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JP5597065B2 - 導波管・平面線路変換器及び高周波回路 - Google Patents
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JP5597065B2 - 導波管・平面線路変換器及び高周波回路 - Google Patents

導波管・平面線路変換器及び高周波回路 Download PDF

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Description

本発明は、導波管・平面線路変換器及び高周波回路に係り、更に詳しくは、導波管及び平面線路の伝送電力を相互に変換する導波管・平面線路変換器の改良、並びに、この様な導波管・平面線路変換器を用いた高周波回路の改良に関する。
近年、自動車の周辺環境を監視するための車載レーダとして、ミリ波レーダが実用化されつつある。ミリ波レーダは、レーダ信号として波長1〜10mmのミリ波を用いることにより、比較的分解能の高いレーダ装置を実現することができる。また、誘電体基板上にアンテナパターンを形成した平面アンテナとして実現することができ、装置の小型軽量化が容易であり、量産化によるコスト低減効果も期待できる。
導波管及びマイクロストリップ線路(MSL)を接続する場合、導波管及びMSLの伝送電力を相互に変換することができる導波管・平面線路変換器が用いられる(例えば、特許文献1の図5、図6及び図13)。この様な導波管・平面線路変換器を備えた誘電体基板上にアンテナパターンを形成すれば、小型軽量の導波管励振アンテナを実現することができる。
図18は、従来の導波管・平面線路変換器の一例を示した斜視図であり、バックショート構造を有する導波管・平面線路変換器180が示されている。この導波管・平面線路変換器180は、一方の面に平面線路5、他方の面に接地板6がそれぞれ形成された誘電体基板1が、導波管ブロック2及び短絡ブロック40により挟み込まれるように固定されている。接地板6は、導波管ブロック2の端面に接続され、平面線路5は、短絡ブロック40の短絡面までの距離が導波管ブロック2の管内波長の約1/4となるように配置されている。このような短絡ブロック40を用いる構造は、バックショート型と呼ばれている。
図19及び図20は、従来の導波管・平面線路変換器の他の例を示した斜視図であり、共振素子7を有する導波管・平面線路変換器190が示されている。図19は、導波管・平面線路変換器190の斜視図、図20の(a)及び(b)は、図19に示された誘電体基板1の平面図である。この導波管・平面線路変換器190は、導波管ブロック2の開口部に誘電体基板1の下面が密着固定されるとともに、誘電体基板1の上面には短絡板3が形成され、短絡板3の切り込み11内に平面線路5が形成されている。また、誘電体基板1の下面には共振領域を形成する共振素子7が形成され、平面線路5は、誘電体基板1を挟んで共振素子7と対向して配置されることにより互いに電磁的に結合されている。この明細書では、バックショート型に対し、このような共振素子7を用いる構造を共振型と呼ぶことにする。
バックショート型の導波管・平面線路変換器180では、短絡ブロック40を用いることから、部品数が多くなるとともに、小型軽量化が難しいという問題があった。また、平面線路5から短絡面までの距離に高い精度が求められることから、組立作業に高い精度が要求されるという問題もあった。これに対し、共振型の導波管・平面線路変換器190は、このような問題がなく、安価に製造できるとともに、小型軽量化が容易である点で優れている。
ところが、共振型の導波管・平面線路変換器190は、共振素子7を用いていることから、良好な変換特性が得られる周波数帯域が狭いという問題があった。例えば、反射量が−20dB以下となる周波数帯域は、帯域比で3%未満しか確保することができない。このため、製造誤差などの影響によって中心周波数にずれが生じた場合のマージンが少なく、製造歩留まりを低下させ、製造コストを増大させるという問題があった。
特開2000−244212号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、導波管・平面線路変換器を安価に提供することを目的とする。特に、小型軽量の導波管・平面線路変換器を安価に提供することを目的とする。
また、小型軽量かつ広帯域の導波管・平面線路変換器を提供することを目的とする。特に、共振型の導波管・平面線路変換器の帯域幅を広げることを目的とする。また、共振型の導波管・平面線路変換器の所望の周波数における特性ばらつきを抑制し、製造歩留まりを向上させることを目的とする。
さらに、導波管・平面線路変換器を備えた高周波回路を安価に提供することを目的とする。特に、小型軽量の高周波回路を安価に提供することを目的とする。
