以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体払出手法の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、4円レートおよび1円レートの2レート運用を例に挙げて説明を行うが、3レート以上の運用に対しても本発明を適用することができる。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る遊技媒体払出手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る遊技媒体払出手法の概要を示す図である。なお、同図の(A)には、遊技媒体払出に係る異レート乗入れ(以下、単に「乗入れ」と記載する)の概要について、同図の(B)には、本発明に係る移行手数料率算出手順の概要についてそれぞれ示している。
図1の(A)に示すように、遊技客が4円レート貯玉口座および1円レート貯玉口座の双方に残数を有している場合について説明する。この場合、4円レート貯玉口座の残数を4円コーナでのみ使用可とし、1円レート貯玉口座の残数を1円コーナでのみ使用可とする乗入れ禁止運用(同図の破線矢印参照)が行われる場合もある。
ここで、このような乗入れ禁止運用は、遊技客の利便性を低め、遊技台の稼働率低下にもつながることから、4円レート貯玉口座の残数を1円コーナで使用することを認めたり、1円レート貯玉口座の残数を4円コーナで使用することを認めたりする乗入れ運用が行われるようになってきた。
しかし、このような乗入れ運用を行うと、払出元となる貯玉のレートと再プレイ先となる遊技コーナのレートとの組合せの中で、遊技客に特に有利な払出が行われるパターンが存在する場合があるという問題があった。
たとえば、1円レート貯玉口座の残数を4円コーナでいったん払い出せば、払い出された遊技媒体には4円レートの景品交換手数料率が適用される。ここで、1円レートの景品交換手数料率は、4円レートの景品交換手数料率よりも高く設定される場合が多いため、遊技客にとってみれば、1円レート貯玉口座の残数を景品交換手数料率が低い4円レートで払い出して景品交換を行うほうが得となりやすい。
なお、従来は、貯玉口座の残数を払い出す場合に、貯玉口座のレートにそれぞれ対応した再プレイ手数料を再プレイ時に徴収する手法がとられていた。しかし、再プレイ手数料の徴収によるマイナスよりも、上記した景品交換手数料率の差異によるプラスのほうが大きいと、1円レート貯玉口座の残数を4円コーナでいったん払い出して景品交換するといった、遊技客に有利なパターンができてしまう。
そこで、本発明に係る遊技媒体払出手法では、図1の(B)に示したように、乗入れ元のレートと乗入れ先のレートとが異なる場合の移行手数料率(同図の「x」および「y」)を、景品交換手数料率を加味して算出することとした。
なお、乗入れ元および乗入れ先が同一レートである場合には、従来の再プレイ手数料をそのまま用いることとする。たとえば、乗入れ元および乗入れ先が共に1円レートである場合には、1円レート貯玉口座に適用されていた再プレイ手数料(同図では50%)、乗入れ元および乗入れ先が共に4円レートである場合には、4円レート貯玉口座に適用されていた再プレイ手数料(同図では5%)をそのまま用いる。
そして、本発明に係る遊技媒体払出手法では、景品交換手数料率を加味した移行手数料率算出に加え、さらに、景品交換手数料率および再プレイ手数料率を加味した移行手数料率算出についても行うことができるので、遊技店側のニーズに応じた移行手数料率を提供することが可能となる。
このように、本発明に係る遊技媒体払出手法では、再プレイ手数料率および景品交換手数料率に基づいて移行手数料率(「x」および「y」)を算出し(同図の(B−1)参照)、算出した移行手数料率(「x」および「y」)を用いて乗入れ時の手数料を算出する(同図の(B−2)参照)。なお、移行手数料率算出に用いる算出式の具体的な導出手順については、図5および図6を用いて後述する。
したがって、本発明に係る遊技媒体払出手法によれば、払出元となる貯玉価値のレートと再プレイ先のレートとのすべての組合せにについて、不公平な払出が生じない移行手数料率を算出することができる。
なお、図1では、乗入れ元が貯玉口座である場合について示したが、乗入れ元が持玉口座である場合にも本発明を適用することができる。具体的には、乗入れ元が持玉口座である場合には、再プレイ手数料を徴収しないことが一般的であるので、図1の(B)に示した再プレイ手数料(「50%」および「5%」)を「0%」とすればよい。
以下では、図1を用いて説明した遊技媒体払出手法を適用した遊技媒体払出システムについての実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、貯玉口座や持玉口座を管理する管理装置が移行手数料率を算出する場合について説明するが、管理装置と通信する台間装置などの各装置が移行手数料率を算出することとしてもよい。
