JP5575964B2 - グラファイトフィルムの製造方法および炭化フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の連続炭化工程は、高分子フィルムの熱分解開始温度以上、高分子フィルムの熱分解終了温度未満の温度範囲で実施することが好ましい。高分子フィルムの熱分解開始温度以上、高分子フィルムの熱分解終了温度未満の温度範囲で高分子フィルムを熱分解するために、この領域を2段階以上で熱処理することでシワや割れの発生を抑制することができる。また、2段階以上で熱処理することで黒鉛化後のグラファイトフィルムの熱拡散率も高くなり易い。
2段階以上の加熱空間の好ましい温度範囲は、500℃以上1000℃未満、好ましくは500℃以上900℃以下、更に好ましくは550℃以上850℃以下、更には550℃以上800℃以下、特には550℃以上700℃以下であるとよい。500℃以上1000℃未満において、高分子フィルムの熱分解に伴う収縮が起き易い、この領域を2段階以上で熱処理することでシワや割れの発生を抑制することができる。また、2段階以上で熱処理することで黒鉛化後のグラファイトフィルムの熱拡散率も高くなり易い。
高分子フィルムの収縮の大きな500℃以上1000℃未満の温度範囲においては、段階数を増やして、各加熱空間の温度とその次に続く加熱空間(以下、近接する加熱空間という)の温度との温度差(後段の温度と前段の温度との温度差)ができるだけ小さくなるようにすると、シワや割れなど更に発生し難くなる。近接する加熱空間の温度差は5℃以上200℃以下、好ましくは10℃以上100℃以下、更に好ましくは20℃以上50℃以下であるとよい。5℃以上であれば、熱処理に伴うフィルムの破損や伸びを抑制することができる。また、加熱空間の数を減らすことができるために好ましい。また、200℃以下であれば、炭化フィルムの一度に収縮する量を小さくできるのでシワが発生し難い。さらに、200℃以下であれば、黒鉛化後のグラファイトフィルムの熱拡散率も高くなり易い。
一つの加熱空間の入口直前のフィルム重量と当該加熱空間の出口直後のフィルム重量から算出されるフィルムの重量減少率(以下、各加熱空間通過前後の重量減少率という)が、25%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下となるように加熱空間の段階数や温度設定を決定するとよい。25%以下になるようにすると、フィルムの収縮を緩やかにでき、シワが発生し難い。また、25%以下であれば、黒鉛化後のグラファイトフィルムの熱拡散率も高くなり易い。
重量減少率(%)=(加熱空間の入口直前のフィルム重量−加熱空間の出口直後のフィルム重量)/高分子フィルムの初期重量×100
上記高分子フィルムの初期重量とは、高分子フィルムを熱処理する前、23℃を保持した雰囲気下で24時間放置後、23℃で測定した高分子フィルムの重量である。また、加熱空間の入口直前のフィルム重量とは、加熱空間の入口直前で取り出したフィルムを、23℃を保持した雰囲気下で24時間放置後、23℃で測定したフィルムの重量であり、加熱空間の出口直後のフィルム重量とは、加熱空間の出口直後で取り出したフィルムを、23℃を保持した雰囲気下で24時間放置後、23℃で測定したフィルムの重量である。
重量保持率(%)=(1−(高分子フィルムの初期重量−所定加熱空間の出口直後の高分子フィルム重量)/高分子フィルムの初期重量)×100
<グラファイトフィルム>
グラファイトフィルムは、原料フィルムである高分子フィルムを熱処理することにより製造できる。グラファイトフィルムの製造に適した高分子フィルムとして、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオキサジアゾールフィルム、ポリベンゾチアゾールフィルム、ポリベンゾビスアゾールフィルム、ポリベンゾオキサゾールフィルム、ポリベンゾビスオキサゾールフィルム、ポリパラフェニレンビニレンフィルム、ポリベンゾイミダゾールフィルム、ポリベンゾビスイミダゾールフィルム、ポリチアゾールフィルムのうちから選択された少なくとも一種類以上の高分子フィルムを例示できる。
高分子フィルムからグラファイトフィルムを得る製造方法の一例として、炭化工程、黒鉛化工程、加圧処理工程を実施する方法が挙げられる。炭化工程では、出発物質であるフィルムを減圧下もしくは不活性ガス中で加熱処理して炭化する。すなわち、炭化工程では炭化フィルムが熱処理対象物である(炭化工程では、炭化フィルムを熱処理する)。
この炭化工程は、通常1000℃程度の温度にてバッチ式で加熱処理を行う。例えば、室温から10℃/分昇温速度で予備加熱処理を行った場合には、1000℃の温度領域で30分程度の温度保持を行う加熱処理が望ましい。加熱処理の段階では、フィルムの配向性が失われないように面方向の圧力を加えてもよい。
