特許文献1に記載の従来技術は、減湿区域に対する再生区域の風量を0.2倍〜0.4倍未満に設定しても減湿能力が変わらないという知見に基づいてなされたものであり、これに基づいて再生区域の風量を0.2倍〜0.4倍未満に設定するようにして運転することで、結果的によりコンパクトなシステムで足り、再生、パージに要するエネルギー、ファン、多段に接続した際の一段目の減湿装置での処理に要するエネルギーを低減させて、全体として大きい省エネルギー効果が得られるものであった。しかしながら発明の性質上、再生風量の処理風量に対する割合が、0.2倍未満の領域では使用することができなかった。
一方、特許文献2に記載の従来技術では、減湿処理出口空気露点が再生空気の温度と相対湿度の影響を受けるため、処理出口空気露点を維持するためには再生空気温度を下げられない場合がある。特に処理出口空気露点が低露点の場合には、再生温度を下げることが難しく、省エネ効果が低くなってしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、再生風量の処理風量に対する割合に関係無く、しかも従来よりも減湿処理出口空気露点の影響を受けることなく、再生風量を制御して乾湿減湿装置の運転効率を向上させることを目的とするものである。
発明者らの知見では、夏期に比べて湿度の低い冬期において、ロータの再生効率が悪いことが分かっており、これまで再生風量を負荷に応じて変化させることにより、再生効率の向上を目的とした実験を行なってきた。そしてこのような実験の結果、再生風量を下げていくと再生区域で完全に再生が完了しなくても、パージ区域においてロータの蓄熱によりパージ空気が加熱されてロータが再生されることを見出した。すなわち、パージ区域でもロータを冷却しながら再生が可能なことを見出したのである。
本発明はこのような発明者らの研究によってなされたものであり、回転自在なロータ内に処理空気を通過させて当該処理空気を減湿処理する装置であって、前記ロータの端面側に位置する空気の通過域が、減湿区域と再生区域とパージ区域とに仕切られて、ロータの回転によって再生区域から減湿区域に移行する前にパージ区域が位置するようにこれら各区域が配置された乾式減湿装置において、パージ区域を周方向に中央で2分割して、再生区域側に位置する地点のうちの、出口温度が最高の地点の温度が、再生区域とパージ区域の境界から、位置角θで0°を超えて10°までの範囲の再生区域側に位置する地点のうちの、出口温度が最低の地点の出口温度よりも高温であり、かつ再生完了温度以上となるように、再生区域に導入する再生風量を制御することを特徴とするものである。
この種の減湿区域、再生区域、パージ区域を有するロータを装備した乾式減湿装置においては、ロータの再生時における再生区域、パージ区域の出口温度は、前出図12に示したような温度変化を有しており、減湿区域を経て再生区域へ移行した直後のロータは,再生区域の出口側(=減湿区域の入口側)の方により多くの水分を吸着していて,再生区域の入口側(=減湿区域の出口側)は未吸着の乾燥している状態になっている。そして再生のはじめの段階では,まず,高温・低湿度の再生空気によって,入口側の水分の吸着していない乾燥した領域のロータの昇温が行われる。この段階では,出口の空気温度は約12℃のままほとんど変化しない(図中のa〜b)。
そして再生区域から少しパージ区域側へと進行した段階では,水分が吸着している領域に流れ込んだ高温・低湿度の再生空気が,ロータの昇温と水分の脱着を行いながらロータ内を出口側へ流れてゆくが,その際,脱着熱(水分が脱着する際の吸熱)によって再生空気の温度は低下するとともに,相対湿度が上昇して,脱着に寄与できない低温・高湿度の空気状態(再生空気とロータが吸脱着平衡・熱平衡の状態)になる。この平衡状態の空気温度は図12の例では約60℃である。そしてロータ全域の脱着が完了に近づく段階までは,再生区域出口近傍では平衡状態が保たれるため,出口温度一定の状態がしばらく続くことになる。そして脱着が完了すると,出口空気の温度は60℃→140℃へと上昇する(図12中のf)。
本発明においては、a〜eまでの段階は従来運転時と同じであるが、本発明によれば再生風量を制御して絞ることにより、脱着完了直前のe〜fの状態でパージ区域へロータが移行することになるが、既述したように再生区域で完全に再生が完了しなくても、パージ区域においてロータの蓄熱によりパージ空気が加熱されてロータが再生され、パージ区域でもロータを冷却しながら再生が可能なことを見出しているので、そのように出口空気の温度がたとえば60℃→140℃へと上昇する地点がパージ区域内であっても、ロータの再生が可能になる。
