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JP5592082B2 - 渦電流探傷システム - Google Patents
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JP5592082B2 - 渦電流探傷システム - Google Patents

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Description

本発明は、渦電流探傷システムに係り、特に、コイルの直進走査により広域を高速探傷するのに好適な渦電流探傷システムに関する。
渦電流探傷(以下ECTと記す)とは検査対象上でコイルに交流電圧を印加したときの、コイルのインピーダンス変化から欠陥を検出するという検査手法である。検査対象内に欠陥が無い場合には渦電流はコイルに添って流れるが、欠陥がある場合には欠陥を迂回して流れる。この渦電流の変化をコイルのインピーダンス変化として検出することで欠陥の有無を判断する。
従来、1回の直進走査でECTにより広範囲を探傷しようとする場合、複数のコイルを組み合わせるものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許第3181210号明細書 特開2003−28839号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の構成のセンサをコイルの軸方向に走査する場合、センサ中心下に不感帯が生じるという問題がある。これは、コイル中心下において、欠陥を迂回して検査対象内部へ流れる電流と、欠陥通過後に内部から表面へ流れる電流の合成値が0で近似されるため、感度が低下するものである。
本発明の目的は、コイル下の不感帯を解消できる渦電流探傷システムを提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、コイルを有する渦電流センサと、渦電流探傷装置とを有しコイル中心軸下の渦電流分布を非対称とすることで、前記コイルの中心軸下の不感帯を解消する渦電流探傷システムであって、前記渦電流センサは、不感帯を有した直方体の複数のコイルを備え、コイル軸方向と直交する投影面上でコイル下に存する一方の前記コイルの不感帯を、他方の前記コイルの有感帯と重複させることによりコイル中心軸下の渦電流分布を複数のコイルで構成される前記渦電流センサにおいて非対称とすることで、前記コイルの不感帯を解消し、前記複数のコイルの軸方向距離xが、B:磁束密度、μ:透磁率、n:コイルの巻き数、I:電流、r:コイル半径、L:コイル長さ、Bl(x):コイル中心からの距離xにおける大きな欠陥で生じる磁束密度変化、Bs(0):コイル中心における小さな欠陥で生じる磁束密度変化、N:整数の間で
B=μnI(√(r/(r+x−√(r/(r+x+L))
Bl(x)<Bs(0)/N
の関係を満たすものとする。
かかる構成により、コイル下の不感帯を解消できるものとなる。
)上記(1)において、好ましくは、前記渦電流センサを移動するセンサ移動用アクチュエータと、該センサ移動用アクチュエータを駆動するアクチュエータドライバと、アクチュエータ制御パソコンを備えるようにしたものである。
本発明によれば、コイル下の不感帯を解消できるものとなる。
本発明の第1の実施形態による渦電流探傷システムの全体構成図である。 本発明の第1の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサの構成図である。 本発明の第1の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサにおける磁束密度の軸方向距離xに対する依存性の説明図である。 本発明の第1の実施形態による渦電流探傷システムに用いるセンサ移動機構の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態による渦電流探傷システムの詳細構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態による渦電流探傷システムの探傷動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態による渦電流探傷システムの全体構成図である。 本発明の第2の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサの構成図である。 本発明の第2の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサ周辺の渦電流分布の説明図である。 本発明の第2の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサにおける検出感度のコイル1端の軸方向長さに対する依存性の説明図である。 