Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
JP5583666B2 - (メタ)アクリル酸の晶析方法および製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法 - Google Patents
[go: Go Back, main page]

JP5583666B2 - (メタ)アクリル酸の晶析方法および製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸の晶析方法および製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5583666B2
JP5583666B2 JP2011518417A JP2011518417A JP5583666B2 JP 5583666 B2 JP5583666 B2 JP 5583666B2 JP 2011518417 A JP2011518417 A JP 2011518417A JP 2011518417 A JP2011518417 A JP 2011518417A JP 5583666 B2 JP5583666 B2 JP 5583666B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic acid
meth
polymerization inhibitor
melt
crystallization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011518417A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010140530A1 (ja
Inventor
一彦 坂元
晃嗣 上野
良武 石井
晴紀 平尾
聡 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2011518417A priority Critical patent/JP5583666B2/ja
Publication of JPWO2010140530A1 publication Critical patent/JPWO2010140530A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5583666B2 publication Critical patent/JP5583666B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/43Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は(メタ)アクリル酸(以下、単に「アクリル酸」とも称する)の結晶の晶析方法に関し、詳しくは接触気相酸化工程、捕集および/または凝縮工程、それに蒸留精製および/または晶析工程を経てアクリル酸を製造するサイクル(本発明では、これを「アクリル酸製造サイクル」という。)の晶析工程におけるアクリル酸結晶の融解に特に好適に用いられるアクリル酸の晶析方法に関する。また、本発明は、製品アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法に関する。なお、本明細書中、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
上記アクリル酸製造サイクルによりアクリル酸を製造することは広く工業的に行われている。上記晶析工程は、捕集および/または凝縮工程からのアクリル水溶液を冷却してアクリル酸結晶を析出させ、この結晶を発汗させた後、融解することにより精製(製品)アクリル酸とするものであり、この晶析工程の実施には、例えば、動的晶析装置や静的晶析装置が用いられることは一般によく知られているところである。
例えば、特許文献1(JP−B−53−41637;対応US−A−3621664)には、液体混合物の1成分を多段式分別結晶法により順次濃縮して分別する手法が記載されている。多段晶析のサイクルにおいて、結晶化工程が実施されるサイクルよりもひとつ前のサイクルにおいて実施した精製段階の晶析操作により得られた結晶を融解して得た精製融液を加熱し、結晶に供給して当該結晶を融解することについて記載されている。
また、特許文献2(JP−A−9−155101;対応US−A−5935534)には、晶出した結晶と同等純度の精製融液に、重合禁止剤を添加すると共にこの融液を結晶の凝固点以上の温度に加熱して結晶に循環供給し、当該結晶を融液し、前記重合禁止剤添加精製融液と共に回収する晶析方法が記載されている。重合禁止剤を添加する晶出した結晶と同等純度の精製融液として、結晶化工程が実施されるサイクルよりもひとつ前のサイクルにおいて実施した精製段階の晶析操作により得られた結晶を融解して得た精製融液の使用が記載されている。また、多段階で晶析操作を繰返し実施する際の精製段が同一段の結晶融解液を、別サイクルの同一段の結晶に添加して結晶を融解する方法も記載されている。この公報においては、重合禁止剤を添加するには、前記目的のための結晶融解液を貯蔵する貯槽を必ず備える必要がある。また、結晶融解液を加熱する手段も必要としている。
JP−B−53−41637(US−A−9−155101) JP−A−9−155101(US−A−5935534)
前記特許文献2に記載された方法では、工業的実施に際し、十分に高い品質のアクリル酸を低コストで得ることができなかった。
よって、本発明の目的は、低コストでアクリル酸の品質を一段と向上し得るようにしたアクリル酸の晶析方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、晶析法により精製された製品アクリル酸の重合防止剤含有量の簡便な調整方法を提供することにある。
本発明者らの研究によれば、アクリル酸結晶の融解を、特定の条件下、すなわち、融解開始後、結晶を融解液で濡らしながら融解させる際に、結晶融解時に専用の融解液貯槽や融解液の加熱手段などを設けることなく、同一サイクル、同一段で発生する該融解液そのものに直接に固体または濃厚溶液などの形態の重合防止剤(本明細書中「重合防止剤」を「安定化剤」と称する場合もある。)を添加することにより前記目的が達成できることを知り、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アクリル酸結晶を結晶融解液で濡らしながら融解させる晶析方法において、融解開始後に融け出す融解液に重合防止剤を添加し、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解させることを特徴とするアクリル酸の晶析方法である。
また、本発明の別の発明は多段階晶析操作の最終精製段階のアクリル酸結晶を融解し、融解開始後に融け出す融解液に、製品スペックに見合う所定量の重合防止剤を添加し、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解させた後、製品アクリル酸として系外に取り出すことを特徴とする製品アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法である。
本発明によれば、低コストでアクリル酸の品質を一段と向上し得るようにしたアクリル酸の晶析方法を提供することができる。
本発明によれば、晶析法により精製された製品アクリル酸の重合防止剤含有量の簡便な調整方法を提供することができる。
本発明の方法によれば、アクリル酸結晶の融解を伴う晶析操作により得られるアクリル酸に対して追加の精製処理を行うことなく、低コストで十分に高い品質のアクリル酸を得ることができる。つまり、最終製品の融解液の一部に重合防止剤を添加してそれを循環させて融解する方法であれば、その方法によって得られた融解液はそのまま最終製品として使用することができる。そのため、追加の精製処理は不要となる。このように、製品化直前のアクリル酸融解液に重合防止剤を添加することによって、容易に重合防止剤の濃度を調節した製品スペックに合わせることもできる。
本発明の晶析方法を適用する粗製アクリル酸を得るための、アクリル酸の製造方法の一例を示す工程図である。 回分式動的晶析装置(メルト晶析装置)を用いて本発明の晶析方法を実施する一態様を示した説明図である。 本発明の晶析方法の好ましい実施形態における工程を表したフローである。
本発明の第1は、アクリル酸結晶を結晶融解液で濡らしながら融解させる晶析方法において、融解開始後に融け出す融解液に重合防止剤を添加し、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解させることを特徴とするアクリル酸の晶析方法である。この晶析方法を、本発明の晶析方法とも称する。
また、本発明の第2は、多段階晶析操作の最終精製段階のアクリル酸結晶を融解し、融解開始後に融け出す融解液に、製品スペックに見合う所定量の重合防止剤を添加し、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解させた後、製品アクリル酸として系外に取り出す、製品アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法である。
アクリル酸を製造するための方法は特に制限されず従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせて適用することができる。例えば、炭素数3ないし4個を有する、アルカン、アルケン、アルカノールおよびアルカナールからなる群から選択される少なくとも1種のアクリル酸原料を、具体的には、プロパン、イソブタン、プロピレン、イソブチレン、アクロレイン、メタクロレイン、t−ブタノール、イソブチルアルデヒドまたはメチル−t−ブチルエーテルを、分子状酸素の存在下、従来公知の触媒の存在下、接触気相酸化反応を行うことによって反応ガスを得、かかる反応ガスを、捕集用水溶液と接触させることによって、アクリル酸溶液を得ることができる(かような工程を、「アクリル酸捕集工程」とも称する)。かようにして、アクリル酸を製造することができるが、通常、かかるアクリル酸溶液には、不純物が含まれているため、この不純物を可能な限り除去するために、精製操作を行う。かかる精製操作は、蒸留操作、放散操作、晶析操作、抽出操作など種々が挙げられる。
本発明は、かかる精製操作のうち、晶析操作に特徴を有する。よって、従来公知の接触気相酸化反応を行うことによって反応ガスを得て、かかる反応ガスを、捕集用水溶液と接触させることによって、アクリル酸溶液を得て、かかるアクリル酸溶液に、直接、本発明の晶析方法を施してもよい。つまり、本発明のアクリル酸の晶析方法は、アクリル酸を製造する際の精製操作の1つとして使用されることが好ましい。換言すれば、本発明のアクリル酸の製造方法においては、本発明の晶析方法が使用されていれば、他は、従来公知の技術を適宜参照し、あるいは組み合わせて適用することができる。
以下では、図1を用いて、本発明の晶析方法を使用した、アクリル酸の製造方法の好ましい形態を説明する。
