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JP5552147B2 - リターナブルガラスびんのコーティング方法 - Google Patents
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Description

本発明は、炭酸飲料用びん、ミネラル水びん等、回収後に高濃度のアルカリ洗浄液で洗浄した後に再利用されるリターナブルガラスびんのコーティング方法に関する。
牛乳びんなどのガラスびんの胴部に、熱硬化性樹脂被膜を形成することが行われている(特許文献1)。これは、ウレタン系の熱硬化性樹脂を主成分とし、必要に応じてスチレンブタジエンゴム、界面活性剤、シランカップリング剤、着色剤などを添加したコーティング液でガラス面をコーティングするものである。このようなコーティングは、ガラス表面が傷つき強度が低下するのを防止するので、リターナブルガラスびんに好適である。さらに、コーティングによってびんを着色したり、フロスト調などに装飾したり、紫外線を遮断したりする機能も付加することができる。また、コーティング被膜の保護作用により、ガラス肉厚を薄くしてガラスびんを軽量化することも可能となる。
ガラスびんの外周面にコーティング液を付着させる場合、ガラスびんを横倒しにした状態で自転させながらコーティング液の入ったディップ槽内を走行させる方法が知られている(特許文献2)。
リターナブルガラスびんは、内容物を充填して販売された後、回収され、アルカリ洗浄を行い、再度内容物を充填して販売され、これが繰り返される。内容物の充填、販売、回収、アルカリ洗浄の1サイクルを1トリップという。
リターナブル牛乳びんの場合、通常アルカリ洗浄は、70℃、1.2mass%以上のアルカリ洗浄液で10分間行われる。しかし、リターナブルミネラル水びんは、75℃、3.0mass%アルカリ洗浄液で75分間、リターナブル炭酸飲料びんは、80℃、4.0mass%以上のアルカリ洗浄液で10分間以上と、過酷なアルカリ洗浄が行われる。
アルカリ洗浄液は、通常NaOH、KOHなどのアルカリを含み、必要に応じてキレート剤などの添加剤を加えたものである。
リターナブルガラスびんのコーティング被膜は、40トリップに耐えるような耐アルカリ性を必要とされている。しかし、ミネラル水や炭酸飲料用リターナブルガラスびんのように過酷なアルカリ洗浄を行うものについて、従来、40トリップに耐えるような耐アルカリ性能を持つコーティング被膜を形成することは不可能とされていた。
耐アルカリ性に優れたコーティング被膜として、例えば、スチレン・ブタジエン共重合ゴムラテックスを主成分とする被膜と、水性ポリウレタンを主成分とする被膜の2重被膜がある(特許文献3)。
しかし、このような2重被膜でも、ミネラル水や炭酸飲料用リターナブルガラスびんとしては耐アルカリ性能が不十分であり、また、コーティング工程(コーティング液の塗布、乾燥、硬化)を2回行わなければならないので、コスト高となる問題もある。
特開2005−320036号公報 特開2000−335582号公報 特開平5−69513号公報
本発明は、リターナブル炭酸飲料びん、リターナブルミネラル水びんとして使用することができる耐アルカリ性能を有するコーティング被膜を外周面に施したガラスびんを開発し、この種のガラスびんの軽量化を実現することを課題とするものである。
(請求項1)
本発明は、ガラスびんを横倒しにした状態で自転させながらディップ槽内を走行させてコーティング液をガラスびん外周面に付着させるコーティング方法において、コーティング液の粘度をS(mPa・s)、ガラスびんの自転速度をR(rpm)とした場合、
S≦22
かつ
S・R0.6/2.4≧60
であることを特徴とするリターナブルガラスびんのコーティング方法である。
本発明において、粘度S(mPa・s)とは、回転円筒式粘度計(例えば、リオン株式会社製VT−03F)で測定した粘度である。
(請求項2)
また本発明は、前記ガラスびんの硬化後コーティング被膜の最も薄い部分の膜厚が30μm以上である請求項1のリターナブルガラスびんのコーティング方法である。
(請求項3)