本発明のグラファイトフィルムの製造方法は、連続炭化工程を含む。連続炭化工程は炭化工程において、図2のように長尺の高分子フィルム23を加熱処理装置21へ連続的に供給しながら連続焼成する工程(以下、連続加熱プロセスともいう)である。その際、加熱処装置の前後に巻き替え装置を設置して、高分子フィルムを搬送してもよい。また、連続炭化工程は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス中で行うことが好ましい。
本発明の加熱空間とは、高分子フィルムを熱処理するために設けた、図2のような加熱処理装置21の内部の空間である。複数の加熱空間を設ける場合には、各加熱空間は空間を物理的に切り分けてもよいし(その一例を図7に示す)、図3のように同じ空間内に複数の加熱空間33、34、35を設けてもかまわない。高分子フィルムに対して均一に熱を与えるために、一つの加熱空間内の温度分布は均一に保つことが好ましいが、急激な温度変化を避けるために、加熱空間の入口と中央部、中央部と出口において、緩やかな温度勾配をつけることも可能である。ヒーターや断熱材の配置を工夫し、加熱処理装置内の温度分布を制御することができる。なお、加熱空間の温度とは、その加熱空間を通過するフィルムの最も高い実温度を意味する。
本発明の連続炭化工程は、図4のように2つの加熱空間の間(加熱空間同士の間)に冷却空間が存在することが好ましい。冷却空間とは、加熱空間で加熱されたフィルムを冷却するための空間であり、使用する高分子フィルムのTgよりも低い温度に設定されていることが好ましい。冷却空間で冷却された炭化フィルムは加熱空間で加熱されている炭化フィルムに比べて硬くなるために、冷却空間では炭化フィルムは変形し難い。加熱空間と次の加熱空間の間に冷却空間を設けると、炭化フィルムにシワが発生し難くなる。冷却空間の数は多いほど、シワの発生を抑制する効果がより得られる。そのため、加熱空間同士の間の全てに冷却空間が存在することが特に好ましい。
本発明において、高分子フィルムの複屈折について特に制限はない。しかし、複屈折が0.08以上であればフィルムの炭化、黒鉛化が進行し易くなるので、グラファイト層が発達したグラファイトフィルムが得られ易くなる。特に、本発明のように高分子フィルムの配向性が崩れ易い連続炭化工程を実施する場合には複屈折が高い方が好ましい。高分子フィルムの複屈折は好ましくは0.08以上、より好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.12以上、特に好ましくは0.14以上である。なお、複屈折とはフィルム面内の任意方向の屈折率と厚み方向の屈折率との差を意味し、複屈折を複屈折率と換言することができる。複屈折の上限値は特に限定されないが、例えば、0.20以下、さらに0.18以下とすることができる。
本発明の連続炭化工程において、例えば加熱処理装置の前後に高分子フィルムの張力を調整するための張力調整装置が取り付けて、高分子フィルムに張力を加えながら熱処理してもよい。張力調整装置はすべての加熱処理装置に設けてもよいし、一部の加熱処理装置にのみ設けてもよい。張力を調整するための調整装置として、図2のような巻取り装置の回転軸にトルクを加える方法などが挙げられる。
本発明の連続炭化工程において、加熱空間にて高分子フィルムの厚み方向に荷重を加えることが好ましい。荷重を加える方法として、特に限定しないが、図5のように、炉床51に高分子フィルム37を添わせ、上から重石52を載せる方法などが挙げられる。フィルムの厚み方向に加える荷重は、下限が0.1g/cm2以上、好ましくは0.5g/cm2以上、さらに好ましくは1g/cm2以上、上限が50g/cm2以下、好ましくは20g/cm2以下、さらに好ましくは10g/cm2以下であるとよい。荷重が0.1g/cm2以上であると、フィルムの熱分解収縮に伴うシワを抑制することができる。また、50g/cm2以下であると、過剰荷重によるフィルムの破損を防ぐことができる。
本発明の連続炭化工程におけるフィルムのライン速度(以下、ライン速度ともいう)とは、熱処理後のフィルムの巻き取り速度である。ライン速度は、10cm/min以上500cm/min以下、好ましくは20cm/min以上300cm/min以下、好ましくは30cm/min以上150cm/min以下である。ライン速度が10cm/min以上が生産性の観点から好ましい。また、500cm/min以下であれば、加熱空間での均一な熱処理が可能となり、シワなどの不良が発生し難い。
<連続炭化工程後のシワ(巻取りテスト)>
連続炭化工程後の炭化フィルムのシワを評価した。シワの評価は、23℃の雰囲気下、炭化フィルムを各種径の紙管に5周巻きつけて、割れるかどうかを確認した。シワが多いものほど、紙管に巻きつけると割れ易く、小さな径の紙管には巻きつけることができない。
