JP5560413B2 - 磁気式ジャイロ - Google Patents
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Description
上記3軸直交座標系における加速度ベクトルとして重力加速度を検出する3軸加速度センサと、
上記3軸磁気センサによって時系列的に検出される上記磁気ベクトルのデータ、及び上記3軸加速度センサによって時系列的に検出される上記加速度ベクトルのデータを蓄積するメモリと、
該メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記磁気ベクトルのデータ及び上記加速度ベクトルのデータのうち、少なくとも上記磁気ベクトルのデータに基づいて、上記被測定体の回転角度を算出する回転角度算出手段と、
上記メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記加速度ベクトルのデータに基づいて、上記被測定体が、所定の閾値よりも遅い回転速度にて回転している、もしくは回転していない低速状態か、上記閾値よりも遅くない回転速度にて回転している非低速状態かを判断する回転判断手段と、
該回転判断手段により上記被測定体が上記非低速状態にあると判断された場合に、上記メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記磁気ベクトルのデータに基づいて、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する影響判断手段と、
該影響判断手段により、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていないと判断された場合に、上記回転角度を出力する出力手段とを備え、
上記回転判断手段によって上記被測定体が上記低速状態にあると判断された場合、及び上記影響判断手段により上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断された場合には、上記回転角度を上記出力手段に出力しないよう構成されていることを特徴とする磁気式ジャイロにある(請求項1)。
このようにすると、被測定体がある程度の速度で回転している(非低速状態)場合のみ、地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断することになる。被測定体が非低速状態である時に周囲に磁石等が存在すると、被測定体の回転によって、地磁気以外の磁場により、磁気センサの検出値が変化することから、後述する、磁気の高周波数成分|M|Hの時間変動が大きくなりやすく、逆に、低速状態である時に周囲に磁石等が存在すると、前記した磁気センサの検出値の変動が非低速状態の場合に比べ小さくなることから、|M|Hの時間変動が小さくなりやすい。本発明では、被測定体が非低速状態である場合(周囲に磁石等が存在すると|M|Hの時間変動が大きくなりやすい場合)にのみ、3軸磁気センサが地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かの判断、すなわち|M|Hが閾値を超えるか否かの判断をするため、低速状態も含め、地磁気以外の磁界の影響の有無を判断する場合と比較すると、該閾値を大きく設定しても、地磁気以外の磁界の影響を受けているにもかかわらず、影響を受けていないと間違って判断する可能性を大幅に低く抑えることができる。そのため、3軸磁気センサにオフセット誤差等のノイズが発生した場合でも、そのノイズによって|M|Hが閾値を超える不具合が生じにくくなる。その結果、被測定体が地磁気以外の磁界の影響を受けていないのに受けていると誤判断する不具合を防止できる。
加速度ベクトルのデータには、変動の周波数が所定の値よりも低い加速度低周波数成分と、変動の周波数が所定の値よりも高い加速度高周波数成分とが含まれる。このうち所定の値よりも高い加速度高周波数成分は、被測定体の回転運動が原因となって発生するものであるが、所定の値よりも低い加速度低周波数成分は回転運動以外、例えば重力加速度等が原因となって発生する。従って、上記構成にすると、加速度ベクトルのデータから変動の周波数が所定の値よりも低い加速度低周波数成分を除去できるため、被測定体が低速状態か非低速状態かの判断を、より精確に行うことが可能になる。
