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JP5588050B2 - クロストーク測定方法及びクロストーク測定装置 - Google Patents
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JP5588050B2 - クロストーク測定方法及びクロストーク測定装置 - Google Patents

クロストーク測定方法及びクロストーク測定装置 Download PDF

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Description

本発明はクロストーク測定方法及びクロストーク測定装置に関し、マルチコアファイバにおけるクロストークを測定する場合に好適なものである。
マルチコアファイバは、複数のコアと、当該コア間を埋めて複数のコア全体を包囲するクラッドとを含む構造を有し、それぞれのコアを介して信号を伝送することができる。
このようなマルチコアファイバでは、コア間におけるクロストークが起こり、その特性を把握することが重要となる。
クロストークの程度を測定する測定手法として、例えば、下記非特許文献1に開示された測定方法がある。この測定方法では、マルチコアファイバにおけるある1つのコアに入射した光と、当該コアに隣接するコアから出力される光とのパワー比が測定される。
しかしながら、上記非特許文献1の測定手法では、マルチコアファイバ全体が1つの伝送路として簡略的に捉えられるため、クロストークがコアの長さ方向のどの位置でどの程度あるのか等といった詳細事項を捉えることができないという課題があった。
そこで、本発明は、より詳細にクロストーク特性を捉え得るクロストーク測定方法及びクロストーク測定装置を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明のクロストーク測定方法は、マルチコアファイバにおける1つのコアの一端に入射され前記一端に戻る光強度の距離分布を示すデータと、前記コアの他端に入射され前記他端に戻る光強度の距離分布を示すデータとを取得する取得ステップと、前記一端に戻る光強度の距離分布を示すデータに示される第1強度分布波形及び前記他端に戻る光強度の距離分布を示すデータに示される第2強度分布波形の一方を、距離の中心位置で対称に反転した反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを用いて、クロストークを要因として生じる成分を主成分とする波形を生成する波形処理ステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明のクロストーク測定装置は、マルチコアファイバにおける1つのコアの一端に入射され前記一端に戻る光強度の距離分布に示される第1強度分布波形と、前記コアの他端に入射され前記他端に戻る光強度の距離分布に示される第2強度分布波形とを用いて波形処理を施す波形処理部とを備え、前記波形処理部は、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の一方を、距離の中心位置で対称に反転した反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを用いて、クロストークを要因として生じる成分を主成分とする波形を生成することを特徴とする。
このクロストーク測定方法又はクロストーク測定装置では、第1強度分布波形及び第2強度分布波形の一方の反転強度分布波形と、当該第1強度分布波形及び第2強度分布波形の他方とが用いられることで、クロストークに着目した特徴的な波形が得られる。
したがって、その波形から、クロストークがコアの長さ方向のどの位置でどの程度あるかを認識することが可能となる。
こうして、より詳細にクロストーク特性を捉え得るクロストーク測定方法及びクロストーク測定装置が実現可能となる。
ところで、前記クロストーク測定方法では、前記波形処理ステップの処理結果として得られる波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範波形のなかから検出する波形照合ステップをさらに備えることが好ましい。また、前記クロストーク測定装置では、前記波形処理部の処理結果として得られる波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範波形のなかから検出する波形照合部をさらに備えることが好ましい。
このような波形照合ステップ又は波形照合部を備えた場合、クロストークを要因として生じる成分の大きさに応じて相違する波形形状から、クロストークがコアの長さ方向のどの位置でどの程度あるかを認識することができる。
前記波形照合ステップ又は前記波形照合部は、前記波形処理ステップ又は前記波形処理部の処理結果として得られる波形を、複数の距離幅をもつ区間に分割し、各前記区間における部分波形の全部又は一部の形状に近似する波形を、前記複数の模範波形のなかから検出することが好ましい。
このようにすれば、波形の形状を細かく捉えることができるため、波形処理ステップ又は波形処理部の処理結果として得られる波形に近似する波形を模範波形のなかから検出する精度を向上することができる。
また、前記波形処理ステップ又は前記波形処理部は、前記反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを加算することが好ましい。
第1強度分布波形及び第2強度分布波形の一方の反転強度分布波形と、当該第1強度分布波形及び第2強度分布波形の他方とが加算された場合、当該強度の主成分の1つとして含まれる伝送損失を要因とする成分が相殺され、クロストークを要因として生じる成分を主として反映した特徴的な加算波形が生成される。そして、加算波形の形状は、クロストークを要因として生じる成分の大きさに応じた形状を呈する。
したがって、加算波形の形状に近似する波形を、複数の模範波形のなかから検出することで、クロストークを要因として生じる成分がコアの長さ方向のどの位置でどの程度あるかを認識することが可能となる。
また、加算波形の形状は、第1強度分布波形及び第2強度分布波形の一方の反転強度分布波形と、当該第1強度分布波形及び第2強度分布波形の他方とを減算した減算波形の形状に比べると、クロストークを要因として生じる成分の量に応じた変化の程度が大きく、より特長的な形状として得られ易い傾向にあることが本発明者らの実験結果により確認されている。