第1の本発明による導波管・平面線路変換器は、空洞共振器及び導波管が形成された導波管ブロックと、上記導波管とは反対側に形成された上記空洞共振器の開口部を閉鎖する第1面に共振領域が形成され、第2面に上記共振領域と対向する平面線路が形成された誘電体基板とを備え、上記導波管及び空洞共振器は、上記導波管ブロック内において管軸方向に連通する中空部からなり、互いを区分する連結面上の内壁に段差が形成されている。
この様な構成により、空洞共振器及び共振領域の各共振周波数で共振させることができ、これらの共振周波数の間において所望の変換特性が得られる範囲内において、上記共振周波数を異ならせることによって、上記共振周波数を決定することにより、導波管・平面線路変換器の帯域を広げることができる。なお、共振領域は、導電性薄膜からなる共振素子であってもよいし、導電性薄膜に形成した共振窓であってもよい。
上記導波管ブロックの内壁に段差を形成し、互いに連通する空洞共振器及び導波管を形成することによって、空洞共振器及び導波管を個別に製作する場合に比べて、部品数を減少させることができるとともに、小型軽量化することができる。
第2の本発明による導波管・平面線路変換器は、上記構成に加えて、上記空洞共振器が、上記導波管の管軸に直交する断面形状が上記導波管とは異なるように構成される。この様な構成により、互いに連通する導波管及び空洞共振器を有する導波管ブロックを容易に実現することができる。従って、広帯域の導波管・平面線路変換器を安価に製造することができる。
第3の本発明による導波管・平面線路変換器は、上記構成に加えて、上記空洞共振器及び上記導波管が、4つの管壁に囲まれた矩形の断面形状を有する中空部からなり、上記段差が、少なくとも対向する一対の管壁にそれぞれ形成されている。この様な構成により、上記導波管ブロックを更に容易に製作することができる。
第4の本発明による導波管・平面線路変換器は、上記構成に加えて、上記空洞共振器及び上記共振領域の共振周波数が、上記導波管の伝送波の周波数を挟んで異なるように構成される。
第5の本発明による高周波回路は、互いに対向する一対の回路形成面を有する導波管ブロックと、上記回路形成面にそれぞれ配置された一対の誘電体基板とを備え、上記導波管ブロックが、上記回路形成面にそれぞれ開口部を有する一対の空洞共振器と、これらの上記空洞共振器を互いに連通させる導波管とを有し、上記誘電体基板が、上記開口部を閉鎖する第1面に共振領域が形成され、第2面に上記共振領域と対向する平面線路が形成されている。このような構成により、空洞共振器及び共振領域の各共振周波数において共振を生じさせることにより、高周波回路を構成する2つの導波管・平面線路変換器の帯域幅をそれぞれ広げることができる。このため、帯域幅の広い高周波回路を形成することができる。
第6の本発明による高周波回路は、上記構成に加えて、上記導波管及び空洞共振器が、上記導波管ブロック内において管軸方向に連通する中空部からなり、互いを区分する連結面上の内壁に段差が形成されている。この様な構成により、2つの空洞共振器と、これらの共振器を互いに連通させる導波管とを有する導波管ブロックを容易に実現することができる。従って、広帯域の2つの導波管・平面線路変換器を有する高周波回路を安価に製造することができる。
第7の本発明による高周波回路は、上記構成に加えて、上記空洞共振器が、上記導波管の管軸に直交する断面が上記導波管とは異なる形状からなり、一対の上記空洞共振器の少なくとも一方の断面積が、導波管の断面積よりも大きくなるように形成される。この様な構成により、導波管ブロックをダイキャスト法により成型することができるので、高精度かつ安価に製造することができる。

本発明によれば、共振領域が形成された誘電体基板と導波管との間に空洞共振器を介在させることにより、空洞共振器及び共振領域の各共振周波数において共振する導波管・平面線路変換器を実現することができる。従って、共振型の導波管・平面線路変換器の帯域幅を広げることができ、小型軽量かつ広帯域の導波管・平面線路変換器を提供することができる。
また、この様な広帯域化により、共振型の導波管・平面線路変換器の所望の周波数における特性ばらつきを抑制し、製造歩留まりを向上させることができる。従って、小型軽量の導波管・平面線路変換器を安価に提供することができる。
また、本発明によれば、導波管及び空洞共振器が、いずれも導波管ブロックの中空部であって、当該導波管ブロックの内壁に形成された段差によって互いに区分される領域として形成される。このため、導波管・平面線路変換器を更に小型化することができるとともに、更に安価に提供することができる。
また、本発明によれば、高周波回路を構成する2つの広帯域の導波管・平面線路変換器を広帯域化することにより、高周波回路を安価に提供することができる。また、小型軽量の高周波回路を実現することができる。
