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JP5582860B2 - クローラ型走行装置 - Google Patents
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JP5582860B2 - クローラ型走行装置 - Google Patents

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Description

本発明は、柱や橋脚などの柱状物を昇降することが可能なクローラ型走行装置に関するものである。
従来、地上から足場を組み立てることなく立木や電柱を昇降することができる柱状物の昇降装置が知られている(特許文献1参照)。この昇降装置は、径が途中で変化する立木や径の異なる立木に使用できるように、立木の外周面に周方向に間隔を置いて配置された4つの走行台車が、ゴムなどの弾性部材によって連結された構成となっている。
また、特許文献2,3には、建物の壁面などを走行させるために、クローラの履帯に吸着手段が装着された吸着走行装置が開示されている。これらの吸着走行装置では、真空ポンプによって吸着力を発生させる吸着パッドや磁石などの吸着手段を履帯に複数取り付けることで、壁面での姿勢を安定させるとともに、壁面に沿った移動を可能としている。
特開2007−159488号公報 特公平6−45347号公報 特開2009−107417号公報
しかしながら、特許文献1の昇降装置は、ゴムのような伸縮し易い連結材によって走行台車間を連結しているため、径が大きく変化する場合でも対応できるが、走行台車を柱状物の外周面に押し付ける押付け力を高めることが難しい。また、長方形断面などの柱状物では、短辺側に配置される走行台車と長辺側に配置される走行台車とでは押付け力が異なり、複数の走行台車を同じ速度で昇降させるのが難しい。
また、特許文献2,3に開示された吸着走行装置は、吸着パッドや磁石の吸着力だけで走行装置を保持させるため、重量が大きくなると吊りワイヤなどの補助手段が必要となる。
そこで、本発明は、重量が大きくなっても柱状物の外側面に沿った移動が可能なクローラ型走行装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のクローラ型走行装置は、柱状物の外側面に沿って移動するクローラ型走行装置であって、無限軌道となるように環状に形成される履帯と、前記履帯を周回させる駆動手段と、前記履帯に前記柱状物の外側面に当接可能な向きで取り付けられる複数の吸着手段とを有するとともに、前記柱状物を挟んで配置される一対のクローラ部と、前記クローラ部を前記柱状物に所定の力以上で押し付ける力を付与するとともに前記一対のクローラ部間を連結する連結部と、前記柱状物を囲繞するレール部を有するとともに前記一対のクローラ部に支持される架台部とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記連結部は、2枚の長板を開閉軸によって回動自在に連結することで開閉可能となるX字状の本体部と、前記開閉軸の両側で前記本体部の開閉に合わせて伸縮するように付勢された状態で取り付けられるバネとを有するとともに、前記長板の一端は前記クローラ部の側面に固着され、かつ他端は前記クローラ部の側面に上下方向の位置を相対的に変化させることが可能な可動取付部によって接続される構成にすることができる。
また、前記吸着手段は、吸着パッドと、その吸着パッドの空気を吸引する真空ポンプとを有する構成にすることができる。
さらに、前記クローラ部には、前記吸着手段が前記柱状物の外側面に当接する位置に周回してきたときに、前記吸着手段が前記外側面から離間する方向への移動を制限するとともに、前記外側面と略平行な移動を誘導する反力ガイド部が設けられているのが好ましい。
また、前記クローラ部には、前記吸着手段が前記柱状物の外側面に当接する側に周回する際に、前記履帯の周回方向への回転よりも前記吸着手段の回転を促進させる接地角度調整機構を設けることもできる。
さらに、前記レール部の側面に当接される旋回用車輪を有する旋回駆動部と、前記旋回駆動部に取り付けられて前記レール部に沿って移動する旋回ユニットとを備えた構成にすることができる。
また、前記旋回ユニットは、帯状の繊維シートに水硬性樹脂を含浸又は塗布して乾燥させることで形成された補強シートが装着される装着部と、前記装着部から引き出された前記補強シートの両面に給水をおこなう給水部と、前記給水部を通過した前記補強シートを前記柱状物の外側面に押し付ける押付けローラとを有する構成にすることができる。さらに、前記旋回ユニットは、前記柱状物の外側面を撮影可能な撮像装置を有する構成であってもよい。