本発明の第2の実施形態による渦電流探傷システムに用いるセンサ移動機構の構成を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態による渦電流探傷システムの詳細構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態による渦電流探傷システムの探傷動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサの構成図である。 本発明の第3の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサ周辺の渦電流分布の説明図である。 本発明の第3の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサの配置の説明図である。 本発明の第3の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサにおける検出感度の傾斜角依存性の説明図である。 本発明の第3の実施形態による渦電流探傷システムに用いるセンサ移動機構の構成を示す斜視図である。
以下、図1〜図6を用いて、本発明の第1の実施形態による渦電流探傷システムについて説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による渦電流探傷システムの全体構成について説明する。
本実施形態の渦電流探傷システムは、ECTセンサ1と、渦電流探傷(ECT)装置8と、パソコン9と、センサ移動機構12と、アクチュエータ13と、アクチュエータドライバ14から構成される。
ECTセンサ1は、複数のコイルから構成される。ECTセンサ1は、検査対象2の上に設置され、アクチュエータ13により、検査対象2の上を移動する。ECTセンサ1の構成については、図2を用いて後述する。
センサ移動機構12は、アクチュエータ13を含み、アクチュエータ13やECTセンサ1を検査対象2の上に設置する機構を有している。センサ移動機構12の構成については、図4を用いて後述する。アクチュエータ13は、アクチュエータドライバ14によって駆動される。パソコン9は、アクチュエータドライバ14に制御信号を送り、アクチュエータ13の移動方向や移動距離を制御する。
ECT装置8は、検査対象2上でECTセンサ1のコイルに交流電圧を印加するとともに、検査対象2内の欠陥による渦電流変化に伴うコイルのインピーダンス変化に基づいて欠陥を検出する。
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサ1の構成について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサの構成図である。図2(A)は上面図であり、図2(B)は正面図である。図3は、本発明の第1の実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサにおける磁束密度の軸方向距離xに対する依存性の説明図である。
図示の例では、ECTセンサ1は、3個のコイル5A,5B,5Cから構成されている。なお、図示の例では、ECTセンサ1が3個のコイルから構成されているものとしているが、実際には、3個以外の複数個で構成することも可能であるが、ここでは、説明の都合上3個としている。
図2(A)に示すように、各コイル5A,5B,5Cは、コイル軸方向AXの周囲に導線が巻回されて、コイルを構成している。各コイル5A,5B,5Cは、それぞれ、中央下の位置に不感帯US−A、US−B、US−Cを有している。
そこで、図2(A)に示すように、コイル軸方向と直交する投影面上で、コイル5Aの不感帯がコイル5Bの有感帯と重複するように配置したものである。この結果、コイル5Aの不感帯US−Aは、コイル5Bの有感帯により検出可能となる。コイル5Bの不感帯US−Bは、コイル5A,5Cの有感帯により検出可能となる。また、コイル5Cの不感帯US−Cは、コイル5Bの有感帯により検出可能となる。このように、本実施例では、コイル軸方向と直交する投影面上で、一方のコイルの不感帯が他方のコイルの有感帯と重複するように配置する。
以上のようなコイル配置とすることにより、個々のコイルの不感帯を解消することができる。
ところで、複数のコイルを組み合わせて探傷する場合、1つのコイルの磁束密度変化が他のコイルの出力を変動させる。このため、大きな欠陥と小さな欠陥が共存する場合、大きな欠陥で生じる信号が他のコイルの磁束密度を変化させ、小さな欠陥の信号が検出できない場合がある。
そこで、コイル間の干渉による感度低下を防止するため、本実施形態では、例えば、図2(A)に示すコイル5Aとコイル5Bのコイル軸方向AXの距離xを以下に説明する数式(1)、数式(2)を満たすようにように、所定距離以上離すようにしている。
これらのコイル間の軸方向距離xは、以下の式(1)と式(2)を用いて決定する。

