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JP5574801B2 - インプリント装置及び物品の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、インプリント装置及び物品の製造方法に関する。
近年、微細なパターンの形成を可能にするインプリント技術は、様々なデバイス(ICやLSIなどの半導体デバイス、液晶デバイス、CCDなどの撮像デバイス、磁気ヘッドなど)を製造するための技術として注目されている。インプリント技術は、シリコンウエハやガラスプレートなどの基板上の樹脂に微細なパターンが形成された原版(モールド)を押し付けた状態で、樹脂を硬化させて基板上に微細なパターンを転写する。
インプリント技術には、幾つかの樹脂硬化法があり、かかる樹脂硬化法の1つとして光硬化法が知られている。光硬化法では、紫外線硬化型の樹脂に透明なモールドを押し付けた状態で紫外線を照射し、樹脂を感光及び硬化させてからモールドを剥離(離型)する。光硬化法によるインプリント技術は、比較的容易に温度を制御することができることや透明なモールド越しに基板上のアライメントマークを観察することができることなどから、デバイスの製造に適している。
このようなインプリント技術を用いたインプリント装置においては、基板上の樹脂にモールドを押し付ける際に、モールドの姿勢が変化すると、基板に転写されるパターンが目標位置からずれてしまう。そこで、基板上の樹脂にモールドを押し付ける前に、モールドと基板との位置関係を基板上のショット領域ごとに調整する技術が提案されている(特許文献1参照)。
米国特許第6986975号明細書
しかしながら、従来技術では、基板上の樹脂にモールドを押し付けたときの押印力によって、モールドステージにおけるモールドの位置がずれてしまうことがある。特に、モールドとモールドステージのモールドと接触する保持面とが均一に接触していない場合には、基板上の樹脂にモールドを押し付けたときに、モールドステージの保持面におけるモールドの位置が変化する。その結果、基板に転写されるパターンが目標位置からずれ、パターン不良部分を生じることになる。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、モールドのパターンを基板上の目標位置に転写することができる技術を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのインプリント装置は、基板上の樹脂にモールドを押し付けた状態で当該樹脂を硬化させ、硬化した樹脂から前記モールドを剥離することで前記基板上にパターンを転写するインプリント処理を行うインプリント装置であって、前記モールドと接触する保持面を含み、前記保持面で前記モールドを保持する保持部と、前記保持面における前記モールドの位置を計測する計測部と、前記インプリント処理の前に、前記モールドを前記保持面に押し付けて前記保持面における前記モールドの位置を安定化させる少なくとも1回の押し付け動作を含む準備処理を行う処理部と、を有し、前記処理部は、前記準備処理において、前記計測部によって計測される前記押し付け動作を行う前の前記モールドの位置に対する前記押し付け動作を行った後の前記モールドの位置の変化量が第1の閾値を超えている場合には前記押し付け動作を繰り返し行い、前記変化量が前記第1の閾値以下である場合には前記準備処理を終了することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、スループットの低下を抑えながら、モールドのパターンを基板上の目標位置に転写する技術を提供することができる。
本発明の一側面としてのインプリント装置の構成を示す図である。 図1に示すインプリント装置のモールドの周囲の構成を示す概略上面図である。 モールドステージの保持面とモールドとが均一に接触していない場合に、基板に転写されるパターンが目標位置からずれることを説明するための図である。 モールドを変形させた場合に、基板に転写されるパターンが目標位置からずれることを説明するための図である。 樹脂にモールドを押し付けた回数(押印回数)と、モールドステージの保持面におけるモールドの位置の変化量との関係を示す図である。 図1に示すインプリント装置の動作を説明するためのフローチャートである。 基板上に形成されているマークと準備処理において基板上のショット領域に転写されたモールドのパターンとの位置関係を示す図である。 図1に示すインプリント装置のスコープによる基板上に形成されているマークの検出を説明するための図である。 モールドのパターン面に界面活性剤が十分に付着していない場合に、パターン不良部分が生じることを説明するための図である。 界面活性剤を含む樹脂にモールドを押し付けた回数(押印回数)と、そのモールドを硬化した樹脂から剥離する際に要する剥離力との関係を示す図である。 図1に示すインプリント装置の動作を説明するためのフローチャートである。 モールドの側面に力を加えた回数(調整回数)と、モールドステージの保持面におけるモールドの位置の変化量との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としてのインプリント装置100の構成を示す図である。インプリント装置100は、基板上の樹脂にモールドを押し付けた状態で樹脂を硬化させ、硬化した樹脂からモールドを剥離(離型)することで基板上にパターンを転写(形成)するインプリント処理を行う。
インプリント装置100は、基板ステージ102と、モールド106を保持するモールドステージ104と、供給部108と、駆動部110と、光源112と、検出部114と、調整部116と、計測部118と、スコープ120と、制御部122とを有する。
基板ステージ102は、基板チャックを介して、シリコンウエハやガラスプレートなどの基板STを保持し、基板STを駆動して所定の位置に位置決めする。
モールドステージ104は、モールド106と接触する保持面104aを介して、モールド106を保持する保持部として機能する。モールド106は、光源112からの光を透過する材料で構成され、基板STに転写すべきパターン(凹凸パターン)が形成されたパターン面106aを有する。
供給部108は、樹脂RSを液滴として吐出する複数のディスペンサを含み、基板上(パターンを転写すべきショット領域)に樹脂RSを供給(塗布)する。具体的には、供給部108を構成するディスペンサから樹脂RSを吐出しながら基板ステージ102を駆動(スキャン駆動やステップ駆動)することで、基板STの上に樹脂RSを塗布することが可能となる。なお、樹脂RSは、本実施形態では、界面活性剤などの離型剤を含む光硬化型の樹脂である。