まず、空気3などの分子状酸素含有ガス、プロピレンおよび/またはアクロレインなどのアクリル酸原料1と、希釈ガス5とを混合する。アクリル酸捕集工程を経た後は、捕集塔の塔頂から排出されるリサイクルガス34も、空気、プロピレンおよび/またはアクロレインならびに希釈ガスに混合することができる。この混合ガス(以下、原料ガスとも称する。)を、接触気相酸化触媒10を充填した反応器20に供給し、接触気相酸化反応によってアクリル酸含有ガス25を得る。
該ガス25を捕集塔30の塔底に供給し、該捕集塔30の塔頂からは捕集用水溶液33を供給してアクリル酸含有ガス25と捕集用水溶液33とを接触させる。該捕集塔30には、後述の蒸留塔70からの留出液71および後述の晶折装置50からの残留母液の少なくとも一部が供給されていると好ましい。
なお、第1段目の残留母液は不純物が多いため、蒸留塔70で高沸不純物を除去した後、捕集塔30に戻すと好ましい。
捕集塔30の塔頂からの排出ガス32の内、リサイクルガス34のみを冷却塔36に導入して、新たに系内に供給する捕集用水33’と気液接触して冷却させ、リサイクルガス34に含まれる凝縮性物質を凝縮し、凝縮しきれなかったガスを反応器20に循環する。凝縮液は捕集用水33’と混合して捕集用水溶液33として捕集塔30に供給してもよい。なお、本明細書では、捕集塔30の塔頂からの排出ガス32のうち、反応器に循環させる排出ガスを「リサイクルガス」と、系外に排出されるガスを「廃ガス」とする。このように、本発明のアクリル酸の製造方法における好ましい形態においては、蒸留塔留出液71を循環させ、かつリサイクルガス34を冷却することで、捕集塔塔底から高濃度にアクリル酸を含有するアクリル酸含有溶液35が得られる。本発明においては、かかるアクリル酸含有溶液35に、本発明の晶析方法を施してもよい。凝縮しきれなかったガスを反応器20に循環するという操作を行わず、該ガス25を捕集塔30の塔底に供給し、該捕集塔30の塔頂からは捕集用水溶液33を供給してアクリル酸含有ガス25と捕集用水溶液33とを接触させることによって得られたアクリル酸含有溶液35に、本発明の晶析方法を施してもよい。
一方で、アクリル酸含有溶液35には、アクロレインが含まれていることがある。よって、本発明のアクリル酸の製造方法の好ましい形態においては、アクリル酸含有溶液35をアクロレイン分離塔31に供給し、含まれるアクロレインを分離処理し、塔底からアクロレイン量を低減させたアクリル酸含有溶液35’を得る(アクロレイン分離工程)。なお、分離塔31の塔頂留出液は、捕集塔30の塔底に循環させると、アクロレインと共に留出したアクリル酸を有効に回収することができる点で好ましい。
次いで、該アクリル酸含有溶液35’を晶析装置50に供給すると製品アクリル酸60が得られる。本発明のアクリル酸の製造方法における晶析方法は、本発明の特徴部分であり、後に詳説する。
一方で、上記のように、晶析装置50からの残留母液の少なくとも一部は、蒸留塔70の中段に供給し、含まれる低沸点物質およびアクリル酸を塔頂から留出させ(アクリル酸含有溶液の蒸留工程)、該留出液71を前記捕集塔30に循環させると好ましい。
また、蒸留塔70の塔底液に含まれる高沸点物質にはアクリル酸二量体が含まれるため、これを薄膜蒸発器73を経て熱分解槽75に滞留させてアクリル酸に熱分解すると好ましい(アクリル酸二量体の分解工程)。このアクリル酸を薄膜蒸発器73に戻すと蒸留塔70の塔頂から留出して留出液71となり、これを捕集塔30に循環させると、廃油ロスを回収できる。
本発明においては、上記のように水溶液捕集して得たアクリル酸含有溶液をそのまま、またはアクロレイン分離処理によってアクロレインを低減した後に、あるいは、蒸留して高沸点物質を除去またはアクリル酸に変換したものを循環させることによって得たアクリル酸含有溶液に、本発明の晶析方法を施す点に特徴がある。
この際のアクリル酸含有溶液におけるアクリル酸含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは87質量%以上である。晶析処理によってアクリル酸結晶を得るために行う晶析化の回数が増加して煩雑とならないようにするとの観点から、アクリル酸含有量が80質量%以上であることが好ましい。
なお、本明細書においては、晶析工程に特徴があるため、それ以外の説明、例えば、アクリル酸捕集工程、アクロレイン分離工程、アクリル酸含有溶液の蒸留工程、アクリル酸二量体の分解工程などについては、JP−A−2005−15478(対応US2004249199A1)の開示内容が、参照により全体として引用されている。
なお、プロピレンを原料とする場合の接触気相酸化反応は、通常2段階で行い、二種類の接触気相酸化触媒10を使用する。第1段目の触媒はプロピレンを含む原料ガスを気相酸化して主としてアクロレインを生成し得るものであり、第2段目の触媒はアクロレインを含む原料ガスを気相酸化して主としてアクリル酸を生成し得るものである。第1段目の触媒としては、鉄、モリブデンおよびビスマスを含有する複合酸化物を、また第2段目の触媒としてはバナジウムを必須成分とする触媒を挙げることができる。
なお、図1では、上記第2段階の反応をシングルリアクターで行なう態様を示したが、異なる2つの反応器を接続したタンデムで行なってもよい。接触気相酸化反応で得られるアクリル酸含有ガス25には、アクリル酸5〜14体積%、酢酸0.1〜2.5体積%、分子状酸素0.5〜3体積%、水5〜36体積%が含まれ、その他は原料ガス中の未反応成分およびプロピオン酸、マレイン酸、アセトン、アクロレイン、フルフラール、ホルムアルデヒド、COxなどの反応副生物質である。
アクリル酸捕集塔30において、アクリル酸含有ガスと捕集用水溶液との接触方法には公知の接触方法を使用することができ、例えば、泡鐘トレイ、ユニフラットトレイ、多孔板トレイ、ジェットトレイ、バブルトレイ、ベンチュリートレイを用いる十字流接触;ターボグリッドトレイ、デュアルフロートレイ、リップルトレイ、キッテルトレイ、ガーゼ型、シート型、グリット型の規則充填物、不規則充填物を用いる向流接触などが挙げられる。
本発明のアクリル酸の製造方法の好ましい形態によると、該アクリル酸含有ガス25を捕集用水溶液33と接触させてアクリル酸を捕集する際に、後述の蒸留塔70からの留出液71および、後述の晶折装置50からの残留母液(以降、これらを循環液と称する)を捕集塔30の中段に供給することが好ましい。
アクリル酸捕集塔は、常圧以上で操作するのが一般的である。本発明では、塔頂圧力(ゲージ圧)としては、好ましくは0〜0.4MPa、より好ましくは0〜0.1MPa、さらに好ましくは0〜0.03MPaである。減圧装置を使わず設備費、用役費をかけないようにするという観点から0MPa(ゲージ圧)以上であることが好ましく、塔頂から低沸点物質を排出させるための捕集塔の温度をあまり上げないようにして捕集効率を向上させる観点から0.4MPa(ゲージ圧)以下であることが好ましい。
また、塔頂温度としては、一般には30〜85℃、特には40〜80℃であることが好ましい。
本発明では、このような捕集条件によって、アクリル酸:80〜98質量%、水:1〜19質量%、およびその他の不純物(酢酸、マレイン酸、プロピオン酸などの酸類およびフルフラール、ホルムアルデヒドなどのアルデヒド類など):1〜10質量%のアクリル酸含有溶液35が得られる。
本発明のアクリル酸の製造方法の好ましい形態によると、アクリル酸含有溶液35または35’を晶析装置50に供給し、精製アクリル酸(製品アクリル酸)60を得る。
なお、アクリル酸捕集工程が施されたアクリル酸含有溶液35または35’は、高温であるため、熱交換器等で冷却するか、アクリル酸含有液を一時的にタンクにためる際には、タンクでの外部熱交で冷却した後、晶析装置50に供給するのが好ましい。本発明において使用される結晶化方法は、回分式であれば特に制限はない。1段または2段以上で実施することができる。具体的にはJP−A−2005−15478(対応US2004249199A1)に記載される回分式の晶析器、晶析方法を用いることができる。回分式晶析装置としては例えば、SulzerChemtech社スイスの層結晶化装置(動的結晶化装置)、BEFSPROKEM社フランスの静的結晶化装置などを使用することができる。
本発明の晶析方法は、特に回分式動的晶析装置を用いてアクリル酸を晶析する工程において、アクリル酸結晶を融解する(特に、融解液を循環し、落下被膜状に流下させながら(Falling Film形式)融解する)操作に好適に用いられる。そこで、ここでは、回分式動的晶析装置を用いてアクリル酸結晶をFalling Film形式で融解する方法(例えば、前述の特許文献1)を例に挙げて本発明を具体的に説明する。
図2は、回分式動的晶析装置(メルト晶析装置)を用いて本発明の晶析方法を実施する一態様を示した説明図である。晶析装置50においては、冷却または加熱した媒体(サーモスタットにより媒体の温度を調整し得るようになっている。)をライン82から導入し、ライン83から抜き出すことにより、ジャケット内を循環させ、晶析管84を、冷却または加熱することができる。
(1)結晶化操作
結晶化の操作(つまり、アクリル酸結晶を析出させるための操作)においては、まず、冷却媒体を上記のようにジャケット内を循環させる。一方、チューブ側にはアクリル酸含有溶液35またはアクリル酸含有溶液35’をライン86から導入する。所定量導入後は閉鎖する。なおかかる所定量は、生産量(晶析装置)に依存する。晶析管1本当りに付けることができる結晶量は決まっているからである。
そして、ライン85を経て循環させ、アクリル酸含有溶液35またはアクリル酸含有溶液35’を冷却することによって、晶析管84の内表面にアクリル酸を結晶化させる(つまり、アクリル酸結晶を析出させる)。この際、晶析管84の数は、図2においては1本のみであるが、複数あっても構わない。数の上限としては、液の分散が悪くならず、製品品質が低下しない数であれば特に制限されない。
アクリル酸結晶は、粗アクリル酸(アクリル酸含有溶液35またはアクリル酸含有溶液35’)を、後述する動的結晶化装置を用いて晶析して得られたものであると、アクリル酸含有溶液のアクリル酸濃度を80%質量以上とすることができるため、結晶化操作の時間を短縮することができ、生産性の観点から好ましい。
また、アクリル酸結晶が、粗アクリル酸(アクリル酸含有溶液35またはアクリル酸含有溶液35’)を後述するメルト晶析装置を用いて晶析して得られたものであると、アクリル酸含有溶液のアクリル酸濃度を80質量%以上とすることができるため、結晶化操作の時間を短縮することができ、生産性の観点から好ましい。
析出させるアクリル酸結晶の量は、好ましくは、上記所定量全量(導入してから閉鎖されるまでに供給されたアクリル酸含有溶液35またはアクリル酸含有溶液35’の量)に対して、好ましくは95〜50質量%である。この際の冷却媒体の温度としても、所望の析出量が析出できる量であれば、特に制限されない。なお、この冷却媒体の温度と、晶析管84の内表面の温度とは、実質的に同一とみなす。