図2は、本実施例に係る台間装置10および管理装置200が接続されるネットワーク環境を示す図である。同図に示すように、遊技台100ごとに設けられる台間装置10は、店舗内LAN(Local Area Network)20などのネットワーク経由で、管理装置200、島コントローラ300、精算機400、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機700といった各機器と接続されている。なお、遊技媒体払出システムは、台間装置10と、管理装置200とを含むものとする。
また、島コントローラ300は、台間装置10および遊技台100が設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、管理装置200/台間装置10間、あるいは、管理装置200/遊技台100間の通信データを中継する。
ここで、台間装置10がカードを返却した場合、他の遊技台100で遊技を継続する意志がない遊技客は、カードを精算機400へ挿入することで、プリペイド価値(プリペイド残額)に応じた貨幣を受け取る。
また、遊技客は、景品交換コーナへカードを持参し、カード処理機600にカードをかざしたり挿入したりする。そして、遊技店の従業員が景品管理機500や景品払出機700を操作することで、遊技客は、持玉価値に応じた景品を受け取ることになる。
なお、同図に示すように、管理装置200は、カード(記録媒体)に関連付けられる価値を管理する記録媒体管理DB(データベース)210を有している。そして、記録媒体管理DB210は、プリペイド価値を管理するプリペイドカードDB(データベース)210aと、遊技客が獲得した遊技媒体を換金したり景品交換したりすることなく遊技店へ預けておくことを指す貯玉を管理する貯玉DB(データベース)210bと、遊技店が獲得した持玉価値を管理する持玉DB(データベース)210cとから構成される。
たとえば、台間装置10が返却するカードに価値付けられる持玉価値やプリペイド価値は、管理装置200が管理するプリペイドカードDB210aや、持玉DB210cによっても管理されている。
なお、貯玉DB(データベース)210bは、遊技店の会員に対して配布される会員カードに付与された貯玉サービスを行うためのデータベースであり、一般カードの場合には、プリペイドカードDB(データベース)210aおよび持玉DB(データベース)210cのみが関連する。
ここで、貯玉DB(データベース)210bについては、会員用の管理装置を別途設けることとしたうえで、かかる会員用の管理装置が貯玉DB(データベース)210bを管理することとしてもよい。
次に、本実施例に係る台間装置10および管理装置200の構成について図3を用いて説明する。図3は、台間装置10および管理装置200の構成を示すブロック図である。なお、同図には、台間装置10および管理装置200の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
同図に示すように、台間装置10は、通信インタフェース11と、制御部12とを備えている。また、制御部12は、識別子取得部12aと、貸出要求送信部12bと、貸出処理部12cとをさらに備えている。
一方、管理装置200は、表示部201と、入力部202と、通信インタフェース203と、制御部204と、記憶部205とを備えている。また、制御部204は、移行手数料率算出部204aと、移行手数料率選択部204bと、貸出要求受付部204cと、手数料控除部204dと、通知部204eとをさらに備えている。そして、記憶部205は、再プレイ手数料情報205aと、景品交換手数料情報205bと、移行手数料情報205cと、貯玉情報205dとを記憶する。
以下では、まず、台間装置10の各構成要素について説明する。通信インタフェース11は、管理装置200との間で通信データの送受信を行う通信デバイスである。ここで、図3に示した台間装置10の外観構成について図4を用いて説明しておく。
図4は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技台100を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける台間装置10を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを備えることとしてもよい。
