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JP5595081B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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JP5595081B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来より、基体上に光導電層と表面層とが積層された構成の電子写真感光体を用いた画像形成装置が利用されている。かかる構成の電子写真感光体を有する画像形成装置においては、表面層と光導電層との界面における反射光と、表面からの反射光とが干渉する。この干渉の程度は、表面層および光導電層の、膜厚や屈折率に応じて変化する。この干渉のため、光導電層に実質的に入射する光の量が、表面層の膜厚等に応じて変化することが知られている。これら反射光の干渉に起因した、光導電層への入射光量の変動の程度は比較的大きく、表面層の微妙な厚さの変動が、光導電層での入射光量の比較的大きな変動へとつながる場合があった。
画像形成装置において、同一の画像を大量に、例えば数十万枚単位で出力する場合など、表面層が磨耗して、印刷開始の直後と印刷終了時点とで、表面層の膜厚が変化することがある。
この場合、上記干渉の程度が変化することで、印刷出力した画像の濃度ムラ等の品質が、印刷枚数が増加するに応じて、目に見えて変化してしまうことがある。また、表面層の磨耗量に面内分布が生じた場合、干渉による実質的な光の透過量に面内分布が生じ、印刷出力した一枚一枚の画像内でも、濃度ムラが生じることがあった。
例えば下記特許文献1には、電子写真感光体における上記干渉の影響を少なくすることを目的とした画像形成装置が開示されている。特許文献1には、表面層と光導電層との間に中間層を設け、この中間層の屈折率を、表面層から光導電層に近づくにしたがって段階的に増加させた感光体を精度よく作製し、これを用いて画像形成装置を構成する点が開示されている。
特開2010−37643号公報
近年、高画質化の要求にともない、出力画像における画像濃度分布も、従来以上に低く抑制されることが求められている。上記特許文献1記載の画像形成装置では、感光体の表面層の厚さの微小の変化に対する上記干渉光の変化の程度を、近年の高画質化の要求に見合うレベルにまで十分に抑制することができない場合がある。
また、上記特許文献1記載の構成では、感光体の中間層の厚さを、特許文献1に記載されているように例えば200nm以上と比較的厚くする必要がある。中間層の厚みが厚いほど、この中間層における光の吸収は大きくなり、光導電層に入射する光量が小さくなる。特許文献1に記載されているような従来の電子写真感光体では、入射光に対する画像形成(潜像形成)の感度が比較的小さいという課題もあった。
本発明は、かかる課題を解決することを目的になされてものである。
上記課題を解決するために、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に露光光を照射して、前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体にトナーを供給し、前記潜像に対応するトナー像を前記電子写真感光体に形成する現像器と、前記トナー像を転写材に転写させる転写部と、を備える画像形成装置であって、前記電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に形成された光導電層と、該光導電層上に形成された、前記光導電層よりも屈折率が小さい表面層と、前記光導電層と前記表面層との間隙に設けられた中間層と、を備え、前記露光光のピーク波長に対する、前記光導電層と前記中間層とで構成された積層体の仮想屈折率が、前記露光光のピーク波長に対する前記表面層の屈折率と略一致することを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明の画像形成装置の一実施形態に備えられる電子写真感光体の構成を示す図である。 図1に示す電子写真感光体について説明する図であり、(a)は概略断面図、(b)は表面層近傍での屈折率の分布を示す図である。 仮想屈折率について説明するためのモデル図であり、(a)〜(c)はそれぞれ異なる層構造を有する感光体の断面モデル図である。 図1に示す感光体における露光光の経路を模式的に表した断面図である。 炭素原子(C)含有のアモルファスシリコン層について、層中のC原子濃度(原子数比)に対する、屈折率の値の変化を示すグラフである。 本発明の画像形成装置に用いることができる電子写真感光体の他の実施形態について説明する図であり、(a)は概略断面図、(b)は表面層近傍での屈折率の分布を示す図である。 図1に示す感光体を備えて構成される画像形成装置の断面模式図である。 図1に示す感光体を含む現像装置の部分拡大図である。 図7に示す画像形成装置に搭載のLEDヘッドを説明する断面図である。 図7に示す画像形成装置に搭載の電子写真感光体の概略断面図である。