本発明の実施の形態1による導波管・平面線路変換器100を示した斜視図である。 図1の導波管・平面線路変換器100の展開斜視図である。 図1の導波管・平面線路変換器100の平面図である。 図3のA1−A1切断線による断面図である。 図3のB1−B1切断線による断面図である。 図1の導波管・平面線路変換器100における透過量及び反射量を計測した計測結果が示されている。 キャビティ長C3と反射特性との関係の一例を示した図である。 図7において反射量が−14dBとなる帯域幅をキャビティ長C3ごとに求めた図表である。 本発明の実施の形態2による導波管ブロック2aを示した図である。 本発明の実施の形態2による導波管ブロック2bを示した図である。 本発明の実施の形態2による導波管ブロック2cを示した図である。 本発明の実施の形態3による導波管・平面線路変換器101を示した展開斜視図である。 図12の導波管・平面線路変換器101の平面図である。 本発明の実施の形態4による高周波回路200の側面図である。 図14の高周波回路200の上面図である。 図14の高周波回路200の底面図である。 本発明の実施の形態5による高周波回路201の側面図である。 バックショート構造を有する従来の導波管・平面線路変換器180を示した斜視図である。 共振素子7を有する従来の導波管・平面線路変換器190を示した斜視図である。 図19の従来の導波管・平面線路変換器190の平面図である。
実施の形態1.
図1〜図5は、本発明の実施の形態1による導波管・平面線路変換器100の一構成例を示した図である。図1には外観図、図2には展開斜視図、図3には平面図、図4には図3のA1−A1切断線による断面図、図5には図3のB1−B1切断線による断面図が示されている。
この導波管・平面線路変換器100は、導波管21及びキャビティ22が形成された導波管ブロック2と、共振素子7及び平面線路5が形成された誘電体基板1とを備え、キャビティ22の開口部23に共振素子7を対向させるように、開口部23が誘電体基板1によって閉鎖されている。このため、共振素子7及びキャビティ22の各共振周波数により二重共振させることができ、広い帯域幅を確保することができる。
<誘電体基板1>
誘電体基板1は、その下面が導波管ブロック2の開口部23を閉鎖するように配置されている。この誘電体基板1は開口部23よりも広く、開口部23に対応する閉鎖領域10の周辺に導波管ブロック2の端面が密着固定されている。また、誘電体基板1上には、短絡板3、平面線路5、接地板6及び共振素子7が、導電性金属の薄膜パターンとして形成されている。これらの薄膜パターンは、熱圧着法、スパッタリング法、蒸着法などにより、銅などの薄膜を誘電体基板1の全面に形成した後、フォトエッチング法により上記薄膜をパターニングすることによって形成される。
短絡板3は、閉鎖領域10を覆うように誘電体基板1の上面に形成され、導波管ブロック2を終端させる短絡面を構成している。図中の短絡板3は長方形からなり、その長辺から内側に向けてストリップ状の切り込み11が形成されている。この切り込み11は、閉鎖領域10の短辺と平行に延び、閉鎖領域10に達している。
平面線路5は、誘電体基板1の上面に形成された平面線路であり、その一端が短絡板3の切り込み11内に形成され、閉鎖領域10の長辺及び短絡板3の長辺を横切り、他端が短絡板3の外側へ引き出されている。この平面線路5は、切り込み11内では、短絡板3から一定の距離を隔てて配置され、短絡板3とともにコプレーナ線路を形成している。また、閉鎖領域10よりも外側では、誘電体基板1を介して接地板6と対向するように配置され、接地板6とともにマイクロストリップ線路(MSL)を形成している。
接地板6は、閉鎖領域10を取り囲むように形成され、この接地板6に導波管ブロック2の端面を密着させることによって、接地板6及び導波管ブロック2を導通させている。図中では、誘電体基板1の外縁を及び導波管ブロック2の端面の外縁と一致させ、接地板6が、閉鎖領域10と一致する内縁を有し、閉鎖領域10を除く誘電体基板1の下面全体に形成されている。
共振素子7は、接地板6と導通しないように閉鎖領域10内に形成された素子であり、誘電体基板1上に共振領域を形成している。また、共振素子7は、誘電体基板1を挟んで平面線路5の先端と重複するように配置され、平面線路5と電磁的に結合されている。一般に、方形導波管内では、短手方向の電界しか存在せず、この電界分布は長手中央において最大となることが知られている。このため、共振素子7は、開口部23の長辺方向の略中央を通り、開口部23の短手方向の長さP2が誘電体基板1内における波長の約1/2となるように形成される。なお、平面線路5の閉鎖領域10への挿入量と、開口部23の短手中央からの距離とを調整することにより、インピーダンス整合を図ることができる。
スルーホール8は、誘電体基板1の貫通孔に導電性材料を充填させることにより形成されている。このスルーホール8を介して、短絡板3及び接地板6を導通させることにより、短絡板3を導波管ブロック2と同電位に保持している。このため、閉鎖領域10の周辺に多数のスルーホール8を配置し、閉鎖領域10を取り囲むことによって、誘電体基板1における電力損失を抑制することができる。