より詳述すれば、図12中のeの状態のロータは,出口近傍を除く大部分の領域が、再生完了温度と判断できるたとえば140℃に達している。また,ロータの体積あたりの熱容量は空気の熱容量よりもはるかに大きいことから,eの状態のロータは高温の蓄熱状態になっている。このロータに低温のパージ空気を流すと,パージ空気は速やかに140℃まで昇温されるとともに,ロータの蓄熱効果によって,しばらくの間は高温・低湿度のパージ空気が、水分が吸着している領域に送り込まれ続けて昇温と脱着が行われる。本発明はかかる現象を
利用したものであり、再生区域を出たロータの蓄熱量を利用してパージ区域での昇温と脱離を完了させるものである。
したがって、本発明によれば、パージ区域を周方向に中央で2分割して、再生区域側に位置する地点のうちの、出口温度が最高の地点の温度が、再生区域とパージ区域の境界から、位置角θで0°を超えて10°までの範囲の再生区域側に位置する地点のうちの、出口温度が最低の地点の出口温度よりも高温であり、かつ再生完了温度以上となるように、再生区域に導入する再生風量を制御するので、再生風量を絞っても適切な再生、並びに減湿処理に必要な空気の露点温度とすることが可能になる。
そして本発明によれば、再生の完了をパージ区域での出口温度を検知して再生風量を制御することになるので、再生風量の処理風量に対する割合は特に限定する必要が無く、したがって再生風量の処理風量に対する割合が、0.2倍未満の領域でも実施可能である。また再生ヒータではなく再生風量を制御対象としているので、再生ヒータを制御対象とする従来技術よりも制御可能な範囲が広がり(すなわちより低露点に対応可能であり)、従来よりも効率のよい運転が行なえ、省エネ効果が維持できる。しかも同じ熱量であれば再生風量を一定にして再生温度を低くするよりも、再生風量を少なくして再生温度を高く維持した方が再生空気の飽和蒸気圧が高いため、特許文献2に記載されたように再生空気加熱用のヒータの容量制御を行う方式よりも、本発明の方が再生の効率が良い。また再生ファンで消費されるエネルギーについても特許文献2より節約できる。
なお本発明で言うところの再生完了温度とは、再生が完了していると判断できる温度をいい、ロータ内に収納されている吸湿材によって異なるものであるが、一般的にこの種のロータで使用されている吸湿材やその構成、たとえば塩化リチウムや塩化カルシウムなどの吸収液を含浸させたハニカム状のロータや、シリカゲル、ゼオライトなどの吸着材で構成したロータの場合、60℃〜160℃である(最近市場化されているいわゆる低温再生型のゼオライトロータの場合には、約60℃で再生が完了すると判断できる)。
なお本発明において再生風量を制御するにあたっては、再生ファン若しくはダンパのいずれか、あるいはその双方を制御することが提案できる。
本発明を実施する場合、たとえばパージ区域に所定の位置角度ごとに温度センサを設置し、それによって、パージ区域を周方向に中央で2分割して、再生区域側に位置する地点のうちの、出口温度が最高の地点の温度が、再生区域とパージ区域の境界から、位置角θで0°を超えて10°までの範囲の再生区域側に位置する地点のうちの、出口温度が最低の地点の出口温度よりも高温であり、かつ再生完了温度以上となるように、各温度センサによる測定結果を見ながら再生風量を制御すれば実施可能であるが、パージ区域に移行した後の再生完了温度達成地点並びに達成までの温度上昇傾向と、それ以降の温度の低下傾向を予め調べておけば、再生完了温度に達成する前の段階において温度測定地点を設定し、当該測定地点での温度が再生完了温度よりも低い所定温度(たとえば再生完了温度が140℃の場合には、たとえば100℃)となるように再生風量を制御するようにしてもよい。つまりパージ区域を周方向に中央で2分割して、再生区域側に位置する地点における出口温度が、予め設定した所定温度となるように再生風量を制御するようにしてもよい。なおかかる場合、測定地点は、ロータ出口から離れると測定地点以外の空気の影響を受けやすいため、極力ロータ出口近傍に設置することが望ましい。またパージ区域の出口空気温度を一定に制御しても、減湿性能の低下は引き起こさないことを実験で確認している。