B=μnI(√(r/(r+x)−√(r/(r+x+L)) …(1)

Bl(x)≦Bs(0)/N …(2)

ここで、B:磁束密度、μ:透磁率、n:コイルの巻き数、I:電流、r:コイル半径、L:コイル長さ、Bl(x):コイル中心からの距離xにある大きな欠陥で生じる磁束密度変化、Bs(0):コイル下にある小さな欠陥で生じる磁束密度変化、N:整数である。
例えば、大きな欠陥による磁束密度変化率が1%で、小さな欠陥での磁束密度変化が0.1%の場合、大きな欠陥を検出した際に生じる磁束密度変化が、他のコイルの磁束密度の0.01%以下となるようコイル軸方向間距離を設ければ、コイル間の干渉による感度低下が防止される。コイル幅3mm(ここでは、図2(A)に示す幅W1)、長さ2mm(ここでは、図2(A)に示す長さL1)とした場合、磁束密度の軸方向距離xの依存性は、図3に示すようになる。
図3において、Bs(0)=0.1、N=10を代入した場合に、式(2)を満たすBl(x)のxは7.6mm以上となる。コイル間のコイル軸方向間距離xを7.6mm以上とすることにより、小さな欠陥と大きな欠陥を同時に検出可能となる。
次に、図4のセンサ移動機構の構成を示す斜視図を用いて、センサ移動機構12の構成について説明する。
センサ移動機構12は、格納容器16に取り付けられた並進アクチュエータ13a1,13a2と、回転アクチュエータ13bを備えている。回転アクチュエータ13bには、ECTセンサ1が取り付けられている。並進アクチュエータ13a1は、並進アクチュエータ13a2と回転アクチュエータ13bを、図の左右方向に移動可能である。並進アクチュエータ13a2は、回転アクチュエータ13bを、図の上下方向に移動可能である。回転アクチュエータ13bは、その回転軸を中心に、ECTセンサ1を回転可能であり、例えば、並進アクチュエータ13a2の移動方向に対して、ECTセンサ1を所定の角度に傾斜させることができる。並進アクチュエータ13a1,13a2と、回転アクチュエータ13bとしては、超音波式アクチュエータやモータ等を用いる。
格納容器16の4隅は、固定機構17A,17B,17C,17Dが取り付けられている。固定機構17A,17B,17C,17Dは、吸盤、マグネット等により構成されている。固定機構17A,17B,17C,17Dを用いることにより、センサ移動機構12を検査対象上に固定することができる。これにより、ECTセンサ1の検査対象上における位置と角度を、任意に制御することが可能となる。
次に、図5のブロック図を用いて、本実施形態による渦電流探傷システムの詳細構成について説明する。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
パソコン9は、キーボード26と、CD、MO、DVD、ブルーレイディスク(BR)等の記録メディア27とからなる入力装置を備えている。また、パソコン9は、表示装置となるモニタ28を備えている。また、パソコン9は、I/Oポート25と、CPU21と、ハードディスクドライブ(HDD)22と、ランダムアクセスメモリ(RAM)23と、リードオンリーメモリ(ROM)24とを備えている。
ECT装置8は、I/Oポート31と、D/Aコンバータ30と、A/Dコンバータ29とを備えている。
次に、図6のフローチャートを用いて、本実施形態による渦電流探傷システムの探傷動作について説明する。
図6のステップ101は、検査対象情報入力ステップである。このステップにおいて、パソコン9のキーボード26、記録メディア27等の入力装置を用い、検査対象形状及び材質、使用温度や応力等の検査対象使用環境を入力する。
入力情報は、I/Oポート25を介してCPU21に伝達され、HDD22、RAM23等の記憶装置に記録される。
ステップ102は、センサ走査条件解析ステップである。このステップにおいて、ステップ101で入力した検査対象の形状、材質、使用環境に基づき、CPU21で検査対象内の応力分布を解析する。欠陥発生頻度が高いのは最大応力の垂直方向なので、その垂直方向とコイルの軸方向が平行となるようにECTセンサ1の走査方向を決定する。渦電流はコイルの軸方向と垂直に流れるので、最大応力の垂直方向とコイルの軸方向を平行とすると欠陥に対して垂直に渦電流が流れ、検出感度が最大となる。