また、前記レール部を把持させる把持部と、その把持部に支持されて前記柱状物の外側面に向けて散水可能な散水口を有する散水装置とを備えた構成とすることもできる。
このように構成された本発明のクローラ型走行装置は、履帯に吸着手段が設けられた一対のクローラ部が、柱状物を挟んで配置される。そして、一対のクローラ部は、連結部によって押付け力が付与された状態で連結される。このように吸着手段の吸着力に押付け力が加わることによって、落下する力に対する抗力を高めることができる。
このため、クローラ型走行装置の重量や架台部に取り付ける資機材の重量が大きくなっても、安定した状態で柱状物の外側面に沿って移動させることができる。
また、一対のクローラ部を連結部によって連結するため、それぞれのクローラ部の柱状物の外側面に対する押付け力が均等になる。このため、2台のクローラ部の走行速度を容易に合わせることができる。
さらに、連結部を、本体部と伸縮可能な微調整部とで構成することによって、柱状物の外側面に凹凸があったり、寸法誤差があって均一断面になっていなかったりした場合でも、クローラ型走行装置を軸方向に移動させることができる。
また、吸着手段を吸着パッドと真空ポンプとによって構成することで、柱状物が鉄筋コンクリート構造物などの磁性体でなくても使用することができる。さらに、それぞれの吸着パッドに真空ポンプを設けることで、複数の吸着手段の吸着力をそれぞれ独立して発生させることができる。
また、吸着手段が柱状物の外側面に当接する位置に周回してきたときに吸着手段が外側面から離間する方向への移動を制限する反力ガイド部を設けることで、押付け力の低下を防ぐことができる。
さらに、吸着手段が柱状物の外側面に当接する側に周回する際に吸着手段の回転を促進させる接地角度調整機構を設けることによって、接地時の吸着手段の吸着面と外側面との交差角度を小さくすることができ、吸着手段の巻き込みによる吸着力の低下を防ぐことができる。
また、レール部に沿って走行する旋回駆動部に旋回ユニットを装着することによって、柱状物の全周に対して旋回ユニットを使った作業を施すことができる。
特に、水と接触することによって短時間で強度が発現する水硬性樹脂を含浸又は塗布して乾燥させた補強シートが装着される装着部と、その装着部から引き出された補強シートの両面に給水する給水部と、柱状物の外側面に補強シートを押し付ける押付けローラとを有する旋回ユニットを旋回駆動部に取り付けることによって、柱状物に容易に補強シートを巻き付けることができる。このため、地震によって柱や橋脚などが損傷した場合であっても、地上から足場などを組むことなく、補強シートによって早急に補修することができる。
さらに、撮像装置を有する旋回ユニットを使用することによって、柱状物の外側面の検査、作業状況の確認などを撮像装置の映像を通じて容易におこなうことができる。
また、レール部に散水装置を取り付けることによって、柱状物を軸方向に移動しながら外側面を洗浄するなどの作業を容易におこなうことができる。
本発明の実施の形態のクローラ型走行装置を説明する斜視図である。 クローラ型走行装置のクローラ部の構成を示した説明図である。 クローラ型走行装置の構成を説明する断面図である。 吸着手段の接地角度調整機構の動作を段階毎に説明する説明図である。 柱状物に補強シートを巻き付けるための旋回ユニットの構成を説明する斜視図である。 補強シートの装着部と給水部の構成を説明する斜視図である。 実施例の撮像装置を有する旋回ユニットを備えたクローラ型走行装置の構成を説明する斜視図である。 実施例の散水装置を備えたクローラ型走行装置の構成を説明する斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1,2は、本実施の形態のクローラ型走行装置としての昇降装置2の構成を説明する図である。この昇降装置2は、例えば、柱状物としての鉄筋コンクリート製のRC柱1や橋脚などに、帯状の補強シート70を巻き付けて補修や補強をおこなう際などに使用することができる。
すなわち、建物のRC柱1などの外側面に対して、検査、洗浄、補修、補強などの作業をおこなうに際しては、高所作業が発生することになるため、通常は足場を組む必要がある。これに対して、この昇降装置2をRC柱1の軸方向となる上下方向に移動させれば、足場を組まなくても高所の施工箇所に対して補強などをおこなうことができる。
この昇降装置2は、RC柱1を挟んで配置される一対のクローラ部3,3と、クローラ部3,3をRC柱1に所定の力以上で押し付ける力を付与するとともに一対のクローラ部3,3間を連結する連結部4と、RC柱1を囲繞するレール部51を有するとともに一対のクローラ部3,3に支持される架台部5とを主に備えている。