実際に再生風量を制御する場合には、たとえばPID制御を行なうことが一般的であるが、制御実施時において急激に減湿負荷が増大した場合、制御の応答性が悪いと、再生風量が不足して給気露点温度が上昇する危険が生じる。急激に減湿負荷が変動する場合としては、ドライルームの人員負荷に応じて供給風量を変動させる場合があり、たとえば夜間や休日等の人員負荷が減少している状態から、就業開始とともに人員負荷が急増すると、供給風量が一気に増大して減湿負荷が急変することは十分にあり得ることである。他方、これを避けるために制御動作の応答性を高くしておくと、再生風量がハンチングし制御の安定性が低下する。
発明者らの知見では、現在の再生風量が目標風量に対して(1)過少の場合、(2)目標風量近傍の場合、(3)過多の場合、に分けて、制御パラメータを変更することで、制御の応答性と安定性とを同時に確保することができる。すなわち、現在の再生風量が目標風量近傍であれば、安定性を重視したゆっくりとした制御を行ない、それ以外の再生風量が過多または過少の場合は、応答性を重視したすばやい制御を行なう事がよい。
このようなことから、前記したような再生風量を制御するにあたっては、パージ区域における前記地点よりも再生区域寄りの地点の温度を検出する第1の温度センサからの第1の温度情報と、再生区域とパージ区域の境界から、位置角θで0°を超えて10°までの範囲の再生区域側の地点の温度を検出する第2の温度センサからの第2の温度情報とを用い、
(1)第1の温度情報<α、のときには、再生風量を相対的に早く増加させ、
(2)α<第1の温度情報、かつ第2の温度情報<β、のときには、再生風量を相対的に遅く増加、または相対的に遅く減少させ、
(3)β<第2の温度情報、のときには、再生風量を相対的に早く減少させる
ように実際の制御を行なうようにしてもよい。ただし、αは、前記所定の温度よりも10℃〜30℃程度低い温度、βは前記所定の温度である。
以上の制御方法によれば、α<第1の温度情報、かつ第2の温度情報<β、のときには、現在の再生風量が目標風量近傍であるとして、ゆっくりとした制御を 行ない、第1の温度情報<α、のときには、再生風量が過小であるとして再生風量をすばやく増加させ、β<第2の温度情報、のときには、再生風量が過大であるとして再生風量をすばやく減少させるので、制御の応答性と安定性とを同時に確保することができる。
たとえば再生風量をPID制御によって行なう場合には、前記した(1)〜(3)の各々の場合に、個別のPIDパラメータを設定して制御することになる。
ところで従来技術では、再生風量の増減に連動してパージ風量が変化する。しかしながらパージ風量が減少した場合、冷却が不十分になり、減湿区域の初期段階(減湿区域におけるパージ区域寄りの地点、すなわち減湿区域を周方向に2分割してパージ区域側に位置する地点)におけるロータ温度が上昇するため、結果として安定した露点の空気を供給出来なくなるおそれがある。また、逆にパージ風量が増加すると、冷却は十分に行われるものの、制御温度が不安定になるという問題がある。このような事態に鑑みて、前記したようなパージ区域における前記地点よりも再生区域寄りの地点、すなわち、パージ区域を周方向に2分割して再生区域側に位置する地点の出口温度に基づいて再生風量を制御すると共に、さらにパージ区域を通過するパージ風量が所定値となるように制御するようにしてもよい。これによって制御点の温度を安定して制御できる。
ただし、減湿対象となる処理風量を変化させた場合には、当該変化に比例してロータの回転数及びパージ風量の前記所定値を変化させることが好ましい。すなわち処理風量の変化に伴い、ロータの回転数をたとえば定格の半分にした場合は、パージ風量の所定値も半分に設定する。本発明ではパージ区域の出口温度によって再生風量を制御するため、パージ区域出口の温度分布は回転数を変化させた場合にも一定に保つ必要がある。そのためには総パージ風量(パージ時間×パージ風量)を一定にする必要があり、ロータ回転数とパージ風量は比例させることが好ましい。このように比例して変化させることによりパージ区域の温度分布は変化せず、したがって、回転数とパージ風量を変化させた場合も、パージ区域の出口温度を一定にする再生風量制御に影響はない。
このような手法は、たとえば24時間稼動のドライルームに減湿処理後の空気を供給するシステムで、夜間や休日等の人体負荷が少ない時に供給風量を削減する場合などに有効であり、さらなる省エネ運転が可能となる。発明者らによれば、たとえば減湿処理風量を定格の半分にしたときに、再生風量だけを変化させたときと、再生風量、回転数、パージ風量を変化させたときとを比べると、再生熱量を25%削減できると試算される。
さらに、処理風量の一部をパージ風量に用いる構成では、パージ風量を減らせるため、処理風量あたりの供給風量の割合を増やすことが可能である。より具体的に説明すると、たとえば後述の図1に示したシステム構成の場合において、
