JP5541316B2 - 電気レオロジーゲルおよびこれを用いた保持具 - Google Patents
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Description
かかる問題に対して、ERゲルのゲル骨格に比較的柔軟で表面粘着性の高い材料を用いて、ガラス等の絶縁材料に対する固定力を増大させようとすると、耐擦傷性が劣り、耐久性が不足しやすいという問題がある。
前記樹脂架橋体(A)が、水酸基末端ポリブタジエンとポリイソシアネート化合物との反応生成物を含むことが好ましい。
本発明の電気レオロジーゲルからなる保持層を備えた保持具は、ガラス等の絶縁材料に対して良好な固定力を発現することができるとともに、保持層表面の耐擦傷性も良好である。
本発明の電気レオロジーゲル(ERゲル)は流動性を有しないゲル状物であり、樹脂架橋体からなるゲル骨格中に電気レオロジー粒子(ER粒子)と導電微粒子が分散している。好ましいERゲルは、プロセスオイルを含んだ樹脂架橋体からなるゲル骨格中に電気レオロジー粒子と導電微粒子が分散している。
本発明において、ER粒子の平均粒径測定方法としては、コールターカウンターMultisizer2(ベックマン・コールター株式会社製)を用い、100μmアパーチャーを使用し体積平均粒子径を測定する方法を用いた。また、導電微粒子の平均粒径測定方法としては、マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)を用い、体積平均粒子径を測定する方法を用いた。
樹脂架橋体(A)は、ポリマー(主剤(B))と、架橋剤(C)としての多官能性化合物と架橋反応させて得られる反応生成物である。ポリマー(主剤(B))と多官能性化合物(架橋剤(C))の少なくとも一方が3官能の化合物を含み、樹脂架橋体(A)は3次元に架橋された構造を有する。3次元に架橋された樹脂架橋体は、良好な架橋密度が得られやすく、ERゲルの耐衝撃性、耐擦傷性などの良好な機械的特性が得られやすい。主剤(B)および架橋剤(C)は液状のものが用いられる。
樹脂架橋体(A)の具体例としては、水酸基含有ポリマー(主剤(B))とポリイソシアネート化合物(架橋剤(C))とを反応させて得られるウレタン系架橋体、ポリシロキサン架橋体、アクリル酸エステル系ポリマー架橋体、ポリスチレン系架橋体などが挙げられる。これらのうち、柔軟性と靭性に優れたERゲルが得られやすい点でウレタン系架橋体が好ましい。
主剤として用いる水酸基含有ポリマーの水酸基価は特に限定されないが、20〜400mgKOH/gが好ましく、40〜300mgKOH/gがより好ましい。該水酸基価が上記範囲の下限値以上であると靭性に優れたERゲルが得られやすく、上限値以下であると柔軟性に優れたERゲルが得られやすい。
ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基(−NCO)の含有量(以下、NCO含有量ということもある。)は特に限定されないが、5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。該NCO含有量が上記範囲の下限値以上であると靭性に優れたERゲルが得られやすく、上限値以下であると柔軟性に優れたERゲルが得られやすい。
ポリイソシアネート化合物(架橋剤(C))の使用量は、主剤のポリマー中の水酸基(−OH)1モルに対して架橋剤中の−NCO基が0.5〜2.0モルの範囲が好ましい。
ポリブタジエン−ウレタン架橋体としては、分子内に水酸基を2個有する水酸基末端ポリブタジエンの1種以上を、3官能以上のポリイソシアネート化合物(架橋剤)の1種以上と反応させたものが、柔軟性と靭性のバランスや、耐寒性が良好となりやすい点でより好ましい。
分子内に水酸基を2個有する水酸基末端ポリブタジエンとしては、良好なゴム弾性が得られやすい点で、1,4−結合型水酸基末端ポリブタジエン、または1,2−結合型水酸基末端ポリブタジエンが好ましく、1,4結合型水酸基末端ポリブタジエンがより好ましい。
3官能以上のポリイソシアネート化合物として、3官能以上のヘキサメチレンジイソシアネート系化合物を用いることが耐候性、機械的特性の点で好ましい。この場合の架橋剤の配合量は、主剤中のポリブタジエンポリマーの−OH基1モルに対する架橋剤中の−NCO基の割合(NCO基/OH基のモル比)が0.7〜1.2の範囲が好ましく、0.8〜1.1がより好ましい。該NCO基/OH基のモル比が上記範囲の下限値以上であると靭性に優れたERゲルが得られやすく、上限値以下であると柔軟性に優れたERゲルが得られやすい。
