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JP5576458B2 - 電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法 - Google Patents
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JP5576458B2 - 電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法に関する。
電子ビームによるパターンの露光方法として、可変整形(Variable Shaped Beam;VSB)方式や、部分一括露光(Character Projection;CP)方式がある。
これらの露光方式では、電子銃から放射された電子ビームを、矩形状の開口を備えたビーム整形部で切り出し、切り出した電子ビームの一部を更に別のビーム整形部で切り取ることで、様々な形状の電子ビームに整形する。そして、整形した電子ビームを電子レンズ系により1/20〜1/50に縮小して露光対象物の上に照射して露光を行う。
この様な電子ビーム露光において、露光のスループットを向上させるためには、一回のビーム照射で照射可能な範囲を増大させてビーム照射の回数を抑制するとともに、電子ビームの電流密度を増加させることで露光時間の短縮を図ることが有効である。
ところが、電子ビームの照射領域を増大させつつ電流密度を増加させると、電子ビーム中の電子間のクーロン相互作用の影響が大きくなり、電子ビームのボケが生じてしまう。その結果、露光により形成されたレジストパターンのエッジラフネスが大きくなるという問題が生じる。
特開2004−88071号公報 特開2001−274077号公報 特開2007−184398号公報
そこで、電子ビームのボケを抑制しつつ、露光スループットを向上させることができる電子ビーム露光装置及び電子ビーム露光方法を提供することを目的とする。
一観点によれば、電子ビームを放射する電子銃と、前記電子ビームを整形する第1の開口を有する第1ビーム整形部と、前記第1の開口を通過した電子ビームを偏向させる第1偏向器と、前記第1の開口を通過した電子ビームの一部分を通過させる第2の開口を有する第2ビーム整形部と、前記第2の開口を通過した電子ビームを偏向させる第2偏向器と、前記第2ビーム整形部を通過した電子ビームの一部分を通過させる第3の開口を有する第3ビーム整形部と、前記第1偏向器及び第2偏向器を制御することにより、基準ビームサイズを中心にして前記第1偏向器による偏向量及び第2偏向器による偏向量を互いに逆向きに変化させ、電子ビームのサイズ調整を行うことで、前記第1の開口によって形成された前記電子ビームのエッジを、前記第3の開口を通過した電子ビームから除去し、前記第2の開口及び第3の開口のみによって整形された電子ビームを生成させる制御部と、を備えた電子ビーム露光装置が提供される。
上記観点の電子ビーム露光装置では、微細なビームを整形する場合において、第2の開口を通過した電子ビームの電流値は、元の第1の開口を通過した電子ビームの電流値に比べて小さな値となる。そのため、前記第1の開口によって形成された前記電子ビームのエッジを前記第2のビーム整形部と前記第3のビーム整形部とによって除去することで、クーロン相互作用による電子ビームのボケを抑制でき、微細なパターンを精度よく描画できる。
これにより、電子ビームの電流密度を上げた場合であっても、電子ビームのボケを抑制することができ、従来よりも露光スループットが向上する。
図1は、予備的事項に係る可変整形方式の電子ビーム露光装置のビーム整形部を示す図である。 図2(a)〜(c)は、図1の電子ビーム露光装置による電子ビームの整形方法を示す図である。 図3は、図1の電子ビーム露光装置の第2のビーム整形部における電子ビームのボケの大きさを示す図である。 図4は、予備的事項に係る部分一括露光方式の電子ビーム露光装置のビーム整形部を示す図である。 図5(a)、(b)は、図4の電子ビーム露光装置による電子ビームの整形方法を示す図である。 図6は、図4の電子ビーム露光装置を用いて作製した直線パターンの走査型電子顕微鏡像である。 図7は、第1実施形態に係る電子ビーム露光装置のブロック図である。 図8は、図7の電子ビーム露光装置のビーム整形部を示す図である。 図9(a)〜(d)は、図8の電子光学系における電子ビームの整形方法を示す図である。 図10は、第1実施形態に係る電子ビーム露光法を示すフローチャートである。 図11は、第2実施形態に係る電子ビーム露光装置のブロック図である。 図12は、図11の電子ビーム露光装置のビーム整形部を示す図である。 図13(a)〜(c)は、図12の電子光学系による電子ビームの整形方法を示す図である。