図4に示すように、台間装置10は、台間装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52とを備えている。また、台間装置10は、遊技店の従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部53と、ディスプレイなどの表示部およびテンキー、カードの返却ボタンといった操作部を含んだ表示・操作部54とを備えている。
また、台間装置10は、持玉等の遊技媒体を払い出すノズルを備えた払出部55と、一般カードや会員カードといったカードを受け付けるとともに持玉価値、貯玉価値、プリペイド価値といった各価値が関連付けられたカードを返却するカード挿入部56と、遊技客が獲得した遊技媒体(持玉)を計数する計数部57と、持玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部58とを備えている。ここで、遊技台100の下皿から落下した遊技媒体は、玉貯留部58を経て計数部57へと導かれることになる。
ここで、台間装置10には、計数部57で計数された遊技媒体(持玉)の再利用を行うための「持玉払出ボタン」が設けられているものとする。そして、この「持玉払出ボタン」の設置場所については特に制限はない。たとえば、「持玉払出ボタン」は、台間装置10の表示・操作部54、計数部57などに設けられる。
また、台間装置10には、貯玉価値の再利用を行うための「貯玉払出ボタン」が設けられているものとする。この「貯玉払出ボタン」の設置場所に特に制限がない点は、「持玉払出ボタン」と同様である。なお、表示・操作部54の操作に応じて単一の「払出ボタン」を「貯玉払出ボタン」または「持玉払出ボタン」として切り替えることとしてもよい。
なお、遊技台100には、カードの残額や、貸し出された遊技媒体の数などを表示する表示部100aと、遊技媒体の貸し出しを指示する貸出ボタンやカード返却を指示する返却ボタンといった操作ボタン100bとが設けられる。なお、持玉(獲得玉)や貯玉価値の払い出しを払出部55経由で行うのではなく、遊技台100から行うこととしてもよい。
図3の説明に戻り、台間装置10の制御部12について説明する。制御部12は、台間装置10の全体制御を行う制御部である。識別子取得部12aは、カード挿入部56(図4参照)に挿入された会員カードから会員識別子などの識別子を取得する処理を行う処理部である。なお、識別子取得部12aによって取得された識別子は、管理装置200が遊技客に対応する貯玉口座や持玉口座を検索する場合に用いられる。
また、この識別子取得部12aは、取得した識別子を貸出要求送信部12bへ通知する処理を併せて行う。なお、本実施例では、台間装置10がカードから識別子を取得する場合について説明するが、遊技客が携帯する携帯電話などの携帯端末装置から識別子を取得することとしてもよい。
貸出要求送信部12bは、上記した「持玉払出ボタン」や「貯玉払出ボタン」が押下された場合に、識別子取得部12aによって取得された識別子を含んだ貸出要求を、通信インタフェース11経由で管理装置200へ送信する処理を行う処理部である。
貸出処理部12cは、管理装置200から払出可能玉数などの通知を受けた場合に、払出部55あるいは遊技台100に対して遊技媒体の貸出を行うように指示する処理を行う処理部である。
次に、管理装置200の各構成要素について説明する。表示部201は、ディスプレイなどの表示デバイスであり、制御部204の移行手数料選択部204bなどで生成された画面を表示する。また、入力部202は、キーボードやポインティングデバイスなどの入力デバイスであり、操作者による入力を、制御部204の移行手数料選択部204bへ通知する。そして、通信インタフェース203は、台間装置10との間で通信データの送受信を行う通信デバイスである。
制御部204は、管理装置200の全体制御を行う制御部である。移行手数料率算出部204aは、記憶部205の再プレイ手数料情報205aおよび景品交換手数料情報205bに基づき、図1に示した移行手数料率を算出する処理を行う処理部である。なお、移行手数料率204aによって算出される移行手数料率は、所定の数値範囲として算出され、最終的な移行手数料率は、移行手数料率選択部204bによって決定される。
移行手数料率選択部204bは、移行手数料率算出部204aによって所定の数値範囲として算出された移行手数料率を含んだ移行手数料率選択画面を生成して表示部201へ表示させるとともに、入力部202から受け取った選択結果に基づいて最終的な移行手数料率を決定する処理を行う処理部である。なお、この移行手数料率選択部204bによって決定された最終的な移行手数料率は、記憶部205の移行手数料情報205cへ登録される。
ここで、移行手数料率算出部204aの詳細な処理内容について図5および図6を用いて説明しておく。図5は、再プレイ手数料情報205a、景品交換手数料情報205bおよび移行手数料情報205cの例を示す図であり、図6は、移行手数料算出に用いる算出条件の例を示す図である。