また、クローラ部3は、図1−3に示すように無限軌道となるように環状に形成される履帯32と、履帯32を周回させる駆動手段31と、履帯32にRC柱1の外側面に当接可能な向きで取り付けられる複数の吸着手段33,・・・とを主に備えている。さらに、図1に示すように、クローラ部3の両側面は、長方形の外殻板36,36によって覆われている。
この駆動手段31は、図3に示すように、駆動モータ(図示省略)によって回転する回転軸312と、その回転軸312の両端に固定されるスプロケット311A,311Aとによって主に構成される。また、このスプロケット311A,311Aは、外殻板36,36に軸受けされている。
また、図2に示すように、クローラ部3の上部と下部にスプロケット311A,311Bは配置される。なお、上部に配置されるスプロケット311Aと下部に配置されるスプロケット311Bは、両方とも駆動モータに接続されて自転可能に構成されていてもよいし、片方のみが駆動モータに接続される構成であってもよい。
そして、このRC柱1の軸方向に間隔を置いて配置されたスプロケット311A,311B間に環状のチェーン321を掛け渡す。また、図2−4に示すように、このチェーン321に対して回転軸312に平行になるように複数の基板322,・・・を取り付ける。
この基板322は、図2に示すように正面視が略長方形の金属板であって、図3,4に示すように両側縁にチェーン321,321に固定するための取付片322a,322aが延設されて平面視略コ字状に成形される。そして、2つの環状のチェーン321,321と、それらの間に平行に差し渡された複数の基板322,・・・・とによって無限軌道となる履帯32が形成される。
また、この基板322には、複数の吸着手段33,・・・を取り付ける。この吸着手段33は、図3,4に示すように吸盤となる吸着パッド331と、その吸着パッド331の内部の空気を吸引する真空ポンプ332とによって主に構成される。
そして、この吸着パッド331の吸着面がRC柱1の外側面に当接可能となる向きにして、吸着パッド331を基板322に固定する。また、この基板322には、図3,5に示すように複数の装着孔333,・・・が設けられており、真空ポンプ332を必要な数だけ装着することができる。すなわち、必要とされる吸引量と真空ポンプ332の規格に応じて、一つの吸着パッド331に対して必要な数だけ真空ポンプ332を取り付ける。
また、このクローラ部3は、吸着手段33がRC柱1の外側面に当接する側に周回する際に、履帯32の周回方向への回転よりも吸着パッド331の回転を促進させて接地角度が緩やかになるように調整する接地角度調整機構35が設けられている。
この接地角度調整機構35を設けるために、上部と下部の回転軸312,312間に、図3,4に示すような長方形板状のガイド板351を掛け渡す。また、ガイド板351の端部には、回転軸312に係合させるための鉤部351bと、回転軸312よりも上方(又は下方)に突出する傾斜凸部351aとが形成される。
さらに、基板322の背面からは、周回時に傾斜凸部351aと当接可能となる突片352が突出される。また、基板322の取付片322aには、中央に円形の中心孔353が穿孔されるとともに、その両側には中心孔353を中心とする円弧状の揺動孔354,354が穿孔される。
この中心孔353と揺動孔354,354には、チェーン321に固定されたピン321a,・・・がそれぞれ挿通され、基板322がチェーン321に取り付けられる。また、このようにしてチェーン321に取り付けられた基板322は、図4に示すように、揺動孔354,354の範囲内で揺動することができる。
続いて図4を参照しながら接地角度調整機構35の動作について説明をする。まず、図4(a)に示すように、吸着手段33が取り付けられた基板322は、スプロケット311Aの右側を上昇し、ガイド板351の上端に差し掛かる。そして、突片352の左縁が傾斜凸部351aの右縁に接触する。
さらにスプロケット311Aが左回りに回転すると、図4(b)に示すように、傾斜凸部351aと突片352との接触によって基板322が左回りに傾くことになる。
また、傾斜凸部351aの傾斜面はRC柱1の外側面に向けて下がっているため、図4(c)に示すように基板322は傾きを保ったままスプロケット311Aの左側に移動し、吸着パッド331の先端がRC柱1の外側面に接触する。そして、このときの吸着パッド331の吸着面と外側面との交差角度は、接地角度調整機構35によって左回りの回転が促進されないときに比べて小さくなっている。すなわち、吸着面と外側面が平行に近い状態になった後に吸着パッド331の接地が起きる。このため、接地時に吸着パッド331の先端が折れ曲がって巻き込まれる状態になることを防ぐことができる。
なお、このような接地角度調整機構35は、クローラ部3の履帯32の周回方向を反転した場合にも機能するように、クローラ部3の下部にも設けておく。