実施形態の説明に先立って、基礎となる予備的事項について説明する。
図1は、予備的事項に係る可変整形方式の電子ビーム露光装置のビーム整形部を示す図であり、図2(a)〜(c)は、図1の電子ビーム露光装置による電子ビームの整形方法を示す図である。
図1に示す可変整形方式の電子ビーム露光装置のビーム成形部では、電子銃101から放出された電子ビームEB0を、第1のビーム整形部103で切り取る。
これにより、図2(a)において斜線を付して示すように、電子銃101から放出された断面が円形の電子ビームEB0が矩形状の第1アパーチャ103aで切り取られる。そして、断面が矩形状の電子ビームEB1(図2(b)参照)に整形される。なお、第1アパーチャ103a以外の部分に照射された電子ビームEB0は、第1のビーム整形部103によって吸収又は散乱されて除去される。
次に、図1に示すように、電子ビームEB1は、第1偏向器104で偏向されるとともに、電磁レンズ105及び電磁レンズ108により第2のビーム整形部140上に結像される。
このとき、図2(b)で斜線を付して示すように、電子ビームEB1の第1アパーチャ103aの像が第2アパーチャ140aと重なる部分で切り取られる。これにより、図2(c)に示すように、所望の形状の矩形状の電子ビームEB2が得られる。
この様にして整形された電子ビームEB2は、その後、不図示の電子光学系により1/20〜1/50倍に縮小されて露光対象となる試料表面に照射される。
上記のように、図1の電子ビーム露光装置のビーム整形部で形成された電子ビームEB2は、第1アパーチャ103aで切り出されたエッジと、第2アパーチャ140aで切り出されたエッジとが混在している。
すなわち、図2(c)に示す電子ビームEB2のエッジa1、a2は第1アパーチャ103aで切り出されたエッジであり、エッジa3、a4は第1アパーチャ140aで切り出されたエッジである。
なお、ここでのエッジは、結像された電子ビームの断面に現れるアパーチャの像の縁の部分をいうものとする。
電子ビーム露光装置において、スループットを向上させるために1回のビーム照射で電子ビームが照射される面積の拡大を図ること、及び電子ビームの電流密度を上げることが求められるため、電子ビームの電流を増大させる必要がある。
例えば、露光対象となる試料の表面で最大で1μm×1μmの大きさの電子ビームを、電流密度100A/cm2で照射するために必要とされる電子ビームを考える。この場合には、第1アパーチャ103aを通過する電子ビームEB1には、電流量保存の法則により下記の電流が必要となる。
1μm×1μm×100A/cm2=1μA …(1)
このような比較的大きな電流値の下では、電子ビームに含まれる電子同士のクーロン力による相互作用の影響が大きくなり、第1アパーチャ103aで切り出された電子ビームEB1のエッジa1、a2のボケが大きくなる。
図3は、横軸に電子ビームEB1の電流値をとり、縦軸にボケ(Blur)の大きさをとって、第1アパーチャ103aで切り出された電子ビームのボケの大きさを計算により求めた結果を示している。なお、図3の計算において、第1ビーム整形部103と第2ビーム整形部140との距離は約200mmとした。
図3に示すように、第2ビーム整形部140上に結像された電子ビームEB1のボケの大きさは、電子ビームEB1の電流値Iに比例して増加しており、電流値Iが1μA(1000nA)の場合には電子ビームEB2のエッジに約650nmのボケが生じる。
第2ビーム整形部140でのボケは、電子光学系により1/20〜1/50に縮小されて試料表面に投影される。それでも、露光対象試料の上で13nm〜32nmのボケ量になる。このような第1アパーチャ103aで切り出された電子ビームEB1に由来するボケが描画されたパターンのエッジラフネスとして現れる。
今後、線幅が例えば11〜18nmといった微細なパターンを電子ビーム露光により形成する場合には、露光対象試料を照射するビームエッジのボケは大きくても10nm未満とすることが好ましい。
したがって、図1の電子ビーム整形部を有する電子ビーム露光装置では、最大ビームサイズを1μm×1μmとしつつ、電流密度を100A/cm2といった条件では、線幅が11〜18nm程度のパターンの描画は困難である。上記の装置で線幅が11〜18nm程度のパターンを描画するためには、電子ビームの電流密度を30A/cm2程度に落とす必要があり、露光に要する時間が長くなってしまう。