良好なゴム弾性が得られやすい点で、架橋反応させるポリマー(主剤)全体に対して、水酸基末端ポリブタジエンの含有量が50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がより好ましい。100質量%でもよい。
なお、ポリブタジエン−ウレタン架橋体を構成するポリマーとして、水酸基を2個有する水酸基末端ポリブタジエンと他のポリオールを併用する場合、他のポリオールが分子内に3個以上の水酸基を持っていれば、架橋剤が2官能であっても3次元に架橋された樹脂架橋体を得ることができる。
一方、樹脂架橋体(A)の含有量が上記上限値以下であると、相対的にER粒子の良好な含有量を確保することができ、十分な電気レオロジー効果(ER効果)が得られやすい。
電気レオロジー粒子(E)としては、ゲル中に分散された状態で電界を印加するとゲル表面の粘着性が変化する電気レオロジー効果(ER効果)を発現可能なものであれば特に制限はない。公知のER粒子を適宜用いることができる。例えばシリカゲル、セルロース、でんぷん、大豆カゼイン、ポリスチレン系イオン交換樹脂などの、粒子の表面に水を吸着保有する固体粒子や、表面を絶縁処理したカーボン粒子などがある。
その他には、有機高分子化合物からなる芯体と、電気半導体性無機物粒子からなる表層とから形成された有機・無機複合粒子、または、有機・無機複合粒子の表層に親和性表面処理が施され、電気絶縁性媒体との親和性が高められている親和性有機・無機複合粒子も使用可能であり、これらを使用すると安定したER効果を発現し、保存安定性にも優れたERゲルが得られる。これら有機・無機複合粒子および親和性有機・無機複合粒子の詳細および製造方法は、例えば、特開2001−026793公報、特開平10−121084号公報、特開平09−079404号公報などに記載されている。
また、無機物微粒子からなる芯体と、電気半導体性無機物からなる表層とから形成された無機複合粒子も使用できる。該無機複合粒子の詳細および製造方法は特開2011−46785号公報に記載されている。
ERゲルの全体(100質量%)に対して、電気レオロジー粒子(E)の含有量は35〜90質量%が好ましく、45〜85質量%がより好ましい。電気レオロジー粒子(E)の含有量が上記範囲の下限値以上であると、十分なER効果が得られやすい。一方、上記範囲の上限値以下であると、ERゲルが硬くなりすぎず、保持対象物との良好な密着性が得られやすい。
導電微粒子(D)としては、ERゲル内に浮遊導体として存在できる微粒子で有ればよく、特に限定されない。導電微粒子(D)は導電性を損なわない範囲で、分散性向上のための表面修飾や処理がされていてもよい。
導電微粒子(D)の材料としては、例えば金、銀、銅、白金、アルミニウム、チタン、タングステン、スズ、亜鉛、ニッケル、インジウム、ジルコニア等の金属;酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ(ATO(アンチモンをドープした酸化スズ))、リンドープ酸化スズ、酸化亜鉛、アルミドープ酸化亜鉛、アンチモンドープ酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛、スズドープ酸化インジウム等の金属酸化物;炭素粉、炭化ケイ素、グラファイト、グラフェン、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)等の炭素化合物が挙げられる。
導電微粒子(D)の比抵抗値(体積抵抗率)は1×108Ω・cm以下が望ましく、1×103Ω・cm以下がより望ましく、1×10−2Ω・cm以下がさらに望ましい。導電微粒子の比抵抗値(体積抵抗率)が上記上限値以下であると、導電微粒子の添加効果が良好に得られやすく、絶縁性材料に対するER効果による良好な固定力が得られやすい。
ERゲル内に存在する電気レオロジー粒子(E)と導電微粒子(D)において、導電微粒子の平均粒径が、電気レオロジー粒子の粒径よりも小さいことが必要である。導電微粒子の平均粒径が電気レオロジー粒子の平均粒径より小さいと、電界印加時に導電微粒子が電気レオロジー粒子によるER効果発現を阻害しにくく、良好なER効果が得られやすい。