ステップ103は、ECTセンサ設置ステップである。このステップにおいて、検査対象2の上に、ECTセンサ1を載置したセンサ移動機構12を設置し、ECTセンサ設置位置をパソコン9のキーボード26、記録メディア27等の入力装置を用い入力する。入力情報は、I/Oポート25を介してCPU21に伝達され、HDD22、RAM23等の記憶装置に記録される。
ステップ104は、ECT実施ステップである。このステップにおいて、ステップ102で解析したセンサ走査方向及びステップ103で入力したセンサ位置情報に基づき、CPU21でアクチュエータ移動方向及び移動量を決定し、I/Oポート25を介してアクチュエータドライバ14に移動信号を伝達し、アクチュエータ13を駆動してECTセンサ1を走査する。
センサ走査と同時にI/Oポート25、31を介してECT装置8に計測開始信号を伝達する。ECT装置8では、D/Aコンバータ30を介してECTセンサ1に交流電圧を印加するとともに、A/Dコンバータ31を介して測定信号を取得する。測定信号はI/Oポート31、25を介してパソコン9のCPU21に伝達され、I/Oポート25を介してモニタ28に表示される。また、HDD22、RAM23等の記憶装置に記憶させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、渦電流探傷システムにおいて、コイル下の不感帯を解消することができる。また、コイル間の干渉による感度低下を防止できる。
次に、図7〜図13を用いて、本発明の第2の実施形態による渦電流探傷システムの構成について説明する。
最初に、図7を用いて、本実施形態による渦電流探傷システムの全体構成について説明する。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態の渦電流探傷システムは、ECTセンサ1Aと、ECT装置8と、パソコン9と、センサ移動機構12Aと、エンコーダ15から構成される。
ECTセンサ1Aは、複数のコイルから構成される。ECTセンサ1Aは、検査対象2の上に設置され、センサ移動機構12Aにより、検査対象2の上を移動する。ECTセンサ1Aの構成については、図8を用いて後述する。
センサ移動機構12Aは、ECTセンサ1Aを検査対象2の上に設置する機構を有している。センサ移動機構12Aの構成については、図11を用いて後述する。エンコーダ15は、センサ移動機構12AによるECTセンサ1Aの移動量を検出して、検出量をパソコン9に出力する。
次に、図8〜図10を用いて、本実施形態による渦電流探傷システムに用いるECTセンサ1Aの構成について説明する。
図8はECTセンサの構成図、図9はECTセンサの渦電流分布の説明図、図10はECTセンサの検出感度のコイル1端の軸方向長さに対する依存性の説明図である。
図2に示した例では、複数個のセンサをセンサのコイル軸方向でずらして配置しているが、本実施形態では、後述のとおりコイル下の不感帯を解消しているため、図8(A)、図8(B)に示すように個々のコイルの有感帯を重複させることなく連続するように配置することが可能である。
図8(C)に示すように、本実施形態のECTセンサ1Aに用いるコイル5’は、コイル軸方向AXの周囲に導線を巻回して、コイルを構成している。コイル5’の下面が、検査対象に設置される設置面となる。このコイルは、底辺の長さをWaとし、上辺の長さをWbとする台形となっており、コイル5’の両端の軸方向長さを中心軸に対して非対称としている。
コイル5’の両端の軸方向長さを中心軸に対して非対称とすることで、図9に示すように非対称コイル5’の中心下に欠陥3が存在する場合、渦電流分布は対称性が崩れるため欠陥を迂回する渦電流i,i’の合成値(i+i’)が0とならないため、不感帯が解消される。
検出感度Sのコイル幅比依存性は、以下の式(3)で記述される。