以下、本発明の画像形成装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体の一実施形態である、電子写真感光体1(感光体1)の構成を示す図である。また、図2は、図1に示す電子写真感光体について説明する図であり、(a)は概略断面図、(b)は表面層近傍での屈折率の分布を示す図である。
感光体1は、導電性基体10と、導電性基体10上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む光導電層14と、当該光導電層14上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む中間層16と、当該中間層16上に形成されたアモルファスシリコン系材料を含む表面層18と、を備えている。
電子写真感光体1では、表面層18の屈折率の大きさn1は例えば約2.0、光導電層14の屈折率n2の大きさは例えば約4.2であり、光導電層14の屈折率に比べて、表面層18の屈折率は小さくされている。電子写真感光体において、表面層18の膜厚は、例えば約600nm、光導電層14の膜厚は、例えば約20000nmとされている。
本実施形態の電子写真感光体1では、中間層16が、表面層18よりも大きい屈折率を有する第1領域E1と、この第1領域E1よりも光導電層14の側に位置する、第1領域E1よりも屈折率の小さい第2領域E2と、を備えている。
本実施形態では、中間層16は、各々略一定の屈折率を有する第1部分中間層16e1および16e2が、積層されて構成されている。電子写真感光体1では、第1部分中間層16e1の屈折率ne1が例えば約4.0、第2部分中間層16e2の屈折率ne2が例えば約2.0とされている。また、かかる中間層16は、第1部分中間層16e1の膜厚が14nm、第2部分中間層16e2の膜厚が27nm、中間層16全体で、例えば膜厚が約41nmと比較的薄く構成されている。
感光体1では、かかる比較的薄い中間層16によって、画像形成装置によって形成した画像における画像濃度の面内分布を比較的小さくすることができる。また、画像形成装置によって、多くの画像を連続して出力した場合であっても、形成した画像の濃度の変動が小さい。また、入射光に対する感度が比較的高く、比較的高い速度で画像を形成した場合でも、高精細な画像を形成することができる。
具体的に、感光体1においては、光導電層14、中間層16(第1部分中間層16e1、第2部分中間層16e2各々)は、仮想屈折率Ngの値が、表面層18の屈折率の大きさn1と略一致するよう、各層の膜厚および屈折率が設定されている。なお、略一致とは、仮想屈折率Ngと表面層18の屈折率n1との差(Ng−n1)の大きさが、表面層18の屈折率n1の10%以下、より好ましくは5%以下の範囲をいう。
ここで、仮想屈折率Ngとは、積層された複数の層を1つの層とみなした場合の、総合的な屈折率の大きさを表す値である。仮想屈折率について、図3(a)を参照して説明しておく。図3(a)に示す、La層の表面にLb層が積層された2層構造の積層体L(α)について、Lb層の表面から波長λの光が入射するモデルを考える。2つの層からなるこのL(α)の仮想屈折率Ng(α)=ng(α)−ikg(α)は、Laの複素屈折率Na=na−ika、Lbの複素屈折率Nb==nb−ikbとすると、以下の式(1)で表されることが知られている。
また、図3(b)に示す上記L(α)上に、第3の層Lcを積層した場合の、L(α)とLcとの積層体L(β)の仮想屈折率Ng(β)=ng(β)−ikg(β)は、上記
式(1)におけるLaの屈折率NaをNg(α)に置き換え、上記式(1)におけるLbの屈折率Nbを、Lcの複素屈折率Nc==nc−ikcに置き換えた、下記式(2)を用いて算出することができる。
図3(c)のように、この積層体L(β)の表層に、積層体L(β)と同じ屈折率N
(β)を有する層Ldを積層した構造体L(γ)を考えた場合、積層体L(β)と層Ldとの屈折率差が無くなる。このモデルでは、この積層体L(β)と層Ldとの界面(層LcとLdとの界面)において屈折率差がなくなり、層Ldの表面から波長λの波長が入射した際の、この界面における屈折率差に起因する反射・屈折は生じないことになる。
