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JP5564082B2 - テーパフェイス形圧力リング用線材及びテーパフェイス形圧力リング - Google Patents
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JP5564082B2 - テーパフェイス形圧力リング用線材及びテーパフェイス形圧力リング - Google Patents

テーパフェイス形圧力リング用線材及びテーパフェイス形圧力リング Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関、圧縮機関等に使用されるピストンリングに関し、特にテーパ形状の外周面を持つテーパフェイス形圧力リングを製造するための線材、及びテーパフェイス形圧力リングに関する。
内燃機関のピストンには、3〜4本のピストンリングが装着される。上部の2〜3本のピストンリングは圧力リングと呼ばれ、燃焼室とクランク室との気密を保持するとともに、ピストンの熱をシリンダに伝達して放熱する機能を有する。また、下部の1〜2本のピストンリングはオイルリングと呼ばれ、シリンダ内面に油膜を形成し、且つ、過剰なオイルを掻き落とす機能を有する。
圧力リングにはテーパ形状の外周面を持つテーパフェイス形ピストンリングが知られており、適正なテーパ角度θの設定によって、ピストンの下降行程時にはシリンダライナ又はシリンダの内壁(以下「シリンダ内壁」という。)に付着するオイルを掻き落とすとともに、上昇行程時にはテーパ面とシリンダ内壁間のくさび効果により油膜を形成するという特徴を有している。このような特徴から、主に自動車エンジンのセカンドリング(第二圧力リング)又はサードリング(第三圧力リング)として広く用いられている。
テーパフェイス形圧力リングでは、上述したように、機密性はもとより充分なオイルコントロール機能を備えていることが必要であり、そのためには初期なじみの時点から長期間に亘ってテーパフェイス形状を維持させることが重要となる。実際、テーパフェイス形圧力リング20は、図4に示すように、テーパ角度θ、リング幅h1の断面を持つ。通常、初期なじみ性を向上させるため、製造の最終工程においてリング呼び径に等しい内径をもつスリーブ内でラップし、リング外周面1に帯状の当たり面4を形成させる。成形したリングの真円度(リングの呼び径に等しい真円スリーブ内に挿入したときのリングの真円度)等の出来映えにもよるが、当たり面は、長時間ラップを行えば必ず形成できるものの、逆に当たり幅を増加させてしまうおそれもある。その場合、実質的にシリンダ壁面への押し付け力(面圧)が低下し、オイル消費の増加にも繋がってしまう。またリングの張力にも関係するが、当たり幅の増加は、フリクションの増加を招き、燃費を悪化させることにも繋がる。ピストンリングを製造する上では、品質面からは所定の当たり幅L’のラップ面を確実に得ること、コスト面からはラップ時間を短縮することが求められている。
特許文献1は、ラップ等の加工時間の短縮を図るため、上記の当たり面(特許文献1では平坦面と記載)を予め線材に設けておくことを開示している。さらに、平坦面の幅として0.05〜0.3 mmを教示している。しかし、たとえはじめから線材に平坦面があったとしても、前述したように成形したリングの真円度等の出来映えによっては、必ずしも所定の当たり幅のラップ面が確実に得られ、且つ、ラップ時間が短縮できるとは限らないのが実情であった。
特開2002−323133号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その課題は、テーパフェイス形圧力リングの製造工程において、外周面の当たり幅を増加させることなく、均一且つ迅速に、初期なじみ面(当たり面)を形成することが可能なテーパフェイス形圧力リング用線材を提供することを課題とする。また、当たり幅を小さくし、エンジン走行距離に対応して摩耗が進んでも当たり幅の拡大が抑制され、よって、ピストンリング外周面とシリンダライナ壁面の間のフリクションを低減して燃費向上にも繋がる長寿命のテーパフェイス形圧力リングを提供することを課題とする。
本発明では、基本的に、リング用線材のリングの外周面となるテーパ面に、当たり面が形成される第二のテーパ部を形成することによって、所定の当たり幅のラップ面が確実に形成され、且つ、ラップ時間が短縮できることに想到した。