(1)供給風量を定格の半分にした場合
(2)供給風量を定格の半分にし、回転数およびパージ風量も定格の半分にした場合
とを比較すると、供給風量を半分にし、パージ風量を変えない(1)の場合では、(供給風量/処理風量)の割合が0.82となる。一方供給風量のみならず、回転数およびパージ風量も半分にする(2)の場合では、(供給風量/処理風量)の割合は定格運転時同様0.9となる。
このように、目的対象に同風量を供給するには、回転数とパージ風量を削減するほうが、処理風量が少なく済む。同風量を供給するのに、処理風量が少ない方が省エネルギー(搬送動力の削減、再生熱量の削減)であることは明らかである。
パージ区域を通過するパージ風量が所定値となるように制御するにあたり、乾式減湿装置の構成を、減湿区域を通過した減湿処理後の空気の一部をパージ区域に導入し、パージ区域を通過した空気を再生区域通過後の空気と混合して、その一部をヒータで加熱して再生区域に導入する場合には、パージ区域の出入口の差圧が一定となるように、必要な制御するようにすればよい。あるいは、パージ区域における減湿区域寄りの地点、すなわち、パージ区域を周方向に2分割して減湿区域側に位置する地点における出口温度が、予め設定した目標温度となるように必要な制御を行うようにしてもよい。制御の方法は、パージ区域における再生区域寄りの出口温度、すなわちパージ区域を周方向に2分割して再生区域側に位置する地点の出口温度に基づいて再生風量を制御する具体的方法によって異なるが、後述の実施の形態で説明する。
減湿処理空気の出口露点温度は再生空気の相対湿度と関係が有り、相対湿度の低い空気で再生すると、より低露点の空気が得られる。したがって再生温度が同じであれば、極めて低負荷の冬期等では再生空気の相対湿度が低くなり、設計基準以上に低露点の空気となってしまうことがある。本発明においても、再生風量を絞っていっても、極めて低い負荷の時には、再生空気の相対湿度が低いため処理出口空気は設計値よりも低露点になることが考えられる。そこで、再生風量の制御のみならず、再生ヒータを制御して再生温度自体を下げ、再生空気の相対湿度を上げることで減湿処理出口の露点温度を上げることが可能になる。
かかる観点から、減湿区域出口側露点温度、減湿空気が供給される目的室の露点温度、または目的室から減湿区域に戻される還気の露点温度に基づいて、再生区域に導入する再生空気を加熱するヒータの制御をさらに行なうことが提案できる。
低負荷時においてそのように再生風量と再生ヒータ容量を併せて低減することで、従来の処理負荷に応じた再生ヒータの容量制御において見られた、供給空気の露点温度の確保のために、再生ヒータの出力を十分に落とせず、省エネ効果が低いという問題を解決することができる。
本発明によれば、再生風量の処理風量に対する割合に関係無く、しかも従来よりも減湿処理出口空気露点の影響を受けることなく、乾式減湿装置の運転効率を向上させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態にかかる運転方法を実施するための乾式減湿装置1を用いた減湿システムの系統の概略を示しており、このシステムは、低露点空間(図示せず)に低露点空気を供給するシステムとして構成されている。
システムの中核をなす乾式減湿装置1は、図2、図3に示したように、回転するロータ11の両端面に区域分割カセット12、13が配置された構成を有している。ロータ11の端面には、図2、図3中の矢印に示したロータ11の回転方向順に、減湿区域11a、再生区域11b、パージ区域11cの3つの空気通過域に区画されている。そして区域分割カセット12の外側端面には、これら各区域に対応して、ダクトなどに接続するための減湿入口12a、再生出口12b、パージ出口12cが形成されている。なお区域分割カセット13の外方端面にも、前記3つの区域に対応して減湿出口、再生入口、パージ入口が各々形成されている(いずれも図示せず)。この乾式減湿装置10のロータ11内には、塩化リチウム、シリカゲル、ゼオライトなどの吸湿材が収納されている。
前記3つの通過区域である減湿区域11a、再生区域11b、パージ区域11cは、各々放射状に区画成形されたうちの1つの形態、すなわち略扇形状であり、各々の通過区域の中心角θは、本実施形態においては、減湿区域11aの中心角θ1が270゜、再生区域11bの中心角θ2が60゜、パージ区域11cの中心角θ3が30゜に設定されている。
