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JP5596341B2 - 音声符号化装置および音声符号化方法 - Google Patents
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Description

本発明は、音声符号化装置および音声符号化方法に関する。
VoIP(Voice over IP)用の音声コーデックには、高いパケットロス耐性が要求される。次世代のVoIP用コーデックでは、比較的高いフレーム消失率(例えば6%のフレーム消失率)においてもエラーフリーの品質を達成することが望まれる(ただし、消失誤りを補償するための冗長情報を伝送することを許容した場合)。
CELP(Code Excited Linear Prediction)型の音声コーデックの場合、音声の立ち上がり部のフレームが消失することによる品質劣化が問題となるケースが多い。これは、立ち上がり部では信号の変化が大きく、直前のフレームの信号との相関性が低いため、直前のフレームの情報を用いた隠蔽処理が有効に機能しないことが原因であったり、立ち上がり部で符号化した音源信号が適応符号帳として後続の有声部のフレームにおいて積極的に使用されるため、立ち上がり部の消失の影響が後続する有声フレームに伝播し、復号音声信号の大きな歪につながりやすいことが原因であったりする。
上記問題を解決するための従来技術として、前フレームの最後の声門パルス位置を現フレームの符号化情報と共に送るものがある(例えば、非特許文献1参照)。この技術では、音声符号化装置が、前フレームの音源信号(すなわち線形予測残差信号)においてフレーム終端から過去1ピッチ周期の間で振幅が最大であるパルス位置を声門パルス位置として検出し、その位置情報を符号化して現フレームの符号化情報と共に音声復号装置へ送る。音声復号装置では、復号フレームが消失している場合、次フレームで音声符号化装置から受信される声門パルス位置に声門パルスを配置して復号音声信号を生成する。
ITU−T勧告G.729.1
しかしながら、上記従来技術では、ピッチ周期が正しくない場合(例えば倍ピッチ周期または半ピッチ周期である場合)、正しい声門パルス位置を検出できないことがある。また、音源信号に明確な声門パルスが存在しない場合(例えば複数のパルスが乱立するような場合)、ローパスフィルタ処理後の音源信号において、振幅が最大であるパルス位置が声門パルス位置として最適でないことがある。
本発明の目的は、ピッチパルス情報を消失補償処理用の冗長情報として用いる場合に、最適なピッチパルスを検出することができる音声符号化装置および音声符号化方法を提供することである。
本発明の音声符号化装置は、ピッチパルス情報を消失補償処理用の冗長情報として用いる音声符号化装置であって、現フレームにおけるピッチ周期を用いて前フレームにおけるピッチパルス位置の探索範囲を決定する決定手段と、前記前フレームの音源信号を用いて前記ピッチパルス位置の複数の候補を選択する選択手段と、前記複数の候補を用いて前記現フレームにおける音源信号の適応符号帳成分を生成する生成手段と、前記適応符号帳成分のベクトルと復号音源ベクトルとの誤差を最小とする前記前フレームの最終ピッチパルス位置を得る誤差最小化手段と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、ピッチパルス情報を消失補償処理用の冗長情報として用いる場合に、最適なピッチパルスを検出することができる。
本発明では、前フレームの音源信号のピッチパルス(上記従来技術における声門パルスに相当し、1ピッチ周期長の音源信号中で振幅が極大となるサンプル)の位置情報をフレーム消失補償処理用の符号化情報として伝送する場合に、最適なピッチパルス位置を検出するために、前フレームの音源信号と現フレームの音源信号の双方を用いて前フレームの最後尾にあるピッチパルス位置を探索する。
また、本発明では、前フレームの音源信号だけでなく、現フレームで適応符号帳成分として生成される音源信号がエラーフリーの音源信号に近くなるようにピッチパルス位置を探索する。つまり、本発明では、立ち上がり部で符号化した音源信号が適応符号帳として後続の有声部のフレームにおいて積極的に使用されるために、立ち上がり部の消失の影響が後続する有声フレームに伝播することの影響を考慮した探索を行う。このため、本発明では、後続フレームで行われる音源信号の復号処理を模擬してパルス列ベクトルを生成し、エラーフリーの復号音源ベクトルとの誤差が小さくなるようにピッチパルスの位置を決定する。
