JP5545107B2 - 動力伝達チェーン用ピンの研削装置及び研削方法 - Google Patents
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Description
この場合、擬似的にピン送り半径が小さくなった状態で研削が開始されるので、確実にピンの端面の曲率半径を小さくすることができる。また、最深位置では第2中心軸が後退しているので、ピンの端面における頂点の研削が深くなるということはない。
この場合、カム機構によって、安定した確実な進退動作を実現することができる。
図1は、研削装置100の全体構成の第1例を示す正面図である。
図1において、相互に直交する水平(横)、鉛直、奥行の各方向を図示のように、X方向、Y方向、Z方向とする。これらの方向は、研削時のピン1の図10における各方向とも対応する。研削装置100は、基台4と、基台4に対してX方向と平行に移動可能に取り付けられた砥石支持台5と、砥石支持台5によって中心軸3z周りに回転自在に支持された砥石3と、砥石支持台5に対してX方向及びY方向とそれぞれ平行に移動可能に取り付けられたドレッサー支持台6,7と、ドレッサー支持台6,7によって支持されたドレッサー8とを備えている。
なお、上下方向(Y方向)への移動用のドレッサー支持台7を備えていない研削装置もあり、その場合には、ドレッサー8は、キャリア2及び砥石3の中心線CL1上に配置される。
また、図は、構造をわかりやすく示すことを主眼においたもので、図示している各部の大きさは実際の寸法と必ずしも比例関係ではない。このことは、後述の図2〜9についても同様である。
また、ドレッサー8も図示しないモータによって回転駆動される。砥石3及びドレッサー8を回転させながら、ドレッサー支持台6,7によってドレッサー8を砥石3に接触させることにより、砥石3を所望の形状に成形することができる。
一方、砥石3の外周近傍には、断面形状が図示のような形状となるように外周面から内方に切り込んだ周溝3aが形成されている。周溝3aの外周側寄りの、軸方向(Z,−Z方向)両側壁は、傾斜した(全周で見ると円錐面状の)砥面3bとなっており、これらは、Z方向に互いに対向して対称な形状を成している。(b)において、ピン1を研削する砥面3bの部分は、曲率半径がR1となるように仕上げられている。このR1は、研削仕上がり時のピン1の曲率半径R1に対応するものである。
図3の(b)は、図2の(b)と同様のキャリア2及び砥石3の断面図、また、図3の(a)は(b)と対応させて上記の進退動作を幾何学的に示す図である。図3の(a)において、3つの楕円はピン1の端面1aを概念的に示している。斜線を付した中央の楕円が、砥面3bとの関係で最深位置にあるピン1を表している。前述のように、図1又は図2に示すキャリア2は、反時計回り方向に回転するため、図3の(a)において、研削されるピン1は、紙面の下方側から上方側へ通り抜ける。従って、下方の楕円は研削時に最深位置より前位置となり、研削の開始位置である。上方の楕円は最深位置を挟んで前位置と逆の位置すなわち、後位置である。
ここで、図3の(a)において、キャリア2の中心軸2zの変位量Δxに関する関係式を導出する。中心軸2zの本来の位置を原点とすると、点Qの座標(xq,yq)は、以下のように表される。
xq=r0+rg−(rg+r2)cos(φ−θ) ...(1)
yq=(rg+r2)sin(φ−θ)
=(r0−r2)sinθ ...(2)
式(1)、(2)よりθを求めると、
θ=arctan[(rg+r2)sinφ/{r0−r2+(rg+r2)cosφ}] ...(3)
となる。
CQ=r0−r2 ...(4)
であることを用いると、
Δx=[(r0−r2)2−{(rg+r2)sinθ}2]1/2+{r0+rg−(rg+r2)cos(φ−θ)} ...(5)
となる。
図4は、図3の(a)を、経時的に分けて示した図である。すなわち、図4の(a)はピン1が前位置にあるとき、(b)は最深位置にあるとき、(c)は後位置にあるとき、をそれぞれ示している。(a)において、中心軸2zは、ピン1が研削開始される前位置に達したとき(又はその時までに)X方向へ、変位量Δxの前進をしている。次に、ピン1が(a)の位置から(b)に示す最深位置に移動するまでに中心軸2zは後退し、元の位置に戻る。そして、ピン1が(b)の位置から(c)に示す後位置に移動するまでに再び変位量Δxだけ前進する。このような一連の動きをピン1個に対する1サイクル動作として、逐次、サイクル動作を繰り返す。
また、ピン1の付け替えなしで一気に両端面1aが研削されることにより、付け替えに伴う誤差が生じないので、研削の精度に優れている。