例えば感光体1では、層Ldを表面層18、層Lcを第1部分中間層16e1、層Lbを第2部分中間層16e2、層Laを光導電層14とみなした場合、潜像形成のための露光波長λに対し、第1部分中間層16e1と第2部分中間層16e2と光導電層14となからなる積層体(積層体L(β)に対応)と表面層18との界面における屈折率差がなくなるよう、第1部分中間層16e1および第2部分中間層16e2における屈折率が調整されている。
感光体1では、以上のような仮想屈折率の条件を満たしつつ、上述したように、中間層16が、表面層18よりも大きい屈折率を有する第1領域E1と、この第1領域E1よりも光導電層14の側に位置する、第1領域E1よりも屈折率の小さい第2領域E2と、を備えている。
感光体1における、かかる中間層16の構成がもたらす作用については、以下のように考えることができる。図4は、感光体1における露光光の経路を模式的に表した図である。画像形成処理において、感光体1には表面層18の表層から露光光が入射する。この露光光は、そのまま反射せずに中間層16を透過して光導電層14に到達する成分もあるが、一部の露光光は、表面層18の表面で反射して反射光成分R1となる。同様に、露光光の一部は、表面層18と中間層16との界面で反射して反射光成分R2となる。この反射光成分R1とR2の位相が、λ/2(λは露光光の波長)だけずれていれば、反射光R1とR2とが打ち消し合い、反射光は非常に小さくなる(理論的には反射がゼロになる)。例えば、使用する初期状態においては、このR1とR2との経路差がλ/2となるよう、表面層18と第1部分中間層16e1との屈折率や、表面層18の膜厚が設定されている。
例えば画像形成処理をくり返した場合、表面層18が磨耗して、表面層18の膜厚が変化する。この場合、上記R1とR2との位相差が設定量(すなわちλ/2)からずれ、R1とR2の干渉による反射光成分の低減効果が薄れてくる。初期状態において表面層18の膜厚に分布が生じていた場合も、感光体の表面で、この反射光の干渉の程度に分布が生じてしまう。
感光体1では、中間層16に、表面層18よりも大きい屈折率を有する第1領域E1(第1部分中間層16e1)と、この第1領域E1よりも光導電層14の側に位置する、第1領域E1よりも屈折率の小さい第2領域E2(第2部分中間層16e2)と、を備えている。
このため、R1とR2との干渉によって減ぜられなかった露光光の成分の一部は、第1部分中間層16e1と第2部分中間層16e2との界面において反射して反射光R3となり、第2部分中間層16e2と光導電層14との界面において反射して反射光R4となる。さらには、各反射光が、各層の界面で更に反射を繰り返す(図中のR2´、R3´、R4´等)。感光体1では、R1とR3との干渉に加え、R2とR3との干渉、およびR3とR4との干渉、および複数の再反射光の干渉など、複数の反射光の組み合わせの数だけの干渉が生じる。
感光体1では、中間層16に、表面層18よりも大きい屈折率を有する第1領域E1(第1部分中間層16e1)と、この第1領域E1よりも光導電層14の側に位置する、第
1領域E1よりも屈折率の小さい第2領域E2(第2部分中間層16e2)とを備え、反射光R3やR4および各再反射光など、複数の反射が生じ易い構成とされている。また、第1部分中間層16e1の屈折率が比較的大きいので、この第1部分中間層16e1における実効的な光路長が比較的長くされており、中間層16の膜厚が比較的薄い場合でも、中間層16内を進む各反射光の経路差が、それぞれの干渉に寄与する程度まで大きくされている。
感光体1では、上記R1とR2との干渉以外の、中間層16内部を進む各反射光同士の干渉の程度が比較的大きくされており、例えば表面層18の膜厚が変動(減少)した場合でも、中間層16内での各反射光の干渉によって、表面層18から出射していく反射光成分を十分に低減することができる。また、中間層16が比較的薄く構成されており、中間層16における光損失も抑制することができる。感光体1では、光導電層14に入射する光の成分(露光エネルギー)の割合を比較的高く維持することが可能となっている。
以下、図1〜3に示す感光体1の構成について、より詳細に説明しておく。
導電性基体10の構成材料としては特に制限されるものではないが、Al、SUS、Zn、Cu、Fe、Ti、Ni、Cr、Ta、Sn、Au、Ag等の金属材料や、それらの合金材料から構成することが好ましい。また、樹脂やガラス・セラミック等の電気絶縁体の表面に、上述した金属やITOやSnO2などの透明導電性材料を蒸着して、導電処理した材料も用いることができる。Al合金を用いると、低コストとなり、しかも、軽量化でき、その上、後述する光導電層や電荷注入阻止層との密着性が高くなって信頼性が向上するという点で好適である。
