<実施の形態1>
(原理)
図1はこの発明の実施の形態1である表示装置の構成を模式的に示す説明図である。同図に示すように、フライアイレンズ1の背面には光点マスク2が形成される。
フライアイレンズ1は表面にマトリクス状に配置された球面凸状の複数の単レンズを有している。光点マスク2はフライアイレンズを構成する一つのレンズに相当する領域に複数の開口部20を持っている。
光点マスク2の裏面には発光表示面3が設けられる。発光表示面3はマトリクス状に配置された複数の画素を表面に有し、複数の画素はそれぞれフライアイレンズ1の一の単レンズに対向する位置に設けられる。
ここで、フライアイレンズ1の複数の単レンズにおいて隣接する単レンズ間のピッチであるフライアイレンズピッチP1は人間の目の瞳の直径D(通常2〜5mm)に比べ十分小さな0.3mm以下が望ましく、ここでは0.12mmとしている。各単レンズの曲率半径は0.5mm、材料は光学機器用樹脂であり屈折率は1.52〜1.53に設定される。
フライアイレンズ1の裏面に設けられる光点マスク2の位置が、フライアイレンズ1の焦点距離の平面上となるように、フライアイレンズ1の厚さtは1.5mmに設計されており、すなわち、フライアイレンズ1の焦点距離とほぼ同じ値にフライアイレンズ1の厚さt(1.5mm)が設定される。また、光点マスク2の複数の開口部20における隣接する開口部20間のピッチは12.038μm、開口径は1.0μmに設定される。
図2は実施の形態1の表示装置における光の経路を示す説明図である。発光表示面3の一つの画素Xaから出た光は、光点マスク2の開口部20を通過し、フライアイレンズ1の対応する単レンズZaにより、単レンズZaの径(フライアイレンズピッチP1)と同程度の径のビーム光51となって直進する。これは、「焦点を通る光線のレンズ通過後は、平行光線になる。」原理に基づいている。ただし、厳密にビーム光51は平行光線になる必要はなく、観察位置(瞳領域31を有する黒目領域30が存在する位置)において瞳の直径3〜4mmよりも十分小さい0.5mm程度以下のビーム直径に維持される程度の平行度が維持されればよいとする許容度を有する。この許容度により、フライアイレンズ1の各単レンズの曲率半径やフライアイレンズ1の板厚t(=焦点距離)に要求される精度が緩和されることになる。また、この時、画素Xaから異なる開口部20を通過した光は、それぞれ開口部20と単レンズZaとの位置関係で決まる異なる方向にビーム光52として進むが、後述するように瞳領域31に進入することはない。
ここで、光点マスク2に設けられる複数の開口部20は左右方向に均等に開口ピッチP2で並んでおり、開口ピッチP2は以下の式(1)により決定する。
式(1)において、“D”は所定の観察者の瞳の直径(2〜5mm程度)であり、“L”はフライアイレンズ1の表面から観察面(黒目領域30)までの視距離(300〜500mm)であり、“t”はフライアイレンズ1の厚さ、“R1”はフライアイレンズ1の各単レンズの曲率半径である。すなわち、所定の観察者の瞳の直径として、2〜5mm程度内の任意の値を設定することができる。
図2に示すように、開口ピッチP2が式(1)を満足する場合、画素Xaから出た光のビームは、視距離Lにある観察者の目の瞳(瞳領域31)には同時には一本しか入射しない。すなわち、ビーム(51,52)の間隔は観察距離において、瞳の直径Dと同じになるため、眼の位置によらず、常に1本(極稀に2本が半分づつ)のビームが瞳に入射することになる。
なお、式(1)において、開口ピッチP2が右辺の値よりも大きい場合でも、「視距離Lにある観察者の目の瞳には同時には一本しか入射しない」効果は達成できるが、開口ピッチP2が大きすぎると、瞳領域31に1本のビーム光も入射しない可能性があり、暗くなってしまうため、画質は悪くなる。最適としては、開口ピッチP2は式(1)の右辺と等しいか、ビームの径を加味して右辺の1.3倍程度以内に設定することが望ましい。
また、光のビーム(51,52)の径(集光スポットサイズDS)はフライアイレンズ1の単レンズ間のフライアイレンズピッチP1と後述する開口部投影領域R20の和で決定するが、フライアイレンズピッチP1を所定の瞳の径に比べ十分細くし、且つ 光点マスクの開口部の直径を投影像R20の拡大率を考慮して所定の瞳の直径よりも十分小さくしておけば、ピンホールアイマスクと同じ原理で観察者の調節機能が健全でなくても網膜上にぼやけの少ないひとつの点として結像される。たとえば、高精細視認領域(視距離L=30cm程度)において、各画素からのビーム光を視認スポットに集光することが必要であるが、70歳の老眼者(限界近視距離2m)の人には、集光スポットサイズ0.2mm以下が、60歳の老眼者(限界近視距離1m)の人には、集光スポットサイズ0.3mm以下にすることが望ましい。したがって、フライアイレンズ1のレンズのピッチも0.3mm以下程度の設定することが望ましい。さらに、後述するように光点マスクの開口部の直径は1μm以下程度が望ましい。
以下、集光スポットサイズについて詳述する。観察位置における集光スポットサイズをDSとすると集光スポットサイズDSは以下の式(2)(式(2a),式(2b))が決まる。
式(2a)に示すように、フライアイレンズ1を構成する一つの単レンズの直径(=フライアイレンズピッチP1)が集光スポットサイズDSの要因の一つとなる。図2に示すように、光点マスク2の微小な一点から出た光のビームが、完全に平行光線になった場合のビームの径はフライアイレンズピッチP1になる。これは、観察位置における微小な光点のぼやけの径になり、集光スポットサイズDSの一部となる。
図3は観察面40におけるレンズピッチぼやけ像を模式的に示す説明図である。図3に示すように、フライアイレンズ1の厚さtが焦点距離よりも僅かに大きい場合は、微小な一点から出たビーム光51a及び51bのぼやけRPa及びRPbそれぞれの幅は所定の視距離においてフライアイレンズピッチP1よりも小さくなり、集光スポットサイズDSは小さくなる。破線で示すビーム光51aはフライアイレンズ1の厚さtが焦点距離よりも僅かに大きい場合(ぼやけRPa)、実線で示すビーム光51bはさらに厚さtがさらに大きくなり観察面40の前方で結像した場合(ぼやけRPb)を示している。