したがって、模範波形のなかから加算波形に近似する波形を検出する場合には、減算波形の形状に近似する波形を検出する場合に比べて、検出精度を向上することができる。
また、前記波形処理ステップ又は前記波形処理部は、前記反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを加算及び減算し、前記波形照合部は、前記波形処理部の減算結果として得られる減算波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範減算波形のなかから検出し、前記波形処理部の加算結果として得られる加算波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範加算波形のなかから検出することが好ましい。
このようにすれば、加算波形と模範加算波形、及び、減算波形と模範減算波形のいずれか一方のみ照合する場合に比べて、クロストーク特性をより詳細に捉えることが可能となる。
また、前記波形処理ステップ又は前記波形処理部は、前記反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを加算及び減算し、前記波形照合部は、前記波形処理部の減算結果として得られる減算波形を用いて、前記波形処理部の加算結果として得られる加算波形を、複数の時間幅をもつ区間に分割するか否か判断することが好ましい。
例えば、加算波形から導出されるクロストーク成分を減算波形から除去した波形では、特定の情報が変化する部分が非直線形状として表れる。また、減算波形は、クロストーク成分に比べて、伝送損失成分のほうを反映した形状となる傾向がある。
つまり、波形処理ステップ又は波形処理部の処理結果として得られる波形を分割するか否かを判断する契機として減算波形を用いることで、当該波形を常に分割する場合に比べて照合処理負荷を抑えることができる。また、減算波形から得られる情報に応じて一部の波形部分についてのみ照合するといったこともできる。
この結果、照合処理負荷を抑えながらも、クロストーク特性を正確かつ詳細に捉えることが可能となる。
或いは、前記クロストーク測定方法では、波形処理ステップの処理結果として得られる波形から、前記マルチコアファイバの長手方向における任意の位置でのクロストーク値を算出するクロストーク値算出ステップをさらに備えることが好ましい。また、前記クロストーク測定装置では、前記波形処理部の処理結果として得られる波形から、前記マルチコアファイバの長手方向における任意の位置でのクロストーク値を算出するクロストーク値算出部をさらに備えることが好ましい。
このようなクロストーク値算出ステップ又はクロストーク値算出部を備えた場合、上記波形照合ステップ又は波形照合部を備える場合に比べて、模範波形を省略できる分だけ記憶容量を低減できる。また、模範波形との照合を省略できる分だけ演算負荷を低減できる。
以上のように本発明によれば、より詳細にクロストーク特性を捉え得るクロストーク測定方法及びクロストーク測定装置が提供される。
本実施形態におけるクロストーク測定装置の測定対象となるマルチコアファイバのコアが2本の場合におけるファイバ長さ方向に垂直な断面を示す図である。 本実施形態におけるクロストーク測定装置の測定対象となるマルチコアファイバのコアが7本の場合におけるファイバ長さ方向に垂直な断面を示す図である。 第1実施形態におけるクロストーク測定装置の構成を示す図である。 波形処理の様子を示す図である。 データ記憶媒体の内容を概略的に示す図である。 第1実施形態におけるクロストーク測定方法のフローチャートを示す図である。 減算波形を概略的に示す図である。 実施例1における加算波形と模範加算波形とを示すグラフである。 実施例1における模範加算波形と模範減算波形とを示すグラフである。 実施例2における加算波形を示すグラフである。 実施例2における加算波形と模範加算波形との一部を示すグラフである。 第2実施形態におけるクロストーク測定装置の構成を示す図である。 電力結合係数に変動がない場合とある場合との加算波形モデルを示すグラフである 第2実施形態におけるクロストーク測定方法のフローチャートを示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態におけるクロストーク測定装置の測定対象となるマルチコアファイバ10のコアが2本の場合におけるファイバ長さ方向に垂直な断面を示す図である。また、図2は、本実施形態におけるクロストーク測定装置の測定対象となるマルチコアファイバ20のコアが7本の場合におけるファイバ長さ方向に垂直な断面を示す図である。
図1及び図2に示すように、マルチコアファイバ10又は20は、複数本のコア11と、それぞれのコア間を埋めて複数本のコア11全体を包囲するクラッド12と、クラッド12の外周面を被覆する内側保護層13と、内側保護層13の外周面を被覆する外側保護層14とを有する。各コア11の屈折率は、クラッド12の屈折率よりも高くされる。
図1に示すマルチコアファイバ10では、コア本数が2本とされ、1本のコア11が中心となり、1本のコア11が中心のコア11からある距離はなれた位置となる関係で配置される。
一方、図2に示すマルチコアファイバ20では、コア本数が7本とされ、1本のコア11が中心となり、6本のコア11が中心のコア11から等距離となる関係で配置される。また、各コア11の中心間距離は等しい距離とされ、クラッド12の軸に対して各コア11は対称とされる。
(1)第1実施形態
図3は、第1実施形態におけるクロストーク測定装置1の構成を示す図である。図2に示すように、クロストーク測定装置1は、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)2と、波形処理部3と、波形照合部4とを主な構成要素として備える。
<OTDR2について>
OTDR2は、測定対象となる光ファイバの端にパルス光を入射させ、当該光ファイバの長さ方向の各点で反射されて入射端に戻る光強度の距離分布を測定する機器である。
