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JP5560413B2 - 磁気式ジャイロ - Google Patents
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JP5560413B2 - 磁気式ジャイロ - Google Patents

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Description

本発明は、3軸磁気センサと3軸加速度センサとを備えた磁気式ジャイロに関する。
被測定体の回転運動を検出するための機器として、図9に示すごとく、互いに直交する3軸方向の磁気を検出することができる3軸磁気センサ93を備えた磁気式ジャイロ91が従来から知られている(下記特許文献1参照)。
この磁気式ジャイロ91は、被測定体92に設けた3軸磁気センサ93を使って、地磁気を磁気ベクトル(Mx,My,Mz)として時系列的に測定する。被測定体92が回転運動をすると、磁気ベクトル(Mx,My,Mz)の測定値が時間的に変化する。磁気式ジャイロ91は、測定した磁気ベクトル(Mx,My,Mz)の時間的変化から被測定体92の回転角度や角速度を算出し、出力する。
被測定体92の周囲に磁石が存在しない場合など、3軸磁気センサ93が一様な地磁気のみを測定できる場合には、磁気式ジャイロ91は被測定体92の回転運動を精確に検出することができる。しかしながら、図9に示すごとく、被測定体92の周囲に磁石99等の地磁気以外の磁気発生源が存在し、この磁石99により生じた磁界の影響を受ける場合等、一様な地磁気以外の磁界の影響を3軸磁気センサ93が受けた時は、被測定体92の回転運動を精確に検出することができなくなる。
そのため従来の磁気式ジャイロ91は、3軸磁気センサ93が磁石99の影響等を受けている場合には、回転運動の検出結果を出力しないようにしている。3軸磁気センサ93が地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する手段(影響判断手段)としては、例えば特許文献2の請求項10、請求項11に記載の通り、測定した地磁気の絶対値に予め設定した閾値以上の変化がないかによって判断する手法が知られている。以下、その内容について説明する。
まず下記数式を用いて、測定した磁気ベクトル(Mx,My,Mz)の大きさ|M|を算出する。
Figure 0005560413
地磁気の大きさは測定場所によっては変動するが、通常は大きく移動しない範囲で、継続して測定するのが普通であることから、その値は一定であるとみなすことができるため、3軸磁気センサ93が磁石99等の影響を受けていない場合は、被測定体92(磁気式ジャイロ)がその向きを変えても、磁気ベクトルの方向は変わるが、大きさ|M|は一定とみなすことができる。一方、3軸磁気センサ93が磁石99等の地磁気以外の磁場の影響を受けている場合は、被測定体92と磁石99の位置関係が変化したり、被測定体92の向きが時間変化すると、|M|は時間的に変動することとなる。そのため、異なる2時点t1,t2における|M|の測定値|M1|,|M2|の差Δ|M|を算出し、この差Δ|M|が予め定められた閾値を超えた場合には、3軸磁気センサ93が地磁気の乱れの影響を受けていると判断することができる。これにより、3軸磁気センサ93が地磁気以外の磁界の影響を受けて回転角度等の測定結果が不精確になった場合には、その測定結果を出力しないようにすることができる。
一方、被測定体92は低速で回転することも高速で回転することもある。低速で回転する場合は、測定時間の間隔Δtの間における被測定体92の回転速度の変化は小さく、かつ回転軸に変化があったとしても無視しても計算上大きな影響を生じないこと、また時間Δt内の回転角度も小さくなることから、磁気ベクトルを測定する時間間隔Δt(=t2−t1)を比較的長めに設定したとしても、ほぼ問題なく現実の回転運動状況を精確に把握することができる。ところが、被測定体92が高速で回転する場合は、時間間隔Δtを長めに設定してしまうと、そのΔtの時間内における被測定体92の回転速度の変化と回転軸の変化が無視できなくなるとともに、そのΔt内の回転角度も大きくなってしまうため、被測定体92の回転運動状況を精確に把握することが困難になる。
すなわち、本発明で対象としている磁気式ジャイロはユーザが、携帯電話等の携帯機器を意図的に振り回したような、1000度/秒を超える回転角速度となる場合でも精確に測定可能とすることを目的としている。この場合、1回の振り回しの途中においても回転軸、回転速度は変化し、かつ回転軸を求めないと回転角度を求めることができないことから、数m秒以下の極めて微少時間毎に連続して地磁気ベクトルを測定していく必要があった。
国際公開公報WO2007/099599 特開2003−167039号公報
しかしながら、時間間隔Δtを短くすると、被測定体92が低速で回転する場合には上記Δ|M|が小さくなるため、上記閾値の設定が難しくなるという問題が生じる。
すなわち、低速回転をすることによりΔ|M|が小さくなった場合でも、磁石99等の有無を確認できるようにするためには、Δ|M|の閾値を低く設定する必要がある。しかしながら、3軸磁気センサ93は、オフセット誤差などセンサ自身に内在するノイズを有する場合があるため、閾値を低く設定すると、そのノイズによってΔ|M|が閾値を超えやすくなる。その結果、地磁気以外の磁界の影響を受けていないにも関わらず、受けていると誤って判断する場合が起きやすくなる。