この傾向は、微小な一点の結像位置が所定の視距離の半分以下になるまで維持される。ただし、さらにフライアイレンズ1の厚さtが厚い場合は、ぼやけの幅がフライアイレンズピッチP1よりも大きくなるため集光スポットサイズDSは大きくなってしまう。
さらに、式(2a)に示すように、光点マスク2の開口部20の大きさである開口径DKによる開口像サイズDmが集光スポットサイズDSの要因となる。開口像サイズDmは式(2b)により決定する。
式(2)において、例えば、L=300mm、t=1.5mm、R1=0.5mmの場合、開口像サイズDmを0.3mmにするためには、開口径DK=1μmが必要になる。
図5は観察面40における集光スポットサイズを模式的に示す説明図である。ここでは、理解を容易にするために開口部20のひとつを直径DKの円で大きく描いている。同図に示すように、開口部20を反映した開口部投影像R20の開口像サイズDmと、レンズピッチぼやけ像RP1のぼやけの径DR1(<P1)との和が集光スポットサイズDSとなる。なお、式(2)において、後述する、フライアイレンズ1の異なるレンズからの開口部投影像R20の位置ズレは無視している。
理想的には、集光スポットサイズDSは0.3mm程度が望ましいが、瞳の直径よりも十分小さい1mm程度でも、ピンホールアイマスクと同様のぼやけ改善の効果は期待できる。
この場合、フライアイレンズ1からのビーム光は厳密に平行光線になる必要はなく、観察位置において集光スポットサイズDS=1mmよりも小さい0.3mm程度のビーム直径に維持される程度の平行度でも許容範囲となる。この許容範囲により、フライアイレンズ1を構成する各単レンズの曲率半径R1やフライアイレンズ1の板厚tに要求される精度を緩和することができる。
図4はフライアイレンズピッチP1、開口ピッチP2及びレンズ対応開口ピッチP3の関係を模式的に示す説明図である。以下、図2に戻って、図4を参照しつつ、さらに、発光表示面3の他の画素Xbを出てフライアイレンズ1の他の単レンズZbを通過する光を考える。
特に、図4に示すように、フライアイレンズ1の単レンズはフライアイレンズピッチP1で左右上下に均等に並んでいる。これらの単レンズ間で集光スポットに向かう光を通過する開口部20の左右上下方向のレンズ対応開口ピッチP3は、隣接する単レンズ間のレンズ中心CTを通過するそれぞれのビーム光が視距離上において同一集光点で交わるように設定される。すなわち、レンズ対応開口ピッチP3は、以下の式(3)に従って決定される。
この場合、発光表示面3の他の画素Xbを出てフライアイレンズ1の他の単レンズZbを通過する光は、瞳領域31内の集光スポットF1に進む。同様に発光表示面3の各画素の光は集光スポットF1を通過する。したがって、黒目領域30にピンホールアイマスクを置いた状態と等価になるため、目の調節機能が健全でなくても、観察者の網膜上に鮮明な画像を結像することが可能になる。
ここで、図4に示すように、フライアイレンズ1のひとつの単レンズに対応する光点マスク2の開口部20の数は少なくても形成される観察ポイントに瞳を持っていくことでぼやけの少ない画像を視認できる。ただし、開口部20の数に比例して観察ポイントが増加するため、開口部20の数が多いほうが観察者の瞳を観察ポイントに持ってゆくのが容易になり使いやすさ向上する。しかし、開口部20の数が多くなると、フライアイレンズ1の単レンズの境界付近まで開口部が存在することになる。この時、式(a)「P3=k・P2…(a)」を満足することが望ましい。式(a)において、kは「P3/P2」に近い任意の整数である。
式(a)「P3=k・P2」を満足するため、フライアイレンズ1の単レンズの境界領域でも集光スポット間のピッチ(間隔)の乱れがなく、瞳領域31内に収まる一の集光スポットF1が実現される。このため、左右方向に広い範囲で観察が可能であり、さらに使いやすくなる。なお、発光表示面3に輝度調節機構を設け、発光表示面3の輝度を調整することにより、式(1)の関係から導き出される瞳の大きさDに観察者の瞳の大きさDを変えて見やすい状態にすることも可能である。したがって、実際の設計では、まず想定の瞳サイズDを仮定し、式(1),式(3)から開口ピッチP2及びレンズ対応開口ピッチP3を決定し、式(a)を満足する適度な整数kを決め、「P2=P3/k」から開口ピッチP2を再決定することになる。ここで、一般的な瞳の径は3.0mmを中心に±30%の変化幅程度であるため。整数kの決定時も「P3/P2」の±30%以内の整数に設定することが望ましい。
以下、この点を詳述する。本実施の形態では、所定の観察位置において直径0.3〜1mmの集光スポットサイズを形成することが目的である。集光スポットサイズは、厳密には以下の3つの要因で決まる。
要因(1) 光点マスク2の一開口部から出た光のビームの像のレンズピッチぼやけ像RP1の径(ほぼフライアイレンズピッチP1)、
要因(2) 光点マスク2の開口部20(開口径DK)のフライアイレンズ1による像の径、
要因(3) フライアイレンズ1の異なる単レンズのからの開口部投影像R20の位置ズレ。
本発明の構成では、所定の視距離Lを変えたい場合、最も集光スポットサイズの変化が大きいのは、要因(3)の開口部投影像R20の位置ズレである。したがって、本発明では異なる値のレンズ対応開口ピッチP3で形成された開口部20を設けることにより、所定の視距離を複数設けることが可能となる。
観察距離L(視距離L)300mm〜500mmとし、集光スポットサイズDSは直径0.2〜1.0mm、集光スポットFS間のピッチ、すなわち瞳サイズDを2〜4mm程度にすることを目標とする場合、設計値は以下のようになる。
画素のサイズは0.1〜0.4mm、フライアイレンズピッチP1は0.1〜0.5mm、フライアイレンズ1を構成する各単レンズの曲率半径R1は0.1〜3mm、フライアイレンズ1の厚さtは0.1〜1mmとなる。そして、以下の(1)〜(6)の順で寸法計算を行う。
(1) 所定の視距離L,所定の瞳サイズDの仮定、
(2) 設計値のフライアイレンズピッチP1、曲率半径R1の設定、
(3) フライアイレンズ厚みtの設定(厚みtはフライアイレンズ1の裏面が表面のレンズの焦点の位置にくる値に設定する)、