キャリア2に、上記のような進退動作をさせる駆動機構10(図1)は、研削されるピン1の角度検知や、それに基づく一定変位量の進退動作ができる構成であればよく、例えば、角度検知のセンサや、進退駆動用のサーボモータ等により制御系として構成することができる。また、電気的な制御に依存せず、キャリア2の一定量回動に連動するリンク機構によって往復のストローク動作を生み出すメカニカルな構成でもよい。
以下、研削装置の全体構成に関する他の例について参考のため説明する。
図7は、研削装置100の全体構成の第2例を示す正面図である。この第2例は、キャリア2の構成(形状及びピン保持の構造)が第1例とは異なるが、それ以外は同じであり、キャリア2を進退動作させる点も同じである。
第2例におけるキャリア2は、図示のように、円盤状の部材の外周面に切り欠きが等間隔に形成された形状を有している。
なお、砥石3の構成については、第1例と基本的に同様であるので、説明を省略する。
また、保持されるピン1は砥面3bの研削方向に相対するピン保持面21に当接して保持されるので、両端面1aの研削に伴ってピン1に作用する研削抵抗の大半をピン保持面21によって受け止めることができる。従って、ピン1を頑強に保持せずとも、ピン保持面21と弾性変形可能な押さえ部材23とによって挟持するという比較的簡単な構成で保持でき、しかも、複雑な手順を要することなくピン1を着脱できる。
なお、上記全体構成の各例に共通な前述のキャリア2の進退動作に関して、例えば図3の(a)における中心軸2zの位置を本来の位置として、そこからΔxの変位を生じる、として説明したが、周期的に進退動作が繰り返される状態では、どちらが本来の位置かは便宜上の設定に過ぎない。すなわち、図3の(a)における点Cの位置が本来の位置で、Δxの変位を(−x)方向に生じさせていると解することもできる。但し、キャリア2の中心軸2zを砥石3の中心軸3zに対して相対的に「近づける」若しくは「遠ざける」、又は、キャリア2の中心軸2zが砥石3の中心軸3zに対して相対的に「近づいている」若しくは「遠ざかっている」という関係は、上記解釈に関わらず共通である。
Claims (4)
- 第1中心軸周りに回転する回転体であって、外周近傍に、被研削部材である動力伝達チェーン用ピンの両端面を研削する一対の砥面を有する砥石部と、
前記第1中心軸と平行な第2中心軸周りに回転する回転体であって、前記ピンを、前記第1中心軸に平行な姿勢で保持して前記一対の砥面間に挿入し、通過させるキャリアと、
前記砥石部に対して前記ピンが最も深く入り込んで研削される最深位置の前後位置では前記第2中心軸が前記第1中心軸に相対的に近づいており、当該最深位置では相対的に遠ざかっている進退動作をするように前記キャリアを駆動する駆動機構と
を備えたことを特徴とする動力伝達チェーン用ピンの研削装置。 - 前記進退動作は、一定変位量の前進をした状態で、前記ピンが前記最深位置の前位置としての研削開始位置に来るように、前記キャリアの回転と同期して行われる請求項1記載の動力伝達チェーン用ピンの研削装置。
- 前記駆動機構は、前記キャリアとカム機構を構成することによって前記進退動作を生じさせる請求項1記載の動力伝達チェーン用ピンの研削装置。
- 第1中心軸周りに回転する回転体であって、外周近傍に、被研削部材である動力伝達チェーン用ピンの両端面を研削する一対の砥面を有する砥石部と、前記第1中心軸と平行な第2中心軸周りに回転する回転体であって、前記ピンを、前記第1中心軸に平行な姿勢で保持するキャリアとを有する研削装置を用いて行う動力伝達チェーン用ピンの研削方法において、
回転する前記砥石部の前記一対の砥面間に前記キャリアにより前記ピンを挿入して通過させるとき、
前記砥石部に対して前記ピンが最も深く入り込んで研削される最深位置の前位置では前記第2中心軸を前記第1中心軸に相対的に近づけ、
前記最深位置では前記第2中心軸を前記第1中心軸から相対的に遠ざけ、
前記最深位置の後位置では前記第2中心軸を前記第1中心軸に相対的に近づける、
という進退動作を前記キャリアが実行することを特徴とする動力伝達チェーン用ピンの研削方法。
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| JP2010175469A JP5545107B2 (ja) | 2010-08-04 | 2010-08-04 | 動力伝達チェーン用ピンの研削装置及び研削方法 |
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