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JP5574041B2 - 斜板式圧縮機 - Google Patents
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Description

本発明は、シリンダブロックに、回転軸が挿通される軸孔と、軸孔の周りで周方向に並ぶように形成され各々にピストンが挿通される複数のシリンダボアと、が形成された斜板式圧縮機に関する。
この種の斜板式圧縮機としては、ピストンとして両頭ピストンを採用した両頭ピストン型斜板式圧縮機があり、例えば、特許文献1に開示のものが挙げられる。図11に示すように、特許文献1の斜板式圧縮機80において、シリンダブロック81には3つのシリンダボア81aが形成されるとともに、各シリンダボア81a内には両頭ピストン82が収容されている。また、シリンダブロック81には、1つの吸入室83が隣り合う2つのシリンダボア81aの狭間に位置するように形成されるとともに、1つの吐出室84が別の隣り合うシリンダボア81aの狭間に位置するように形成されている。そして、隣り合うシリンダボア81aの狭間を、吸入室83及び吐出室84の形成用に有効利用することで、脈動を抑えるために必要な容量を確保した吸入室83及び吐出室84がシリンダブロック81内に収められることになり、斜板式圧縮機80の体格の大型化を抑えている。
ところで、図示しないが、特許文献1の斜板式圧縮機80において、吸入室からシリンダボア81aへの冷媒の吸入は、リード弁タイプの吸入弁が吸入ポートを開くことにより行われる。このような吸入弁を用いた吸入方式では、シリンダボア81a内と吸入室との圧力差に基づいて吸入弁が開閉し、シリンダボア81a内の圧力が所定の圧力にまで下がってからでないと吸入弁は開かず、所望するタイミングで吸入弁が開かない場合があり、吸入効率が悪化してしまう虞がある。
そこで、体格の大型化を抑えた特許文献1に開示の斜板式圧縮機80に対し、吸入効率の悪化を防ぐために、シリンダボアと吸入室とを機械的に連通させるようにしたロータリバルブを採用することが有効である。
特開平9−317633号公報 特開2007−138925号公報 特開2007−270790号公報
図12に示すように、ロータリバルブを採用した圧縮機としての特許文献2に開示の斜板式圧縮機90では、冷媒を連通溝98を介して斜板室99からフロントハウジング93側の収容室93a(吸入室)に一旦到達させている。このため、シリンダボア97に連通する吸入通路96へ冷媒を導入するには、フロントハウジング93側(収容室93a)の冷媒が、供給通路92aによってシリンダブロック91側へ導かれる。すなわち、回転軸92には、フロントハウジング93からシリンダブロック91に到達するまで延びる供給通路92aを形成しなければならず、供給通路92aが軸方向へ長大化していた。したがって、特許文献2の斜板式圧縮機90においては、供給通路92aを形成することにより、斜板式圧縮機90の体格が軸方向へ大型化してしまっている。
図13に示すように、同じくロータリバルブを採用した圧縮機としての特許文献3に開示の斜板式圧縮機100では、回転軸101内には供給通路102が形成されるとともに、供給通路102内を回転軸101外に連通させる導入孔101aが形成されている。シリンダブロック104において、回転軸101周りには吸入凹部105が形成されるとともに、導入孔101aは吸入凹部105を介して斜板室106と供給通路102を連通可能になっている。
そして、特許文献3においては、斜板室106に対し吸入凹部105及び導入孔101aが連通すると、斜板室106の冷媒が、吸入凹部105から導入孔101aを介して供給通路102に導入され、さらに、供給通路102からロータリバルブ107を介してシリンダボア108へ導入される。特許文献3においても、導入孔101aを回転軸101に形成することで、回転軸101が軸方向へ長大化するとともに、シリンダブロック104に吸入凹部105を形成することで、斜板式圧縮機100の体格が軸方向へ大型化してしまっている。また、供給通路102については、回転軸101の強度を確保するために回転軸101を大径化する必要があり、その結果、斜板式圧縮機100の体格が径方向へ大型化してしまっている。
このように、従来のロータリバルブを採用した斜板式圧縮機90,100は、斜板室99,106をそのまま吸入室としているために、ロータリバルブ107の形状が複雑・大型化し、結果として斜板式圧縮機90,100の体格の大型化を招いている。
本発明の目的は、脈動及び吸入効率の低下を抑えつつ小型な斜板式圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る斜板式圧縮機は、シリンダブロックと、斜板と、複数のピストンと、回転軸と、ロータリバルブとを備える。前記シリンダブロックは軸孔と複数のシリンダボアと斜板室と吸入室とを有する。前記軸孔は前記シリンダブロックを貫通するように延びている。前記複数のシリンダボアは前記軸孔の周りで周方向に沿って並んでいる。前記吸入室は隣り合うシリンダボアの狭間に前記斜板室から隔離して設けられる。前記斜板は前記斜板室に納められる。前記複数のピストンは前記斜板に係留されるとともに前記複数のシリンダボアにそれぞれ挿通される。前記回転軸は前記軸孔に挿通されるとともに前記斜板と一体回転する。前記ロータリバルブは前記回転軸と一体回転するように同回転軸に設けられる。前記シリンダブロックは、前記吸入室と前記軸孔とを連通させる吸入室用連通路と、複数のボア用連通路とを有している。前記複数のボア用通路は前記複数のシリンダボアをそれぞれ個別に前記軸孔と連通させる。前記ロータリバルブは、前記回転軸と一体回転することにより前記吸入室用連通路を前記複数のボア用連通路に順次連通させる。
これによれば、シリンダブロック内では、吸入室とシリンダボアとがロータリバルブを中心として周方向に並んでいる。その結果として、吸入方式にロータリバルブを採用しても、軸方向や径方向にロータリバルブひいては斜板式圧縮機の体格が大型化することがない。そして、吸入方式として、吸入弁ではなく、ロータリバルブを採用したため、吸入弁と比較して吸入効率の悪化も防ぐことができる。