第二のテーパ部のない従来のテーパフェイス形圧力リングでは、テーパ角度(テーパ部の傾斜角度θ)が小さいと僅かなラップ代(ラップ加工による取り代)によっても当たり幅に大きなバラツキが発生してしまい、初期の均一なピストンリング面圧を得ることが難しくなる。一方、テーパ角度θが大きいとピストンの上昇行程時にシリンダ壁に付着するオイルを掻き上げてしまい、オイル消費が大きくなってしまう。そういう観点では、本発明者らが本発明を着想する前の段階では、テーパ角度θの大きな第二のテーパ部を形成すると、前述のようにオイル消費を著しく悪化させることが予想された。しかし、本発明では、鋭意研究の結果、線材の第二のテーパ部の外周側への突出量Hを0.005〜0.05 mm、リングに加工した後の第二のテーパ部の半径方向(すなわち外周側)への突出量H’を0.001〜0.048 mm以下の範囲に設定することによって、オイル消費を悪化させることなく、またラップ加工により、確実且つ迅速に、所定の当たり幅の当たり面を形成することができ、長期間に亘って摩耗幅の拡大が抑制され、所定の面圧を維持できる長寿命のテーパフェイス形圧力リングを得ることができることに想到した。
すなわち、本発明のテーパフェイス形圧力リング用線材は、テーパフェイス形圧力リングの製造に使用される長尺の線材において、リングの外周面となる面に、互いに隣接し外周側に傾斜した第一のテーパ部と第二のテーパ部を有し、前記第二のテーパ部の傾斜角度θ2が前記第一のテーパ部の傾斜角度θ1よりも大きく、前記第二のテーパ部の外周側端部が前記第一のテーパ部の外周側端部より外周側に0.005〜0.05 mm突出していることを特徴とする。前記第一のテーパ部の傾斜角度θ1は1〜5°、前記第二のテーパ部の傾斜角度θ2は3〜10°の範囲であることが好ましい。また、前記第二のテーパ部はリング幅寸法h1の1/2以下であることが好ましい。
さらに、本発明のテーパフェイス形圧力リング用線材は、リングの外周面になる面と下面になる面とで形成される角部にステップ状又はフック状のカット部を有することが好ましい。
また、本発明のテーパフェイス形圧力リングは、リング外周面に、互いに隣接し外周側に傾斜した第一のテーパ部と第二のテーパ部を有し、前記第二のテーパ部の傾斜角度θ2が前記第一のテーパ部の傾斜角度θ1よりも大きく、前記第二のテーパ部にラップ加工面を有し、前記ラップ加工面が前記第一のテーパ部の外周側端部より半径方向に0.001〜0.048 mm突出していることを特徴とする。前記第一のテーパ部の傾斜角度θ1は1〜5°、前記第二のテーパ部の傾斜角度θ2は3〜10°の範囲であることが好ましい。また、前記第二のテーパ部はリング幅寸法h1の1/2以下であることが好ましく、前記ラップ加工面は0.005〜0.3 mmの当たり幅L’を有することが好ましい。
さらに、本発明のテーパフェイス形圧力リングは、リングの外周面と下面とで形成される角部にステップ状又はフック状のカット部を有することが好ましい。
本発明のテーパフェイス形圧力リング用線材は、リングの外周面となる第一のテーパ部の下端に第二のテーパ部が形成されているため、リングの製造工程のラップ加工工程において当たり面は第二のテーパ部に形成される。この第二のテーパ部の存在により、当たり幅が所定の範囲に入った当たり面を、確実に且つ迅速に、得ることが可能となる。また、この第二のテーパ部の存在は、成形したリングの真円度(精度)に対するラップ面の当たり幅や加工時間の感度を鈍感にする。さらに、本発明のテーパフェイス形圧力リングは、所定の当たり幅L’の当たり面が形成されているため、初期なじみに必要な時間が短く、第二のテーパ部が存在する限り当たり幅の著しい増加がないため、実質的にシリンダ壁への所定の面圧を長期間に亘って維持することが可能となり、よってオイル消費量も長期間に亘って低く維持することが可能となる。この当たり幅を小さく維持できる機能は、特に低張力仕様とした場合に摩擦力を小さくし燃費の向上に大きく貢献できる。
本発明のテーパフェイス形圧力リング用線材の一例を示す断面図である。 本発明のテーパフェイス形圧力リングの第二のテーパ部の拡大断面図で、製造工程で第二のテーパ部がラップ加工され、幅L’の当たり面が形成されている。 本発明のテーパフェイス形圧力リング用線材の別の一例を示す断面図で、リングの外周面になる面と下面となる面とで形成される角部にステップ状のカット部が形成されている。 本発明のテーパフェイス形圧力リング用線材のさらに別の一例を示す断面図で、リングの外周面になる面と下面となる面とで形成される角部にフック状のカット部が形成されている。 浮動ライナー式フリクション測定用エンジンの構造を示した概略図である。 従来のテーパフェイス形圧力リングの一例を示す断面図である。