<導波管ブロック2>
導波管ブロック2は、導電性材料からなる直方体のブロック体であり、互いに連通する中空部として、導波管21及びキャビティ22が形成されるとともに、キャビティ22を外部に連通させる開口部23が形成されている。このような導波管ブロック2は、例えば、ドリル等を用いて金属ブロックを切削加工することにより製作することができる。また、アルミダイキャスト法により製作することもできる。さらに、金属板をプレス加工することにより製作することもできる。なお、導波管ブロック2は、一体をなすブロック体として製作されることが望ましいが、例えば、導波管21を有するブロック体と、キャビティ22を有するブロック体とをそれぞれ製作し、これらを連結したものであってもよい。
導波管21は、管壁に囲まれた導波管ブロック2内の中空部であり、管軸方向に電波を伝搬することができる。ここでは、導波管21が、2つの狭壁及び2つの広壁により囲まれた方形導波管であり、伝搬方向に直交する断面形状が、広壁に相当する長辺と、狭壁に相当する短辺とからなる長方形であるものとする。
キャビティ22は、導波管21と同様、管壁に囲まれた導波管ブロック2内の中空部であるが、所定の共振周波数を有する空洞共振器として機能する。ここでは、キャビティ22の断面形状が長方形であり、その長辺が導波管21の長辺よりも短く、その短辺が導波管21の短辺よりも長くなっている。また、キャビティ22の管軸方向の長さは、キャビティ22内における波長の約1/2になっている。
このキャビティ22は、導波管21の管軸方向に連通するように導波管21の一端に配置され、導波管21とは異なる断面形状を有している。また、導波管21とは反対側に開口部23が形成され、この開口部23は誘電体基板1により閉鎖されている。つまり、導波管ブロック2内の中空部は、導波管21及びキャビティ22を区分する連結面24において断面形状が変化することによる段差25が形成され、当該連結面24において電波の反射が生じる。また、開口部23においても電波の反射が生じることから、キャビティ22は、互いに対向する反射面に挟まれた空間であり、共振器として機能する。
一般に、一対の反射面に挟まれた空間は、これらの反射面間の距離の約2倍に相当する波長を閉じこめることができ、共振器として機能することが知られている。このため、開口部23を有する中空部の内周面に段差25を形成し、開口部23に対向する連結面24を設けることにより、開口部23及び連結面24間の空間をキャビティ22とすることができる。このとき、キャビティ22の共振周波数は、キャビティ22内における波長が開口部23及び連結面24間の距離の約1/2に相当する周波数となる。この共振周波数を共振素子7の共振周波数と異ならせることによって、導波管・平面線路変換器100を二重共振させることができる。
図6は、図1の導波管・平面線路変換器100の透過量及び反射量の周波数特性を示した図である。透過量及び反射量は、散乱パラメータS21,S11として求められる値であり、横軸には、中心周波数f0により正規化された正規化周波数(f/f0)を用いている。図中の実線T1及びR1は、図1〜図5の導波管・平面線導波管・平面線路変換器100の透過量及び反射量をそれぞれ示す特性曲線である。一方、破線T2及びR2は、図19及び図20に示した従来の導波管・平面線路変換器190の透過量及び反射量をそれぞれ示す特性曲線である。なお、中心周波数f0は、従来の導波管・平面線路変換器190における共振周波数、つまり、伝送波の周波数である。
中心周波数f0における透過量を比較すれば、透過特性T1では−0.25dB、透過特性T2では−0.21dBとなっており、本実施の形態による透過特性T1は、従来の透過特性T2とほぼ同等であるということができる。一方、反射量が−20dB以下となる帯域幅を比較すれば、反射特性R1では6.9%、反射特性R2では2.8%となっており、本実施の形態による反射特性R1は、従来の反射特性R2と比べて、帯域幅が2倍以上になっていることがわかる。つまり、透過特性T1をほとんど劣化させることなく、反射特性R1の帯域幅が大幅に改善されている。
従来の導波管・平面線路変換器190の周波数特性は、共振素子7の共振周波数に相当する中心周波数f0において、透過量が最大となり、反射量が最小となる。また、透過特性T2は、周波数に応じて緩やかに変化するのに対し、反射特性R2は、中心周波数f0付近において急峻に変化する。このため、透過量及び反射量がともに良好な周波数帯域は、反射特性R2によって決まり、比較的狭い帯域幅しか確保することができなかった。
これに対し、本実施の形態による導波管・平面線路変換器100は、僅かに異なる2つの共振周波数f1,f2を有することにより、透過特性T1を顕著に劣化させることなく、反射特性R1の帯域幅を広げている。つまり、共振素子7及びキャビティ22の各共振周波数f1,f2で共振させることにより、従来装置における急峻な反射特性R2を周波数軸方向にずらして2つ重ね合わせたような反射特性R1が得られる。