また、適応符号帳に長期予測フィルタ(ピッチ予測フィルタ)をかけることにより音源ベクトルの適応符号帳成分を生成すると演算量が多くなってしまうため、本発明では、ピッチパルス位置と後続フレームにおけるピッチラグとを用いて簡易的にパルスベクトルを生成して演算量を減少させる。
また、本発明では、ピッチパルス位置の探索を、前フレーム(消失フレームに相当)において予備選択した複数の位置候補に対して行う。すなわち、本発明では、予備選択は前フレームでの誤差を基準に行い、本選択(ピッチパルス位置の探索)は現フレーム(消失フレームの後続フレームに相当)での誤差を基準に行う。
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
本実施の形態に係る音声符号化装置は、現フレーム(n)の符号化情報と、現フレームの1フレーム前のフレーム、すなわち、前フレーム(n−1)の符号化情報とを1つの符号化データとして伝送するものである。また、本実施の形態に係る音声符号化装置は、前フレーム(n−1)の音源信号に存在する複数のピッチパルスのうち時間的に最後にあるピッチパルスを効率よく、かつ、正確に探索する。
図1に本実施の形態に係る音声符号化装置10の構成を示す。なお、LPC(Linear Prediction Coefficient)パラメータ抽出部111、符号化部112、音源パラメータ抽
出部113および符号化部114によりCELP符号化部11が構成される。
音声符号化装置10では、現フレーム(n)の情報がCELP符号化部11によって符号化され、前フレーム(n−1)の情報がピッチパルス抽出部12および符号化部13によって符号化される。音声符号化装置10が前フレーム(n−1)の情報を冗長情報として現フレーム(n)の情報と共に伝送することにより、音声復号装置では、現在の符号化データの1つ前の符号化データが消失した場合でも現在の符号化データに含まれる前フレーム(n−1)の情報を復号することにより復号音声信号の品質劣化を抑えることができる。冗長情報としては、前フレーム(n−1)の音源信号に存在する複数のピッチパルスのうち時間的に最後にあるピッチパルス、すなわち、現フレーム(n)に最も近い位置にあるピッチパルスの位置および振幅を用いる。
音声符号化装置10において、入力音声信号がLPCパラメータ抽出部111および音源パラメータ抽出部113に入力される。
LPCパラメータ抽出部111は、フレーム単位にLPCパラメータを抽出して符号化部112に出力する。なお、LPCパラメータはLSP(Line Spectrum Pair または Line Spectral Pair)またはLSF(Line Spectrum Frequency または Line Spectral Frequency)等の形式であってもよい。
符号化部112は、LPCパラメータを量子化および符号化し、未量子化LPCパラメータおよび量子化LPCパラメータを音源パラメータ抽出部113に出力し、符号化結果(LPC符号)を多重化部14に出力する。
音源パラメータ抽出部113は、入力音声信号、未量子化LPCパラメータおよび量子化LPCパラメータを用いて、聴覚重み付け入力音声信号と聴覚重み付け合成音声信号との誤差が最小となる音源パラメータを決定し、その音源パラメータを符号化部114に出力する。一般的なCELP符号化の場合、音源パラメータは、ピッチラグ、固定符号帳インデックス、ピッチゲインおよび固定符号帳ゲインの4つのパラメータからなる。また、音源パラメータ抽出部113は、ピッチ周期、ピッチゲインおよび復号音源ベクトルをピッチパルス抽出部12に出力する。
符号化部114は、音源パラメータを符号化し、符号化結果(音源符号)を多重化部14に出力する。
ピッチパルス抽出部12は、ピッチ周期、ピッチゲインおよび復号音源ベクトルを用いてピッチパルスを探索し、ピッチパルスの位置および振幅を符号化部13に出力する。なお、ピッチパルス抽出部12の詳細については後述する。
符号化部13はピッチパルスの位置および振幅を符号化し、符号化結果(ピッチパルス符号)を多重化部14に出力する。
多重化部14は、LPC符号と、音源符号と、ピッチパルス符号とを多重化して符号化ビットストリームを生成し、この符号化ビットストリームを伝送路へ送出する。
図2に本実施の形態に係る音声復号装置20の構成を示す。なお、復号部231、復号部232、音源生成部233および合成フィルタ234によりCELP復号部23が構成される。
音声復号装置20において、音声符号化装置10(図1)から送出された符号化ビット
ストリームが分離部21に入力される。