同様の問題はCP方式の電子ビーム露光装置でも生じる。
図4は、予備的事項に係るCP方式の電子ビーム露光装置のビーム整形部を示す図である。図5(a)、(b)は、CP方式の電子ビーム露光装置における電子ビームの整形方法を示す図である。
図4に示すCP方式の電子ビーム露光装置のビーム整形部では、電子銃101から放出された電子ビームEB0を第1ビーム整形部103で切り出して断面が矩形状の電子ビームEB1に整形する。
第1ビーム整形部103を通過した電子ビームEB1は、CPマスク偏向器124a、124bにより位置決めされ、電磁レンズ105、108によりCP露光用マスク110の所定の開口パターンの上に結像される。
図5(a)に示すように、CP露光用マスク110の上には、複数の開口パターン110a〜110dが形成されている。なお、図示の例はCP露光用マスク110の一部を示しており、CP露光用マスク110には全体として数十〜数百の開口パターンが設けられている。
CP露光法において、図5(b)のように、開口パターン110cの一部と重なるように電子ビームEB1を照射することで、電子ビームEB2のサイズを可変とする場合がある。
この様な場合には、電子ビームEB2のエッジa1、a2は、第1ビーム整形部103で切り取られたエッジであり、それらのエッジa1、a2でボケが大きくなる。
図6は、第1アパーチャ103aとCP露光用マスク110の開口パターン110cを使用して整形した直線状のレジストパターンのSEM写真を模写した図である。
ここでは、線幅が60nmのラインパターンを図5(a)の方法で描画した結果を示している。また、図中のラインパターンの左側のエッジa4はCPパターン110cによって切り取られた電子ビームのエッジに対応し、ラインパターンの右側のエッジa5は第1アパーチャ103aによって切り取られた電子ビームのエッジに対応する。
図示のように、ラインパターンの右側のエッジa5の方がラインパターンの左側のエッジa4よりも太くなっており、エッジa5の線幅方向の凹凸(エッジラフネス)がエッジa4のエッジラフネスよりも大きくなっていることがわかる。
以下、実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図7は、本実施形態に係る電子ビーム露光装置のブロック図であり、図8は図7の電子ビーム露光装置のビーム整形部を示す図である。また、図9(a)〜(d)は図8のビーム整形部による電子ビームの整形方法を示す図である。
図7に示すように、本実施形態に係る電子ビーム露光装置100は、統合制御系21と、露光データメモリ23と、制御部31と、電子光学系コラム80と、試料室71とに大別される。このうち、電子光学系コラム80は、ビーム整形部80aと、基板偏向部80bとを備え、その内部は減圧されている。
図8に示すように、ビーム整形部80aは、電子ビームEB0を放出する電子銃101を備え、その電子銃101の下方(電子ビームの下流側)には、電子ビームEB0を切り取る第1ビーム整形部103が設けられている。第1ビーム整形部103は、図9(a)に示すように矩形状の開口によって形成されてなる第1アパーチャ103aを有している。
図8に示すように、第1ビーム整形部103の下方には、第1ビーム整形部103で整形された矩形状の電子ビームEB1を切り取る第2ビーム整形部140が設けられている。
第1ビーム整形部103と第2ビーム整形部140との間には、電子ビームEB1を第2ビーム整形部140上に結像させる第1電磁レンズ105及び第2電磁レンズ107が設けられている。また、第1電磁レンズ105と第2電磁レンズ107との間には、電子ビームEB1の結像位置を調整する第1偏向器104及び第1アライメント部508が設けられている。
図9(b)に示すように、第2ビーム整形部140には、開口によって形成されてなる第2アパーチャ140aが設けられており、第2アパーチャ140aと電子ビームEB1とが重なる部分が第2ビーム整形部140を通過して電子ビームEB2となる。
さらに、図8に示すように、第2ビーム整形部140の下方には第3ビーム整形部150が設けられており、その第2ビーム整形部140と第3ビーム整形部150との間には、第2偏向器111、第2アライメント部509、及び第3電磁レンズ112が設けられている。
電子ビームEB2は、第2偏向器111及び第2アライメント部509により第3ビーム整形部150上の所定位置に偏向され、第3電磁レンズ112により第3ビーム整形部150の上に結像される。