ここで、キャビティ22の共振周波数f2は、共振素子7の共振周波数f1とは独立して調整することができる。共振素子7は、誘電体基板1内における波長が共振素子7の幅P2の約2倍に相当する周波数f1で共振する。つまり、共振周波数f1は、開口部23の短手方向に関する共振素子7の幅P2によって調整することができる。一方、キャビティ22は、キャビティ22内における波長がキャビティ長C3の約2倍に相当する周波数f2に共振する。つまり、共振周波数f2は、管軸方向に関するキャビティ長C3によって、共振素子7の共振周波数f1とは独立して調整することができる。このため、これらの共振周波数f1,f2を僅かに異ならせることにより、二重共振を利用して帯域幅を広げることができる。
また、導波管・平面線路変換器100の帯域幅を広げるためには、共振周波数f1,f2が、中心周波数f0を挟む周波数であり、かつ、共振周波数f1,f2間において、所望の変換特性が得られていることが必要となる。図6では、2つの共振周波数f1,f2の差が帯域比で約5%となるように、共振素子7の共振周波数f1が中心周波数f0よりも低く、キャビティ22の共振周波数f2が中心周波数f0よりも高くなるように調整した導波管・平面線路変換器100が用いられている。
図7及び図8は、キャビティ長C3と反射特性との関係の一例を示した図であり、キャビティ長C3の異なる複数の導波管・平面線路変換器100を製作し、それぞれの反射特性R01〜R07を測定した測定結果が示されている。図8は、図7において反射量が−14dB以下となる帯域幅をキャビティ長C3ごとに求めた図表である。
この測定に使用した導波管・平面線路変換器100の各寸法は、次の通りである。誘電体基板1として、厚さ0.127mm、比誘電率2.17のフッ素樹脂基板の両面に厚さ9μmの銅箔を貼り合わせたものを用いた。下面の銅箔は、共振素子7を除く閉鎖領域10内をエッチング加工により除去した。共振素子7は、閉鎖領域10の長辺方向の長さP1を1.13mm、短辺方向の長さP2を1.16mmとし、共振周波数f1が、中心周波数76GHzよりもやや低くなるように形成した。また、上面の銅箔も短絡板3及び平面線路5を除いてエッチング加工により除去した。平面線路5は、線路幅Wが0.3mm、閉鎖領域10への挿入長Lが0.55mmとなるように形成した。
導波管ブロック2は、厚さ6mmのアルミニウム板を使用し、切削加工により、導波管21及びキャビティ22を形成した。導波管21は、長辺G1が3.10mm、短辺C2が1.55mmとなるように形成した。また、キャビティ22は、長辺C1が2.4mm、短辺C2が2.0mm、長さC3が3.06mm〜3.66mmとなるように形成した。図7の反射特性R01〜R07は、キャビティ長C3を3.06mmから3.66mmまで0.10mmごとに変化させた場合の測定結果である。
その結果、図8に示した通り、キャビティ長C3が3.26mm〜3.56mmの場合に、帯域幅が帯域比で9%以上になり、従来構造の帯域幅5.62%に比べて、顕著に広帯域化されていることがわかる。
なお、図8では、反射量が−14dBとなる帯域幅を求めたが、反射量が−20dBとなる帯域幅を求めれば、キャビティ長C3が3.36mmの場合に、3.26mm及び3.46mmの場合に比べて、より広い帯域幅が得られることがわかる。つまり、共振周波数f1,f2における反射量をバランスさせることにより、より広い帯域幅を確保することができる。このバランスは、キャビティ22の断面形状を変化させることにより調整することができる。
本実施の形態による導波管・平面線路変換器100は、キャビティ22に連通する導波管21と、キャビティ22の開口部23を閉鎖する誘電体基板1とを備え、誘電体基板1の第1面には、開口部23と対向する共振素子7が形成され、第2面には、誘電体基板1を挟んで共振素子7と対向する平面線路5が形成されている。このような構成により、共振素子7及びキャビティ22の各共振周波数f1,f2で共振させることができ、共振素子7を利用した導波管・平面線路変換器100の帯域幅を広げることができる。このため、変換器を大型化することなく、また、製造コストを顕著に増大させることなく、導波管・平面線路変換器の帯域幅を広げることができる。
また、この様な広帯域化によって、製造時の加工精度の影響を受けて、導波管・平面線路変換器100の変換特性が顕著に劣化するのを抑制することができる。例えば、共振周波数f1には、共振素子7を形成するためのパターニング精度に応じた誤差が生じる。同様にして、共振周波数f2にはキャビティ22の加工精度に応じた誤差が生じる。しかしながら、異なる2つの共振周波数f1,f2で二重共振させることによって、これらの共振周波数f1,f2の一方又は両方に多少の誤差が生じたとしても、伝送波の周波数における変換特性が顕著に劣化することはない。従って、伝送波の周波数に関し、製品毎の特性のばらつきを抑制することができる。その結果、製造歩留まりを向上させることができ、製造コストを低減することができる。