本実施形態の場合、OTDR2は、パルス光を入射させるための被測定対象の光ファイバ(以下、ダミーファイバという。)DF1を介して、マルチコアファイバ10又は20の例えば中心に配置されるコア11の一端E1にパルス光を入射させる。そして、OTDR2は、コア11の一端E1に戻る光強度の距離分布(以下、第1光強度分布という。)を測定する。
また、OTDR2は、ダミーファイバDF2を介して、コア11の一端E1とは反対側の他端E2にパルス光を入射させ、その他端E2に戻る光強度の距離分布(以下、第2光強度分布という。)を測定する。
<波形処理部3について>
波形処理部3は、第1光強度分布のデータと、第2光強度分布のデータとを取得する。
図4は、波形処理の様子を示す図である。具体的に図4の(A)は第1光強度分布のデータに示される波形(以下、第1強度分布波形という。)WF1を概略的に示し、図4の(B)は第2光強度分布のデータに示される波形(以下、第2強度分布波形WF2という。)を概略的に示している。
また、図4の(C)は第2強度分布波形WF2を左右反転した波形(以下、反転強度分布波形という。)WF3を概略的に示し、図4の(D)は第1強度分布波形WF1と反転強度分布波形WF3とを加算した波形(以下、加算波形という。)WF4を概略的に示している。
図4に示すように、波形処理部3は、例えば第2強度分布波形WF2を、当該距離の中心位置で対称に反転させて、反転強度分布波形WF3を生成する。そして、波形処理部3は、反転強度分布波形WF3と、第1強度分布波形WF1とを加算する。
第1強度分布波形WF1と第2強度分布波形WF2における各距離での光強度は、主に、伝送損失を要因として生じる成分(以下、伝送損失成分という。)と、クロストークを要因として生じる成分(以下、クロストーク成分という。)とを含んでいる。
この伝送損失成分については、コア11の長手方向の位置が同じ場合、第1強度分布波形WF1における傾きと、反転強度分布波形WF3における傾きは、正負が逆となるものの値としては同じとなる。
一方、クロストークは入射端からの距離で変化するものである。このため、コア11の長手方向の位置が同じ場合であっても、コア11の一端E1より入射したデータと他端E2から入射したデータとでは、クロストーク成分の値としては同程度にはならない。
したがって、第1強度分布波形WF1と、第2強度分布波形WF2を反転した反転強度分布波形WF3とを加算した場合、コア11の長さ方向における各位置での伝送損失成分が相殺され、クロストーク成分が抽出される。
具体的には、クロストーク成分がない場合、図4の(D)における破線で示すように、加算波形WF4はおおむね直線状となるが、クロストーク成分がある場合、図4の(D)における実線で示すように、加算波形WF4はおおむね凹状となる。この凹状は、クロストーク成分の大きさに応じて変化する。具体的には、凹みの程度が大きいほどクロストーク成分が大きい関係にある。
<波形照合部4について>
波形照合部4は、波形処理部3の処理結果として得られる加算波形WF4を示すデータを照合対象の一方とし、当該加算波形WF4に対する模範波形(以下、模範加算波形という。)としてデータ記憶媒体に保持されるデータ群を所定の順序で照合対象の他方として照合する。
図5は、データ記憶媒体の内容を概略的に示す図である。図5に示すように、データ記憶媒体には、互いに形状が異なる複数の模範加算波形を示すデータが保持され、当該模範加算波形には、クロストーク値を示すデータがそれぞれ関連付けられている。
本実施形態の場合、波形照合部4は、例えば最小二乗法等を用いて、データ記憶媒体に保持される模範加算波形群のなかから、波形処理部3の処理結果として得られる加算波形WF4に最も近似する模範加算波形を検出する。そして、波形照合部4は、検出した模範加算波形に関連付けられるクロストーク値を認識し、その認識結果を例えば映像又は音声を通じて通知する。
次に、データ記憶媒体に保持される模範加算波形と、クロストーク値との関係について説明する。
光ファイバの入射点から長さ方向におけるある位置zにおける後方散乱光P(z)は、次式
Figure 0005588050
で表わされる。
この(1)式におけるP0は入射点(z=0)におけるパワーを表し、αsは位置zにおける後方散乱係数を表し、B(z)は位置zにおける後方散乱光捕獲係数を表し、γ(x)は位置xにおける損失係数を表している。
なお、(1)式は、例えば、K.W.Kowaliuk and J.Ferner,“A Technique to Estimate the Cutoff Wavelength Profile in Single Mode fibers Using a switchable Dual Wavelength OTDR,”Tech.Digest Symp.on Optical Fiber Measurements,Bouder,pp.123−126,1988の文献等で報告されている。
一方、入射点から位置zまでのクロストークによるパワーの減衰率Tは電力結合理論に基づき、次式
Figure 0005588050
で表わされる。
この(2)式におけるnはマルチコアファイバにおける中心のコアの周囲に均等に配置したコアの数を表し、hは光の漏れの程度を示す電力結合係数を表している。ここでは、電力結合係数hは、光ファイバの長さ方向において一定であるものと仮定する。なお、上記(2)式は中心のコアにパルス光を入射させた場合を表している。
位置zにおける後方散乱光が隣接コアでも同様に発生していると考えた場合、当該位置zまでの往復の減衰率Trtは2z分の距離相当の減衰であると考えることができ、次式
Figure 0005588050
のように表わすことができる。
したがって、上記(3)式を上記(1)の後方散乱光P(z)に取り込めば、クロストークの影響を考慮した後方散乱光P(z)を得ることができ、具体的には、次式
Figure 0005588050
と表される。
OTDRから出力される強度I(z)[dB]と、上記(4)式の後方散乱光P(z)とには、次式
Figure 0005588050
の関係が成り立つ。
したがって、光ファイバの一端を入射点として入射させるべきパルス光のパワーをP0Sとした場合、その一端に戻る光(後方散乱光PS(z))の測定結果として、OTDRから出力される強度IS(z)は、次式
Figure 0005588050
として導くことができる。
次に、光ファイバの一端とは反対側の他端を入射点とした場合を考える。光ファイバの他端を入射点として入射させるべきパルス光のパワーをP0Eとした場合、その他端に戻る後方散乱光PE(z)は、光ファイバの一端を入射点とする場合と一致させるために光ファイバの長さ方向における位置zを反転させた状態では、次式
