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JP5555893B2 - 床衝撃音低減構造体 - Google Patents
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JP5555893B2 - 床衝撃音低減構造体 - Google Patents

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本発明は、床衝撃音を低減させるため、ハニカム材を芯材にして、弾性を持つ発泡体でハニカム材の両面を挟んだ積層構造体に関する
集合住宅において、上の階から下の階に伝わる歩行音や物の落下音は、居住者にとって気になる騒音である。最近の住宅は気密性の向上により、部屋内が反響し易い構造となっており、床衝撃音或いは楽器騒音等のトラブルは増加傾向にある。床衝撃音の種類としては、軽量床衝撃音「スプーン等の落下音」と重量床衝撃音「子供の飛び跳ね、走り回り」に分類されている。
規格としてJISA1418「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法」があり、日本建築学会ではこの試験方法に基づき、建築・室用途別の適用等級、遮音性能の表示尺度を定めており、材料評価の基準となっている。
床衝撃音の対策技術において、軽量床衝撃音の対策は難しくないが、重量床衝撃音対策で優れた方法は開発されていない。現在は「直張り方式」「乾式遮音二重床」等の代表的な方法に、実用面で改善(クッション材の積層)を加え、実施されているが苦情の解消には至っていない。又課題は衝撃音低減、構造の簡易化と軽量化、厚さの薄型化、施工性、価格を同時に満たす対策になり、新規な技術が求められている。
従来では、基礎床上(スラブ)の上に、根太木、巾木により空間を形成し、床仕上げ材を配置する二重床がある。しかし床に加わる衝撃音は根太木・巾木から、又それらが接する壁面から音は減衰することなく駆体に伝播する問題は解決されていない。
具体的には、基礎面(床スラブ)に床支持脚を設け、支持脚上に床材を敷く構造により、防振対策を床支持脚部分で行い、さらに、圧縮及び引張型の張力調整用の防振ダンパー及び防振体を支持脚部に設け、床衝撃音を減衰させる方法が開示されている(特許文献1)。この開示技術では、床材は室内面から仕上げ用の化粧板、合板製の下張、パーチクルボードの基礎板で構成しているが、この床材部分からの伝播の衝撃音減衰対策技術については開示がない。
また、基礎床上に弾性台座を介し支持脚(中空ボルト)を敷設し、床材は、フローリング、溝形成の木質材、フェルト材、板の積層構造で支持脚により支え、衝撃音は、支持脚台座及び溝形成の木質材とフェルト部構造で可撓性を出すことにより遮断する技術が開示されている(特許文献2)。この開示技術においては、溝の形成は可撓性のポイントになり、溝部で折れないように考案されており、全体構造は浮き床(二重構造)となっているが、フローリング材を伝搬する衝撃音の減衰対策の技術は開示されていない。
また、二重構造を採用しない床板構造としての床衝撃音の対策として可塑性のある床板の技術が開示されている(特許文献3)。この開示技術では、床板に可塑性を持たせるため、床板基板に溝加工をし、基板の表裏に軟質樹脂シート及び不織布・緩衝材を粘着することにより、可塑性を増し、破損を防止する構造とし、可塑性は床下地の不陸(凹凸)にも対応出来るとしている。しかし、床板基板を伝搬する衝撃音減衰対策の技術は開示されていない。
特許第4009488号公報 特許第4099082号公報 特開平8−82079号公報
特許文献1、2に開示の技術によれば床構造は、床下に空間を持つ二重構造(浮床)であり、衝撃音を低減するために支持脚部及び床板部材の積層部組合せ、材料への溝加工等の工夫がなされている。これにより衝撃音の低減に効果が出るとしても、床材を伝搬する衝撃音の減衰対策がない。その他にも、解決すべき課題として、溝加工により強度が不足する、構造が重い、施工工程が複雑(高価格)、支持脚設置により床厚さが増大し居住空間が狭くなる等の課題がある。