さらに、導波管ブロック内にキャビティ22を形成することにより、広帯域化を実現していることから、部品数を増大させることなく、また、小型軽量化を犠牲にすることもない。従って、小型軽量で広帯域の導波管・平面線路変換器を実現することができる。しかも、このような導波管・平面線路変換器を安価に製造することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、導波管・平面線路変換器100を広帯域化するための導波管ブロック2の一構成例について説明した。本実施の形態では、導波管ブロック2の他の構成例について更に説明する。
キャビティ22は、連結面24よりも開口部23側の空間であり、連結面24は、導波管ブロック2の内周面に段差25を設けることによって形成された反射面である。従って、連結面24を形成する内周面上の段差25は、開口部23からの距離がキャビティ22内における波長の約1/2となる位置に形成されていればよい。また、段差25の形状は、キャビティ22内において反射を生じさせるものであればよい。つまり、キャビティ22の断面形状は、導波管21の断面形状と異なるものであればよく、その形状は任意である。このため、本実施の形態では、導波管・平面線路変換器100に適用することができる種々の導波管ブロック2a〜2dを例示する。
図9は、本発明の実施の形態2による導波管・平面線路変換器100の要部の一構成例を示した図であり、導波管ブロック2aが示されている。図中の(a)には平面図、(b)にはA2−A2切断線による断面図、(c)にはB2−B2切断線による断面図が示されている。なお、誘電体基板1は、図1の導波管・平面線路変換器100の場合と同じものが用いられる。
この導波管ブロック2aでは、導波管21及びキャビティ22の断面形状は、ともに矩形であり、長辺の長さが一致しているが、短辺の長さは、導波管21よりもキャビティ22の方が短くなっている。つまり、導波管21及びキャビティ22は、互いの狭壁が一致する一方、互いの広壁は一致せず、広壁の段差25のみによって連結面24が形成されている。
図10は、導波管・平面線路変換器100の要部の他の構成例を示した図であり、導波管ブロック2bが示されている。図中の(a)には平面図、(b)にはA3−A3切断線による断面図、(c)にはB3−B3切断線による断面図が示されている。
この導波管ブロック2bも、図9の導波管ブロック2aと同様、導波管21及びキャビティ22の断面形状はともに矩形であるが、短辺の長さが一致し、長辺の長さが、導波管21よりもキャビティ22の方が長くなっている。つまり、導波管21及びキャビティ22は、互いの広壁が一致する一方、互いの狭壁は一致せず、狭壁の段差25のみによって連結面24が形成されている。
つまり、導波管21及びキャビティ22の断面形状がともに矩形からなる場合、狭壁及び広壁のいずれか一方のみに段差25を設けるだけでも、連結面24を形成することができる。また、この段差25は、キャビティ22の断面積を導波管21の断面積よりも大きくするものであってもよいし、小さくするものであってもよい。
図11は、導波管・平面線路変換器100の要部の他の構成例を示した図であり、導波管ブロック2cが示されている。図中の(a)には平面図、(b)にはA4−A4切断線による断面図、(c)にはB4−B4切断線による断面図が示されている。
この導波管ブロック2cでは、キャビティ22の断面形状が長円になっている。つまり、キャビティ22は、長円の底面を有する柱状体の空間からなる。長円の直線部分は、導波管21の広壁と一致する一方、円弧部分は、導波管21の狭壁とは一致せず、狭壁及び円弧部分によって形成される段差25によって連結面24が形成されている。つまり、キャビティ22の断面形状は矩形でなくてもよく、例えば、円形であってもよい。ドリルを用いた切削加工によりキャビティ22を形成する場合、この様な長円の断面形状に加工する方が、矩形の断面形状に加工するよりも効率的である。
本実施の形態において示した通り、キャビティ22の断面形状は、導波管21とは異なっていればよく、その断面形状は任意である。また、本実施の形態では、キャビティ22の断面形状が管軸上の位置にかかわらず一定となる形状、つまり、柱状体である場合について説明したが、本発明による導波管・平面線路変換器100のキャビティ22は、柱状体には限定されない。例えば、管軸方向に沿って断面形状が滑らかに変化するものであってもよい。キャビティ22の内部において顕著な反射を生じさせることは望ましくないため、キャビティ22の内周面には反射面を形成するような段差が形成されていなければよく、キャビティ22の断面積が一定であることは必須ではない。
実施の形態3.