また本発明は、前記ガラスびんが炭酸飲料用である請求項1又は2のリターナブルガラスびんのコーティング方法である。
(請求項4)
また本発明は、前記ガラスびんが、回収された後にアルカリ濃度3.0mass%以上、温度70℃以上のアルカリ洗浄液で、10分以上アルカリ洗浄を行うものである請求項1〜3のいずれかのリターナブルガラスびんのコーティング方法である。
(請求項5)
また本発明は、前記コーティングのコーティング液が、ウレタン樹脂(固形分)100重量部に対し、メラミン樹脂(固形分)14〜79重量部を含むものである請求項1〜4のいずれかのリターナブルガラスびんのコーティング方法である。
(請求項6)
また本発明は、前記コーティングのコーティング液が、ウレタン樹脂(固形分)100重量部に対し、メラミン樹脂(固形分)14〜79重量部及びエポキシ樹脂(固形分)3〜17重量部を含むものである請求項1〜4のいずれかのリターナブルガラスびんのコーティング方法である。
従来のコーティング液付着方法(ディップ時のびん自転速度18rpm)により粘度20mPa・sのコーティング液(表4に示すウレタン・メラミン・エポキシ系液)を付着させ、乾燥、硬化させた炭酸飲料ガラスびん10本の膜厚測定を行った。その結果(びん部位ごとの膜厚)を表1に示す。表1の数値は膜厚で、単位はμmである。
Figure 0005552147
これらのガラスびんについて、トリップ試験を行った。これはラインシミュレータ1分+80℃に加温した4%アルカリ相当液に20分間浸漬+振動試験3分を1トリップとし、10トリップ分を1回にまとめて行い、これを4回繰り返した(40トリップ)。その結果、最小膜厚が30μm以上の胴部等にはコーティング被膜の異常が見られず、膜厚が30μmに満たない首・肩部、裾部及び被膜最下部では、コーティング被膜に水疱状の浮きや剥がれが生じた。
以上により、びん全体において、コーティング被膜の最小膜厚を30μm以上にすれば、40トリップの高濃度アルカリ洗浄に耐えることが分かった。
コーティング被膜の最小膜厚を30μm以上にするためには、コーティング被膜全体の平均膜厚を厚くしなければならない。種々の平均膜厚を有するコーティングびんを作成して最小膜厚を測定した結果、コーティング被膜全体の平均膜厚を60μm以上にすると、最小膜厚が30μm以上となることが分かった。
図2に示す炭酸飲料ガラスびん10本について、被膜全体の平均膜厚(硬化後)がほぼ60μmとなるようにコーティングを行い、各部分の膜厚測定を行った。その結果(びん部位ごとの膜厚)を表2に示す。表2の数値は膜厚で、単位はμmである。なお、図2において符号2はかぶら、3は首部、4は肩部、5は胴部、6は裾部である。
Figure 0005552147
表2に示されるように、びん外周面のコーティング被膜全体の平均膜厚(硬化後)を60μm以上とすれば、最小膜厚が30μm以上となり、40トリップの高濃度アルカリ洗浄に耐えることができる。
コーティング被膜の平均膜厚を厚くするには、コーティング液の粘度を高くすればよいことが知られている。従来のディップ槽を用いたコーティング装置(ディップ時のびん自転数はせいぜい18rpm)で平均膜厚が60μmとなるようにコーティングを行うには、コーティング液の粘度を26mPa・s以上としなければならないが、粘度が22mPa・sを越えるとディップ槽内のコーティング液に巻き込み泡が発生しやすくなり、コーティング被膜に泡の入った不良品が多くなるという問題があり、従来は平均膜厚を52μm程度にするのが限界であった。
本発明者らは、種々のコーティング条件について実験を行った結果、コーティング膜厚は、コーティング液の粘度の他に、ディップ時のびんの自転速度に依存することを見出した。図1にコーティング液の粘度、ディップ時のびんの自転速度と平均膜厚の関係を示す。図1において、三角点はびん自転速度46rpm、四角点は同30rpm、菱形点は同18rpmである。
この結果、平均膜厚は粘度にほぼ比例し、びんの自転速度の0.6乗にほぼ比例することが分かった。平均膜厚(μm)は、近似的に、コーティング液の粘度をS(mPa・s)、ガラスびんの自転速度をR(rpm)とした場合、「S・R0.6/2.4」となる。