また、RC柱1の外側面側に移動した基板322の背面には、図3に示すように外殻板36の内面側に延伸された反力ガイド部としての反力レール34が接触する。この基板322には、図示していないが反力レール34と接触可能な位置に電極が設けられており、動力に使用される電力が供給される反力レール34に電極が接触すると真空ポンプ332の吸引が始まり、クローラ部3の下部まで移動して基板322が反力レール34から離れたときに真空ポンプ332の吸引が停止する構成となっている。
また、反力レール34に基板322が接触することによって、吸着パッド331が外側面から離間する方向(外側面に略直交する方向)への移動が制限される。
さらに、図4に示すように、反力レール34は、基板322が外側面と略平行に下降するためのガイドにもなる。このため、図示していないが、基板322又は反力レール34のいずれかにローラを取り付けて円滑にスライドできるようにしてもよい。
一方、クローラ部3,3間は、図1に示すように連結部4によって連結される。この連結部4は、開閉軸41aを中心に開閉可能なX字状の本体部41と、開閉軸41aの両側で本体部41間を繋ぐ伸縮自在の微調整部42,42とを主に備えている。
この本体部41は、2枚の重ねられた長板411,412の中心を、開閉軸41aによって回動自在に連結することによって構成される。すなわち、端部が固定されていない状態で本体部41を閉じると水平線状に2枚の長板411,412は重なり、本体部41を開くと垂直線状に2枚の長板411,412は重なることになる。
そして、図1に示すように、本体部41の長板411,412の上端は、それぞれ両側のクローラ部3,3の外殻板36,36の一点の位置に、固定ボルト41b,41bによって固着される。他方、長板411,412の下端は、外殻板36,36に対してそれぞれ上下方向の位置を相対的に変化させることが可能な可動取付部41c,41cによって接続される。
また、2枚の長板411,412間は、バネを有する伸縮自在の微調整部42,42によって連結される。この微調整部42は、本体部41が外殻板36,36に固定ボルト41b,41bと可動取付部41c,41cを介して取り付けられたときには、本体部41を開く力が常に付勢された状態となっている。ここで、本体部41が開くとクローラ部3,3間の距離は短くなり、本体部41を閉じるとクローラ部3,3間の距離は長くなる。
そして、連結部4は、可動取付部41c,41cの可動範囲内で、RC柱1の凹凸に合わせてクローラ部3,3間の距離を変化させることできる。また、連結部4によって連結されているクローラ部3,3は、微調整部42のバネの反発力によって所定の力以上でRC柱1の外側面に押し付けられる。
また、クローラ部3,3の上部には、架台部5が取り付けられる。すなわち、架台部5は、4枚の外殻板36,・・・によって下から支持される。さらに架台部5は、図1,5に示すように、RC柱1を囲繞する平面視円形のレール部51を有している。
この架台部5は、クローラ部3,3がRC柱1の外側面に沿って走行すると、それに伴って移動することになる。すなわち、クローラ部3,3がRC柱1の軸方向の一つである上方に移動すると架台部5は上昇し、クローラ部3,3がRC柱1のもう一つの軸方向である下方に移動すると架台部5は下降することになる。
そして、このレール部51に沿って図1に示すように旋回駆動部6が移動する。この旋回駆動部6は、レール部51の側面に走行面が当接される旋回用車輪61と、その旋回用車輪61を回転させる駆動モータ62とによって主に構成される。
また、旋回駆動部6には、図1,5に示すように、旋回ユニットとしての巻付けユニット7を取り付ける。この巻付けユニット7は、RC柱1に補強シート70を巻き付けるための旋回ユニットである。
この補強シート70は、基材としての繊維シートに水硬性樹脂を含浸させて、乾燥させた状態で巻き取り可能に形成されている。この基材となる繊維シートには、帯状に成形された繊維シートが使用でき、例えばガラス繊維シート、炭素繊維シート、アラミド繊維シート、ビニロン繊維などが利用できる。また、水硬性樹脂には、例えば水硬性ポリウレタン樹脂が使用できる。
水硬性ポリウレタン樹脂は、水と接触すると反応して硬化する特性を有しており、濃度が高い方が引張強度は高くなるが、濃度が高いと発泡を起こすので、例えば樹脂の母材率が50%〜75%程度になるように希釈して使用する。
そして、繊維シートに、液状、ペースト状又はスラリー状の水硬性ポリウレタン樹脂を含浸又は塗布して、水硬性ポリウレタン樹脂が繊維の周囲を取り囲んだような状態にして乾燥させることで、補強シート70を製作する。
また、巻付けユニット7は、この補強シート70が円筒状に巻き取られて装着される装着部としてのカートリッジ71と、カートリッジ71から引き出された補強シート70の両面に給水をおこなう給水部72と、給水部72を通過した補強シート70をRC柱1の外側面に押し付ける押付けローラ73とを主に備えている。