減湿対象となる処理空気は、処理ファン21によって処理ダクト22を通じて取り入れられ、例えばプレクーラ23によって冷却された後、ロータ11の減湿区域11aに導入される。そして減湿区域11aで減湿処理されて低露点、例えば絶対湿度が6.7×10−3g/kgとなった空気は、供給ダクト24を通じて供給空気としてロータ11から導出される。その後は、たとえば必要な温度調節された後、給気として低露点空間に供給される。
減湿区域11aで減湿処理されて低露点となった空気の一部は、供給ダクト24から分岐したパージ導入ダクト25を通じてパージ区域11cへと導入され、パージ区域11cを出た空気は、パージ導出ダクト26へと送られる。パージ導出ダクト26は、再生区域11bを出た後の空気が流れる再生排気ダクト27と接続されており、パージ区域11cを出た空気は、再生区域11bを出た後の空気と混合される。
再生排気ダクト27内の空気は、再生ファン31によって外部へ排気されるようになっているが、再生排気ダクト27におけるパージ導出ダクト26と、排気出口との間には、再生導入ダクト32が接続されている。再生導入ダクト32には再生ヒータ33が設けられており、この再生ヒータ33によって加熱されて、たとえば140℃まで昇温された再生導入ダクト32内の空気は、再生空気としてロータ11の再生区域11bへと供給される。
次にこのシステムの主要なダンパについて説明すると、まず供給ダクト24におけるパージ導入ダクト25の分岐点よりも下流側には、供給ダンパD1が設けられ、パージ導入ダクト25には、導入ダンパD2が設けられている。再生排気ダクト27における再生導入ダクト32との接続点よりも下流側で再生ファン31の下流側には、排気ダンパD3が設けられている。そして再生導入ダクト32には、再生循環ダンパD4が設けられている。
次に制御系について説明すると、図1〜図3に示したように、パージ区域11cにおける再生区域11b寄りの箇所には、パージ空気の出口温度を検出する第1の温度センサ41が設置されている。第1の温度センサ41の設置位置は、図3に示したように、パージ区域11cにおける再生区域11b寄りの地点、より具体的に言うと、減湿区域11aと再生区域11bとの境界を位置角θ=0°とし、パージ区域11cと減湿区域11aとの境界の位置角θ=90°としたとき、約65°の位置に設置されている。この第1の温度センサ41によって検出されるパージ空気の出口温度の信号は、制御装置CUに入力される。制御装置CUは、図1に示したように、第1の温度センサ41によって検出されるパージ空気の出口温度に基づいて、再生ファン31または再生循環ダンパD4を制御して再生風量を制御する。再生ファン31の制御はインバータ制御である。
また制御装置CUは、図1に示したように、第1の温度センサ41によって検出されるパージ空気の出口温度に基づいて、再生ファン31と再生循環ダンパD4の双方を制御して、パージ風量を所定値に保つ制御を行なう事も可能である。
ロータ11のパージ区域11cの出入口の差圧を検出する差圧計51によって検出されるパージ区域11cの出入口の差圧信号は、図1に示したように、制御装置CUへ入力される。制御装置CUは、このパージ区域11cの出入口の差圧に基づいて、排気ダンパD3の制御を行うことが可能である。
図1に示したように、供給ダクト24におけるパージ導入ダクト25との分岐点よりも上流の減湿処理後の空気は、露点センサ61によって検出され、露点センサ61の検出した減湿処理後の空気の露点温度は、制御装置CUへ入力される。制御装置CUは、減湿処理後の空気の露点温度に基づいて、再生ヒータ33の容量制御を行なうことが可能である。
図1に示したように、減湿区域11aの出入口の差圧を検出する差圧計71によって検出される減湿区域11aの出入口の差圧信号は、図1に示したように、制御装置CUへ入力される。制御装置CUは、この減湿区域11aの出入口の差圧に基づいて、ロータ11を回転駆動する駆動装置72およびパージ風量の制御を行なうことが可能である。例えば、処理風量を検出するために設けた差圧計71の信号が300Pa→150Paに半分になると、ロータ11の回転数制御を行う駆動装置72のインバータの出力を半分にすることにより、回転数を下げる。同時に、パージ風量を検出する差圧計51の設定値をたとえば300Pa→150Paにすることにより、パージ風量を半分にすることが行なわれる。このときのパージ風量の変化には、再生ファン31のインバータ、もしくは排気ダンパD3、またはその両方でパージ差圧を一定に制御することが行なわれる。