アクリル酸結晶として析出させなかった残りのアクリル酸含有溶液35またはアクリル酸含有溶液35’は、晶折装置50からの残留母液として、少なくとも一部は、蒸留塔70の中段に供給し、高沸分不純物をカットした後、含まれる低沸点物質およびアクリル酸を塔頂から留出させ、該留出液71を前記捕集塔30に循環させると好ましい。その残りは直接捕集塔30に循環させると好ましい。
(2)発汗操作
続いて、冷却媒体を加熱媒体に変更し、晶析管84の内表面上に析出しているアクリル酸結晶の発汗をおこなう。なお、発汗とは、結晶内に取り込まれた母液(つまり、アクリル酸含有溶液35またはアクリル酸含有溶液35’)に起因する不純物を、結晶の温度を上げること等によって結晶外に取り除く現象及び操作である。本発明における晶析方法においては、上記で析出したアクリル酸結晶の一部を融解させることによって行うことができる。
この際の、融解させるために導入する加熱媒体の温度にも特に制限されないが、アクリル酸融点よりも著しく高温であれば、全体が溶け出し発汗効果が害われるため、融点付近が好ましい。アクリル酸を溶かすことで不純物が染み出していく。一方、一気にアクリル酸融点近辺にすると、一気にアクリル酸が溶けだすため、部分融解ではなく、融解となってしまう。よって、融点以下からゆっくりと温度を上げていくことが好ましい。
上記で析出したアクリル酸結晶のうち、発汗させる(部分融解させる)量にも、特に制限はないが、不純物を効果的に除去するという観点から、析出しているアクリル酸結晶全量の、好ましくは0.01〜30質量%である。発汗量が多いと不純物のカットできる量は多くなるが、アクリル酸の取得収率が悪くなるため、上記の範囲程度が好ましい。
このように発汗操作を行うことによって、製造されるアクリル酸の純度が向上する。
(3)融解操作
上記の発汗操作後、(発汗液は残留母液とあわせ系外に排出した後)析出しているアクリル酸結晶を融解し、融解液(結晶融解液とも称する)を得る。
本発明の晶析方法においては、融解開始後に融け出す融解液に重合防止剤を添加し、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶(析出しているアクリル酸結晶)に循環供給しながら全結晶を融解させる点に特徴を有する。
融解開始後に融け出す融解液に重合防止剤を添加するという構成は、換言すれば、結晶融解液を貯蔵する貯槽を必ずしも備える必要はないということである。つまりは、融解開始後に融け出す融解液は晶析装置50の底に溜まり、それに重合防止剤を添加することができるので、結晶融解液を貯蔵する貯槽が不要となる。つまり、本発明においてはアクリル酸を製造するための装置の構成が簡略化されるという効果を奏する。そして、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給するのであるが、晶析管外壁を流れる熱媒から熱を利用して、換言すると、予め加熱を行わずに循環しながら暖かくなっていくので、別途の加熱する手段が不要となる。つまり本発明においては、この点でも、アクリル酸を製造するための装置の構成が簡略化されるという効果を奏する。すなわち、本発明においては、低コストであるアクリル酸の晶析方法を提供することができる。また、先行文献のように、別途、重合防止剤を含む液を事前に準備する必要もないため、本発明の方法によれば生産性の向上に繋がるという点でも好ましい。また、重合防止剤を含む希薄母液を準備しなければならない場合、事前に加熱をする必要があるが、本発明では、かような加熱をしないで済むので、生産時間の短縮に繋がり、ひいては、生産性の向上に繋がる。また、本発明においては、濃厚溶液または固体を直接添加することができるので、製品アクリル酸の品質(特に、色の観点)が向上する。
ここで、「融解開始後に融け出す融解液(「初期融解液」とも称する)」について説明を行う。晶析管84の内表面上には、発汗操作を経て不純物が低減されたアクリル酸結晶が付着している。かかる発汗操作を経て不純物が低減されたアクリル酸結晶を加熱媒体で加熱することによって融解させるのであるが、その加熱によって一気にすべてを融解させるわけではない。晶析管84の内表面上に付着している発汗操作を経て不純物が低減されたアクリル酸結晶が加熱されることによって、その一部が融解されるのであるが、「融解開始後に融け出す融解液」は、その一部の融け出した融解液を意味する。なお、溶け出した融解液に重合防止剤を添加することができれば、溶け出す前に、先に、重合防止剤を添加してもよい。ポンプ循環するにはある程度の液量が必要なため、重合防止剤を添加するタイミングは、「融解液が溶け出す前(液が溜まる前に、先に添加しておくとよい)」から「ポンプミニマム液量が溜まる」までであるとよい。
本発明の晶析方法においては、かかる「融解開始後に融け出す融解液」に重合防止剤を添加する点に特徴を有する。そして、該重合防止剤を含有する融解液を、晶析管84の内表面上に付着している発汗操作を経て不純物が低減されたアクリル酸結晶に循環供給して、かかるアクリル酸結晶上を濡らすことによって、晶析管84の内表面上に付着しているアクリル酸の全結晶を融解させる点に特徴を有する。より平たく言えば、発汗操作を経て不純物が低減されたアクリル酸結晶本体からの初期融解液に重合防止剤を添加して、それを循環することによって全結晶を融解する点に特徴を有する。
融解開始後に融け出す融解液は、晶析装置の底部のコレクター部100に溜まるが、このコレクター部100に溜まった融解開始後に融け出す融解液に、重合防止剤を添加すると好ましい。換言すれば、重合防止剤は、該晶析装置のコレクター部に直接添加されると好ましい。そのようにすることによって、重合防止剤を含有する融解液を容易に作製することができる点で好ましい。
そして、かかる重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解させる。融解開始後に融け出す融解液に重合防止剤を添加する条件にも特に制限はないが、融解開始後に融け出す融解液に、重合防止剤の固体または濃厚溶液を投入することが特に好ましい。重合防止剤の濃厚溶液を投入する場合は、タンク88に該濃厚溶液を仕込み、ポンプ89によりコレクター部100に導入すればよい。この際、固体または濃厚溶液の投入量にも、製品として取り出した際のアクリル酸の濃度が製品スペックにあう量であれば、特に制限はない。これにより、循環した融解液はアクリル酸結晶を濡らしながら落下してアクリル酸結晶の融解を促進する。また、重合防止剤の固体を添加する場合は、タンク88、ポンプ89の代わりにオートフィーダーを用いてコレクター部100に重合防止剤を投入してもよいし、手作業で重合防止剤を直接、コレクター部100に投入してもよい。この際、重合防止剤の固体の投入量にも特に制限はない。
重合防止剤としては従来公知のものが適宜選択されて使用され、具体的には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−1−オキシルなどのN−オキシル化合物、p−メトキシフェノールなどのフェノール化合物、酢酸マンガンなどのマンガン塩化合物、ジブチルジチオカルバミン酸銅などのジアルキルジチオカルバミン酸銅塩化合物、ニトロソ化合物、アミン化合物およびフェノチアジン化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を使用してもよい。好ましくは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−1−オキシルなどのN−オキシル化合物、p−メトキシフェノールなどのフェノール化合物、酢酸マンガンなどのマンガン塩化合物から選ばれる1種以上の化合物が用いられる。上記のN−オキシル化合物、フェノール化合物、マンガン塩化合物から選ばれる1種以上の化合物を用いた場合には、より色調の優れた十分に高い品質のアクリル酸を得ることができる点で好ましい。
ここで、重合防止剤の濃厚溶液を用いて本発明の晶析方法を実施する場合は、重合防止剤の濃厚溶液における重合防止剤の濃度(母液と、重合防止剤との総質量に対する重合防止剤の質量)の下限としては、1質量%以上とすることが好ましい。より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、特に好ましくは5質量%以上の溶液を用いる。
なお、晶析装置の底部のコレクター部には、既に「融解開始後に融け出す融解液」が溜まっている。晶析装置の底部のコレクター部に添加する重合防止剤のアクリル酸溶液の濃度は、アクリル酸結晶が全て溶けたときに、製品アクリル酸のスペックの設定濃度になるよう重合防止剤の母液濃度(重合防止剤の濃度)を調整することが好ましい。
一方で、重合防止剤の濃度が1質量%未満であると、母液(つまり、重合防止剤を調製するための溶媒)がより多く必要となる場合がある。アクリル酸結晶の融解時に、晶析装置に導入する母液の量が多いと母液の色調悪化の影響をより多く受けてしまうため好ましくない。本発明のように、有意に濃い溶液(濃厚溶液)を用いることによって、重合防止剤の使用量を少なくすることができ、ひいては製品のロスの低減に繋がる(これは、固体の形態の重合防止剤を添加する例でも同様の効果がある)。また、このように有意に濃い溶液(濃厚溶液)を用いることによって、その濃厚溶液を貯蔵するためのタンク88が小さくて済むため、アクリル酸製造設備の徒な拡大を抑えることができて好ましい(固体の形態の重合防止剤を添加する例では、そもそも、そのような設備までもが不要となり、好ましい)。また、このように、有意に濃い溶液(濃厚溶液)を用いることによって、色調悪化の影響をより多く受けることがないので、製品品質(色調)の向上に繋がる(これも、固体の形態の重合防止剤を添加する例でも同様のことが言える)。なお、上記に記載する「母液」の濃度の調節は、製品アクリル酸を使って実施することが好ましい。
なお、上限としては特に制限はないが、使用する重合防止剤、母液の種類により溶解度の上限があることを考慮に入れることが好ましく、重合防止剤と溶媒の溶解度の関係から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さらにより好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
また、重合防止剤の母液としては、アクリル酸、水、酢酸などを使用することができるが、水や酢酸を使用すると、製品中の水・酢酸濃度が高くなり、品質が低下する虞があるため、製品アクリル酸を使用することがより好ましい。
なお、重合防止剤を添加する際の形態が固体であっても濃厚溶液であっても、アクリル酸が全て溶けた時に、製品アクリル酸の設定濃度になるように添加することが好ましい。
さらに、重合防止剤の濃厚溶液は加熱せずに晶析装置に導入することが好ましい。重合防止剤の溶液を加熱すると重合防止剤の変性などにより、母液の色調が悪化するため、得られるアクリル酸製品の品質を低下させてしまう。また、加熱しないため、加熱設備が不要となり、その点でも好ましい。