導電微粒子(D)の平均粒径と電気レオロジー粒子(E)の平均粒径との比は、導電微粒子(D)の平均粒径を1とすると、1.2〜800が好ましく、1.5〜550がより好ましい。該平均粒径の比が上記範囲の下限値以上であると保持力の向上が大きく、上記範囲の上限値以下であると導電微粒子のゲル中への分散が安定しやすい。
ERゲルは、プロセスオイル(F)を含んでもよい。プロセスオイルはERゲルの柔軟性を向上させ、保持対象物との固定力向上に寄与する。
また、後述するERゲルの製造方法において、電気レオロジー粒子、樹脂架橋体(A)を形成するための主剤(B)、および導電微粒子(D)を含み、架橋剤(C)を含まないERゲルベースにプロセスオイル(F)を含有させることにより、該ERゲルベースと架橋剤(C)を混合し、反応させ硬化させてERゲルを形成する工程における加工性および潤滑性が向上し、得られるゲル骨格の機械的特性が向上する。
プロセスオイルの動粘度は特に制限されないが、40℃において10〜1000mm2/sが好ましく、20〜500mm2/sがより好ましい。該動粘度が10mm2/s以上であると、沸点が高いためERゲルの成形中に蒸発しにくく良好な成形安定性が得られやすい。一方、該動粘度が1000mm2/s以下であると、ERゲルの形成工程において硬化前の組成物の粘度が高くなりすぎず、良好な成形性が得られ、成形物に気泡痕が発生しにくい。
硬化後のERゲルにプロセスオイルが含まれる場合、その含有量はERゲル(100質量%)に対して1〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。プロセスオイルの含有量が上記範囲の下限値以上であると、プロセスオイルの添加によるERゲルの柔軟性向上効果が良好に得られやすく、良好な耐擦傷性が得られやすい。プロセスオイルの含有量が上記範囲の上限値以下であると、ERゲルからプロセスオイルが滲出しにくい。プロセスオイルが滲出すると保持対象物の汚染や、保持対象物の滑落が生じるおそれがある。
ERゲルに、塗料業界で一般的に用いられている種々の配合剤を、必要に応じて適宜、慣用量で加えることができる。配合剤の具体例としては、粘度を調整するための稀釈剤または増粘剤、顔料または染料等の着色剤、主剤と架橋剤の反応を促進させるための触媒、充填材等である。
これらの配合剤の添加方法は特に限定されないが、後述するERゲルの製造方法において、電気レオロジー粒子、樹脂架橋体(A)を形成するためのポリマー(主剤(B))、および導電微粒子(D)を含み、架橋剤(C)を含まないERゲルベースに、該配合剤を含有させることが好ましい。
ER粒子(E)45〜85質量%、導電微粒子(D)2〜20質量%、樹脂架橋体(A)10〜50質量%、プロセスオイル(F)5〜30質量%がより好ましく、
ER粒子(E)50〜70質量%、導電微粒子(D)4〜15質量%、樹脂架橋体(A)15〜40質量%、プロセスオイル(F)10〜20質量%が特に好ましい。
図1は本発明の保持具の一実施形態を示した平面図、図2は、図1中のA−A線に沿う断面図である。図3は電極層2の平面形状を示した図である。
本実施形態の保持具は、例えば図4に示す搬送装置20に好適に用いられるものである。本実施形態の搬送装置20は、駆動部21と、アーム22と、保持具(ハンド)23を備えており、保持具23の上面(保持面)に、シリコンウェハ等の保持対象物(図示せず)が着脱可能に固定されるようになっている。
駆動部21はアーム22を駆動するための機構を備えている。例えば駆動部21には電動モーター等の動力源と動力伝達機構が内蔵されている。
アーム22の一端は駆動部21に連結され、他端に保持具(ハンド)23が連結されている。アーム22は駆動部21から伝達される動力により旋回、伸縮等して、保持具(ハンド)23を移動させることができる。本実施形態においてアーム22は多関節構造を有するが、これに限定されない。
図2に示すように、保持体24は、ERゲルからなる保持層1と、該保持層1(ERゲル)に電場を印加する電極板4とが積層されてなる。電極板4は、絶縁材料からなる電極基板3上に、正極11と負極12の両方を備えた電極層2が設けられたものが好ましい。電極基板3を構成する絶縁材料としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム;ガラス;エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂板;アルミナ等のセラミック;などの公知の絶縁材料を適宜使用することができる。
電極の平面形状において、電極幅、高さ、正負の電極間隔、数等は、ERゲルにより固定される保持対象物の特性、保持層(ERゲル)1の形状等に応じて適宜選択することができる。