磁気ベクトルの絶対値には、変動の周波数が所定の値よりも低い磁気低周波数成分と、変動の周波数が所定の値よりも高い磁気高周波数成分とが含まれる。このうち磁気高周波数成分は、被測定体の回転運動に伴って、被測定体の固定された磁気センサの各成分の値が変化し、周辺磁界が時間変化することが原因となって発生するものであるが、磁気低周波数成分は周辺磁界の時間変化以外、例えば本来の磁気ベクトルの絶対値、すなわち地磁気ベクトルの絶対値が原因となって発生する。上記構成にすると、磁気ベクトルのデータから地磁気ベクトルの存在により発生する、変動の周波数が所定の値よりも低い磁気低周波数成分を除去できるため、被測定体の周辺磁界の変化を精確に検出できる。そのため、被測定体の回転角度を精確に算出することが可能になる。
本発明の実施例にかかる磁気式ジャイロにつき、図1〜図7を用いて説明する。
図1に示すごとく、本例の磁気式ジャイロ1は、3軸磁気センサ2と、3軸加速度センサ3と、メモリ4と、回転角度算出手段5と、回転判断手段6と、影響判断手段7と、出力手段8とを備える。
3軸磁気センサ2は、図5に示すごとく、被測定体に固定された3軸直交座標系10における磁気ベクトルMとして地磁気を検出する。
また、3軸加速度センサ3は、3軸直交座標系10における加速度ベクトルAとして、重力加速度を含む被測定体の加速度を検出する。
図3に示すごとく、回転角度算出手段5は、メモリ4に蓄積された異なる2時点以上の磁気ベクトルMのデータ及び加速度ベクトルAのデータのうち、少なくとも磁気ベクトルMのデータに基づいて、被測定体の回転角度θを算出する(ステップS3)。
なお、検出した磁気ベクトルMのデータ又は、磁気ベクトルMと加速度ベクトルAの両方のデータから、回転軸を求め、回転角度を求める方法については、前記特許文献1や、既に本発明者等が出願済みの特開2008−224642号、特願2010−128241号にて明らかにしているので、ここでは説明を省略する。
回転判断手段6は、メモリ4に蓄積された異なる2時点以上の加速度ベクトルAのデータに基づいて、被測定体が、所定の閾値よりも遅い回転速度にて回転している、もしくは回転していない低速状態か、上記閾値よりも遅くない回転速度にて回転している非低速状態かを判断する(ステップS4)。
出力手段8は、影響判断手段7(ステップS6)により、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けていないと判断された場合に、回転角度θを出力する(ステップS9)。
そして、回転判断手段6(ステップS4)によって被測定体が上記低速状態にあると判断された場合、及び影響判断手段7(ステップS6)により3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断された場合には、回転角度θを出力手段8に出力しないよう構成されている。
以下、詳説する。
ステップS1の後、ステップS2に移動する。ステップS2では、後述するステップS5において低速状態と記憶したか、又はステップS7においてエラーと記憶したかを確認する。磁気式ジャイロ1を起動して最初にステップS2を処理する場合はNoと判断し、ステップS3に移動する。
本例では、以下に説明する方法を使用することにより、被測定体が低速状態か非低速状態かを判断する。図6に示すごとく、加速度ベクトル(Ax,Ay,Az)の成分のうち、例えばX成分(Ax)は、変動の周波数が所定の値よりも低い加速度低周波数成分AxL(ゆっくり変動する成分)と、変動の周波数が所定の値よりも高い加速度高周波数成分AxH(早く変動する成分)とを足し合わせた値になる。すなわち、
Ax=AxH+AxL ・・・(2)
である。他の成分(Ay、Az)も同様に、
Ay=AyH+AyL
Az=AzH+AzL ・・・(3)
である。
なお、本例では、閾値K1を0m/s2に極めて近い値に設定することにより、被測定体が実質的に回転していない状態のみを低速状態としている。
このような0m/s2に極めて近い値を閾値とした場合には、絶対値|A|Hが閾値より小さいということは、被測定体が静止状態であることを意味する。従って、算出した回転角度θを用いずに、強制的に回転角度を0に置換したり、画面上に静止状態である旨の表示をすることができる。