分離部21は、符号化ビットストリームをLPC符号と、音源符号と、ピッチパルス符号とに分離し、LPC符号および音源符号を遅延部22に出力し、ピッチパルス符号を復号部24に出力する。
遅延部22は、LPC符号を1フレーム時間遅延させて復号部231に出力するとともに、音源符号を1フレーム時間遅延させて復号部232に出力する。
復号部231は、遅延部22から入力されるLPC符号、すなわち、1フレーム前のLPC符号を復号し、復号結果(LPCパラメータ)を合成フィルタ234に出力する。
復号部232は、遅延部22から入力される音源符号、すなわち、1フレーム前の音源符号を復号し、復号結果(音源パラメータ)を音源生成部233に出力する。音源パラメータは、上記のように、ピッチラグ、固定符号帳インデックス、ピッチゲインおよび固定符号帳ゲインの4つのパラメータからなる。
復号部24は、ピッチパルス符号を復号し、復号結果(ピッチパルスの位置および振幅)を音源生成部233に出力する。
音源生成部233は、音源パラメータから音源信号を生成し、この音源信号を合成フィルタ234に出力する。ただし、1フレーム前のフレームが消失している場合は、音源生成部233は、ピッチパルスの位置および振幅に基づいてピッチパルスを立てて音源信号を生成し、この音源信号を合成フィルタ234に出力する。なお、現フレームも消失している場合は、音源生成部233は、前フレームの復号パラメータを繰り返し使う等、例えばITU−T勧告G.729等で開示されているフレーム消失隠蔽処理を利用して音源信号を生成し、この音源信号を合成フィルタ234に出力する。
合成フィルタ234は、復号部231から入力されたLPCパラメータを用いて構成され、音源生成部233から入力された音源信号を駆動信号として復号音声信号を合成して出力する。
次いで、ピッチパルス抽出部12の詳細について説明する。図3に本実施の形態に係るピッチパルス抽出部12の構成を示す。
ピッチパルス抽出部12において、ピッチ周期t[0〜N−1]が探索始点決定部121およびパルス列生成部123に入力され、ピッチゲインg[0〜N−1]がパルス列生成部123に入力され、復号音源ベクトルがピッチパルス候補選択部122および誤差最小化部124に入力される。なお、この復号音源ベクトルはエラーフリーの音源ベクトルである。
ここで、ピッチ周期t[0]は現フレームの第1サブフレームのピッチ周期、ピッチ周期t[1]は現フレームの第2サブフレームのピッチ周期、…、ピッチ周期t[N−1]は現フレームの第Nサブフレーム(すなわち最終サブフレーム)のピッチ周期を表す。同様に、ピッチゲインg[0]は現フレームの第1サブフレームのピッチゲイン、ピッチゲインg[1]は現フレームの第2サブフレームのピッチゲイン、…、ピッチゲインg[N−1]は現フレームの第Nサブフレーム(すなわち最終サブフレーム)のピッチゲインを表す。また、復号音源ベクトルは、現フレームの先頭サンプルをex[0]とすれば、少なくともex[−t_max]〜ex[l_frame−1]の範囲にある音源ベクトルである。t_maxはピッチ周期の最大値、l_frameはフレーム長である。つまり
、本実施の形態では、前フレームの末尾から最大ピッチ周期長の過去の音源ベクトルと現フレーム1フレーム分の音源ベクトルとを合わせたエラーフリーの音源ベクトルがピッチパルス探索に用いられる。なお、音源パラメータ抽出部113にバッファを備え、これらすべての音源ベクトルを音源パラメータ抽出部113から入力する構成、または、ピッチパルス抽出部12にバッファを備え、音源パラメータ抽出部113からは現フレームの復号音源ベクトルのみを入力し、前フレームにおける最大ピッチ周期長の音源ベクトルはピッチパルス抽出部12が備えるバッファに逐次保存および更新される構成のいずれを採ってもよい。
探索始点決定部121は、ピッチパルスの探索範囲を決定する。具体的には、探索始点決定部121は、ピッチパルスが存在し得る複数の点の中で最も過去にある点を探索始点として決定する。この探索始点は、1フレームに1種類のピッチ周期しかなければ、すなわち、1フレームが複数のサブフレームに分かれていなければ、現フレームの先頭から現フレームのピッチ周期だけ過去に遡った点となる。一方、1フレームが複数のサブフレームに分かれていて、各サブフレームのピッチ周期が異なり得る場合は、この探索始点は、各サブフレームの先頭から各サブフレームにおけるピッチ周期だけ遡った複数の点のうち最も過去にある点となる。
以下、探索始点決定部121での探索始点決定方法について図4、図5および図6を用いてより詳しく説明する。