本実施形態において、保持層1の厚さ(電極基板3の表面(電極層2側)から保持層1の表面までの距離)は0.1〜5.0mmが好ましく、0.2〜1.0mmがより好ましい。保持層1の厚さが上記範囲の下限値以上であると、保持層の十分な強度が得られやすく、上限値以下であると十分な保持力が得られやすい。
本実施形態の保持体30は、保持対象物に密着する保持層31と電極板4との間に中間層32が設けられた二層構造を有する。中間層32は、少なくとも樹脂架橋体(A)およびER粒子(E)を含むERゲルからなる。中間層32が導電微粒子を含んでもよく、含まなくてもよい。保持層31の組成と中間層32の組成が同じであってもよく、異なってもよい。
本実施形態において、保持層31と中間層32の厚さの合計(電極基板3の表面(電極層2側)から保持層31の表面までの距離の好ましい範囲は、前記図2の保持層1の厚さと同様である。
中間層32が導電微粒子を含まない場合、保持層31の厚さに対する中間層32の厚さの比(中間層/保持層)は30/70〜60/70が好ましく、40/60〜60/40がより好ましい。
本発明のERゲルは、以下の方法で製造できる。
すなわち、少なくともER粒子(E)、樹脂架橋体(A)を形成するための主剤(B)、および導電微粒子(D)を含み、架橋剤(C)を含まないERゲルベースを調製し(ERゲルベース調製工程)、該ERゲルベースと架橋剤(C)を混合し、架橋反応させ硬化させてERゲルを得る(硬化工程)。ERゲルベースにはプロセスオイルを配合することが好ましい。
電気レオロジー粒子(E)と、導電微粒子(D)と、主剤(B)と、任意に配合されるプロセスオイル(F)および配合剤とを混合してERゲルベースを得る。好ましくは均一化する。混合方法としては、公知の方法を用いることができる。プロペラミキサーを用いて予備分散させた後、自転公転ミキサーを使用して均一化することが好ましい。
なお、ER粒子(E)は吸湿性が高いため、空気中の水分などを吸収しやすい。そこで、ER粒子(E)を加熱脱水してから用いることが好ましい。
硬化工程は、ERゲルベースに架橋剤(C)を添加し、均一化した混合物(硬化前組成物)を、目的の形状の型に流し入れて硬化させる方法で行うことができる。型および型へ流し入れる方法は、公知の手法を適宜用いることができる。
硬化前組成物において、粒子の合計(ER粒子(E)と導電微粒子(D)の合計)100質量%に対して、液状成分の合計(主剤(B)とプロセスオイル(F)と架橋剤(C)と、任意に配合される液状の配合剤の合計)の割合(単位:質量%)が40質量%以上であることが望ましい。この範囲であると、該電気レオロジー粒子(E)および導電微粒子(D)の量が、液状の成分に対して多くなりすぎず、良好な分散性、混合性、または成形性が得られやすい。
前記硬化前組成物を硬化させる方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。硬化の際に加熱すると硬化反応が進行しやすくなるので好ましい。硬化時間は5〜240分が好ましく、15〜90分がより好ましい。また、硬化温度は50〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
硬化前組成物に電圧を印加しつつ硬化させる際の印加電圧は、0.1〜7kV/mmが好ましく、0.2〜5kV/mmがより好ましく、0.5〜2kV/mmがさらに好ましい。該印加電圧が上記範囲の下限値以上であると電気レオロジー粒子が電界に沿って配列しやすく、硬化前組成物中での分散が安定化しやすい。一方、該印加電圧が上記範囲の上限値以下であると、絶縁破壊が生じにくい。
プロセスオイルを含有するERゲルベースを用いてERゲルを形成した場合、硬化したERゲルに含まれるプロセスオイルの一部を除去することが好ましい(除去工程)。本工程を設けることにより、余剰分のプロセスオイルがERゲルの表面に滲み出るのを抑制できる(ブリードアウトの抑制)。また、ERゲル中のプロセスオイルの含有量を低減させることによって、ERゲルの硬さを調整できる。これにより、保持対象物に対する良好な固定力が得られるようにERゲルを適度に硬く調整することが可能となる。
プロセスオイルの除去方法としては、ERゲルにあぶらとりフィルムを巻く方法、ERゲルにあぶらとりフィルムを巻き(又は敷き)かつ遠心分離する方法、減圧下または加圧下にて圧搾または吸引する方法、低沸点溶剤(例えば脂肪族炭化水素、フッ素系溶剤など)にERゲルを浸し、プロセスオイルを抽出する方法などが挙げられる。