電荷注入阻止層12は、導電性基体10と、第1の層14との間に設けられている。この電荷注入阻止層12については、必ずしも備えている必要はないが、導電性基体10からの電荷の注入を阻止するために設けることが好ましい。電荷注入阻止層12によって、所定方向の電荷の流れを制御し、ひいては、表面層18における電子の横流れ等をさらに厳密に制御して、解像度にさらに優れた電子写真感光体1とすることができる。
電荷注入阻止層は、上述のようにアモルファスシリコン(a−Si)などのアモルファスシリコン系材料(以下、a−Si系材料と称する場合がある)により形成されるが、特にアモルファスシリコンに、C、N、O等を加えた合金のアモルファスシリコン系材料を用いるのが好ましい。
C、N、O等を加えた合金のアモルファスシリコン系材料を用いれば、高い光導電性特性、高速応答性、繰り返し安定性、耐熱性、耐久性などに優れた電子写真特性が安定して得られ、さらにアモルファスシリコン系材料により形成される表面層との整合性に優れたものとなる。
ここで、a−Siに、C、N、O等を加えた合金のa−Si系材料としては、a−SiC、a−SiN、a−SiO、a−SiGe、a−SiCN、a−SiNO、a−SiCO及びa−SiCNOなどを挙げることができる。
これらのa−Si系材料による電荷注入阻止層は、たとえば、グロー放電分解法、各種スパッタリング法、各種蒸着法、ECR法、光CVD法、触媒CVD法、及び反応性蒸着法などにより成膜形成し、その成膜形成に当たってダングリングボンド終端用に水素(H)やハロゲン元素(FやCl)を、膜全体を100原子%としたときに、1〜40原子%の範囲で含有させることにより形成することができる。
また、電荷注入阻止層の成膜にあたっては、各層の暗導電率や光導電率などの電気的特性及び光学的バンドギャップなどについて所望の特性を得るために、周期律表第13族元素(以下、「第13族元素」と略す)や周期律表第15族元素(以下、「第15族元素」と略す)を含有させたり、C、N、Oなどの元素の含有量を調整したりして、上述した諸特性を調整することもできる。
なお、第13族元素及び第15族元素としては、共有結合性に優れて半導体特性を敏感に変え得る点、及び優れた光感度が得られるという点でホウ素(B)及びリン(P)を用いるのが望ましい。
第13族元素及び第15族元素をC、O等の元素とともに含有させる場合には、第13族元素の含有量は0.1〜20000ppm、第15族元素の含有量は0.1〜10000 ppmであるのが好ましい。
また、C、O等の元素を含有させないか、または微量含有させる場合は、第13族元素の含有量は0.01〜200ppm、第15族元素の含有量は0.01〜100ppmの範囲であることが好ましい。
さらに、これらの元素は、層厚方向にわたって勾配を設けてもよく、その場合には層全体の平均含有量が上記範囲内であればよい。
以上述べたa−Si系材料について、電荷注入阻止層は、第13族元素や第15族元素を含有させて導電性を調整したり、光導電層よりも多くのC、N、Oを含有させて高抵抗化させるとよい。
電荷注入阻止層の膜厚を0.5〜12μmの範囲内の値とすることが好ましい。電荷注入阻止層の膜厚を0.5〜12μmの値とすると、導電性基体に対する電荷注入阻止効果が比較的高く、比較的容易に、均一な厚さに形成することができる。電荷注入阻止層の膜厚は1〜12μmの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜7μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
光導電層(第1の層)14は、少なくともSiを含むアモルファスシリコン系材料を主成分とし、光導電性材料から構成されている。したがって、アモルファスシリコン系材料以外に、例えば、水素原子及びハロゲン原子からなる群から少なくとも1つ選択された元素を含有することが好ましい。すなわち、このような原子を添加することにより、光導電層における電荷移動度を、所定範囲に正確に制御することができるためである。
また、前述の電荷注入阻止層同様、必要に応じてa−Siに、C、N、O等を加えた合金のa−Si系材料を用いたり、13族元素や15族元素を含有させて導電性や光導電率などの電気的特性及び光学的バンドギャップなどを調整することもできる。
さらに、光導電層については、a−Si系材料に微結晶シリコン(μc−Si)を含んでいてもよく、このμc−Siを含ませた場合には、暗導電率・光導電率を高めることができるので、光導電層の設計自由度が増すといった利点がある。このようなμc−Siは、先に説明した成膜方法を採用し、その成膜条件を変えることにより形成することができる。
たとえば、グロー放電分解法では、導電性基体の温度及び高周波電力を高めに設定し、希釈ガスとしての水素流量を増すことによって形成できる。また、μc−Siを含む光導電層においても、先に説明したのと同様な不純物元素を添加してもよい。