図4において、現フレームの先頭、すなわち、第1サブフレームの始点(0の点)から第1サブフレームにおけるピッチ周期t[0]だけ遡った点(−t[0]の点)が探索始点の第1候補となる。同様に、第nフレームにおける探索始点の第n候補は、M*(n−1)−t[n−1]の点となる。Mはサブフレーム長(サンプル数)である。よって、1フレームがNサブフレームから構成される場合、第Nサブフレームにおける探索始点の第N候補は、M*(N−1)−t[N−1]の点となる。そして、第1候補〜第N候補の中で時間的に最も過去にある点が選択されて探索始点に決定される。1フレーム内でピッチ周期の変動が小さい場合は、図4に示すように、探索始点の第1候補と第N候補とを比較すると第1候補の方がより過去にある。1フレーム内でピッチ周期の変動が小さければ(すなわち倍ピッチ周期や半ピッチ周期が発生していなければ)、探索始点の第1候補は第2候補〜第N候補のいずれよりも過去にあるので、第1候補が探索始点に決定される。
一方、図5に示すように、第Nサブフレームにおけるピッチ周期が長く、探索始点の第1候補よりも第N候補の方が過去になる場合もある。この場合には、第1候補は探索始点とならない。
そこで、本実施の形態では、図6に示す処理フローに従って探索始点を決定する。
まず、ステップS61において、探索始点の第1候補(0−t[0])を求める。
そして、ステップS62において、ステップS61で求めた第1候補を探索始点に仮決定する。つまり、第1候補を仮候補とする。
次いで、ステップS63において、探索始点の第2候補を求める。
次いで、ステップS64において、仮候補(第1候補)と第2候補とを比較する。
そして、第2候補が仮候補(第1候補)より過去にある場合、すなわち、第2候補の位置の値が仮候補(第1候補)の位置の値より小さい場合(ステップS64:NO)には、
ステップS65において、仮候補を第2候補で更新する。つまり、この場合には、第2候補が新たな仮候補となる。
一方、仮候補(第1候補)が第2候補より過去にある場合、すなわち、仮候補(第1候補)の位置の値が第2候補の位置の値より小さい場合(ステップS64:YES)には、仮候補は第1候補のままとなる。
そして、ステップS64およびステップS65の処理を第Nサブフレームまで繰り返す(ステップS64〜ステップS67)。
そして、ステップS68において、最終的な仮候補を探索始点として決定する。
このような処理フローにより、探索始点は第1候補〜第N候補の中で時間的に最も過去にある点となる。
このようにして探索始点決定部121で決定された探索始点がピッチパルス候補選択部122に入力される。
ピッチパルス候補選択部122は、探索始点から現フレームの先頭の点の1つ前の点(すなわち前フレームの最後の点(前フレームの末尾の点))までを探索範囲とし、この探索範囲において振幅が大きい復号音源ベクトルの位置をピッチパルス位置候補として選択する。この選択処理の演算量を削減するために、ピッチパルス候補選択部122は、選択するピッチパルス位置候補の数と同数のグループに探索範囲を分割し、各グループの中からそれぞれ振幅最大の位置を検出し、検出された複数の位置をピッチパルス位置候補とする。ここで複数のグループは連続する点から構成されてもよく、また、ITU−T勧告G.729に示された代数符号帳のように等間隔の複数の点の集合で構成されてもよい。複数のグループを連続する点から構成する場合には、例えば探索始点から探索終点(前フレームの末尾の点)までの間を均等に分割するとよい。また、複数のグループを等間隔の複数の点の集合で構成する場合には、例えば探索始点を0として0,5,10…の点を第1グループ、1,6,11…の点を第2グループ、…、4,9,14…の点を第5グループのようにするとよい。
このようにしてピッチパルス候補選択部122で選択されたピッチパルス位置候補が切替スイッチ125に入力される。
切替スイッチ125は、ピッチパルス候補選択部122から入力される複数のピッチパルス位置候補を順次切り替えてパルス列生成部123および誤差最小化部124に出力する。
パルス列生成部123は、切替スイッチ125から入力されたピッチパルス位置候補にピッチパルスを立てた場合に、現フレームでこのピッチパルスから適応符号帳成分として生成されるベクトルをパルス列として生成する。このパルス列の生成は、適応符号帳に長期予測フィルタ(ピッチ予測フィルタ)をかけることにより行うことができる。しかし、本実施の形態では、演算量を削減するために、パルス位置にピッチ周期を加算した位置にパルスを立てることによりこのパルス列を生成する。
パルス列生成部123でのパルス列生成方法について図7(A)〜(C)を用いて詳しく説明する。