まず、図5を用いて再プレイ手数料情報205a、景品交換手数料情報205bおよび移行手数料情報205cについて説明する。なお、同図の(A)には、再プレイ手数料情報205aの例を、同図の(B)には、景品交換手数料情報205bの例を、同図の(C)には、移行手数料情報205cの例を、それぞれ示している。
再プレイ手数料情報205aは、図5の(A)に示したように、貯玉口座のレートごとに、再プレイ時に徴収する手数料率(再プレイ手数料率)を定義した情報である。なお、後述する手数料率算出用の数式導出においては、1円レートの再プレイ手数料率を「a1」として、4円レートの再プレイ手数料率を「a2」としてそれぞれ用いることとする。なお、「a1」には、たとえば、50%という値を、「a2」には、たとえば、5%という値を、それぞれ設定することができる。
景品交換手数料情報205bは、図5の(B)に示したように、遊技コーナのレートごとに、景品交換時に徴収する手数料率(景品交換手数料率)を定義した情報である。なお、後述する手数料率算出用の数式導出においては、1円レートの景品交換手数料率を「b1」として、4円レートの景品交換手数料率を「b2」としてそれぞれ用いることとする。なお、「b1」には、たとえば、50%という値を、「b2」には、たとえば、0%という値を、それぞれ設定することができる。
移行手数料情報205cは、図5の(C)に示したように、乗入れ元となる貯玉口座のレートと、乗入れ先となる遊技コーナのレートとの各組合せについて、上記した再プレイ手数料率に対応する手数料率を定義した情報である。なお、乗入れ元および乗入れ先のレートが双方とも1円である場合の手数料率は、図5の(A)に示した「a1」となる。また、乗入れ元および乗入れ先のレートが双方とも4円である場合の手数料率は、図5の(A)に示した「a2」となる。
ここで、乗入れ元のレートと乗入れ先のレートとが異なる場合の手数料率を、移行手数料率と呼ぶこととするが、以下の説明では、乗入れ元のレートと乗入れ先のレートとが同一である場合の手数料率を含めて移行手数料率と呼ぶ場合もある。
そして、後述する手数料算出用の数式導出においては、同図に示す「x」あるいは「y」を、それぞれ用いることとする。すなわち、乗入れ元が1円レートであり乗入れ先が4円レートである場合の移行手数料率を「x」とし、乗入れ元が4円レートであり乗入れ先が1円レートである場合の移行手数料率を「y」とする。
次に、移行手数料率算出部204aによる移行手数料率算出に用いる算出条件について図6を用いて説明する。ここで、同図には、乗入れ元が1円レートであり乗入れ先が4円レートである場合の移行手数料率を「x」を算出するための算出条件を示している。また、同図の(A)には、第1の算出条件(以下、「第1条件」と記載する)を、同図の(B)には、第2の算出条件(以下、「第2条件」と記載する)を、それぞれ示している。
第1条件は、図6の(A)に示したように、「1円貯玉を4円コーナで払い出した後に景品交換」する場合の交換後価値が、「1円貯玉をそのまま景品交換」する場合の交換後価値以下とする旨の算出条件である。
すなわち、第1条件は、「1円貯玉を4円コーナで払い出した後に景品交換」したとしても、「1円貯玉をそのまま景品交換」した場合と同等の交換後価値もしくはより少ない交換後価値しか得られないようにするための条件である。以下では、かかる第1条件を用いて移行手数料率「x」を求める手順を示す。
具体的には、1円貯玉が「A」個あった場合に、1円貯玉をそのまま景品交換した場合の交換後価値は、
A(1−b1) ・・・(1)
式(1)であらわされる。ここで、b1は、1円レートの交換手数料率である(図5の(B)参照)。
一方、1円貯玉が同じく「A」個あった場合に、1円貯玉を4円コーナで払い出した後に景品交換した場合の交換後価値は、
(A(1−x)/4)(1−b2)×4 ・・・(2)
式(2)であらわされる。ここで、b2は、4円レートの交換手数料率である(図5の(B)参照)。
ここで、第1条件は、「式(2)≦式(1)」であるので、
A(1−b1)≦(A(1−x)/4)(1−b2)×4 ・・・(3)
式(3)であらわされる。そして、式(3)を「x」について解くと、
x≧(b1−b2)/(1−b2) ・・・(4)
式(4)が得られる。
たとえば、図5に示したように、b1が50%であり、b2が0%である場合には、これらの値を式(4)に代入すると、
x≧(0.5−1)/(1−0)=0.5(=50%)
となり、xを50%以上とすれば、第1条件を満たすことがわかる。
次に、第2条件について説明する。第2条件は、図6の(B)に示したように、「1円貯玉を4円コーナで払い出した後に景品交換」する場合の交換後価値が、「1円貯玉を1円コーナで払い出した後に景品交換」する場合の交換後価値以下とする旨の算出条件である。