また、閾値を高く設定すると、低速回転の時にΔ|M|が閾値を超えにくくなるため、実際には地磁気以外の磁界の影響を受けているにも関わらず、影響を受けていないと誤って判断する場合が生じやすくなる。
また、従来の磁気式ジャイロ91は、図10に示すごとく、被測定体92が回転していない場合であっても、磁石99が被測定体92に近づいた場合等、周辺磁界に時間変化があった場合には、磁気センサにより検出した測定値が当然のごとく変化してしまうことから、あたかも被測定体92が回転しているかのように誤って判断することがあった。ここで、上記閾値が低ければ、上記影響判断手段によって、周辺磁界の存在の影響を判断することができる。しかし、上記閾値を高く設定した場合は、Δ|M|が閾値を超えにくくなるため、3軸磁気センサ93が地磁気以外の磁界の影響を受けていることを認識しにくくなる。そのため、被測定体92が回転していないのに回転していると誤判断し、不精確な回転角度等を出力しやすくなる問題があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、地磁気以外の周辺の磁界の影響を受けているか否かを精確に判断でき、不精確な回転角度を誤って出力することを防止できる磁気式ジャイロを提供しようとするものである。
本発明は、被測定体に固定された3軸直交座標系における磁気ベクトルとして地磁気を検出する3軸磁気センサと、
上記3軸直交座標系における加速度ベクトルとして重力加速度を検出する3軸加速度センサと、
上記3軸磁気センサによって時系列的に検出される上記磁気ベクトルのデータ、及び上記3軸加速度センサによって時系列的に検出される上記加速度ベクトルのデータを蓄積するメモリと、
該メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記磁気ベクトルのデータ及び上記加速度ベクトルのデータのうち、少なくとも上記磁気ベクトルのデータに基づいて、上記被測定体の回転角度を算出する回転角度算出手段と、
上記メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記加速度ベクトルのデータに基づいて、上記被測定体が、所定の閾値よりも遅い回転速度にて回転している、もしくは回転していない低速状態か、上記閾値よりも遅くない回転速度にて回転している非低速状態かを判断する回転判断手段と、
該回転判断手段により上記被測定体が上記非低速状態にあると判断された場合に、上記メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記磁気ベクトルのデータに基づいて、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する影響判断手段と、
該影響判断手段により、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていないと判断された場合に、上記回転角度を出力する出力手段とを備え、
上記回転判断手段によって上記被測定体が上記低速状態にあると判断された場合、及び上記影響判断手段により上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断された場合には、上記回転角度を上記出力手段に出力しないよう構成されていることを特徴とする磁気式ジャイロにある(請求項1)。
上記磁気式ジャイロは、重力加速度を加速度ベクトルとして検出する3軸加速度センサを備える。そして、3軸加速度センサによって測定した加速度ベクトルのデータを使って、被測定体が上記低速状態か上記非低速状態かを判断する回転判断手段を備える。このようにすると、3軸加速度センサは磁気の影響を受けないため、被測定体の周囲に磁石等が存在していても、その影響を受けることなく、被測定体が低速状態か非低速状態かを精確に判断することができる。例えば、低速状態にある被測定体に磁石が接近した場合等、周辺磁界が時間変化したときでも、被測定体が回転せず、静止している場合も含め、低速状態であることを精確に判断できる。そのため、周辺磁界の時間変化によって、被測定体が回転せず静止しているにもかかわらず、回転していると誤って、不精確な回転角度の値を出力することを防止できる。
また、上記磁気式ジャイロは、上記回転判断手段により、被測定体が非低速状態であると判断された場合に、磁気ベクトルのデータを使って、3軸磁気センサが地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する影響判断手段を備える。
このようにすると、被測定体がある程度の速度で回転している(非低速状態)場合のみ、地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断することになる。被測定体が非低速状態である時に周囲に磁石等が存在すると、被測定体の回転によって、地磁気以外の磁場により、磁気センサの検出値が変化することから、後述する、磁気の高周波数成分|M|の時間変動が大きくなりやすく、逆に、低速状態である時に周囲に磁石等が存在すると、前記した磁気センサの検出値の変動が非低速状態の場合に比べ小さくなることから、|M|の時間変動が小さくなりやすい。本発明では、被測定体が非低速状態である場合(周囲に磁石等が存在すると|M|の時間変動が大きくなりやすい場合)にのみ、3軸磁気センサが地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かの判断、すなわち|M|が閾値を超えるか否かの判断をするため、低速状態も含め、地磁気以外の磁界の影響の有無を判断する場合と比較すると、該閾値を大きく設定しても、地磁気以外の磁界の影響を受けているにもかかわらず、影響を受けていないと間違って判断する可能性を大幅に低く抑えることができる。そのため、3軸磁気センサにオフセット誤差等のノイズが発生した場合でも、そのノイズによって|M|が閾値を超える不具合が生じにくくなる。その結果、被測定体が地磁気以外の磁界の影響を受けていないのに受けていると誤判断する不具合を防止できる。