図9(c)に示すように、第3ビーム整形部150には開口によって形成されてなる第3アパーチャ150aが設けられており、この第3アパーチャ150aによって電子ビームEB2のエッジのうち、第1ビーム整形部103によって切り取られたエッジが除去される。ここで、第1ビーム整形部103で成形した電子ビームのエッジを除去するとは、第1ビーム整形部103を通過した電子ビームのエッジ付近の部分を下流側のビーム整形部140、150で反射、吸収又は散乱することで試料側に行かないようにすることをいう。
これにより、図9(d)に示す断面が矩形状の電子ビームEB3が得られる。
その後、図7に示すように、電子ビームEB3は、基板偏向部80bにより断面サイズが1/20〜1/50に縮小され、露光対象物である試料73の上に照射される。なお、基板偏向部80bの第4電磁レンズ118及び対物レンズ120はり電子ビームEB3を試料73の上に結像させ、露光位置偏向器119は試料73上の所望の照射位置に電子ビームEB3を偏向させる。
試料室71には、モータ等で水平方向に移動可能な試料ステージ72が設けられており、その試料ステージ72の上に露光対象物である試料73が固定される。試料ステージ72を移動させることにより、試料73の全面に露光を行うことができる。
制御部31は、電子銃制御部202と、電子光学系制御部203と、偏向制御部204と、ブランキング制御部206と、ステージ制御部207とを備えている。これらのうち、電子銃制御部202は、電子銃101を制御して、電子ビームEB0の加速電圧や電流密度等を制御する。
また、電子光学系制御部203は、電磁レンズ105、107、112及び対物レンズ120を制御する。
ブランキング制御部206は、電子ビームEB3を照射するか否かを決めるブランキング電極(不図示)への電圧を制御して、露光前に試料73上に電子ビームEB3が照射されるのを防ぐ。
ステージ制御部207は、試料ステージ72を移動させて試料73の所望の位置に電子ビームEB3が照射されるようにする。
偏向制御部204は、露光データメモリ23から露光データを読み込み、各ショット毎の電子ビームのサイズを表すビームサイズデータと電子ビームの試料上の照射位置を表す露光位置データとを生成する。
さらに偏向制御部204には、ビームサイズデータに基づいて動作する第1偏向補正部211及び第2偏向補正部212と、露光位置データに基づいて動作する露光位置制御部213とが設けられている。第1偏向補正部211は第1偏向器104及び第1アライメント部508への制御信号をドライバ211aを介して出力する。また、第2偏向補正部212は第2偏向器111及び第2アライメント部509への制御信号をドライバ212aを介して出力する。
露光位置制御部213は、露光位置データに基づいて、ドライバ213aを介して露光位置偏向器119に所定の偏向出力を設定する。
上記の制御部31の各部に動作指示を与える露光データは、統合制御系21によって作成される。その統合制御部21は、例えばワークステーションなどの計算機であり、露光対象となるパターンを表した設計データに基づいて各ショット毎の露光データを作成する。そして統合制御系21は、作成した露光データをバス22を介して露光データメモリ23に転送する。
以下、第1偏向補正部211及び第2偏向補正部212の動作について更に説明する。
第1偏向補正部211及び第2偏向補正部212は、ある特定の大きさの矩形状の基準ビームサイズ(S0x,S0y)のビームサイズデータに対応する第1アライメント部508及び第2アライメント部509への基準出力を設定する。この基準出力が第1アライメント部508及び第2アライメント部509に入力されると、基準ビームサイズ(S0x、S0y)の電子ビームが整形されるように動作する。
例えば、図9(b)の破線部に示すように、第1アライメント部508は、第2ビーム成形部140上の電子ビームEB1の結像位置の左下の隅が第2アパーチャ140aの右上の隅と重なるように電子ビームEB1を偏向する。
また、図9(c)の破線部に示すように、第2アライメント部509は、第3ビーム整形部150上の電子ビームEB2の結像位置の右上の隅が第3アパーチャ150aの左下の隅と重なるように電子ビームEB2を偏向する。
その結果、第1、第2偏向器104、111への出力が設定される前の時点で、ビームサイズがSx=Sy=0となる。
なお、基準ビームサイズ(S0x、S0y)の大きさ0でなくてもよく、例えば第1アパーチャ140a及び第2アパーチャ150aのサイズと同じとしてもよい。この場合には、第1偏向補正部211は、第2ビーム整形部104上の電子ビームEB1の結像位置の左下の隅が第2アパーチャ140aの左下の隅と重なるように第1アライメント部508の出力を設定する。また、第2偏向補正部212は、第3ビーム整形部150上の電子ビームEB2の結像位置の右上の隅が第3アパーチャ150aの右上の隅と重なるように第2アライメント部509の出力を設定する。