駆動部110は、エアシリンダやリニアモータなどで構成されたアクチュエータを含み、モールド106(モールド106を保持したモールドステージ104)を駆動する。駆動部110は、モールド106を下方向に駆動することによって、基板STの上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付ける。また、駆動部110は、モールド106を上方向に駆動することによって、基板STの上の硬化した樹脂RSからモールド106を剥離する。
光源112は、基板STの上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付けた状態において(即ち、モールド106を介して)、樹脂RSに紫外線を照射し、樹脂RSを硬化させる。換言すれば、光源112は、基板STの上に供給された樹脂RSを硬化させる硬化部として機能する。
検出部114は、基板STの上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付けたときの押印力、及び、基板STの上の硬化した樹脂RSからモールド106を剥離する際に要する剥離力を検出する。検出部114は、本実施形態では、モールドステージ104に配置されたロードセルで構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、モールド106を剥離する際に基板ステージ102に供給される電圧を検知する電圧計で検出部114を構成し、かかる電圧計で検知された電圧から剥離力を推定(検出)してもよい。
調整部116は、例えば、モールド106の側面を吸着する吸着部材と、かかる吸着部材を押し付ける又は引っ張るためのアクチュエータとで構成され、モールドステージ104に保持されたモールド106を変形させる機能を有する。調整部116は、基板STの上にモールド106のパターンを転写するインプリント処理を行う際にモールド106の側面に力を加えてモールド106の倍率及びディストーションなどを調整する。
計測部118は、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置を計測する。計測部118は、本実施形態では、図2に示すように、モールド106の周囲に配置された複数の干渉計118aで構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、静電容量センサやエンコーダなどで計測部118を構成してもよい。ここで、図2は、モールド106の周囲の構成を示す概略上面図である。
スコープ120は、基板STに形成されているマークやモールド106に形成されているマークを検出する。また、スコープ120は、基板ステージ102に形成されている基準マークなども検出することが可能である。なお、スコープ120は、後述するように、基板STに形成されているマークだけではなく、基板STの上に転写されたモールド106のパターンも検出する検出光学系としても機能する。
制御部122は、CPUやメモリを含み、インプリント装置100の各処理を行う処理部として機能する(即ち、インプリント装置100を動作させる)。例えば、制御部122は、インプリント装置100の各部を制御して、モールド106をモールドステージ104の保持面104aに押し付けて保持面104aにおけるモールド106の位置を安定化させる少なくとも1回の押し付け動作を含む準備処理を行う。また、制御部122は、インプリント装置100の各部を制御して、樹脂RSに含まれる界面活性剤をモールド106のパターン面106aに付着させる少なくとも1回の付着動作を含む付着処理を行う。更に、制御部122は、インプリント装置100の各部を制御して、準備処理や付着処理の後に、基板STの上にモールド106のパターンを転写するインプリント処理を行う。
ここで、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置を安定化させること(即ち、準備動作)の必要性について説明する。例えば、図3(a)に示すように、モールドステージ104がモールド106を保持する際に、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触していない場合について考える。この場合、基板STの上の樹脂RSにモールド106を押し付けると、図3(b)に示すように、モールド106を押し付けたときの押印力によって、保持面104aにおけるモールド106の位置(実際の位置)が所定の位置からずれてしまう。従って、基板STに転写されるパターンが目標位置からずれ、パターン不良部分を生じることになる。なお、図3(b)では、モールド106の位置がX軸方向にずれた場合を示しているが、モールド106の位置がY軸方向にずれた場合やX−Y平面において回転した場合も同様に、基板STに転写されるパターンが目標位置からずれることになる。
また、インプリント処理を行う際には、モールド106と基板STとのアライメントにおいて、プロセス等の要因に応じて、調整部116によってモールド106を変形させる(即ち、モールド106の倍率やディストーションを調整する)場合がある。この場合、図4に示すように、モールド106を変形させる前にモールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触していても、モールド106を変形させることで、保持面104aとモールド106とが均一に接触しなくなることがある。従って、上述したように、モールド106を押し付けたときの押印力によって、保持面104aにおけるモールド106の位置(実際の位置)が所定の位置からずれ、基板STに転写されるパターンが目標位置からずれてしまうことになる。なお、図4(a)は、モールド106を変形させる前においてモールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触している状態を示している。また、図4(b)は、図4(b)に示す状態からモールド106の側面に力を加えてモールド106を変形させることで、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触しなくなった状態を示している。図4(a)及び図4(b)では、モールド106の位置がX軸方向にずれた場合を示しているが、モールド106の位置がY軸方向にずれた場合やX−Y平面において回転した場合も同様に、基板STに転写されるパターンが目標位置からずれることになる。