好ましくは、前記吸入室は、隣り合うシリンダボアの狭間にそれぞれ位置する複数の吸入室を含む。前記吸入室用連通路は、前記複数の吸入室をそれぞれ個別に前記軸孔と連通させる複数の吸入室用連通路を含む。
これによれば、シリンダブロック内では、吸入室とシリンダボアとがロータリバルブを中心として交互に周方向に並んでいる。このため、シリンダボアと吸入室をロータリバルブで連通させるには、供給通路をロータリバルブの周方向の一部に延びる形状に形成するだけでよい。よって、回転軸に形成するロータリバルブの形状を単純化でき、軸方向への長さをさらに短くすることができる。
好ましくは、前記シリンダブロックは、隣り合うシリンダボアの狭間にそれぞれ位置する複数の吐出室を有する。
これによれば、吐出室に吐出された高温の冷媒によりシリンダブロックが熱膨張しても、熱膨張箇所がハウジングの周方向に均等に分布される。その結果、熱膨張によって各シリンダボア及びピストンが受ける影響を少なくすることができる。
好ましくは、前記複数の吐出室は、前記シリンダブロックの径方向において、前記吸入室の外側に配置されている。
好ましくは、前記シリンダブロックは、外部配管が接続される吸入口と、該吸入口と前記吸入室とを連通する吸入通路とを有し、前記吸入通路は前記斜板室から隔離して設けられる。
これによれば、ロータリバルブを有する回転軸は回転に伴う摺動摩擦によって熱を持つものの、吸入口から吸入室、さらにはシリンダボアまでの冷媒の吸入経路において、冷媒はロータリバルブを通過する際にしか、回転軸と熱交換されない。さらに、ロータリバルブは、軸方向への長さが短くされているため、ロータリバルブでの冷媒の加熱が極力抑えられ、吸入効率が高くなる。
好ましくは、前記吸入室用連通路は、前記軸孔の内壁に形成された凹部によって構成され、同凹部は前記斜板室に連通する開口端を有する。前記斜板と前記凹部の開口端との間にはスラストベアリングが配置され、前記スラストベアリングは前記凹部の開口端を閉塞する。
これによれば、シリンダブロックを鋳造する際に、同時に吸入室用連通路を形成できる。よって、吸入室用連通路を、シリンダブロックの鋳造後にドリル等で切削加工する必要がなく、シリンダブロックの製作の手間を省くことができる。
好ましくは、前記吸入室用連通路は、前記吸入室の内壁に形成されるとともに前記シリンダブロックの軸方向における端面に開口する開口端を有する第1凹部と、前記軸孔の内壁に形成されるとともに前記斜板室に連通する開口端を有する第2凹部とによって構成される。前記斜板と前記第2凹部の開口端との間にはスラストベアリングが配置され、前記スラストベアリングは前記第2凹部の開口端を閉塞する。
これによれば、シリンダブロックを鋳造する際に、同時に吸入室用連通路を形成できるだけでなく、吸入室用連通路と斜板室との開口を小型化できるので、閉塞部材としてのスラストベアリングを小型化できる。
好ましくは、前記複数のシリンダボアは3つのシリンダボアである。
これによれば、シリンダブロック内において、シリンダボアの容量を大きく確保し、脈動をより低減できる。
本発明によれば、脈動及び吸入効率の低下を抑えつつ小型な斜板式圧縮機を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る両頭ピストン型斜板式圧縮機を示す図3の1−1線に沿った断面図。 第1の実施形態の両頭ピストン型斜板式圧縮機を示す図3の2−2線に沿った断面図。 フロント側吐出室及びフロント側吸入室を示す図1の3−3線に沿った断面図。 フロント側シリンダボア、フロント側吸入室及びフロント側吐出室を示す図1の4−4線に沿った断面図。 本発明の第2の実施形態に係る両頭ピストン型斜板式圧縮機を示す部分断面図。 図5のロータリバルブ及び軸孔内を示す展開図。 (a)は図5のシリンダブロックをフロント側吸入室側から示す図5の7a−7a線に沿った断面図、(b)はシリンダブロックを軸孔側から示す図5の7b−7b線に沿った断面図。 別例の両頭ピストン型斜板式圧縮機を示す部分断面図。 別例の両頭ピストン型斜板式圧縮機を示す断面図。 別例のフロント側ロータリバルブを示す展開図。 特許文献1を示す図。 特許文献2を示す図。 特許文献3を示す図。
(第1の実施形態)
以下、本発明の斜板式圧縮機を両頭ピストン型斜板式圧縮機10に具体化した第1の実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、両頭ピストン型斜板式圧縮機10(以下、単に圧縮機10と記載する)のハウジングHにおいて、接合された一対のシリンダブロック11,12のうち、フロント側(図1では左側)のシリンダブロック11には、フロント側弁・ポート形成体15を介してフロントハウジング13が接合されている。また、リヤ側(図1では右側)のシリンダブロック12には、リヤ側弁・ポート形成体16を介してリヤハウジング14が接合されている。そして、ハウジングHは、フロントハウジング13とリヤハウジング14との間に一対のシリンダブロック11,12が介在して形成されている。
シリンダブロック11,12に貫通形成された軸孔11a,12aには回転軸22が挿通されるとともに、この回転軸22は、軸孔11a,12aの内周面に形成されたシール周面によって回転可能に支持されている。また、回転軸22は、フロント側弁・ポート形成体15及びリヤ側弁・ポート形成体16の中央に形成された挿通孔15d,16dを貫通するように挿通されている。フロント側弁・ポート形成体15からの回転軸22の突出端において、フロントハウジング13の内周面と、この内周面と対向する回転軸22の周面との間は、リップシール型の軸封装置23により気密にシールされている。軸封装置23は、フロントハウジング13の内周面と、回転軸22の周面との間に区画された収容室13c内に収容されている。