次に、基準ビームサイズ(S0x、S0y)が0である場合に、ビームサイズを(Sx、Sy)に増加させる場合について説明する。
この場合には、第1偏向補正部211は、第1偏向器104に対して所定の出力を設定し、第2ビーム整形部140上の電子ビームEB1の結像位置が第2アパーチャ140aに対して左下に移動するように偏向させる。これにより、図9(b)の斜線部に示すように、所定の大きさの電子ビームEB2が第2ビーム整形部140を通過する。
また、第2偏向補正部212は、第2偏向器111に対して所定の出力を設定し、第3ビーム整形部150上の電子ビームEB2の結像位置が第3アパーチャ150aに対して右上に移動するように変更させる。これにより、図9(c)の斜線部に示すように、ビームサイズ(Sx、Sy)の電子ビームEB3が整形される。
一方、基準ビームサイズ(S0x、S0y)の大きさが、第1アパーチャ140a及び第2アパーチャ150aと同じ大きさの場合に、ビームサイズを(Sx、Sy)に減少させる場合については以下のようになる。
この場合には、第1偏向補正部211は、第2ビーム整形部140上の電子ビームEB1の結像位置の左下の隅が右上に所定距離だけ移動するように第1偏向器104への出力を設定する。また、第2偏向補正部212は、第3ビーム整形部150上の電子ビームEB2の結像位置の右上の隅が左下に所定距離だけ移動するように第2偏向器111への出力を設定する。
このように、本実施形態ではビームサイズを変更する場合において、第1偏向器104と第2偏向器111とによる電子ビームの偏向方向を逆方向とすることで、常に、第1ビーム整形部103で切り出されたエッジを、電子ビームEB3から取り除くことができる。
図9(d)に示すように、電子ビームEB3のエッジ53a、53bは、第2アパーチャ140aのエッジに対応し、電子ビームEB3のエッジ53c、53dは、第3アパーチャ150aのエッジに対応する。すなわち、電子ビームEB3は、第2アパーチャ140a及び第3アパーチャ150aにより切り出されたエッジを含むが、第1アパーチャ103aで切り出されたエッジを含まない。
第2アパーチャ140aを通過する電子ビームEB2の電流値及び、第3アパーチャ150aを通過する電子ビームEB3の電流値は、電子ビームEB1の電流値に比べて小さい値となる。これにより、第2ビーム整形部140から第3ビーム整形部150までの間、及び第3整形部150から露光対象とする試料73までの間のクーロン相互作用の影響は小さくなる。
そのため、本実施形態の電子ビーム露光装置100によれば、電子ビームEB3のエッジ53a、53b、53c、53dのクーロン効果によるボケを小さくすることができ、大電流密度を実現しつつもシャープな電子ビームを試料73の表面に照射することができる。
以上の本実施形態の電子ビーム露光装置100によれば、電子ビームのボケを抑制しつつ、露光スループットを向上させることができる。
以下、電子ビーム露光装置100を用いた電子ビーム露光方法について説明する。
図10は、本実施形態に係る電子ビーム露光方法を示すフローチャートである。
図10に示すように、電子ビーム露光装置100の制御部31(図7参照)は、まずステップS10において初期設定を行ない、電子ビームEB0の加速電圧及び電流を所定値に設定する。また、電子光学系制御部203が電磁レンズ105、107、112、118及び対物レンズ120へ所定の電力を供給する。
次に、図10のステップS11に移行し、制御部31が露光データメモリ23から最初の露光データを読み込み、ステージ制御部207(図7参照)を用いて、試料73を最初の露光位置に移動させる。
次いで、ステップS12に移行して、制御部31(図7参照)の偏向制御部204が露光データに基づいて、照射する電子ビームEB3のサイズを表すビームサイズデータと、電子ビームEB3の照射位置座標を表す露光位置データを生成する。
その後、ステップS13に移行して、制御部31の第1偏向補正部211及び第2偏向補正部212が、ビームサイズデータで指定されたサイズの電子ビームを出力するのに必要な出力を設定する。
第1アライメント部508及び第2アライメント部509への出力については、先に図9(b)及び図9(c)を参照しつつ説明した方法により出力を設定する。
また、第1偏向補正部211及び第2成形偏向補正器212は、入力されたビームサイズデータ(Sx,Sy)に対して、座標変換に相当する下記の演算処理を実施することで、第1偏向器104及び第2偏向器111への出力を設定する。