また、本発明では、被測定体が低速状態である場合(周囲に磁石等が存在していても|M|が小さくなりやすい場合)には、3軸磁気センサが地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かの判断をしない。仮に、被測定体が低速状態である場合に上記判断をし、かつ上記閾値を大きく設定すると、周囲に磁石等が存在しても|M|が小さくなりやすいため、|M|が閾値を超えにくくなる。その結果、被測定体が地磁気以外の磁界の影響を受けているのに、誤って受けていないと判断してしまう場合が生じやすくなる。しかしながら、本発明では被測定体が低速状態である場合は、3軸磁気センサが地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かの判断をしないため、このような問題は生じにくい。
以上のごとく、本発明によれば、地磁気以外の周辺の磁界の影響を受けているか否かを精確に判断でき、不精確な回転角度を誤って出力することを防止できる磁気式ジャイロを提供することができる。
実施例1における、磁気式ジャイロの概念図。 実施例1における、磁気式ジャイロのブロック図。 実施例1における、磁気式ジャイロのフローチャート。 図3に続くフローチャート。 実施例1における、3軸磁気センサの斜視図。 実施例1における、加速度ベクトルのX成分の変動を表したグラフ。 図6のグラフから抽出した、加速度高周波数成分の変動を表したグラフ。 実施例1における、加速度高周波数成分の絶対値の変動を表したグラフ。 従来例における、磁気式ジャイロの概念図。 従来例における、静止した被測定体に磁石が接近した場合の磁気式ジャイロ。
上記低速状態には、当然の如く、被測定体が回転していない状態も含まれる。また、上記閾値は、適宜設定することができる。例えば、上記閾値を0m/sに加速度センサの測定上避けられない誤差、すなわち、予想されるノイズの大きさ分を加算した程度の極めて0m/sに近い値に設定することにより、被測定体が実質的に回転していない状態のみを上記低速状態とすることができる。そして、このような閾値を採用した場合においては、測定した回転角度を出力しないだけでなく、測定した回転角度の値に関係なく、回転角度を0°として出力したり、静止状態であることを画面に表示する等の手段をとることも可能である。
また、本発明において、上記回転判断手段は、上記加速度ベクトルのデータから、該加速度ベクトルの変動の周波数が所定の値よりも高い加速度高周波数成分を抽出すると共に、該加速度高周波数成分の絶対値を算出し、該絶対値が予め定められた値よりも大きい場合に、上記被測定体が上記非低速状態であると判断することが好ましい(請求項2)。
加速度ベクトルのデータには、変動の周波数が所定の値よりも低い加速度低周波数成分と、変動の周波数が所定の値よりも高い加速度高周波数成分とが含まれる。このうち所定の値よりも高い加速度高周波数成分は、被測定体の回転運動が原因となって発生するものであるが、所定の値よりも低い加速度低周波数成分は回転運動以外、例えば重力加速度等が原因となって発生する。従って、上記構成にすると、加速度ベクトルのデータから変動の周波数が所定の値よりも低い加速度低周波数成分を除去できるため、被測定体が低速状態か非低速状態かの判断を、より精確に行うことが可能になる。
また、上記影響判断手段は、上記磁気ベクトルの絶対値を算出し、該絶対値から、該絶対値の変動の周波数が所定の値よりも高い磁気高周波数成分を抽出すると共に、該磁気高周波数成分が予め定められた範囲を超えた場合に、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断することが好ましい(請求項3)。
磁気ベクトルの絶対値には、変動の周波数が所定の値よりも低い磁気低周波数成分と、変動の周波数が所定の値よりも高い磁気高周波数成分とが含まれる。このうち磁気高周波数成分は、被測定体の回転運動に伴って、被測定体の固定された磁気センサの各成分の値が変化し、周辺磁界が時間変化することが原因となって発生するものであるが、磁気低周波数成分は周辺磁界の時間変化以外、例えば本来の磁気ベクトルの絶対値、すなわち地磁気ベクトルの絶対値が原因となって発生する。上記構成にすると、磁気ベクトルのデータから地磁気ベクトルの存在により発生する、変動の周波数が所定の値よりも低い磁気低周波数成分を除去できるため、被測定体の周辺磁界の変化を精確に検出できる。そのため、被測定体の回転角度を精確に算出することが可能になる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる磁気式ジャイロにつき、図1〜図7を用いて説明する。
図1に示すごとく、本例の磁気式ジャイロ1は、3軸磁気センサ2と、3軸加速度センサ3と、メモリ4と、回転角度算出手段5と、回転判断手段6と、影響判断手段7と、出力手段8とを備える。
3軸磁気センサ2は、図5に示すごとく、被測定体に固定された3軸直交座標系10における磁気ベクトルMとして地磁気を検出する。
また、3軸加速度センサ3は、3軸直交座標系10における加速度ベクトルAとして、重力加速度を含む被測定体の加速度を検出する。