(4) 式(3)を用いた光点マスク2のレンズ対応開口ピッチP3の計算、
(5) 式(1)を用いた光点マスク2の開口ピッチP2の仮計算、
(6) 式(a)を用いた開口ピッチP2の修正計算、
そして、レンズ対応開口ピッチP3によって視距離L1が最終的に決定する。
特許文献1では、観察距離は、レンズの結像距離に限定されてしまうが、本実施の形態表示装置では、投影するフライアイレンズ1のピッチP1を0.3mm以下に設定しているため、視距離Lはフライアイレンズ1のレンズの結像距離に限定されなくなる。すなわち、視距離Lの設定に自由度が存在する。このため、レンズ対応開口ピッチP3を適宜設定することにより、所定の視距離Lを異なる距離に複数設定することが出来る。例えば、図1に示すように、異なる結像面41,42に集光スポット8が結像するように異なる複数の想定視距離を実現することができる。
なお、式(3)のように、レンズ対応開口ピッチP3をフライアイレンズピッチP1より少し大きく設定する理由は以下の通りである。図6は開口部の位置の違いによる観察面40の集光スポットへの集光状況を示す説明図である。同図に示すように、観察面40のひとつの集光スポットFSに瞳を置いた場合に、画面全体を眺めるためには、画面全体のフライアイレンズ1を構成する個々の単レンズからの光が、その集光スポットFSに集まっていることが必要となる。
フライアイレンズ1の単レンズが球面レンズの場合、図6に示すように、集光スポットFSと正対する位置関係にあるフライアイレンズ1の中央の単レンズZ0の中心軸L0の延長線上に開口部20が配置されることにより、そのビーム光M20は集光スポット内に集光する。しかし、単レンズZ0の下方の単レンズZ1は集光スポットFSとの関係は下方にずれるため、その中心軸L1の延長線上より少し下方に開口部21を配置して、レンズZ1のレンズ中心CTを通過するビーム光M21を集光スポット内に集光させる必要がある。同様にして、単レンズZ1の下方の単レンズZ2は集光スポットFSとの関係はさらに下方にずれるため、その中心軸L2の延長線上よりさらに少し下方に開口部22を配置して、レンズZ2のレンズ中心CTを通過するビーム光M22を集光スポットFS内に集光させる必要がある。
このように、画面端のフライアイレンズ1のレンズの光は斜めに進ませることが必要であり、光点マスク2の開口部20〜22の位置は、中心の開口部20から遠ざかる従い対応するフライアイレンズ1の対応するレンズの中心軸よりよりも外側に位置させることが必要となる。したがって、式(3)に示すようにレンズ対応開口ピッチP3を決定する必要がある。
(光点マスク2の構成)
ここまでの記載は原理の説明を主としたため、光点マスク2の開口部20は水平方向及び垂直方向が均一で同じ値を採ることを前提にして述べた。ここからは本実施の形態で用いる光点マスク2について説明する。
図7は光点マスク2における開口部20の配列状況を模式的に示す説明図である。同図において、図中の破線による四角線は升目状に配置されたフライアイレンズ1のひとつひとつの単レンズ位置を示している。
同図に示すように、各列における水平方向(図中左右方向)の開口ピッチP2H1〜P2Hmはフライアイレンズ1を構成する単レンズとの位置に関係なく各均一なピッチで開口部20は並んでいる。ただし、開口ピッチP2H1〜P2Hmの順にピッチは大きくなるように設定されている。一方、垂直方向(図中上下方向)のピッチP2V1〜P2Vmは、開口ピッチP2H1〜P2Hmの順に大きくなるのと併せて、ひとつの単レンズに対応した領域内で、上部から下部に向けてピッチが広くなるように開口部20のピッチP2V1〜P2Vmは不均一に配列されている。
図8は実施の形態1の表示装置の横断面を模式的に示す説明図である。図9は実施の形態1の表示装置の縦断面を模式的に示す説明図である。これらの図に示すように、フライアイレンズ1のレンズはピッチP1で左右上下に均等に並んでいる。光点マスク2の開口部20は水平方向(左右方向)には均等にピッチP2Hn(図7のP2H1〜P2Hmのいずれか)で並んでいる。ここで、各ピッチP2Hnは視距離Lnとして、以下の式(4)を満足するように構成されている。また、レンズ対応開口ピッチP3Hnは以下の式(5)を満足するように構成されている。
さらに、式(b)「P3Hn=kn・P2Hn」を満足することが望ましい。ここで、“kn”は「P3Hn/P2Hn」に近い任意の整数である。視距離Lnとしては、200〜500mmが使いやすい値である。したがって、実際の設計では、まず想定の瞳サイズDを仮定し、Lnを設定して式(4)、式(5)から開口ピッチP2Hnとレンズ対応開口ピッチP3Hnを決定し、「kn=P3Hn/P2Hn」から近い整数knを決め、「P2Hn=P3Hn/kn」から開口ピッチP2Hnを再決定することになる。
図9に示すように、フライアイレンズ1の連なるレンズを通過して同一の集光スポットF1に光が集まる開口部20の上下方向のピッチP3Vnも同様に、以下の式(6)で決定される。
なお、フライアイレンズ1を上下方向には、ひとつのレンズに対応した領域内で、上部から下部に向けて(図7のP2H1からP2Hmにかけて)水平方向及び垂直方向の開口ピッチが共に広くなるように開口部20を配列する理由は以下の通りである。
前述したように、集光スポットサイズDSは上述した3つの要因(1)〜(3)で決まる。そこで、ボケのない集光スポットが何処にどのように出来るかを考える。
表示装置を立てて正面方向から眺める場合。上下方向には、ひとつのレンズに対応した領域内で、上部から下部に向けてピッチ(水平方向及び垂直方向共に)が広くなっている。このため、要因(3)により、図9に示すように、上部の狭いピッチの光点マスク2の開口部20の集光スポットのできる位置は集光スポットF23,F24ように、画面の下方の遠距離になり、下部の広いピッチで並ぶ光点マスク2の開口部20の集光スポットの出来る位置は、集光点F21,F22のように、画面の上方の近距離になる。なお、ピッチD1〜D4はF21〜F24(F1を含む)間のピッチであり同じ値(所定の瞳の大きさ)に設定される。