本例では、以下に説明する方法を使用することにより、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する。まず、メモリ内に保存された複数時点の磁気センサによる磁気ベクトルのデータを用いて、下記式を用いて、磁気ベクトル(Mx,My,Mz)の大きさ|M|の時間変化を算出する。
|M|=|M|H+|M|L ・・・(7)
|M|H=|M|−|M|L ・・・(8)
|M|Hは時間とともに変化するが、地磁気以外の磁界の影響を受けている場合、その変動が大きくなる。従って、当然の如く、その場合には、|M|Hの最大値もより大きな値となる。
そこで、抽出した磁気高周波数成分|M|Hが予め定められた閾値K2よりも大きい状態が瞬間的に生じた場合に、3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断する。
また、ステップS6において、磁気高周波数成分|M|Hの最新の値が閾値K2よりも小さい場合はNo、すなわち3軸磁気センサが地磁気以外の磁界の影響を受けていないと判断し、ステップS9に移動する。
なお、ステップS11における閾値K2/2は、ステップS6における閾値K2の半分になっている。これは、ステップS11における閾値がK2と同じだと、磁気高周波数成分|M|Hが少し下がっただけでYes、すなわち3軸磁気センサ2が地磁気以外の磁界の影響を受けなくなったと判断してしまい、信頼性が低くなるからである。なお、本実施例では、一例として閾値を1/2とした例を示したが、この値は、勿論1/2に限定されるものではなく、1倍未満の範囲で信頼性を高められるように適切に調整することができる。
なお、ステップS14における閾値2K1は、ステップS4におけるK1の2倍になっている。これは、ステップS14における閾値がK1と同じだと、絶対値|A|Hが少し上がっただけでYes、すなわち被測定体が非低速状態であると判断してしまい、信頼性が低くなるからである。なお、本実施例では、一例として閾値を2倍とした例を示したが、この値は勿論2倍に限定されるものではなく、1倍超の範囲で、信頼性を高められるように、適切に調整することができる。
このようにすると、被測定体がある程度の速度で回転している(非低速状態)場合のみ、地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断することになる。上述したように、被測定体が非低速状態にある時に周囲に磁石等が存在すると、|M|Hが大きくなりやすく、低速状態にある時に周囲に磁石等が存在すると|M|Hが小さくなりやすい。本例では、被測定体が非低速状態にある場合(周囲に磁石等が存在すると|M|Hが大きくなりやすい場合)にのみ、3軸磁気センサ2が磁界の影響を受けているか否かの判断、すなわち|M|Hが閾値K2を超えるか否かの判断をするため、低速状態も含めて、地磁気以外の磁界の影響の有無を判断する場合と比較すると、閾値K2を大きく設定することができる。そのため、3軸磁気センサ2にノイズが発生した場合でも、そのノイズによって|M|Hが閾値K2を超える不具合が生じにくくなる。その結果、被測定体が地磁気以外の磁界の影響を受けていないのに受けていると誤判断する不具合を防止できる。
加速度ベクトルのデータには、変動の周波数が所定の値よりも低い加速度低周波数成分(AxL,AyL,AzL)と、上記加速度高周波数成分(AxH,AyH,AzH)とが含まれる。このうち加速度高周波数成分は、被測定体の回転運動が原因となって発生するものであるが、加速度低周波数成分は回転運動以外、具体的には重力加速度等が原因となって発生する。上記構成にすると、加速度ベクトルAのデータから重力加速度を原因として発生する加速度低周波数成分を除去できるため、残りのデータは被測定体の回転運動が原因となって発生する加速度高周波数成分のみとなることから、被測定体が低速状態か非低速状態かの判断を、より精確に行うことが可能になる。
磁気ベクトルMの絶対値|M|には、変動の周波数が所定の値よりも低い磁気低周波数成分|M|Lと、上記磁気高周波数成分|M|Hとが含まれる。このうち磁気高周波数成分|M|Hは、被測定体の回転運動に伴って、周辺磁界が時間変化することが原因となって発生するものであるが、磁気低周波数成分|M|Lは周辺磁界の時間変化以外、すなわち地磁気ベクトルの絶対値が原因となって発生する。上記構成にすると、磁気ベクトルMのデータから地磁気ベクトルの存在により発生する磁気低周波数成分|M|Lを除去できるため、残りのデータは周辺磁界の変化によって発生する磁気高周波数成分のみとなることから、被測定体の周辺磁界の変化を精確に検出できる。そのため、地磁気以外の磁界の影響がなく、被測定体の回転角度を精確に算出することが可能かどうかの判断を精確に行うことができる。