Figure 0005588050
となり、当該後方散乱光PE(z) の測定結果として、OTDRから出力される強度IE(z)は、次式
Figure 0005588050
となる。
上記(6)式と上記(8)式との和は、上述の加算波形に相当し、次式
Figure 0005588050
のようにまとめることができる。
この(9)式における第2項は、光ファイバの構造の不安定性を要因として生じる構造不正を表す項であり、第3項は、上述のクロストーク成分を表す項である。この第3項が第2項よりも大きい場合には、第3項における電力結合係数hを可変することで様々な形状の模範加算波形を導くことが可能となる。
なお、光ファイバにおいては、長手方向での構造安定性が許容範囲内となるように作製されることが一般的な現状であり、このような作製現状を鑑みると、図1又は図2のようなマルチコアファイバでは、第3項が第2項よりも小さくなることは想定し難いと考えられる。
光ファイバのある位置zにおけるクロストーク値XT(z)は、電力結合理論に基づき、次式
Figure 0005588050
で表わされる。
この(10)式に電力結合係数hを代入することで、光ファイバのある位置zにおける上述のクロストーク値が求まる。
このように、上記(9)式及び(10)式に基づいて、模範加算波形とクロストーク値とを得ることができる。
次に、クロストーク測定装置1のクロストーク測定方法について説明する。
図6は、第1実施形態におけるクロストーク測定方法のフローチャートを示す図である。図6に示すように、クロストーク測定方法は、波形取得ステップSP1、波形処理ステップSP2、波形照合ステップSP3、通知ステップSP4とを主に備える。
<波形取得ステップSP1について>
この波形取得ステップSP1では、OTDR2によって測定された第1光強度分布のデータと、当該OTDR2によって測定された第2光強度分布のデータとが波形処理部3によって取得される。
具体的には、例えばケーブル線、電気通信回線又は可搬型データ記憶媒体等の情報伝達媒体を介して、第1光強度分布のデータと第2光強度分布のデータとが取得される。
<波形処理ステップSP2について>
この波形処理ステップSP2では、波形取得ステップSP1で取得されたデータを用いて、加算波形WF4が波形処理部3によって生成される。
具体的には、まず、第2光強度分布のデータに示される第2強度分布波形WF2(図4の(B))が、当該距離の中心位置で対称に反転され、反転強度分布波形WF3(図4の(C))が生成される。次に、反転強度分布波形WF3と、第1光強度分布のデータに示される第1強度分布波形WF1(図4の(A))とが加算され、加算波形WF4(図4の(D))が生成される。
上述したように、第1強度分布波形WF1及び第2強度分布波形WF2の加算によって、当該強度分布波形における各距離での光強度の主成分となる伝送損失成分及びクロストーク成分のうち、伝送損失成分が相殺される。このため、加算波形WF4は、主に、クロストーク成分を反映した波形となり、当該加算波形WF4の形状は、クロストーク成分の量に応じた形状を呈することとなる。
<波形照合ステップSP3について>
この波形照合ステップSP3では、波形処理ステップSP2で抽出された加算波形WF4に最も近似する模範加算波形が、波形照合部4によってデータ記憶媒体から検出される。
具体的には、まず、データ記憶媒体に保持される模範加算波形群のなかから、加算波形WF4と照合すべき模範加算波形が選択され、当該データ記憶媒体から読み出される。次に、データ記憶媒体から読み出された模範加算波形と加算波形WF4との合致度が例えば最小二乗法等により算出される。このようにして加算波形WF4との合致度が模範加算波形群ごとに算出され、当該模範加算波形群のなかで加算波形WF4との合致度が最も大きい模範加算波形が検出される。
<通知ステップSP4について>
この通知ステップSP4では、波形照合ステップSP3で検出された模範加算波形に関連付けられるクロストーク値が、波形照合部4によって、例えば映像又は音声を介して通知される。
次に、上記第1実施形態の変形例について説明する。
上記第1実施形態では、第2強度分布波形WF2(図4の(B))を反転した反転強度分布波形WF3(図4の(C))と、第1強度分布波形WF1(図4の(A))とが加算された。しかしながら、第1強度分布波形WF1を反転した反転強度分布波形と第2強度分布波形WF2とが加算されても良い。
また、上記第1実施形態では、第1強度分布波形WF1と反転強度分布波形WF3とが加算され、加算波形WF4(図4の(D))が生成された。しかしながら、第1強度分布波形WF1と反転強度分布波形WF3との一方から他方が減算され、当該減算した波形(以下、減算波形という。)が生成されても良く、加算波形と減算波形との双方が生成されても良い。
なお、第1強度分布波形WF1と反転強度分布波形WF3との一方から他方を減算する場合、上記(9)式は、次式
Figure 0005588050
に換えられる。
この(11)式における第2項は、上述の伝送損失成分を表す項であり、第3項は、上述のクロストーク成分を表す項である。この第3項における電力結合係数hを可変することで様々な形状の減算波形を導くことが可能となる。
このように第1強度分布波形WF1と反転強度分布波形WF3との一方から他方を減算する場合には上記(11)式及び上記(10)式に基づいて、減算波形に対する模範波形(以下、模範減算波形という。)とクロストーク値とをデータ記憶部に保持することができる。
図7は、減算波形を概略的に示す図である。クロストーク成分がない場合、図7における破線で示すように、減算波形はおおむね直線状となるが、クロストーク成分がある場合、図7における実線で示すように、減算波形はおおむねS状となる。この減算波形における曲線の程度が大きいほどクロストーク成分が大きい関係にある。
なお、図4の(D)と図7との比較からも分かるように、加算波形の形状は、減算波形の形状に比べると、クロストーク成分の大きさに応じた変化の程度が大きく、特長的な形状として得られ易い傾向にある。つまり、クロストーク成分を有効に抽出する観点では、第1強度分布波形WF1と反転強度分布波形WF3とを減算する場合に比べると、加算する場合のほうが好ましい。したがって、加算波形に近似する波形を検出するほうが、減算波形の形状に近似する波形を検出する場合に比べて、検出精度を向上することができる。
