JP5577576B2 - 液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品、燃料タンク部品、燃料チューブ、燃料配管用継手、クイックコネクター、及び燃料配管部 - Google Patents
液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品、燃料タンク部品、燃料チューブ、燃料配管用継手、クイックコネクター、及び燃料配管部 Download PDFInfo
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Description
しかしながら、このポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分として蓚酸を用い、ジアミン成分として1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン及び1,6−ヘキサンジアミンの3種のジアミンを特定の比率で用いたポリオキサミド樹脂ではない。
[態様1]
ジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物(以下において「C9ジアミン混合物」ともいう。)及び1,6−ヘキサンジアミン(以下において「C6ジアミン」ともいう。)からなり、かつC9ジアミン混合物とC6ジアミンのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂を用いて作製された、液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品。
上記ポリアミド樹脂の、96%硫酸を溶媒とし、濃度が1.0g/dlのポリアミド樹脂溶液を用いて25℃で測定した相対粘度(ηr)が、1.8〜6.0である、態様1に記載の液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品。
[態様3]
上記ポリアミド樹脂の、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温速度で測定した熱重量分析における1%重量減少温度と、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温速度で測定した示差走査熱量法により測定した融点との温度差が、50℃以上である、態様1又は2に記載の液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品。
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が5:95〜95:5である、態様1〜3のいずれか一つに記載の液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品。
[態様5]
態様1〜4のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂成形部品から作製した燃料タンク部品。
[態様6]
前記ポリアミド樹脂成形部品のポリアミド樹脂のアミノ末端基濃度が、1.5×10-5eq/g〜1.0×10-4eq/gである、態様5に記載の燃料タンク部品。
[態様7]
前記ポリアミド樹脂の層が層状ケイ酸塩を含む態様1〜4のいずれかに記載の燃料チューブ。
[態様8]
前記ポリアミド樹脂の層と、フッ素樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリアミド11樹脂及び/又はポリアミド12樹脂に可塑剤を含む樹脂から選択された樹脂の層とを含む多層チューブである態様7に記載の燃料チューブ。
[態様9]
前記継手材料が、さらに強化材を含む態様1〜4のいずれかに記載の燃料配管用継手。
[態様10]
前記継手材料が、さらに導電性フィラーを含む態様9に記載の燃料配管用継手。
[態様11]
前記継手材料が、さらに強化材と導電性フィラーを重量比で1:3〜3:1の割合で含む態様10に記載の燃料配管用継手。
[態様12]
態様9〜11記載の継手材料により筒状本体部が形成されてなることを特徴とする燃料配管用クイックコネクター。
[態様13]
シール材としてO−リングが使用されている態様12記載の燃料配管用クイックコネクタ
ー。
[態様14]
態様12記載のクイックコネクターが、スピン溶着、振動溶着、レーザー溶着、超音波溶着から選ばれる溶着方法によりポリアミド樹脂チューブと接合されてなる燃料配管部品。
[態様15]
態様14記載のポリアミド樹脂チューブがバリア層を含む請求項7記載の多層チューブである燃料配管部品。
[ポリアミド樹脂]
本発明に用いられるポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン及び1,6−ヘキサンジアミンから成り、そしてC9ジアミン混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミン)と1,6−ヘキサンジアミンとのモル比が1:99〜99:1である。