また、重合防止剤を添加するタイミングにも、融解開始後に融け出す融解液に重合防止剤を添加できる条件であれば特に制限はない。融解開始後に融け出す融解液が晶析装置の底部のコレクター部100に溜まり、その溜まっている融解液に重合防止剤を添加してもよい。また、予め晶析装置の底部のコレクター部100に重合防止剤を添加しておけば、融解開始後に融け出す融解液は、晶析装置の底部のコレクター部100に溜まるので、自動的に添加できるということになる。予め添加しておくほうが、溶け出した液には重合防止剤が入っていないため、そこで重合が起こる可能性があるため、好ましい。
上記のように、重合防止剤を含有する初期融解液を準備し、それを結晶に循環供給しながら全結晶を融解させる。より具体的には、晶析管84から溶け出た融解液(重合防止剤を含有する前記融解液)を底部から抜き出してライン85により頂部に循環し、アクリル酸結晶上を流下させる。上記のように、重合防止剤の濃厚溶液を投入する場合は、タンク88に該濃厚溶液を仕込み、ポンプ89によりコレクター部100に導入すればよい。これにより、循環した融解液(重合防止剤を含有する前記融解液)はアクリル酸結晶を濡らしながら落下してアクリル酸結晶の融解を促進する。また、重合防止剤の固体を添加する場合は、タンク88、ポンプ89の代わりにオートフィーダーを用いてコレクター部10に重合防止剤を投入してもよいし、手作業で重合防止剤を直接、コレクター部100に投入してもよい。
この落下液の量は、特に制限はなく、適宜選択できる。全部循環させコレクター部100の液面が低くなれば、ポンプ87のキャビテーションが懸念されるため、液面がある程度溜まってから循環を開始する。その後は、結晶が溶けて液面が徐々に上がってくる。上記までの好ましいサイクルを簡単に纏めると、アクリル酸原料ガスに接触気相酸化を施してアクリル酸ガスを得る。そして、そのアクリル酸ガスと捕集用水溶液等と接触させることによって、アクリル酸溶液を得る。そして、そのアクリル酸溶液を晶析装置に導入する。その後、結晶化操作、発汗操作を経て、融解操作における融解開始後に融け出す融解液に重合防止剤を添加し、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解させる。
本発明の晶析方法においては、1サイクル中で発生する融解液そのものに直接に固体または濃厚溶液などの形態の重合防止剤を添加する点に特徴を有する。言い換えれば、アクリル酸溶液(原料溶液)を晶析装置に導入して1サイクルが始まった後に発生する融解液(初期融解液)に、固体または濃厚溶液などの形態の重合防止剤を添加する点に特徴を有する。また、重合防止剤を濃厚溶液の形態で添加する場合の溶液(母液)は、製品アクリル酸であることが好ましい。
各段階は、上記のように、結晶化、発汗および融解からなる操作(動的結晶化)が含まれる。この結晶化、発汗および融解を1回行うことを1段階の晶析操作という。1サイクルとしては、アクリル酸溶液(捕集液)(アクリル酸含有溶液35’)を晶析装置に導入し(1サイクルの始まり)、結晶化および発汗し、好ましくは遅いほうの段数において、重合防止剤を添加した初期融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解することで、その融解液を製品とすることができる(1サイクルの終わり)。
このように、アクリル酸結晶の融解を、特定の条件下、すなわち、融解開始後、結晶を融解液で濡らしながら融解させる際に、結晶融解時に専用の融解液貯槽や融解液の加熱手段などを設けることなく、同一サイクル(同一段)で発生する該融解液そのものに直接に固体または濃厚溶液などの形態の重合防止剤を添加することにより前記目的が達成される。
本発明における晶析操作は多段階晶析操作に限定されないが、純度の高い製品アクリル酸を製造するという観点からは、動的結晶化を複数回(複数段)行う多段階晶析操作を経た方が好ましい。この段数としても特に制限はないが、好ましくは2〜6回、より好ましくは3〜5回、さらに好ましくは3〜4回程度である。なお、1サイクルの晶析操作とは、設定回数(2〜6回程度)操作を繰り返し、製品アクリル酸を得る工程を言う。
本発明の晶析方法においては、重合防止剤を添加した初期融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解するというという点に特徴を有するが、この多段階晶析操作の場合、かかる複数段のうち、初期融解液への重合防止剤の添加は、少なくとも1回行えば十分である。ただし、例えば、4段階の晶析を行う場合は、アクリル酸純度が上がった、3段または4段で行うと好ましい。
ここで、4段階晶析操作の1サイクル(n=4)を例に挙げて説明する。
図3に示すように、アクリル酸溶液を晶析装置に導入する(1サイクルの始まり)。そして、結晶化および発汗を行う。次に、融解を行う。この際、初期融解液に重合防止剤を添加してそれを循環供給しながら全結晶を融解して第1段を終了してもよい。続いて、第2段である。第1段で得られた融解液を晶析装置に導入する。そして、結晶化および発汗を行う。そして、この第2段の初期融解液に重合防止剤を添加し、それを循環供給しながら全結晶を融解してもよい。第3段階、第4段階の晶析操作も同様である。ただ、好ましくは、早い段においてかかる初期融解液に重合防止剤を添加するよりも、遅い段において添加することが好ましい。例えば、4段階晶析操作であれば、第3段および第4段において、初期融解液に重合防止剤を添加し全結晶を融解することが好ましい。このように、傾斜的に初期融解液に重合防止剤を添加するタイミングを制御することによってアクリル酸の重合防止効果との効果がある。また、例えば、3段階晶析操作の1サイクル(n=3)であれば、初期融解液に重合防止剤を添加し全結晶を融解するのは、第2段、第3段が好ましい。
このように、アクリル酸結晶の融解を、特定の条件下、すなわち、融解開始後、結晶を融解液で濡らしながら融解させる際に、結晶融解時に専用の融解液貯槽や融解液の加熱手段などを設けることなく、同一サイクル(同一サイクル)で発生する該融解液そのものに直接に固体または濃厚溶液などの形態の重合防止剤を添加することにより前記目的が達成できる。
このように、アクリル酸結晶の融解を、特定の条件下、すなわち、融解開始後、結晶を融解液で濡らしながら融解させる際に、結晶融解時に専用の融解液貯槽や融解液の加熱手段などを設けることなく、同一サイクル(同一サイクル)で発生する該融解液そのものに直接に固体または濃厚溶液などの形態の重合防止剤を添加することにより前記目的が達成できる。
なお、上記のように、この本発明のアクリル酸の晶析方法を、多段階晶析操作の最終精製段階に適用した場合には、得られるアクリル酸は系外に取り出しそのまま製品とすることができる。その際には、融解開始後に融け出す融解液(初期融解液)に添加する重合防止剤として、製品スペックに定められた重合防止剤を選択し、かつ添加する量も製品スペックに定められた濃度になるように決定して、融解液に添加すればよい。このようにすることによって、製品アクリル酸の重合防止剤含有量を容易に調整することができるという効果ある。重合防止剤含有量を容易に調整することができるということによって、後に行われうる工程(安定剤調整工程)の簡略化、タンク等付帯設備が不要なため、投資コストの低減などの効果との効果もある。
すなわち、本発明の第2は、多段階晶析操作の最終精製段階のアクリル酸結晶を融解し、融解開始後に融け出す融解液に、製品スペックに見合う所定量の重合防止剤を添加し、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解させた後、製品アクリル酸として系外に取り出す、製品アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法が提供される。
ここで、「製品スペックに定められた重合防止剤」については、上記で説明した重合防止剤の具体例が、ここでも同様に妥当する。
また、「製品スペックに見合う所定量」については、製品スペックに定められた濃度になるようであれば特に制限はない。また、「製品スペックに定められた濃度」は、製品アクリル酸全量に対して、好ましくは60〜220質量ppm、より好ましくは65〜210質量ppm、さらに好ましくは70〜210質量ppm、特に好ましくは80〜205質量ppmである。
上記の「製品スペックに定められた濃度」の範囲内にするためには、「製品スペックに見合う所定量」を適宜変更することができ、定められた製品安定剤濃度になるよう、重合防止剤(固体)および濃厚溶液の添加量を調整すればよい。
なお、本発明においては、添加された重合防止剤はアクリル酸と共にコレクター部100、ポンプ87、ライン85、晶析管84を通り、循環されるので均一混合されることになる。なお、結晶の融解が完全に終了した後も、適当な時間、液を循環させることより重合防止剤は全融解させたアクリル酸に対して、より均一混合される。
上記の晶析方法(あるいは調整方法)により得られたアクリル酸(製品アクリル酸)は、低コストであるにも関らず、アクリル酸の品質を一段と向上し得る。上記の晶析方法により得られたアクリル酸(製品アクリル酸)のアクリル酸の純度は、好ましくは95%質量%以上であり、より好ましくは97質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上である。
また、上記の晶析方法(あるいは調整方法)により得られたアクリル酸(製品アクリル酸)の色調(APHA)は、好ましくは20以下であり、より好ましくは10以下であり、さらに好ましくは5以下である。
以上、本発明によれば、低コストでアクリル酸の品質を一段と向上し得るようにしたアクリル酸の晶析方法を提供することができる。
また、本発明によれば、晶析法により精製された製品アクリル酸の重合防止剤含有量の簡便な調整方法を提供することができる。
また、本発明の方法によれば、アクリル酸結晶の融解を伴う晶析操作により得られるアクリル酸に対して追加の精製処理を行うことなく、低コストで十分に高い品質のアクリル酸を得ることができる。
なお、上記の形態においては、プロピレンを原料ガスとしての接触気相酸化を行うことによって原料のアクリル酸を得ているが、本形態の変形例として、本発明の晶析方法に供される原料であるアクリル酸を他の方法で得ることもできる。つまり、かかる変形例によれば、本発明の晶析方法に供される原料であるアクリル酸として、グリセリンまたは2−メチルグリセリンを脱水し(メタ)アクロレインに転化する工程と、かかる(メタ)アクロレインをさらに酸化して(メタ)アクリル酸に転化する工程とを含む製法、あるいは、ヒドロキシプロピオン酸または2−メチル−3−ヒドロキシプロピオン酸を(メタ)アクリル酸に脱水することにより得られたものであってもよい。この得られた原料である(メタ)アクリル酸を、ライン86から導入し、本発明の晶析方法を施すことによって、精製された(メタ)アクリル酸を得る。つまり、これらのいずれかの方法により得られた粗(メタ)アクリル酸を、本発明の晶析方法に用いられる晶析装置に導入し、本発明の晶析方法を施すことによって精製された(メタ)アクリル酸を得る。なお、かかる本発明の晶析方法は、上記の(3)晶析工程(本発明の晶析方法)で説明したとおりであるのでここではその説明を省略する。