また、上記第1実施形態では、上記(9)式に基づいて加算波形が生成され、上記(11)式に基づいて減算波形が生成された。しかしながら、クロストーク成分が際立つ光強度の距離分布を示す波形を生成することができれば、上記(9)式又は上記(11)式以外の演算に基づいて加算波形又は減算波形が生成されても良い。要するに、第1強度分布波形WF1及び第2強度分布波形WF2の一方を反転した反転強度分布波形と、当該第1強度分布波形WF1及び第2強度分布波形WF2の他方とを用いて、クロストークを要因として生じる成分を主成分とする波形が生成されれば良い。
上記第1実施形態では、加算波形WF4全体が模範加算波形と照合された。しかしながら、波形処理部3の処理結果として得られる波形を、複数の距離幅をもつ区間に分割し、各区間における部分波形ごとに模範波形と照合されても良い。また、各区間の一部の区間における部分波形が模範波形と照合されても良い。
このようにすれば、波形処理部3の処理結果として得られる波形の形状を細かく捉えることができるため、当該波形に近似する波形を模範波形のなかから検出する精度を向上することができる。この結果、コア11の長さ方向におけるクロストーク成分の大きさをより一段と正確に捉えることができる。
なお、波形処理部3が加算波形WF4と減算波形との双方を生成する場合、波形照合部4は、減算波形を用いて、波形処理部3の処理結果として得られる波形を、複数の距離幅をもつ区間に分割するか否か判断することも可能である。
例えば、加算波形から導出されるクロストーク成分を減算波形から除去した波形では、特定の情報(電力結合係数h)が変化する部分が非直線形状として表れる。また、減算波形は、クロストーク成分に比べて、伝送損失成分のほうを反映した形状となる傾向がある。つまり、波形処理部3の処理結果として得られる波形を分割するか否かを判断する契機として減算波形を用いることで、当該波形を常に分割する場合に比べて照合処理負荷を抑えることができる。また、減算波形から得られる情報に応じて一部の波形部分についてのみ照合するといったこともできる。この結果、照合処理負荷を抑えながらも、クロストーク特性を正確かつ詳細に捉えることが可能となる。
上記第1実施形態では、加算波形WF4と模範加算波形とが照合された。しかしながら、加算波形WF4と模範加算波形、及び、減算波形と模範減算波形が照合されても良い。このようにすれば、加算波形WF4と模範加算波形、及び、減算波形と模範減算波形のいずれか一方のみ照合する場合に比べて、クロストーク特性をより詳細に捉えることが可能となる。
上記第1実施形態では、上記(10)式に基づいて得られる模範加算波形が予めデータ記憶媒体に保持され、当該データ記憶媒体から読み出された模範加算波形と、OTDR2の測定結果から得た加算波形とが照合された。しかしながら、上記(10)式を保持しておき、OTDR2の測定結果から得た加算波形が取得される度に上記(10)式に基づいて模範加算波形を生成し、当該模範加算波形と、OTDR2の測定結果から得た加算波形とが照合されても良い。なお、減算波形と模範減算波形との照合についても同様である。要するに、波形処理部3の処理結果として得られる波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範波形のなかから検出すれば良い。
上記第1実施形態では、データ記憶媒体に保持される模範加算波形に対して、クロストーク値が関連付けられた。しかしながら、このクロストーク値に代えて、上記(9)式における電力結合係数hが関連付けられていても良い。なお、この電力結合係数hを模範加算波形に関連付けた場合、波形照合部4は、当該電力結合係数hを通知するようにしても良く、当該電力結合係数hと上記(10)式とに基づいて算出したクロストーク値を通知するようにしても良い。なお、模範減算波形に対する関連付けについても同様である。
以下、実施例を挙げて第1実施形態の内容をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
マルチコアファイバ10のサンプルとして、中心に1つのコアを配置し、そのコアから25[μm]隔てた位置に1つのコアを配置した2コアファイバを、下記表1に示す構造で作製した。
Figure 0005588050
また、ダミーファイバDF1及びDF2として、2[km]のシングルモードファイバを2本用意し、一方のシングルモードファイバの一端を2コアファイバの中心コアの一端に融着し、他方のシングルモードファイバの一端を2コアファイバの中心コアの他端に融着した。
このような2コアファイバの中心コアに、シングルモードファイバを介して、パルス光を入射させて、第1光強度分布及び第2光強度分布をOTDR2により測定し、当該強度分布から得た加算波形を図8に示す。
具体的に図8の(A)はパルス光の波長を1550[nm]とした場合における加算波形を実線で示し、図8の(B)はパルス光の波長を1625[nm]とした場合における加算波形を実線で示している。また、図8の(A)及び(B)において、実線以外の線種で示される波形は、上記(9)式のnに1を代入した(9)式のhを可変することにより得られる模範加算波形である。
図8の(A)から明らかなように、OTDR2の測定結果から得た加算波形は、電力結合係数hを4×10−5[m−1]としたときの模範加算波形と近似することが確認できた。また、z=L=10kmのときの電力結合係数hを上記(10)式に代入した結果、クロストーク値として、−5.0[dB]という値が得られた。
一方、図8の(B)から明らかなように、OTDR2の測定結果から得た加算波形は、2コアファイバの一端から2[km]及び8[km]付近では電力結合係数hを9×10−5[m−1]としたときの模範加算波形と近似し、5[km]付近では電力結合係数hを8×10−5[m−1] としたときの模範加算波形と近似することが確認できた。また、z=L=10kmのときの電力結合係数hを上記(10)式に代入した結果、クロストーク値として、−1.5[dB]という値が得られた。
次に、上記(9)式のnに1を代入した(9)式のhを可変することにより得られる模範加算波形と、上記(11)式のnに1を代入した(11)式のhを可変することにより得られる模範減算波形とを図9に示す。具体的に図9の(A)は模範加算波形を示し、図9の(B)は模範減算波形を示している。