乾式減湿装置1を有する減湿システムは以上の構成を有しており、次にその運転例について説明する。図4は、乾式減湿装置1のロータ11の回転方向の位置角θ(座標)と、再生区域11b、パージ区域11cにおける各出口温度を示している。
この運転例では、まず減湿区域11a経て再生区域へ11b移行した直後(A)のロータ11は,再生区域11bの出口側(=減湿区域11aの入口側)の方により多くの水分を吸着していて,再生区域11bの入口側(減湿区域11aの出口側)は脱着済みの乾燥した状態になっている。
再生の当初の段階(A〜B)では,まず高温・低湿度の再生空気によって,入口側の水分の吸着していない乾燥した領域のロータ11の昇温が行われる。この段階では,出口の空気温度は約12℃のままほとんど変化しない。
そして次のC〜Dの段階では,水分が吸着している領域に流れ込んだ高温・低湿度の再生空気が,ロータ11の昇温と水分の脱着を行いながらロータ11内を出口側へ流れていくが、その際,脱着熱(水分が脱着する際の吸熱)によって再生空気の温度は低下するとともに,相対湿度が上昇して,脱着に寄与できない低温・高湿度の空気状態(再生空気とロータ11が吸脱着平衡・熱平衡の状態)になる。この平衡状態の空気温度は、この例では約60℃である。ロータ11の全域の脱着が完了に近づくEの段階までは,再生区域11bの出口近傍では平衡状態が保たれるため,出口温度一定の状態がしばらく続くことになる。この段階までは、図10に示した従来技術と同様である。
しかしながら、本運転例では、パージ区域11cにおける再生区域11b寄りの位置角θ=65°の位置に設置されている第1の温度センサ41によって検出されるパージ区域11cの出口温度に基づいて、再生ファン31または再生循環ダンパD4を制御して再生風量を制御するようにしているので、たとえば制御の目標となる所定温度を100℃としたとき、パージ区域11cの当該地点における出口温度が100℃となるように、再生風量を絞る制御が行なわれる。
その結果、脱着完了直前のE〜Fの状態でパージ区域11cへロータ11が移行することになる。ここでEの状態のロータ11は、出口近傍を除く大部分の領域が約140℃に達している。また,ロータの体積あたりの熱容量は空気の熱容量よりもはるかに大きいことから,Eの状態のロータ11は高温の蓄熱状態になっている。このロータ11に低温のパージ空気を流すと,パージ空気はすみやかに140℃まで昇温されるとともに,ロータ11の蓄熱効果によって,しばらくの間は高温・低湿度のパージ空気が、水分を吸着している領域に送り込まれ続けて昇温と脱着が行われる(F〜G)。その結果、たとえば位置角θ=70°の直前の段階では、出口温度がピークを迎え再生完了温度とみなせる約120℃となる。そしてその後は、低温・低湿のパージ空気による降温により、パージ区域11cにおける減湿区域11aに近い領域(H)での出口温度は、20℃以下となる。
このように本運転例では、パージ区域11cにおける再生区域11b寄りの位置に設置されている第1の温度センサ41によって検出されるパージ区域11cの出口温度に基づいて、再生ファン31または再生循環ダンパD4を制御して再生風量を制御するようにして、位置角θ=70°の直前の段階の出口温度が、最も再生区域寄りの地点における温度よりも高温でかつ再生完了温度以上となるようにしたので、従来よりも再生に要するエネルギーを節約することができる。図10に示した従来の技術との比較において、より具体的に説明すれば、従来の技術における位置角θ=40〜60°において140℃にしていた分(熱量)を、60℃に維持する程度にすればよくなり、その分だけエネルギーを節約することが可能になったのである。
なお本運転例では、制御点、すなわち第1の温度センサ41の設置位置を位置角θ=65°の位置に設定し、制御の目標温度である所定温度を100℃に設定して再生風量を制御するようにしていたが、これは事前の運転等によって、予め位置角θ=65°の位置で100℃となれば、その後に再生完了温度である120℃に達することを調べておいてそのように設定した。したがって、制御点、所定温度の設定は、もちろんこの例に限らない。
ところで、再生風量を制御するだけでは、再生風量の増減に伴ってパージ風量も変化する。パージ風量が変化すると、図5に示したように、パージ区域11cでの温度分布が変わり、制御点温度が変化するため安定的に制御することが難しくなることもある。この場合には、パージ風量を一定に制御するのがよい。すなわち、再生風量と同時にパージ風量も同時に制御すればよい。そのためには、パージ区域11cの出入口差圧が一定になるように再生ファン31をインバータ制御するか、または排気ダンパD3を制御すればよい。