本発明に用いられるポリアミド樹脂は、ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法により製造することができる。本発明者らの研究によれば、ジアミン及び蓚酸ジエステルをバッチ式又は連続式で重縮合反応させることにより、上記ポリアミド樹脂を重合することが好ましい。具体的には、以下の操作で示されるような、(i)前重縮合工程、(ii)後重縮合工程の順で行うのが好ましい。
まず原料の蓚酸ジエステルを容器内に仕込む。容器は、後に行う重縮合反応の温度および圧力に耐え得るものであれば、特に制限されない。その後、容器を原料のジアミンと混合する温度まで昇温させ、次いでジアミンを注入し重縮合反応を開始させる。原料を混合する温度は、原料の蓚酸ジエステルおよびジアミンの融点以上、沸点未満の温度であり、かつシュウ酸ジエステルとジアミンの重縮合反応によって生じるポリオキサミドが熱分解しない温度であれば特に制限されない。例えば、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミンの混合物からなり、かつC9ジアミン混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物)と1,6−ヘキサンジアミンのモル比が1:99〜99:1であるジアミンとシュウ酸ジブチルを原料とするポリオキサミド樹脂の場合、上記混合温度は15℃から300℃が好ましい。また、C9ジアミン混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物)と1,6−ヘキサンジアミンのモル比は、5:95〜90:10の場合、常温で液状か又は50℃程度に加温するだけで液化するので取り扱いやすいためより好ましい。混合温度が縮合反応によって生成するアルコールの沸点以上の場合、アルコールを留去、凝縮する装置を備えた容器を用いるのが望ましい。また、縮合反応によって生成するアルコール存在下で加圧重合する場合には、耐圧容器を用いる。シュウ酸ジエステルとジアミンの仕込み比は、シュウ酸ジエステル/上記ジアミンで、0.8〜1.2(モル比)、好ましくは0.91〜1.09(モル比)、更に好ましくは0.98〜1.02(モル比)である。
本発明に用いられるポリアミド樹脂の分子量に特別の制限はないが、1.0g/dlの96%濃硫酸溶液を用い、25℃で測定した相対粘度ηrが1.8〜6.0、より好ましくは2.0〜5.5、特に好ましくは2.5〜4.5の範囲にあるような分子量である。分子量が低くなるとポリアミド樹脂成形部品が脆くなり物性が低下する傾向がある。一方、分子量が高くなると溶融粘度が高くなり、溶融成形性が悪くなる傾向がある。
本明細書において、用語「液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品」は、液体又は蒸気に対するバリア性を有する、ポリアミド樹脂を用いて成形された部品を意味する。液体としては、高極性液体、例えば、水、アルコール等、低極性液体、例えば、燃料、例えば、ガソリン、軽油、フルオロカーボン等が挙げられる。蒸気としては、上記液体の蒸気が上げられる。
本発明の液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品は、上記ポリアミド樹脂から作製されるが、当該ポリアミド樹脂成形部品は、上記ポリアミド樹脂以外に、任意成分として、さらに以下の成分を含むことができる。
本発明に用いられるジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン及び1,6−ヘキサンジアミンから成り、そしてC9ジアミン混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミン)と1,6−ヘキサンジアミンのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、その一部を他のポリマー成分で置換されうる。他のポリマー成分としては、例えば、他のポリアミド類、例えば、ポリオキサミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミド等、並びにポリアミド以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマー、エラストマーが挙げられる。
なお、以下単に、「ポリアミド」、又は「ポリアミド樹脂」と称する場合には、ジカルボン酸成分が蓚酸から成り、ジアミン成分が1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン及び1,6−ヘキサンジアミンから成り、そしてC9ジアミン混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミン)と1,6−ヘキサンジアミンのモル比が1:99〜99:1であるポリアミド樹脂のことを指すものとする。
また、本発明の液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の添加剤を含むことができる。他の添加剤として、例えば、顔料、染料、着色剤、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、結晶核剤、結晶化促進剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、銅化合物等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、ガラス繊維、潤滑剤、フィラー、補強繊維、補強粒子、発泡剤等を挙げることができる。