また、給水部72は、補助旋回部63に配置される給水タンク723と、図6に示すように補強シート70を挟むように並列される給水ローラ721,721と、給水タンク723と給水ローラ721,721とを繋ぐ給水ホース722とを主に備えている。
この給水タンク723は、架台部5上でのバランスを取るために、カートリッジ71、給水ローラ721,721及び押付けローラ73が配置される旋回駆動部6とはRC柱1を挟んだ反対側に配置される。すなわち、旋回駆動部6がレール部51を走行すると、それに伴って補助旋回部63もレール部51を同じ方向に走行することになる。ここで、双方の間隔が常に一定に保たれるように、図示しない連結バーなどで旋回駆動部6と補助旋回部63とを繋いでおく。
また、給水タンク723から給水ホース722を介して水が供給される給水ローラ721,721は、補強シート70の厚み程度の隙間を開けて回転可能に支持されている。
この給水ローラ721は、スポンジなどの吸水性及び保水性を備えた材料を円筒状に成形し、回転軸721aに取り付けることで構成することができる。すなわち、給水ホース722から流れ出た水は、給水ローラ721に浸み込んだ後に、給水ローラ721,721間を通過する補強シート70に付着することになる。なお、給水ローラ721,721の下方には、余浄水を受ける受け皿725が配置される。
また、給水ローラ721,721のカートリッジ71側には、図6に示すように、補強シート70を給水ローラ721,721間に導くための誘導ローラ724が設けられる。すなわち、カートリッジ71から引き出された補強シート70は、誘導ローラ724の周面に接触して給水ローラ721,721間に導かれ、両面に水が着いた状態で後方に引き出される。
そして、給水ローラ721,721から引き出された補強シート70は、図5に示すように押付けローラ73によってRC柱1の外側面に押し付けられる。この押付けローラ73は、旋回駆動部6からRC柱1に向けて延設されるアーム731によって支持される。
このような巻付けユニット7を使って、旋回駆動部6をレール部51に沿って走行させながらクローラ部3,3を徐々に下降させると、RC柱1に1本の補強シート70が螺旋状に連続して巻き付けられる。
また、この際に必要となる動力は、クローラ部3,3を走行させる動力と、旋回駆動部6を走行させる動力であり、カートリッジ71、給水ローラ721,721及び誘導ローラ724は、動力によって回転させなくても補強シート70が引き出されるのに伴って回転する。
次に、本実施の形態の昇降装置2の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の昇降装置2は、履帯32に吸着手段33が設けられた一対のクローラ部3,3が、RC柱1を挟んで配置される。そして、一対のクローラ部3,3は、連結部4によって押付け力が付与された状態で連結される。このように吸着手段33の吸着力に押付け力が加わることによって、昇降装置2が落下する方向の力に対する抗力を高めることができる。
このため、昇降装置2の自重や架台部5に取り付ける資機材の重量が大きくなっても、安定した状態でRC柱1に沿って昇降装置2を昇降させることができる。そして、昇降装置2の架台部5に様々な作業ユニットを取り付けることによって、足場を地上から組まなくても高所作業をおこなうことができるようになる。また、足場を解体する作業も不要になるため工期を短縮できる。
さらに、この昇降装置2は、一対のクローラ部3,3を連結部4によって連結するため、それぞれのクローラ部3,3のRC柱1の外側面に対する押付け力を均等にすることができる。すなわち、RC柱1を挟んで一対一でクローラ部3,3が配置され、連結部4によって直接、クローラ部3,3間が連結されるので、クローラ部3,3に作用する力が等しくなる。
そして、クローラ部3,3の外側面に対する押付け力が等しければ、クローラ部3,3が走行する速度を容易に合わせることができる。すなわち、クローラ部の押付け力が異なると摩擦抵抗が変化するため、駆動手段31の回転速度が同じであっても走行速度が変化する。さらに、複数のクローラ部の走行速度が一定にならないと、架台部5が傾き、安定して作業をおこなうことが難しくなる。これに対して、クローラ部3,3の走行速度を容易に合わせることができれば、架台部5の水平を保ったまま昇降させることができる。
また、連結部4を、本体部41と伸縮可能な微調整部42,42とで構成することによって、RC柱1の外側面に凹凸があったり、RC柱1の断面が軸方向の位置で多少、異なっていたりする場合でも、昇降装置2を昇降せることができる。