図9の(A)と(B)との比較から明らかなように、模範減算波形は、模範加算波形に比べると、電磁結合係数hが比較的大きくなければ特長的な波形として得られなかった。したがって、OTDR2の測定結果から得た加算波形と模範加算波形とを照合する場合には、当該OTDR2の測定結果から得た減算波形と模範減算波形とを照合する場合に比べて、OTDR2の測定結果から得た波形により近似する模範波形を得ることができることが分かった。つまり、より正確にクロストーク値を得る観点では、OTDR2の測定結果から得た加算波形と模範加算波形とを照合するほうが、当該OTDR2の測定結果から得た減算波形と模範減算波形とを照合するよりも好ましいことが分かった。
(実施例2)
マルチコアファイバ20のサンプルとして、中心に1つのコアを配置し、そのコアから35[μm]隔てた位置に均等に6つのコアを配置した7コアファイバを、下記表2に示す構造で作製した。
Figure 0005588050
また、実施例1と同様に、ダミーファイバDF1及びDF2として、2[km]のシングルモードファイバを2本用意し、一方のシングルモードファイバの一端を7コアファイバの中心コアの一端に融着し、他方のシングルモードファイバの一端を7コアファイバの中心コアの他端に融着した。
このような7コアファイバの中心コアに、シングルモードファイバを介して、パルス光を入射させて、第1光強度分布及び第2光強度分布をOTDR2により測定し、当該強度分布から得た加算波形を図10に示す。
具体的に図10の(A)はパルス光の波長を1550[nm]とした場合における加算波形を実線で示し、図10の(B)はパルス光の波長を1625[nm]とした場合における加算波形を実線で示している。
また、図10に示す加算波形の一部と、その一部に近似する模範加算波形及び電力結合係数hを図11に示す。なお、この模範加算波形は、上記(9)式のnに6を代入した(9)式のhを可変することにより得られたものである。
具体的に図11の(A)はパルス光の波長を1550[nm]とした場合における加算波形の一部を実線で示し、その一部に近似する模範加算波形を破線で示している。一方、図11の(B)はパルス光の波長を1625[nm]とした場合における加算波形の一部を実線で示し、その一部に近似する模範加算波形を破線で示している。
図11の(A)から明らかなように、OTDR2の測定結果から得た加算波形は、電力結合係数hを0.00015[m−1]としたときの模範加算波形と近似することが確認できた。
一方、図11の(B)から明らかなように、OTDR2の測定結果から得た加算波形は、電力結合係数hを0.0007[m−1]としたときの模範加算波形と近似することが確認できた。
なお、図11の(A)及び(B)における加算波形の直線部分は、本実施例2における7コアファイバの長さが十分に長いためクロストークが飽和していることを表している。このようなクロストークが飽和している光ファイバの場合、従来のクロストーク測定法では、出射端で全ての光強度が均一になってしまうため、当該光ファイバを切断する等の破壊を伴う方法でしか電力結合係数等のクロストーク特性を測定できなかった。一方、本発明では、上述のとおり、非破壊に電力結合係数等のクロストーク特性が測定可能である。
このように、上記第1実施形態におけるクロストーク測定方法は、マルチコアファイバにおける1つのコアの一端に入射され前記一端に戻る光強度の距離分布を示すデータと、前記コアの他端に入射され前記他端に戻る光強度の距離分布を示すデータとを取得する取得ステップSP1と、前記一端に戻る光強度の距離分布を示すデータに示される第1強度分布波形及び前記他端に戻る光強度の距離分布を示すデータに示される第2強度分布波形の一方を、距離の中心位置で対称に反転した反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを用いて、模範波形と照合すべき波形を生成する波形処理ステップSP2と、前記波形処理ステップの処理結果として得られる波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の前記模範波形のなかから検出する波形照合ステップSP3とを備える。このクロストーク測定方法は、本件の特許請求の範囲の請求項1と請求項2とを組み合わせたものと等しい。
また、上記第1実施形態におけるクロストーク測定装置1は、マルチコアファイバにおける1つのコアの一端に入射され前記一端に戻る光強度の距離分布に示される第1強度分布波形と、前記コアの他端に入射され前記他端に戻る光強度の距離分布に示される第2強度分布波形とを用いて波形処理を施す波形処理部3と、前記波形処理部の処理結果として得られる波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範波形のなかから検出する波形照合部4とを備え、前記波形処理部3は、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の一方を、距離の中心位置で対称に反転した反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを用いて、前記模範波形と照合すべき波形を生成する。このクロストーク測定装置1は、本件の特許請求の範囲の請求項8と請求項9とを組み合わせたものと等しい。
(2)第2実施形態
次に、本発明の好適な第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図12は、第2実施形態におけるクロストーク測定装置100の構成を示す図である。図12に示すように、クロストーク測定装置100は、第1実施形態における波形照合部4に代えて、クロストーク値算出部40を新たに備える点で、第1実施形態と異なる。
<クロストーク値算出部40について>
クロストーク値算出部40は、波形処理部3の処理結果として得られる加算波形WF4から、マルチコアファイバ10又は20の長手方向における任意の位置でのクロストーク値を算出する。
本実施形態の場合、クロストーク値算出部40は、まず、加算波形WFにおける長さ方向の位置での光の漏れを表す関係式となる次式
Figure 0005588050
に基づいて、加算波形WFの長さ方向における電力結合係数を算出する。