特許文献3に開示された技術は空気層を持つ二重構造ではない点が文献1、2の開示技術とことなるが、床材を伝搬する衝撃音の減衰対策がなされていない点では共通する。その他にも解決すべき課題として、衝撃音の対策のために木質材に溝加工が必要となり、積層構造を複雑化し、手間の掛かる構造である。
また、軽量床衝撃音(スプーンの落下音)と重量床衝撃音(飛び跳ねる音)は衝撃音の周波数帯域は異なる。従って軽量床衝撃音対策と重量床衝撃音対策は別々に考える必要があるが、2種の床衝撃音に共通に対処出来る下地層については技術の開示がない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、第一のスポンジ系発泡体からなる上層材、ハニカム材のセル空間に連通気泡硬質フェノールフォーム材を充填した中間層材、第二のスポンジ系発泡体からなる下層材よりなり、上層材と中間層材は上記ハニカム材の端部に塗布された接着剤で固定され、中間層材と下層材は中間層材または下層材の全面に塗布された接着剤で固定される事により、上記の三層全体が一体化されている積層構造体において、第一のスポンジ系発泡体の硬度は第二のスポンジ系発泡体の硬度より高い事を特徴とする衝撃音減
衰の弾性特性を有した床構造体によって目的を達成する。
下地層(衝撃音減衰層)を上層材、中間層材、下層材として機能を分担させると同時に一体化させ、構造全体に弾性(可撓性、可塑性)を持たせる。上層材は、衝撃音吸収、衝撃分散、振動分散、制振、歩行時の不自然な沈み(フワフワ感)防止、軽量性等の機能を持たせせるため比較的硬度及び密度の高い材料とする。具体的にはスポンジ材を選択し、硬度・圧縮硬さ・圧縮永久歪み・密度・厚さ・材質を最適化する。特にフワフワ感への対応は硬度・圧縮硬さ・圧縮永久歪み・密度の選択に加えて、上層材の厚さと中間層材のハニカム材耐面強度のバランスにより実現できる。
中間層材には、上層材を支える面強度、床荷重を受ける芯材としての剛性、衝撃音を分散させる構造、上層材の制振、吸音構造、軽量性・溝構造の代替等の機能が要求される。これを達成するためハニカム材を採用し、ハニカム材は材質、強度、セル径、上下層材面との接着の適正、セル空間に充填する連通気泡硬質フェノールフォーム材材質及び充填の適正、等が重要な選択肢となる。特許文献3で説明されている溝構造から得られる可撓性(可塑性)は、本発明の構造ではハニカム材を芯にした中間層材と、上層材及び下層材の弾性層の組合せで実現できる。
下層材には、衝撃音吸収、衝撃分散、振動分散、制振、不陸対応等機能が要求される。又上層材が比較的硬度及び剛性の高い層である事から、下層材は残音の減衰層として比較的硬度及び密度の低い柔軟層とする。具体的には下層材としてスポンジ材を選択し、硬度・圧縮硬さ・密度・厚さ・材質の選択が重要な技術となる。下層材は床下地である基盤面(床下地・基礎床)に接触する面になる事から、基盤面の不陸にも対応する必要があり、この面からも柔軟性が必要となる。
表-8の試験体1は図1の構造体であり、上層材に表-1で示した硬度35の試験体Aを使用した。この性能は「建築物遮音性能基準と設計指針(日本建築学会)」指針で説明されている等級に当てはめると軽量衝撃音はL−40で適用等級の特級、重量衝撃音は重量床材として評価されるL−55で適用等級の2級を得た。この結果は、一般的なマンションの遮音性能がL−55〜L−65の範囲で施工されている現状の改善に効果を出せる性能である。
又図1の本発明構造体は、表-8で示した試験体1〜5(表4の上層材硬度では35、45)の遮音性能結果から軽量衝撃音でL−40〜45、重量衝撃音でL−55が仕上げ材(表4の試験体4、5)に関係なく得られ、下地層として共通に使用できる結果を得た。
本発明構造体を採用することで、重量9kg(JISは7.5kg)、10回のタイヤ落下試験で中間層のハニカム材のセル及び上層材と下層材に損傷はなかった。又体重70kg、靴サイズ26の条件で1、000回の足踏み試験を行ってもハニカム材セル及び上層材と下層材に損傷はなく構造の耐久安定性があることを確認した。上層材と下層材は弾性材であって、荷重吸収作用があり、中間層のハニカム材の圧縮強度は9.8kg・f/cmであることが耐面強度を生み出す。このような耐強度のある材料であるが、加工はカッターナイフ、電動工具で行えるほどの簡易性がある。