図1に示すごとく、メモリ4は、3軸磁気センサ2によって時系列的に検出される磁気ベクトルMのデータ、及び3軸加速度センサ3によって時系列的に検出される加速度ベクトルAのデータを蓄積する。
図3に示すごとく、回転角度算出手段5は、メモリ4に蓄積された異なる2時点以上の磁気ベクトルMのデータ及び加速度ベクトルAのデータのうち、少なくとも磁気ベクトルMのデータに基づいて、被測定体の回転角度θを算出する(ステップS3)。
なお、検出した磁気ベクトルMのデータ又は、磁気ベクトルMと加速度ベクトルAの両方のデータから、回転軸を求め、回転角度を求める方法については、前記特許文献1や、既に本発明者等が出願済みの特開2008−224642号、特願2010−128241号にて明らかにしているので、ここでは説明を省略する。
回転判断手段6は、メモリ4に蓄積された異なる2時点以上の加速度ベクトルAのデータに基づいて、被測定体が、所定の閾値よりも遅い回転速度にて回転している、もしくは回転していない低速状態か、上記閾値よりも遅くない回転速度にて回転している非低速状態かを判断する(ステップS4)。
影響判断手段7は、回転判断手段6により被測定体が上記非低速状態であると判断された場合に、メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記磁気ベクトルのデータに基づいて、3軸磁気センサが地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する(ステップS6)。
出力手段8は、影響判断手段7(ステップS6)により、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けていないと判断された場合に、回転角度θを出力する(ステップS9)。
そして、回転判断手段6(ステップS4)によって被測定体が上記低速状態にあると判断された場合、及び影響判断手段7(ステップS6)により3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断された場合には、回転角度θを出力手段8に出力しないよう構成されている。
以下、詳説する。
図2に示すごとく、本例の磁気式ジャイロ1はコンピュータ100を備える。コンピュータ100は、CPU11と、ROM12と、RAM(メモリ)4と、I/O13と、これらを接続するライン14とを備える。ROM12はプログラム12pを記憶している。CPU11がプログラム12pを読み出して実行することにより、本例の回転角度算出手段5、回転判断手段6、影響判断手段7が実現される。また、コンピュータ100には、3軸磁気センサ2、3軸加速度センサ3、出力手段8が接続されている。
3軸磁気センサ2は、図5に示すごとく、マグネト・インピーダンス・センサ素子20によって構成してある。即ち、3軸磁気センサ2は、3個のマグネト・インピーダンス・センサ素子20を、それぞれの感磁方向が互いに直交する3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)となるように配設することにより、形成してある。また、3軸加速度センサ3は、シリコンを櫛歯状に微細加工した部品を2つ組合せ、加速度の印加によって生じる部品同士の間隙の変化を静電容量の変化として検出する、いわゆるMEMS加速度センサを3軸方向に組み合せてある。なお、図5においては、マグネト・インピーダンス・センサ素子20以外の電子部品や配線は省略してある。
次に、本例の磁気式ジャイロ1が行う一連の処理の流れを、図3、図4のフローチャートを用いて説明する。図3に示すごとく、磁気式ジャイロ1を起動すると、まずステップS1を処理する。ここでは、3軸磁気センサ2及び3軸加速度センサ3によって測定したデータを入力する。
ステップS1の後、ステップS2に移動する。ステップS2では、後述するステップS5において低速状態と記憶したか、又はステップS7においてエラーと記憶したかを確認する。磁気式ジャイロ1を起動して最初にステップS2を処理する場合はNoと判断し、ステップS3に移動する。
ステップS3では、上述した回転角度算出手段5における処理を実行する。すなわち、磁気ベクトルMのデータのみを用いて被測定体の回転角度θを算出するか、又は磁気ベクトルMのデータと加速度ベクトルAのデータを併せて回転角度θを算出する。
ステップS3の後、ステップS4に移動する。ステップS4では、上述した回転判断手段6における処理を実行する。すなわち、メモリ4に蓄積された異なる2時点以上の加速度ベクトルAのデータに基づいて、被測定体が上記低速状態か上記非低速状態かを判断する。
本例では、以下に説明する方法を使用することにより、被測定体が低速状態か非低速状態かを判断する。図6に示すごとく、加速度ベクトル(Ax,Ay,Az)の成分のうち、例えばX成分(Ax)は、変動の周波数が所定の値よりも低い加速度低周波数成分Ax(ゆっくり変動する成分)と、変動の周波数が所定の値よりも高い加速度高周波数成分Ax(早く変動する成分)とを足し合わせた値になる。すなわち、
Ax=Ax+Ax ・・・(2)
である。他の成分(Ay、Az)も同様に、
Ay=Ay+Ay
Az=Az+Az ・・・(3)
である。
本例ではステップS4において、適当な複数時点の加速度ベクトル(Ax,Ay,Az)のデータをデジタルローパスフィルタに通し、加速度低周波数成分(Ax,Ay,Az)を抽出する。その後、下記式に示すごとく、加速度ベクトル(Ax,Ay,Az)から加速度低周波数成分(Ax,Ay,Az)を減算することにより、加速度高周波数成分(Ax,Ay,Az)を抽出する。また、下記式を用いて、加速度高周波数成分(Ax,Ay,Az)の絶対値|A|を算出する。絶対値|A|は、例えば図8に示すごとく、時間的に変動する。算出した絶対値|A|が予め定められた閾値Kよりも大きくなった場合に、被測定体が非低速状態であると判断する。