S=(Wa−Wb)×Cw÷SL …(3)

ここで、Waは1端のコイル軸方向長さであり、Wbは他端のコイル軸方向長さであり、Cwは欠陥幅であり、SLはコイル径方向長さである。
ここで、必要な検出下限がDLの場合に、必要なコイル幅の関係は、以下の式(4)となる。

DL<(Wa−Wb)×Cw÷SL …(4)

図10は、SL=2mm、Wa=1mm、Wb=0.1〜1mm、Cw=0.5mmの場合の検出感度の長さWbに対する依存性を示している。必用検出下限DLが0.4の場合には長さWbを0.65mm以下とすることで、必要感度が得られる。
次に、図11のセンサ移動機構の斜視図を用いて、センサ移動機構12Aの構成について説明する。
センサ移動機構12Aは、格納容器16に摺動可能に保持されたセンサ固定ジグ19を備えている。センサ固定ジグ19には、ECTセンサ1Aが取り付けられている。
また、格納容器16には、回転可能なオスネジ20が保持されている。オスネジ20の一端には、ハンドル18が取り付けられ、他端にはエンコーダ15が取り付けられている。
一方、センサ固定ジグ19の内部にはメネジが形成されており、このメネジには、オスネジ20が係合している。従って、ハンドル18を回すことによりオスネジ20を回転させると、センサ固定ジグ19は図示の上下方向に移動する。それに伴って、ECTセンサ1Aも、図示の上下方向に移動する。これによって、センサの直線走査が可能となる。
格納容器16の4隅は、固定機構17A,17B,17C,17Dが取り付けられている。固定機構17A,17B,17C,17Dは、吸盤、マグネット等により構成されている。固定機構17A,17B,17C,17Dを用いることにより、センサ移動機構12Aを検査対象上に固定することができる。これにより、ECTセンサ1の移動方向と移動方向に対する角度を、制御することが可能となる。
次に、図12のブロック図を用いて、本実施形態による渦電流探傷システムの詳細構成について説明する。
パソコン9は、キーボード26、記録メディア27とからなる入力装置を備えている。また、パソコン9は、表示装置となるモニタ28を備えている。また、パソコン9は、I/Oポート25、CPU21、HDD22と、RAM23と、ROM24と、A/Dコンバータ29‘とを備えている。
ECT装置8は、I/Oポート31と、D/Aコンバータ30と、A/Dコンバータ29とを備えている。
次に、図13のフローチャートを用いて、本実施形態による渦電流探傷システムの探傷動作について説明する。
ステップ201は、検査対象形状入力ステップである。このステップにおいて、パソコン9のキーボード26、記録メディア27等の入力装置を用い、検査対象形状及び材質、既往の欠陥の発生情報を入力する。
入力情報は、I/Oポート25を介してCPU21に伝達され、HDD22、RAM23等の記憶装置に記録される。
ステップ202は、センサ走査条件解析ステップである。このステップにおいて、ステップ201で入力した既往の欠陥発生情報に基づき、最多頻度となる欠陥の発生方向をCPU21で統計評価し、ECTセンサ1Aの走査方向をセンサの軸方向と最多欠陥発生方向と平行となるように決定する。ここで解析したセンサ移動方向はHDD22、RAM23等の記憶装置に記録するとともに、I/Oポート25を介してモニタ28に表示する。渦電流はコイルの軸方向と垂直に流れるので、センサの軸方向と欠陥の発生方向が平行となるようにセンサを走査すると、欠陥に対して垂直に渦電流が流れて検出感度が最大となる。
ステップ203は、センサ走査機構設置ステップである。このステップにおいて、ECTセンサ1Aの軸方向がステップ202で評価した走査方向と平行となるようにECTセンサ移動機構12Aを設置し、ECTセンサの設置位置をパソコン9のキーボード26、記録メディア27等の入力装置を用いて入力する。入力情報は、I/Oポート25を介してCPU21に伝達され、HDD22、RAM23等の記憶装置に記録される。
ステップ204は、ECT実施ステップである。このステップにおいて、パソコン9のキーボード26から測定開始の信号を入力し、I/Oポート25を介してECT装置8に計測開始信号を伝達する。ECT装置8ではD/Aコンバータ30を介してECTセンサ1Aに交流電圧を印加するとともに、A/Dコンバータ29を介して測定信号を取得する。測定信号はI/Oポート25を介してパソコンのCPU21に伝達され、I/Oポート25を介してモニタ28に表示される。また、HDD22、RAM23等の記憶装置に記録される。
このECT実施ステップにおいて、ECTセンサの移動機構12Aのハンドル18を手動で回転させ、センサ1Aを走査する。センサの位置はエンコーダ15で計測してA/Dコンバータ29‘とI/Oポート25を介してCPU21に伝達し、ECT信号とともにHDD22、RAM23等の記憶装置に記憶させる。このECT信号の走査位置依存性は、I/Oポート25を介してモニタ28に表示する。
以上説明したように、本実施形態によれば、渦電流探傷システムにおいて、コイル下の不感帯を解消することができる。また、単一のコイルでもコイル下の全域を探傷可能なため、ECTシステムのコストを第1の実施形態と較べて低くすることが可能である。
さらに、図3で説明したように、複数のコイルの間の軸方向距離xを所定距離以上とすることで、コイル間の干渉による感度低下を防止できる。
次に、図14〜図17を用いて、本発明の第3の実施形態による渦電流探傷システムの構成について説明する。なお、本実施形態による渦電流探傷システムの全体構成は図7に示したもの、本実施形態による渦電流探傷システムの詳細構成は図12に示したものと同様である。
図14は渦電流探傷システムに用いるECTセンサの構成図、図15はECTセンサ周辺の渦電流分布の説明図、図16はECTセンサの配置の説明図、図17はECTセンサの検出感度の傾斜角依存性の説明図である。
図2に示した例では、複数個のセンサをセンサのコイル軸方向に直交する方向にずらして配置しているが、本実施形態では、後述のとおりコイル下の不感帯を解消しているため、図14(A)、図14(B)に示すようにコイルの有感帯を重複させること無く連続するよう、コイルを配置することが可能である。図14に示したコイル5は、コイル軸方向AXの周囲に導線を巻回して構成している。また、このコイルは左右対称な直方体とした。
このコイル5は、図15に示すように、欠陥3に対して所定の傾斜角度を有するように配置される。コイル5を欠陥3に対して傾斜して配置することで、渦電流分布の対称性が崩れる。すなわち、渦電流i1<−i1’,i2>−i2’となる。そのため、ため欠陥を迂回する渦電流i1,i1’,i2,i2’の合成値が0とならないため、不感帯が解消される。
検出感度Sのコイル中心軸と欠陥との角度θ(以下、「傾斜角」と称する)に対する依存性は、以下の式(5)〜(10c)で記述される。