また、回転軸22には、この回転軸22と一体回転する斜板24が固着されている。斜板24は、シリンダブロック11,12の内側に位置し、かつシリンダブロック11,12の間に区画形成された斜板室25内に納められている。フロント側のシリンダブロック11の端面と斜板24の円環状の基部24aとの間には、スラストベアリング26が介在されている。リヤ側のシリンダブロック12の端面と斜板24の基部24aとの間には、スラストベアリング27が介在されている。スラストベアリング26,27は、斜板24を挟んで同斜板24の回転軸22の中心軸L方向に沿った移動を規制するとともに、スラストベアリング26,27はそれぞれシリンダブロック11,12における軸孔11a,12aの開口端面に押し付けられている。
図4に示すように、フロント側のシリンダブロック11には3つのフロント側シリンダボア28が回転軸22を取り囲むように回転軸22の周囲に配列されている。また、図1に示すように、リヤ側のシリンダブロック12には3つのリヤ側シリンダボア29が回転軸22を取り囲むように回転軸22の周囲に配列されている。フロント側シリンダボア28とリヤ側シリンダボア29は中心軸Lの延びる軸方向(前後方向)で対をなすとともに、両シリンダボア28,29には、ピストンとしての両頭ピストン30が挿通されている。そして、フロント側シリンダボア28は、フロント側弁・ポート形成体15と両頭ピストン30によって閉塞されるとともに、リヤ側シリンダボア29はリヤ側弁・ポート形成体16と両頭ピストン30とによって閉塞されている。
回転軸22と一体回転する斜板24の回転運動は、斜板24を挟んで設けられた一対のシュー31を介して両頭ピストン30に伝えられ、両頭ピストン30がフロント側シリンダボア28及びリヤ側シリンダボア29内を前後に往復動する。そして、フロント側シリンダボア28内には、両頭ピストン30とフロント側弁・ポート形成体15とによってフロント側圧縮室28aが区画されるとともに、リヤ側シリンダボア29内には、両頭ピストン30とリヤ側弁・ポート形成体16とによってリヤ側圧縮室29aが区画される。
フロントハウジング13及びシリンダブロック11には、3つのフロント側吸入室17が回転軸22を取り囲むとともに、フロント側弁・ポート形成体15を貫通して形成されている。図4に示すように、3つのフロント側吸入室17は、軸孔11aの周りで周方向に隣り合うフロント側シリンダボア28の狭間に1つずつ配置されている。そして、3つのフロント側吸入室17は、軸孔11aの外周側に等間隔おきに配置されている。
なお、図1及び図2に示すように、3つのフロント側吸入室17のうち、1つのフロント側吸入室17は、その他の2つのフロント側吸入室17よりも、回転軸22の軸方向に沿った長さが長くなっており、容積が大きくなっている。また、図3に示すように、フロントハウジング13において、3つのフロント側吸入室17それぞれは、収容室13cに連通しており、収容室13cを中心として3つのフロント側吸入室17が互いに連通し、一繋ぎの空間になっている。
図1及び図3に示すように、フロントハウジング13とフロント側弁・ポート形成体15との間には、フロント側吐出室28bが回転軸22を取り囲むように区画されている。フロント側吐出室28bは、3つのフロント側圧縮室28aからの冷媒が吐出される空間であり、フロントハウジング13の外周側に環状に区画されている。
このフロント側吐出室28bにおいて、フロント側弁・ポート形成体15を介した各フロント側圧縮室28aと対向する部位が開口している。そして、フロント側吐出室28bにおいて、各フロント側圧縮室28aと対向する空間同士が通路で連通し、一繋がりの空間になっている。
図3及び図4に示すように、シリンダブロック11には、フロント側吐出室28bに連通するフロント側吐出室40が3箇所に形成されている。このフロント側吐出室40は、フロント側弁・ポート形成体15を貫通してフロント側のシリンダブロック11まで延設されている。3箇所に形成されたフロント側吐出室40は、回転軸22の周囲に配列されるとともに、軸孔11aの周方向に隣り合うフロント側シリンダボア28の狭間に1つずつ形成されている。また、各フロント側吐出室40は、シリンダブロック11の径方向において、フロント側吸入室17の外側に形成されている。
図1及び図3に示すように、フロント側弁・ポート形成体15には、各フロント側シリンダボア28と対応する位置に吐出ポート15aが形成されるとともに、この吐出ポート15aと対応する位置に吐出弁15bが形成されている。さらに、フロント側弁・ポート形成体15には、吐出弁15bの開度を規制するリテーナ15cが形成されている。
次に、リヤ側の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、リヤハウジング14及びシリンダブロック12には、3つのリヤ側吸入室18が回転軸22(軸孔12a)の周囲に配列されるとともに、リヤ側弁・ポート形成体16を貫通して形成されている。フロント側と同様に、3つのリヤ側吸入室18は、軸孔12aの周方向に隣り合うリヤ側シリンダボア29の狭間に1つずつ配置されている。なお、3つのリヤ側吸入室18のうち、1つのリヤ側吸入室18は、その他の2つのリヤ側吸入室18よりも、回転軸22の軸方向に沿った長さが長くなっており、容積が大きくなっている。
また、リヤハウジング14の中央と、リヤ側弁・ポート形成体16との間には、リヤハウジング側吸入室19が区画されている。このリヤハウジング側吸入室19には、3つのリヤ側吸入室18が連通しており、このリヤハウジング側吸入室19を中心として3つのリヤ側吸入室18が一繋ぎになっている。そして、フロント側吸入室17とリヤ側吸入室18とは、中心軸Lの延びる前後方向で1つずつが対をなすように配置されている。また、シリンダブロック11,12内には斜板24を挟んでフロント側吸入室17とリヤ側吸入室18が形成されている。
リヤハウジング14とリヤ側弁・ポート形成体16との間には、リヤ側吐出室29bが回転軸22を取り囲むように環状に区画されている。リヤ側吐出室29bは、3つのリヤ側圧縮室29aからの冷媒が吐出される空間であり、リヤハウジング側吸入室19の外周側に区画されている。このリヤ側吐出室29bにおいて、リヤ側弁・ポート形成体16を介した各リヤ側シリンダボア29と対向する部位は、リヤ側圧縮室29aの円形と同じ大きさで開口している。また、リヤ側吐出室29bにおいて、各リヤ側シリンダボア29と対向する空間同士が通路で連通し、一繋がりの空間になっている。