図1の構造体は、厚さ16mmで、三層からなり、重さは1.3kg/mの薄型軽量に仕上がる。
本下地層はJISA1412ー2法により、0.043W/m・k(測定温度23°C)の断熱性を確認した。
一般には、木質フローリング材の場合、長期の湿気環境下では接着層の劣化で積層部に剥離が起き、ブカブカになる。この対策として、本構造では通気性のない5mm厚さの独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材がフローリング材の裏面に接着されることにより、湿気供給が遮断され、木質部は湿気の影響を受けなくなり、積層部剥離の防止対策になる。

上層材及び下層材に使用する独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材は柔軟性があり伸縮(伸び120〜140%)するので、中間層のハニカム材を介した時、地震の床揺れに対し上層材及び下層材で制振する機能がある。
下地層全体断面図(上層材、中間層材、下層材の積層体) 図1の構造に仕上げ材(カーペット)を積層した図 図2の構造体を連続して施工する場合の図 複数枚の図1の構造体の上に1枚の仕上げ材(カーペット)で施工した図 図1の構造体に仕上げ材のフローリング材を積層した図 図5の構造体を連続して並べ施工した図 複数枚の図1の構造体の上に市販の定尺フローリング材で施工した図 市販の定尺フローリング材の組み方(雄実)と釘の使用位置を示した図 JIS(日本建築学会)の定める「床衝撃音レベルに関する遮音等級の基準周波数特性を定めた基準曲線」 軽量衝撃音試験(タッピングマシン)遮断性能 重量衝撃音試験(バングマシン)遮断性能
衝撃を直接受ける上層材には、C硬度45、圧縮硬さ0.15MPa、圧縮永久歪み3.3%(24H)、伸び140%、密度100kg/mで、5mm厚さの独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材(ミツフクフォームFR−15:三福工業)とC硬度35、圧縮硬さ0.08MPa、圧縮永久歪み2.7%(24H)、伸び190%、密度100kg/mで、5mm厚さの独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材(ミックスフォームV−15:三福工業)を用いる。選択したこれらの特性は、衝撃音の減衰、歩行時のフワフワ感解消にも効果がある。
中間層材は吸音機能を持つ連通気泡の硬質フェノールフォーム材が充填されたハニカム材層である。上層材の伝播衝撃音を減衰させると同時に、上層材のフワフワ感をハニカム材の細かなセル面により抑え、上層材を支える強度層になっている。ハニカム材は、密度52kg/m、セル径8.5mm、圧縮強度9.8kg・f/cm、ロールコアS−85(日本フェザーコア品、紙材)である。ハニカム材の厚さは7mmとしたが、7mm以上にすれば更に減衰が向上するので、使用条件(例えば下地層内部に配管・配線等が必要になる場合)に合わせて厚さは変更できる。本発明構造体の厚さの調整はハニカム材で自在に行える。ハニカム材質は紙に限定せず樹脂含浸材、金属、樹脂でも良い。セル径8.5mm、圧縮強度9.3kg・f/cmを選らんだ根拠として、釘打ちに耐える強度である。
上層材と中間層材の積層はハニカム材の端部のみに塗布されたエマルジョン系接着剤により接着させる。接着部分はハニカム材端部に塗布した上層材との接触部分のみとする。
通常(航空機などの床)ハニカム材セルは空間状態で使用されるが、本発明では、厚さが7mmのハニカム材空間部分に、連通気泡で密度20kg/mの硬質フェノールフォーム材を吸音・制振効果を上げるため、荷重を受けた場合の座屈対策のため、および又荷重により空間のハニカム材セル部分で下層材の凹ましを防止するために充填する。ここで使用する連通気泡硬質フェノールフォーム材は、通常剣山(生け花用)として使用されているフォーム材で、吸水性があり上層材と中間層材の接着に使用するエマルジョン系接着剤の水分を連通気泡硬質フェノールフォーム材がハニカム材に充填されると同時に瞬時に吸収する。