図1(a)は本発明の線材10の一実施形態を示す断面図、図1(b)はリング製造工程で第二のテーパ部2がラップ加工された部分の拡大図である。リングの外周面となる面に、互いに隣接し外周側に傾斜した幅Mの第一のテーパ部1と幅Lの第二のテーパ部2が形成されている。ここで、第二のテーパ部2の傾斜角度θ2は第一のテーパ部1の傾斜角度θ1よりも大きい。また、外周面となる面と上下面となる面との角部は、面取り又はR形状に成形され、特に、第二のテーパ部の下端はできるだけ小さなR形状(例えば、R0.1 mm)であることが好ましい。スリーブ中でラップ加工を施すと、第二のテーパ部2が優先的にスリーブ内周面に接触し、比較的短時間で幅L’の当たり面4が形成される。第二のテーパ部2の外周側端部Aは第一のテーパ部1の外周側端部Bより外周側に突出し、その突出量Hは0.005〜0.05 mmとする。突出量Hが0.005 mm未満であると、ラップ加工により又はリングとして使用中に短時間で第二のテーパ部2が消失してしまい、エンジン運転中に摩耗が進んだ場合は初期性能の維持が困難になり好ましくない。また、リングの成形精度の影響を受けやすくなる点でも好ましくない。突出量Hが0.05 mmを超えると、この線材から製造されたリングは、ピストンの上昇行程でシリンダ壁に付着するオイルを掻き上げてオイル消費を増加させてしまう。突出量Hは0.01〜0.04 mmが好ましい。また、第一のテーパ部1の傾斜角度θ1は1〜5°、第二のテーパ部2の傾斜角度θ2は3〜10°の範囲であることが好ましい。さらに、第二のテーパ部2の軸方向幅Lもリング幅寸法h1の1/2以下であることが好ましい。さらに、θ1/θ2が0.1〜0.6の関係を満足することがより好ましい。
本発明のテーパフェイス形圧力リング用線材は、圧延ロール成形やダイスによる引き抜き加工によって製造されるが、上記の特徴部分以外では、圧力リングに通常用いられる断面形状が適用できる。例えば、リングの外周面になる面と下面になる面とで形成される角部にステップ状(スクレーパリング)又はフック状(ナピアリング)のカット部を設けることができる。また「ねじれ」を生じさせる上面(下面)インターナルベベルや上面(下面)インターナルステップ等の断面形状も適用できる。線材の成形工程を考慮すれば、仕様上の制限がない限り、角部は面取り形状又は丸形状とすることが好ましい。図2(a)は、本発明の線材を示す断面図の例で、リングの外周面になる面1〜2とリングの下面になる面6とで形成される角部にステップ状(スクレーパリング)のカット部7が形成された例であり、図2(b)は、角部にフック状(ナピアリング)のカット部7が形成された例である。
本発明のテーパフェイス形圧力リングは、上記のような線材をリング形状に成形し、側面研削、合口隙間研削等の加工を行った後、リング呼び径に等しい内径をもつスリーブ内でラップ加工し、リング外周面の第二のテーパ部2に帯状の当たり面4を形成する。そのためには、勿論、第二のテーパ部2の傾斜角度θ2が第一のテーパ部1の傾斜角度θ1よりも大きくなければならない。第一のテーパ部1の傾斜角度θ1は1〜5°、前記第二のテーパ部2の傾斜角度θ2は3〜10°の範囲にあることが好ましい。上記の線材について、通常は、約0.002〜0.01 mmの取り代のラップ加工を行うので、ラップ加工後にリングに残された第二のテーパ部2のラップ加工面は、第一のテーパ部の外周側端面Bより半径方向に0.001〜0.048 mmの突出量H’で突出する。突出量H’が0.001 mm未満、すなわち、外周面に第二のテーパ部2がほとんど残らなければ、エンジン運転中に摩耗が進んだ場合は初期性能の維持が困難になり好ましくない。突出量H’が0.048 mmを超えると、ピストンの上昇行程でシリンダ壁に付着するオイルを掻き上げ、オイル消費を増加させてしまう。突出量H’は0.01〜0.04 mmが好ましい。
本発明のテーパフェイス形圧力リングは、第二のテーパ部2の軸方向幅Lが、線材と同様、リング幅寸法h1の1/2以下であることが好ましい。また、ラップ加工後の当たり面4が0.005〜0.30 mmの当たり幅L’を有することが好ましい。ラップ加工面の当たり幅L’をこの範囲に調整することにより、リングのシリンダ壁への面圧を高く維持することができ、オイル消費を低く維持することが可能となる。もちろん、低張力仕様の場合は、フリクションを低く維持でき燃費の向上に貢献することも可能となる。