グラファイトフィルムの面方向の熱拡散率は、光交流法による熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)社製「LaserPit」)を用いて、グラファイトフィルムを4×40mmの形状に切り取ったサンプルを、23℃の雰囲気下、10Hzにて測定した。
高分子フィルムの複屈折は、メトリコン社製の屈折率・膜厚測定システム(型番:2010 プリズムカプラ)を使用して測定した。測定は、23℃の雰囲気下、波長594nmの光源を用い、TEモードとTMモードでそれぞれ屈折率を測定し、TE−TMの値を複屈折として測定した。
加熱空間及冷却空間の温度は、φ0.5mmのシース型K熱電対(山里産業製)を使用して、加熱空間及冷却空間を通過するフィルムと熱電対を接触させ、フィルム実温度を測定した。加熱空間の温度とは、その加熱空間を通過するフィルムの最も高い温度、冷却空間の温度とは、その冷却空間を通過するフィルムの最も低い温度とした。
図4の41のように、複屈折0.14、厚み75μm、幅200mm、長さ50mの株式会社カネカ製ポリイミドフィルム:アピカルNPIの巻き物を巻き替え装置にセットし、加熱処理装置に連続的に供給しながら連続炭化工程を実施した。各加熱空間のMD方向(Machine Direction:流れ方向)の長さは50cm、TD方向(Transverse Direction:幅方向)の長さは300mmとし、加熱空間内の温度が均一になるように、それぞれ550℃、600℃、650℃、700℃、750℃、800℃、850℃に調整した。フィルムに対して引張り強さ30kgf/cm2で張力を加えながら、50cm/minのライン速度でフィルムを搬送した。各空間内は図5のように黒鉛製の冶具でフィルムを上下から挟みこみ、間を滑らせるように搬送した。フィルムの厚み方向に加わる圧力は2g/cm2に調整した。得られた炭化フィルムのシワの評価を行った。結果を表1、2に示す。
図4の42のように、各加熱空間の間に、MD方向の長さが50cmで温度が25℃に調整された冷却空間を設けたこと以外は参考例3と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
冷却空間の温度を450℃に設定したこと以外は実施例2と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
実施例2の最初の3ゾーンが、それぞれ550℃の加熱空間、550℃の加熱空間、600℃の加熱空間であり、その後、図4の42のように、各加熱空間の間に、MD方向の長さが50cmで温度が550℃に調整された冷却空間を設けたこと以外は参考例3と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
加熱空間をそれぞれ550℃、650℃、750℃、850℃に調整した以外は実施例2と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
550℃と650℃の加熱空間の間に600℃の加熱空間を設けたこと以外は実施例5と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
650℃と750℃の加熱空間の間に700℃の加熱空間を設けたこと以外は実施例5と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
550℃と600℃の加熱空間の間に575℃の加熱空間を設けたこと以外は実施例2と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
600℃と650℃の加熱空間の間に625℃の加熱空間を設けたこと以外は実施例2と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
650℃と700℃の加熱空間の間に675℃の加熱空間を設けたこと以外は実施例2と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
フィルムの厚み方向に圧力を加えなかったこと以外は実施例9と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表1、2に示す。
高分子フィルムの厚みを50μmに変更したこと以外は、実施例2と同様にしてグラファイトフィルムを製造した。結果を表1、2に示す。
高分子フィルムの厚みを125μmに変更したこと以外は、実施例2と同様にしてグラファイトフィルムを製造した。結果を表1、2に示す。
複屈折が低い(複屈折0.10)高分子フィルム:株式会社カネカ製ポリイミドフィルム:アピカルNPIを使用した以外は、実施例2と同様にしてグラファイトフィルムを製造した。結果を表3、4に示す。