すなわち、第1偏向補正部211は、第1偏向器104のx方向の補正値S1x及びy方向の補正値S1yを下記の式に基づいて求める。
1x=G1x・(Sx−S0x)+R1x・(Sy−S0y)+H1x・(Sx−S0x)・(Sy−S0y)+O1x … (1)
1y=G1y・(Sy−S0y)+R1y・(Sx−S0x)+H1y・(Sy−S0y)・(Sx−S0x)+O1y … (2)
また、第2偏向補正部212は、第2偏向器111のx方向の補正値S2x及びy方向の補正値S2yを下記の式に基づいて求める。
2x=G2x・(Sx−S0x)+R2x・(Sy−S0y)+H2x・(Sx−S0x)・(Sy−S0y)+O2x … (3)
2y=G2y・(Sy−S0y)+R2y・(Sx−S0x)+H2y・(Sy−S0y)・(Sx−S0x)+O2y … (4)
ここで、Gは倍率の補正係数であり、Rは回転成分の補正係数であり、Hは歪み成分の補正係数であり、Oはオフセット成分の補正係数である。
また、(S0x、S0y)は基準ビームサイズであり、ビームサイズデータ(Sx、Sy)が基準ビームサイズ(S0x、S0y)のときに、補正演算後の第1偏向器104及び第2偏向器111への出力はほぼゼロとなる。このとき、露光対象試料73上で基準ビームサイズ(S0x、S0y)を所定の倍率で縮小した電子ビームEB3が得られ、且つ、第2、第3アパーチャ140a、150aの異なる隅に電子ビームが当たるように、アライメント508、609への出力を設定する。
さらに、係数G1x,R1x、H1x、G1y、R1y、H1y,及び係数G2x、R2x、H2x、G2y、R2y、H2yを適切に設定する。これにより、常に試料73上の電子ビームEB3のエッジが第2、第3アパーチャ140a、150aによって切り取られたエッジのみとすることができる。
また、ステップS13において、露光位置補正部213は露光位置データ(X、Y)に基づいて下記の式により露光位置偏向器119への偏向出力を求める。ここで、(Xout、Yout)は、露光位置偏向器119のX方向及びY方向の偏向出力を表す。
out=gx・X+rx・Y+hx・X・Y+ox …(5)
out=gy・Y+ry・X+hy・X・Y+oy …(6)
次に、ステップS14に移行して、制御部31のドライバ211a、212a、213aが、補正部211、212、213で算出した補正値に対応する偏向出力を、それぞれ第1、第2アライメント部508、509、第1偏向器104、第2偏向器111及び露光位置偏向器119に与える。
以上により、電子ビームEB3のサイズ及び照射位置が定まり露光の準備が完了する。
その後、ステップS15に移行して、制御部31のブランキング制御部206がブランカ(不図示)を所定の時間だけ作動させて、電子ビームEB3を試料73に照射する。
これにより、1回のビーム照射(ショット)が完了する。
その後、ステップS16に移行して、制御部31は、露光データメモリ23から次の露光データを読み出し、現在のステージ位置での露光が完了したか否かを判断する。ステップS16において、制御部31がそのステージ位置での露光が完了していないと判断した場合(NO)には、ステップS12に移行して次の露光データに基づいた露光を行う。
また、ステップS16において、制御部31がそのステージ位置での露光が完了したと判断した場合(YES)には、ステップS17に移行する。
次のステップS17では、制御部31が露光データに基づいて試料全体の露光が完了したか否かを判断する。試料全体の露光が完了していないと判断した場合(NO)には、ステップS11に移行して、制御部31のステージ制御部207が試料ステージ72を移動させて試料73を次のステージ位置に移動させる。
一方、ステップS17において、制御部31が試料全体の露光が完了したと判断した場合(YES)には、露光処理を終了する。
以上により、本実施形態に係る電子ビームの露光が完了する。
本実施形態によれば、試料73に照射される電子ビームEB3のエッジには、ボケ量の大きな第1アパーチャ103aのエッジが含まれない。そのため、電子ビームの電流密度を増加させても、電子ビームのボケ量を抑制することができ、高い精度を維持しつつ、ステップS15における電子ビームの照射時間が短縮される。これにより、スループットが向上する。
(第2実施形態)
図11は、本実施形態に係る電子ビーム露光装置のブロック図である。