図2に示すように、電極板4上にERゲルからなる保持層1が積層された保持体24は、型内に電極板4を配し、該電極板4上に保持層1となる硬化前組成物を流し入れて硬化させる方法で製造することができる。
または、保持層31となる硬化前組成物をシート状の型内で硬化させて、保持層31となるERゲルシートを製造し、これを電極板4上に接着剤で貼り付ける方法でもよい。
具体的には、電極板4上に所定膜厚の接着剤を塗布した後、ERゲルシートを必要に応じて裁断したものを乗せ、加熱プレス処理を行うことによって、保持体24が得られる。
この場合の接着剤としては、保持層31と電極板4とを接着可能であり、接着後に電極板4上の正極と負極が短絡せず、ERゲル中の電気レオロジー粒子に微弱な電流を供給できる特性を有するものであれば特に制限が無い。好ましくは、保持層1となる硬化前組成物を希釈して低粘度化したものを接着剤として用いることが好ましい。
電極板4上に接着剤を塗布する方法としては、コーター塗布、スクリーン印刷等公知の方法を用いることができる。接着剤の塗布厚の均一性が得られやすい点でスクリーン印刷が好ましい。
(1)まず、保持層31となる硬化前組成物をシート状の型内で硬化させて、保持層31となるERゲルシートを製造する。これとは別に、型内に電極板4を配し、該電極板4上に中間層32となる硬化前組成物を流し入れて未硬化の塗膜を形成する。この塗膜上に前記ERゲルシートを積層した状態で、該塗膜を硬化させて保持体30を得る。
(2)まず型内に電極板4を配し、該電極板4上に中間層32となる硬化前組成物を流し入れ、これを硬化させて中間層32を形成する。次いで、該中間層32の上に、保持層31となる硬化前組成物を流し入れて硬化させて保持体30を得る。
(3)まず、保持層31となる硬化前組成物をシート状の型内で硬化させて、保持層31となるERゲルシートを製造する。これとは別に、型内に電極板4を配し、該電極板4上に中間層32となる硬化前組成物を流し入れ、これを硬化させて中間層32を形成する。該中間層32上に、前記と同様にして接着剤を用いて、ERゲルシートを貼り付けることにより保持体30を得る。
<製造例1:電気レオロジー粒子(E−1)の製造>
アンチモンドーピング酸化錫(石原産業社製、「SN−100P」、電気伝導度:1.0×100Ω−1/cm)30gと、水酸化チタン(石原産業社製、一般名:含水チタン、C−II、電気伝導度:9.1×10−6Ω−1/cm)10gと、アクリル酸ブチル300gと、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート100gと、重合開始剤(アゾビスイソバレロニトリル)2gとを混合し、混合物を得た。
得られた混合物を、第三リン酸カルシウム25gを分散安定剤として含む水1800ml中に分散し、60℃で1時間撹拌下に懸濁重合を行い、得られた生成物を酸処理し、水洗後、脱水乾燥し、無機・有機複合粒子を得た。
この粒子200gに鉄フタロシアニン(山陽色素社製、「P−26」)1.5gを加え、FMミキサー(日本コークス工業社製)にて30間複合化処理を行い、次いでこれをジェット気流処理機(日本コークス工業社製、「メカノハイブリッド」)を用いて周速100m/秒で30分間ジェット気流処理を行い、平均粒径16μmのER粒子(無機・有機複合粒子)を得た。
次いで、得られたER粒子600gを120℃で12時間加熱することで、脱水されたER粒子E−1を得た。
なお、ER粒子の平均粒径はコールターカウンター・マルチサイザーII(製品名、ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定した(以下、同様)。
アンチモンドーピング酸化錫(石原産業社製、「SN−100P」、電気伝導度:1.0×100Ω−1/cm)7.5gと、水酸化チタン(石原産業社製、一般名:含水チタン、C−II、電気伝導度:9.1×10−6Ω−1/cm)22.5gと、破砕アルミナ(住友化学工業製「AL−32B」)190gの混合物に対して、ボールミルにて100時間の粉砕処理(複合化前処理)を行った。
次いで、当該複合化前処理後の混合物に対して、ジェット気流処理機(奈良機械製作所製、ハイブリダイザー)を用い、周速75m/秒で300秒間のジェット気流処理を行い、平均粒径5μmのER粒子(無機複合粒子)E−2を得た。
<電気レオロジー粒子>
(E−1)製造例1で得たER粒子。