Figure 0005560413
図3に示すごとく、ステップS4では、絶対値|A|が閾値Kよりも小さい場合はNo、すなわち被測定体が低速状態であると判断し、ステップS5に移る。ステップS5では、被測定体が低速状態であると記憶し、回転角度θを出力しない。また、ステップS4において、絶対値|A|が閾値Kよりも大きい場合はYes、すなわち被測定体が非低速状態であると判断し、ステップS6に移動する。
なお、本例では、閾値Kを0m/sに極めて近い値に設定することにより、被測定体が実質的に回転していない状態のみを低速状態としている。
このような0m/sに極めて近い値を閾値とした場合には、絶対値|A|が閾値より小さいということは、被測定体が静止状態であることを意味する。従って、算出した回転角度θを用いずに、強制的に回転角度を0に置換したり、画面上に静止状態である旨の表示をすることができる。
ステップS6では、上記影響判断手段7における処理を行う。すなわち、メモリ4に蓄積された異なる2時点以上の磁気ベクトルMのデータに基づいて、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する。
本例では、以下に説明する方法を使用することにより、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する。まず、メモリ内に保存された複数時点の磁気センサによる磁気ベクトルのデータを用いて、下記式を用いて、磁気ベクトル(Mx,My,Mz)の大きさ|M|の時間変化を算出する。
Figure 0005560413
ここで、|M|の時間変化データは、下記式に示すごとく、変動の周波数が所定の値よりも低い磁気低周波数成分|M|(ゆっくり変動する成分)と、変動の周波数が所定の値よりも高い磁気高周波数成分|M|(早く変動する成分)とを足し合わせた値となる。
|M|=|M|+|M| ・・・(7)
本例ではステップS6において、メモリ内に保存された複数時点の磁気ベクトルMのデータから|M|を数3により計算し、そのデータをデジタルローパスフィルタに通し、磁気低周波数成分|M|を抽出する。その後、下記式に示すごとく、|M|から主に地磁気を原因として発生する磁気低周波数成分|M|を減算することにより、被測定体の回転運動に伴って生じる周辺磁界の時間変化に相当する磁気高周波数成分|M|のみを抽出する。
|M|=|M|−|M| ・・・(8)
|M|は時間とともに変化するが、地磁気以外の磁界の影響を受けている場合、その変動が大きくなる。従って、当然の如く、その場合には、|M|の最大値もより大きな値となる。
そこで、抽出した磁気高周波数成分|M|が予め定められた閾値Kよりも大きい状態が瞬間的に生じた場合に、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断する。
図3に示すごとく、ステップS6では、磁気高周波数成分|M|の最新の値が閾値Kよりも大きい場合はYes、すなわち3軸磁気センサが地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断し、ステップS7に移る。ステップS7では、地磁気を正常に測定できていない(エラー)と記憶し、回転角度θを出力しない。ステップS7を処理した後、ステップS8において、時刻t1を記憶する。
また、ステップS6において、磁気高周波数成分|M|の最新の値が閾値Kよりも小さい場合はNo、すなわち3軸磁気センサが地磁気以外の磁界の影響を受けていないと判断し、ステップS9に移動する。
ステップS9では、ステップS3で算出した回転角度θを出力する。このように、ステップS4において被測定体が非低速状態であると判断され、かつステップS6において3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けていないと判断された場合のみ、被測定体の回転角度θを出力している。
図3に示すごとく、ステップS5、S8、又はS9を行った後は、ステップS1に戻る。ステップS1において、新たな測定データを入力した後、再びステップS2を処理する。上記ステップS5において低速状態と記憶するか、又は上記ステップS7においてエラーと記憶していれば、ステップS2においてYesと判断し、ステップS10に進む。また、低速状態またはエラーと記憶していなければ、ステップS2においてNoと判断し、ステップS3に進む。このように、ステップS5またはステップS7を実行しない限り、ステップS1、S2、S3、S4、S6、S9を繰り返し実行し、回転角度θを出力し続けるようになっている。
一方、ステップS2でYesと判断した場合は、図4に示すステップS10に移り、ステップS10にてエラーなのか低速状態なのかを判断し、エラーの場合はステップS11に、低速状態の場合はステップS14に移る。そして、ステップS11では、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けなくなったか否かを判断する。ここでは、磁気高周波数成分|M|の最新の値が閾値K/2よりも小さい場合はYes、すなわち3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けなくなったと判断し、ステップS12に移る。ステップS12では、処理した時刻t2を記憶した後、ステップS13に移る。また、ステップS11で磁気高周波数成分|M|の最新の値が閾値K/2よりも大きい場合はNo、すなわち3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を未だ受けていると判断し、再びステップS1に戻る。