シリンダブロック12には、リヤ側吐出室29bに連通するリヤ側吐出室42が3箇所に一体形成されている。このリヤ側吐出室42は、リヤハウジング14からリヤ側弁・ポート形成体16を貫通してリヤ側のシリンダブロック12まで延設されている。3箇所に形成されたリヤ側吐出室42は、軸孔12aの周囲に配列されるとともに、軸孔12aの周方向に隣り合うリヤ側シリンダボア29の狭間に1つずつ形成されている。また、各リヤ側吐出室42は、シリンダブロック12の径方向において、リヤ側吸入室18の外側に形成されている。さらに、フロント側吐出室28bとリヤ側吐出室29bとは、中心軸Lの延びる前後方向で1つずつが対をなすように配置されている。
図1に示すように、リヤ側弁・ポート形成体16には、各リヤ側吐出室29bと対応する位置に吐出ポート16aが形成されるとともに、この吐出ポート16aと対応する位置に吐出弁16bが形成されている。さらに、リヤ側弁・ポート形成体16には、吐出弁16bの開度を規制するリテーナ16cが形成されている。
シリンダブロック11,12には、吸入通路43が形成されるとともに、この吸入通路43は、そのフロント側の開口が3つのフロント側吸入室17のうち最も容積の大きいフロント側吸入室17に連通し、リヤ側の開口が3つのリヤ側吸入室18のうち最も容積の大きいリヤ側吸入室18に連通している。さらに、フロント側のシリンダブロック11には、吸入口44が形成されている。この吸入口44は一端がシリンダブロック11の外周面に開口するとともに、他端が吸入通路43の内周面に開口している。そして、吸入口44の一端開口には、圧縮機10の外部に配設される外部冷媒回路の外部配管32が接続されている。また、吸入通路43は、シリンダブロック11,12内に形成され、斜板室25から隔離されている。
なお、吸入通路43は、フロント側とリヤ側とで最も容積の大きい吸入室17,18同士を連通するように形成されている。このため、吸入通路43は、それら両吸入室17,18の外周側に位置するフロント側吐出室40及びリヤ側吐出室42によって軸方向に挟まれた位置に形成されている。
また、図2に示すように、シリンダブロック11,12には、吐出通路45が形成されるとともに、この吐出通路45は、そのフロント側の開口が3つのフロント側吐出室40のうちの1つに連通し、リヤ側の開口が3つのリヤ側吐出室42のうちの1つに連通している。さらに、シリンダブロック11には、吐出口46が形成されている。この吐出口46は、一端がシリンダブロック11の外面に開口するとともに、他端が吐出通路45の内周面に開口している。そして、吐出口46には、圧縮機10の外部に配設される外部冷媒回路の外部配管33が接続されている。
なお、図3に示すように、吐出通路45は、シリンダブロック11,12において、上記吸入通路43が形成された位置から、シリンダブロック11,12の周方向へずれた位置に形成されている。具体的には、吸入通路43を軸方向に挟むフロント側吐出室40及びリヤ側吐出室42に対し、周方向にずれたフロント側吐出室40及びリヤ側吐出室42によって軸方向に挟まれた位置に吐出通路45が形成されている。
圧縮機10を用いて車両空調用の冷凍サイクルを構成する場合、外部冷媒回路は、外部配管32,33を介して圧縮機10の吐出口46と吸入口44とを接続する。そして、外部冷媒回路は、コンデンサ(凝縮器)と、エキスパンションバルブ(膨張弁)と、エバポレータ(蒸発器)とを有し、これらが外部冷媒回路上において圧縮機10の吐出口46から順に配置される。
次に、圧縮機10における吸入構造について説明する。
まず、フロント側の吸入構造について説明する。図4に示すように、シリンダブロック11には、各フロント側吸入室17と軸孔11aとを連通させる吸入室用連通路50aがそれぞれ形成されている。この吸入室用連通路50aの一端は、フロント側吸入室17に開口するとともに、他端は、軸孔11aのシール周面上に開口している。また、吸入室用連通路50aは、シリンダブロック11の径方向に沿ってやや傾きながら延びており、シリンダブロック11内に形成されている。
シリンダブロック11には、軸孔11aと各フロント側シリンダボア28とを連通させるフロント側ボア用連通路50bがそれぞれ形成されている。このフロント側ボア用連通路50bは、一端は、軸孔11aのシール周面上に開口するとともに、他端は、フロント側シリンダボア28に開口している。そして、吸入室用連通路50aとフロント側ボア用連通路50bは、軸孔11aの周方向に交互に配置されている。
図1及び図4に示すように、回転軸22のフロント側の周面には、導入溝22aが形成されている。この導入溝22aは、中実軸とされた回転軸22のフロントハウジング13側の周面に凹設されている。導入溝22aは、軸孔11aのシール周面に向けて開口しており、吸入室用連通路50a及びフロント側ボア用連通路50bに対し個別に連通可能になっている。そして、回転軸22の回転に伴って導入溝22aの位置が変更されることにより、導入溝22aが連通する吸入室用連通路50a及びフロント側ボア用連通路50bが機械的に切り換えられるようになっている。
よって、シール周面によって包囲される回転軸22の部分は、回転軸22に一体形成されたフロント側ロータリバルブRFとなっている。なお、導入溝22aは、1つの吸入室用連通路50aと、軸孔11aの周方向で隣に位置する1つのフロント側ボア用連通路50bとを互いに連通させるようになっている。そして、回転軸22の回転により、導入溝22aを介して吸入室用連通路50aとフロント側ボア用連通路50bとが個別に連通することにより、フロント側吸入室17から隣りのフロント側シリンダボア28へ冷媒が吸入されるようになっている。よって、本実施形態では、導入溝22aがフロント側シリンダボア28とフロント側吸入室17とをフロント側ロータリバルブRFで連通させる供給通路となっている。
次に、リヤ側の吸入構造について説明する。