(E−2)製造例2で得たER粒子。
<主剤(B)>
(B−1)Poly bd R−15HT(出光興産社製)、1,4−結合型水酸基末端液状ポリブタジエン、水酸基価46.6mgKOH/g。
(B−2)Poly bd R−45HT(出光興産社製)、1,4−結合型水酸基末端液状ポリブタジエン、水酸基価102.7mgKOH/g。
(B−3)NISSO−PB G−1000(日本曹達社製)、1,2−結合型水酸基末端液状ポリブタジエン、水酸基価73mgKOH/g。
(B−4)エポール(出光興産社製)、水酸基末端液状ポリオレフィン、水酸基価50.5mgKOH/g。
(B−5)サンニックスGP−600(三洋化成社製)、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、水酸基価280mgKOH/g。
(B−6)サンニックスPP−2000(三洋化成社製)、ポリオキシプロピレングリコール、水酸基価55.9mgKOH/g。
(D−1)ナノ銀(DOWAエレクトロニクス社製)、比抵抗値(体積抵抗率)2×10−3(Ω・cm)、平均粒径30nm。
(D−2)CNS−10(ノバメット社製)、ニッケル粉体、比抵抗値(体積抵抗率)7×10−6(Ω・cm)、平均粒径7μm。
(D−3)デンカブラック特殊プレス品HS−100(電気化学工業社製)、アセチレンブラック、比抵抗値(体積抵抗率)1.4×10−2(Ω・cm)、平均粒径48nm。
(D−4)23−K(ハクスイテック社製)、アルミドープ酸化亜鉛、比抵抗値(体積抵抗率)2×102(Ω・cm)、平均粒径180nm。
(D−5)デンシックC−4000(昭和電工社製)、黒色炭化ケイ素研削材、比抵抗値(体積抵抗率)1×106(Ω・cm)、平均粒径3μm。
(絶縁微粒子(比較例)):AL−160SG−3(昭和電工社製)、易焼結性アルミナ、比抵抗値(体積抵抗率)1×1014(Ω・cm)以上、中心径D50(体積基準メジアン径)0.5μm。
(F−1)ダイアナプロセスオイルPW−32(出光興産社製)、パラフィン系炭化水素。
(F−2)ダイアナプロセスオイルNR−26(出光興産社製)、ナフテン系炭化水素。
<架橋剤(C)>
(C−1)デュラネートTSE−100(旭化成社製)、イソシアヌレートタイプヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、NCO含有量12.0質量%。
(C−2)デュラネートTPA−100(旭化成社製)、イソシアヌレートタイプヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、NCO含有量23.1質量%。
(C−3)デュラネートD−101(旭化成社製)、2官能タイプヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、NCO含有量19.7質量%。
以下の例において、図2(または図5)の保持体24(または30)を構成する電極板4として、イミドフィルムからなる電極基板3(縦150mm、横150mm)上に、正極11と負極12からなる電極層2が形成されたものを用いた。
正極11および負極12は図3に示す櫛歯状とした。図3中符号aで示す電極の全長さは88mm、符号bで示す電極の全幅は83mm、符号cで示す電極自体の幅は3mm、近接する電極間の距離は2mmとした。電極層2上に形成されるERゲルからなる保持層1(または31)の平面形状は縦90mm、横90mmの矩形とした。
図5に示す構造の保持体30を作製した。本例では保持層31の組成と中間層32の組成とが同一である。保持層31のみを硬化させた後に、未硬化の中間層32上に積層する方法で製造した。
まず、表1に示す処方でER粒子、主剤、導電微粒子及びプロセスオイルを配合し、プロペラミキサーを用いて予備分散した後、自転公転ミキサー(シンキー社製「ARE−310」)を用いて混合してERゲルベースを得た。
得られたERゲルベースに架橋剤を表1に示す処方で添加し、前記自転公転ミキサーで混合し、硬化前組成物を調製した。
表1には、ERゲルベース中に存在する−OH基1モルに対する、架橋剤中に存在する−NCO基のモル比(NCO基/OH基)を示す(以下、同様)。また、硬化前組成物における粒子の合計(ER粒子と導電微粒子の合計:100質量%)に対する、液状成分の合計(主剤とプロセスオイルと架橋剤の合計)の割合(単位:質量%)を示す(以下、同様)。