なお、ステップS11における閾値K/2は、ステップS6における閾値Kの半分になっている。これは、ステップS11における閾値がKと同じだと、磁気高周波数成分|M|が少し下がっただけでYes、すなわち3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けなくなったと判断してしまい、信頼性が低くなるからである。なお、本実施例では、一例として閾値を1/2とした例を示したが、この値は、勿論1/2に限定されるものではなく、1倍未満の範囲で信頼性を高められるように適切に調整することができる。
ステップS13では、上記時刻t1から時刻t2までの間の経過時間(t2−t1)が、所定の値K以上であるか否かを判断する。ステップS13でNo、すなわちt2−t1<Kであると判断した場合はステップS1に戻り、ステップS10、S11、S12、S13を繰り返す。ステップS12でt2を更新し、ステップS13でt2−t1≧Kを満たした場合(Yes)には、地磁気以外の磁界の影響がなくなったと判断し、ステップS14に移る。これは、|M|は時間とともに変動する値であるため、瞬間的に閾値以下になったからといって、地磁気以外の磁界の影響がなくなったとはすぐに判断できないからである。従って、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断した時刻t1をステップS8において記憶してから、|M|が閾値K/2以下となるまでの経過時間(t2−t1)が短すぎる場合には、完全に影響がなくなったとは判断できないため、所定の時間K以上は待機させて、信頼性を高めている。
ステップS14では、被測定体が非低速状態になったか否かを判断する。ここでは、加速度高周波数成分(Ax,Ay,Az)の絶対値|A|が閾値2K以上であるか否かを判断する。絶対値|A|が閾値2K未満である場合はNo、すなわち被測定体が低速状態であると判断し、ステップS1に戻る。また、絶対値|A|が閾値2K以上である場合はYes、すなわち被測定体が非低速状態であると判断し、ステップS15に移動する。ステップS15では、ステップS5において記憶した低速状態の判断、またはステップS7において記憶したエラーの判断を解除する。
なお、ステップS14における閾値2Kは、ステップS4におけるKの2倍になっている。これは、ステップS14における閾値がKと同じだと、絶対値|A|が少し上がっただけでYes、すなわち被測定体が非低速状態であると判断してしまい、信頼性が低くなるからである。なお、本実施例では、一例として閾値を2倍とした例を示したが、この値は勿論2倍に限定されるものではなく、1倍超の範囲で、信頼性を高められるように、適切に調整することができる。
このように、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁気の影響を受けなくってから所定の時間を経過し(ステップS13)、かつ被測定体が非低速状態であると判断した場合(ステップS14)に、低速状態またはエラーを解除し(ステップS15)、ステップS1に戻るようになっている。これにより、ステップS2〜ステップS9の処理を行えるようになり、回転角度θを出力できるようになる。
次に、本発明の効果を具体的数値を含めた実施例により説明する。本発明の磁気式ジャイロ1は、被測定体が回転軸や回転角速度を時間とともに変化しつつ、瞬間的には1000度/秒を超える高速回転するような場合であっても、瞬間的な回転状況を精確に測定可能とすることを目的としている。勿論常時高速回転するわけではないが、ユーザの使用状況を考えると被測定体がいつから高速回転を開始するかは事前にわからないことから、高速回転中も精確に回転状況を測定可能とするためには、被測定体が高速回転しているか否かに関係なく測定時間の間隔を非常に短時間とする必要がある。一例としてこれを1m秒として実験した。
測定時間間隔が1m秒の場合、前記したとおり外部磁場の影響があったとしても、磁気センサの検出値に大きな変動が生じにくいことから、特に変動が生じにくい静止状態であっても外部磁場の影響を判別しようとすると、閾値は5mG程度とする必要が生じる。ところが、磁気センサにはその近くにある磁化された電子部品の影響を受けるため、オフセット補正しているものの、オフセット後においても誤差を5mG以下に押さえることは困難であり、閾値を5mGに設定してしまうと、外部磁場の影響がないにもかかわらず、外部磁場の影響があると間違って判断してしまう可能性が生じる。
一方で、閾値を予想される最大のオフセット誤差より若干大きい値(例えば34mG)に設定しておくと、今度は外部磁場の影響が生じているにもかかわらず、それを認識できないという不具合が生じる。
そこで、閾値を34mGとしたままの状態で、さらに加速度センサを用い、その変動の閾値を0.2m/sとし、加速度センサの変動が閾値以下の低速状態では磁気センサから算出した回転角度を出力しない構成と、加速度センサを用いない場合のジャイロ及び、前記した閾値を5mGとしたジャイロの3種類のジャイロを準備し、静止状態において意図的に磁石を近づけ、外部磁界の有無を判断できるかどうかをテストした。なお、磁気ベクトルの検出値に対するローパスフィルターのカットオフ周波数は0.2Hzパタワース特性とし、加速度ベクトルの検出値に対するローパスフィルターのカットオフ周波数は0.5Hzとして実験を行った。