本構造では上層材と下層材に非通気の独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材を使用するために、中間層材は密閉状態になり、エマルジョン系接着剤の硬化に重要な水分吸収材となる連通気泡の硬質フェノールフォーム材が必要となる。尚、接着剤にエマルジョン系を使用しなければ吸水性のフォームの必要はない。又吸音・制振の効果を必要としない場合は、独立気泡のフォーム材でも良い。
又ハニカム材に耐水処理がされていない場合、エマルジョン系接着剤の水分でハニカム材が軟化する。ハニカム材セルに連通気泡の硬質フェノールフォーム材を充填する時、6〜8ton/mの加圧をする。この加圧の時、接着剤の水分がハニカム材に含水すると、ハニカム材が軟化し、ハニカム材の強度が落ち、ハニカム材厚さを縮めると同時に連通気泡硬質フェノールフォーム材の気泡を圧縮し、潰してしまう。このため瞬時に接着剤の水分を吸収し、ハニカム強度を落とさないために、優れた吸収機能を有する連通気泡の硬質フェノールフォーム材の介在が有効である。
又中間層材のハニカム材は下層材に対しても衝撃強度の減衰及び衝撃音分散の役割がある。紙製ハニカム材(樹脂含浸なし)のセル径が13mmの場合は重量9kgのタイヤ落下試験及び体重70kgの踏み試験でセル(フォーム充填なし空間条件)が座屈したがセル径8.5mmでは異常がなかった。
下層材は上層材及び中間層材で衝撃音の残音を減衰する層である。又基盤面(スラブ)と接触する面であり、基盤面の不陸を調整する役目もある。この条件として本発明では独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材で上層材より柔軟な、C硬度20、圧縮硬さ0.04MPa、圧縮永久歪み5.6%(24H)、伸び120%、密度35kg/m、厚さ4mm(三和加工、サンペルカ2501NNN)を選択した。硬度及び密度のバランスが重要で検討範囲から硬度20〜28、密度30〜80kg/mに適正を確認した。
下層材と中間層材との積層は、下層材の独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材の全面に塗布されたアクリル・ウレタン系接着剤(綜研化学製)でハニカム材及び充填フォーム材を全面接着させる。全面接着により独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材の制振が実現できる。
下層材と床である基盤面(スラブ)とは接着させ、これにより下層材ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材の制振機能が実現できる。
図2に示した上層材1の上に仕上げ材8を接着剤7で接着させる。仕上げ材としては、軽量衝撃音用にはカーペット・マット系、重量衝撃音にはカーペット・タイル・フローリング・畳等がある。図1の構造体の下地層は衝撃音減衰効果が高いので、軽量衝撃音及び重量衝撃音の2種の衝撃音に対して1種の下地層で兼用出来る。この結果、仕上げ材の選択の範囲が広がる。
下地層と仕上げ材組合せについて説明する。仕上げ材にカーペットを使用する場合、市販材のカーペット寸法に下地層の寸法を合わせ、仕上げ材8と下地層を事前に接着させる図2の方法があり、図2の構造体を基盤面に図3のように並べて接着させる。或いは基盤面に図1の下地層を先行し接着させて並べ、完了後に部屋寸法に合ったカーペット(ジュウタンでも良い)を用い1枚で仕上げる方法もある。また、仕上げ材8及び基盤面12を両面テープ或いは接着剤(事前に接着剤付きの上層材、下層材を使用もある)で図1の下地層の上層材、下層材と接着させる事により、上層材、下層材に制振機能を発現させる事ができる。
仕上げ材にフローリング材を使用する場合もある。市販材の標準寸法は300×1、820mmで、厚さ12mm、15mm等がある。衝撃音の伝播抑止からすれば水平方向には分割するのが良く、厚さについては下地層の減衰及び制振機能を活かすため薄いフローリング材を選択する。図5のように、フローリング材10は図1の下地層に事前接着させ、基盤面に並べ、釘11により斜めに釘打ちをして基盤面12に固定する。この場合、基盤面12及び下層材5の制振効果を上げるため、接着剤9を併用する場合もある。尚フローリング材10は図8の雄実13で接続するが、雄実13がない場合はフローリング材10の合わせ目にシリコーンコーキング材を塗布し、接着力によりフローリング材10の合わせ目を安定させる。