すなわち、クローラ部3,3間には、微調整部42,42のバネの反発力によって起きる距離を縮める方向の力が常に作用している。そして、昇降装置2が走行する外側面に凸部があってクローラ部3,3間が広がる方向の力が作用すると、本体部41が閉じる方向に動いて微調整部42,42が縮む。これに対して、昇降装置2が走行する外側面に凹部があると、本体部41が微調整部42,42のバネの反発力によって開く方向に動いて微調整部42,42が伸びる。このため、RC柱1に多少の凹凸などがあっても昇降装置2を昇降させることができる。なお、この本体部41の開閉は、可動取付部41cの可動範囲内で起きる。
さらに、吸着手段33を吸着パッド331と真空ポンプ332とによって構成することで、RC柱1のように磁性体でない鉄筋コンクリート構造物に対しても昇降装置2を走行させることができる。
また、それぞれの吸着パッド331に対して個別に真空ポンプ332を繋ぐことで、複数の吸着手段33,・・・の吸着力をそれぞれ独立して発生させることができる。
このため、例えばRC柱1の外側面の目地や凹部に接地した一つの吸着パッド331の真空圧が下がって吸着力が低下しても、他の吸着手段33,・・・の吸着力には影響がなく、昇降装置2全体として必要となる吸着力を常時、確保することができる。
さらに、吸着手段33がRC柱1の外側面に当接する位置に周回してきたときに吸着パッド331が外側面から離間する方向への移動を制限する反力レール34を設けることで、押付け力の低下を防ぐことができる。すなわち、チェーン321,321に基板322,・・・を取り付けることによって構成された履帯32は可撓性があるため、吸着手段33の吸着力に対する反力を確保しにくい。これに対して、クローラ部3に反力レール34を設けることで、吸着手段33の吸着力に対する反力を確実に確保することができる。
さらに、吸着パッド331がRC柱1の外側面に当接する側に周回する際に吸着手段33の回転を促進させる接地角度調整機構35を設けることによって、接地時の吸着パッド331の吸着面と外側面との交差角度を小さくすることができる。このため、吸着パッド331の先端が折れ曲がる巻き込みによって空気が漏れて、吸着力が低下するのを防ぐことができる。
また、このような接地角度調整機構35を設けることによって、クローラ部3の長さを長くしなくても吸着パッド331の巻き込みを防ぐことができるので、クローラ部3が長大化して施工不能箇所が増加するのを抑えることができる。
さらに、レール部51に沿って走行する旋回駆動部6に作業ユニットとしての旋回ユニットを装着することによって、RC柱1の全周に対して旋回ユニットを使った作業を施すことができる。
特に、水と接触することによって短時間で強度が発現する水硬性樹脂を含浸又は塗布して乾燥させた補強シート70が装着されるカートリッジ71と、そのカートリッジ71から引き出された補強シート70の両面に給水する給水ローラ721,721と、RC柱1の外側面に補強シート70を押し付ける押付けローラ73とを有する巻付けユニット7を装着することによって、RC柱1に容易に補強シート70を巻き付けることができる。
このため、地震によってRC柱1が損傷した場合であっても、地上から足場などを組むことなく、補強シート70によって早急にRC柱1を補修することができる。また、鉄道の営業路線に近接した場所で、施工時間や施工スペースの制限が厳しい場合であっても、昇降装置2を使うことによって迅速に作業をおこなうことができる。
以下、前記実施の形態で説明した昇降装置2に別の作業ユニットを装着する実施例について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
この実施例では、まず、図7を参照しながら、旋回ユニットとしてのカメラユニット8を装着する場合について説明する。このカメラユニット8は、上記実施の形態で説明した旋回駆動部6に取り付けて使用する。
また、カメラユニット8は、RC柱1の外側面を撮影可能な撮像装置としてのカメラ81と、撮影した映像を送信するための無線通信部82とを主に備えている。
このカメラ81は、静止画を撮影するカメラであっても、動画を撮影するビデオカメラであってもいずれでもよい。また、無線通信部82は、外部のリモートコントローラ(図示省略)から送信される撮影の開始、終了、ピント合せなどの操作信号を受信するとともに、撮影した映像を外部モニタ又は記録装置に向けて送信する機能を有している。
このようにレール部51を走行する旋回駆動部6にカメラユニット8を取り付けることで、RC柱1の全周を撮影することができる。また、昇降装置2を走行させてRC柱1に沿って移動させることで、RC柱1の所望する高さの撮影をおこなうことができる。
このため、震災などによってRC柱1が損傷した場合には、損傷箇所及び損傷の程度を確認することが容易にできる。また、定期検査などにおいてもカメラユニット8を使ってRC柱1の任意の高さの外側面の状態を検査することができる。