S=A(i(x1)−i(x2))cosθ …(5)

i(x)=exp(−x) …(6)

x1=Cw÷(2cosθ)+Sw・tanθ÷2 …(7)

x2=Cw÷(2cosθ)−Sw・tanθ÷2(0<θ≦θ1)…(8a)

x2=−Cw÷(2cosθ)+Sw・tanθ÷2(θ1<θ≦θ2) …(8b)

θ1=sin−1(Cw÷Sw) …(9)

θ2=cos−1[(−b+√(b-4・a・c))÷2a] …(10)

a=1+(Sw÷SL) …(10a)

b=2・(Cw÷SL) …(10b)

c=(Cw÷SL)−(Sw÷SL) …(10c)

ここで、Aは係数をあらわす。図16(A)に示すように、x1はコイル軸方向中心線と一方の欠陥端との距離、x2はコイル軸方向中心線と他方の欠陥端との距離、Swは、コイル軸方向長さをあらわす。図16(B)に示すようにθ1はコイル軸方向中心線が欠陥端と重なる角度をあらわす。図16(C)に示すようにθ2はコイル角が欠陥端と重なる角度をあらわす。
必要な検出下限がDLの場合に、必要な傾斜角は、式(5)との大小関係から、以下の式(11)となる。

DL<A(i(x1)−i(x2))cosθ …(11)