このように、フライアイレンズ1の単レンズ当たりにおいて、集光スポットF21、F22及びF1、F23及びF24の順で視距離Lが変化するように、光点マスク2の複数の開口部20の水平方向及び垂直方向の配置がなされる。
このとき、視距離Lの変化が300〜500mm間の変化で収まる場合、上記要因(1),(2)による集光スポットFSの拡大は1.66倍程度であり比較的に悪影響は少ない。
このように、実施の形態1の表示装置は、フライアイレンズピッチP1、開口ピッチP2及びレンズ対応開口ピッチP3を式(4)〜式(6)に従い設定することにより、各々以下の働きを達成することができる。
フライアイレンズピッチP1を0.3mm以下に設定することによって、集光スポットサイズDSをピンポールアイマスク効果が老眼者にも機能する小さいサイズにする。開口ピッチP2を式(1),式(4)によって設定することにより同一画素から出たビームは観察者の瞳には同時には一本しか入射しないようにする。レンズ対応開口ピッチP3を式(3)、式(5)及び式(6)に示すように設定することにより、集光スポットFS上にピンホールアイマスクを置いたのと等価な状態にすることができる。
このように、実施の形態1の表示装置は、フライアイレンズピッチP1と、開口ピッチP2及びレンズ対応開口ピッチP3(複数の開口部20の配置)とを設定することにより、発光表示面3の各画素からの光がフライアイレンズ1から、瞳の大きさよりも十分小さい径の平行ビームとして、発光表示面3から視距離L上に位置する観察者の瞳(瞳領域31)に一点に集光される表示形態となる。このため、目の焦点調節機能が劣る観察者にも支障なくぼやけの少ない高精細な画像を表示することができる。
この際、視距離L1を多少前後させても平行ビームの径は変化が少なく上記表示状態をほぼ維持することができるため、フライアイレンズの焦点距離に対する許容誤差が大きくなり製造の製造を容易化することができる効果を奏する。
さらに、実施の形態1の表示装置では、光点マスク2の複数の開口部20の水平方向及び垂直方向の開口ピッチを共に縦方向(垂直方向)に従い異なる値に設定して、縦方向に異なる複数の観察可能な所定の視距離を実現することにより、表示装置を水平方向の軸を中心として傾けることにより、上記複数の視距離のいずれかに合致した観察点(瞳領域31)において、高精細な画像を視認することができる。すなわち、観察距離を近づけたり遠ざけたりできる。
ここで、光点マスク2のそれぞれの開口部20の色と明るさを決める方法として、背面に発光表示面3を設けたが、発光表示面3としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどが使用できる。
この際に、発光表示面3の光を有効に活用するために、光点マスク2の開口部20に対向する部分だけ発光させることにより、発光表示面3の光の利用効率を高めることが可能である。
<実施の形態2>
図10はこの発明の実施の形態2である光点マスク2の製造方法を示す説明図である。以下、実施の形態2の光点マスク2の製造方法は実施の形態1の表示装置における光点マスク2を製造する方法であって、以下のステップ(a)〜(c)の順で実行される。
ステップ(a)では、焦点距離に等しい厚さtを有するフライアイレンズ1の裏面に黒色のレジストを塗布する。すなわち、フライアイレンズ1の厚さtを裏面にちょうどレンズの焦点面が位置するように設定した後、裏面に黒色のレジスト14を塗布する。
ステップ(b)では、フライアイレンズ1から視距離Lの観察位置に複数の露光用開口部13を有する露光用マスク12を配置する。すなわち、フライアイレンズ1から視距離Lの観察位置に露光用マスク12を配置、瞳の大きさ程度の間隔で実現したい集光スポットFSの位置に、複数の露光用開口部13を設け、複数の露光用開口部13の後方に露光用点光源アレイ11の各光源11a〜11dを設ける。
ステップ(c)では、露光用開口部13を介して、露光用点光源アレイ11の各光源11a〜11dよりレジスト感光用の光を点灯して、フライアイレンズ1で集光させてレジスト14を感光させ、感光させた領域を除去して得られる複数の開口部20を有する光点マスク2を得る。
すなわち、露光用点光源アレイ11の各光源11a〜11dよりレジスト感光用の光を点灯することにより、露光用マスク12の露光用開口部13を介して、フライアイレンズ1で集光させてレジスト14を感光させ、現像する。その結果、レジスト14におけるフライアイレンズ1によって光の集光した箇所を除去して、複数の開口部20を有する光点マスク2を製造する。
実施の形態2の光点マスク2の製造方法により、フライアイレンズ1におけるフライアイレンズピッチP1が何らかの原因でバラついている場合でも、精度良く観察位置に設定した集光スポットFSの位置に、ビーム光の集まる光点マスク2を得るできることができる効果を奏する。
<実施の形態3>
図11はこの発明の実施の形態3である表示装置の断面構成を模式的に示す説明図である。同図に示すように、フライアイレンズ1の裏面のフライアイレンズ1の焦点面に位置する光点マスク2の開口部20にそれぞれ焦点を持つように、光点集光レンズ5が形成されている。
これにより、実施の形態1の表示装置の効果に加え、発光表示面3から出て光点マスク2の開口部20を通過する光が増加し、光利用効率を高めることができる効果を奏する。
また、光点マスク2が存在することにより、複数の光点集光レンズ5による焦点の位置ズレを補正することができる。
<実施の形態4>
図12はこの発明の実施の形態4である表示装置の断面構成を模式的に示す説明図である。同図に示すように、フライアイレンズ1の焦点の平面上の光点マスク2の開口部20のあるべき点に焦点を持つ光点集光レンズ5が形成されている。しかし、実施の形態4では光点マスク2は形成されていない。さらに発光表示面3の表面側に光の配光角度分布を狭め平行光線に近づける機能を有す光指向性制御フィルム6を設置している。
したがって、開口ピッチP2が光点集光レンズ5の複数の単レンズ間の隣接ピッチ(焦点ピッチ)に置き換わり、レンズ対応開口ピッチP3がレンズ対応焦点ピッチに置き換わるとともに、式(1)、式(3)〜式(6)を満足する。