図1及び図2に示すように、シリンダブロック12には、各リヤ側シリンダボア29と軸孔12aとを連通させるリヤ側導入通路51がそれぞれ形成されている。このリヤ側導入通路51の一端は、各リヤ側シリンダボア29に開口するとともに、他端は、軸孔12aのシール周面上に開口している。また、回転軸22のリヤ側の周面には、供給路22bが形成されている。この供給路22bの一端は、リヤハウジング14内のリヤハウジング側吸入室19に開口している。また、供給路22bの他端側には、リヤ側導入通路51の他端が連通可能になっている。そして、回転軸22の回転に伴って供給路22bの位置が変更されることにより、供給路22bが連通するリヤ側導入通路51が機械的に切り換えられるようになっている。よって、シール周面によって包囲される回転軸22の部分は、回転軸22に一体形成されたリヤ側ロータリバルブRRとなっている。
次に、上記構成の圧縮機10の作用について説明する。
さて、吸入口44を介して吸入通路43に冷媒が吸入され、各フロント側吸入室17及び各リヤ側吸入室18に冷媒が供給されている。そして、フロント側シリンダボア28が吸入行程に移行すると、図4に示すように、フロント側ロータリバルブRFの導入溝22aを介して、1つの吸入室用連通路50aと、その吸入室用連通路50aの隣りのフロント側ボア用連通路50bとが連通する。すると、フロント側吸入室17からフロント側ロータリバルブRFを経由してフロント側シリンダボア28に冷媒が吸入される。
そして、回転軸22の回転に伴い、導入溝22aが吸入室用連通路50aと非連通となり、吸入室用連通路50aとフロント側ボア用連通路50bとの連通が解除されるとともに、フロント側シリンダボア28が遮断されると、フロント側シリンダボア28が圧縮行程及び吐出行程に移行する。すると、フロント側圧縮室28a内の冷媒が吐出ポート15aから吐出弁15bを押し退けてフロント側吐出室28bへ吐出される。そして、フロント側吐出室28bへ吐出された冷媒は、フロント側吐出室40から吐出通路45及び吐出口46を通って外部冷媒回路へ流出する。
一方、リヤ側においては、リヤハウジング側吸入室19に冷媒が供給された状態において、リヤ側シリンダボア29が吸入行程に移行すると、リヤ側ロータリバルブRRにおいてリヤハウジング側吸入室19と連通した供給路22bが、1つ又は2つのリヤ側導入通路51と連通する。すると、そのリヤ側導入通路51には、リヤハウジング側吸入室19からリヤ側ロータリバルブRRを経由して冷媒が供給され、そのリヤ側導入通路51に連通するリヤ側シリンダボア29に冷媒が吸入される。
そして、回転軸22の回転に伴い、供給路22bがリヤ側導入通路51と非連通となり、リヤ側導入通路51とリヤハウジング側吸入室19との連通が解除されるとともに、リヤ側シリンダボア29が遮断されると、リヤ側シリンダボア29が圧縮行程及び吐出行程に移行する。すると、リヤ側圧縮室29a内の冷媒が吐出ポート16aから吐出弁16bを押し退けてリヤ側吐出室29bへ吐出される。そして、リヤ側吐出室29bへ吐出された冷媒は、リヤ側吐出室42から吐出通路45及び吐出口46を通って外部冷媒回路へ流出する。
したがって、本実施形態によれば、以下のような利点を得ることができる。
(1)両頭ピストン型斜板式圧縮機10において、シリンダブロック11における軸孔11aの周囲に、フロント側シリンダボア28が3つ形成されるとともに、隣り合うフロント側シリンダボア28の狭間にフロント側吸入室17を1つずつ配置した。すなわち、軸孔11aの周囲にフロント側シリンダボア28とフロント側吸入室17を交互に配置した。また、各フロント側吸入室17と軸孔11aを連通させる吸入室用連通路50a、及びフロント側シリンダボア28と軸孔11aを連通させるフロント側ボア用連通路50bをシリンダブロック11に形成するとともに、吸入室用連通路50a及びフロント側ボア用連通路50bを軸孔11aの周方向に交互に配置した。そして、各フロント側吸入室17の冷媒は、シリンダブロック11内の吸入室用連通路50aを介して直接導入溝22aに導入された後、フロント側ボア用連通路50bを介してフロント側シリンダボア28に吸入される。したがって、周方向に隣り合うフロント側シリンダボア28とフロント側吸入室17をフロント側ロータリバルブRFで連通させるには、導入溝22aをロータリバルブRFの周方向の一部に延びる形状に形成するだけでよい。よって、フロント側ロータリバルブRFの形状を単純化できるので、フロント側ロータリバルブRFの軸方向への長さを短くすることができる。その結果として、シリンダブロック11内にフロント側吸入室17を備える圧縮機10の吸入方式にフロント側ロータリバルブRFを採用しても、圧縮機10の体格が軸方向や径方向へ大型化しにくい。そして、吸入方式として、吸入弁ではなく、ロータリバルブを採用し、フロント側シリンダボア28とフロント側吸入室17とを機械的に連通させるようにしたため、吸入弁と比較して吸入効率の悪化も防ぐことができる。加えて、シリンダブロック11には、フロント側吸入室17が3つ形成されているため、吸入室の容積を十分に確保することができ、脈動を抑えることができる。
(2)軸孔11aの周方向に隣り合うフロント側シリンダボア28の狭間にフロント側吸入室17を1つずつ形成した。また、シリンダブロック11に各フロント側吸入室17と、フロント側ロータリバルブRFの導入溝22aとを連通させる吸入室用連通路50aを形成した。そして、各フロント側吸入室17の冷媒を、吸入室用連通路50aを介して導入溝22aに直接導入することができる。したがって、冷媒をフロントハウジング13の吸入圧領域に一旦導入する必要がないため、回転軸22にフロントハウジング13からシリンダブロック11まで延びる導入溝22aを形成する必要がなくなる。よって、回転軸22は、導入溝22aの軸方向前後で軸孔11a(シール周面)に支持され、回転軸22の軸受面積を確保し、耐摩耗性を向上させることができる。
(3)フロント側吸入室17と同様に、回転軸22を取り囲むように隣り合うリヤ側シリンダボア29の狭間にリヤ側吸入室18を1つずつ形成した。このため、フロント側及びリヤ側で吸入室17,18がシリンダブロック11,12の径方向に設けられることになり、圧縮機10の軸方向への体格の大型化を抑えることができる。