この結果、磁気ベクトル変動の閾値が5mGのままの磁気式ジャイロは磁石を近づけた場合に外部磁場の影響ありと判断することは勿論であるが、磁石を近づけない状態であっても常にではないが、回転角度を出力しない状態が起きることが判明した。
また、磁気ベクトルの閾値を34mGとし、加速度センサを用いていない磁気式ジャイロは、磁石を近づけない状態で回転角度を出力しないという状態が起きることはなかったが、意図的に磁石を近づけた場合でも、外部磁場の影響を判断できず、回転角度を出力し続ける場合が生じることが判明した。
これに対し、磁場ベクトル変動の閾値を34mGとし、さらに加速度センサを用いた磁気式ジャイロでは磁石を近づけない場合では確実に回転角度を出力し続け、かつ磁石を近づけると確実に回転角度の出力が停止し、正常に動作することが確認できた。
次に、本例の作用効果について説明する。本例の磁気式ジャイロ1は、図1に示すごとく、重力加速度を加速度ベクトルAとして検出する3軸加速度センサ3を備える。また、図1、図3に示すごとく、3軸加速度センサ3によって測定した加速度ベクトルAのデータを使って、被測定体が低速状態か非低速状態かを判断する回転判断手段6(ステップS4)を備える。このようにすると、3軸加速度センサ3は磁気の影響を受けないため、被測定体の周囲に磁石等が存在していても、その影響を受けることなく、被測定体が低速状態か非低速状態かを精確に判断することができる。例えば、低速状態にある被測定体に磁石が接近した場合等、周辺磁界が時間変化したときでも、被測定体が低速状態であることを精確に判断できる。そのため、周辺磁界の時間変化によって、被測定体が回転していると誤って出力することを防止できる。
また、本例の磁気式ジャイロ1は、回転判断手段6(ステップS4)において、被測定体の回転運動が非低速状態であると判断された場合に、磁気ベクトルMのデータを使って、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する影響判断手段7(ステップS6)を備える。
このようにすると、被測定体がある程度の速度で回転している(非低速状態)場合のみ、地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断することになる。上述したように、被測定体が非低速状態にある時に周囲に磁石等が存在すると、|M|が大きくなりやすく、低速状態にある時に周囲に磁石等が存在すると|M|が小さくなりやすい。本例では、被測定体が非低速状態にある場合(周囲に磁石等が存在すると|M|が大きくなりやすい場合)にのみ、3軸磁気センサ2が磁界の影響を受けているか否かの判断、すなわち|M|が閾値Kを超えるか否かの判断をするため、低速状態も含めて、地磁気以外の磁界の影響の有無を判断する場合と比較すると、閾値Kを大きく設定することができる。そのため、3軸磁気センサ2にノイズが発生した場合でも、そのノイズによって|M|が閾値Kを超える不具合が生じにくくなる。その結果、被測定体が地磁気以外の磁界の影響を受けていないのに受けていると誤判断する不具合を防止できる。
また、本例では、被測定体が低速状態にある場合(周囲に磁石が存在していても|M|が小さくなりやすい場合)には、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かの判断をしない。仮に、被測定体が低速状態にある場合に上記判断をし、かつ閾値Kを大きく設定すると、周囲に磁石が存在しても|M|が小さくなりやすいため、|M|が閾値Kを超えにくくなる。その結果、被測定体が地磁気以外の磁界の影響を受けているのに、誤って受けていないと判断してしまう場合が生じやすくなる。しかしながら、本例では被測定体が低速状態である場合は、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かの判断をしないため、このような問題は生じにくい。
また、本例の回転判断手段6(ステップS4)は、加速度ベクトルAのデータから、該加速度ベクトルAの変動の周波数が所定の値よりも高い加速度高周波数成分(Ax,Ay,Az)を抽出する。そして、加速度高周波数成分(Ax,Ay,Az)の絶対値|A|を算出し、該絶対値|A|が予め定められた閾値Kよりも大きい場合に、被測定体が非低速状態であると判断する。
加速度ベクトルのデータには、変動の周波数が所定の値よりも低い加速度低周波数成分(Ax,Ay,Az)と、上記加速度高周波数成分(Ax,Ay,Az)とが含まれる。このうち加速度高周波数成分は、被測定体の回転運動が原因となって発生するものであるが、加速度低周波数成分は回転運動以外、具体的には重力加速度等が原因となって発生する。上記構成にすると、加速度ベクトルAのデータから重力加速度を原因として発生する加速度低周波数成分を除去できるため、残りのデータは被測定体の回転運動が原因となって発生する加速度高周波数成分のみとなることから、被測定体が低速状態か非低速状態かの判断を、より精確に行うことが可能になる。
また、本例の影響判断手段7(ステップS6)は、磁気ベクトルMの絶対値|M|の時間変化を算出し、該絶対値|M|の時間変化データから、該絶対値|M|の変動の周波数が所定の値よりも高い磁気高周波数成分|M|を抽出する。そして、該磁気高周波数成分|M|が予め定められた閾値Kよりも大きい状態が瞬間的に生じた場合に、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断する。