光導電層の膜厚は1〜100μmの範囲内の値とすることが好ましい。光導電層の膜厚を1〜100μmの範囲内の値とすると、光導電性を維持し、比較的均一な厚さに形成したりすることができる。光導電層の膜厚を1〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましく、8〜20μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
中間層16は、アモルファスシリコン系材料と、炭素原子と、水素原子とを含有したa−SiC:Hを含むことが好ましい。このような中間層とすることにより、後述する表面層との相乗効果によって、解像度に優れるとともに、ヒータレスシステムを採用した場合であっても、像流れが少ないa−Si感光体を得ることができるためである。
中間層16の屈折率は、例えばシリコン原子の含有量、炭素原子の含有量、成膜状態(中間層における各原子の結合状態等)等によって変化する。例えば、中間層の形成時の、シリコン原子供給用ガスと、炭素原子供給用ガスとの混合比、反応容器(成膜チャンバー内のガス圧、放電電力ならびに基体の温度等を調整することで、中間層16における屈折率の分布を制御することができる。
例えば図5は、炭素原子(C)含有のアモルファスシリコン層について、層中のC原子濃度(原子数比)に対する、屈折率の値の変化をプロットした図である。図5に示すグラフは、CVD法で作製されたアモルファスシリコン層について示している。かかるアモルファスシリコン層では、層中のC原子濃度が大きくなるにしたがい、屈折率が低下している。この条件で、表面層および中間層を形成した場合、第1部分中間層16e1に比べて表面層18のC原子濃度がよりも小さく、第1部分中間層16e1に比べて第2部分中間層16e2のC原子濃度がより大きくなっている。
感光層における各層の屈折率は、表面層から順にエッチングし、各層の表面から公知の屈折率測定装置を用いて測定してもよい。また、公知の屈折率測定装置を用い、各層から取り出したバルク状態のサンプル試料を測定することもできる。また、感光体を切断し、例えばXPSを用いてこの断面を各層毎に成分分析し、この分析結果と図5に示すような公知の関係に基いて同定することもできる。
中間層の膜厚は、中間層における露光光の損失を低減する観点からは、なるべく小さい方が好ましく、例えば100nm以下とすることが好ましく、さらに好ましくは65nm以下であることが好ましい。
中間層は、アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)以外に、種々の材料を用いることができる。例えば、a−Si系材料として、アモルファスシリコンナイトライド(a−SiN)、アモルファスシリコンオキサイド(a−SiO)、アモルファスシリコンオキシカーバイド(a−SiCO)、アモルファスシリコンオキシナイトライド(a−SiNO)などの高抵抗材料を用いてもよい。a−SiN膜、a−SiO膜、a−SiCo膜、a−SiNO膜等の膜を用いた場合でも、各層における材料の組成比等を調整することで、中間層における屈折率の大きさや分布を制御することができる。かかる組成比の分布等は、各層の成膜時におけう原料比率(ガス圧の比率など)を調整することで、比較的容易に制御することができる。
これらは、a−Siと同様の薄膜形成手段により成膜し、その成膜形成に当たっては、ダングリングボンド終端用、もしくは硬度あるいは抵抗値調整用として水素やハロゲン(F、Cl)を、膜中にシリコン原子と炭素原子の総数に対して、1〜160原子%含有させるとよい。
表面層18は、膜厚を100nm以上、1.0μm未満とすることが好ましい。表面層18の膜厚を100nm以上、1.0μm未満とすることで、感度の低下や残留電位の発生を抑制し、濃度低下やカブリなどの印字品質を高く維持することができる。また、長期にわたって感光体を使用した場合であっても、所定の画像品質を維持するために、表面層の膜厚としては1.0μm未満とすることが好ましい。
表面層18は、中間層と同様、アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)以外に、種々の材料を用いて形成することができる。例えば、a−Si系材料として、アモルファスシリコンナイトライド(a−SiN)、アモルファスシリコンオキサイド(a−SiO)、アモルファスシリコンオキシカーバイド(a−SiCO)、アモルファスシリコンオキシナイトライド(a−SiNO)などの高抵抗材料を用いてもよい。
これらは、a−Siと同様の薄膜形成手段により成膜し、その成膜に当たっては、ダングリングボンド終端用、もしくは硬度あるいは抵抗値調整用として水素やハロゲン(F、Cl)を膜中に1〜160原子%含有させるとよい。
