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JP5591442B2 - 免震建物の架台カバー構造 - Google Patents
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本発明は、免震建物の上部構造体を構成する架台を覆う架台カバーの構造に関し、特に、架台カバーを上部建物における垂れ壁と同一仕様で構成するようにした架台カバー構造に関するものである。
免震建物は、地震時に地盤の動きに追従し地盤に対し相対的に移動しない基礎等の下部構造の上に複数の免震材(例えば滑り支承型免震装置における摺動子や該摺動子が載置される受板)を載置し、更にこの免震材の上に架台を載置し、この架台に上部建物(非免震建物における鉄筋コンクリート造の基礎立上り部よりも上の部分をさす)を建築して構成されている。そして地震時に上部建物と架台とからなる上部構造体が地盤や下部構造の動きに追従せず地盤や下部構造に対して相対的に移動するように構成されている。
また、一般に鉄骨造の工業化住宅に於ける免震仕様の建物は、鉄骨造の架台上に非免震仕様建物と同一の上部建物が建築されて構成されている。そのため、架台や免震材は外壁や基礎によって覆われることなく開放された状態となり外観意匠上好ましくないという問題が生じる。
上記問題を解決するために特許文献1の技術が提案されている。この技術では、建物本体側からカバーを垂らして架台の周囲を覆うように構成されており、このカバーによって免震建物の外観意匠の向上をはかっている。
特開2000−225942号公報
特許文献1の技術では、上部建物から垂らしたカバーによって架台を覆うことで該建物本体の外観を向上させているが、このカバーは建物を構成する外壁とは異なる。特に、基礎に立ち上がり部を設けた場合には、建物の起立面は上部建物の外壁と、基礎の立ち上がり部と、カバーの3つの異なるテクスチャーを有する要素によって構成されるので建物の外観が煩雑となり、意匠性が損なわれる虞がある。また、建築部材の品種や施工の手間が増大しコスト増につながる虞がある。
本発明の目的は、上部建物で使用する部材と同一仕様の部材によって架台の周囲を覆うことで、部材品種を増大させることなく、外観意匠を向上させることができる免震建物の架台カバー構造を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る免震建物の架台カバー構造は、2階外壁パネルが1階外壁パネルよりも持ち出された持ち出し部分を有する鉄骨造の上部建物と下部構造との間に介在する鉄骨造の架台の外周部に、前記持ち出し部分の2階外壁パネルを支持する上部鼻先梁と同一の成と幅を有し前記1階外壁パネルを支持する鼻先梁を前記1階外壁パネル上端固定用の上部壁固定梁と平面的に一致させて配置すると共に、前記上部鼻先梁に取り付ける垂れ壁パネル取付用の金物と略同一形状の金物を前記鼻先梁に取り付け、前記金物に前記上部鼻先梁を覆う垂れ壁パネルと同一仕様のパネルを前記1階外壁パネルと連続面的に取り付けて構成されており、前記鼻先梁はH形鋼からなり、前記金物は、断面L字状で前記鼻先梁の上フランジ下面に取り付けられた取付金物と、断面クランク形状で前記鼻先梁の下フランジ下面に取り付けられた支持金物と、からなり、前記取付金物の垂下片が前記垂れ壁パネル裏面端に当接され、前記支持金物の垂下片が前記垂れ壁パネル裏面の端に当接されるとともに前記垂下片の下端から延びる水平片が前記垂れ壁パネル下端面を支持することで、前記垂れ壁パネルが取り付けられたものである。
なお、ここで垂れ壁パネルとは、例えば、上部建物において1階の外壁面を2階の外壁面より後退させた部位において1階の外壁パネルで覆い隠せない2階外壁支持用の梁を覆い隠すために使用される短尺の外壁パネルのことをさす。
また、同一仕様の外壁パネルとは、同一の厚さ、高さ、取付工法の外壁パネルのことをさす。
上記免震建物の架台カバー構造において、上部建物はラーメン構造であり、柱直下には上部建物における梁接合部と同一の梁接合部が形成されて、梁接合部に上部梁と同一の梁によって隣接する柱どうしが剛に連結され、梁接合部の下部に摺動子と受板からなる免震材を配置しており、外周柱から持ち出された上部片持ち梁と同一仕様の片持ち梁の先端に前記梁(鼻先梁)を取り付けて、前記免震材を構成する受板を平面的に覆ったものであることが好ましい。