本実施形態に係る電子ビーム露光装置200はCP方式の電子ビーム露光が可能となっている点で図7に示す可変整形方式の電子ビーム露光装置100と異なる。なお、本実施形態の電子ビーム露光装置200において、図7、図8に示す電子ビーム露光装置100と同様の構成については、同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図11に示すように、本実施形態に係る電子ビーム露光装置200は、コラムセル81のビーム整形部81aにおいて、第1ビーム整形部103と、第1偏向器104と、第2ビーム整形部140と、電磁レンズ105、107を備えている。
また、ビーム整形部81aには、複数の開口パターンを有するCPマスク110が設けられている。このCPマスク110上の開口パターンは、CPマスク偏向器124a、124bによって選択され、開口パターンを通過した電子ビームEB3は、振戻偏向器125a、125bによって光軸に振り戻される。
電磁レンズ118、露光位置偏向器119、対物レンズ120、及び試料室71は、図7の電子ビーム露光装置100と同様である。
一方、制御部32は、偏向制御部204及びマスク基板制御部205において図7の制御部31と相違する。このうち、マスク基板制御部205は、CPマスク偏向器124a、124bの偏向範囲を超える部分にある開口パターンを使用する場合に、CPマスク110を移動させるための制御信号をCPマスク110を保持するマスクステージに与える。
一方、偏向制御部204は、露光データメモリ23から露光データを読み出し、各ショットのビームサイズを規定するビームサイズデータ、電子ビームの照射位置を規定する露光位置データ及び使用する開口パターンを規定するCP選択偏向データを発生する。
ビームサイズ偏向データ補正部221、222は、ビームサイズデータに対してそれぞれ第2ビーム整形部140及びCP露光用マスク110上の電子ビームの照射位置への座標変換に相当する補正演算を施す。また、CP選択偏向データ補正部223は、CP選択偏向データに基づいてCP露光用マスク110上の照射位置への座標変換に相当する補正演算を施してCPマスク偏向器124a、124bへの出力を設定する。さらに、CP選択偏向データ補正部224は振戻偏向器125a、125bへの出力値を演算する。
露光位置データ補正部225は、露光位置データに座標変換に相当する補正演算を行う。
上記の補正部221、222、223、224、225の演算結果はそれぞれドライバ221a、223a、224a、225aを介して偏向器104、125、119の駆動電力として出力される。なお、ビームサイズ偏向データ補正部222の演算結果とCP選択偏向データ補正部223の演算結果とは予め加算されてドライバ223aに入力される。
以下、電子ビーム露光装置200による電子ビームの整形方法について説明する。
図12は図11に示す電子ビーム露光装置のビーム整形部を示す図であり、図13(a)〜(c)は図12のビーム整形部における電子ビームの整形方法を示す図である。
図12に示すように、電子銃101から放出された電子ビームEB0は、第1ビーム整形部103の第1アパーチャ103aによって切り取られ、断面が矩形状の電子ビームEB1に整形される。
次いで、電子ビームEB1は、第1偏向器104及び第1アライメント部508により、第2ビーム整形部140の第2アパーチャ140a上に導かれる。そして、電磁レンズ105、107によって第1アパーチャ103aの像が第2ビーム整形部140上に結像される。これにより、図13(a)に示すように電子ビームEB1の一部が第2アパーチャ140aで切り取られて断面が矩形状の電子ビームEB2に整形される。
図12に示すように、電子ビームEB2はCPマスク偏向器124a、124bにより、CP露光用マスク110の所定の開口パターン上に導かれる。そして、電子ビームEB2の像が電磁レンズ108によってCP露光用マスク110の上に結像される。これにより、図13(b)に示すように電子ビームEB2の一部が開口パターン110dで切り取られる。
本実施形態では、電子ビームのサイズを予め設定された基準ビームサイズ(S0x、S0y)を中心に変化させる。ビームサイズ(Sx、Sy)を変えるときは、第1偏向器104による第2ビーム整形部140上への電子ビームEB1の照射位置と、CPマスク偏向器124a、124bによるCP露光用マスク110上への電子ビームEB2の照射位置とを逆方向に移動させる。
これにより、図13(c)に示すように、第2アパーチャ140a及びCP露光用マスク110の開口パターンに切り取られたエッジのみを有する電子ビームEB3が得られる。すなわち、電子ビームEB3から第1アパーチャ103aで切り取られたエッジを除去できる。