電力結合係数は光の漏れの程度を示す係数であり、上記(12)式ではhで表わされる。なお、上記(12)式の分母における上部にバーが付されたhは、電力結合係数の平均値を表している。また、上記(12)式の分子におけるh(z)は一端から任意の距離を隔てた地点zまでの電力結合係数を表し、当該分子におけるh´(z)は他端から任意の距離を隔てた地点zまでの電力結合係数を表している。
この(12)式は、上記(9)式の第3項のみを変更したものである。すなわち、上記(9)式では、電力結合係数の平均値だけがhとして定義されていた。これに対し、上記(12)式では、電力結合係数の平均値が上部にバーを付したhとして定義されるだけではなく、距離依存性を有する電力結合係数がh(z)及びh´(z)として新たに定義されている。
ここで、電力結合係数に変動がない場合とある場合との加算波形モデルを図13に示す。この図13では、電力結合係数に変動がない加算波形モデルが太実線及び細実線で示され、マルチコアファイバの端部からの距離が増すにつれて電力結合係数が増加する加算波形モデルが破線で示され、マルチコアファイバの端部からの距離が増すにつれて電力結合係数が減少する加算波形モデルが一点鎖線で示されている。
なお、これら加算波形モデルにおける電力結合係数の平均値は同じである。また、細実線で示される上側の加算波形モデルは電力結合係数の平均値を10−5[m−1]とした場合であり、細実線で示される下側の加算波形モデルは電力結合係数の平均値を10−3[m−1]とした場合であり、太実線と破線と一点鎖線で示される加算波形モデルは電力結合係数の平均値を10−4[m−1]とした場合である。さらに、図13における縦軸のIXTは、上記(12)式における第3項に相当するものであり、クロストーク成分の大きさを表している。
図13に示すように、各加算波形モデルの勾配はそれぞれ異なっているものの、当該加算波形モデルにおけるクロストーク成分の最小値は共通している。したがって、電力結合係数における勾配の有無にかかわらず、クロストーク成分の最小値は同じ値として測定できるといえる。このことから、勾配がない場合の最小値を定義する次式の式は、たとえ電力結合係数における勾配が存在していたとしても常に成立する。
Figure 0005588050
つまり、上記(13)式を解くことで加算波形WFにおける最小値に応じた電力結合係数の平均値を導出することができ、この平均値が分かれば、当該平均値を上記(12)式に代入することでh(z)及びh´(z)を求めることができる。
次に、クロストーク値算出部40は、上記(12)式を用いて算出した電力結合係数を上記(10)式に代入し、マルチコアファイバ10又は20における任意の距離z地点でのクロストーク値を算出する。なお、マルチコアファイバ10又は20の長手方向における各地点zそれぞれのクロストーク値が算出されても良い。
次に、クロストーク測定装置1のクロストーク測定方法について説明する。
図14は、第2実施形態におけるクロストーク測定方法のフローチャートを示す図である。図14に示すように、本実施形態におけるクロストーク測定方法は、第1実施形態における波形照合ステップSP3に代えて、クロストーク値算出ステップSP30を新たに備える点で、第1実施形態におけるクロストーク測定方法と異なる。
<クロストーク値算出ステップSP30について>
このクロストーク値算出ステップSP30では、波形処理部3の処理結果として得られる加算波形WF4から、マルチコアファイバ10又は20の長手方向における任意の位置でのクロストーク値が算出される。
具体的には、上述したように、(12)式を用いて電力結合係数が算出され、当該電力結合係数及び(10)式を用いてマルチコアファイバ10又は20の長さ方向における任意の位置でのクロストーク値が算出される。
このように本実施形態では、加算波形WF4から演算によりクロストーク値が算出されるため、当該加算波形WF4と模範波形とを照合する上記第1実施形態の場合に比べて、模範波形を省略できる分だけ記憶容量を低減できる。また、模範波形との照合を省略できる分だけ演算負荷を低減できる。
なお、上記第1実施形態では、クロストークを要因として生じる成分の大きさに応じて相違する波形形状から、クロストークがコアの長さ方向のどの位置でどの程度あるかを認識することができる。
次に、上記第2実施形態の変形例について説明する。
上記第2実施形態では、加算波形WF4からクロストーク値が算出されたが、上記第1実施形態の変形例で述べた場合と同様に、減算波形からクロストーク値が算出されても良い。なお、減算波形からクロストーク値を算出する場合、例えば、上記(11)式及び(10)式を用いてクロストーク値が算出される。
上記第2実施形態では、加算波形WF4から、上記(12)式及び(10)式を用いてクロストーク値が算出された。しかしながら、上記(9)式及び(10)式を用いてクロストーク値が算出されても良い。また、上記(9)式、(10)式、(11)式又は(12)式以外の演算式を用いて、加算波形又は減算波形からクロストーク値が算出されても良い。なお、上記第1実施形態において、上記(9)式を上記(12)式に変更しても良い。
本発明に係るクロストーク測定装置及びクロストーク測定方法は、マルチコアファイバを取り扱う産業上分野において利用可能性がある。
1,100・・・クロストーク測定装置
2・・・OTDR
3・・・波形処理部
4・・・波形照合部
10,20・・・マルチコアファイバ
11・・・コア
12・・・クラッド
13・・・内側被覆層
14・・・外側被覆層
40・・・クロストーク値算出部
SP1・・・波形取得ステップ
SP2・・・波形処理ステップ
SP3・・・波形照合ステップ
SP4・・・通知ステップ
SP30・・・クロストーク値算出ステップ

Claims (14)

  1. マルチコアファイバにおける1つのコアの一端に入射され前記一端に戻る光強度の距離分布を示すデータと、前記コアの他端に入射され前記他端に戻る光強度の距離分布を示すデータとを取得する取得ステップと、
    前記一端に戻る光強度の距離分布を示すデータに示される第1強度分布波形及び前記他端に戻る光強度の距離分布を示すデータに示される第2強度分布波形の一方を、距離の中心位置で対称に反転した反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを用いて、クロストークを要因として生じる成分を主成分とする波形を生成する波形処理ステップと