上述したように、実施の形態4では、光点集光レンズ5の焦点は、ちょうどフライアイレンズ1の焦点面上に設定している。したがって、発光表示面3からの平行光線を光点集光レンズ5側に入射すると、ちょうどフライアイレンズ1の焦点面上に個々の光点集光レンズ5に対応した焦点が集光される。その結果、フライアイレンズ1の焦点面上に格子状に配列した光点群が形成されることになり、実施の形態1の光点マスク2を用いて発光点を格子状に並べた状態と同じ状態を実現することができる。
よって、実施の形態4の表示装置は、光点マスク2を設けた実施の形態1の表示装置と同じ効果を実現することができる。さらに、光点マスク2での光利用効率の低下がないため、光の利用効率が高くなり、高輝度が実現できる効果を奏する。
なお、発光表示面3と光点集光レンズ5との間に光指向性制御フィルム6を設けたのは、以下の理由による。
光点集光レンズ5に平行光線を入射しないと、フライアイレンズ1の焦点面上に集光される個々の光点集光レンズに対応した焦点がぼやける。そこで、平行光線に近づけるために面に垂直方向に透過率が高く、斜め方向に透過率の低い光指向性制御フィルム6を用いて、光点集光レンズ5に入射する光の平行度を高め、上述した焦点のぼやけを解消している。
このように、実施の形態4の表示装置は、上記のように、フライアイレンズピッチP1、集光ピッチ及びレンズ対応焦点ピッチを含む複数の集光レンズの配置を設定することにより、発光表示面3の各画素からの光がフライアイレンズ1から、瞳の大きさよりも十分小さい径の平行ビームとして、発光表示面3から視距離上に位置する観察者の瞳に一点に集光される表示形態となる。このため、目の焦点調節機能が劣る観察者にも支障なく視認可能な画像を表示することができる。
この際、上記視距離を多少前後させても上記表示状態をほぼ維持することができるため、フライアイレンズの焦点距離に対する許容誤差が大きくなり製造の製造を容易化することができる効果を奏する。
さらに、複数の光点集光レンズ5を用いることにより、光の利用効率が高くなり、高輝度が実現できる効果を奏する。
さらに、実施の形態4の表示装置は、光指向性制御フィルム6をさらに備えるため、発光表示面3から光点集光レンズ5に入射する光の平行度を高めて、焦点のぼやけを解消することができる。
<実施の形態5>
図13は実施の形態5である表示装置の断面構成を模式的に示す説明図である。同図において、実施の形態5の表示装置はバックライト部(バックライト導光板180,光源190)、反射偏光板112、液晶パネル100及びフライアイレンズ101から構成される。
バックライト導光板180は光源190の点灯時に液晶パネル100に向けて拡散光を照射する。液晶パネル100は、裏面側(バックライト導光板180側)から表面側(フライアイレンズ101側)にかけて、偏光板110、透明基板120(第1の透明基板)、光点マスク102、透明電極130(第1の透明電極)、液晶層140、透明電極150(第2の透明電極)、透明基板160(第2の透明基板)及び偏光板170の順に積層された積層構造により形成される。
すなわち、液晶パネル100の裏面側及び表面側に2枚の透明基板120及び160が形成され、透明基板120と透明基板160との間に液晶層140が形成され、液晶層140及び透明基板120間、並びに液晶層140及び透明基板160間には、透明電極130及び150が形成される。透明電極130及び透明電極150それぞれの厚さは数マイクロメートル程度である。さらに、透明基板120及び透明電極130間に光点マスク102が形成される。
液晶パネル100の偏光板170の表面にはフライアイレンズ101が貼り付けられている。フライアイレンズ101は表面にマトリクス状に配置された球面凸状の複数の単レンズを有している ここではフライアイレンズ101のフライアイレンズピッチP1は例えば0.24mmに設定される。
フライアイレンズ101と光点マスク102との位置関係において、フライアイレンズ101の各単レンズの焦点の並ぶ平面上に点状の複数の開口部103を有する光点マスク102が位置している。すなわち、透明基板120及び透明電極130間に設けられる光点マスク102が、フライアイレンズ101の焦点距離f101の平面上に位置するよう設計される。
液晶層140は透明電極130及び透明電極150による電圧駆動により、マトリクス状に配置された複数の画素を形成可能であり、上記複数の画素はそれぞれフライアイレンズ101の一の単レンズに対向する位置に形成される。
フライアイレンズ1の単レンズはフライアイレンズピッチP1で左右上下に均等に並んでいる。これらの単レンズ間で集光スポットに向かう光を通過する光点マスク102の開口部103の左右上下方向のレンズ対応開口ピッチP3は、実施の形態1と同様、隣接する単レンズ間のレンズ中心を通過するそれぞれのビーム光が視距離上において同一集光点で交わるように設定される。
前述したように、液晶層140に対してバックライト導光板180側である、透明基板120と透明電極130との間に、フライアイレンズ101の単レンズに対応して複数の開口部103が設けられた光点マスク102が形成されている。
図14は光点マスク102の表面形状を示す説明図である。同図に示すように、光点マスク102に選択的に設けられる複数の開口部103それぞれの直径は1〜5μm程度で設定され、液晶層140の駆動用の電極(透明電極150)や配線を形成する際に同時に写真製版プロセスで形成することができる。
光点マスク102の材料(開口部103以外の周辺領域104を形成する材料)はブラックマトリクスや金属配線に用いられる材料のうち、光を通さない材質であれば任意であるが、ここでは遮光した光を反射するアルミ薄膜で形成している。アルミ薄膜は液晶パネルの配線材料として一般的であり光の反射率が90%程度と高い。
なお、実施の形態1で述べた(1)〜(6)の順で行う寸法計算と同様にして実施の形態5の寸法設定が行われる。
すなわち、所定の視距離L,所定の瞳サイズD、フライアイレンズ厚みt、フライアイレンズ101の曲率半径R1、フライアイレンズピッチP1、光点マスク102における開口部103の開口ピッチP2、さらに、レンズ間で集光スポットに向かう光を通過する開口部103の左右上下方向のレンズ対応開口ピッチP3等は実施の形態1と同様に設定される。