又基盤面に、例えば300×600mm程度の複数枚の下地層を事前に基盤面12に接着施工し、その後に市販寸法300×1、820mmのフローリング材10aで仕上げる方法もある。この場合のフローリング材10aの組み込み方法としても図8の方法があり、雄実13には2通りある。フローリング材10aの固定は釘で行うか、接着との併用もある。
接着剤及びハニカム材が単体では可燃性の場合、可燃の紙ハニカム材及び接着剤を難燃性で通気性のない独立気泡のポリオレフィン系樹脂を成分とするフォーム材で挟む事により、ハニカム材の両面を難燃化する事が出来る。又中間層材のハニカム材縁部表面の難燃化対策については、着火しない連通気泡硬質フェノールフォーム材の内側になるようにハニカム材位置とする構造にする。この結果、酸素遮断をさせた構造の実現でき、鉄道車両用材料燃焼試験に合格させる事も可能になる。
図1は本発明の下地層構成である。上層材1は厚さ5mm、密度100kg/m、C硬度45の独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材で、中間層材は厚さ7mm、セルサイズ8.5mmの紙質ハニカム材2に、厚さ7mm、密度20kg/mの吸水性の連通気泡硬質フェノールフォーム材3がハニカム材セルに充填された層よりなり、下層材5は厚さ4mm、密度35kg/mの独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材からなる。上層材1とハニカム材2はハニカム材セル先端部のみに塗布されたエチレンー酢酸ビニル共重合エマルジョン系接着剤4で接着され、下層材5とハニカム材2の接着は、下層材5の全面に塗布されたアクリル・ウレタン系接着剤で接着されている。
材料の選択として、上層材を表−1の試験条件で検討した。その結果、上層材1の独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材については、表1の試験結果から試験体A、Bを選んだ。尚試験体A、Bの優劣は、公的機関の設備を用いた試験での軽量床衝撃試験及び重量床衝撃試験の結果から確認出来た。
評価条件は、次の通りである。
落下物形状 :樹脂製タイヤ型
重量・径 :300g・100φ(幅=25mm)
落下高さ:500mm 下地条件:21mm合板(部屋2階条件)
試験体Bにおけるフワフワ感は、厚さ5mmでは感じないが、厚さが10mmになると感じる。適正な厚さは4〜8mmの範囲である。尚硬度は30〜40、密度は表1に示した範囲よりやや広めの90〜130kg/mが適正であった。
中間層材のハニカム材2は上層材を支える面強度が必要で、この要因となるセル径の選択を表-2の試験で行い、試験体(2)を図1構造体のベースとして選択した。更に(2)条件で良いかは公的機関の試験設備を用いた軽量床衝撃試験及び重量床衝撃試験から確認出来た。
評価条件は、次の通りである。
落下物形状 :市販タイヤ
重量・径 :9kg、250mm(幅=150mm)
落下高さ :850mm
空気圧 :2.4kg/cm
下地条件 :コンクリート300mm
落下回数 :10回
ハニカム材質・厚さ :紙(樹脂含浸なし)、7mm
ハニカムセル充填 :連通気泡硬質フェノールフォーム材の充填なし(空間状態)
ハニカム材について、セル形状は丸、三角、四角、六角形又はそれ以上の角数でも良い。又材質については金属、樹脂、紙、紙に樹脂含浸などでも良い。尚、紙に樹脂を含浸させ強度を増加させたハニカム材においては、セル径13mmであってもセルの座屈はない。上層材と下層材のバランスを見て、セル径の適正範囲は、市販材からは6〜9mmの範囲がセルの座屈対策及びフォームの充填性において適正であり、又下層材へのセルの刺さりによる破壊対策においても適正な範囲になる。
下層材5の独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材は、伝播残音を更に減衰させる層で、又基盤面(スラブ)の不陸調整の役目があるので、上層材1より柔軟な材料が必要で、硬度20、圧縮硬さ0.04MPa、圧縮永久歪み5.6%(24H)、伸び120%、密度35kg/m、厚さはフワフワ感対策から3〜8mmが適した範囲である。この独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材は硬度及び圧縮硬さで、上層材より柔軟である。