本発明のテーパフェイス形圧力リングは、本発明の線材と同様に、上記の特徴部分以外では、圧力リングに通常用いられる断面形状が適用できる。例えば、リングの外周面と下面とで形成される角部にステップ状(スクレーパリング)又はフック状(ナピアリング)のカット部を設けることができる。また「ねじれ」を生じさせる上面(下面)インターナルベベルや上面(下面)インターナルステップ等の断面形状も適用できる。
実施例1(E1)及び比較例1(C1)
実施例1として、リングの外周面となる面の外周側に傾斜角度2.5°(θ1)で傾斜する第一のテーパ部1と、隣接して傾斜角度5°(θ2)で傾斜する第二のテーパ部2を有し、第二のテーパ部の外周側端部の第一のテーパ部の外周側端部に対する突出量Hを0.10 mmとした、幅約1 mm、厚さ約2.3 mmのテーパフェイス形圧力リング用線材10を、JIS相当鋼種SWOSC-Vの鋼材を用いて、圧延ロール成形及び引き抜き成形により製作した。線材のリングの上面となる面と外周面となる面の角部3は比較的大きな面取り形状、第二のテーパ部2の下端5はR0.1 mmとした。また、比較例1として、傾斜角度2.5°(θ1)で傾斜する第一のテーパ部は有するものの第二のテーパ部のない、同じ幅寸法、同じ厚さ寸法の線材を、同じ鋼材を用いて製作した。これらの線材から、呼び径(d1)71 mm、幅(h1)1.0 mm、厚さ(a1)2.3 mmとなるテーパフェイス形圧力リング20として、側面加工、合口加工の後、71 mmの内径の真円スリーブを用いてラップ加工を行った。実施例1では、ラップによる当たり幅L’が0.074mmとなるようにラップ条件を調整した。また比較例1の第二のテーパ部2を有しない線材では、同じラップ条件では当たり幅0.302 mmのラップ加工面が得られた。ラップ加工面は、当然、第二のテーパ部下端5のR形状の部分にも及んでいる。なお、表面処理としては、全面リン酸亜鉛処理を行った。
実機試験(オイル消費量の測定)
次に、これらのテーパフェイス形圧力リング20をセカンドリングとして、1リットル3気筒のガソリンエンジンを用いて、所定の運転条件で、200時間の実機試験を行い、オイル消費量(LOC:Lubrication Oil Consumption)を測定した。トップリング及びオイルリングは用いたエンジン用のものを使用した。実機試験は2回行い、オイル消費量としては2回の平均値を用いた。比較例1のオイル消費量を100とすると、実施例1のオイル消費量は50.5であった。
摩擦力測定試験(摩擦損失の測定)
本発明のテーパフェイス形圧力リング(セカンドリング)のフリクションロス低減効果を確認するため、トップリング及びオイルリングの仕様を固定したピストンリングセット(TOPリング、2NDリング、OILリング)を浮動ライナー式フリクション測定用エンジンに組み込み、摩擦損失を摩擦平均有効圧力(FMEP:Friction Mean Effective Pressure)により評価した。ピストンリングと摺動する相手材には鋳鉄シリンダライナを用い、面粗度は十点平均粗さ(Rz)で2〜4 μmのものを使用した。図3は浮動ライナー式フリクション測定用エンジンの構造について示したものである。シリンダライナに結合された荷重測定用センサー8によりピストンに装着されたピストンリングが上下方向に摺動する際にシリンダライナに加わる摩擦力を測定した。浮動ライナー式フリクション測定用エンジンにて摩擦損失を測定する際の試験条件を以下に示す。比較例1のFMEPを100とすると実施例1のFEMPは63.0であった。 尚、リングの張力は、TOP、2ND、OILリングでそれぞれ3N、2N、15Nに設定した。
試験条件:
エンジン回転数: 2000rpm
負荷:15N・m
潤滑油温度:87℃
試験時間:10時間
実施例2〜18(E1〜E18)及び比較例2〜5(C2〜C5)
第一のテーパ部と第二のテーパ部の各傾斜角度と、第二のテーパ部の外周側端部の第一のテーパ部の外周側端部に対する突出量H(従って、第二のテーパ部の幅Lも)を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、テーパフェイス形圧力リング用線材10を製作し、テーパフェイス形圧力リング20を製作した。ラップ加工も実施例1と同様の方法で、表1に示す当たり幅となるように取り代を調整し、実機試験及び摩擦力測定試験についても実施例1と同様に行った。試験結果について、実施例1及び比較例1のデータも併せて表1に示す。