再生風量とパージ風量を同時に制御するには、以下の2通りの制御が提案できる。
(1)パージ区域の出口温度に基づいて再生風量を再生ファン31によって制御する場合には、排気ダンパD3の開閉制御を行なう。たとえばロータ11のパージ区域11cの出入口差圧が例えば250Paと一定になるように、排気ダンパD3の開度を制御する。
(2)パージ区域の出口温度に基づいて再生風量を再生循環ダンパD4によって制御する場合には、出入口差圧が例えば250Paと一定になるように、再生ファン31をインバータ制御する。
上記(1)、(2)のいずれの場合にも、パージ区域11cの出入口に設けた差圧計51からの信号に基づいて、制御装置CUが再生ファン31や排気ダンパD3を制御することで実現できる。
あるいは、図6、図7に示したように、再生風量制御用の第1の温度センサ41の他に、減湿区域11aにより近く、出口温度が立下がっている地点(たとえば位置角θ=80°を越えた地点)に、パージ風量制御用の温度センサ81を設置し、この温度センサ81が所定の温度(目標温度)となるように、上記(1)、(2)の制御を実施するようにしてもよい。
このような制御を実施すれば、たとえば図8に示したように、従来技術の約半分程度の再生ヒータの出力で、再生可能であることがわかる。すなわち発明者らの知見では、冬期の設計仕様である処理入口の絶対湿度を夏期の約37%とした場合(冬期の絶対湿度:0.6g/kg、夏期の絶対湿度:1.6g/kg)、再生ヒータの熱量は、再生風量制御を行なったときは、夏期においては、約30%、冬期においては約47%、各々削減することができる。
減湿処理の処理風量自体を変化させた場合には、当該変化に比例してロータ11の回転数及びパージ風量の前記所定値を変化させることが好ましい。これは本発明がパージ区域11cの出口温度に基づいて再生風量を制御している関係上、ロータ11の回転数が変化した場合でも、パージ区域11cの出口側の温度分布を一定に維持する必要があるからである。したがってたとえば処理風量が10CMM→5CMMとなった場合には、ロータ11の回転数をそれまでのたとえば4RPHから2RPHに半減させ、同時にパージ風量の所定値を半分に設定する(たとえば1CMM→0.5CMM)。発明者らの試算によれば、処理風量を定格の半分にしたときに、再生風量だけを変化させたときと、本発明のように、再生風量・回転数・パージ風量を同時に変化させたときとを比べると、再生熱量を25%削減できると考えられる。さらにまた、処理風量の一部を用いるパージ風量を減らせるため、処理風量あたりの供給風量の割合を増やすことができる。なお実際には処理風量が変化すると、処理空気の絶対湿度が変わる可能性があるため、正確には完全には比例しないが、処理空気の絶対湿度が同一である条件にかぎり、処理空気量に比例する。
このような処理風量の変動に伴うロータ11の回転の比例制御は、差圧計71からの信号に基づいて、制御装置CUが駆動装置72を制御し、それとともに、パージ風量の制御目標である所定値を変更し、変更後の所定値となるように、既述した(1)、(2)の制御が実施される。すなわち、(1)パージ区域の出口温度に基づいて再生風量を再生ファン31によって制御する場合には、排気ダンパD3の開閉制御を行なう、(2)パージ区域の出口温度に基づいて再生風量を再生循環ダンパD4によって制御する場合には再生ファン31をインバータ制御することが実行される。
本発明においては、パージ区域の出口温度に基づいて再生風量を制御するようにして、大幅に再生熱量を低減できるが、既述したように、低負荷の冬期等では再生空気の相対湿度が相当程度低くなり、設計基準以上に低露点の空気となってしまうことがある。図9はそのような現象を示しており、たとえば低負荷時では、高負荷時のときと比べて、設計仕様の−60℃よりも10℃も低く減湿しまうことがある。その場合には、露点センサ61によって検出された露点温度に基づいて、制御装置CUが再生ヒータ33の制御を行い、再生温度を下げる(たとえば図8に示したように、再生温度を140℃から120℃に下げる)ことで、減湿区域11aで減湿された後の空気の露点温度を上げる制御を行い、設計仕様の−60℃の露点温度を実現することが可能である。
発明者らが実験したところ、ファンやダンパおよびロータの回転数等の制御を行なわず、すべて固定の定格値で運転している状態と、再生風量制御とパージ風量を一定にする制御を実施した本発明の実施の形態とを比較した結果、本発明の実施の形態によれば、夏期においては約半分の再生風量で済み、また冬期においては約1/3の再生風量で済む事がわかり、本発明の省エネ効果が高いことが確認できた。