上記実施の形態では、誘電体基板1に共振素子7が形成された導波管・平面線路変換器100について説明した。これに対し、本実施の形態では、誘電体基板1に共振窓7aが形成された導波管・平面線路変換器101について説明する。
図12及び図13は、本発明の実施の形態3による導波管・平面線路変換器101の一構成例を示した図である。図12には展開斜視図、図13には平面図が示されている。この導波管・平面線路変換器101は、共振素子7に代えて、共振窓7aを有する点で、図1〜図5の導波管・平面線路変換器100とは異なる。なお、図1〜図5に示された構成要素に相当するものには、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
接地板6aは、閉鎖領域10の周辺に加えて、共振窓7aを除く閉鎖領域10内にも形成されている。この接地板6aに導波管ブロック2の端面を密着させることによって、接地板6及び導波管ブロック2を導通させている。図中では、接地板6が、共振窓7aと一致する内縁を有し、共振窓7aを除く誘電体基板1の下面全体に形成されている。
共振窓7aは、接地板6aに形成された窓、つまり、接地板6aの開口部であり、誘電体基板1上の共振領域となる。また、共振窓7aは、誘電体基板1を挟んで平面線路5の先端と重複するように配置され、平面線路5と電磁的に結合されている。共振窓7aは、開口部23の長辺方向の略中央を通り、開口部23の長手方向の長さP3が誘電体基板1内における波長の約1/2となるように形成される。
このような共振窓7aを有する誘電体基板1を用いた導波管・平面線路変換器101においても、導波管21及びキャビティ22が形成された導波管ブロック2を用いることにより、実施の形態1及び2と同様の作用効果が得られる。
実施の形態4.
図14〜図16は、本発明の実施の形態4による高周波回路200の一構成例を示した図であり、図14には側面図、図15には上面図、図16には底面図が示されている。この高周波回路200は、2枚の誘電体基板1n,1mが導波管ブロック2dの両面に密着固定されて構成される。誘電体基板1n,1m上には、回路31,32がそれぞれ形成されており、これらの回路31,32は、導波管ブロック2内の導波管21を介して接続されている。
導波管ブロック2dは、互いに対向する回路形成面2n,2mを有し、これらの回路形成面2n,2mには、開口部23n,23mがそれぞれ形成されている。また、導波管ブロック2dの内部には、導波管21が形成されるとともに、導波管21の両端にキャビティ22n,22mが形成されている。キャビティ22n,22mは、導波管21に対し管軸方向にそれぞれ連通し、導波管21とは反対側に開口部23n,23mがそれぞれ形成されている。つまり、開口部23n,23mは、キャビティ22n,22m及び導波管21を介して連通している。
回路形成面2n上には、誘電体基板1nが密着固定されている。誘電体基板1nは、図1〜図5に示した誘電体基板1上にアンテナ31が形成された基板であり、短絡板3n及び平面線路5nと、図示しない接地板及び共振素子を有し、さらに、平面線路5nに接続されたアンテナパターン31を有している。
同様にして、回路形成面2m上には、誘電体基板1mが密着固定されている。誘電体基板1mは、図1〜図5に示した誘電体基板1上に送受信回路32が配置された基板であり、短絡板3m及び平面線路5mと、図示しない接地板及び共振素子を有し、さらに、平面線路5mに接続された送受信回路32を有している。
つまり、この高周波回路200は、上面側に導波管・平面線路変換器100n、下面側に導波管・平面線路変換器100mが形成され、これらの導波管・平面線路変換器100n,100mが導波管21を介して接続されている。従って、誘電体基板1n上のアンテナ31と、誘電体基板1m上の送受信回路32が、導波管・平面線路変換器100n,100m及び導波管21を介して接続されている。
これらの導波管・平面線路変換器100n,100mは、導波管21の両端に形成されたキャビティ22n,22mによって、広帯域化されているため、アンテナ31及び送受信回路32の接続経路を全体として広帯域化することができる。
この様な広帯域化によって、製造時の加工精度の影響を受けて、導波管・平面線路変換器100の変換特性が顕著に劣化するのを抑制することができる。つまり、アンテナ31及び送受信回路32間の伝送波の周波数に関し、製品毎の特性のばらつきを抑制することができる。その結果、製造歩留まりを向上させることができ、製造コストを低減することができる。
実施の形態5.