図7(A)に示すように、ピッチパルス候補選択部122から切替スイッチ125を介
して入力されたピッチパルス位置候補をAとすると、まずAに振幅P(=1)のパルスを立てる。
次いで、このパルス(位置:A,振幅:P)を基にして第1サブフレームにパルスを立てる。まず、位置Aからt[0](第1サブフレームにおけるピッチ周期)後の位置B(=A+t[0])が第1サブフレーム内にあるか否か判定する。図7(A)の例では、位置Bは第1サブフレーム内にあるので、位置Bに振幅Q(=P*g[0])のパルスを立てる。
次いで、位置Bからt[0]後の位置C(=B+t[0])が第1サブフレーム内にあるか否か判定する。図7(B)の例では、位置Cは未だ第1サブフレーム内にあるので、位置Cに振幅R(=Q*g[0])のパルスを立てる。そして、さらに位置Cからt[0]後の位置C’(=C+t[0])が第1サブフレーム内にあるか否か判定する。図7(B)の例では、位置C’は第1サブフレーム外にあるので、第1サブフレーム内に立てることが可能なすべてのパルスが立ったものと判断する。そして、第2サブフレームのパルス生成に移る。
第2サブフレームのパルス生成は、図7(C)に示すように、第1サブフレームまでに立てたすべてのパルスの位置に第2サブフレームにおけるピッチ周期t[1]を加算し、その加算結果により示される位置が第2サブフレーム内にあるか否か判定することにより行う。
すなわち、図7(C)の例では、位置Aにt[1]を加算した位置A’は第2サブフレーム内にないので、位置A’にはパルスを立てない。また、位置Bにt[1]を加算した位置B’は第2サブフレーム内にあるので、位置B’に振幅Q’(=Q*g[1])のパルスを立てる。また、位置Cにt[1]を加算した位置Dは第2サブフレーム内にあるので、位置Dに振幅S(=R*g[1])のパルスを立てる。そして、位置Cの次の位置B’にt[1]を加算した位置は第2サブフレーム外になるので、ここで第2サブフレームのパルス生成を終了する。
すなわち、各ピッチパルス位置候補に対するこのようなパルス列生成は図8に示す処理フローに従って行われる。
まず、ステップS81において、入力されたピッチパルス位置候補に振幅=1の初期パルスを立てる(初期パルス生成)。
次いで、ステップS82において、既に立てられたパルスを周期化元パルスに設定する。例えば、既に立てられたパルスのうち、最も過去にあるパルスを周期化元パルスに設定する。
次いで、ステップS83において、対象サブフレームのピッチ周期を用いて次のパルス(以下、周期化パルスと呼ぶ)の位置を生成する。すなわち、周期化元パルスの位置に対象サブフレームのピッチ周期を加算して得られた位置を周期化パルスの位置とする。
ここで、ピッチ周期は小数精度であってもよい。小数精度の場合は、生成される周期化パルスの位置が整数にならない場合があるが、その場合には小数点以下を四捨五入する等して周期化パルスの位置を整数精度にする。これにより、パルス列のスパース性を保証し、後続の誤差演算における演算量の増加を抑えることができる。ただし、このようにして整数精度化したパルスの位置を再帰的に用いると時間的に後ろにあるパルスの位置の誤差が大きくなる。そこで、パルスの位置を再帰的に用いる部分では、小数精度のまま周期化
パルスの位置を求めるようにする。これにより、パルスの位置の誤差が累積されることを防ぐことができる。
次いで、ステップS84において、周期化パルスの位置が対象サブフレーム内にあるか否か判定する。
周期化パルスの位置が対象サブフレーム内にある場合には(ステップS84:YES)、ステップS85において、次のパルス(すなわち、対象サブフレーム内にあると判断された前記周期化パルス)の振幅を求め(振幅生成)、その振幅を持つ次のパルスを生成して前記周期化パルスの位置に立てる。つまり、対象サブフレーム内にあると判断されたパルスをパルス列(すなわち周期化元のパルスの集合)に追加する。そして、ステップS86に進む。
一方、周期化パルスの位置が対象サブフレーム外にある場合には(ステップS84:NO)、周期化パルスを生成することなくステップS86に進む。
ステップS86では、周期化元パルスを次に移行する。すなわち、ステップS83で得られた周期化パルスも含めたパルス列の中で、ここまで周期化元パルスとしていたパルスの次に時間的に過去側にあるパルスの位置を新たな周期化元パルスの位置とする。