したがって、本実施形態によれれば、電子ビームEB1におけるボケの影響を防ぐことができ、大電流密度を維持しつつ高精度な露光を行うことができる。
21…統合制御系、22…バス、23…露光データメモリ、31…制御部、71…試料室、72…試料ステージ、73…試料、80、81…電子光学系コラム、80a、81a…ビーム整形部、80b、81b…基板偏向部、100、200…電子ビーム露光装置、101…電子銃、103…第1ビーム整形部、103a…第1アパーチャ、104…第1偏向器、105、107、108、112、118、120…電磁レンズ、110…CP露光用マスク、110a〜110d…開口パターン、111…第2偏向器、119…露光位置偏向器、140…第2ビーム整形部、140a…第2アパーチャ、150…第3ビーム整形部、150a…第3アパーチャ、124a、124b…CPマスク偏向器、125a、125b…振戻偏向器、202…電子銃制御部、203…電子光学系制御部、204…偏向制御部、205…マスク基板制御部、206…ブランキング制御部、207…ステージ制御部、211、212、213、221、222、223、224、225…補正部、211a。212a、213a、221a、223a、224a、225a…ドライバ、508…第1アライメント部、509…第2アライメント部。

Claims (5)

  1. 電子ビームを放射する電子銃と、
    前記電子ビームを整形する第1の開口を有する第1ビーム整形部と、
    前記第1の開口を通過した電子ビームを偏向させる第1偏向器と、
    前記第1の開口を通過した電子ビームの一部分を通過させる第2の開口を有する第2ビーム整形部と、
    前記第2の開口を通過した電子ビームを偏向させる第2偏向器と、
    前記第2ビーム整形部を通過した電子ビームの一部分を通過させる第3の開口を有する第3ビーム整形部と、
    前記第1偏向器及び第2偏向器を制御することにより、基準ビームサイズを中心にして前記第1偏向器による偏向量及び第2偏向器による偏向量を互いに逆向きに変化させ、電子ビームのサイズ調整を行うことで、前記第1の開口によって形成された前記電子ビームのエッジを、前記第3の開口を通過した電子ビームから除去し、前記第2の開口及び第3の開口のみによって整形された電子ビームを生成させる制御部と、
    を備えたことを特徴とする電子ビーム露光装置。
  2. 前記第1の開口、第2の開口、及び第3の開口は矩形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  3. 前記第1の開口、第2の開口は矩形パターンであり、前記第3の開口は複数の開口パターンが形成されたCP露光用マスクの中の開口パターンの何れかから選択された開口パターンであることを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  4. 前記第1ビーム整形部と第2ビーム整形部との間に配置され、前記第1開口を通過した電子ビームを前記第2の開口の上に結像させる第1電磁レンズと、
    前記第2ビーム整形部と第3ビーム整形部との間に配置され、前記第2開口を通過した電子ビームを前記第3の開口の上に結像させる第2の電磁レンズと、
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の電子ビーム露光装置。
  5. 電子ビームを放射する電子銃と、前記電子ビームを整形する第1の開口を有する第1ビーム整形部と、前記第1の開口を通過した電子ビームを偏向させる第1偏向器と、前記第1の開口を通過した電子ビームの一部分を通過させる第2の開口を有する第2ビーム整形部と、前記第2の開口を通過した電子ビームを偏向させる第2偏向器と、前記第2ビーム整形部を通過した電子ビームの一部分を通過させる第3の開口を有する第3ビーム整形部と、前記第1偏向器及び第2偏向器を制御して基準ビームサイズを中心にして前記第1偏向器による偏向量及び第2偏向器による偏向量を互いに逆向きに変化させ、電子ビームのサイズ調整を行う制御部とを備えた電子ビーム露光装置を用いた電子ビーム露光方法であって、
    前記第1偏向器を用いて前記第1の開口を通過した電子ビームの一部を前記第2の開口で切り取るステップと、
    前記第2偏向器を用いて前記第2の開口を通過したビームのうち前記第1の開口によって形成されたエッジを前記第3の開口で除去するステップと、
    により電子ビームを整形することを特徴とする電子ビーム露光方法。
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