図17は、SL=2mm、SW=1mm、Cw=0.5mmを式(5)〜(10c)にあてはめた場合の検出感度の傾斜角依存性を表している。必用検出下限DLが0.4の場合には傾斜角を24〜78°とすることで、必要感度が得られる。
次に、図18を用いて、本実施形態による渦電流探傷システムに用いるセンサ移動機構12Aの構成について説明する。
図18は、本発明の第3の実施形態による渦電流探傷システムに用いるセンサ移動機構の構成を示す斜視図である。
センサ移動機構12Aは、格納容器16に摺動可能に保持されたセンサ固定ジグ19を備えている。センサ固定ジグ19には、ECTセンサ1が取り付けられている。ECTセンサ1のセンサ固定ジグ19に対する取り付け角は、変えることができ、図14で示したように、欠陥に対して所定の角度θとなるように、取り付けることができる。
また、格納容器16には、回転可能なオスネジ20が保持されている。オスネジ20の一端には、ハンドル18が取り付けられ、他端にはエンコーダ15が取り付けられている。
一方、センサ固定ジグ19の内部にはメネジが形成されており、このメネジには、オスネジ20が係合している。従って、ハンドル18を回すことにより、オスネジ20が回転すると、センサ固定ジグ19は図示の上下方向に移動する。それに伴って、ECTセンサ1も、図示の上下方向に移動する。これによって、センサの直線走査が可能となる。
格納容器16の4隅は、固定機構17A,17B,17C,17Dが取り付けられている。固定機構17A,17B,17C,17Dは、吸盤、マグネット等により構成されている。固定機構17A,17B,17C,17Dを用いることにより、センサ移動機構12Aを検査対象上に固定することができる。これにより、ECTセンサ1の移動方向と移動方向に対する角度を、任意に変えることが可能となる。
本実施形態による渦電流探傷システムの詳細構成は、図12に示したものと同様である。また、本実施形態による渦電流探傷システムの探傷動作は、図13に示したものと同様である。
以上説明したように、本実施形態によれば、渦電流探傷システムにおいて、コイル下の不感帯を解消することができる。また、単一のコイルでもコイル下の全域を探傷可能なため、ECTシステムのコストが第1の実施形態と較べて低くすることが可能である。
さらに、図2にて説明したように、複数のコイルの間の軸方向距離xを所定距離以上とすることで、コイル間の干渉による感度低下を防止できる。
1,1A…ECTセンサ
2…検査対象
3…欠陥
5,5A、5B、5C、5’…コイル
8…ECT装置
9…パソコン
12,12A…ECTセンサ移動機構
13…アクチュエータ
13a1,13a2…並進アクチュエータ
13b…回転アクチュエータ
14…アクチュエータドライバ
15…エンコーダ
16…格納容器
17A,17B,17C,17D…固定機構
18…ハンドル
19…センサ固定ジグ
20…オスネジ
21…CPU
22…HDD
23…RAM
24…ROM
25,31…I/Oポート
26…キーボード
27…記録メディア読取装置
28…モニタ
29、29‘…A/Dコンバータ
30…D/Aコンバータ
US−A、US−B、US−C…不感帯

Claims (2)

  1. コイルを有する渦電流センサと、渦電流探傷装置とを有しコイル中心軸下の渦電流分布を非対称とすることで、前記コイルの中心軸下の不感帯を解消する渦電流探傷システムであって、
    前記渦電流センサは、不感帯を有した直方体の複数のコイルを備え、コイル軸方向と直交する投影面上でコイル下に存する一方の前記コイルの不感帯を、他方の前記コイルの有感帯と重複させることによりコイル中心軸下の渦電流分布を複数のコイルで構成される前記渦電流センサにおいて非対称とすることで、前記コイルの不感帯を解消し、
    前記複数のコイルの軸方向距離xが、B:磁束密度、μ:透磁率、n:コイルの巻き数、I:電流、r:コイル半径、L:コイル長さ、Bl(x):コイル中心からの距離xにおける大きな欠陥で生じる磁束密度変化、Bs(0):コイル中心における小さな欠陥で生じる磁束密度変化、N:整数の間に、
    B=μnI(√(r/(r+x−√(r/(r+x+L))
    Bl(x)<Bs(0)/N
    の関係を成立させたことを特徴とする渦電流探傷システム。
  2. 請求項1に記載の渦電流探傷システムにおいて、
    前記渦電流センサを移動するセンサ移動用アクチュエータと、該センサ移動用アクチュエータを駆動するアクチュエータドライバと、該アクチュエータ制御パソコンを備えることを特徴とする渦電流探傷システム。
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