本発明の液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品は、上記ポリアミド樹脂を用いることにより高い液体又は蒸気バリア性を有しているが、当該ポリアミド樹脂成形部品に層状珪酸塩をさらに含ませて、本発明のポリアミド樹脂成形部品の液体又は蒸気バリア性をさらに向上させることができる。
適用可能な用途としては、例えば、ガソリンタンク、アルコールタンク、フユーエルチューブ、フユーエルストレーナー、ブレーキオイルタンク、クラッチオイルタンク、パワーステアリングオイルタンク、クーラー用フルオロカーボンチューブ、フルオロカーボンタンク、キャニスター、エアークリーナー、吸気系部品、タイヤインナーライナー、タンクバルブ、フューエルデリバリーパイプ、クイックコネクター、EGR部品、オイルストレーナー等を例示することができる。
本発明の燃料タンク部品は、射出、押出、中空、プレス、ロール、発泡、真空・圧空、延伸など、その用途に応じた従来公知の成形方法を用いて成形し、振動溶着工法、ダイスライドインジェクション、ダイロータリーインジェクションや二色成形といった射出溶着工法、超音波溶着工法、スピン溶着工法、熱板溶着工法、熱線溶着工法、レーザー溶着工法、高周波誘導加熱溶着工法などを用いて対象物に適用できる。なお、燃料タンク部品の形成時において、ポリアミド樹脂の温度は、該ポリアミド樹脂を変質させない温度に維持することが好ましい。
本発明の燃料チューブは、上記のポリアミド樹脂層を含むことを特徴とし、単層のチューブとして用いることができるが、上記組成物層以外の層(以下、他の樹脂層という)と積層した多層チューブとして用いることが好ましい。実用の自動車用燃料チューブでは多層チューブが多く用いられている。
本発明の継手材料の製造は、射出成形法その他、樹脂製継手の製造方法として公知のいずれの方法によってもよい。
本発明の燃料配管用継手の具体例としては、上記継手材料により筒状本体部が形成されてなる燃料配管用クイックコネクターが挙げられる。
特性値を、以下の方法により測定した。
(1)相対粘度(ηr)
ηrは、ポリアミドの96%硫酸溶液(濃度:1.0g/dl)を用いて、オストワルド型粘度計により25℃で測定した。
Tm及びTcは、PerkinELmer社製PYRIS Diamond DSC用いて窒素雰囲気下で測定した。30℃から300℃まで10℃/分の速度で昇温し(昇温ファーストランと呼ぶ)、300℃で3分保持したのち、−100℃まで10℃/分の速度で降温し(降温ファーストランと呼ぶ)、次に300℃まで10℃/分の速度で昇温した(昇温セカンドランと呼ぶ)。得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度をTc、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度をTmとした。
Tdは島津製作所社製THERMOGRAVIMETRIC ANALYZER TGA−50を用い、熱重量分析(TGA)により測定した。20ml/分の窒素気流下室温から500℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、Tdを測定した。
(4)溶融粘度
溶融粘度はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製溶融粘弾性測定装置ARESに25mmのコーン・プレートを装着して、窒素中、290℃、せん断速度0.1s-1の条件で測定した。
東邦マシナリー社製真空プレス機TMB−10を用いて、ペレットからフィルムを成形した。500〜700Paの減圧雰囲気下において290℃(PA6では樹脂温度260℃、PA66では樹脂温度290℃、PA12では樹脂温度230℃)で5分間加熱溶融させた後、5MPaで1分間プレスを行いフィルム成形した。次に減圧雰囲気を常圧まで戻したのち室温5MPaで1分間冷却結晶化させてフィルムを得た。
上記(5)の条件で成形したフィルム(寸法:20mm×10mm、厚さ0.25mm;質量約0.05g)を23℃のイオン交換水に浸漬し、所定時間ごとにフィルムを取り出し、フィルムの質量を測定した。フィルム質量の増加率が0.2%の範囲内で3回続いた場合にポリアミド樹脂フィルムへの水分の吸収が飽和に達したと判断して、水に浸漬する前のフィルムの質量(Xg)と飽和に達した時のフィルムの質量(Yg)から次の式(1)により飽和吸水率(%)を算出した。
飽和吸水率(%)=100×(Y−X)/X (1)
本発明によって得られるポリアミドの熱プレスフィルムを以下に列挙する薬品中に7日間、23℃で浸漬した後に、フィルムの質量残存率(%)及び外観の変化を観測した。濃塩酸、64%硫酸、氷酢酸について試験を行った。
本発明のポリアミド樹脂成形部品の材料で熱プレスフィルムを作成し、当該熱プレスフィルムを、オートクレーブに入れ、水(pH=7)、0.5mol/l硫酸(pH=1)又は1mol/l水酸化ナトリウム水溶液(pH=14)内で、121℃、60分間処理した後の重量残存率(%)及び外観変化を調べた。