磁気ベクトルMの絶対値|M|には、変動の周波数が所定の値よりも低い磁気低周波数成分|M|と、上記磁気高周波数成分|M|とが含まれる。このうち磁気高周波数成分|M|は、被測定体の回転運動に伴って、周辺磁界が時間変化することが原因となって発生するものであるが、磁気低周波数成分|M|は周辺磁界の時間変化以外、すなわち地磁気ベクトルの絶対値が原因となって発生する。上記構成にすると、磁気ベクトルMのデータから地磁気ベクトルの存在により発生する磁気低周波数成分|M|を除去できるため、残りのデータは周辺磁界の変化によって発生する磁気高周波数成分のみとなることから、被測定体の周辺磁界の変化を精確に検出できる。そのため、地磁気以外の磁界の影響がなく、被測定体の回転角度を精確に算出することが可能かどうかの判断を精確に行うことができる。
また、本例の3軸磁気センサ2は、図5に示すごとく、互いに直交する3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に配設されたマグネト・インピーダンス・センサ素子20から構成されている。
マグネト・インピーダンス・センサ素子20は、感度が高い磁気センサであるため、地磁気を検出しやすいが、低速状態にある被測定体に接近した物体が僅かの磁気しか帯びていないような場合であっても、磁界の変化を検出してしまう。そのため、仮に本発明を適用しなかったとすると、静止状態に近いような低速状態にある被測定体に僅かしか磁気を帯びていない物体が接近した場合であっても、被測定体が実際に回転している速度と比べて大きく回転していると間違って判断する可能性が生じ、不精確な回転角度を出力しやすくなる。
しかしながら本例では、加速度ベクトルのデータを使って、被測定体が低速状態であると判断した場合には、磁気センサにより測定した磁気ベクトルデータより算出した回転角度を出力しないため、このような問題は起きにくい。そのため本例は、マグネト・インピーダンス・センサ素子20からなる3軸磁気センサ2を使った場合に生じやすい上記問題を防止しつつ、高感度であるマグネト・インピーダンス・センサ素子20の利点を充分に活かすことができる。
以上のごとく、本例によれば、地磁気以外の周辺の磁界の影響を受けているか否かを精確に判断でき、不精確な回転角度を誤って出力することを防止できる磁気式ジャイロを提供することができる。
1 磁気式ジャイロ
2 3軸磁気センサ
3 3軸加速度センサ
4 メモリ
5 回転角度算出手段
6 回転判断手段
7 影響判断手段
8 出力手段

Claims (3)

  1. 被測定体に固定された3軸直交座標系における磁気ベクトルとして地磁気を検出する3軸磁気センサと、
    上記3軸直交座標系における加速度ベクトルとして重力加速度を検出する3軸加速度センサと、
    上記3軸磁気センサによって時系列的に検出される上記磁気ベクトルのデータ、及び上記3軸加速度センサによって時系列的に検出される上記加速度ベクトルのデータを蓄積するメモリと、
    該メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記磁気ベクトルのデータ及び上記加速度ベクトルのデータのうち、少なくとも上記磁気ベクトルのデータに基づいて、上記被測定体の回転角度を算出する回転角度算出手段と、
    上記メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記加速度ベクトルのデータに基づいて、上記被測定体が、所定の閾値よりも遅い回転速度にて回転している、もしくは回転していない低速状態か、上記閾値よりも遅くない回転速度にて回転している非低速状態かを判断する回転判断手段と、
    該回転判断手段により上記被測定体が上記非低速状態にあると判断された場合に、上記メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記磁気ベクトルのデータに基づいて、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する影響判断手段と、
    該影響判断手段により、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていないと判断された場合に、上記回転角度を出力する出力手段とを備え、
    上記回転判断手段によって上記被測定体が上記低速状態にあると判断された場合、及び上記影響判断手段により上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断された場合には、上記回転角度を上記出力手段に出力しないよう構成されていることを特徴とする磁気式ジャイロ。
  2. 請求項1において、上記回転判断手段は、上記加速度ベクトルのデータから、該加速度ベクトルの変動の周波数が所定の値よりも高い加速度高周波数成分を抽出すると共に、該加速度高周波数成分の絶対値を算出し、該絶対値が予め定められた値よりも大きい場合に、上記被測定体が上記非低速状態であると判断することを特徴とする磁気式ジャイロ。
  3. 請求項1または請求項2において、上記影響判断手段は、上記磁気ベクトルの絶対値を算出し、該絶対値から、該絶対値の変動の周波数が所定の値よりも高い磁気高周波数成分を抽出すると共に、該磁気高周波数成分が予め定められた範囲を超えた場合に、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断することを特徴とする磁気式ジャイロ。
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