さらに、巻付けユニット7に並設させることで、補強シート70の巻き付け状態などの作業状況を地上にいながら確認することができる。
次に、図8を参照しながら、作業ユニットとしての散水ユニット9を装着する場合について説明する。この散水ユニット9は、レール部51に沿って旋回させず、例えばRC柱1の各側面に対して1つずつ取り付ける。
この散水ユニット9は、レール部51を把持させる把持部91と、その把持部91の上部に取り付けられる台板92と、その台板92上に取り付けられる散水装置93とを主に備えている。
この散水ユニット9は旋回しないため、把持部91によってレール部51の任意の箇所に固定される。また、散水装置93には、水を供給するためのホース932が繋がれる。
さらに、散水装置93には、RC柱1の外側面に向けて散水可能な散水口としての洗浄ノズル931,931が設けられている。この洗浄ノズル931は、例えば上下左右に首振りができる構成となっている。
このようにレール部51に散水ユニット9を取り付けることによって、RC柱1を上昇又は下降しながら外側面の洗浄をおこなうことができる。例えば、震災などによってRC柱1が損傷した場合に、まず、RC柱1の各面に対して1台ずつ配置されるように昇降装置2のレール部51に散水ユニット9,・・・を取り付ける。続いて、クローラ部3,3を駆動させることで昇降装置2を上昇又は下降させ、散水ユニット9の洗浄ノズル931からRC柱1の外側面に水を吹き付けることで洗浄をおこなう。
また、洗浄に使用する水は、ホース932から供給されるため、架台部5の上載荷重を減らすことができる。さらに、散水ユニット9はレール部51を旋回しないため、ホース932が絡まることがない。そして、RC柱1の外側面が水で濡れることによって、吸着パッド331の吸着力が増加することになって、走行安定性が向上することになる。
続いて、レール部51に旋回駆動部6を装着し、その上にカメラユニット8を取り付ける。そして、昇降装置2を上昇又は下降させながら旋回駆動部6を走行させ、RC柱1の全周を軸方向に移動しながら撮影する。
このようにしてRC柱1の損傷の程度を確認し、補強対象箇所を決める。そして、旋回駆動部6のカメラユニット8を巻付けユニット7に取り替える。また、旋回駆動部6のRC柱1を挟んだ反対側には補助旋回部63を取り付け、その上に給水タンク723を載せる。
続いて、昇降装置2をRC柱1に沿って上昇させ、補強対象箇所の上方まで移動させる。そして、補強シート70の端部をRC柱1の外側面に固定し、旋回駆動部6をレール部51に沿って走行させる。
ここで、旋回駆動部6が走行し始めると、補強シート70を引っ張る力が発生し、その張力が所定の大きさ以上になるとカートリッジ71が回転して補強シート70が引き出される。
そして、カートリッジ71から引き出された補強シート70は、誘導ローラ724によって給水ローラ721,721間に導かれ、その間を通過する際に給水ローラ721,721から水分が転移する。
このようにして水が両面に付着した補強シート70は、給水ローラ721,721間から送り出されて押付けローラ73によってRC柱1の外側面に押し付けられる。また、水が付着した補強シート70は、短時間で水硬性ポリウレタン樹脂が硬化して強度が発現し、RC柱1の外側面に接合される。
このような巻付けユニット7による補強シート70の巻き付けは、昇降装置2を停止させた状態でおこなえば一重の環状になり、昇降装置2を下降させながらおこなえば螺旋状になる。また、昇降装置2の上部で補強シート70の巻き付けをおこない、昇降装置2を下降させるのであれば、RC柱1に巻き付けた補強シート70上をクローラ部3,3が走行することがないので、補強シート70の損傷を防ぐことができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例では、断面四角形のRC柱1に沿って昇降装置2を走行させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、橋脚、電柱、煙突など様々な柱状物を走行させることができる。また、柱状物は斜めになっていてもよい。
また、前記実施の形態及び実施例では、吸着パッド331と真空ポンプ332とによって吸着手段33を構成したが、これに限定されるものではなく、柱状物が鉄塔などの磁性体であれば磁石を使って吸着手段を構成することができる。
さらに、前記実施の形態及び実施例では、パンタグラフ型の連結部4について説明したが、これに限定されるものではなく、長さ調整及び締付けが可能なネジ付き鋼棒を使って連結部を構成することができる。また、ネジ付き鋼棒の一部をバネに置き換えて微調整部にすることもできる。