したがって、S・R0.6/2.4≧60の条件でコーティングを行えば、平均膜厚が60以上のコーティング被膜を有するびんを得ることができる。
また、コーティング液の粘度Sを22(mPa・s)以下にすれば、コーティング液に巻き込み泡が発生することなく、作業性が良くなる。
本発明におけるコーティング液は、ウレタン、メラミン、エポキシ、ラテックス系のコーティング液が好ましい。ウレタン樹脂の弾力性により緩衝作用が生じ、びんに加わる衝撃が緩和される。ウレタン樹脂にメラミン樹脂を適量加えることで、耐アルカリ性が向上し、さらにメラミン樹脂を加えると耐アルカリ性がさらに向上する。メラミン樹脂、エポキシ樹脂の添加量が少なすぎると耐アルカリ性の向上が見られず、多すぎると被膜の弾力性が減少する。
コーティング液には、必要に応じて、ラテックス、着色剤、レベリング剤、ソフト添加剤などの添加剤を加えることができる。また、水などの溶媒の添加量により粘度を調整できる。
本発明のコーティング方法でコーティングしたガラスびんは、高濃度のアルカリ洗浄に耐えることができるので、ミネラル水や炭酸飲料用のリターナブルびんとして使用でき、この種のガラスびんの肉厚を薄くして軽量化することが可能となる。
本発明のコーティング方法は、コーティング液の巻き込み泡が発生せず、外周面をコーティングしたガラスびんの平均コーティング膜厚を60μm以上とし、最小膜厚を30μm以上とすることができる。
コーティング液の粘度、ディップ時びん自転速度と平均膜厚の関係説明図である。 ガラスびん1の側面図である。
図2に示す軽量ガラスびん1に、表3に示すコーティング液の粘度、ディップ時びん自転速度(rpm)の条件でコーティングを行い、110℃の乾燥炉で自転させながら6分間乾燥し、200℃の硬化炉で自転させながら20分間硬化させ、表3に示す硬化後平均膜厚(μm)のコーティングびんを作製した。ガラスびん1は炭酸飲料びんで、コーティング範囲はかぶら2直下から底上がり約2mmまでの外周部全体とした。
Figure 0005552147
上記実施例及び比較例のコーティング液は、表4の配合とした。この配合は、ウレタン樹脂(固形分)100重量部に対し、メラミン樹脂(固形分)51.6重量部、エポキシ樹脂(固形分)10重量部である。
Figure 0005552147
上記の実施例及び比較例について、40トリップ分のトリップ試験を行った。その結果、実施例のガラスびんのコーティング被膜に変化はなかったが、比較例のガラスびんのコーティング被膜は、首部、肩部、裾部及び被膜最下端で水泡状の浮きや剥がれが発生した。
1 ガラスびん
2 かぶら
3 首部
4 肩部
5 胴部
6 裾部

Claims (6)

  1. ガラスびんを横倒しにした状態で自転させながらディップ槽内を走行させてコーティング液をガラスびん外周面に付着させるコーティング方法において、コーティング液の粘度をS(mPa・s)、ガラスびんの自転速度をR(rpm)とした場合、
    S≦22
    かつ
    S・ 0.6 /2.4≧60
    であることを特徴とするリターナブルガラスびんのコーティング方法。
  2. 前記ガラスびんの硬化後コーティング被膜の最も薄い部分の膜厚が30μm以上である請求項1のリターナブルガラスびんのコーティング方法。
  3. 前記ガラスびんが炭酸飲料用である請求項1又は2のリターナブルガラスびんのコーティング方法。
  4. 前記ガラスびんが、回収された後にアルカリ濃度3.0mass%以上、温度70℃以上のアルカリ洗浄液で、10分以上アルカリ洗浄を行うものである請求項1〜3のいずれかのリターナブルガラスびんのコーティング方法。
  5. 前記コーティングのコーティング液が、ウレタン樹脂(固形分)100重量部に対し、メラミン樹脂(固形分)14〜79重量部を含むものである請求項1〜4のいずれかのリターナブルガラスびんのコーティング方法。
  6. 前記コーティングのコーティング液が、ウレタン樹脂(固形分)100重量部に対し、メラミン樹脂(固形分)14〜79重量部及びエポキシ樹脂(固形分)3〜17重量部を含むものである請求項1〜4のいずれかのリターナブルガラスびんのコーティング方法。
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