従って、モールド106のパターンを基板上の目標位置に転写するためには、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とを均一に接触させ、モールド106を押し付けたときの押印力に起因するモールド106の位置ずれを防止する必要がある。
そこで、本実施形態では、インプリント処理(通常のプロセス)を行う前に、モールド106をモールドステージ104の保持面104aに押し付けて保持面104aにおけるモールド106の位置を安定化させる押し付け動作を含む準備処理を行う。モールド106をモールドステージ104の保持面104aに押し付ける押し付け動作としては、例えば、基板STの上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付けることが考えられる。
準備処理においては、まず、モールド106がインプリント装置100に搬入されてモールドステージ104の保持面104aで保持されると、保持面104aにおけるモールド106の位置を計測部118で計測する。次いで、基板STの上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付けて樹脂RSを硬化させ、硬化した樹脂RSからモールド106を剥離して、保持面104aにおけるモールド106の位置を計測部118で計測する。そして、モールド106を樹脂RSに押し付ける前(即ち、押し付け動作を行う前)のモールド106の位置に対するモールド106を樹脂RSに押し付けた後(即ち、押し付け動作を行った後)のモールド106の位置の変化量Ciを求める。
図5(a)は、樹脂RSにモールド106を押し付けた回数(押印回数)Nと、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置の変化量Ciとの関係を示す図である。プロットR1に対応する変化量C1は、モールド106を樹脂RSに1回も押し付けていないとき(N=0)のモールド106の位置に対するモールド106を樹脂RSに1回押し付けたとき(N=1)のモールド106の位置の変化量を示している。この場合、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触していないため、変化量C1は、閾値(第1の閾値)TH1よりも大きくなっている。なお、閾値TH1は、基板上の目標位置にパターンを転写するために許容可能な変化量Ciの最大値以下の値(即ち、最大値に対して所定のマージンを含む値)で設定され、実験的又は理論的に導出される値である。
基板STの上に供給された樹脂RSへのモールド106の押し付けを繰り返し(複数回)行うことによって、モールド106はモールドステージ104の保持面104aに徐々に均一に接触していく。従って、プロットR2、R3及びR4に示すように、変化量Ciは、変化量C2、C3及びC4と徐々に小さくなっていく。そして、モールド106がモールドステージ104の保持面104aに均一に接触すると、プロットR5、R6及びR7に示すように、変化量Ciが収束する(変化量C5、C6及びC7の近傍の値となる)。
以下の式1に示すように、変化量Ciが閾値TH1以下になった場合(変化量C4乃至C7)、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触していると考えられる。従って、モールド106を樹脂RSに押し付けたときの押印力に起因するモールド106の位置ずれを低減して(即ち、位置ずれが許容値に収まる)、モールド106のパターンを基板上の目標位置に転写することが可能となる。
Ci ≦ TH1 ・・・(式1)
なお、準備処理において、モールドステージ104の保持面104aにモールド106を押し付ける押し付け動作、即ち、樹脂RSにモールド106を押し付ける動作が規定回数以上になっても、変化量Ciが閾値TH1以下にならない場合も考えられる。図5(b)は、樹脂RSにモールド106を押し付けた回数(押印回数)Nと、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置の変化量Ciとの関係を示す図である。図5(b)を参照するに、プロットR1乃至R7は、モールド106の押印回数Nが規定回数TH2に到達する前に、変化量Ciが閾値TH1以下になっている。一方、プロットR1’乃至R7’は、押印回数Nが規定回数TH2以上になっても変化量Ciが閾値TH1以下になっていない。このような場合、モールドステージ104やモールド106が正常な状態ではない可能性があるため、準備処理を終了してモールドステージ104やモールド106を検査し、かかる検査結果に応じてモールドステージ104やモールド106を交換する必要がある。そして、変化量Ciと閾値TH1との関係、及び、モールド106の押印回数Nと規定回数TH2との関係が以下の式2を満たすことを確認して、インプリント処理を行う。
Ci ≦ TH1、且つ、N ≦ TH2 ・・・(式2)
以下、図6を参照して、インプリント装置100の動作について、特に、インプリント処理の前に行われる準備処理に注目して説明する。なお、図6に示すインプリント装置100の動作は、制御部122がインプリント装置100の各部を統括的に制御することによって実行される。
S602では、インプリント装置100にモールド106を搬入し、かかるモールド106をモールドステージ104(保持面104a)に保持させる。
S604では、インプリント装置100にインプリント処理を行う基板STとは異なる準備処理用の基板を搬入し、かかる準備処理用の基板を基板ステージ102に保持させる。
S606では、モールド106をモールドステージ104の保持面104aに押し付けて保持面104aにおけるモールド106の位置を安定化させる押し付け動作を含む準備処理を行う。具体的には、まず、供給部108によって準備処理用の基板上の複数の領域(ショット領域に相当)のそれぞれに樹脂RSを供給する。次いで、基板ステージ102によって準備動作用の基板を駆動して、準備動作用の基板上のモールド106を押し付けるべき領域(対象領域)をモールド106(のパターン面106a)に対応する位置に配置する。次に、計測部118によってモールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置を計測する。次いで、駆動部110によってモールド106を下方向に駆動して、準備動作用の基板上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付けて、モールドステージ104の保持面104aにモールド106を押し付ける押し付け動作を行う。次に、樹脂RSにモールド106を押し付けた状態において、光源112によって樹脂RSに紫外線を照射して樹脂RSを硬化させる。次いで、駆動部110によってモールド106を上方向に駆動して、準備動作用の基板上の硬化した樹脂RSからモールド106を剥離する。次に、計測部118によってモールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置を計測する。そして、押し付け動作を行う前のモールド106の位置に対する押し付け動作を行った後のモールド106の位置の変化量Ciを求める。このように、準備処理において、準備動作用の基板上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付けることによって、モールドステージ104の保持面104aにモールド106が均一に接触していく。