(4)フロントハウジング13にはフロント側吐出室28bが、リヤハウジング14にはリヤ側吐出室29bがそれぞれ形成されるとともに、フロント側吐出室28bには3つのフロント側吐出室40が連通し、リヤ側吐出室29bには3つのリヤ側吐出室42が連通している。そして、各吐出室40,42は隣り合うシリンダボア28,29の狭間に1つずつ配置されている。このため、シリンダブロック11,12内において、各吐出室40,42の容量を大きく確保し、脈動をより低減することができる。
(5)各吐出室40,42は、シリンダブロック11,12の径方向において各吸入室17,18の外側に配置されている。このため、各吐出室40,42に吐出された高温の冷媒により、シリンダブロック11,12が熱膨張しても、熱膨張箇所がシリンダブロック11,12の径方向に均等に分布される。その結果、各シリンダボア28,29の熱変形によって両頭ピストン30が受ける影響を少なくすることができる。
(6)各吐出室40,42は、各シリンダボア28,29の狭間に1つずつ配置されている。このため、各吐出室40,42に吐出された高温の冷媒により、シリンダブロック11,12が熱膨張しても、熱膨張箇所がシリンダブロック11,12の周方向に均等に分布される。その結果、各シリンダボア28,29の熱変形によって両頭ピストン30が受ける影響を少なくすることができる。
(7)シリンダブロック11に吸入口44が形成されるとともに、シリンダブロック11,12にフロント側吸入室17及びリヤ側吸入室18に連通する吸入通路43が形成されている。このため、各吸入室17,18に冷媒を吸入する際、冷媒が斜板室25を経由することがない。よって、各吸入室17,18に吸入される冷媒が、斜板室25に流入した高温のブローバイガスや摺動摩擦により熱を帯びた回転軸22によって加熱されることを防止することができる。
(8)フロント側吸入室17とリヤ側吸入室18とは軸方向に対をなし、フロント側吐出室40とリヤ側吐出室42とも軸方向に対をなす。また、フロント側シリンダボア28への吸入方式としてフロント側ロータリバルブRFを採用し、リヤ側シリンダボア29への吸入方式としてリヤ側ロータリバルブRRを採用した。このため、フロント側とリヤ側とでは、吸入構造が同じであるため、フロント側とリヤ側とでの吸入構造の違いを原因とした振動、異音発生を抑えることができる。
(9)軸孔11aを取り囲むように周方向に隣り合うフロント側シリンダボア28の狭間にフロント側吸入室17を1つずつ形成した。また、シリンダブロック11に各フロント側吸入室17と、フロント側ロータリバルブRFの導入溝22aとを連通させる吸入室用連通路50a、及び導入溝22aとフロント側シリンダボア28とを連通させるフロント側ボア用連通路50bを形成した。そして、各フロント側吸入室17の冷媒を、吸入室用連通路50a、導入溝22a、及びフロント側ボア用連通路50bを介してフロント側シリンダボア28に吸入させることができ、シリンダブロック11内でフロント側吸入室17からフロント側シリンダボア28への冷媒吸入を完結させることができる。したがって、フロントハウジング13内や斜板室25内まで延ばした溝を介してフロント側シリンダボア28に吸入させる場合と比べると、冷媒と導入溝22aとの接触領域を短くすることができる。その結果として、冷媒と導入溝22aとの接触領域が長くなることに伴う吸入過熱の増加を低減して、吸入効率の悪化を防止することができる。
(10)回転軸22は、軸孔11a,12a等との摺動摩擦によって熱を持つが、吸入口44からフロント側吸入室17、さらにはフロント側シリンダボア28までの冷媒の吸入経路において、冷媒は導入溝22aを通過する際に、フロント側ロータリバルブRFを介して回転軸22と熱交換される。しかし、導入溝22aは、軸方向への長さが短くされているため、フロント側ロータリバルブRFでの冷媒の加熱が極力抑えられ、吸入効率が高くなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図5〜図7にしたがって説明する。また、第1の実施形態と同一構成については同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
図5及び図7(a)に示すように、シリンダブロック11におけるフロントハウジング13側の表面たる第1端面11bであり、軸孔11aの外方となる位置には、第1凹部60が各フロント側吸入室17に対応して形成されている。第1凹部60は、シリンダブロック11において、各フロント側吸入室17の内壁から径方向に延びるように形成されている。第1凹部60の一端は、シリンダブロック11の軸方向における表面である第1端面11bに開口し、かつ各フロント側吸入室17の開口と繋がっている。第1凹部60の他端は、フロント側吸入室17の軸方向長さの途中に位置し、シリンダブロック11を軸方向に貫通していない。また、第1凹部60は、第1端面11bから第2端面11cに向けて凹設されている。
図5及び図7(b)に示すように、シリンダブロック11の軸方向における斜板室25側の表面たる第2端面11cには、第2凹部61が各フロント側吸入室17に対応して形成されている。第2凹部61は、シリンダブロック11において、軸孔11aの内壁から径方向に延びるように形成されている。第2凹部61の一端は、シリンダブロック11の第2端面11cに開口し、かつ軸孔11aの開口と繋がっている。第2凹部61の他端は、軸孔11aの軸方向長さの途中に位置し、シリンダブロック11を軸方向に貫通していない。また、第2凹部61は、第2端面11cから第1端面11bに向けて凹設されている。なお、第2凹部61における第2端面11c側(斜板室25側)の開口は、スラストベアリング26によって閉塞されている。