本発明に係る免震建物の架台カバー構造は、架台の上部に建築された上部建物の垂れ壁まわりの構成と同一の構成とすることによって、部材の品種の増加と免震建物固有の作業の付加を抑制しつつ免震建物の架台を覆うことができる。このため、免震建物を建築する際に、コストの増加と長工期化を抑制することができる。更に、架台が上部建物の垂れ壁と同一仕様のパネルによって覆われることから、上部建物から架台に至る壁面が同一の意匠となり、外観の意匠性の向上をはかることができる。
また、上部建物がラーメン構造であり、柱直下に免震材を配置し、上部建物における柱梁接合と同一の接合により柱下部を剛に接合することによって、カバーまわりのみならず架台を構成する部材全体についても上部建物を構成する部材との共通化をはかることができ、更にコストや工期の面で大きい効果を発揮することができる。
特に、免震仕様の建物以外に非免震仕様の建物もバリエーションとして持つ工業化住宅においては、架台カバーや架台の構成が非免震仕様の建物の上部建物の部材とも共通化されることから、コストや工期の面で大きい効果を発揮することができる。
また、建物の最も外側の柱に設けた片持ち梁によって1階の外壁及び架台カバーを建物の最も外側の柱よりも外側にオフセットし免震材の受板を平面的に覆うことで、免震材を構成する受板の上部に特別なカバーを設けることなく、架台カバーによって水平面的に覆うことができる。このため、受板を水平面的にカバーする部材を付加する必要がなく、工期の短縮、コストダウン、意匠性の向上をはかることができる。
以下、本発明に係る免震建物の架台カバー構造の最も好ましい実施形態について説明する。本発明は、免震建物の架台を覆う架台カバーまわりの構成を、上部建物の垂れ壁まわりの構成と同一仕様とすることで、免震建物における部材の品種の増加を抑制し、更に外観意匠を向上させるものである。
本発明において、地震時に地盤の動きに追従し地盤に対し相対的に移動しない基礎等の下部構造の上に複数の免震材を載置し、更にこの免震材の上に架台を載置し、この架台に鉄骨造の上部建物を建築して構成されている。
本発明では、架台の外周部に上部建物を構成する上部梁と同一の成と幅を有する梁を上部建物1階外壁位置に対応するモジュールライン(所定のモジュールで平面に格子状に描かれた仮想線)上に配置しており、この梁(以下「鼻先梁」という)に、上部建物を構成する鉄骨梁に取り付ける外壁パネル取付用の金物と略同一の金物を取り付け、更に、この金物に1階外壁パネル及び前記上部梁を覆う垂れ壁パネルと同一仕様の外壁パネルとを取り付けることで、上部建物の1階外壁パネルと連続した架台カバーを構成している。
架台の外周部に配置される鼻先梁は、上部建物を構成する上部梁と同一の成と幅を有している。鼻先梁は、上部建物における片持ち架構の鼻先に配置される上部鼻先梁と同一の構成であることが部材の共通化がはかられて好ましい。また、鼻先梁のみならず、他の架台梁についても上部建物を構成する鉄骨梁と同一仕様として共通化をはかるのが好ましい。
本発明において、垂れ壁パネルや外壁パネルの材料や寸法を限定するものではなく、軽量気泡コンクリート(ALC)パネルやプレキャストコンクリート(PC)パネル、或いは窯業系サイディングパネル等の一般的な住宅建築で外壁を構成する際に利用することが可能なパネルを選択的に用いることが可能である。
また免震材の構成についても特に限定するものではなく、基礎に設けた受板と架台に設けた摺動子との組み合わせからなる支承材と、相対的に移動した上部構造体を初期位置に復帰させる復元材とを組み合わせて構成された滑り支承型の免震材や、複数のゴム板を積み重ねて構成され、地震時に基礎と上部構造体とが移動する際のエネルギーを吸収すると共に地震が終了したときに上部構造体を初期位置に復帰させるように構成された積層ゴム型の免震材等を利用することが可能である。
本発明において、上部建物は、ラーメン構造であることが好ましく、特に、柱直下に摺動子と受板からなる免震材を配置した構造であることが好ましい。そして、外周柱から持ち出された片持ち梁の先端に鼻先梁を取り付けることによって、前記受板を平面的に覆うように構成することが好ましい。
次に第1実施例に係る架台カバーの構成について図を用いて説明する。図1は第1実施例に係る架台カバーの構成を説明する図である。本実施例は、免震建物の上部構造体を構成する架台から片持ち梁を持ち出すと共に該片持ち梁の先端に鼻先梁を配置し、この鼻先梁に架台カバーを取り付けたものである。
図に示す免震建物Aは、基礎1の上面に複数の免震材2を配置し、これらの免震材2の上部に配置した架台3に2階建ての上部建物4を建築して構成されている。そして、架台3の外周であって上部建物4の外壁の下方に該外壁と連続して配置された架台カバー5によって架台3の外周が覆われている。
(上部建物の構成)