以下、グリセリンを脱水し更に酸化して粗アクリル酸を得る方法とヒドロキシプロピオン酸(HP)を脱水して粗アクリル酸を得る方法を示す。
<グリセリンを脱水してアクロレインを製造する方法>
アクロレインを製造する方法は、触媒の存在下においてグリセリンを脱水させてアクロレインを生成する方法であって、前記触媒としては、酸性質を有する固体触媒が挙げられる。酸性質を有する固体酸触媒としては、固体酸性を有する化合物であれば良く、(a)結晶性メタロシリケート、(b)金属酸化物、(c)粘土鉱物、(d)鉱酸をアルミナやシリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機担体に担持したもの、(e)リン酸や硫酸の金属塩およびそれらをアルミナやシリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機担体に担持したもの、等が挙げられる。
(a)結晶性メタロシリケートとしては、Al、B、Fe、Ga等から選ばれる1種または2種以上の元素をT原子とし、その結晶構造としては、LTA、CHA、FER、MFI、MOR、BEA、MTW等があり、(b)金属酸化物としては、Al、TiO、ZrO、SnO、V、などの単独金属酸化物以外に、SiO−Al、SiO−TiO、TiO−WO、WO−ZrO等の複合酸化物があり、(c)粘土鉱物としては、ベントナイト、カオリン、モンモリロナイトなどがあり、(d)鉱酸を無機担体に担持したものとして、リン酸や硫酸をアルミナやシリカ、ジルコニアなどに担持したもの等があり、(e)リン酸や硫酸の塩としては、MgSO、Al(SO、KSO、AlPO、BPO、Zr(PO等が例示される。具体的には、国際公開WO2006/087083号公報およびWO2006/087084号公報に開示されている固体酸(リン酸、硫酸または酸化タングステンを担持している酸化ジルコニウムなど)を使用することもできる。これらの中で、脱水反応時や再生処理時において高温で、酸化や還元雰囲気に曝される事から、安定性の良い固体触媒が好ましく、結晶性メタロシリケート、金属酸化物および粘土鉱物等が好適であり、結晶性メタロシリケートとしてはT原子がAlでMFI構造のHZSM5が、金属酸化物としては結晶性のリン酸塩化合物が好ましく、リン酸アルミニウムが特に好適である。HZSM5の酸強度は、ハメットの酸強度関数H0で−9および−16付近にピークを持つ強酸性を示し(触媒 Vol.29 No.6 p406−409 1987 橋本健治 他)、またリン酸アルミニウムの酸強度については、調製方法や結晶系により異なるが、ハメットの酸強度関数H0で+1.5〜+4.8と弱い固体酸性を示すことが知られている(日本化学会誌 1995 (9) p681〜688 坂本清子 他)。
アクロレインの製造方法は、例えば、固定床反応器、流動床反応器、移動床反応器などから任意に選択された反応器内で、グリセリンガスを含有する反応ガスと触媒とを接触させる気相脱水反応により、アクロレインを生成するものである。なお、グリセリンガスを含有する反応ガスと触媒とを接触させる気相脱水反応に限定されるものではなく、グリセリン溶液と触媒とを接触させる液相脱水反応を適用することも可能である。後者の場合、液相脱水反応は、固定床と蒸留塔を組み合わせた方法、攪拌槽と蒸留塔を組み合わせた方法、一段式の攪拌槽を用いる方法、多段式の攪拌槽を用いる方法、多段式の蒸留塔を用いる方法、および、これらを組み合わせた方法など、従来公知の様々な方法で実施することができる。これらの方法は、バッチ式または連続式のいずれでもあってもよいが、通常は連続式で実施される。
以下では、アクロレインの工業的生産性に優れた気相脱水反応を利用するアクロレインの製造方法を例に挙げて説明する。
反応ガスは、グリセリンのみで構成されるガスであっても、反応ガス中のグリセリン濃度を調整するために、グリセリンの脱水反応に不活性なガスを含有していてもよい。不活性ガスとしては、例えば、水蒸気、窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気などが挙げられる。反応ガス中におけるグリセリン濃度は、通常は0.1〜100モル%、好ましくは1モル%以上であり、アクロレインの製造を経済的かつ高効率に行うために、より好ましくは5モル%以上である。
本発明の触媒は、アクロレイン選択率が高いグリセリン脱水用触媒であるので、反応ガスの流量を大きく設定してもアクロレインを高収率で得ることができる。反応ガスの流量は、触媒の単位容積あたりのガス空間速度(GHSV)で表すと、通常は50〜20000hr−1、好ましくは10000hr−1以下であり、アクロレインの製造を経済的かつ高効率で行うために、より好ましくは4000hr−1以下である。
反応温度は、通常は200〜500℃、好ましくは250〜450℃、より好ましくは300〜400℃である。
反応ガスの圧力は、グリセリンが凝縮しない範囲の圧力であれば、特に限定されるものではないが、通常は0.001〜1MPaであるとよく、好ましくは0.01〜0.5MPa、より好ましくは0.3MPa以下である。
グリセリンの脱水反応を連続的に行うと、触媒の表面に炭素状物質が付着して触媒の活性が低下することがある。特に、アクロレイン選択率が低下し、プロピオンアルデヒド選択率が上昇する。このような場合には、触媒と再生用ガスとを高温で接触させる再生処理を行えば、触媒の表面に付着した炭素状物質を除去して触媒の活性を復活させることができる。再生用ガスとしては、例えば、酸素、酸素を含有する空気などの酸化性ガスが挙げられる。再生用ガスには、必要に応じて、窒素、二酸化炭素、水蒸気などの再生処理に不活性なガスを含有させてもよい。触媒と酸素との接触により、急激な発熱が懸念される場合には、その急激な発熱を抑制するためにも、不活性ガスを再生用ガスに含有させることが推奨される。再生処理の温度は、触媒を熱劣化させることなく、炭素状物質を除去できる温度であれば、特に限定されるものではないが、触媒製造の際の焼成温度以下であることが好ましい。
グリセリンの脱水反応により得られた粗製アクロレインは、副生成物を含んでいる。そこで、得られた粗製アクロレインを精製することが好ましい。副生成物としては、プロピオンアルデヒド以外に、例えば、フェノール、1−ヒドロキシアセトン、アリルアルコールなどが挙げられる。粗製アクロレインを精製する際には、主として、フェノールおよび/または1−ヒドロキシアセトンを除去する。これらの副生成物を除去することにより、アクロレインからアクリル酸を製造する際におけるアクリル酸の収率が向上する。特に、1−ヒドロキシアセトンを除去すれば、酢酸の発生量を減らすことができる。
アクリル酸の収率が向上することを考慮すれば、フェノールおよび/または1−ヒドロキシアセトンの除去量を多くすることが好ましいと考えられる。そこで、精製後のアクロレイン(A)とフェノール(Ph)との質量比Ph/A、および、精製後のアクロレイン(A)と1−ヒドロキシアセトン(H)との質量比H/Aは、いずれも、好ましくは0.020以下、より好ましくは0.010以下、さらに好ましくは0.005以下である。しかし、フェノールおよび/または1−ヒドロキシアセトンの除去量を多くすれば、アクロレインの損失が増大することやアクロレインの精製が煩雑になることがある。このことを考慮すれば、質量比Ph/Aおよび質量比H/Aは、好ましくは1×10−9以上、より好ましくは1×10−7以上、さらに好ましくは1×10−5以上である。
アクロレイン、フェノールおよび1−ヒドロキシアセトンの沸点は、それぞれ、約53℃、約182℃および約146℃である。この沸点差を利用すれば、粗製アクロレインからフェノールおよび/または1−ヒドロキシアセトンを除去することができる。その方法としては、例えば、液状の粗製アクロレインを蒸留塔で処理して除去目的物よりも低沸点のアクロレインを分留する方法、ガス状の粗製アクロレインを凝集塔で処理してアクロレインよりも高沸点の除去目的物を凝集する方法、蒸散塔内に導入した粗製アクロレインにガスを吹き込んで除去目的物よりも低沸点のアクロレインを気化させる方法などが挙げられる。
また、アクロレイン、フェノールおよび1−ヒドロキシアセトンの融点は、それぞれ、約−87℃、約43℃および約−17℃である。この融点差を利用すれば、粗製アクロレインからフェノールおよび/または1−ヒドロキシアセトンを除去することができる。その方法としては、例えば、粗製アクロレインを冷却してフェノールおよび/または1−ヒドロキシアセトンの析出物を除去する方法などが挙げられる。
なお、プロピオンアルデヒドについては、その沸点が約48℃、融点が約−81℃であり、アクロレインとの沸点差または融点差を利用して、粗製アクロレインから除去することも可能であるが、アクロレインとの沸点差および融点差がいずれも小さいので、アクロレインの損失が多くなることがある。それゆえ、脱水反応で生じたプロピオンアルデヒドについては、アクロレインから除去せずに、アクリル酸の原料であるアクロレインに同伴させて使用するほうが好ましい。
<アクロレインの酸化によるアクリル酸の製造方法>
上記のようなアクロレインの製造方法により得られたアクロレインを酸化することによりアクリル酸を製造することが可能である。
本発明においてバイオディーゼル由来のグリセリンを原料に用いた場合、得られた粗製アクロレインは、精製することなく、アクリル酸の製造に用いてもよいが、副生成物として、フェノール、1−ヒドロキシアセトン、メトキシアセトン、3−メトキシプロパナールなどを含んでおり、これらの副生成物が触媒活性の低下や収率の低下を引き起こす原因や、アクリル酸中に、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピルビン酸、3−メトキシプロピオン酸などの副生成物が含まれる原因となるので、精製してから用いてもよい。精製を行う場合は、従来公知の方法により行うことができ、反応組成物の凝集液や捕集溶剤を用いて得られた捕集液を蒸留方法や、特開2008−115103号公報記載の捕集塔および放散塔を備えた精製器を用いる方法が例示される。粗製アクロレインを精製しない場合は、後工程でアクリル酸を精製することにより、アクリル酸中の不純物を除去すればよい。工程を簡略化し、製造コストを低減できる点で、粗製アクロレインを精製しないで用いることが好ましい。
アクリル酸を製造するには、アクロレインを含有するガス(以下では「アクロレイン含有ガス」ということがある。)と、アクロレインを酸化するための触媒(以下では「アクロレイン酸化用触媒」ということがある。)とを、固定床反応器、移動床反応器、流動床反応器などから任意に選択された酸化反応器内に共存させ、温度200〜400℃で、アクロレインを気相酸化することが好ましい。なお、アクロレインの酸化に伴って、プロピオンアルデヒドからプロピオン酸が生成する。