そして、シリンダブロック11においては、第1凹部60と第2凹部61が繋がり、連通することにより、吸入室用連通路62が形成されている。吸入室用連通路62の一端は、第1凹部60におけるフロント側吸入室17側の開口によって形成され、吸入室用連通路62の他端は、第2凹部61における軸孔11a側の開口によって形成されている。そして、この吸入室用連通路62により、フロント側吸入室17と導入溝22aとが連通可能になっている。なお、吸入室用連通路62において、斜板室25側の開口端は、スラストベアリング26によって閉塞され、吸入室用連通路62と斜板室25の間がシールされている。第1凹部60及び第2凹部61は、シリンダブロック11を鋳造によって製作する際にフロント側吸入室17と合わせて形成される。
図6は、フロント側ロータリバルブRFを周方向に展開した図であり、実線で示す外形線によってフロント側ロータリバルブRFの周面、及びフロント側ロータリバルブRFが挿通支持される軸孔11aを示す。これらの外形線の中に導入溝22aが図示されている。また、図6の2点鎖線により、軸孔11aに開口し、かつ各フロント側シリンダボア28に連通するフロント側ボア用連通路50bを示すとともに、軸孔11aに開口し、かつ各フロント側吸入室17に連通する吸入室用連通路62(第1凹部60及び第2凹部61が重なった領域)を示す。
図6に示すように、軸孔11aの周方向に沿って、フロント側ボア用連通路50bと吸入室用連通路62が交互に配置されている。そして、導入溝22aによって吸入室用連通路62とフロント側ボア用連通路50bを連通させるには、導入溝22aは、回転軸22の周方向の一部に延びるように形成されていればよい。
したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の(1)〜(10)と同様の利点に加えて以下の利点を得ることができる。
(11)吸入室用連通路62は軸方向に長い長方形状となっているため、軸孔11aには、吸入室用連通路62とフロント側ボア用連通路50bが、シール性を確保できる程度に離れながら周方向に交互に並んでいる。このため、周方向に隣り合うフロント側シリンダボア28とフロント側吸入室17をフロント側ロータリバルブRFで連通させるには、周方向に隣り合うフロント側ボア用連通路50bと吸入室用連通路62を導入溝22aで連通させるだけでよい。よって、フロント側ロータリバルブRFには、導入溝22aをフロント側ロータリバルブRFの周方向の一部に延びる形状に形成するだけでよい。よって、回転軸22に形成するフロント側ロータリバルブRFの形状を単純化でき、軸方向への長さを短くすることができる。その結果として、シリンダブロック11内にフロント側吸入室17を備える圧縮機10の吸入方式にフロント側ロータリバルブRFを採用しても、軸方向へ体格が大型化することがない。
(12)吸入室用連通路62は、シリンダブロック11を鋳造する際に、フロント側吸入室17とともに一括して形成される。したがって、シリンダブロック11を鋳造した後に、吸入室用連通路62をドリル等で切削加工して設ける場合と比べると、シリンダブロック11の製作の手間が省ける。
(13)吸入室用連通路62は、第1端面11bから延びる第1凹部60と、第2端面11cから延びる第2凹部61を繋げて形成される。これにより、第2凹部61だけで吸入室用連通路を形成する場合に比べて、第2凹部61の開口面積を抑えることができ、第2凹部61の開口を比較的小型なスラストベアリング26によって閉塞可能となる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
実施形態では、吸入室用連通路62をシリンダブロック11の第1端面11bから延びる第1凹部60と、第2端面11cから延びる第2凹部61を繋げて形成したが、これに限らない。図8に示すように、スラストベアリング26の外径が十分に大きいならば、シリンダブロック11の第2端面11cから延びる第2凹部66だけで吸入室用連通路を形成してもよい。この第2凹部66は、フロント側吸入室17と導入溝22aを直接連通可能にする。
フロント側シリンダボア28に対する冷媒ガスの吸入経路として、フロント側ロータリバルブRFによる吸入室用連通路62からフロント側ボア用連通路50bを介した経路に加え、図9に示すように、リヤハウジング側吸入室19に連通する軸内通路65を経由した経路を設けてもよい。この場合、リヤハウジング側吸入室19から軸内通路65を経由するのみによって、フロント側シリンダボア28に冷媒が吸入される構成に比べて、フロント側吸入室17から吸入室用連通路62を経由してもフロント側シリンダボア28に冷媒が吸入されるため、軸内通路65の径を小型化できる。よって、回転軸22やロータリバルブRFは径方向に小型化でき、圧縮機10全体の体格も小型化できる。
実施形態では、フロント側、及びリヤ側の吸入方式としてロータリバルブを採用したが、リヤ側はロータリバルブでなく吸入弁による吸入方式としてもよい。
実施形態では、リヤ側において、リヤ側吸入室18の冷媒をリヤハウジング側吸入室19に集め、リヤハウジング側吸入室19からリヤ側ロータリバルブRRを介してリヤ側シリンダボア29に吸入したが、これに限らない。リヤ側も各リヤ側吸入室18と軸孔12aとを導入溝を介して個別に連通路で連通するとともに、軸孔12aとリヤ側シリンダボア29とを導入通路で個別に連通し、連通路、リヤ側ロータリバルブRRの導入溝、導入通路を経由してリヤ側吸入室18からリヤ側シリンダボア29に冷媒を吸入させてもよい。
実施形態では、吸入口44を、フロント側のシリンダブロック11に形成したが、例えば、吸入口44を、リヤ側のシリンダブロック12などハウジングH内における他の部位に形成してもよい。
実施形態では、吸入口44を通過した冷媒を、シリンダブロック11,12に形成された吸入通路43を介してフロント側吸入室17及びリヤ側吸入室18に供給したが、吸入口44を通過した冷媒を、斜板室25経由でフロント側吸入室17及びリヤ側吸入室18に供給してもよい。
実施形態では、3箇所のフロント側吐出室40を隣り合うフロント側シリンダボア28の狭間に1つずつ配置したが、フロント側吐出室40は1箇所又は2箇所に纏めて形成されていてもよい。この場合、図10に示すように、回転軸22の回転角度にかかわらず、吸入室用連通路62が常に導入溝22aと連通するように、導入溝22aの一部は回転軸22のフロント側の周面を一周する環状に形成される。