ただし、フライアイレンズ101の厚みt101は、液晶パネル100内に形成される光点マスク102がフライアイレンズ101の単レンズの焦点の位置にくる値に設定する必要がある点が異なる。
このような構成の実施の形態5の表示装置の動作について説明する。図13において、光源190の点灯時にバックライト導光板180から照射された光dが反射偏光板112及び偏光板110を通過し、さらに、光点マスク102の開口部103を通過してフライアイレンズ101により集光されて所定の観察位置において集光スポットを形成する。この原理は実施の形態1の表示装置と同様である。
一方、光d,光fは透明電極130と透明電極150との駆動内容で決定する液晶層140の状態により透過率が調整されるのは通常の液晶パネルと同様である。
この時、光fのように光点マスク102の開口部103を通過しない光があるが、光点マスク102の周辺領域104が反射率の高いアルミで形成されているため、バックライト導光板180に向けて反射され、バックライト導光板180でさらに反射された光が再び開口部103を通過することもあるため、光利用効率を高めることができる。なお、バックライト導光板180の裏面には通常、反射板が設けられるため、前方からの光を反射することができる。
一方、光利用効率を重視しない場合は、光点マスク102(の周辺領域104)を反射率の高い金属配線で製造する必要はない。
また、図13で示した構成では、光点マスク102を液晶層140に対しバックライト導光板180側に設けたが、透明電極150及び透明基板160間に光点マスク102を設ける、すなわち、光点マスク102を液晶層140に対しフライアイレンズ101側に設けても良い。ただし、光点マスク102は、フライアイレンズ101の焦点距離f101の平面上に位置するよう設計する必要がある。
この際、光点マスク102(の周辺領域104)は、配線やブラックマトリクスに用いる遮光性の材料を用いて、製造し易いように形成しても良い。このように製造することにより光点マスク102の製造コストが削減できる効果を奏する。
なお、実施の形態5の構成において、フライアイレンズ101のピッチを0.24mmに設定しているが、これは、フライアイレンズ101のピッチが小さくなりすぎると単レンズの口径が小さくなり、回折による集光スポットサイズが大きくなってしまうのを防ぐためである。
図15はフライアイレンズピッチP1に対する集光スポットサイズ(輝度半値幅)との関係を示すグラフである。
同図において、フライアイレンズピッチP1(口径)が0.12mm(同図(a) )と0.24mm(同図(b) )の場合の300mm先の集光スポット位置に置かれたスクリーン上の相対輝度の輝度プロファイルの輝度半値幅を示している。なお、相対輝度とは、光点マスク102を配置しない場合における輝度を100%としたとき、光点マスク102光学シートを配置したときの輝度のこれに対する比率(割合)を意味する。
同図に示すように、フライアイレンズピッチP1が0.12mmの場合は輝度半値幅が1.2mmとなり、フライアイレンズピッチP1が0.24mmの場合は輝度半値幅が0.70mmとなり、フライアイレンズピッチP1の変化に比べ大きく変動する。
図16はフライアイレンズピッチP1と網膜像の幅との関係を示すグラフである。同図に示すように、横軸にフライアイレンズピッチP1(口径)、縦軸に網膜像のフライアイレンズ101のレンズの像の幅を示している。
図16では、300mmの集光スポット位置に瞳径3.2mmの観察者が位置した場合を想定し、網膜上のフライアイレンズ101のレンズ(=画素)の像の幅は、レンズのクリアな像の幅+ボヤケ幅で表されるとして、回折により集光スポットサイズが大きくなりピンポールアイマスク効果が低下したことによる網膜像のボヤケ幅の変化を、観察者の限界視点距離をパラメータとして計算した。
限界近視距離が67cm(55歳老眼者)の場合は、フライアイレンズピッチP1が0.24mm付近で網膜像のボヤケ幅は最小の0.04mmになる。フライアイレンズピッチP1が0.24mmに比べ小さすぎると回折により、集光スポットのボヤケ幅が広がり、逆にフライアイレンズピッチP1が0.24mmに比べ大きくなるとレンズの像自体が大きくなるためである。
同様に限界近視距離33cm(45歳老眼者)〜200cm(70歳老眼者)において、フライアイレンズピッチP1が0.1〜0.5mmの場合に、ボヤケ幅は最小になっている。すなわち、図16から、フライアイレンズ101のフライアイレンズピッチP1としては、0.1mm〜0.5mmが適しており、45歳以上の高齢者においては、0.20mm〜0.4mmが適していることがわかる。
このように、実施の形態5の表示装置は、フライアイレンズ101のフライアイレンズピッチP1と、光点マスク102の開口ピッチP2及びレンズ対応開口ピッチP3(複数の開口部103の配置)とを設定することにより、液晶層140の各画素からの光がフライアイレンズ011から、瞳の大きさよりも十分小さい径の平行ビームとして、液晶層140から視距離上に位置する観察者の瞳に一点に集光される表示形態となる。このため、実施の形態1の表示装置と同様、目の焦点調節機能が劣る観察者にも支障なくぼやけの少ない高精細な画像を表示することができるピンホールアイマスク効果を得ることができる。
この際、視距離を多少前後させても平行ビームの径は変化が少なく上記表示状態をほぼ維持することができるため、フライアイレンズの焦点距離に対する許容誤差が大きくなり製造の製造を容易化することができる効果を奏する。
加えて、液晶パネル100の液晶層140を制御する透明電極130及び150並びにその配線等の形成時に、光点マスク102を併せて形成することができるため、製造工程の簡略化を図ることができる効果を奏する。
さらに、光点マスク102の周辺領域104を反射率が比較的高い金属で形成することにより、光点マスク102の開口部103を通過せず、周辺領域104により反射された光がバックライト導光板180に戻って反射されることにより再利用されるため、光利用効率を高めることができる効果を奏する。
<実施の形態6>