    を備えることを特徴とするクロストーク測定方法。
  2. 前記波形処理ステップの処理結果として得られる波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範波形のなかから検出する波形照合ステップ
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のクロストーク測定方法。
  3. 前記波形照合ステップは、
    前記波形処理ステップの処理結果として得られる波形を、複数の距離幅をもつ区間に分割し、各前記区間における部分波形の全部又は一部の形状に近似する波形を、前記複数の模範波形のなかから検出する
    ことを特徴とする請求項2に記載のクロストーク測定方法。
  4. 前記波形処理ステップは、
    前記反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを加算し、模範波形と照合すべき波形を生成する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のクロストーク測定方法。
  5. 前記波形処理ステップは、
    前記反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを加算及び減算し、
    前記波形照合ステップは、
    前記波形処理ステップの減算結果として得られる減算波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範減算波形のなかから検出し、
    前記波形処理ステップの加算結果として得られる加算波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範加算波形のなかから検出する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のクロストーク測定方法。
  6. 前記波形処理ステップは、
    前記反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを加算及び減算し、
    前記波形照合ステップは、
    前記波形処理ステップの減算結果として得られる減算波形を用いて、前記波形処理ステップの加算結果として得られる加算波形を、複数の時間幅をもつ区間に分割するか否か判断する
    ことを特徴とする請求項3に記載のクロストーク測定方法。
  7. 前記波形処理ステップの処理結果として得られる波形から、前記マルチコアファイバの長手方向における任意の位置でのクロストーク値を算出するクロストーク値算出ステップ
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のクロストーク測定方法。
  8. マルチコアファイバにおける1つのコアの一端に入射され前記一端に戻る光強度の距離分布に示される第1強度分布波形と、前記コアの他端に入射され前記他端に戻る光強度の距離分布に示される第2強度分布波形とを用いて波形処理を施す波形処理部と
    を備え、
    前記波形処理部は、
    前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の一方を、距離の中心位置で対称に反転した反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを用いて、クロストークを要因として生じる成分を主成分とする波形を生成する
    ことを特徴とするクロストーク測定装置。
  9. 前記波形処理部の処理結果として得られる波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範波形のなかから検出する波形照合部
    をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のクロストーク測定装置。
  10. 前記波形照合部は、
    前記波形処理部の処理結果として得られる波形を、複数の距離幅をもつ区間に分割し、各前記区間における部分波形の全部又は一部の形状に近似する波形を、前記複数の模範波形のなかから検出する
    ことを特徴とする請求項9に記載のクロストーク測定装置。
  11. 前記波形処理部は、
    前記反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを加算する
    ことを特徴とする請求項8〜請求項10いずれか1項に記載のクロストーク測定装置。
  12. 前記波形処理部は、
    前記反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを加算及び減算し、
    前記波形照合部は、
    前記波形処理部の減算結果として得られる減算波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範減算波形のなかから検出し、
    前記波形処理部の加算結果として得られる加算波形の形状に近似する波形を、互いに異なる形状となる複数の模範加算波形のなかから検出する
    ことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のクロストーク測定装置。
  13. 前記波形処理部は、
    前記反転強度分布波形と、前記第1強度分布波形及び前記第2強度分布波形の他方とを加算及び減算し、
    前記波形照合部は、
    前記波形処理部の減算結果として得られる減算波形を用いて、前記波形処理部の加算結果として得られる加算波形を、複数の時間幅をもつ区間に分割するか否か判断する
    ことを特徴とする請求項10に記載のクロストーク測定装置。
  14. 前記波形処理部の処理結果として得られる波形から、前記マルチコアファイバの長手方向における任意の位置でのクロストーク値を算出するクロストーク値算出部
    をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のクロストーク測定装置。
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