すなわち、第2条件は、「1円貯玉を4円コーナで払い出した後に景品交換」したとしても、「1円貯玉を1円コーナで払い出した後に景品交換」した場合と同等の交換後価値もしくはより少ない交換後価値しか得られないようにするための条件である。以下では、かかる第2条件を用いて移行手数料率「x」を求める手順を示す。
具体的には、1円貯玉が「A」個あった場合に、1円貯玉を4円コーナで払い出した後に景品交換した場合の交換後価値は、上記した式(2)であらわされる。また、1円貯玉が同じく「A」個あった場合に、1円貯玉を1円コーナで払い出した後に景品交換した場合の交換後価値は、
A(1−a1)(1−b1) ・・・(5)
式(5)であらわされる。ここで、a1は、1円レートの再プレイ手数料率である(図5の(A)あるいは図5の(C)参照)。また、b1は、1円レートの景品交換手数料率である(図5の(B)参照)。
ここで、第2条件は、「式(2)≦式(5)」であるので、
(A(1−x)/4)(1−b2)×4≦A(1−a1)(1−b1) ・・・(6)
式(6)であらわされる。そして、式(6)を「x」について解くと、
x≧1−(1−a1)(1−b1)/(1−b2) ・・・(7)
式(7)が得られる。なお、b2は、4円レートの景品交換手数料率である(図5の(B)参照)。
たとえば、図5に示したように、b1が50%であり、b2が0%であり、a1が50%である場合には、これらの値を式(7)に代入すると、
x≧1−(1−0.5)(1−0.5)/(1−0)=0.75(=75%)
となり、xを75%以上とすれば、第2条件を満たすことがわかる。
すなわち、xを75%以上とすれば、第1条件および第2条件の双方を満たすが、遊技店の運用方針によっては、第1条件のみを満たすxを用いることも考えられる。このため、移行手数料率算出部204aは、第1条件および第2条件のそれぞれについてxの数値範囲を求めるものの、最終的な移行手数料率の決定は、移行手数料選択部204bが受け付ける入力操作結果に委ねることとしている。
ところで、図6では、乗入れ元が1円レートであり乗入れ先が4円レートである場合の移行手数料率を「x」を算出するための算出条件を示したが、乗入れ元が4円レートであり乗入れ先が1円レートである場合の移行手数料率を「y」についても、同様に求めることができる。
この場合、第1条件を、「4円貯玉を1円コーナで払い出した後に景品交換」する場合の交換後価値が、「4円貯玉をそのまま景品交換」する場合の交換後価値以下とすれば、かかる第1条件を満たすyは、x導出と同様の手順で、
y≧(b2−b1)(1−b1) ・・・(8)
式(8)であらわされる。ここで、b1は、1円レートの景品交換手数料率であり、b2は、4円レートの景品交換手数料率である(図5の(B)参照)。
また、第2条件を、「4円貯玉を1円コーナで払い出した後に景品交換」する場合の交換後価値が、「4円貯玉を4円コーナで払い出した後に景品交換」する場合の交換後価値以下とすれば、かかる第2条件を満たすyは、x導出と同様の手順で、
y≧1−(1−a2)(1−b2)/(1−b1) ・・・(9)
式(9)であらわされる。ここで、a2は、4円レートの再プレイ手数料率である(図5の(A)あるいは図5の(C)参照)。
なお、遊技店の運営方針に応じて式(8)および式(9)の不等号の向きを逆とすることとしてもよい。また、図6では、乗入れ元が貯玉である場合について示したが、乗入れ元を持玉とする場合には、上記した各式におけるa1およびa2を0(0%)とすればよい。
図3の説明に戻り、管理装置200についての説明をつづける。貸出要求受付部204cは、台間装置10からの貸出要求を通信インタフェース203経由で受け付け、受け付けた貸出要求を手数料控除部204dへ渡す処理を行う処理部である。
手数料控除部204dは、貸出要求受付部204から受け取った貸出要求に含まれる会員識別子などの識別子に該当する貯玉口座を貯玉情報205dから抽出する。そして、手数料控除部204dは、貯玉口座のレートと、台間装置10が設置されている遊技コーナのレートとの組合せに該当する移行手数料率(図5の(C)参照)を適用して移行手数料を算出する。
つづいて、手数料控除部204dは、算出した移行手数料を該当する貯玉口座から控除し、控除後の玉数などを通知部204eへ渡す。なお、手数料控除部204dは、控除額を貯玉情報205dへ反映させる処理を併せて行うものとする。
通知部204eは、手数料控除部204dから受け取った控除後の玉数などの情報を、通信インタフェース203経由で、台間装置10へ送信する処理を行う処理部である。記憶部205は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、再プレイ手数料情報205aと、景品交換手数料情報205bと、移行手数料情報205cと、貯玉情報205dとを記憶する。
