1060℃,1100℃,1140℃,1180℃,1220℃の温度条件下において焼成して直径約11mm、厚み約3mmのペレット状のガラスセラミックス焼結体1を得た。
型番CM−3700d)によりガラスセラミックス焼結体1の表面における可視光線の反射率を計測した(試験1)。次に、各温度条件下において焼成されたガラスセラミックス焼結体1を粉砕した粉末を用いてその結晶構造をX線回折法により調べた(試験2)。さらに、1060℃の温度条件下において焼成されたガラスセラミックス焼結体1の研磨面の様子を反射電子像により観察した(試験3)。
各温度条件下において焼成されたガラスセラミックス焼結体1の反射率は図9に示す通りである。
図9は焼成温度を変えて製造した実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の表面における反射率を測定した結果を示すグラフである。
図9からも明らかなように、焼成温度を860℃から高くしていくと実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1の表面における可視光線の反射率も増加し、1060〜1100℃で反射率は最大となるが、1140℃以上になると反射率は減少する傾向が認められた。
図10(a)は1060℃で焼成した実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1をX線回折法による分析データであり、(b)は図10(a)に示すデータからピークデータを抽出して登録データと対比したものである。また、(c)は1060℃で焼成した実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1に含有される個々の結晶層のピークを示すカードデータである。
X線回折法による分析データによると、1060℃で焼成した実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1からはアルミナ(Al2O3)、フェルスマイト(Fersmite:CaNb2O6)、アノーサイト(CaAl2Si2O8)の3つの結晶相が検出された。従って、この度の試験のために製造された実施例1に係る反射材(ガラスセラミックス焼結体)1は、上記3種類の結晶層にガラス(SiO2・CaO・Al2O3・B2O3)を加えた4つの成分で焼結組織が構成されていると考えられる。
また、860〜1100℃までの範囲において焼成温度が高くなるにつれて反射率が増加するのは、比較的高い屈折率を有するアノーサイトや特に高い屈折率を有するフェルスマイト(2族元素とニオビウムの化合物)が析出して図2に示すような粒界12の面積が増加するためであると考えられる。
図11は1060℃の温度条件下において焼成されたガラスセラミックス焼結体の研磨面における反射電子像である。
図11には、マトリックスには濃淡の異なる2種類のコントラストが存在しておりこれらはガラスとアノーサイトであると推測される。その一方で、マトリックス中には2種類の粒子が確認できるが、暗いコントラストの粒子はアルミナで、明るいコントラストの粒子はフェルスマイト(2族元素とニオビウムの化合物)であると考えられる。さらに、これらに加えて、μm程度の気孔が点在している。
また、図示しないが反射率の低下が認められた1180℃の温度条件下において焼成されたガラスセラミックス焼結体1の研磨面においては、フェルスマイト(2族元素とニオビウムの化合物)が針状化したり粗大化する傾向が認められた。
Claims (15)
- 原料粉体と、有機質バインダーとを混合したものを成形した後、焼成して成るガラスセラミックス焼結体からなる反射材であって、
前記原料粉体は、ホウ珪酸ガラス原料又はホウ珪酸ガラスと、アルミナと、金属ニオビウム又は酸化ニオビウムと、2族元素とを含有し、
前記原料粉体における前記アルミナの含有率は15〜40wt%の範囲内であり、
前記原料粉体におけるニオビウム元素の含有率は少なくとも3.5wt%であり、
前記ガラスセラミックス焼結体は、アノーサイトと、化学式:XNb2O6(ただし、Xは2族元素である。)で示される2族元素とニオビウムの化合物とを含有することを特徴とする反射材。 - 原料粉体と、有機質バインダーとを混合したものを成形した後、焼成して成るガラスセラミックス焼結体からなる反射材であって、
前記原料粉体は、ホウ珪酸ガラス原料又はホウ珪酸ガラスと、アルミナと、化学式:XNb2O6(ただし、Xは2族元素である。)で示される2族元素とニオビウムの化合物を含有し、
前記原料粉体における前記アルミナの含有率は15〜40wt%の範囲内であり、
前記原料粉体におけるニオビウム元素の含有率は少なくとも3.5wt%であり、
前記ガラスセラミックス焼結体は、アノーサイトと、化学式:XNb2O6(ただし、Xは2族元素である。)で示される2族元素とニオビウムの化合物とを含有することを特徴とする反射材。 - 原料粉体と、有機質バインダーとを混合したものを成形した後、焼成して成るガラスセラミックス焼結体からなる反射材であって、
前記原料粉体は、ホウ珪酸ガラス原料又はホウ珪酸ガラスと、アルミナと、金属ニオビウム又は酸化ニオビウムとを含有し、
前記ホウ珪酸ガラス原料又は前記ホウ珪酸ガラスは、2族元素を含有し、
前記原料粉体における前記アルミナの含有率は15〜40wt%の範囲内であり、
前記原料粉体におけるニオビウム元素の含有率は少なくとも3.5wt%であり、
前記ガラスセラミックス焼結体は、アノーサイトと、化学式:XNb2O6(ただし、Xは2族元素である。)で示される2族元素とニオビウムの化合物とを含有することを特徴とする反射材。 - 前記原料粉体は、前記2族元素の供給源として珪酸塩を含有することを特徴とする請求項1記載の反射材。
- 前記2族元素は、Mg,Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の反射材。
- 前記ガラスセラミックス焼結体の焼成温度は、860〜1220℃の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の反射材。
- 基板上に搭載される発光素子を囲繞する反射体であって、この反射体は請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射材から成ることを特徴とする反射体。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射材を平板状に形成してなる基体と、この基体の表面に形成される導電体層とを有することを特徴とする発光素子搭載用基板。
- 前記基体は、その上面に発光素子を搭載するための凹部を少なくとも1つ備えることを特徴とする請求項8に記載の発光素子搭載用基板。
- 前記導電体層は、前記ガラスセラミックス焼結体を焼成した後にポストファイヤ法により形成されることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の発光素子搭載用基板。
- 前記導電体層は、Ag−Pd合金、Ag−Pt合金、Ag、Au、Cu、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−Zr合金から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の発光素子搭載用基板。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の反射材から成る基体と、この基体の内部に配線層を形成する第1の導電体層と、前記基体の表面に配線層を形成する第2の導電体層とを有することを特徴とする発光素子搭載用基板。
- 前記基体は、その上面に発光素子を収容するための凹部を少なくとも1つ備えることを特徴とする請求項12に記載の発光素子搭載用基板。
- 前記基体及び前記第1の導電体層を同時焼成により形成した後に、ポストファイヤ法により前記第2の導電体層を形成したことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の発光素子搭載用基板。
- 前記第1及び第2の導電体層は、Ag−Pd合金、Ag−Pt合金、Ag、Au、Cu、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−Zr合金から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項14に記載の発光素子搭載用基板。
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