マグネト・インピーダンス・センサ素子20は、感度が高い磁気センサであるため、地磁気を検出しやすいが、低速状態にある被測定体に接近した物体が僅かの磁気しか帯びていないような場合であっても、磁界の変化を検出してしまう。そのため、仮に本発明を適用しなかったとすると、静止状態に近いような低速状態にある被測定体に僅かしか磁気を帯びていない物体が接近した場合であっても、被測定体が実際に回転している速度と比べて大きく回転していると間違って判断する可能性が生じ、不精確な回転角度を出力しやすくなる。
しかしながら本例では、加速度ベクトルのデータを使って、被測定体が低速状態であると判断した場合には、磁気センサにより測定した磁気ベクトルデータより算出した回転角度を出力しないため、このような問題は起きにくい。そのため本例は、マグネト・インピーダンス・センサ素子20からなる3軸磁気センサ2を使った場合に生じやすい上記問題を防止しつつ、高感度であるマグネト・インピーダンス・センサ素子20の利点を充分に活かすことができる。
2 3軸磁気センサ
3 3軸加速度センサ
4 メモリ
5 回転角度算出手段
6 回転判断手段
7 影響判断手段
8 出力手段
Claims (3)
- 被測定体に固定された3軸直交座標系における磁気ベクトルとして地磁気を検出する3軸磁気センサと、
上記3軸直交座標系における加速度ベクトルとして重力加速度を検出する3軸加速度センサと、
上記3軸磁気センサによって時系列的に検出される上記磁気ベクトルのデータ、及び上記3軸加速度センサによって時系列的に検出される上記加速度ベクトルのデータを蓄積するメモリと、
該メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記磁気ベクトルのデータ及び上記加速度ベクトルのデータのうち、少なくとも上記磁気ベクトルのデータに基づいて、上記被測定体の回転角度を算出する回転角度算出手段と、
上記メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記加速度ベクトルのデータに基づいて、上記被測定体が、所定の閾値よりも遅い回転速度にて回転している、もしくは回転していない低速状態か、上記閾値よりも遅くない回転速度にて回転している非低速状態かを判断する回転判断手段と、
該回転判断手段により上記被測定体が上記非低速状態にあると判断された場合に、上記メモリに蓄積された異なる2時点以上の上記磁気ベクトルのデータに基づいて、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けているか否かを判断する影響判断手段と、
該影響判断手段により、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていないと判断された場合に、上記回転角度を出力する出力手段とを備え、
上記回転判断手段によって上記被測定体が上記低速状態にあると判断された場合、及び上記影響判断手段により上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断された場合には、上記回転角度を上記出力手段に出力しないよう構成されていることを特徴とする磁気式ジャイロ。 - 請求項1において、上記回転判断手段は、上記加速度ベクトルのデータから、該加速度ベクトルの変動の周波数が所定の値よりも高い加速度高周波数成分を抽出すると共に、該加速度高周波数成分の絶対値を算出し、該絶対値が予め定められた値よりも大きい場合に、上記被測定体が上記非低速状態であると判断することを特徴とする磁気式ジャイロ。
- 請求項1または請求項2において、上記影響判断手段は、上記磁気ベクトルの絶対値を算出し、該絶対値から、該絶対値の変動の周波数が所定の値よりも高い磁気高周波数成分を抽出すると共に、該磁気高周波数成分が予め定められた範囲を超えた場合に、上記3軸磁気センサが上記地磁気以外の磁界の影響を受けていると判断することを特徴とする磁気式ジャイロ。
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