ここで、再プレイ手数料情報205a、景品交換手数料情報205bおよび移行手数料情報205cについては、図5を用いて既に説明したので、ここでの説明を省略する。貯玉情報205dは、会員識別子などの識別子、レートごとの貯玉口座といった項目を含んだ情報である。ここで、レートごとの貯玉口座には、該当するレートに応じた貯玉残額が格納される。
次に、管理装置200の移行手数料率選択部204bによって生成される画面の例について図7を用いて説明する。図7は、移行手数料率選択に用いられる画面の例を示す図である。なお、同図には、図5に示した再プレイ手数料率および景品交換手数料率を用い、図6の(A)に示した第1条件および図6の(B)に示した第2条件を満たす移行手数料率xが、それぞれ、50%以上および75%以上と算出された場合について示している。
図7の(A)に示すように、「4円から1円への移行手数料率選択画面」には、第1条件を満たす移行手数料率xおよび第2条件を満たす移行手数料率xの数値範囲が、表示されている。ここで、図7の(A)には、選択可能な移行手数料率xを5%きざみとした場合に、選択可能な移行手数料率xにそれぞれ対応する選択ボタン71をそれぞれ表示する場合について示している。
そして、管理装置200の操作者が、複数の選択ボタン71の中から最終的な移行手数料率xを選択したうえで、決定ボタン72を押下すると、最終的な移行手数料率xが移行手数料情報205cへ登録される。たとえば、同図に示すように、50%に対応する選択ボタン71が選択されたうえで、決定ボタン72が押下された場合には、移行手数料率xが50%である旨が移行手数料情報205cへ登録される。
なお、図7の(B)に示したように、第1条件および第2条件を、矢印などの数値範囲を示す表示部品で構成し、操作者にスライダバー73を操作させることで、最終的な移行手数料率xを選択させることとしてもよい。また、図7には、「4円から1円への移行手数料率選択画面」を例示したが、「1円から4円への移行手数料率選択画面」についても同様の構成とし、最終的な移行手数料率yを操作者に選択させることとすればよい。
次に、管理装置200が実行する処理手順について図8を用いて説明する。図8は、管理装置200が実行する処理手順を示すフローチャートである。移行手数料率算出部204aが、再プレイ手数料情報205aおよび景品交換手数料情報205bに基づいて移行手数料率を算出すると(ステップS101)、移行手数料率選択部204bは、表示部201に対し、生成した移行手数料率を表示する(ステップS102)。
そして、移行手数料率選択部204bは、入力部202経由で最終的な移行手数料率の選択を受け付けたならば(ステップS103)、選択された最終的な移行手数料率を移行手数料情報205cとして記憶部205へ記憶させる(ステップS104)。
つづいて、貸出要求受付部204cは、台間装置10から貸出要求を受け付けたか否かを判定し(ステップS105)、貸出要求受付部204cが貸出要求を受け付けた場合には(ステップS105,Yes)、手数料控除部204dは、該当する遊技客口座を貯玉情報205dから抽出する(ステップS106)。なお、ステップS105の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS105,No)、ステップS105の処理を繰り返す。
つづいて、手数料控除部204dは、乗入れ元レートおよび乗入れ先レートに合致する移行手数料率を移行手数料情報205cから取得し(ステップS107)、取得した移行手数料率に基づいて算出した移行手数料を控除する処理を行う(ステップS108)。そして、通知部204eは、控除後の遊技媒体数を通信インタフェース203経由で台間装置10へ通知し(ステップS109)、処理を終了する。
ところで、これまでは、貯玉口座のレートとは異なるレートの遊技コーナで貯玉残額の払い出しを許可する乗入れ運用を前提として説明してきたが、乗入れ運用を行うか否かを遊技客へ選択させることとしてもよい。そこで、以下では、遊技客に乗入れ運用を行うか否かを選択させる場合について図9および図10を用いて説明することとする。
図9は、再プレイパターン選択に用いられる画面の例を示す図である。なお、同図の(A)には、再プレイパターン選択画面の例を、同図の(B)には、乗入れ運用が選択された場合における口座優先順位選択画面の例を、それぞれ示している。なお、図9に示した各画面は、たとえば、台間装置10の表示・操作部54、図2に示したカード処理機600の表示部などに表示されるものとする。
図9の(A)に示したように、再プレイパターン選択画面には、「貯玉口座の乗り入れを行う」および「貯玉口座の乗り入れを行わない」旨がそれぞれ表示された選択ボタン91が表示されている。そして、「貯玉口座の乗り入れを行う」旨が表示された選択ボタン91が遊技客によって選択され(同図の(A−1)参照)、決定ボタン92が押下された場合には、複数レート使用可フラグがONへ更新される(同図の(A−2))。