以下に示す〔1〕〜〔4〕の測定は、下記の試験片を樹脂温度290℃(PA6では樹脂温度260℃、PA66では樹脂温度290℃、PA12では樹脂温度230℃)、金型温度80℃の射出成形により成形し、これを用いて行った。成形後に未調湿、23℃で測定したデータをdry、成形後に湿度65%RHで調湿し、23℃で測定したデータをwetとして表中に記載した。
〔1〕引張降伏点強度又は引張強度:ASTM D638に記載のTypeIの試験片を用いてASTM D638に準拠して測定した。成形後に未調湿、23℃で測定したデータをdry、成形後に湿度65%RHで調湿し、23℃で測定したデータをwetとして表中に記載した。
〔2〕曲げ弾性率:試験片寸法3.2mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D790に準拠し測定した。
〔3〕アイゾット衝撃強度:試験片寸法3.2mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D256に準拠し、23℃で測定した。
〔4〕荷重たわみ温度(熱変形温度):試験片寸法3.2mm×12.7mm×127mmの試験片を用いてASTM D648に準拠し、荷重1.82MPaで測定した。
23℃及び湿度65%RHの条件下に置いた以外は、(6)飽和吸水率の測定方法に従って、吸水率(%)を算出した。
ステンレス製の容器にエタノールを50ml入れ、(5)の条件で成形したフィルムを用いて、PTFE製のガスケットをかませた容器に蓋をし、ねじ圧力にて締め付けた。カップを60℃恒温槽に入れ、槽内は窒素を50ml/minで流した。重量の経時変化を測定し、時間当たりの重量変化率が安定した時点で、エタノール蒸気透過係数を次式から計算した。試料の透過面積は78.5cm2である。
エタノール蒸気透過係数(g・mm/m2・day)=[透過重量(g)×フィルム厚さ(mm)]/[透過面積(mm2)×日数(day)×圧力(atom)]
JIS Z0208に従い、射出成形で成形したφ75mm、厚み1mmの試験片を用いて測定雰囲気温度60℃でのE10燃料透過試験を行った。燃料にはイソオクタンとトルエンを体積比で1:1としたFuelCにエタノールを10%混合して用いた。また、燃料透過測定試料面には常に燃料が接触するように透過面を下向きにして設置した。
E10燃料透過係数(g・mm/m2・day)=[透過重量(g)×フィルム厚さ(mm)]/[透過面積(mm2)×日数(day)×圧力(atom)]
(株)日本製鋼所製のスクリュー径30mmの押出機(シリンダー温度260〜290℃)を用いて、外径1/2インチ、厚み1mmのチューブを調製した。このチューブを300mmの長さに切断し、その中に水分吸収剤である塩化カルシウムを充満するまで充填し、密封した。次に、このチューブを40℃で相対湿度90%の雰囲気中に10日以上放置し、1日の平均的な単位面積当たりの透湿度を測定した。
(5)の条件で成形したフィルムを、23℃の飽和塩化カルシウム水溶液に浸漬した。一日後、フィルムの外観を目視で観察し、クラックの有無を評価した。
以下の方法で部品1と部品2とが接合されたテストピース(ASTM D638に記載のTypeIの試験片)を作製した。すなわち、金型に後述の部品2の形状の金属片をインサートし、無水マレイン酸にて変性されたポリエチレンを用いて部品1の成形を行った。次に、部品1を十分に冷却した後金型内にインサートし、評価対象の樹脂を用いて部品2の形状に成形することによりテストピースを得た。このテストピースを用い、引張速度毎分50mmで部品1と部品2との境界面から剥離するか境界面以外の部分で破壊する(基材破壊)までの最大引張強度を測定し、初期接着強度とした。
初期接着強度の評価と同様の手順で成形された試験片をオートクレーブに入れ、FuelC+エタノール10%混合燃料を同試験片が完全に浸漬するまで封入した。そのオートクレーブを60℃温水槽内に350時間放置した。その後取出した試験片について上記と同様に最大引張強度を測定し、燃料浸漬後接着強度とした。
多層チューブ成形用装置として、内層用押出機、中間層用押出機および外層用押出機を備え、この3台の押出機から吐出された樹脂をアダプターによって集めチューブ状に成形するダイス、チューブを冷却し寸法を制御するサイジングダイおよび引き取り機などからなる装置を用い、チューブ断面の内径6mm、外径8mmの多層チューブを作製した。チューブの内層、中間層および外層の厚さは表2に示した。得られた多層チューブの低温衝撃性はSAE J844に準拠して測定した。
30cmにカットしたチューブの片端を密栓し、内部に市販ガソリンとエチルアルコールを1:1に混合したアルコールガソリンを入れ、残りの片端も密栓した後、全体の重量を測定し、次いで試験チューブを60℃のオーブンに入れ、重量変化(g/24時間)を測定し燃料透過性を評価した。
燃料透過試験後のチューブの表面を目視で観察して、クラックの有無を調べた。
外径8mm、肉厚2mm、長さ100mmの継手を作成し、その片端を密栓し、内部にFuelC(イソオクタン/トルエン=50/50体積比)とエタノールを90/10体積比に混合したエタノール/ガソリンを入れ、残りの端部も密栓した。その後、全体の重量を測定し、次いで継手を60℃のオ−ブンに入れ、重量変化を測定し、燃料透過性(透過量とその内に含まれる炭化水素成分の量を(HC量)の両者を示す)を評価した。