また、前記実施の形態及び実施例では、外殻板36,36でクローラ部3を覆い、外殻板36,36間を連結部4で繋いだが、これに限定されるものではなく、クローラ部のシャーシに連結部を接続し、シャーシから架台部5に向けて連結アームを延伸させる構成であってもよい。
さらに、前記実施の形態及び実施例では、平面視円形のレール部51について説明したが、これに限定されるものではなく、平面視楕円や角が曲線状になった平面視四角形状のレール部であってもよい。
また、前記実施の形態及び実施例では、架台部5を昇降装置2の上部に設けたが、これに限定されるものではなく、架台部5を昇降装置2の下部に設けることもできる。
さらに、前記実施の形態及び実施例では、作業ユニットとして巻付けユニット7、カメラユニット8及び散水ユニット9について説明したが、これに限定されるものではなく、モルタルなどを吹き付けるための吹付けユニット、塗料を吹き付けるための塗装ユニットなどを製作することもできる。
1 RC柱(柱状物)
2 昇降装置(クローラ型走行装置)
3 クローラ部
31 駆動手段
32 履帯
33 吸着手段
331 吸着パッド
332 真空ポンプ
34 反力レール(反力ガイド部)
35 接地角度調整機構
4 連結部
41 本体部
42 微調整部
5 架台部
51 レール部
6 旋回駆動部
7 巻付けユニット(旋回ユニット)
70 補強シート
71 カートリッジ(装着部)
72 給水部
73 押付けローラ
8 カメラユニット(旋回ユニット)
81 カメラ(撮像装置)
9 散水ユニット
91 把持部
93 散水装置
931 洗浄ノズル(散水口)

Claims (8)

  1. 柱状物の外側面に沿って移動するクローラ型走行装置であって、
    無限軌道となるように環状に形成される履帯と、前記履帯を周回させる駆動手段と、前記履帯に前記柱状物の外側面に当接可能な向きで取り付けられる複数の吸着手段とを有するとともに、前記柱状物を挟んで配置される一対のクローラ部と、
    前記クローラ部を前記柱状物に所定の力以上で押し付ける力を付与するとともに前記一対のクローラ部の側面間をそれぞれ連結する連結部と、
    前記柱状物を囲繞するレール部を有するとともに前記一対のクローラ部に支持される架台部とを備え、
    前記連結部は、2枚の長板を開閉軸によって回動自在に連結することで開閉可能となるX字状の本体部と、前記開閉軸の両側で前記本体部の開閉に合わせて伸縮するように付勢された状態で取り付けられるバネとを有するとともに、前記長板の一端は前記クローラ部の側面に固着され、かつ他端は前記クローラ部の側面に上下方向の位置を相対的に変化させることが可能な可動取付部によって接続されることを特徴とするクローラ型走行装置。
  2. 前記吸着手段は、吸着パッドと、その吸着パッドの空気を吸引する個別の真空ポンプとを有することを特徴とする請求項1に記載のクローラ型走行装置。
  3. 前記クローラ部には、前記吸着手段が前記柱状物の外側面に当接する位置に周回してきたときに、前記吸着手段が前記外側面から離間する方向への移動を制限するとともに、前記外側面と略平行な移動を誘導する反力ガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクローラ型走行装置。
  4. 前記クローラ部には、前記吸着手段が前記柱状物の外側面に当接する側に周回する際に、前記履帯の周回方向への回転よりも前記吸着手段の回転を促進させる接地角度調整機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のクローラ型走行装置。
  5. 前記レール部の側面に当接される旋回用車輪を有する旋回駆動部と、前記旋回駆動部に取り付けられて前記レール部に沿って移動する旋回ユニットとを備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のクローラ型走行装置。
  6. 前記旋回ユニットは、帯状の繊維シートに水硬性樹脂を含浸又は塗布して乾燥させることで形成された補強シートが装着される装着部と、前記装着部から引き出された前記補強シートの両面に給水をおこなう給水部と、前記給水部を通過した前記補強シートを前記柱状物の外側面に押し付ける押付けローラとを有することを特徴とする請求項に記載のクローラ型走行装置。
  7. 前記旋回ユニットは、前記柱状物の外側面を撮影可能な撮像装置を有することを特徴とする請求項又はに記載のクローラ型走行装置。
  8. 前記レール部を把持させる把持部と、その把持部に支持されて前記柱状物の外側面に向けて散水可能な散水口を有する散水装置とを備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のクローラ型走行装置。
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