これとは別に、前記で調製した硬化前組成物を、電極板4の電極層2上にスクリーン印刷法を用いて縦90mm、横90mmの矩形に塗工し、未硬化の塗膜(中間層)を形成した。電極基板3の表面から該塗膜(中間層)の表面までの距離(厚さ)は20μmであった。この塗膜上に上述で得たERゲルシートを積層し、熱成型プレス(北川精機株式会社製、製品名:KVHC)を用いて、100℃で15分間加圧加熱することにより、該塗膜を硬化させてERゲルからなる中間層32を形成するとともに、該中間層32とERゲルシート(保持層31)を一体化して積層物を得た。
得られた保持体30においてERゲルは中間層32と保持層31の一体化物である。このERゲルのプロセスオイル除去後の状態における、ER粒子の含有量、導電微粒子の含有量、樹脂架橋体(主剤と架橋剤の硬化物)の含有量、プロセスオイルの含有量を表1に示す(以下、同様)。
図2に示す構造の保持体24を作製した。
表1に示す処方で、実施例1と同様にしてERゲルベースを調製し、さらに架橋剤を添加して硬化前組成物を得た。
ポリフッ化エチレン樹脂系スペーサーを用い上下を電気的に絶縁した一対の硬化時電界印加用の電極(SUS板)の、一方の電極の内方の面上に電極板4を、電極層2が他方の電極側となるように固定した状態で、該一対の電極間に、前記硬化前組成物を流し入れた。該電極板4の電極基板3の表面から他方の電極までの距離は0.45mmである。
この状態で、実施例1と同様にして該一対の電極に0.5kV/mmの電圧を印加しつつ、100℃で25分間加熱処理することによって、電極板4上にERゲルからなる保持層1が積層された積層物を得た。該ERゲルからなる保持層1の厚さ(電極基板3の表面から保持層1の表面までの距離)は0.42mmであった。
次いで、実施例1と同様にしてプロセスオイルを除去して、保持層1の表面が乾いており、オイルの滲みが認められない状態の保持体24を得た。
図5に示す構造の保持体30を作製した。本例では保持層31が導電微粒子を含み、中間層32は導電微粒子を含まない。中間層32のみを硬化させた後に、未硬化の保持層31を積層する方法で製造した。
表1に示す保持層用の処方で、実施例1と同様にしてERゲルベースを調製し、さらに架橋剤を添加して保持層用の硬化前組成物を得た。これとは別に、表1に示す中間層用の処方で、実施例1と同様にしてERゲルベースを調製し、さらに架橋剤を添加して中間層用の硬化前組成物を得た。
この状態で、実施例1と同様にして該一対の電極に0.5kV/mmの電圧を印加しつつ、100℃で15分間加圧加熱処理することによって、電極板4上にERゲルからなる中間層32が積層された積層物を得た。該ERゲルからなる中間層32の厚さ(電極基板3の表面から中間層32の表面までの距離)は0.29mmであった。プロセスオイルの除去は行わなかった。
中間層32のER粒子の含有量、導電微粒子の含有量、樹脂架橋体(主剤と架橋剤の硬化物)の含有量、プロセスオイルの含有量を表1に示す。
この状態で、実施例1と同様にして該一対の電極に0.5kV/mmの電圧を印加しつつ、100℃で15分間加圧加熱処理することによって、電極板4上に中間層32と保持層31が順に積層された積層物を得た。該保持層31の厚さは0.43mmであった。
次いで、実施例1と同様にして保持層31のプロセスオイルを除去し、保持層31の表面が乾いており、オイルの滲みが認められない状態の保持体30を得た。
表1または表2に示す処方で、実施例2と同様にして、図2に示す構造の保持体24を作製した。
上記実施例および比較例で得られた保持体について、下記の方法でガラス固定力および耐擦傷性の評価を行った。結果を表3に示す。
<保持対象物に対する固定力の評価>
上述で得られた保持体を、絶縁体であるベークライト板上に、保持層が上側となるように載せて両面テープ(製品名:5000NS、日東電工社製)で貼り付け、ガラス固定力評価用試験体(以下、「試験体」という)を得た。
保持対象物として、縦100mmm、横100mm、厚さ2mmのガラス板(TEMPAX Float(登録商標)、ショット日本株式会社製、質量45g)、または縦91mmm、横91mm、厚さ2mmのアルミ板(質量45g)を用いた。
試験体の保持層の上面上に保持対象物(ガラス板またはアルミ板)を載せた。このとき保持層の上面は水平とする。この状態で電極層2(櫛歯状電極)に所定の電圧(0.7kVまたは1.5kV)の印加を開始し、10秒後に試験体を傾斜させた。保持層の上面と水平面とがなす角度(傾斜角度)を0℃から90℃まで徐々に大きくしながら、保持対象物に対する固定の有無を下記の判定基準で評価した。