図17は実施の形態6の表示装置で用いられる光点マスク202の表面形状を示す説明図である。図13に示した実施の形態5の表示装置において、光点マスク102を光点マスク202に置き換えたのが実施の形態6の表示装置である。
同図に示すように、実施の形態6の表示装置における光点マスク202に設けられる複数の開口部203の対応し、各開口部203の外周領域に沿って複数のハーフトーン位相シフト部204が形成されている。各ハーフトーン位相シフト部204の特性としては透過率10%〜30%、対応する開口部203との位相差は1/2波長に設定される。
実施の形態5の表示装置について述べたように、フライアイレンズ101のピッチが小さくなると回折による集光スポットの径の拡大が起き、これにより、ピンホールアイマスク効果が低下する。
実施の形態6では、光点マスク202において対応する開口部203及びハーフトーン位相シフト部204間において、開口部203の周囲のハーフトーン位相シフト部204を通過した光は、開口部203を通過した光と半波長ずれているために集光スポットのビームの外周部における干渉によりビームの外形を小さくすることができる集光ビーム縮小効果を発揮することができる。
図18は開口部203及びハーフトーン位相シフト部204を通過して得られる合成像を示す波形図である。以下、図18を参照して上記集光ビーム縮小効果について詳述する。
ここで、開口部203及びハーフトーン位相シフト部204の透過率をそれぞれ1.0及び0.1と仮定する。
上記仮定の場合、開口部203及びハーフトーン位相シフト部204の組合せによる相対的な透過率を考えると、開口部203の外形と等しい直径で透過率が1.1の円形の光通過部と、ハーフトーン位相シフト部204の外形と等しい外形の直径で透過率が0.1の円形の光通過部に分離して考えることができる。
したがって、開口部203及びハーフトーン位相シフト部204それぞれの光通過部の(集光ビーム)像Z1及びZ2がフライアイレンズ1によりそれぞれ単独に形成される。この時、開口部203とハーフトーン位相シフト部204の位置関係は数μmと近接しているため、それぞれを通過する光線がレーザ光の場合、位相の揃った状態となる。
その場合、ハーフトーン位相シフト部204の像を形成する光はハーフトーン位相シフト部204を通過する際に、開口部203の像を形成する光と比べ半波長ずれている。このため、両者の光は相殺され、実際には像は実線で示す合成(集光ビーム)像Z12で示し相対輝度の強度分布になる。このため、輝度半値幅(輝度半値径)はハーフトーン位相シフト部204が無い場合にくらべ縮小される。
すなわち、開口部203の像Z1の輝度半値幅r1に比べ、合成像Z12の輝度半値幅r2を小さくすることができるという、上記集光ビーム縮小効果が得られる。
この集光ビーム縮小効果は、通過する光線がレーザ光のようなコヒーレンス光の場合に、輝度半値幅を10%〜20%程度の縮小効果を得ることができる。
この時、上記集光ビーム縮小効果をより高めるには、バックライト導光板180の光源190には可干渉距離の長いレーザ光が望ましい。また、光源190の色は回折によるボヤケの幅の狭い短波長(青、緑)光が効果的である。ただし、青色は高齢者の視感度が低下しているために、緑色が適している。
このように、実施の形態6の表示装置は、光点マスク202において各開口部203に対応してハーフトーン位相シフト部204を設けることにより、集光スポットの径を小さくする集光ビーム縮小効果を発揮することができるため、上記ピンホールアイマスク効果を改善することができる。
<実施の形態7>
図19は実施の形態7である表示装置の断面構成を模式的に示す説明図である。同図に示すように、実施の形態7の表示装置には2つの平行光線バックライト導光板281及び拡散光線バックライト導光板282が設けられている。平行光線バックライト導光板281及び拡散光線バックライト導光板282には平行光線用の光源291及び拡散光線用の光源292が設けられる。光源291及び光源292のうち、一方を点灯、他方を消灯することができる。なお、拡散光線バックライト導光板282の裏面には反射板が設けられるが、平行光線バックライト導光板281の裏面には反射板が設けられない。したがって、平行光線バックライト導光板281は光を透過する。
したがって、実施の形態7の表示装置は、平行光線バックライト導光板281、光源291、拡散光線バックライト導光板282及び光源292からなるバックライト群、光点集光レンズ225、液晶パネル200、及びフライアイレンズ101から構成される。液晶パネル200は光点マスク102に代えて光点マスク302が用いられた点を除き、図13で示した実施の形態5の表示装置における液晶パネル100と同様な構成を呈している。
液晶パネル200の表面側の偏光板170の表面には、実施の形態5と同様に、フライアイレンズ101が貼り付けられている。ここではフライアイレンズ101のフライアイレンズピッチP1は例えば0.24mmに設定される。
液晶層140に対して、バックライト群(平行光線バックライト導光板281及び拡散光線バックライト導光板282並びに光源291及び292)側に位置する液晶層140と透明電極130との間にフライアイレンズ101の単レンズに対応して設けられる複数の開口部303からなる光点マスク302が形成されている。
図20は光点マスク302の表面形状を示す説明図である。同図に示すように、光点マスク302を構成する開口部303の直径は1〜5μm程度であり、各開口部303の外周領域に沿って遮光縁305が形成されている。これら複数の遮光縁305の組合せにより光点マスク302が形成される。
複数の遮光縁305は互いに離散して形成されているため、遮光縁305,305間の離散部分は光透過領域となっている。光点マスク302を構成する複数の遮光縁305は、液晶層140の駆動用の透明電極130,150や配線を形成する際に同時に写真製版プロセスを用いて、透明電極150上に形成することができる。遮光縁305の材料はブラックマトリクスや(金属)配線に用いられる材料のうち、光を通さない材質であれば何でも良いが、ここでは遮光した光を反射するアルミ薄膜で形成している。