この理由は、表面層に、このような他の元素を含むことにより、表面層における表面硬度(kgf/mm2)や、移動度の値の制御がさらに容易にできる場合があるためである
また、図6は、本発明の画像形成装置に用いられる感光体の他の実施形態である、感光体1´について説明する図であり、(a)は概略断面図、(b)は表面層近傍での屈折率の分布を示す図である。図6(a)では、図2と同様の構成要素については、図2と同じ符号を用いて示している。
図6に示す実施形態も、図2に示す実施形態と同様、中間層16が、表面層18よりも大きい屈折率を有する第1領域E1と、この第1領域E1よりも光導電層14の側に位置する、第1領域E1よりも屈折率の小さい第2領域E2と、を備えている。図6に示す実施形態では、第1領域E1において、表面層18から光導電層14に近づくにしたがって、中間層16の屈折率が漸増している。一方、第2領域では、表面層18から光導電層14に近づくにしたがって、中間層16の屈折率が漸減している。
図6に示す実施形態においても、中間層16内の反射光の経路を比較的長くし、反射光の干渉の程度を比較的大きくすることができる。図6に示す実施形態においても、例えば表面層18の膜厚が変動(減少)した場合でも、中間層16内での各反射光の干渉によって、表面層18から出射していく反射光成分を十分に低減することができる。また、中間層16が比較的薄く構成されており、中間層16における光損失も抑制することができる。図6に示す感光体1´では、光導電層14に入射する光の成分(露光エネルギー)の割合を比較的高く維持することが可能となっている。
図6に示す感光体1´も、図1〜3に示す感光体1と同様の構成を備えて構成することができる。なお、図6に示す感光体1´の中間層16においても、成膜時のガス流量条件を時系列に変化させたり、または、成膜時の印加電圧を時系列に変化させるなど、成膜時の条件を変動させることで、所望の屈折率分布を形成すればよい。上述の電子写真感光体1および感光体1´は、一例であるが、真空堆積膜形成法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件を設定しながら、製造することができる。
このような真空堆積膜形成方法としては、具体的には、グロー放電法(低周波プラズマCVD)、高周波プラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法などの交流放電プラズマCVD法が採用される。また、直流放電プラズマCVD法、DCパルスプラズマCVD
法、ECRプラズマCVD法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD法、触媒CVD(HOTワイヤーCVD)法等を用いてもよい。
なお、真空堆積膜形成方法を実施するに際して、原料ガスを分解して生成される活性種(A)と、この活性種(A)と化学的相互作用をする成膜用の化学物質より生成される活性種(B)とを、別々に堆積膜を形成するための成膜空間内に導入し、これらを化学反応させることによって形成する方法(以後「HRCVD法」と略記する。)を採用してもよい。あるいは、原料ガスと、該原料ガスに酸化作用をする性質を有するハロゲン系酸化ガス(例えばF2、Cl2など)を別々に成膜区間内に導入し、これらを化学反応させることによって別々に堆積膜を形成する方法(以後「FOCVD法」と略記する)も適宜選択される。
これらの真空堆積膜形成方法は、製造条件、製造規模、第1の層(光導電層)の所望特性などの要因によって、適宜選択されて採用される。但し、製造条件の制御が比較的容易に得ることからして、グロー放電法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、HRCVD法、FOCVD法が好適である。
図7及び図8は、感光体1を備えて構成される画像形成装置100の模式図及び電子写真感光体121を含む現像装置120の部分拡大図を示す。また、図9に、光源としてのLEDヘッドを説明するための図を示す。
まず、図7及び図8において示すように、画像形成装置100は、現像装置120、電子写真感光体121、現像ローラ122、転写ローラ123、クリーナー125、126、帯電器127、現像器128、光源(LED)130、転写材搬送手段112、定着手段113を基本的に備えている。
また、図7において示すように、光源130としてのLEDヘッドは、ロッドレンズアレイ131、LEDアレイ132、ドライバIC133、回路基板134等を備えている。光源130から出射される露光光の波長については特に限定されず、例えば685nmをピーク波長とする露光光を用いればよい。露光光の波長については特に限定されず、露光光のピーク波長に応じて、中間層の層構成や屈折率を適宜調整すればよい。