ASTMD−257に準拠して測定した。
攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、ダイアフラムポンプを直結した原料投入口、窒素ガス導入口、放圧口、圧力調節装置及びポリマー抜出し口を備えた内容積が約150リットルの圧力容器にシュウ酸ジブチル28.230kg(139.56モル)を仕込み、圧力容器の内部を純度が99.9999%の窒素ガスで0.5MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返し、窒素置換を行った後、封圧下、攪拌しながら系内を昇温した。約30分間かけてシュウ酸ジブチルの温度を100℃にした後、1,9−ノナンジアミン1.241kg(7.84モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン19.639kg(124.04モル)と1,6−ヘキサンジアミン0.893kg(7.68モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が5.62:88.88:5.50)をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を235℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.75MPaに調節した。重縮合物の温度が235℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を260℃にし、260℃において4.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.13であった。
シュウ酸ジブチル28.462kg(140.71モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン16.448kg(103.88モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン2.903kg(18.34モル)と1,6−ヘキサンジアミン2.150kg(18.50モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が73.83:13.03:13.14)を仕込んだほかは、製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーで、ηr=2.97であった。
シュウ酸ジブチル30.238kg(149.49モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン4.486kg(28.33モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン4.486kg(28.33モル)と1,6−ヘキサンジアミン10.79kg(92.85モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が18.95:18.95:62.10)をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1.5時間かけて温度を270℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を1.00MPaに調節した。重縮合物の温度が270℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を285℃にし、285℃において1.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=2.88であった。
シュウ酸ジブチル29.864kg(147.64モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン5.598kg(35.36モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン5.598kg(35.36モル)と1,6−ヘキサンジアミン8.941kg(76.92モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が23.95:23.95:52.10)をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を250℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を1.00MPaに調節した。重縮合物の温度が250℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を270℃にし、270℃において2時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=2.83であった。