ここで、かかる複数レート使用可フラグは、たとえば、台間装置10の図示しない記憶部や管理装置200の記憶部205に記憶され、複数レート使用可フラグがONであれば、乗入れ運用(図1の(A)参照)が実行される。一方、複数レート使用化フラグがOFFであれば、乗入れ禁止運用(図1の(A)における破線矢印参照)が実行される。
そして、図9の(A)に示した再プレイパターン選択画面で、貯玉口座の乗り入れを行う旨が選択された場合には、図9の(B)に示した口座優先順位選択画面が表示される。図9の(B)に示したように、口座優先順位画面には、口座の各レート(同図では、4円レートおよび1円レート)の優先順位を選択するための選択ボタン93が表示されている。
たとえば、遊技客が、各選択ボタン93を操作し、4円レートの口座を第1優先、1円レートの口座を第2優先としたうえで、決定ボタン92を押下すると、各口座の優先順位が決定される。なお、各口座の優先順位は、台間装置10の図示しない記憶部や管理装置200の記憶部205に記憶される。
次に、図9を用いて説明した再プレイパターン選択処理を行う場合に、台間装置10が実行する処理手順について図10を用いて説明する。図10は、台間装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
台間装置10の識別子取得部12aは、会員カードが挿入されると(ステップS201)、会員カードから取得した会員識別子などの識別子に基づき、管理装置200から該当する貯玉情報205dおよび移行手数料情報205cを取得する(ステップS202)。
つづいて、台間装置10は、図9で説明した複数レート使用可フラグあり(フラグがON)であるか否かを判定し(ステップS203)、複数レート使用可フラグあり(フラグがON)である場合(ステップS203,Yes)、すなわち、乗り入れ運用を行う場合には、最優先レートの貯玉口座に残額があるか否かを判定する(ステップS204)。
そして、再優先レートの貯玉口座に残額がある場合には(ステップS204,Yes)、この貯玉口座レートが遊技コーナレートと同一であるか否かを判定する(ステップS206)。
ここで、ステップS204の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS204,No)、次優先レートの貯玉口座に残額があるか否かを判定し(ステップS205)、次優先レートの貯玉口座に残額がある場合には(ステップS205,Yes)、次優先レートの貯玉口座に対してステップS206の処理手順を実行する。なお、ステップS205の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS205,No)、会員カードを返却し(ステップS216)、処理を終了する。
つづいて、貯玉口座レートが遊技コーナレートと同一である場合には(ステップS206,Yes)、非移行手数料徴収処理を実行する(ステップS207)。なお、ステップS207の実行については、管理装置200へ依頼することとしてもよい。ここで、非移行手数料徴収処理とは、図5の(C)に示した「a1」あるいは「a2」を適用した手数料徴収処理を指す。
そして、台間装置10は、手数料徴収後の貯玉残額に基づいて玉払出を実行する(ステップS210)。つづいて、払出が継続して行われるか否かを判定し(ステップS211)、払出が継続して行われる場合には(ステップS211,Yes)、ステップS204以降の処理を繰り返す。一方、ステップS211の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS211,No)、会員カードを返却し(ステップS216)、処理を終了する。
ところで、ステップS206の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS206,No)、移行手数料徴収処理を実行し(ステップS208)、レート換算を行ったうえで(ステップS209)、ステップS210の処理手順を実行する。なお、ステップS208およびステップS209の実行については、管理装置200へ依頼することとしてもよい。
ここで、移行手数料徴収処理とは、図5の(C)に示した「x」あるいは「y」を適用した手数料徴収処理を指す。また、レート換算とは、手数料徴収処理後の貯玉残高を遊技コーナのレートに見合った遊技媒体数へ換算することを指す。
ところで、ステップS203の判定条件を満たさなかった場合(ステップS203,No)、すなわち、乗り入れ禁止運用を行う場合には、該当する貯玉口座(遊技コーナのレートと同一のレートを有する貯玉口座)に残額があるか否かを判定する(ステップS212)。