* C1に第二のテーパ部は存在しないため、当たり面は第一のテーパ部にある。
実施例1〜18及び比較例2〜5は、何れも第二のテーパ部(3〜10°のテーパ角度)を有するが、実施例1〜18の第二のテーパ部2の外周側端部の第一のテーパ部の外周側端部に対する突出量Hが0.005〜0.050 mmであるのに対し、比較例2は0.08 mm、比較例3は0.10 mm、比較例4は0.60 mm、比較例5は0.070 mmである。比較例2〜4は、ラップ加工後の当たり幅L’は0.116〜0.175 mmに抑えられ、シリンダ壁に対する面圧は高く維持されていることが予想されるが、第二のテーパ部2の半径方向突出量H’が大きく残っているため、高い面圧にもかかわらず従来例(比較例1)とほぼ同様のオイル消費量になってしまっていた。実施例1〜18は、第二のテーパ部の外周側端部の第一のテーパ部の外周側端部に対する半径方向突出量H及びH’が所定の範囲に入っており、且つ、ラップ加工による当たり幅L’も0.051〜0.270 mmに抑えられていたため、比較例1に対し、フリクション(FMEP)が8〜54%、オイル消費量が11〜59%と著しく改善された。
1 第一のテーパ部
2 第二のテーパ部
3 リングの外周面となる面と上面となる面の角部
4 当たり面
5 第二のテーパ部の下端部
6 リングの下面となる面
7 リングの外周面となる面と下面となる面の角部に形成されたカット部
8 荷重測定用センサー
10 テーパフェイス形圧力リング用線材
20 テーパフェイス形圧力リング
21 ピストンリングセット(TOPリング、2NDリング、OILリング)
22 ピストン
23 シリンダライナ

Claims (9)

  1. テーパフェイス形圧力リングの製造に使用される長尺の線材において、リングの外周面となる面に、互いに隣接し外周側に傾斜した第一のテーパ部と第二のテーパ部を有し、前記第二のテーパ部の傾斜角度θ2が前記第一のテーパ部の傾斜角度θ1よりも大きく、前記第二のテーパ部の外周側端部が前記第一のテーパ部の外周側端部より外周側に0.005〜0.05 mm突出していることを特徴とするテーパフェイス形圧力リング用線材。
  2. 請求項1に記載のテーパフェイス形圧力リング用線材において、前記第一のテーパ部の傾斜角度θ1が1〜5°、前記第二のテーパ部の傾斜角度θ2が3〜10°の範囲であることを特徴とするテーパフェイス形圧力リング用線材。
  3. 請求項1又は2に記載のテーパフェイス形圧力リング用線材において、前記第二のテーパ部の軸方向幅がリング幅寸法h1の1/2以下であることを特徴とするテーパフェイス形圧力リング用線材。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のテーパフェイス形圧力リング用線材において、リングの外周面になる面と下面になる面とで形成される角部にステップ状又はフック状のカット部を有することを特徴とするテーパフェイス形圧力リング用線材。
  5. リング外周面に、互いに隣接し外周側に傾斜した第一のテーパ部と第二のテーパ部を有し、前記第二のテーパ部の傾斜角度θ2が前記第一のテーパ部の傾斜角度θ1よりも大きく、前記第二のテーパ部にラップ加工面を有し、前記ラップ加工面が前記第一のテーパ部の外周側端部より半径方向に0.001〜0.048 mm突出していることを特徴とするテーパフェイス形圧力リング
  6. 請求項5に記載のテーパフェイス形圧力リングにおいて、前記第一のテーパ部の傾斜角度θ1が1〜5°、前記第二のテーパ部の傾斜角度θ2が3〜10°の範囲であることを特徴とするテーパフェイス形圧力リング。
  7. 請求項5又は6に記載のテーパフェイス形圧力リングにおいて、前記第二のテーパ部の軸方向幅がリング幅寸法h1の1/2以下であることを特徴とするテーパフェイス形圧力リング。
  8. 請求項5〜7の何れかに記載のテーパフェイス形圧力リングにおいて、前記ラップ加工面が0.005〜0.30 mmの当たり幅を有することを特徴とするテーパフェイス形圧力リング。
  9. 請求項5〜8の何れかに記載するテーパフェイス形圧力リングにおいて、リングの外周面と下面とで形成される角部にステップ状又はフック状のカット部を有することを特徴とするテーパフェイス形圧力リング。

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