S608では、S606の準備処理において求めた変化量Ciが閾値以下(即ち、閾値TH1以下)であるかどうかを判定する。変化量Ciが閾値TH1以下である場合には、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触していると考えられるため、S610に移行して、準備処理用の基板をインプリント装置100から搬出し、準備処理を終了する。また、変化量Ciが閾値TH1以下ではない、即ち、閾値TH1よりも大きい場合には、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触していないと考えられるため、S616に移行する。
S612では、インプリント装置100にインプリント処理を行う基板STを搬入し、かかる基板STを基板ステージ102に保持させる。
S614では、S612で搬入した基板STの上にモールド106のパターンを転写するインプリント処理を行って、動作を終了する。なお、具体的なインプリント処理は、準備処理用の基板が基板STに置換されるだけで上述した準備処理と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。但し、モールド106と基板STとの位置関係の調整、即ち、モールド106と基板STとの位置合わせ(アライメント)においては、グローバルアライメントが行われる。換言すれば、本実施形態では、モールド106と基板STとのアライメントを基板上のショット領域ごとには行わない。また、インプリント処理を行う際には、調整部116によってモールド106の側面に力を加えてモールド106の姿勢を変更する場合もある。このような場合には、モールド106の側面に加える力を、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置を変化させない程度に抑える必要がある。
S616では、S606の準備動作において、基板STの上の樹脂RSにモールド106を押し付けた回数(押印回数)Nが規定回数TH2以下であるかどうかを判定する。押印回数Nが規定回数TH2以下である場合には、S606に移行して、モールドステージ104の保持面104aにモールド106を押し付ける押し付け動作を繰り返す(即ち、準備処理を継続する)。また、押印回数Nが規定回数TH2を超えている場合には、S618に移行する。
S618では、準備処理用の基板をインプリント装置100から搬出し、準備処理を終了する。また、S620では、モールドステージ104及びモールド106をインプリント装置100から搬出する。
S622では、S620で搬出したモールドステージ104及びモールド106を検査する。そして、モールドステージ104及びモールド106の検査結果に応じて所定の処理(例えば、モールドステージ104やモールド106の交換)を行って、S604に移行する。
このように、本実施形態では、モールド106の位置の変化量Ciが閾値TH1を超えている場合には準備処理における押し付け動作を繰り返し行い、閾値TH1以下である場合には準備処理を終了する。これにより、押し付け動作を行う回数を最小回数にしながら(即ち、準備処理にかかる時間を短くしながら)モールドステージ104の保持面104aとモールド106とを均一に接触させることができる。従って、本実施形態のインプリント装置100は、基板STの上の樹脂RSにモールド106を押し付けたときの押印力に起因するモールド106の位置ずれを低減して、基板STの上の目標位置にモールド106のパターンを転写することができる。また、本実施形態のインプリント装置100は、樹脂RSにモールド106を押し付けたときのモールド106の位置ずれを防止しているため、グローバルアライメントを行うことが可能であり、スループット(生産性)の低下を抑制することができる。なお、本実施形態では、準備処理における押し付け動作の回数、即ち、押印回数Nが規定回数TH2を超えた場合には、準備処理を終了する。これにより、モールドステージ104(の保持面104a)やモールド106が正常な状態ではなく、押印回数Nを増やしても変化量Ciが閾値TH1以下にならない場合に、準備処理を継続してしまうことを防止することができる。
なお、以上の説明では、インプリント処理を行う基板STとは異なる準備処理用の基板を用いて準備処理を行っているが、インプリント処理を行う基板STを用いて準備処理を行ってもよい。この場合、制御部122によって、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置の変化量Ciが閾値TH1以下である場合には、そのときに基板STの上に転写されたモールド106のパターンは良品であると判定する。また、変化量Ciが閾値TH1を超えている場合には、そのときに基板STの上に転写されたモールド106のパターンは不良品であると判定する。そして、基板STの上に転写されたモールド106のパターンの良否を判定した判定結果をメモリなどの記憶部に記憶して、後工程としての検査工程などで利用する。具体的には、検査工程において、不良品であると判定されたパターンが転写されたショット領域を半導体製造プロセスから除外することができる。勿論、不良品であると判定されたパターンが転写されたショット領域であっても、検査工程での検査結果が良好である場合には、半導体製造プロセスから除外する必要はない。このように、基板STを用いて準備処理を行うことによって、準備処理がインプリント処理の一部となることもある。
また、本実施形態では、準備処理に用いられる樹脂とモールドのパターンを転写するインプリント処理に用いられる樹脂とは、同一の樹脂でなくてもよい。例えば、インプリント処理に用いられる樹脂には、界面活性剤が含まれていなくてもよい。