実施例15では、高分子フィルムとしてPOD(ポリパラフェニレンオキサジアゾール)を用い、実施例16では、高分子フィルムとしてPPV(ポリパラフェニレンビニレン)を用いた以外は、実施例2と同様にしてグラファイトフィルムを製造した。結果を表3、4に示す。
実施例17では、高分子フィルムの幅を50mmに変更し、実施例18では、高分子フィルムの幅を300mmに変更したこと以外は、実施例2と同様にしてグラファイトフィルムを製造した。結果を表3、4に示す。
ゾーン1を550℃の加熱空間、ゾーン2を25℃の冷却空間、ゾーン3を750℃の加熱空間、ゾーン4を25℃の冷却空間、ゾーン5を850℃の加熱空間に設定したこと以外は、実施例5と同様にしてグラファイトフィルムを製造した。結果を表3、4に示す。
ゾーン7の加熱空間の温度を750℃から700℃に変更し、ゾーン7で連続炭化工程を終了した(ゾーン8、9を用いない)こと以外は、実施例5と同様にしてグラファイトフィルムを製造した。結果を表3、4に示す。
加熱空間の温度を、ゾーン7では675℃から700℃に、ゾーン9では700℃から750℃に、ゾーン11では750℃から800℃に、ゾーン13では、800℃から850℃に、ゾーン15では850℃から1000℃に変更した以外は、実施例10と同様にしてグラファイトフィルムを製造した。結果を表3、4に示す。
加熱空間を850℃の1段階としたこと以外は、参考例3と同様にグラファイトフィルムを製造し、各種評価を行った。結果を表3、4に示す。
比較例2では、ゾーン1の加熱空間の温度を850℃から1000℃に変更し、比較例3では、ゾーン1の加熱空間の温度を850℃から800℃に変更した以外は、比較例1と同様にしてグラファイトフィルムを製造した。結果を表3、4に示す。
特開平4−149013公報の実施例1を追試した。
特開2004−299937公報の実施例2を追試した。
参考例3、実施例2〜10と比較例1を比較する。加熱空間を2段階以上設置した参考例3、実施例2〜10は、加熱空間が一段階の比較例1より連続炭化後のシワの発生が少なく、より小さな径の紙管に巻きつけることができた。これは、加熱空間が2段階以上あることで、一度に起きる熱分解に伴うフィルムの収縮量を小さくでき、シワを抑制することができた。
参考例3と実施例2を比較する。冷却空間を設置した実施例2は、冷却空間を設置していない参考例3と比較して連続炭化工程後のシワの発生が少なかった。これは、冷却空間で冷却されたフィルムは硬質化し変形し難くなるためである。
加熱空間と次の加熱空間の温度差の異なる実施例2と実施例5を比較する。温度差が50℃の実施例2は、温度差が100℃の実施例5と比較して、シワの発生が少なかった。これは、実施例5より実施例2の方が、1つの加熱空間でフィルムが収縮する量を小さくできるのでシワが発生し難かったことが理由である。
重量減少率が40%の比較例1より、重量減少率が最大で25%以下の参考例3、実施例2〜実施例10はシワの発生が少なかった。25℃の冷却空間を各温度空間の間に設置した、実施例2、実施例5〜実施例10を比較すると、重量減少率の最大値が11%の実施例9がシワの発生が最も少なく、続いて16〜20%の実施例2、実施例6、実施例8、実施例10はシワが発生し難く、24%の実施例5、実施例7は最もシワが発生し易かった。この結果から、一度に熱分解し、フィルムが収縮する量を小さくすることで、シワの発生を抑制できることがわかった。
フィルムの厚み方向に圧力を加える実施例9と加えなかった実施例11を比較すると、圧力を加えた実施例9の方がシワの発生が少なかった。
高分子フィルムの厚みが50μmの実施例12および高分子フィルムの厚みが125μmの実施例13から、厚みが50μm〜125μmの場合にもシワが抑制された炭化フィルムが問題なく得られることが分かった。また、実施例12、13の比較から、高分子フィルムが薄い方が、グラファイトフィルムの熱拡散率が高い結果となった。
実施例2、14の比較から、複屈折が低い高分子フィルムを用いた場合であっても、シワが抑制された炭化フィルムが問題なく得られることが分かった。ただし、高分子フィルムの複屈折が低い実施例14では、グラファイトフィルムの熱拡散率が低い結果となった。
実施例15、16の結果から高分子フィルムとしてPODまたはPPVを用いた場合であっても、シワが抑制された炭化フィルムが問題なく得られることが分かった。ただし、実施例2、15、16の比較から高分子フィルムとしてポリイミドフィルムを用いた場合に、最も熱拡散率の高いグラファイトフィルムが得られる結果となった。
実施例17では、連続炭化工程後のシワ(巻取りテスト)の結果がAであり、実施例18の結果はCであり、シワの抑制された炭化フィルムが得られ、幅が狭い高分子フィルムを用いた場合、シワがより抑制された炭化フィルムが得られた。実施例17、18から、高分子フィルムの幅を50mm〜300mmとした場合に問題なく炭化フィルムが得られることが分かる。