そして、貯玉口座に残額がある場合には(ステップS212,Yes)、非移行手数料徴収処理を実行する(ステップS213)。なお、ステップS213の実行については、管理装置200へ依頼することとしてもよい。また、ステップS212の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS212,No)、処理を終了する。
そして、台間装置10は、手数料徴収後の貯玉残額に基づいて玉払出を実行する(ステップS214)。つづいて、払出が継続して行われるか否かを判定し(ステップS215)、払出が継続して行われる場合には(ステップS215,Yes)、ステップS212以降の処理を繰り返す。一方、ステップS215の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS215,No)、会員カードを返却し(ステップS216)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例では、記憶部が、遊技客が獲得した遊技媒体価値の貸出レートにそれぞれ対応して遊技客ごとに設けられた遊技客口座を記憶し、遊技媒体価値から景品への交換を行う場合の景品交換手数料率を貸出レートごとに記憶し、管理装置の移行手数料率算出部が、所定の遊技客について遊技客口座の遊技媒体価値をこの遊技客口座の貸出レートとは異なる貸出レートの遊技客口座へ移行する場合に控除する手数料の遊技媒体価値に対する割合を示す移行手数料率を、移行元となる遊技客口座の貸出レートに対応する景品交換手数料率および移行先となる遊技客口座の貸出レートに対応する景品交換手数料率に基づいて算出するように管理装置を構成した。
したがって、払出元となる貯玉価値あるいは持玉価値のレートと再プレイ先のレートとのすべての組合せについて、不公平な払出が生じない適切な移行手数料率を用いて遊技媒体の払出を行うことができる。
なお、上述した実施例では、移行手数料率を景品交換手数料率に基づいて算出する場合について説明したが、景品交換手数料率に関係なく任意の数値を入力させ、入力させた数値を設定値として用いることとしてもよい。
また、上述した実施例では、乗入れ運用を行うか否かを遊技客へ選択させる場合についても説明したが、選択タイミングや、選択結果の有効期間にバリエーションをもたせることとしてもよい。
たとえば、入会手続時や、それ以降の任意のタイミングで乗入れ運用を行うか否かを選択させ、選択結果を選択変更が行われるまで有効としたり、開店時間以降、会員カードが遊技店内装置に最初に挿入された際に選択させ、選択結果を閉店時間まで有効としたり(閉店処理時にリセット)することができる。また、会員カードが台間装置に挿入された際に選択させ、選択結果を会員カード返却まで有効としたり、乗入れ運用に該当する場合には、必ず選択させたりすることとしてもよい。
また、上述した実施例では、会員の貯玉を払出対象とする場合について主に説明したが、一般客(非会員)の持玉を払出対象とすることとしてもよい。たとえば、持玉レートとは異なるレートを有する遊技コーナで持玉を使用する場合には、所定の手数料率に応じた手数料を徴収し、持玉レートと同一のレートを有する遊技コーナで持玉を使用する場合には手数料を0%とする運用などに本発明を適用することができる。
なお、持玉を払出対象とする場合、貯玉を払出対象とする場合とは異なり、遊技客ごとの口座は用意されず、カード(一般カード)の識別子をキーとした管理がなされることになる。
また、上述した実施例では、4円レートと1円レートとの複数レート運用を行う場合について説明したが、4円レートと2円レート、2円レートと1円レートのように、任意のレート間運用にも本発明を適用することとしてもよい。また、4円レート、2円レートおよび1円レートのように、3レート以上のレート間運用にも本発明を適用することができる。
また、上述した実施例では、遊技客の再プレイ処理を受け付ける端末が台間装置である場合について説明したが、かかる端末が、再プレイ装置である場合にも本発明を適用することができる。ここで、再プレイ装置とは、管理装置と通信するとともに遊技島端等に設けられる再プレイ専用の装置のことを指す。具体的には、再プレイ装置は、会員カードの挿入、正当な暗証番号の入力が行われると、管理装置に問い合わせを行い、会員の貯玉口座等から玉数を引き落とし、パチンコ玉やメダルを払い出す処理を行う装置である。
かかる再プレイ装置は、遊技島内に設けられる台間装置とは異なり、遊技島端や、遊技島外に設けられるため、遊技客は、乗入れ元のレートや、乗入れ先のレートを明確に認識したうえで、口座選択を行う必要がある。したがって、遊技客の再プレイ処理を受け付ける端末が再プレイ装置である場合にも本発明を適用することで、公平な乗入れ運用を行うことができる。