適度な硬さと柔軟性が必要な下層材5は、上部から、長期に荷重を受けた時ハニカム材のセルでフォームが切れて破壊してしまう危険性がある。この対策として中間層材のハニカム材セル径の選択が重要になる。実施例では、セル径13mmのハニカムはハニカム先端部が下層材に刺さり、セル径8.5mmのハニカムはハニカム先端部が下層材に刺さらない結果を得た。ハニカム材セル径を小さくし、セル総数を増加させる事で、下層材に強度付加を掛けない。従って細かいセル径8.5mmを持つ市販材(ロールコアS−85、日本フェザーコア品、紙材)を選んだ。
ハニカム材空間に充填する連通気泡硬質フェノールフォーム材は、吸音及び制振効果があり、吸水性の連通気泡硬質フェノールフォーム材、密度20kg/mを選択した。フォームの厚さはハニカム厚さと同等かマイナス0.5〜1.0mm程度を使用する。連通気泡の吸水性硬質フェノールフォームを採用する理由は、吸音及び制振以外に、エチレンー酢酸ビニル共重合エマルジョン系接着剤の水分を吸収させる機能の活用がある。
図1の中間層材の両面は、非通気の独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材で囲まれており、水分の吸収材層がなく、エチレンー酢酸ビニル共重合エマルジョン系接着剤の硬化が促進しない。吸水フォームを介在させることにより瞬時に水分を吸収し硬化を促進させる。又気泡が連通している構造は、エマルジョン接着剤の樹脂分臭気の吸収材としての効果もある。この水分及び臭気は連通気泡硬質フェノールフォーム材質内に封入された状態で保持される。尚吸収された残量水分は燃焼時の紙ハニカム材及び接着剤の難燃化に寄与する。
又、耐水処理のされていない紙製ハニカムを使用する場合にも、吸水フォーム材の役割がある。連通気泡硬質フェノールフォーム材をハニカム材セルに充填する時、6〜8ton/mで加圧する。この加圧条件で接着剤が塗布されたハニカム材部分が水分で軟化する。充填と同時に連通気泡硬質フェノールフォーム材は瞬時に水分をフォームで吸い上げ、ハニカム材の強度を低下させない。
上層材1は独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材であり、一般には接着が難しいので、接着を可能にする適正な接着剤4を選択する必要がある。本発明ではハニカム材2のセル端部のみに接着剤を塗布し、上層材1の面と接着させる必要がある。このためポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材に適したEVA樹脂(エチレンー酢酸ビニル共重合エマルジョン系)系エマルジョン接着剤(アイカ工業:アイボンAE−126)を選択した。下層材5とハニカム材2及び連通気泡の硬質フェノールフォーム材3との接着は、独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材の全面に塗布されたアクリル・ウレタン系の接着剤5を選択した。
図2は、図1の構造の上層材1の室内(歩行)側となる面に、仕上げ材8として4mmカーペット(接着構成:2mmのポリプロピレン繊維のマット+2mmのポリ塩化ビニール)を接着させた図である。軽量床衝撃音(スプーン落下音)対策に用いる面はカーペットに限らない。軽量床衝撃音レベルを決定する要因は仕上げ材面の硬さ(ヤング率)にあり、生活環境下では歩行時のフワフワ感の判断で仕上げ材を選ぶ事になる。
仕上げ材としてのフローリング材を使用する場合は厚さの選択が重要になる。薄い場合は衝撃音が下地層で減衰され小さくなるが、フワフワ感は増す。厚い場合は衝撃音が大きくなるが、フワフワ感は減少する。従ってフワフワ感がなくなる最少厚さを選ぶ事が重要で、表3の試験では下地層と合わせるフローリング材厚さとして、表-3の試験から最低12mmが必要であるとの結論を得た。この試験は、公的機関試験の軽量床衝撃試験及び重量床衝撃試験に使用するフローリング仕上げ材選択の試験である。
評価条件は、次の通りである。
フローリング材土台 :図1構造