アクロレイン酸化用触媒としては、分子状酸素または分子状酸素含有ガスを用いたアクロレインの接触気相酸化によりアクリル酸を製造する場合に用いられる従来公知のアクロレイン酸化用触媒であれば、特に限定されるものではないが、例えば、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化銅などの金属酸化物の混合物や複合酸化物などが挙げられる。これらの触媒のうち、モリブデンおよびバナジウムを主成分とするモリブデン−バナジウム系触媒が特に好適である。また、アクロレイン酸化用触媒は、上記のような金属酸化物の混合物や複合酸化物が担体(例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの無機酸化物や複合酸化物、炭化ケイ素などの無機物)に担持された担持型の触媒であってもよい。
アクリル酸の製造に用いられるアクロレイン含有ガスに対する酸素の添加量は、酸素が多すぎると、アクロレインの燃焼が生じて爆発の危険を伴うおそれがあるので、その上限値を適宜設定する必要がある。
アクロレインの気相酸化反応により、粗製アクリル酸を含有するガス状物が得られる。捕集工程では、このガス状物を冷却凝縮や溶剤捕集などにより液化して粗アクリル酸溶液を得ることができる。この粗アクリル酸溶液は本発明の晶析工程に供することができる。
次に再生可能な資源であるバイオマスなどを利用して、アクリル酸を製造する方法を示す。バイオマスからアクリル酸への直接的経路は存在しないが、天然物であり容易に入手可能な乳酸(以下、2−ヒドロキシプロピオン酸、2HPとも称す)やセルロース等を分解して得られる糖類をさらに発酵して調製される3−ヒドロキシプロピオン酸(以下、3HPとも称す)等のヒドロキシカルボン酸を脱水することにより、比較的容易にアクリル酸を調製できる。ヒドロキシカルボン酸の塩を脱水してもアクリル酸を得ることができる。
<ヒドロキシプロピオン酸の製造方法>
ヒドロキシカルボン酸および/またはその塩は種々の源から得ることができ、好適には地球温暖化及び環境保護の観点から、炭素源としてリサイクル可能な生物由来資源を用いるのが良く、天然物から入手した2−ヒドロキシプロピオン酸や、セルロース等を分解して得られる糖類をさらに発酵により調製された2−ヒドロキシプロピオン酸または3−ヒドロキシプロピオン酸を用いることができる。
2−ヒドロキシプロピオン酸水溶液は、公知の方法により入手可能であり、例えば、Advances in Applied Microbiology 42巻45−95頁1996年記載の乳酸菌を用いた発酵や、EnzymeandMicrobialTechnology26巻87−107頁2000年26:87−107(2000)に記載されているカビ(Rhizopus oryzae)を用いた発酵により得ることが可能である。
3−ヒドロキシプロピオン酸水溶液もまた、公知の方法で入手可能であり、例えば国際公開第2008/027742号に記載されている、Streptomyces griseusATCC21897由来beta−alanine aminotransferase遺伝子導入大腸菌を用いた、グルコースを炭素源とした発酵により得ることができる。また、国際公開第2001/016346号に記載されている、Klebsiella pneumoniae由来グリセリン脱水酵素および大腸菌由来アルデヒド酸化酵素導入大腸菌を用いた、グリセリンを炭素源とした発酵によっても得ることができる。3−ヒドロキシプロピオン酸水溶液の入手方法の例として上記公知文献を記載したが、本特許の方法を用いる限り、発酵に用いる細菌または組換え細菌は特に限定されず、3−ヒドロキシプロピオン酸生成能を有する生物を用いた発酵により入手した3−ヒドロキシプロピオン酸水溶液であれば本特許記載の方法で利用可能である。また、発酵以外にも原料とする糖類と生物とを接触させることで生成した3−ヒドロキシプロピオン酸水溶液でも本特許記載の方法でアクリル酸へ変換することができる。糖類と生物を接触させるとは、原料として利用する糖類の存在下で微生物又はその処理物を用いて反応を行うことをも包含する。該処理物としては、アセトン、トルエン等で処理した菌体、菌死体、凍結乾燥菌体、菌体破砕物、菌体を破砕した無細胞抽出物、これらから酵素を抽出した粗酵素液、精製酵素等が挙げられる。また、常法により担体に固定化した菌体、該処理物、酵素等を用いて反応を行うことにより入手した3−ヒドロキシプロピオン酸水溶液も用いることができる。
<ヒドロキシプロピオン酸の脱水によるアクリル酸の製造方法>
ヒドロキシプロピオン酸を脱水して粗アクリル酸を得る方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、特表2005−521718号公報に記載の方法は、発酵などにより得られた2,3−ヒドロキシカルボン酸(2HPと3HP)又はその塩を含む水溶液または溶液を準備し、その溶液を脱水触媒の存在または非存在の下で加熱することにより脱水を施し不飽和カルボン又はその塩を製造する方法である。国際公開第2005/095320号公報は、2,3−ヒドロキシカルボン酸を含む水溶液を不活性なセラミック等や酸又は塩基の固体触媒を保持したところへ導入して加熱することにより2,3−不飽和カルボン酸を調製する方法である。国際公開第2007/106100号公報は、3ヒドロキシカルボニル化合物を含む物質を実質的に液体で反応器に導入し、反応器中で転化して2,3−不飽和カルボン酸化合物を含む反応生成物を得る方法である。この場合、反応器中では酸触媒、塩基触媒等が用いられている。
このようにして得られたアクリル酸は、粗製アクリル酸を含有する液状物またはガス状物として得られる。液状物はそのまま粗アクリル酸溶液として本発明に用いることができる。ガス状物は、捕集工程で冷却凝縮や溶剤捕集などにより液化することにより、粗アクリル酸溶液とすることができ、この粗アクリル酸溶液は本発明の晶析方法に使用することができる。
続いて、本発明の第3および第4について説明を行う。
本発明の第3は、本発明の第1の晶析方法によって得られるアクリル酸または本発明の第2の調整方法によって得られる製品アクリル酸を含む単量体を重合することを含む、親水性樹脂の製造方法である。
また、本発明の第4は、本発明の第1の晶析方法によって得られるアクリル酸または本発明の第2の調整方法によって得られる製品アクリル酸を含む単量体を重合することを含む、吸水性樹脂の製造方法である。
本発明の方法で製造されるアクリル酸は、品質が安定していることから、吸水性樹脂や水溶性樹脂などの親水性樹脂を製造するための単量体として用いた場合、重合反応の制御がし易くなり、ひいては親水性樹脂の品質が安定し、吸収性能や無機材料分散性などの各種性能が改善される。特に本発明の方法で製造されるアクリル酸は、品質が安定しており重合反応の制御がし易いので、吸水性能が高く高品質の吸水性樹脂を製造するための原料として非常に有用である。
以下、本発明の吸水性樹脂に関する定義、並びに製造するための好適な態様を説明する。
(1)「吸水性樹脂」
本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味する。なお、「水膨潤性」とは、ERT441.2−02で規定するCRC(無加圧下吸水倍率)が通常5[g/g]以上であることをいい、また、「水不溶性」とは、ERT470.2−02で規定するExt(水可溶分)が通常0〜50重量%であることをいう。
上記吸水性樹脂は、その用途に応じて適宜設計可能であり、特に限定されるものではないが、カルボキシル基を有する不飽和単量体を架橋重合させた、親水性架橋重合体であることが好ましい。また、全量(100重量%)が重合体である形態に限定されず、上記性能を維持する範囲内において、添加剤等を含んでもよい。
本発明においては、任意にグラフト成分を含み、繰り返し単位としてアクリル酸および/またはその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を主成分とする吸水性樹脂を意味する。具体的には、重合に用いられる総単量体(架橋剤を除く)のうち、アクリル酸(塩)を通常50〜100モル%含む重合体をいい、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、特に好ましくは実質100モル%含む吸水性樹脂をいう。
(2)「EDANA」および「ERT」
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)である吸水性樹脂の測定方法(EDANA Recomeded Test Method)の略称である。なお、本発明においては、特に断りのない限り、ERT原本(公知文献:2002年改定)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
(a)「CRC」(ERT441.2−02)
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸水倍率(以下、「吸水倍率」と称することもある)を意味する。具体的には、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対する30分間の自由膨潤後さらに遠心分離機で水切りした後の吸水倍率(単位;[g/g])である。
本発明で得られる吸水性樹脂のCRCは20〜100g/g、好ましくは25〜50g/g、27〜45g/gが好ましいとされる。
(b)「AAP」(ERT442.2−02)
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸水倍率を意味する。具体的には、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対する1時間、2.06kPaでの荷重下膨潤後の吸水倍率(単位;[g/g])であるが、本発明においては、1時間、4.83kPa荷重下での吸水倍率(単位;[g/g])とする。
本発明で得られる吸水性樹脂のAAPは20〜30g/g、好ましくは22〜30g/gが好ましいとされる。
(c)「Ext」(ERT470.2−02)
「Ext」は、Extractablesの略称であり、水可溶分(水可溶成分量)を意味する。具体的には、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200gに対して、吸水性樹脂1gを500rpmで16時間攪拌した後、溶解したポリマー量をpH滴定で測定した値(単位;重量%)である。本発明で得られる吸水性樹脂のExtは0〜30g/g、好ましくは0〜20g/gが好ましいとされる。
(d)「FSC」(ERT440.2−02)
「FSC」は、Free Swell Capacityの略称であり、自由膨潤倍率を意味する。具体的には、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に吸水性樹脂0.20gを30分浸漬した後、遠心分離機で水切りを行わないで測定した吸水倍率(単位;[g/g])である。
(e)「Residual Monomers」(ERT410.2−02)