本実施形態では、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置の変化量Ciを、計測部118(複数の干渉計118a)の計測結果から求める場合について説明した。但し、図7に示すように、基板上に形成されているマークMKと準備処理において基板上のショット領域に転写されたモールド106のパターンPTとを検出してもよい。なお、この場合には、準備処理において、モールドステージ104の保持面104aにモールド106を押し付ける(即ち、樹脂RSにモールド106を押し付ける)第1の押し付け動作と第2の押し付け動作の少なくとも2回の押し付け動作が必要となる。マークMKの位置を基準とすると、第1の押し付け動作で転写されたパターンPTの位置に対する第2の押し付け動作で転写されたパターンPTの位置の変化量Cpは、保持面104aにおけるモールド106の位置の変化量Ciに相当している。この場合、変化量Cpと閾値TH3との関係、及び、モールド106の押印回数Nと規定回数TH2との関係が以下の式3を満たすことを確認して、インプリント処理を行う。
Cp ≦ TH3、且つ、N ≦ TH2 ・・・(式3)
閾値TH3は、基板上の目標位置にパターンを転写するために許容可能な変化量Cpの最大値以下の値(即ち、最大値に対して所定のマージンを含む値)で設定され、実験的又は理論的に導出される値である。
なお、基板上に形成されているマークMK及び準備処理において基板上のショット領域に転写されたモールド106のパターンPTは、例えば、スコープ120を用いて検出することができる。具体的には、図8(a)に示すように、基板上のマークMKに対して、スコープ120の光源からの光を垂直に照射し、マークMKで正反射された正反射光(0次光)のみをスコープ120の受光部で受光することで、マークMKの位置を検出することができる。また、図8(b)に示すように、基板上のマークMKに対して、光を斜めに照射し、マークMKで反射された反射光のうちエッジ部からの散乱光又は回折光(n次光)を受光することで、マークMKの位置を検出することもできる。
また、基板上のショット領域に転写されたモールド106のパターンPTは、マークMKと同様に、凹凸形状を有する。従って、パターンPTに対して、光を垂直に、或いは、斜めに照射することで、パターンPTの位置を検出することができる。但し、モールド106のパターンを構成するラインの線幅が数十nmレベルである場合、ラインの線幅が微細であるため、ショット領域に転写されたパターンPTを構成する1本のラインのみを検出することは困難である。このような場合には、パターンPTを構成する複数のラインを1本のラインとみなして検出すればよい。
インプリント装置100においては、樹脂RSに含まれる界面活性剤をモールド106のパターン面106aに付着させる付着動作を含む付着処理を行う必要もある。インプリント処理に1度も使用していないモールド(未使用のモールド)やインプリント処理に使用していない期間(使用停止期間)が予め定められた期間よりも長いモールドにおいては、パターン面に界面活性剤が十分に付着していない。従って、硬化した樹脂からモールドを剥離する際に要する剥離力が想定値よりも大きくなり、基板上に転写されたパターンがモールドに付着したまま剥離されてちぎれたり、モールドや基板が所定の位置からずれたり(又は変形したり)してしまう。
例えば、図9(a)に示すように、モールド106のパターン面106aに界面活性剤が十分に付着しておらず、パターン面106aの一部のみに界面活性剤が付着している場合について考える。図9(a)に示す状態において、基板STの上の樹脂RSにモールド106を押し付けてモールド106と基板STとの間に樹脂RSを充填させる。そして、樹脂RSを硬化させ、硬化した樹脂RSからモールド106を剥離すると、図9(b)に示すように、基板STの上にモールド106のパターンが転写できていない部分(パターン不良部分)が生じてしまう。
このように、モールド106のパターンを高精度に転写するためには、モールド106のパターン面106aに界面活性剤を均一に付着させ、硬化した樹脂RSからモールド106を剥離する際に要する剥離力を低減させる必要がある。なお、モールド106のパターン面106aに界面活性剤を付着させるためには、インプリント装置100の外でパターン面106aに界面活性剤を塗布したり、界面活性剤を含む樹脂RSにモールド106を押し付けたりすることが必要となる。但し、インプリント装置100の外でパターン面106aに界面活性剤を塗布する場合には、インプリント装置100以外の装置(半導体プロセス以外の処理)が必要となるため、コストや時間がかかり、スループット(生産性)に影響を及ぼすことになる。そこで、本実施形態では、界面活性剤を含む樹脂RSにモールド106を押し付けることで、樹脂RSに含まれる界面活性剤をモールド106のパターン面106aに付着させる。
図10は、界面活性剤を含む樹脂RSにモールドを押し付けた回数(押印回数)Nと、モールド106を硬化した樹脂RSから剥離する際に要する剥離力Pとの関係を示す図である。図10を参照するに、プロットR1に対応する剥離力P1は、インプリント処理に1度も使用していないモールド又は使用停止期間が予め定められた期間よりも長いモールドを硬化した樹脂RSから剥離する際に要する剥離力を示している。この場合、樹脂RSに含まれる界面活性剤がモールドのパターン面に十分に付着していないため、剥離力P1は、閾値(第2の閾値)TH4よりも大きくなっている。なお、閾値TH4は、基板上にモールドのパターンを破損することなく転写するために必要な剥離力の最大値以下の値(即ち、最大値に対して所定のマージンを含む値)で設定され、実験的又は理論的に導出される値である。
界面活性剤を含む樹脂RSへのモールドの押し付けを繰り返し(複数回)行うことによって、界面活性剤がモールドのパターン面に徐々に付着していく。従って、プロットR2、R3及びR4に示すように、モールドを硬化した樹脂RSから剥離する際に要する剥離力は、剥離力P2、P3及びP4と徐々に低下していく。そして、界面活性剤がモールドのパターン面に均一に付着すると、プロットR5、R6及びR7に示すように、モールドを硬化した樹脂RSから剥離する際に要する剥離力が収束する(剥離力P5、P6及びP7の近傍の値となる)。
また、付着処理において、界面活性剤を含む樹脂RSにモールドを規定回数以上押し付けても、硬化した樹脂RSからモールド106を剥離する際に要する剥離力が閾値TH4以下にならない場合も考えられる。このような場合には、界面活性剤を含む樹脂RSやモールド106が正常な状態ではない可能性があるため、付着処理を終了して、樹脂RSやモールドを検査し、かかる検査結果に応じて樹脂RSやモールドを交換する必要がある。従って、付着処理では、剥離力Pと閾値TH4との関係、及び、押印回数Nと規定回数TH5との関係が以下の式4を満たすことを確認する。