落下物形状 :樹脂製タイヤ型
重量・径 :300g、100φ(幅=25mm)
落下高さ :300mm
下地条件 :21mm合板(部屋2階条件)
図3は図2カーペットを使用した構造体を現場で施工する場合の図を示している。市販材カーペット500×500mmを使用し、その寸法に合わせた図1の下地層を接着させ、図3のように並べる。又下地層と仕上げ材を、同一寸法に限定せず、複数枚の小さい下地層(例えば500×500mm、300×300mm等)を先に基盤面に施工し、仕上げ材は部屋に合う大きさの1枚張りの8aカーペット或いはジュウタン等で仕上げる図4の場合もある。基盤面と下地層は下地層及び基盤面の制振化のため接着させる。仕上げ材についても接着による固定が最善の方法である。
図5は図1の下地層の上層材にフローリング材10を接着させた図である。市販のフローリング材10の寸法は300×1、820mmが標準で厚さは12mm、15mm品がある。施工時の扱い易さ及び衝撃音の伝播を遮断する点からは市販フローリング材10を短く切断し、分割して使うのが良い。図5は寸法300×910mm、厚さ12mmのフローリング材を下地層に接着させた図である。現場では図5の構造体を図6のように並べ、釘11と接着剤9で固定させる。釘だけ、或いは接着だけのやり方もある。図4構造のつなぎ目にはシリコーンコーキング14 を使用すれば、合わせ目が接着され、全体の一体化になり段差解消になる。
分割しない300×1、820mmを使用したフローリング材の施工方法として、図7のように300×600mmの短い図1の下地層を先行して基盤面12に施工し、その上に300×1、820mmの定尺市販フローリング材10aを符号13に示した雄実方法で仕上げをする。フローリング材の組み込み方法は符号13の雄実方法を使用しない図5及び図6の場合もあるが、図8の符号13に示した組み方(市販材の標準)をする。基盤面との固定は、釘のみ、或いは釘と接着剤の併用により基盤面12と固定させる。
本下地層は図5の符号10部分を畳表材で仕上げる事も出来る。畳の1畳は1、760×880mmであるが、扱い易い半畳単位の880×440mmの大きさで、下地層は表4の試験体3条件で行い、畳の表と下地層を一体化させた。本下地層材を使用した場合、古来の製法でも良く、又最近のミシン製法でも畳表の仕上げが見栄え良くでき、歩行感覚も良好に仕上がった。尚、畳表と上層材1を接着させる場合もある。
上述の材料選択の結果から、図1の下地層を製作し、公的機関(日本建築総合試験所)試験設備を使用し、表-4条件の基づく床衝撃音対策材の見極め試験を行った。試験は試験体1、2では上層材の硬度の適正、試験体2、3では中間層厚さの適正、試験体4、5は試験体2の硬度45をベースとした仕上げ材の優位差を検討した。この比較試験はJISA1419(日本建築学会)の説明にある軽量衝撃音試験(タッピングマシン)、重量衝撃音試験(バングマシン)により行い試験体の評価をした。試験条件を以下表−4で、又床衝撃音低減結果を以下に説明する。
試験体の床衝撃音低減レベルの遮音等級の評価を行うため、軽量衝撃音試験(タッピングマシンを使用)及び表-6重量衝撃音試験(バングマシンを使用)を行い。表-5及び表-6の結果を得た。軽量衝撃音とはスプーン等の落下音、重量衝撃音は子供の跳びはねる音である。以下データーは対策をしてない基盤面(無処理)と本試験体を取り付けた場合の音量値である。
図9はJISA1419で建築学会から規定された適用等級基準曲線である。又図10、図11は表-5、表-6の結果から試験体1についての結果のみを図9に合わせて示したものである。一方、図9の基準曲線と等級の間には、日本建築学会が定めた表-7に示す「建築物の遮音性能基準と設計指針」がある。
図10、図11の試験体1の結果を表-7に当てはめ、さらに試験体2〜5についても同様に当てはめると表-8の等級が得られる。
表-8の結果は、軽量衝撃音試験では試験体1が特級に入り、他は1級。又重量衝撃音試験では試験体の全てが2級であった。本結果から読める事は、本発明構造のように図1の下地層が床衝撃音の低減に優れていれば、仕上げ材の種類に左右されない結果が示されたことになる。この結果から、解決しようとした課題は達成できた。