◎:傾斜角度90゜で保持対象物が固定され動かない。
○:傾斜角度75゜で保持対象物が固定され動かない。
△:傾斜角度45゜で保持対象物が固定され動かない。
×:傾斜角度0°〜45゜の間で保持対象物が固定されずに滑り出す。
保持層の表面に爪で傷をつけ、室温で24時間放置後、爪傷の復元性を目視観察し、次の判定基準で評価した。
◎:爪傷が完全に復元しており、爪跡が全く残らない。
○:爪傷が復元しているが、筋状の跡が認められる。
△:爪傷が完全には復元しておらず、若干の爪跡が認められる。
×:明らかな爪跡が認められ、表面が裂けた傷が残っている。
これに対して、保持層に導電微粒子が含まれていない比較例1、5はアルミ板に対する固定力は良好であったが、ガラス板に対する固定力が不十分であった。比較例5は導電微粒子に代えて絶縁性の微粒子を配合したが、ガラスに対する固定力は不十分であった。
比較例2はER粒子の平均粒径が導電微粒子の平均粒径よりも小さいため、十分な固定力が得られなかった。
比較例3、4は、主剤(B)および架橋剤(C)の両方が2官能であり、3次元に架橋された樹脂架橋体が得られないため、耐擦傷性が劣る。
本例では、樹脂架橋体として、下式(1)で表されるシリコーンオリゴマーからなる主剤と、下式(2)で表される架橋剤とのヒドロシリル化反応により得られるポリシロキサン架橋体を用いた。本例におけるERゲルは、樹脂架橋体からなるゲル骨格中に電気絶縁性媒体(シリコーンオイル)が保持され、該電気絶縁性媒体にER粒子が分散されたものである。導電微粒子は含まない。
下記白金触媒Aとしては、白金濃度が12.0質量%である白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を、SH−200(10)(製品名、東レ・ダウコーニング社製、室温(25℃)における動粘度が10mm2/sのジメチルポリシロキサン)で、白金濃度が0.3質量%となるように希釈したものを用いた。
該硬化前組成物における粒子の合計(本例ではER粒子のみ:100質量%)に対する、液状成分の合計(主剤とシリコーンオイルと架橋剤の合計)の割合は93.4質量%であった。
実施例2と同様にして、電極板4がセットされた一対の電極間に、前記硬化前組成物を流し入れた。該電極板4の電極基板3の表面から他方の電極までの距離は0.45mmである。次いで、実施例1と同様にして電極間に0.5kV/mmの電圧を印加しつつ、90℃で20分間加熱処理し、電極板4上にERゲルからなる保持層が積層された積層物を得た。
このERゲルのプロセスオイル除去後の状態における、ER粒子の含有量は60.1質量%、樹脂架橋体(主剤と架橋剤の硬化物)の含有量は25.5質量%、シリコーンオイルの含有量は14.4質量%であった。
2 電極層
3 電極基板
4 電極板
11 正極
12 負極
20 搬送装置
21 駆動部
22 アーム
23 保持具(ハンド)
24、30 保持体
25 本体
32 中間層
Claims (4)
- 電気レオロジー粒子(E)、および樹脂架橋体(A)を含む電気レオロジーゲルであって、導電微粒子(D)とプロセスオイル(F)を含み、
前記樹脂架橋体(A)が、水酸基含有ポリマーとポリイソシアネート化合物との反応生成物を含み、
前記導電微粒子(D)の比抵抗値が1×10 8 Ω・cm以下であり、
前記導電微粒子(D)の平均粒径が0.001〜10μmであり、
前記導電微粒子(D)の平均粒径と前記電気レオロジー粒子(E)の平均粒径との比が、導電微粒子(D)の平均粒径を1とすると、1.2〜550であり、
前記導電微粒子(D)の含有量が0.5〜40質量%であることを特徴とする電気レオロジーゲル。 - 前記電気レオロジー粒子(E)の含有量が35〜90質量%であり、前記樹脂架橋体(A)の含有量が5〜60質量%であり、前記プロセスオイル(F)の含有量が1〜40質量%である、請求項1記載の電気レオロジーゲル。
- 前記樹脂架橋体(A)が、水酸基末端ポリブタジエンとポリイソシアネート化合物との反応生成物を含む、請求項1または2に記載の電気レオロジーゲル。
- 保持対象物に密着する保持層を備えた保持具であって、
前記保持層が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気レオロジーゲルからなり、さらに該保持層に電場を印加するための電極層を備えることを特徴とする保持具。
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