図17は、本発明の実施の形態5による高周波回路201の一構成例を示した側面図である。この高周波回路201は、図14の高周波回路200と比較すれば、導波管ブロック2e内に形成されたキャビティ22n,22m及び導波管21の断面積の大小関係のみが異なっている。
管軸に垂直な断面積は、図14の高周波回路200では、導波管21よりもキャビティ22n,22mの方が大きい。これに対し、図15の高周波回路201では、キャビティ22m、導波管21、22nの順で大きくなっていく。
つまり、これらの高周波回路200,201は、2つのキャビティ22n,22mのうち、少なくとも一方の断面積が、導波管の断面積よりも大きくなっている。このため、導波管ブロック2d,2eは、中子を用いたダイキャスト法により製造することができ、高精度かつ安価に製造することができる。
1,1n,1m 誘電体基板
2,2a〜2e 導波管ブロック
2,2m,2n 回路形成面
3,3m,3n 短絡板
5,5m,5n 平面線路
6,6a 接地板
7 共振素子
7a 共振窓
8 スルーホール
10 閉鎖領域
21 導波管
22,22m,22n キャビティ
23,23m,23n 開口部
24 連結面
25 段差
31 アンテナ
32 送受信回路
100,100m,100n,101 導波管・平面線路変換器
200,201 高周波回路
f0 中心周波数
f1,f2 共振周波数

Claims (7)

  1. 空洞共振器及び導波管が形成された導波管ブロックと、
    上記導波管とは反対側に形成された上記空洞共振器の開口部を閉鎖する第1面に共振領域が形成され、第2面に上記共振領域と対向する平面線路が形成された誘電体基板とを備え、
    上記導波管及び空洞共振器は、上記導波管ブロック内において管軸方向に連通する中空部からなり、互いを区分する連結面上の内壁に段差が形成されていることを特徴とする導波管・平面線路変換器。
  2. 上記空洞共振器は、上記導波管の管軸に直交する断面形状が上記導波管とは異なることを特徴とする請求項1に記載の導波管・平面線路変換器。
  3. 上記空洞共振器及び上記導波管は、4つの管壁に囲まれた矩形の断面形状を有する中空部からなり、
    上記段差は、少なくとも対向する一対の管壁にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項2に記載の導波管・平面線路変換器。
  4. 上記空洞共振器及び上記共振領域の共振周波数は、上記導波管の伝送波の周波数を挟んで異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導波管・平面線路変換器。
  5. 互いに対向する一対の回路形成面を有する導波管ブロックと、
    上記回路形成面にそれぞれ配置された一対の誘電体基板とを備え、
    上記導波管ブロックは、上記回路形成面にそれぞれ開口部を有する一対の空洞共振器と、これらの上記空洞共振器を互いに連通させる導波管とを有し、
    上記誘電体基板は、上記開口部を閉鎖する第1面に共振領域が形成され、第2面に上記共振領域と対向する平面線路が形成されていることを特徴とする高周波回路。
  6. 上記導波管及び空洞共振器は、上記導波管ブロック内において管軸方向に連通する中空部からなり、互いを区分する連結面上の内壁に段差が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の高周波回路。
  7. 上記空洞共振器は、上記導波管の管軸に直交する断面が上記導波管とは異なる形状からなり、
    一対の上記空洞共振器の少なくとも一方の断面積が、導波管の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の高周波回路。
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