P ≦ TH4、且つ、N ≦ TH5 ・・・(式4)
閾値TH4は、基板上にモールドのパターンを破損することなく転写するために必要な剥離力の最大値以下の値(即ち、最大値に対して所定のマージンを含む値)で設定され、実験的又は理論的に導出される値である。また、規定回数TH5は、基板上にモールドのパターンを破損することなく転写することができるまでに要した押印回数に基づいて決定すればよい。
なお、準備処理における押し付け動作として、基板STの上の樹脂RSにモールド106を押し付ける場合には、樹脂RSに含まれる界面活性剤をモールド106のパターン面106aに付着させる付着動作を含む付着処理を準備処理に含めることができる。換言すれば、準備処理において基板STの上の樹脂RSにモールド106を押し付けることと、付着処理において基板STの上の樹脂RSにモールド106を押し付けることとを共通化することができる。
以下、図11を参照して、準備処理に付着処理を含ませた場合のインプリント装置100の動作について説明する。なお、図11に示すインプリント装置100の動作は、制御部122がインプリント装置100の各部を統括的に制御することによって実行される。
S1102では、インプリント装置100にモールド106を搬入し、かかるモールド106をモールドステージ104(保持面104a)に保持させる。
S1104では、インプリント装置100にインプリント処理を行う基板STとは異なる準備処理用の基板を搬入し、かかる準備処理用の基板を基板ステージ102に保持させる。
S1106では、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置を安定化させる押し付け動作及び樹脂RSに含まれる界面活性剤をモールド106のパターン面106aに付着させる付着動作を含む準備処理を行う。具体的には、まず、供給部108によって準備処理用の基板上の複数の領域(ショット領域に相当)のそれぞれに樹脂RSを供給する。次いで、基板ステージ102によって準備動作用の基板を駆動して、準備動作用の基板上のモールド106を押し付けるべき領域(対象領域)をモールド106(のパターン面106a)に対応する位置に配置する。次に、計測部118によってモールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置を計測する。次いで、駆動部110によってモールド106を下方向に駆動して、準備動作用の基板上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付ける。これにより、モールドステージ104の保持面104aにモールド106を押し付ける押し付け動作及樹脂RSに含まれる界面活性剤をモールド106のパターン面106aに付着させる付着動作が同時に(共通して)行われる。次に、樹脂RSにモールド106を押し付けた状態において、光源112によって樹脂RSに紫外線を照射して樹脂RSを硬化させる。次いで、駆動部110によってモールド106を上方向に駆動して、準備動作用の基板上の硬化した樹脂RSからモールド106を剥離する。この際、検出部114によって、準備動作用の基板上の硬化した樹脂RSからモールド106を剥離する際に要する剥離力Pを検出する。次に、計測部118によってモールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置を計測する。そして、押し付け動作を行う前のモールド106の位置に対する押し付け動作を行った後のモールド106の位置の変化量Ciを求める。このように、準備処理において、準備動作用の基板上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付けることによって、モールドステージ104の保持面104aにモールド106が均一に接触していくと共に、界面活性剤がパターン面106aに付着していく。
S1108では、S1102で搬入したモールド106が、インプリント処理に1度も使用していないモールド(未使用モールド)又はインプリント処理に使用していない期間(使用停止期間)が予め定められた期間Tよりも長いモールドであるかどうかを判定する。モールド106が未使用モールド又は使用停止期間が予め定められた時間Tよりも長いモールドである場合には、S1110に移行する。また、モールド106が未使用モールド又は使用停止期間が予め定められた時間Tよりも長いモールドでない場合には、S1112に移行する。
なお、予め定めたれた期間Tは、モールド106を使用した直前のインプリント処理が終了したときからパターン面106aに付着していた界面活性剤が剥がれ始めるときまでの期間であって、実験的又は理論的に算出することが可能である。また、モールド106の使用履歴などを管理するモールド管理テーブルは、例えば、制御部122のメモリなどの記憶部に格納されている。従って、制御部122は、モールド管理テーブルを参照することで、モールド106が未使用モールド又はモールド106の使用停止期間が予め定められた期間Tよりも長いモールドであるかどうかを判定することができる。
S1110では、S1106の準備動作において計測された剥離力Pが第2の閾値以下(即ち、閾値TH4以下)であるかどうかを判定する。剥離力Pが閾値TH4以下でない、即ち、閾値TH4よりも大きい場合には、S1120に移行する。また、剥離力Pが閾値TH4以下である場合には、S1112に移行する。
S1112では、S1106の準備処理において求めた変化量Ciが第1の閾値以下(即ち、閾値TH1以下)であるかどうかを判定する。変化量Ciが閾値TH1以下である場合には、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触し、且つ、界面活性剤がパターン面106aに均一に付着していると考えられるため、S1114に移行して、準備処理を終了する。なお、図11に示すS1114乃至S1118は、図6に示すS610乃至S614と同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。一方、変化量Ciが閾値TH1以下ではない、即ち、閾値TH1よりも大きい場合には、S1120に移行する。