ゾーン1、2の加熱温度差が200℃と広い実施例19では、ゾーン1の加熱空間を通過した後の高分子フィルムの重量保持率は97%であり、重量減少率は3%であった。一方、ゾーン3の加熱空間を通過した後の高分子フィルムの重量保持率は65%であり、重量減少率は32%であった。ゾーン1、3の重量減少率の差は29%であり、高分子フィルムが急速に収縮した結果、連続炭化工程後のシワ(巻取りテスト)の結果はDであり、本発明の炭化フィルムとしてはシワの抑制度合いが低い炭化フィルムが得られた。
実施例5、21の比較から、温度の上昇を緩やかに行い、加熱空間の最高温度が低い実施例21の方が、炭化フィルムにシワが発生し難く、連続炭化工程後のシワ(巻取りテスト)の結果はAと良好であった。
21 加熱処理装置
22 巻き替え装置
23 熱処理前の高分子フィルム
24 熱処理後の高分子フィルム
31 空間を物理的に切り分けた加熱空間
32 空間を物理的に切り分けていない加熱空間
33 加熱空間1
34 加熱空間2
35 加熱空間3
36 炉体
37 高分子フィルム
41 冷却空間を設定しない場合
42 冷却空間を設定した場合
43 冷却空間
51 炉床
52 重石
61 炭化フィルムの巻物
62 炉床
63 重力方向
Claims (16)
- 500℃以上900℃以下の温度である加熱空間を3つ以上含む連続炭化工程を含み、
前記連続炭化工程に2つ以上の冷却空間が存在することを特徴とするグラファイトフィルムの製造方法。 - 前記連続炭化工程において、加熱空間は4つ以上、冷却空間は3つ以上存在することを特徴とする請求項1に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記加熱空間の温度は、高分子フィルムの熱分解開始温度以上、高分子フィルムの熱分解終了温度未満の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記冷却空間は、使用する高分子フィルムのTgよりも低い温度に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 前記冷却空間の温度は、直前の加熱空間よりも低い温度であって、550℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 近接する加熱空間の温度差が5℃以上200℃以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 各加熱空間通過前後のフィルムの重量減少率が25%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 連続炭化工程に使用する高分子フィルムの複屈折が0.10以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のグラファイトフィルムの製造方法。
- 500℃以上900℃以下の温度である加熱空間を3つ以上含む連続炭化工程を含み、
前記連続炭化工程に2つ以上の冷却空間が存在することを特徴とする炭化フィルムの製造方法。 - 前記連続炭化工程において、加熱空間は4つ以上、冷却空間は3つ以上存在することを特徴とする請求項9に記載の炭化フィルムの製造方法。
- 前記加熱空間の温度は、高分子フィルムの熱分解開始温度以上、高分子フィルムの熱分解終了温度未満の範囲にあることを特徴とする請求項9または10に記載の炭化フィルムの製造方法。
- 前記冷却空間は、使用する高分子フィルムのTgよりも低い温度に設定されていることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の炭化フィルムの製造方法。
- 前記冷却空間の温度は、直前の加熱空間よりも低い温度であって、550℃以下であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の炭化フィルムの製造方法。
- 近接する加熱空間の温度差が5℃以上200℃以下の範囲であることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の炭化フィルムの製造方法。
- 各加熱空間通過前後のフィルムの重量減少率が25%以下であることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載の炭化フィルムの製造方法。
- 連続炭化工程に使用する高分子フィルムの複屈折が0.10以上であることを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の炭化フィルムの製造方法。
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