「Residual Monomers(RM)」とは、吸水性樹脂中に残存しているモノマー量を意味する。具体的には、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200cm3に吸水性樹脂1.0gを投入し500rpmで1時間攪拌後、該水溶液に溶出したモノマー量を高速液体クロマトグラフィーで測定した値(単位;ppm)である。本発明で得られる吸水性樹脂のRMは1000ppm以下、500ppm以下が好ましいとされる。
(f)「PSD」(ERT420.2−02)
「PSD」とは、Particle Size Disributionの略称であり、ふるい分級により測定される粒度分布を意味する。なお、重量平均粒子径(D50)および粒子径分布幅は欧州公告特許第0349240号明細書7頁25〜43行に記載された「(1) Average Particle Diameter and Distribution of Particle Diameter」と同様の方法で測定する。
(3)「通液性」
荷重下または無荷重下における膨潤ゲルの粒子間を流れる液の流れを「通液性」という。この「通液性」の代表的な測定方法として、SFC(Saline Flow Conductivity)や、GBP(Gel Bed Permeability)がある。
「SFC(生理食塩水流れ誘導性)」は、荷重0.3psiにおける吸水性樹脂に対する0.69重量%生理食塩水の通液性をいう。米国特許第5669894号明細書に記載されたSFC試験方法に準じて測定される。単位は(cm・s・10−7/g)である。
「GBP」は、荷重下または自由膨張における吸水性樹脂に対する0.69重量%生理食塩水の通液性をいう。国際公開第2005/016393号パンフレットに記載されたGBP試験方法に準じて測定される。
本発明で得られる吸水性樹脂のSFCは1以上、5以上が好ましいとされる。
(4)製造するための好適な態様
本発明の方法で製造されるアクリル酸および/またはその塩を単量体の主成分とし、アクリル酸および/またはその塩に対して0.01モル%以上、5モル%以下程度の架橋剤と、0.001モル%以上、2モル%以下程度のラジカル重合開始剤を用いて架橋重合させ、乾燥および粉砕することにより吸水性樹脂が得られる。
吸水性樹脂の生産性向上の点で好ましい製造方法は、例えば、米国特許第6867269号公報、米国特許第6906159号公報、米国特許第7091253号公報、国際公開第01/038402号パンフレット、国際公開第2006/034806号パンフレットに記載されている。
特に、本発明の方法で得られるアクリル酸の重合方法としては、特に限定されないが、連続ベルト重合(米国特許第4893999号、同第6241928号、米国特許出願公開第2005/215734号等に開示)、連続ニーダー重合、バッチニーダー重合(米国特許第6987151号、同第6710141号等に開示)が好ましく適応される。
前記で得られた重合物は、米国特許第4920202号、同5264495号、同5275773号、同6207796号、同6164455号、同6207796号、同6291636号、同6875511号等に開示する製造方法により、好ましくは粒子状の吸水性樹脂とされる。
さらに、吸水性樹脂の目的や用途に応じて、特に衛生材料に使用する場合は、吸水性樹脂を表面架橋することが好ましい。具体的な態様としては、欧州特許第0349240号、同第0605150号、同第0450923号、同第0812873号、同第0450924号、同第0668080号、日本国特開平7−242709号、同平7−224304号、米国特許第5409771号、同第5597873号、同第5385983号、同第5610220号、同第5633316号、同第5674633号、同第5462972号、国際公開第99/42494号、同第99/43720号、同第99/42496号等に開示する製造方法が好ましい。
なお、上記公報は、参照により、本明細書に組み入れられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
JP−A−2005−15478の実施例1と同様の方法によるプロピレンの接触気相酸化反応によって得られる反応ガスを捕集用水溶液と接触させ、捕集塔塔底より、アクリル酸90.0質量%、水3.2質量%、酢酸1.9質量%、マレイン酸0.6質量%、アクリル酸二量体1.5質量%、フルフラール0.07質量%、ベンズアルデヒド0.27質量%、ホルムアルデヒド0.06質量%、ハイドロキノン0.1質量%、その他の不純物2.3質量%の組成をもつアクリル酸溶液を得た。なお、このときの捕集塔塔底温度、すなわち捕集塔より取り出されるアクリル酸溶液の温度は91℃であった。
次に、このアクリル酸溶液を外気温程度に冷却した後、晶析装置に供給し、動的結晶化を4回繰り返して行って精製した。この動的結晶化は、JP−B−53−41637に記載された晶析装置に準じた晶析装置で行った。すなわち、下部に貯蔵器(コレクター部)を備え、長さ6m、内径70mmの金属管で、循環ポンプにより貯蔵器中の液体を管上部へ移送し、液体を管内壁面に落下被膜(falling film)状に流すことができるようになっている装置である。管の表面は二重ジャケットから構成され、このジャケットは、サーモスタットで一定温度になるように制御されている。第1回の動的結晶化は以下の手順で行った。
1.結晶化:貯蔵器にアクリル酸溶液を供給し、循環ポンプにより管壁面(晶析管の内表面)に落下皮膜状に流し、ジャケットの温度を凝固点以下に下降させ、約60〜90質量%を壁面(晶析管の内表面)に結晶化させた。
2.発汗:循環ポンプを停止させ、ジャケットの温度を凝固点付近にまで上昇させ、約2〜5%を発汗させた。発汗後、残留液融解液をポンプで汲み出した。
3.融解:ジャケットの温度を凝固点以上に上昇させ、結晶を融解し、ポンプで汲み出した。融解開始後、融解液は装置上部に循環し、アクリル酸結晶上に流下させた。
上記第1回動的結晶化により得られた融解液は、第二回〜第四回動的結晶化として、アクリル酸溶液の代わりに上記融解液を導入した以外は、上記と同様にして、再度の結晶化、発汗および融解の処理を行った。
上記第三回および第四回の動的結晶化の融解工程3においては、p−メトキシフェノールの5質量%アクリル酸溶液を晶析装置の底部(コレクター部)に投入した後、晶析管から溶け出た融解液を底部から抜き出して晶析装置の頂部に循環し、アクリル酸結晶上を流下させた。
p−メトキシフェノールのアクリル酸溶液の投入量は時間平均で0.0133kg/時であった。循環した融解液はアクリル酸結晶を濡らしながら落下させアクリル酸結晶の融解を行ない、精製アクリル酸を3.32kg/時で得た。なお、p−メトキシフェノールの5質量%アクリル酸溶液は、精製アクリル酸に200ppm含まれる様に投入した。
最終的に、動的晶析装置から取り出された結晶を分析したところ、アクリル酸の純度は99.94質量%であり、水:92質量ppm、酢酸:450質量ppm、マレイン酸:2質量ppm、フルフラール:0.2質量ppm、ベンズアルデヒド:0.1質量ppm、ホルムアルデヒド:0.0質量ppm、アクリル酸二量体:41質量ppmを含むものであった。また該アクリル酸の色調は2(APHA)であった。
(参考例1)
p−メトキシフェノールの0.0995質量%アクリル酸溶液を晶析装置の底部に投入して、晶析装置の頂部に循環し、アクリル酸結晶上を流下させ、循環したp−メトキシフェノールのアクリル酸溶液および溶け出た融解液はアクリル酸結晶を濡らしながら落下させアクリル酸結晶の融解を行った以外は実施例1と同様の操作を行って、アクリル酸を製造した。p−メトキシフェノールのアクリル酸溶液の投入量は時間平均で0.83kg/時であった。なお、p−メトキシフェノールの0.0995質量%アクリル酸溶液は晶析装置に投入する前に37℃に加熱しておいた。この方法により精製アクリル酸を3.35kg/時で得た。
最終的に、動的晶析装置から取り出された結晶を分析したところ、アクリル酸の純度は99.93質量%であり、水:110質量ppm、酢酸:460質量ppm、マレイン酸:2質量ppm、フルフラール:0.2質量ppm、ベンズアルデヒド:0.1質量ppm、ホルムアルデヒド:0.0質量ppm、アクリル酸二量体:103質量ppmを含むものであった。また該アクリル酸の色調は7(APHA)であった。
参考例1の方法で得られたアクリル酸は、水分、アクリル酸二量体濃度、色調が実施例1より劣る結果となった。
(実施例2)
固体のp−メトキシフェノールを晶析装置の底部に投入した以外は、実施例1と同様の操作を行って、アクリル酸を製造した(精製アクリル酸に200ppm含まれる様に調整)。p−メトキシフェノールの投入量は時間平均で0.000665kg/時であった。この方法により精製アクリル酸を3.31kg/時で得た。
最終的に、動的晶析装置から取り出された結晶を分析したところ、アクリル酸の純度は99.94質量%であり、水:80質量ppm、酢酸:450質量ppm、マレイン酸:2質量ppm、フルフラール:0.2質量ppm、ベンズアルデヒド:0.1質量ppm、ホルムアルデヒド:0.0質量ppm、アクリル酸二量体:33質量ppmを含むものであった。また該アクリル酸の色調は1(APHA)であった。
なお、本出願は、2009年6月1日に出願された日本国特許出願第2009−132000号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
1 アクリル酸原料、
3 空気、
5 希釈ガス、
10 接触気相酸化触媒、
20 反応器、
25 アクリル酸含有ガス、
30 アクリル酸捕集塔、
31 アクロレイン分離塔、
32 捕集塔塔頂排出ガス、
33 捕集用水溶液、
33’ 捕集用水、
34 リサイクルガス、
35、35’ アクリル酸含有溶液、
36 冷却塔、
39 冷却器、
50、81 晶析装置(回分式動的晶析装置)、
53 前精製分離装置、
60 製品アクリル酸、
70 蒸留塔、
71 留出液、
73 薄膜蒸発器、
75 熱分解槽、
82、83、85、86 ライン、
84 晶析管、
87、89 ポンプ、
88、 タンク、
100、 コレクター部。

Claims (9)

  1. (メタ)アクリル酸結晶を結晶融解液で濡らしながら融解させる晶析方法において、
    融解開始後に融け出す融解液に重合防止剤を添加し、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解させる、(メタ)アクリル酸の晶析方法。
  2. 重合防止剤の固体または濃厚溶液を融解液に添加する、請求項1記載の(メタ)アクリル酸の晶析方法。
  3. (メタ)アクリル酸結晶は、粗(メタ)アクリル酸を動的結晶化装置を用いて晶析して得られたものである、請求項1または2に記載の(メタ)アクリル酸の晶析方法。
  4. (メタ)アクリル酸結晶は、粗(メタ)アクリル酸をメルト晶析装置を用いて晶析して得られたものであり、重合防止剤は、該晶析装置のコレクター部に直接添加される請求項1〜3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル酸の晶析方法。
  5. 晶析方法に供される(メタ)アクリル酸は、炭素数3ないし4個を有する、アルカン、アルケン、アルカノールおよびアルカナールからなる群から選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸原料を接触気相酸化する工程を含む製法、