難燃化対策として可燃の紙ハニカム材2及び接着剤4、6を難燃性で通気性のない独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材1と5で挟んだ図1構造体ば酸素遮断ができ着火しない。更に本構造では可燃性の紙ハニカム材の縁部表面は着火しない連通気泡の硬質フェノールフォーム材3の内側(図1A)であり、外部に露出させない構造としている。この結果、可燃性の紙ハニカム材及び接着剤への直接的な酸素供給が遮断され、ハニカム材及び接着剤は燃焼時に着火しない。
1 上層材の硬度の高い独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材
2 中間層材のハニカム材
3 連通気泡硬質フェノールフォーム材
4 上層材と中間層材の接着剤
5 下層材の硬度の低い独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材
6 中間層材と下層材の接着剤
7 仕上げ材の接着剤
8 仕上げ材(カーペット類:2mmポリプロピレン繊維+2mmポリ塩化ビニ−ル)
8a 部屋の大きさの仕上げ材(カーペット類)
9 基盤面(スラブ)と下層材の接着剤
10 分割したフローリング床仕上げ材
10a 市販の定尺フローリング床仕上げ材
11 釘
12 基盤面
13 市販の雄実付き定尺フローリング仕上げ材
14 シリコーンコーキング接着剤
A 連通気泡硬質フェノールフォーム材縁部(ハニカム材が連通気泡硬質フェノールフォーム材の内側)

Claims (7)

  1. 第一の独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材からなる上層材、ハニカム材のセル空間に硬質フェノールフォーム材を充填した中間層材、第二の独立気泡ポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材からなる下層材よりなり、上層材と中間層材は上記ハニカム材の端部に塗布された接着剤で接着固定され、中間層材と下層材は該中間層材又は該下層材の全面に塗布された接着剤で接着固定される事により、上記の三層全体が一体化されている積層構造体において、該上層材は硬度30〜40、密度90〜130kg/m、であり、該下層材は硬度20〜28、密度30〜80kg/mであることを特徴とする衝撃音減衰の弾性特性を有した床構造体。
  2. 請求項1に記載の床構造体であって、該ハニカム材のセル径は6〜9mmである事を特徴とする床構造体
  3. 請求項1に記載の床構造体であって、該ハニカム材セルに充填するフォ-ム材は、吸水性及び臭気吸収性を有し、吸水した水及び臭気を材質内に保持する連通気泡の硬質フェノールフォーム材である事を特徴とする床構造体
  4. 請求項1に記載の床構造体であって、該上層材の独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材と中間層材とを接着固定する接着剤はエマルジョン系接着剤であり、該下層材の独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材と中間層材のハニカム材及び連通気泡硬質フェノールフォーム材とを全面に接着固定する接着剤はアクリル・ウレタン系接着剤である事を特徴とする床構造体
  5. 請求項1に記載の床構造体であって、該上層材・中間層材・下層材を一体化させ、該上層材の該中間層材とは反対側の面にフローリング或いはカーペット材よりなる仕上げ材を接着固定する事を特徴とする床構造体
  6. 請求項1に記載の床構造体であって、該ハニカム材は紙よりなる可燃性であり、該上層材および下層材は難燃性で通気性のない独立気泡のポリオレフィン系樹脂を主成分とするフォーム材であって、該中間層材の硬質フォームは着火しない連通気泡の硬質フェノールフォームであって、該中間層材の縁部表面はハニカム材面が連通気泡硬質フェールフォーム材の内側である事を特徴とする床構造体
  7. 請求項1に記載の床構造体であって、上層材の厚さが4〜8mm、下層材の厚さが3〜8mmであることを特徴とする床構造体

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