シュウ酸ジブチル29.107kg(143.89モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン5.641kg(35.63モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン10.028kg(63.34モル)と1,6−ヘキサンジアミン5.223kg(44.93モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンと1,6−ヘキサンジアミンのモル比が24.76:44.02:31.22)をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を250℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.75MPaに調節した。重縮合物の温度が240℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を265℃にし、265℃において3時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.11であった。
蓚酸ジブチル28.40kg(140.4モル)を仕込み、1,9−ノナンジアミン11.11kg(70.2モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン11.11kg(70.2モル)の混合物をダイアフラムフポンプにより流速1.49リットル/分で約17分間かけて反応容器内に供給すると同時に昇温した。供給直後の圧力容器内の内圧は、重縮合反応により生成したブタノールによって0.35MPaまで上昇し、重縮合物の温度は約170℃まで上昇した。その後、1時間かけて温度を235℃まで昇温した。その間、生成したブタノールを放圧口より抜き出しながら、内圧を0.5MPaに調節した。重縮合物の温度が235℃に達した直後から放圧口よりブタノールを約20分間かけて抜き出し、内圧を常圧にした。常圧にしたところから、1.5リットル/分で窒素ガスを流しながら昇温を開始し、約1時間かけて重縮合物の温度を260℃にし、260℃において4.5時間反応させた。その後、攪拌を止めて系内を窒素で1MPaに加圧して約10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重縮合物を圧力容器下部抜出口より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、水冷した紐状の樹脂はペレタイザーによってペレット化した。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであり、ηr=3.35であった。
ジアミン原料として1,9−ノナンジアミン22.25kg(140.4モル)だけを用いて、製造例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られた重合物は黄白色のポリマーであり、ηr=2.78であった。
製造例1〜5で調製したPA92/62T−1〜PA92/62T−5、並びに比較例1のPA6及び比較例2のPA12の液体又は蒸気バリア性を、表2に示す。
製造例1〜5で調製したPA92/62T−1〜PA92/62T−5、並びに上述のPA6、PA66及びPA12を用いて、射出成形によりガソリンタンク及びフユーエルチューブを製造した。PA92/62T−1〜PA92/62T−5は、PA6、PA66及びPA12と同等以上の成形性を有していた。
製造例1〜5、参考製造例1及び比較製造例1で製造したポリアミドPA92/62T−1〜PA92/62T−5、ナイロン6(宇部興産製、UBEナイロン1015B:PA6)、及びナイロン12(宇部興産製、UBESTA3020U:PA12)並びに表2に示す成分との混合物を用いて、表4に示す層構成を有する燃料チューブを同時押出で製造した。なお、42中、PA12はナイロン12であり、ベンゼンスルホン酸ブチルアミドは可塑剤であり、宇部興産製Uボンドはマレイン酸変性ポリエチレン(UボンドF1100)である。
この評価結果を表4に示す。
〔実施例14〕
PA92/62T−1を用いてASTM規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。表5の「ジアミン成分比」は1,9−ノナンジアミン/1,8−メチル−2−オクタジアミン/1,8−メチル−2−オクタジアミンの組成比である(以下の実施例2〜7において同じ。)表5の通り、コネクターに必要な剛性がナイロン12より優れており、物理的に適した継手であり、また、燃料透過試験から燃料バリア性に優れること、特に有害な炭化水素成分のバリア性に優れることが示された。
PA92/62T−2を用いてASTM 規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。表5の通り、コネクターに必要な剛性がナイロン12より優れており、物理的に適した継手であり、また、燃料透過試験から燃料バリア性に優れること、特に有害な炭化水素成分のバリア性に優れることが示された。