次いで、ステップS87において、対象サブフレーム内において対象サブフレームのピッチ周期を用いて生成可能なすべての周期化パルスが生成されたか否か判定する。すなわち、対象サブフレームにおける周期化パルス生成が完了したか否か判定する。周期化元パルスの位置が対象サブフレーム外になる場合に、対象サブフレームにおける周期化パルス生成が完了したものとする。なお、サブフレーム毎のパルス数の上限値を予め設定しておき、対象サブフレームにおいて生成した周期化パルスの数がその上限値に達した場合に、対象サブフレームにおける周期化パルス生成が完了したものとしてもよい。これにより、パルス列生成の演算量に上限を設けることができる。なお、ステップS87は、ステップS81の直後にあってもよい。
対象サブフレームにおける周期化パルス生成が完了した場合には(ステップS87:YES)、ステップS88において、対象サブフレームを次のサブフレームに移行する。
一方、対象サブフレームにおける周期化パルス生成が完了していない場合には(ステップS87:NO)、ステップS83に戻る。
次いで、ステップS89において、全てのサブフレームにおけるパルス生成が完了したか否か判定する。
そして、全てのサブフレームにおけるパルス生成が完了した場合には(ステップS89:YES)、パルス列の生成を終了する。
一方、全てのサブフレームにおけるパルス生成が完了していない場合には(ステップS89:NO)、ステップS82に戻り、周期化元パルスを既に生成したパルス列の先頭パルス(すなわち時間的に最も過去にあるパルス)に戻し、上記同様にして次のサブフレームを対象としたパルス列生成行う。
このようにしてパルス列生成部123で生成された、各ピッチパルス位置候補に対するパルス列が誤差最小化部124に入力される。
誤差最小化部124は、復号音源ベクトルと、パルス列ベクトルに最適ゲインを乗じたベクトルとの二乗誤差が最小であるか否か判定する。具体的には、誤差最小化部124は、過去に入力されたピッチパルス位置候補において最小となった二乗誤差より今回入力されたピッチパルス位置候補における二乗誤差がさらに小さいか否か判定する。そして、誤差最小化部124は、今回入力されたピッチパルス位置候補におけるパルス列ベクトルがこれまでで最小の二乗誤差が得られるパルス列ベクトルである場合には、ピッチパルス位置候補およびそのパルス列ベクトルを保存する。誤差最小化部124は、切替スイッチ125に順次切替指示を与えながら、すべてのピッチパルス位置候補について上記処理を行う。そして、誤差最小化部124は、すべてのピッチパルス位置候補について上記処理を終えた時点で保存されているピッチパルス位置候補をピッチパルス位置として出力するとともに、その時点で保存されているパルス列ベクトルに対する理想ゲインをピッチパルス振幅として出力する。なお、誤差最小化部124は、二乗誤差を計算することなく、二乗誤差の大小比較を行える評価尺度を用いて最小二乗誤差を得てもよい。
このように、本実施の形態によれば、探索始点候補の選択を前フレームでの誤差に基づいて行う。また、最終的なピッチパルス位置の選択を、前フレームに立てられるピッチパルスと音源信号との誤差および現フレームにおいて立てられるパルス列と音源信号との誤差により行う、つまり、前フレームと現フレームの双方を考慮してピッチパルスを探索する。このため、消失フレームを隠蔽するためのピッチパルスとして最適なピッチパルス、すなわち、消失フレームと後続フレームの双方に対して有効なピッチパルスを検出することができる。これにより、音声復号装置では、消失フレームが発生した場合でも高品質な復号音声信号を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、音声符号化装置では、1フレーム前の符号化フレーム(n−1)に対する消失補償処理用の冗長情報を現符号化フレーム(n)で送るため、アルゴリズム遅延を生じずに、消失補償処理用の冗長情報を符号化することができる。これにより、音声復号装置では、消失補償の高品質化のための情報を使用しない場合には、復号処理全体のアルゴリズム遅延を1フレーム分短くすることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、1フレーム前の符号化フレーム(n−1)に対する消失補償処理用の冗長情報を現符号化フレーム(n)で送る。そのため、消失が想定されるフレームが立ち上がりフレーム等の重要フレームかどうかを時間的に未来の情報も用いて判定することができるので、その判定精度を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、上記実施の形態に係る音声符号化装置および音声復号装置は、移動体通信システムにおける無線通信移動局装置および無線通信基地局装置に搭載することが可能であり、これにより上記同様の作用および効果を有する無線通信移動局装置、無線通信基地局装置および移動体通信システムを提供することができる。