S1120では、S1106の準備動作において、基板STの上の樹脂RSにモールド106を押し付けた回数(押印回数)Nが規定回数TH2以下、且つ、規定回数TH5以下であるかどうかを判定する。押印回数Nが規定回数TH2以下、且つ、規定回数TH5以下である場合には、S1106に移行して、準備処理を継続する。また、押印回数Nが規定回数TH2及びTH5の少なくとも一方を超えている場合には、S1122に移行する。
S1122では、準備処理用の基板をインプリント装置100から搬出し、準備処理を終了する。また、S1124では、モールドステージ104及びモールド106をインプリント装置100から搬出する。但し、押印回数Nが規定回数TH2以下である場合には、S1124において、モールドステージ104をインプリント装置100から搬出する必要はない。
S1126では、S1122で搬出した準備動作用の基板上の樹脂RS、S1124で搬出したモールドステージ104及びモールド106を検査する。但し、押印回数Nが規定回数TH2以下である場合には、S1124において、モールドステージ104を検査する必要はない。同様に、押印回数Nが規定回数TH5以下である場合には、S1124において、樹脂RSを検査する必要はない。そして、樹脂RS、モールドステージ104及びモールド106の検査結果に応じて所定の処理(例えば、樹脂RS、モールドステージ104及びモールド106の交換)を行って、S1104に移行する。
このように、本実施形態では、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とを均一に接触させることに加えて、界面活性剤をモールド106のパターン面106aに均一に付着させることができる。従って、本実施形態のインプリント装置100は、パターン不良部分を生じることなく、パターン基板STの上の目標位置にモールド106のパターンを高精度に転写することができる。
なお、準備処理又は付着処理におけるモールドの押し付け条件は、その後に行われるインプリント処理におけるモールドの押し付け条件と異なっていてもよい。例えば、準備処理又は付着処理におけるモールドの押し付け時間をインプリント処理におけるモールドの押し付け時間よりも長くしてもよい。また、準備処理又は付着処理におけるモールドの押し付け力をインプリント処理におけるモールドの押し付け力よりも大きくしたりしてもよい。更に、準備動作又は付着処理においては、モールドと基板とを相対的に振動させてもよい。これにより、モールドステージの保持面にモールドを均一に接触させるために要するモールドの押し付け回数、及び、界面活性剤をパターン面に付着させるために要するモールドの押し付け回数を少なくすることが可能となる。
これまでは、モールド106をモールドステージ104の保持面104aに押し付ける押し付け動作として、基板STの上に供給された樹脂RSにモールド106を押し付ける場合について説明した。但し、モールド106の周囲に配置された調整部116を用いて(図2参照)、モールド106をモールドステージ104の保持面104aに押し付ける押し付け動作を行うことも可能である。
具体的には、準備処理において、まず、モールド106がインプリント装置100に搬入されてモールドステージ104の保持面104aで保持されると、保持面104aにおけるモールド106の位置を計測部118で計測する。次いで、モールド106の側面に力を加えることを調整部116に行わせてモールド106の姿勢を変更させることで、モールド106をモールドステージ104の保持面104aに押し付ける押し付け動作を行う。そして、調整部116がモールド106の側面に力を加える前(即ち、押し付け動作を行う前)のモールド106の位置に対する調整部116がモールド106の側面に力を加えた後(即ち、押し付け動作を行った後)のモールド106の位置の変化量Cmを求める。
図12(a)は、調整部116がモールド106の側面に力を加えた回数(調整回数)Noと、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置の変化量Cmとの関係を示す図である。プロットR1に対応する変化量Cm1は、モールド106の側面に1回も力を加えていないとき(No=0)のモールド106の位置に対するモールド106の側面に力を1回加えたとき(No=1)のモールド106の位置の変化量を示している。この場合、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触していないため、変化量Cm1は、閾値TH6よりも大きくなっている。なお、閾値TH6は、基板上の目標位置にパターンを転写するために許容可能な変化量Cmの最大値以下の値(即ち、最大値に対して所定のマージンを含む値)で設定され、実験的又は理論的に導出される値である。
モールド106の側面に力を加えることを繰り返し(複数回)行うことによって、モールド106はモールドステージ104の保持面104aに徐々に均一に接触していく。従って、プロットR2、R3及びR4に示すように、変化量Cmは、変化量Cm2、Cm3及びCm4と徐々に小さくなっていく。そして、モールド106がモールドステージ104の保持面104aに均一に接触すると、プロットR5、R6及びR7に示すように、変化量Cmが収束する(変化量Cm5、Cm6及びCm7の近傍の値となる)。
以下の式5に示すように、変化量Cmが閾値TH6以下になった場合(変化量Cm4乃至Cm7)、モールドステージ104の保持面104aとモールド106とが均一に接触していると考えられる。従って、モールド106を樹脂RSに押し付けたときの押印力に起因するモールド106の位置ずれが生じることなく、モールド106のパターンを基板上の目標位置に転写することが可能となる。
Cm ≦ TH6 ・・・(式5)
なお、準備処理において、モールドステージ104の保持面104aにモールド106を押し付ける押し付け動作、即ち、モールド106の側面に力を加える動作が規定回数以上になっても、変化量Cmが閾値TH6以下にならない場合も考えられる。図12(b)は、調整部116がモールド106の側面に力を加えた回数(調整回数)Noと、モールドステージ104の保持面104aにおけるモールド106の位置の変化量Cmとの関係を示す図である。図12(b)を参照するに、プロットR1乃至R7は、調整回数Noが規定回数TH7に到達する前に、変化量Cmが閾値TH6以下になっている。一方、プロットR1’乃至R7’は、調整回数Noが規定回数TH7以上になっても変化量Cmが閾値TH6以下になっていない。このような場合、モールドステージ104やモールド106が正常な状態ではない可能性があるため、準備処理を終了してモールドステージ104やモールド106を検査し、かかる検査結果に応じてモールドステージ104やモールド106を交換する必要がある。そして、変化量Cmと閾値TH6との関係、及び、調整回数Noと規定回数TH7との関係が以下の式6を満たすことを確認して、インプリント処理を行う。