図1に示した例では、パージ区域11cにおける再生区域11b寄りの位置角θ=65°の位置に設置されている第1の温度センサ41によって検出されるパージ区域11cの出口温度に基づいて、再生ファン31または再生循環ダンパD4を制御して再生風量を制御するようにしていた。すなわち、たとえば第1の温度センサ41によって検出される温度情報が100℃(所定温度)となるように、再生風量を制御するようにしていた。
この点に関し、既述したように、実際に再生風量を制御するにあたり、たとえばPID制御を行なったとしても、減湿負荷が急激に増大した場合、制御の応答性に改善の余地があり、他方、これを避けるために制御動作の応答性を高くすると、再生風量がハンチングする可能性がある。
そこでかかる点に鑑みて制御の応答性と安定性とを同時に確保するために、たとえば図1の破線で示したように、第1の温度センサ41の他に、第2の温度センサ42を、再生区域11bにおけるパージ区域11c寄りの地点(例えば位置角θ=50°)に設置して、第1の温度センサ41からの温度情報だけではなく、第2の温度センサ42からの第2の温度情報を利用して、制御するようにしてもよい。
より詳述すると、第2の温度センサ42からの第2の温度情報は、制御装置CUへと出力されるが、制御装置CUは、直接この第2の温度情報を制御目標とするのではなく、第1の温度センサ41からの第1の温度情報と併せて判断して、制御のパラメータの変更を行なう。具体的には、
(1)第1の温度情報<α(たとえば80°)、のときには、再生風量が過小だとみなして、再生風量を相対的に早く増加させ、
(2)α(たとえば80°)<第1の温度情報、かつ第2の温度情報<100°(制御目標温度)、のときには、目標風量近傍だと判断して再生風量を相対的に遅く増加、または相対的に遅く減少させ、
(3)β<第2の温度情報、のときには、再生風量が過大だとみなして再生風量を相対的に早く減少させるべく、
制御装置CUにおける制御パラメータ、たとえばPIDパラメータを(1)〜(3)に分けて、各々のケースに従った制御を実施する(マルチPID動作)。
このような制御によれば、図11に示したように、第1の温度センサ41と第2の温度センサ42との間の領域(位置角50°〜65°)に、出口温度が60℃から急峻に立ち上がる第2の立ち上がり部があると判断して、緩やかに再生風量の制御を行ない、当該領域以外の領域に第2の立ち上がり部がある場合(前記した(1)、(3)のケース)には、相対的に早く再生風量の調整を行なうことになる。なお図11中、実線で示した温度変化は、最も好ましい再生風量の制御による出口温度の変化を示している。
したがってかかる制御によれば、急激な負荷変動直後の応答性を維持しつつ、再生風量の安定性を向上させることができる。なお以上の例では、αの値をたとえば80℃に設定したが、もちろんこれに限らず、第1の温度センサ41が目標とする温度よりも10℃〜30℃低い値(上記の例では70℃〜90℃)に設定すればよい(実際に発明者が検証したところ、あまり低く設定すると供給空気の露点温度が上昇してしまう)。また第2の温度センサ42の設置位置についても、前記の例では、位置角50°に設定したが、再生区域11bにおけるパージ区域11c寄りの地点の温度を検出する位置であればよく、たとえば本実施の形態、すなわち再生区域11bが位置角0°〜60°、パージ区域11cが位置角60°〜90°の場合においては、位置角40°〜55°程度が好ましい。もちろん再生区域11b、パージ区域11cの割合が変わっても、再生区域11bにおけるパージ区域11c寄りの地点の温度を検出する位置であればよい。
さらにまた再生区域11bに追加する第2の温度センサの数を複数にし、より細かくPIDパラメータを設定するようにしてもよい。
また前記したPID制御は、基本的にはフィードバック制御であるが、これにかぎらず減湿区域11aの入口湿度および処理風量を計測し、計測した減湿負荷に対して最適な再生風量を、あらかじめ制御演算装置で演算しておき、当該演算結果に応じて、制御点温度が変化する前に再生風量を制御する、フィードフォワード制御を採用してもよい。
またその他、一定時間だけPI制御動作を行い、あとの時間は操作出力をホールドする。そしてホールド後しばらくしたら、再度一定時間PI制御動作を行い、同じ動作を繰り返すようにしてもよい。このように一定時間出力をホールドすることにより、急激なダンパの開閉等を抑えることができるので再生風量のハンチングを抑制することができる(サンプルPI制御)。