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。例えば、本発明に係る音声符号化方法のアルゴリズムをプログラミング言語によって記述し、このプログラムを情報処理手段によって実行させることにより、本発明に係る音声符号化装置と同様の機能を実現することができる。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、I
C、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年3月2日出願の特願2007−053530の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明に係る音声符号化装置および音声符号化方法は、移動体通信システムにおける無線通信移動局装置、無線通信基地局装置等に適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る音声符号化装置の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態に係る音声復号装置の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態に係るピッチパルス抽出部の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態に係る探索始点決定方法を説明するための図 本発明の一実施の形態に係る探索始点決定方法を説明するための図 本発明の一実施の形態に係る探索始点の決定手順を示すフロー図 本発明の一実施の形態に係るパルス列生成方法を説明するための図 本発明の一実施の形態に係るパルス列の生成手順を示すフロー図

Claims (8)

  1. ピッチパルス情報を消失補償処理用の冗長情報として用いる音声符号化装置であって、
    現フレームにおけるピッチ周期を用いて前フレームにおける最後のピッチパルス位置の探索範囲を決定する決定手段と、
    前記前フレームの音源信号を用いて前記前フレームにおける最後のピッチパルス位置の複数の候補を選択する選択手段と、
    前記複数の候補の各々について前記現フレームにおける音源信号の適応符号帳成分を生成する生成手段と、
    前記複数の候補のうち、前記適応符号帳成分のベクトルとエラーフリーの復号音源ベクトルとの誤差が最小となる候補を前記前フレームにおける最後のピッチパルス位置として出力する誤差最小化手段と、
    を具備する音声符号化装置。
  2. 前記決定手段は、前記現フレームに含まれる複数のサブフレーム各々の先頭から前記複数のサブフレーム各々におけるピッチ周期だけ遡った複数の位置のうち最も過去にある位置を前記探索範囲の開始点とする、
    請求項1記載の音声符号化装置。
  3. 前記選択手段は、前記探索範囲にある複数のピッチパルス位置を複数のグループに分け、前記複数のグループの各々において音源信号の振幅が最大となる位置を選択して前記複数の候補とする、
    請求項1記載の音声符号化装置。
  4. 前記生成手段は、前記現フレームにおけるピッチ周期およびピッチゲインを用いてパルス列を生成することにより前記適応符号帳成分を生成する、
    請求項1記載の音声符号化装置。
  5. 前記生成手段は、予め定められた上限数のパルスを有する前記パルス列を生成する、
    請求項4記載の音声符号化装置。
  6. 請求項1記載の音声符号化装置を具備する無線通信移動局装置。
  7. 請求項1記載の音声符号化装置を具備する無線通信基地局装置。
  8. ピッチパルス情報を消失補償処理用の冗長情報として用いる音声符号化方法であって、
    現フレームにおけるピッチ周期を用いて前フレームにおける最後のピッチパルス位置の探索範囲を決定し、
    前記前フレームの音源信号を用いて前記前フレームにおける最後のピッチパルス位置の複数の候補を選択し、
    前記複数の候補の各々について前記現フレームにおける音源信号の適応符号帳成分を生成し、
    前記複数の候補のうち、前記適応符号帳成分のベクトルと復号音源ベクトルとの誤差が最小となる候補を前記前フレームにおける最後のピッチパルス位置として出力する、
    音声符号化方法。
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