PA92/62T−5を用いてASTM 規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。表5の通り、コネクターに必要な剛性がナイロン12より優れており、物理的に適した継手であり、また、燃料透過試験から燃料バリア性に優れること、特に有害な炭化水素成分のバリア性に優れることが示された。
PA92/62T−1にガラスファイバー(日東紡績株式会社製CS−3J−265S)30質量%を日本製綱製TEX44二軸押出機にて混練し、ストランドを冷却水槽にて冷却固化した後、ペレタイザーにてペレット状試料を得た。この試料を用いてASTM 規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。表5の通り、コネクターに必要な剛性がナイロン12より優れており、物理的に適した継手であり、また、燃料透過試験から燃料バリア性に優れること、特に有害な炭化水素成分のバリア性に優れることが示された。
PA92/62Tにガラスファイバー(日東紡績株式会社製CS−3J−265S)30質量%を日本製綱製TEX44二軸押出機にて混練し、ストランドを冷却水槽にて冷却固化した後、ペレタイザーにてペレット状試料を得た。この試料を用いてASTM規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。表5の通り、コネクターに必要な剛性がナイロン12より優れており、物理的に適した継手であり、また、燃料透過試験から燃料バリア性に優れること、特に有害な炭化水素成分のバリア性に優れることが示された。
PA92/62Tにガラスファイバー(日東紡績株式会社製CS−3J−265S)15質量%,カーボンファイバー(三菱化学製K223SE)15質量%を日本製綱製TEX44二軸押出機にて混練し、ストランドを冷却水槽にて冷却固化した後、ペレタイザーにてペレット状試料を得た。この試料を用いてASTM規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。表5の通り、コネクターに必要な剛性がナイロン12より優れており、物理的に適した継手であり、また、燃料透過試験から燃料バリア性に優れること、特に有害な炭化水素成分のバリア性に優れることが示された。
PA92/62Tにガラスファイバー(日東紡績株式会社製CS−3J−265S)15重量%, カーボンファイバー(三菱化学製K223SE)15質量%を日本製綱製TEX44二軸押出機にて混練し、ストランドを冷却水槽にて冷却固化した後、ペレタイザーにてペレット状試料を得た。この試料を用いてASTM規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。表5の通り、コネクターに必要な剛性がナイロン12より優れており、物理的に適した継手であり、また、燃料透過試験から燃料バリア性に優れること、特に有害な炭化水素成分のバリア性に優れることが示された。
ナイロン12(宇部興産製3020U)でASTM規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。
ガラスファイバー30質量%入りナイロン12(宇部興産製3024GC6)でASTM規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。
ナイロン66(宇部興産製2020B)でASTM規格に沿ったテストビースを成形し、機械特性(ドライ及びウェットの曲げ弾性率、アイゾット衝撃値)、電気抵抗を測定した。また、継手を成形し、燃料透過性を測定した。結果を表5に示す。
2 スチールチューブ
3 プラスチックチューブ
4 フランジ形状部
5 リテーナー
6 O−リング
7 ニップル
8 あご部
9 O−リング
Claims (3)
- ジカルボン酸成分が蓚酸から成り、
ジアミン成分が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物(以下において「C9ジアミン混合物」ともいう。)及び1,6−ヘキサンジアミン(以下において「C6ジアミン」ともいう。)からなり、
C9ジアミン混合物とC6ジアミンのモル比が1:99〜99:1であり、
前記1,9−ノナンジアミンと前記2−メチル−1,8−オクタンジアミンとのモル比が5:95〜95:5であるポリアミド樹脂を用いて作製された、液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品。 - 前記ポリアミド樹脂の、96%硫酸を溶媒とし、濃度が1.0g/dlのポリアミド樹脂溶液を用いて25℃で測定した相対粘度(ηr)が、1.8〜6.0である、請求項1に記載の液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品。
- 前記ポリアミド樹脂の、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温速度で測定した熱重量分析における1%重量減少温度と、窒素雰囲気下において10℃/分の昇温速度で測定した示差走査熱量法により測定した融点との温度差が、50℃以上である、請求項1又は2に記載の液体又は蒸気バリア性を有するポリアミド樹脂成形部品。
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