さらに、液晶パネル200のバックライト群側の偏光板110には光点集光レンズ225が貼り付けられている。この光点集光レンズ225は、光点マスク302の開口部303に焦点を持つよう配置されている。
このような構成における実施の形態7の表示装置の表示動作について説明する。まず、光源291を点灯し、光源292を消灯することにより、平行光線バックライト導光板281から平行光線を液晶パネル200に照射する第1の表示モードについて説明する。
第1の表示モードにおいて、平行光線バックライト導光板281から照射された平行光gは、液晶パネル200に対し鉛直方向を呈しており、光点集光レンズ225により光点マスク302の開口部303内に集光される。
その結果、フライアイレンズ101を通過して集光スポットを形成するのは実施の形態1の表示装置と同様である。この際、光gは透明電極130と透明電極150とで決まる液晶層140の複屈折状態により透過率が調節されるのは通常の液晶パネルと同様である。
この時、平行光線バックライト導光板281から照射された光のうち、僅かに液晶パネル200の鉛直方向から傾いた光は、光点マスク302の開口部303を通過せず遮光縁305により反射され、平行光線バックライト導光板281を通過して拡散光線バックライト導光板282に向かい、拡散光線バックライト導光板282の裏面に設けられた反射板によって反射される。この反射された光が再び開口部303を通過することもあるため、光利用効率を高めるこうとができる。遮光縁305は、平行光線バックライト導光板281から放射される平行光gの広がりを考慮して広く形成しているので、平行光線バックライト導光板281から照射される光のうち、遮光縁305の外側を通過する光はない。
このように、実施の形態7の表示装置は、第1の表示モード時にバックライト群のうち平行光線バックライト導光板281の光源291を点灯し、拡散光線バックライト導光板282の光源292を消灯する。その結果、平行光線バックライト導光板281から照射された平行光線は光点集光レンズ225によって光点マスク302の複数の開口部303に集光され、フライアイレンズ1を通過して集光スポットを形成することができ、目の焦点調節機能が劣る観察者にも支障なく視認可能な画像からなる第1の表示形態で表示することができる。
次に、光源291を消灯し、光源292を点灯することにより、拡散光線バックライト導光板282から拡散光線を液晶パネル200に照射する第2の表示モードについて説明する。
次に、拡散光線バックライト導光板282から放射された斜め光hは、平行光線バックライト導光板281を透過し、光点集光レンズ225により光点マスク302の開口部303方向に集光されず、遮光縁305のさらに外側を通過してフライアイレンズ101に向かう。このため、集光スポットを形成せずにその周辺を照らす。この際、光hも光gと同様に、透明電極130と透明電極150で決まる液晶層140の複屈折状態により透過率が調節されるのは通常の液晶パネルと同様である。したがって、通常の液晶ディスプレイにおける表示形態と同様に集光スポットに瞳が位置しなくても、全面がムラなく明るく見える第2の表示形態で表示することができる。
前述したように、平行光線バックライト導光板281と拡散光線バックライト導光板282とは互いに独立した光源291及び光源292を備えているため、光源291及び光源292をそれぞれ個別にON/OFFが可能である。したがって、光源291,光源292間点灯と消灯とを切り替えることにより、どこから見ても輝度ムラのない通常の表示状態(第2の表示形態)と、老眼者用のピンホールアイマスク効果が発揮される表示状態(第1の表示状態)を切り替えることができる。
なお、ここで、光点マスク302が液晶層140近傍に作りこまれている構成を例に説明したが、これに限るものでは無く、光点マスクの製造コストを気にしなければ、液晶層140から離れた位置に別に形成しても良い。すなわち、光点集光レンズ225と光点マスク302とフライアイレンズ101との関係が第1の表示形態が実現可能に維持されていれば、光源291,光源292間で点灯と消灯とを切り替えることにより、どこから見ても輝度ムラのない通常の表示状態と、老眼者用のピンホールアイマスク効果状態を切り替えることができる。
実施の形態7の表示装置は、光源291及び光源292のうち光源291を点灯し、光源292を消灯することにより、第1のバックライトである平行光線バックライト導光板281から照射された平行光線は光点マスク302の複数の開口部303に集光され、フライアイレンズ101を通過して集光スポットを形成することができる。このため、目の焦点調節機能が劣る観察者にも支障なく視認可能な画像からなる第1の表示形態で表示することができる第1の表示モードを実現する。
また、光源292を点灯し、光源291を消灯することにより、第2のバックライトである拡散光線バックライト導光板282から照射された拡散光線は光点マスク302の遮光縁305外の光透過領域を通過し、集光スポット以外に向かう。このため、輝度ムラの無い通常の表示形態で表示する第2の表示モードを実現する。
その結果、実施の形態5の表示装置は、上記第1及び第2の表示モードを選択的に実現することにより、ピンホールアイマスク効果を発揮する第1の表示形態、及び輝度ムラの無い第2の表示形態のうち、ユーザの所望する表示形態を実現することができる効果を奏する。
<その他>
実施の形態1(実施の形態5)等では、フライアイレンズ1(101)の一つレンズに対し、一つの画素を持つ発光表示面3が配置されている構成を最適な配置として示したが、フライアイレンズ1の複数のレンズに対し、一つの画素を持つ発光表示面が配置される態様も可能である。この態様の場合、複数のレンズで一つの画素を表示することになる。この態様の長所は表示される画質が滑らかになることが期待される点である。一方、この態様の短所としては、発光表示面の画素のサイズよりも、小さいフライアイレンズを形成することになるため、フライアイレンズの製造は困難になる点がある。
さらに、実施の形態1(実施の形態5)等では、フライアイレンズ1(フライアイレンズ101)の単レンズをマトリクス状に配置した場合を例に説明したが、正三角形の頂点が並んだ配列にしても、同じ構成を実現できる。