なお、かかる画像形成装置100は、4色に対応した現像装置120a、120b、120c、120dを備えており、タンデム式カラープリンタの例である。
かかる画像形成装置100(タンデム式カラープリンタ)の基本的動作、すなわち、画像形成方法を具体的に説明しておく。まず、図7及び図8に示す電子写真感光体121を矢印方向に回転させ、この電子写真感光体121の表面上に、主帯電器127によって均一なコロナ帯電を行い、これに光源130により発した光を、図示しない原稿に照射する。
次いで、図7に示すように、その反射光をミラー系、レンズ系、フィルター等を介して、電子写真感光体121の表面上に導き、それが投影されて静電潜像が形成される。
したがって、この静電潜像に対して、現像器120におけるトナーコンテナ111からトナー125が供給されてトナー像を形成することができる。
一方、転写材通路およびレジストローラーよりなる転写材搬送手段112を通って、電子写真感光体121に供給される紙やプラスチックなどの転写材は、転写・分離帯電器を備えた転写ローラ123と、電子写真感光体121の間隙において、背面からトナーとは反対極性の電界を与えられ、これによって、電子写真感光体121の表面のトナー像は、
転写材に転移するとともに、電子写真感光体121側から分離される。
次いで、分離された転写材は、定着装置113に至って、トナー像が定着されるとともに、転写材は装置外に排出される。
なお、転写部位において、転写に寄与せず電子写真感光体121の表面に残る残留トナーについては、クリーナー125、126に至り、そこに備えられたクリーニングブレード等によってクリーニングされる。
こうして、上記クリーニングにより更新された電子写真感光体121は、更に除電光源(図示せず)から除電露光を与えられた後、再び同様のサイクルに供せられることになる。
画像形成装置100では、電子写真感光体121の表面に、転写ローラ123によって紙やプラスチックなどの転写材が押し付けられながら摺動する。また、残留トナー等を除去するためのクリーニングブレードが、電子写真感光体121表面に押し付けられた状態で摺動する。一般的に、転写材の押圧力や、クリーニングブレードの押圧力は、電子写真感光体121の表面のうち、電子写真感光体121の軸方向に沿った中央部分において比較的強くなる。電子写真感光体121では、図10に示す断面図のように、表面層18の膜厚は、電子写真感光体121の軸方向に沿った中央部分において、最も厚くなるように分布している。画像形成装置100では、表面層18がこのような膜厚分布を有するので、最も膜厚が現象し易い中央部分の膜厚現象が選択的に進行しても、比較的長い期間にわたって、表面層18の膜厚を使用可能な大きさに保つことができる。
本実施形態の電子写真感光体121は、表面層18に膜厚分布がある場合でも、形成した画像における画像濃度の面内分布は、比較的小さく抑えることができる。電子写真感光体121の表面層18の膜厚に分布を設けておくことで、耐久性が比較的高く、形成した画像における画像濃度分布が比較的小さい画像形成装置を得ることができる。
実験例
以下、本発明の画像形成装置を用いて行った実験例について、記載しておく。
導電性基体としてアルミニウム合金からなる外径84mm、長さ360mm、厚さ2.0mmの外周面を鏡面加工して洗浄したものを用意した。
これをグロー放電分解装置にセットして、基体に33KHzの矩形波パルス電圧を印加し、下記表1に示す成膜条件により電荷注入阻止層、光導電層、中間層及び表面層を順次積層した、複数のサンプル(実験例1、2、比較例1〜4)を準備した。各サンプルは、中間層の層構成がそれぞれ相違している。各サンプルの中間層の構成、および成膜条件は、以下の表2、3に示すとおりである。なお、比較例1は中間層を形成していないサンプルである。各サンプルとも、光導電層の屈折率が4.2かつ膜厚が20μmであり、表面層の屈折率が2で膜厚が0.6μmとした。
実験例1は、図2に示す本願実施形態に対応するサンプルであり、実験例2は本願図6に示す実施形態に対応している。
〔評価試験〕
作製した感光体のサンプルを図8に示す構成を有する電子写真感光体に組み込み、以下の評価試験を行った。露光光のピーク波長が685nmとした。
初期状態における、反射率、吸収率、中間感度を測定した。また、初期状態から表面層をエッチング除去していく過程における、感度変動を測定した。
中間感度とは、初期状態(表2、3に示す膜厚の状態)において感光体を帯電器で、600Vに帯電させた後、波長685nmの光を照射して帯電電圧が、初期値の1/2(=300V)になる露光量(μJ/cm)(半減露光量)をいう。