Cm ≦ TH6、且つ、No ≦ TH7 ・・・(式6)
物品としてのデバイス(半導体デバイス、液晶表示素子等)の製造方法は、インプリント装置100を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板等)にパターンを転写(形成)するステップを含む。かかる製造方法は、パターンが転写された基板をエッチングするステップを更に含む。なお、かかる製造方法は、パターンドットメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、エッチングステップの代わりに、パターンが転写された基板を加工する他の加工ステップを含む。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (10)

  1. 基板上の樹脂にモールドを押し付けた状態で当該樹脂を硬化させ、硬化した樹脂から前記モールドを剥離することで前記基板上にパターンを転写するインプリント処理を行うインプリント装置であって、
    前記モールドと接触する保持面を含み、前記保持面で前記モールドを保持する保持部と、
    前記保持面における前記モールドの位置を計測する計測部と、
    前記インプリント処理の前に、前記モールドを前記保持面に押し付けて前記保持面における前記モールドの位置を安定化させる少なくとも1回の押し付け動作を含む準備処理を行う処理部と、
    を有し、
    前記処理部は、前記準備処理において、前記計測部によって計測される前記押し付け動作を行う前の前記モールドの位置に対する前記押し付け動作を行った後の前記モールドの位置の変化量が第1の閾値を超えている場合には前記押し付け動作を繰り返し行い、前記変化量が前記第1の閾値以下である場合には前記準備処理を終了することを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記モールドを駆動する駆動部を更に有し、
    前記処理部は、前記準備処理のために基板上に供給された樹脂に前記モールドを押し付けることを前記駆動部に行わせることで、前記押し付け動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記計測部は、前記モールドの周囲に配置された干渉計を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント装置。
  4. 前記準備処理は、前記モールドを前記保持面に押し付けて前記保持面における前記モールドの位置を安定化させる第1の押し付け動作及び第2の押し付け動作の少なくとも2回の押し付け動作を含み、
    前記計測部は、前記基板上に形成されているマークと、前記準備処理のために基板上に供給された樹脂に前記モールドを押し付けた状態で当該樹脂を硬化させ、硬化した樹脂から前記モールドを剥離することで前記基板上に転写された前記モールドのパターンとを検出する検出光学系を含み、
    前記検出光学系によって検出される前記第1の押し付け動作の後における前記マークと前記基板上に転写された前記モールドのパターンとの位置関係と、前記検出光学系によって検出される前記第2の押し付け動作の後における前記マークと前記基板上に転写された前記モールドのパターンとの位置関係とから、前記第2の押し付け動作を行う前の前記モールドの位置に対する前記第2の押し付け動作を行った後の前記モールドの位置の変化量を求めることを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
  5. 前記処理部は、前記インプリント処理を行う基板とは異なる準備処理用の基板を用いて前記準備処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  6. 前記インプリント処理を行う際に前記モールドの側面に力を加えて前記モールドの倍率及びディストーションを調整する調整部を更に有し、
    前記処理部は、前記準備処理において、前記モールドの側面に力を加えることを前記調整部に行わせて前記モールドの姿勢を変更させることで、前記押し付け動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  7. 前記処理部は、前記押し付け動作の繰り返し回数が規定回数以上になった場合には、前記準備処理を終了させることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のインプリント装置。
  8. 前記モールドを駆動する駆動部と、
    前記基板上の硬化した樹脂から前記モールドを剥離する際に要する剥離力を検出する検出部と、
    を更に有し、
    前記処理部は、前記インプリント処理の前に、前記基板上に供給された界面活性剤を含む樹脂に前記モールドを押し付けることを前記駆動部に行わせ、当該樹脂を硬化させて硬化した樹脂から前記モールドを剥離することで前記界面活性剤を前記モールドのパターン面に付着させる少なくとも1回の付着動作を含む付着処理を行い、
    前記処理部は、前記付着処理において前記検出部によって検出される前記剥離力が第2の閾値を超えている場合には前記付着動作を繰り返し行い、前記付着処理において前記検出部によって検出される前記剥離力が前記第2の閾値以下である場合には前記付着処理を終了することを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  9. 前記モールドを駆動する駆動部を更に有し、
    前記準備処理のために基板上に供給される樹脂は、界面活性剤を含み、
    前記処理部は、前記準備処理のために基板上に供給された前記界面活性剤を含む樹脂に前記モールドを押し付けることを前記駆動部に行わせることで、前記押し付け動作、及び、前記界面活性剤を前記モールドのパターン面に付着させる付着動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて樹脂のパターンを基板に形成するステップと、
    前記パターンが形成された基板を加工するステップと、
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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