本実施例において、免震建物Aは所定の平面モジュール(例えば305mm)を有する鉄骨造ラーメン構造の工業化住宅であり、該工業化住宅はバリエーションとして非免震仕様の建物も有し、上部建物4を構成する部材のうち柱(柱脚部)以外については非免震仕様との部材の共通化がはかられている。
上部建物4において柱10は角形鋼管、上部梁7はH形鋼からなる。柱10は直交する2方向についてモジュールの整数倍となる間隔をとって格子状に設定された通りの交点に配置され、隣接する柱10どうしを連結するように通り上に上部梁7が接合されている。柱10の側面には複数のボルト孔が穿たれて梁接合部が形成され、梁の端部には柱のボルト孔位置に対応したボルト孔が穿たれた接合プレートが溶接されて柱接合部が形成されている。そして、柱10の梁接合部と上部梁7の柱接合部とを当接し高力ボルトで締結することで柱梁接合部が構成されている。
免震建物Aは、2階の外周部分に1階よりも持ち出された形状に構成されており、該持ち出し部分15の下側に軒天井16が構成されている。即ち、柱10から上部片持ち梁9が持ち出され、該上部片持ち梁9の鼻先で上部鼻先梁12が両端を支持され、該上部片持ち梁9の中間部で1階外壁パネルの上端部を固定するための上部壁固定梁8が両端を支持され、夫々モジュールライン上に取り付けられることで、片持ち状の持ち出し部分15が構成されている。
尚、上部鼻先梁12は上部梁7と同一の成と幅を有するH形鋼からなるが、その端部は他の梁の端部に接合するように構成されており、柱10に接合する上部梁7の構成とは異なるものである。
基礎1には、上部建物4の1階の外壁に沿って立ち上がり部1aが形成されており、この立ち上がり部1aによって免震材2を外部に露出させることがないように構成されている。そして、基礎1の立ち上がり部1aの上端面1bに対向する部位に架台カバー5の下端面5aが配置される。
免震材2は、いわゆる滑り支承型であり、基礎1の上面に載置された受板2aと架台3側に固定された摺動子2bとの組み合わせによって構成され、柱10の直下に配置されており、地震時には摺動子2bが受板2a上を移動するように構成されている。このため、基礎1のうち外通りの柱10に位置する部分は受板2aを載置するために外通り(最も外側の柱の並ぶ通り)よりも外側に受板2aの形状に対応して平面的に突出している。
架台3は、梁3aを柱10の下端部に接合された架台梁接合部に接合して、上部建物の2階の上部鼻先梁12の配置に準じて配置されている。外通りの柱10からは2階の上部片持ち梁9よりも持ち出し寸法の小さな片持ち梁11が持ち出されており、この片持ち梁11の先端に、鼻先梁13が取り付けられている。
架台3を構成する梁3a、片持ち梁11、鼻先梁13は、上部建物4を構成する上部梁7、上部片持ち梁9、上部鼻先梁12と同一の成と幅、及び同一の端部接合部形状を有するものであり、梁3aの梁接合部は柱10の梁接合部と同一の外形寸法と同一のボルト孔形状及びボルト孔配置である。
上記持ち出し部分15の外周に対応する部位に配置された上部鼻先梁12には、上フランジ12aの上面側に外壁パネル17を支持すると共に外壁パネル17の下端部の厚さ方向の位置を規定する受け金具18が固定されると共に下面側に垂れ壁パネル19の厚さ方向の位置を規定する取付金物20aが固定され、下フランジ12bには垂れ壁パネル19の重量を支持すると共に垂れ壁パネル19下端の厚さ方向の位置を規定する支持金物20bが固定されている。
垂れ壁パネル19は、表面側からドリルスクリューを貫通させることで、取付金物20a、支持金物20bに固定されている。
垂れ壁パネル19は外壁パネル17と同じ材質で同じ厚さを有し、且つ表面にも同じ意匠が形成されている。従って、上部建物4では、持ち出し部分15における外壁パネル17と垂れ壁パネル19との間には意匠の連続性が確保されている。
架台3の外周部位に配置された鼻先梁13の上フランジ13aの上面には1階の外壁を構成する外壁パネル17を支持するための受け金具18が固定されると共に下面には前述の垂れ壁パネル取付用の取付金物20aが固定され、下フランジ13bには支持金物20bが固定されている。
上記の如く、鼻先梁13の上下のフランジ13a、13bには2階の持ち出し部分15を構成すると同様に取付金物20aと支持金物20bとが夫々固定されており、且つ鼻先梁13が成及び幅共に上部鼻先梁12と同一の寸法を有することから、取付金物20aと支持金物20bによって垂れ壁パネル19と同一の寸法を持った外壁用のパネルを取り付けドリルスクリュー等で固定することで架台3を覆う架台カバー5を構成することが可能である。