また、感度変動とは、表面層を200nm毎にエッチングしていく毎に中間感度を測定していったときの、中間感度の測定値の最大値と最小値との差の大きさをいう。表面層をエッチングで削っていくと、表面層の吸収の影響が少なくなり、中間感度は、小さくなっていく。しかしながら、この変化率は、エッチング時間(=表面層膜厚)に単純に比例するわけではなく、ある膜厚周期で中間感度が増減する。感度変動の大きさは、感光体の感度に対する、表面層膜厚の寄与度の大きさを示しているといえる。すなわち、感度変動が小さいサンプルでは、表面層の膜厚分布に対する感度分布は小さく、感度変動が大きいサンプルでは、表面層の膜厚分布に対する感度分布が大きいといえる。
なお、エッチングは、真空層内に感光体を配置して、Arプラズマでエッチングすることにより、磨耗による減少評価の代替とした。ガス圧は、60Paで、電圧−500Vのパルス放電を印加した。エッチング量は、エッチング時間で調整した。
評価結果を下記表4に示す。
表4から分かるように。
実験例1、2は、反射率が比較的低く抑えられ、かつ、中間層+表面層での吸収率が低く抑制されている。一方比較例1〜4では、中間層+表面層での吸収が低く抑えられている場合でも、反射率が全体的に高くなっており、光導電層に到達する露光光のエネルギーは小さくなっている。
また、実験例1、2では、中間感度が比較的小さく、光導電層に入射する光量が比較的大きくなっている。加えて、感度変動の大きさも比較的小さく、表面層の膜厚変動に対する表面層部分での干渉の影響も小さくなっている。
以上、本発明について、実施形態を参照して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、発明の範囲において種々変更してもよい。
10 導電性基体
14 光導電層
16 中間層
18 表面層
16e1 第1部分中間層
16e2 第2部分中間層
100 画像形成装置
112 転写材搬送手段
113 定着手段
120 現像装置
121 電子写真感光体
122 現像ローラ
123 転写ローラ
125、126 クリーナー
127 帯電器
128 現像器
130 光源(LED)
131 ロッドレンズアレイ
132 LEDアレイ
133 ドライバIC
134 回路基板

Claims (7)

  1. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体に露光光を照射して、前記電子写真感光体の表面に潜像を形成する露光手段と、
    前記電子写真感光体にトナーを供給し、前記潜像に対応するトナー像を前記電子写真感光体に形成する現像器と、
    前記トナー像を転写材に転写させる転写部と、を備える画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体は、
    導電性基体と、
    前記導電性基体上に形成された光導電層と、
    該光導電層上に形成された、前記光導電層よりも屈折率が小さい表面層と、
    前記光導電層と前記表面層との間隙に設けられた中間層と、を備え、
    前記露光光のピーク波長に対する、前記光導電層と前記中間層とで構成された積層体の仮想屈折率が、前記露光光のピーク波長に対する前記表面層の屈折率と略一致し、
    前記中間層は、前記表面層よりも大きい屈折率を有する第1領域と、前記第1領域よりも前記光導電層側に位置する、前記第1領域よりも屈折率の小さい第2領域と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記中間層の少なくとも一部は、各々略一定の屈折率を有する部分中間層が積層されて構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記第1領域では、前記表面層から前記光導電層に近づくにしたがって、前記中間層の前記屈折率が漸増していることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記第2領域では、前記表面層から前記光導電層に近づくにしたがって、前記中間層の前記屈折率が漸減していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記中間層の膜厚が65nm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記表面層の膜厚が、前記電子写真感光体の中心軸に沿って変動していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記表面層の膜厚が、前記電子写真感光体の中心軸に沿った中央部分で最も大きいことを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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