    グリセリンまたは2−メチルグリセリンを脱水し(メタ)アクロレインに転化する工程と、該(メタ)アクロレインをさらに酸化して(メタ)アクリル酸に転化する工程とを含む製法、あるいは、
    ヒドロキシプロピオン酸または2−メチル−3−ヒドロキシプロピオン酸を(メタ)アクリル酸に転化するための脱水工程を含む製法
    によって得られたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の晶析方法。
  6. 多段階晶析操作の最終精製段階の(メタ)アクリル酸結晶を融解し、融解開始後に融け出す融解液に、製品スペックに見合う所定量の重合防止剤を添加し、該重合防止剤を含有する前記融解液を結晶に循環供給しながら全結晶を融解させた後、製品(メタ)アクリル酸として系外に取り出す、製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法。
  7. 重合防止剤の固体または濃厚溶液を融解液に添加する、請求項6記載の製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法。
  8. (メタ)アクリル酸結晶は、粗(メタ)アクリル酸を動的結晶化装置を用いて晶析して得られたものである、請求項6または7に記載の製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法。
  9. (メタ)アクリル酸結晶は、粗ア(メタ)クリル酸をメルト晶析装置を用いて晶析して得られたものであり、重合防止剤は、該晶析装置のコレクター部に直接添加される請求項6〜8のいずれか1項に記載の製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法。
JP2011518417A 2009-06-01 2010-05-27 (メタ)アクリル酸の晶析方法および製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法 Active JP5583666B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011518417A JP5583666B2 (ja) 2009-06-01 2010-05-27 (メタ)アクリル酸の晶析方法および製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009132000 2009-06-01
JP2009132000 2009-06-01
PCT/JP2010/058997 WO2010140530A1 (ja) 2009-06-01 2010-05-27 (メタ)アクリル酸の晶析方法および製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法
JP2011518417A JP5583666B2 (ja) 2009-06-01 2010-05-27 (メタ)アクリル酸の晶析方法および製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010140530A1 JPWO2010140530A1 (ja) 2012-11-15
JP5583666B2 true JP5583666B2 (ja) 2014-09-03

Family

ID=43297666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011518417A Active JP5583666B2 (ja) 2009-06-01 2010-05-27 (メタ)アクリル酸の晶析方法および製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US8704000B2 (ja)
EP (1) EP2439186B1 (ja)
JP (1) JP5583666B2 (ja)
CN (1) CN102448923B (ja)
BR (1) BRPI1011858B1 (ja)
MY (1) MY155572A (ja)
SG (1) SG176607A1 (ja)
TW (1) TWI454454B (ja)
WO (1) WO2010140530A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6097181B2 (ja) * 2012-09-06 2017-03-15 株式会社日本触媒 (メタ)アクリル酸の製造方法
FR3017617B1 (fr) 2014-02-19 2016-02-12 Arkema France Procede de production d'acide acrylique bio-source
CN103880649B (zh) * 2014-04-03 2016-08-31 泰兴市裕廊化工有限公司 一种高收率冰晶级丙烯酸的制备方法
DE102014114193A1 (de) * 2014-09-30 2015-08-13 Basf Se Verfahren und Anlage zur Rückgewinnung von Acrylsäure
CN111282530A (zh) * 2018-12-06 2020-06-16 张存续 微波反应器以及生质柴油制造方法
CN114096606A (zh) * 2019-07-05 2022-02-25 住友精化株式会社 交联聚合物凝胶及其制造方法、单体组合物以及交联聚合物颗粒的制造方法
CN115160128A (zh) * 2022-06-08 2022-10-11 上海东庚化工技术有限公司 一种冰晶丙烯酸的制备方法
CN115322273B (zh) * 2022-08-04 2023-05-30 万华化学集团股份有限公司 一种阻聚剂及其在(甲基)丙烯酸异冰片酯合成中的应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09155101A (ja) * 1995-12-01 1997-06-17 Jgc Corp 晶析方法
JP2000514077A (ja) * 1996-07-10 2000-10-24 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト アクリル酸及びメタクリル酸の精製法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT279547B (de) 1967-04-14 1970-03-10 Buchs Metallwerk Ag Verfahren und Vorrichtung zur Trennung oder Reinigung schmelzflüssiger, flüssiger oder gelöster Stoffe durch fraktioniertes Kristallisieren
TW305830B (ja) * 1993-03-26 1997-05-21 Sulzer Chemtech Ag
US6444744B1 (en) * 1998-03-11 2002-09-03 Nippon Shokubai Co., Ltd. Hydrophilic resin, absorbent article, and acrylic acid for polymerization
DE10156016A1 (de) * 2001-11-15 2003-06-05 Basf Ag Vorrichtung zum reinigenden Abtrennen von Kristallen aus ihrer Suspension in verunreinigter Kristallschmelze
US7414149B2 (en) * 2004-11-22 2008-08-19 Rohm And Haas Company Non-routine reactor shutdown method
JP5722771B2 (ja) * 2009-07-03 2015-05-27 株式会社日本触媒 (メタ)アクリル酸の晶析方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09155101A (ja) * 1995-12-01 1997-06-17 Jgc Corp 晶析方法
JP2000514077A (ja) * 1996-07-10 2000-10-24 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト アクリル酸及びメタクリル酸の精製法

Also Published As

Publication number Publication date
CN102448923A (zh) 2012-05-09
US8704000B2 (en) 2014-04-22
EP2439186A4 (en) 2013-12-11
EP2439186A1 (en) 2012-04-11
MY155572A (en) 2015-10-30
EP2439186B1 (en) 2017-12-06
WO2010140530A1 (ja) 2010-12-09
CN102448923B (zh) 2015-06-17
US20120071620A1 (en) 2012-03-22
BRPI1011858A2 (pt) 2016-03-29
SG176607A1 (en) 2012-01-30
TWI454454B (zh) 2014-10-01
TW201043597A (en) 2010-12-16
JPWO2010140530A1 (ja) 2012-11-15
BRPI1011858B1 (pt) 2018-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5583666B2 (ja) (メタ)アクリル酸の晶析方法および製品(メタ)アクリル酸の重合防止剤含有量の調整方法
CN101528658B (zh) 由羟基丙酸制备通过结晶提纯的丙烯酸的方法及其所用的装置
US8404887B2 (en) Process for producing acrylic acid
US8637701B2 (en) Method for producing (meth) acrylic acid
JP5580813B2 (ja) (メタ)アクリル酸の製造方法
CN102414160B (zh) 制备(甲基)丙烯酸的方法和结晶系统
JP6214156B2 (ja) メタクリル酸の精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140708

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5583666

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150