3箇所のリヤ側吐出室42を隣り合うリヤ側シリンダボア29の間に1つずつ配置したが、リヤ側吐出室42は1箇所又は2箇所に纏めて形成されていてもよい。
実施形態では、3つのリヤ側吸入室18を形成するとともに、リヤ側吸入室18を隣り合うリヤ側シリンダボア29の狭間に1つずつ配置したが、これに限らない。リヤ側の吸入空間をリヤハウジング側吸入室19のみとしてもよく、また、リヤ側吸入室18を1箇所又は2箇所に纏めて形成してもよい。
実施形態では、吸入通路43に連通するフロント側吸入室17を、その他の2つのフロント側吸入室17より容積を大きくしたが、その他の2つのフロント側吸入室17の容積を、吸入通路43に連通するフロント側吸入室17の容積より大きくしてもよい。このように構成した場合、吸入通路43に連通するフロント側吸入室17は、吸入通路43から冷媒が直接供給されるため、フロント側シリンダボア28への冷媒の供給がスムーズに行くため、容積は小さくてもよい。一方、その他の2つのフロント側吸入室17は、一旦、収容室13cに供給された冷媒がフロント側シリンダボア28に供給されるため、フロント側シリンダボア28への冷媒の供給をスムーズに行うために、容積を大きく確保して、冷媒が多く供給されるのがよい。
3つのフロント側吸入室17を同じ容積としてもよい。
実施形態では、フロント側吸入室17及びフロント側吐出室40はフロントハウジング13とシリンダブロック11との両方に跨って形成されているが、シリンダブロック11のみに形成されていてもよい。
実施形態では、リヤ側吸入室18及びリヤ側吐出室42はリヤハウジング14とシリンダブロック12との両方に跨って形成されているが、シリンダブロック12のみに形成されていてもよい。
実施形態では、斜板式圧縮機を両頭ピストン型斜板式圧縮機に具体化したが、斜板24に係留され両頭ピストン30を片頭ピストンとして、斜板式圧縮機を片頭ピストン型斜板式圧縮機に変更してもよい。
RF…ロータリバルブとしてのフロント側ロータリバルブ、10…両頭ピストン型斜板式圧縮機、11,12…シリンダブロック、11a,12a…軸孔、17…フロント側吸入室、18…リヤ側吸入室、22…回転軸、22a…導入溝、24…斜板、25…斜板室、26,27…スラストベアリング、28…シリンダボアとしてのフロント側シリンダボア、28b…吐出室としてのフロント側吐出室、29…シリンダボアとしてのリヤ側シリンダボア、29b…吐出室としてのリヤ側吐出室、30…両頭ピストン、32,33…外部配管、40…吐出室としてのフロント側吐出室、42…吐出室としてのリヤ側吐出室、43…吸入通路、44…吸入口、50a…吸入室用連通路、50b…フロント側ボア用連通路、60…第1凹部、61,66…第2凹部、62…吸入室用連通路。

Claims (8)

  1. 軸孔と複数のシリンダボアと斜板室と吸入室とを有するシリンダブロックであって、前記軸孔は前記シリンダブロックを貫通するように延びており、前記複数のシリンダボアは前記軸孔の周りで周方向に沿って並んでおり、前記吸入室は隣り合うシリンダボアの狭間に前記斜板室から隔離して設けられる、前記シリンダブロックと、
    前記斜板室に納められる斜板と、
    該斜板に係留されるとともに前記複数のシリンダボアにそれぞれ挿通される複数のピストンと、
    前記軸孔に挿通されるとともに前記斜板と一体回転する回転軸と、
    該回転軸と一体回転するように同回転軸に設けられるロータリバルブと、を備え、
    前記シリンダブロックは、前記吸入室と前記軸孔とを連通させる吸入室用連通路と、前記複数のシリンダボアをそれぞれ個別に前記軸孔と連通させる複数のボア用連通路とを有しており、
    前記ロータリバルブは前記回転軸と一体回転することにより前記吸入室用連通路を前記複数のボア用連通路に順次連通させる、斜板式圧縮機。
  2. 前記吸入室は、隣り合うシリンダボアの狭間にそれぞれ位置する複数の吸入室を含み、
    前記吸入室用連通路は、前記複数の吸入室をそれぞれ個別に前記軸孔と連通させる複数の吸入室用連通路を含む、請求項1に記載の斜板式圧縮機。
  3. 前記シリンダブロックは、隣り合うシリンダボアの狭間にそれぞれ位置する複数の吐出室を有する、請求項2に記載の斜板式圧縮機。
  4. 前記複数の吐出室は、前記シリンダブロックの径方向において、前記吸入室の外側に配置されている請求項3に記載の斜板式圧縮機。
  5. 前記シリンダブロックは、外部配管が接続される吸入口と、該吸入口と前記吸入室とを連通する吸入通路とを有し、
    前記吸入通路は前記斜板室から隔離して設けられる、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の斜板式圧縮機。
  6. 前記吸入室用連通路は、前記軸孔の内壁に形成された凹部によって構成され、同凹部は前記斜板室に連通する開口端を有し、
    前記斜板と前記凹部の開口端との間にはスラストベアリングが配置され、
    前記スラストベアリングは前記凹部の開口端を閉塞する、請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の斜板式圧縮機。
  7. 前記吸入室用連通路は、前記吸入室の内壁に形成されるとともに前記シリンダブロックの軸方向における端面に開口する開口端を有する第1凹部と、前記軸孔の内壁に形成されるとともに前記斜板室に連通する開口端を有する第2凹部とによって構成され、
    前記斜板と前記第2凹部の開口端との間にはスラストベアリングが配置され、
    前記スラストベアリングは前記第2凹部の開口端を閉塞する、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の斜板式圧縮機。
  8. 前記複数のシリンダボアは3つのシリンダボアである、請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の斜板式圧縮機。
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