上記の如く構成された本実施例では、架台カバー5を構成する垂れ壁パネル19が1階の外壁パネル17と連続して配置されるため、外壁としての意匠の連続性が確保され、その下方には、基礎1の立ち上がり部1bが形成されることから、免震建物Aとしては、非免震建物と何らかわることのない外観を呈し、違和感のない意匠とすることが可能となる。
次に、第2実施例に係る架台カバーの構成について図2により説明する。尚、図において前述の実施例と同一の部分及び同一の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例は、基礎1に立ち上がり部を設けることなく、架台カバー5の下端面5aが免震材2の受板2aと対向して配置されて構成されたものである。即ち、基礎1の上面には複数の免震材2が配置されており、免震材2を構成する受板2aが基礎1の上面に固定され、摺動子2bが架台3に固定されている。
架台3の外周には、上部梁7と同じ成と幅を持った梁21が上部建物4の外通り上部梁と平面的に同一の位置に配置されており、該梁21の上フランジ21aの下面に取付金物20aが固定され、下フランジ21bに支持金物20bが固定されている。
梁21の下フランジ21bに固定された支持金物20bに垂れ壁パネル19の下端面が載置されることで該垂れ壁パネル19の重量が支持され、上フランジ21aに固定された取付金物20aに垂れ壁パネル19の裏面が接触することで位置決めされている。そして、前記状態で、夫々の金物20a、20bに対応する部位で、垂れ壁パネル19の表面側からドリルスクリューを貫通させることで、垂れ壁パネル19は取付金物20a、支持金物20bに固定されている。
上記の如くして垂れ壁パネル19を梁21の外側の面に取り付けることで、該垂れ壁19によって架台3を覆う架台カバー5を構成することが可能となる。
本実施例では、上部建物4の外壁を構成する外壁パネル17と架台カバー5を構成する垂れ壁パネル19とが同一の意匠を有することから、外壁としての意匠の連続性が確保されており、極めて高い意匠性を発揮することが可能である。
本発明に係る架台カバーは、上部建物の外壁と架台をカバーする部位が連続した同一意匠となり、免震建物の意匠性を向上させることが可能となり有利である。
第1実施例に係る架台カバーの構成を説明する図である。 第2実施例に係る架台カバーの構成を説明する図である。
A 免震建物
1 基礎
1a 立ち上がり部
1b 上端面
2 免震材、支承材
2a 受板
2b 摺動子
3 架台
3a 梁
4 上部建物
5 架台カバー
5a 下端面
7 上部梁
8 上部壁固定梁
9 上部片持ち梁
10 柱
11 片持ち梁
12 上部鼻先梁
12a 上フランジ
12b 下フランジ
13 鼻先梁
13a 上フランジ
13b 下フランジ
15 持ち出し部分
16 軒天
17 外壁パネル
18 受け金具
19 垂れ壁パネル
20 垂れ壁パネル取付用の金物
20a 取付金物
20b 支持金物
21 梁
21a 上フランジ
21b 下フランジ

Claims (2)

  1. 2階外壁パネルが1階外壁パネルよりも持ち出された持ち出し部分を有する鉄骨造の上部建物と下部構造との間に介在する鉄骨造の架台の外周部に、前記持ち出し部分の2階外壁パネルを支持する上部鼻先梁と同一の成と幅を有し前記1階外壁パネルを支持する鼻先梁を前記1階外壁パネル上端固定用の上部壁固定梁と平面的に一致させて配置すると共に、前記上部鼻先梁に取り付ける垂れ壁パネル取付用の金物と略同一形状の金物を前記鼻先梁に取り付け、前記金物に前記上部鼻先梁を覆う垂れ壁パネルと同一仕様のパネルを前記1階外壁パネルと連続面的に取り付けて構成されており、前記鼻先梁はH形鋼からなり、前記金物は、断面L字状で前記鼻先梁の上フランジ下面に取り付けられた取付金物と、断面クランク形状で前記鼻先梁の下フランジ下面に取り付けられた支持金物と、からなり、前記取付金物の垂下片が前記垂れ壁パネル裏面端に当接され、前記支持金物の垂下片が前記垂れ壁パネル裏面の端に当接されるとともに前記垂下片の下端から延びる水平片が前記垂れ壁パネル下端面を支持することで、前記垂れ壁パネルが取り付けられたことを特徴とする免震建物の架台カバー構造。
  2. 前記上部建物はラーメン構造で柱直下に摺動子と受板からなる免震材を配置しており、外周柱から持ち出された片持ち梁の先端に前記梁を取り付けて、前記免震材を構成する受板を水平面的に覆ったことを特徴とする請求項1に記載した免震建物の架台カバー構造。
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